JP2001208183A - 無段変速機のライン圧制御装置 - Google Patents

無段変速機のライン圧制御装置

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JP2001208183A
JP2001208183A JP2000020126A JP2000020126A JP2001208183A JP 2001208183 A JP2001208183 A JP 2001208183A JP 2000020126 A JP2000020126 A JP 2000020126A JP 2000020126 A JP2000020126 A JP 2000020126A JP 2001208183 A JP2001208183 A JP 2001208183A
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ratio
line pressure
speed
continuously variable
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Hiroki Asayama
弘樹 浅山
Kaoru Kondo
薫 近藤
Toru Hashimoto
徹 橋本
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Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無段変速機のライン圧制御装置に関し、登坂
路で車両が逆行時しても無段変速機における動力伝達経
路にスリップを生じないように目標ライン圧を設定でき
るようにする。 【解決手段】 入力トルク演算手段53Dによって、車
速検出手段53Cによる検出車速が低車速域にある時に
は、トルク比検出手段53Bにより検出された検出トル
ク比に代えて予め設定された所定の固定トルク比を用い
て、この固定トルク比とエンジン出力トルク検出手段5
3Aにより検出されたエンジン出力トルクとに基づいて
無段変速機への入力トルクを演算するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載された
ベルト式無段変速機等に用いて好適の、無段変速機のラ
イン圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、無段変速機が、変速比を連続的に
制御することで変速ショックを回避できる点や燃料消費
効率の優れた点に着目され、特に車両用の開発が盛んに
行なわれている。このような無段変速機では、一般に油
圧制御により変速比の制御を行なうようになっている。
【0003】例えばベルト式無段変速機の場合、機関
(エンジン)で発生した動力がベルトを介してプライマ
リプーリからセカンダリプーリへ伝達される。この際、
通常はセカンダリプーリの油圧ピストンには伝達トルク
などの基本特性に合わせて設定された油圧(ライン圧)
を作用させてベルトへのクランプ力を与えておき、プラ
イマリプーリの油圧ピストンに作用させる油量や油圧を
調整することで変速〔変速比(プライマリプーリとセカ
ンダリプーリとの各有効半径比)の制御〕を行なう。
【0004】特に、ライン圧が不足するとベルトのスリ
ップを招いて動力伝達に支障をきたしてしまい、逆にラ
イン圧が過剰であれば油圧源側の負担増を招くので、ベ
ルトのスリップを招くことなく且つ過剰でない程度のラ
イン圧になるようにライン圧制御を行なう必要がある。
このようなベルトのスリップは、ベルトにより伝達する
トルクの大きさに応じて生じるので、無段変速機に入力
されるトルク(トランスミッション入力トルク)と無段
変速機の変速比(トランスミッション変速比)とに応じ
て目標ライン圧を設定して、ライン圧制御を行なうよう
にしている。
【0005】ところで、目標ライン圧の設定に必要なト
ランスミッション入力トルクは、直接検出するのが困難
であるため、検出または推定が容易なパラメータからこ
のトランスミッション入力トルクを算出することにな
る。車両用無段変速機の場合、エンジンと無段変速機と
の間にトルクコンバータ(トルコン)を介装して、停止
時にはこのトルコンによりエンジン回転を吸収できるよ
うにしたものが一般的である。
【0006】このような車両用無段変速機のライン圧制
御では、トランスミッション入力トルクは、例えばエン
ジン負荷(スロットル開度θthや平均有効圧Pe等)か
ら検出(推定又は算出を含む)できるエンジン出力トル
クに、トルコンの入出力回転速度比(速度比)から算出
できるトルク比(トルコントルク比)を乗じることによ
り算出することができる。
【0007】なお、トランスミッション入力トルクの算
出にはトルコントルク比t(e)が必要になるが、この
トルコントルク比t(e)は、トルコンにおける速度比
〔即ち、トルコンの出力回転速度(タービン回転速度)
Ntとトルコンの入力回転速度(エンジン回転速度)N
eとの比〕Nt/Neが大きいほど小さくなる特性があ
り、トルコントルク比t(e)は速度比Nt/Neに対
応して設定することができる。したがって、例えば予め
記憶されたマップ等に基づいて速度比Nt/Neからト
ルコントルク比t(e)を求めることができる。また、
タービン回転速度Nt及びエンジン回転速度Neは、所
要箇所に回転数センサを設置することで検出することが
できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、トルコンと
自動変速機とをそなえた車両において、上り勾配の強い
登坂路で車両を停止させてブレーキを解除すると、クリ
ープ現象を与える前進トルクよりも重力による後退トル
クの方が大きくなって車両が逆行してしまうことがあ
る。そして、このような車両の逆行時に、ライン圧の不
足が発生し、自動変速機がベルト式無段変速機である
と、このライン圧不足によりベルトがスリップしてしま
うおそれがあることが判明した。
【0009】このような車両逆行時にライン圧不足が発
生するメカニズムを解明したところ、ライン圧制御を行
なうコントローラ(コンピュータ)が、タービン回転方
向を判別することができず、車両逆行時にも車両(即
ち、トルコンのタービン)が前進走行しているものと誤
判定して、車両逆行時に前進回転と誤判定されたタービ
ン回転速度Ntとエンジン回転速度Neとからトルコン
の速度比Nt/Neを算出し、さらに、誤判定に基づく
速度比Nt/Neからトルコンのトルク比t(e)を算
出し、これに基づいてトランスミッション入力トルクを
算出してしまうことに起因することが判った。これを図
6,図7を使って説明する。
【0010】図6は、登坂路101上の地点Aで停止し
ていた車両102が、後ずさり(逆行)して、少しずつ
逆行速度を高めていった地点Bでドライバがブレーキ操
作やアクセル操作によるエンジン出力の増加を行なっ
て、逆行速度を減速し地点Cで逆行から前進へと切り換
わりその後前進加速していき、途中で車両Vが後述する
所定車速V0 となる地点Dを通過するようすを示してい
る。
【0011】図7は図6で示した車両動作におけるトル
コン特性をトルコン速度比Nt/Neとトルク比t
(e)との関係で示すものである。図7に示すように、
地点Aではトルコン2のタービン回転速度Ntが0であ
るため速度比Nt/Neは0、トルク比t(e)は最大
値(ストールトルク比)となっている。その後、車両の
後ずさりによって図6中の地点Bになると、タービン回
転速度Ntがエンジン回転とは逆方向に向かって次第に
上昇するが、このときECU50はタービンの回転方向
を判別できないため速度比Nt/Neを正転領域とみな
すため、速度比Nt/Neは1に近づいていくことにな
る。
【0012】一方、トルク比t(e)は、車両が後ずさ
りしようとするときトルコン2がストールトルク比を維
持しようとするため、本来図7中の地点Bで示す状態に
あるべきだが、実際には、ECU50が速度比Nt/N
eを正転領域とみなしているため、トルク比t(e)は
ストールトルク比から徐々に低下する(地点A→地点
B′)。
【0013】また、図6中の地点Cでは車速が一旦0と
なるため、タービン回転速度Ntもこれに伴って0にな
る。したがって、速度比Nt/Neも0となり、トルク
比t(e)もストールトルク比となる々に低下する(地
点B′→地点C)。そして、図6中の地点Dではエンジ
ン回転速度Neの増加に伴いタービン回転速度Ntも上
昇してくるため、再び速度比Nt/Neが1に近づくと
ともに、トルク比t(e)が低下するのである(地点C
→地点D)。
【0014】このように、A地点からC地点に逆行して
いる間のトルク比t(e)を前進時のトルク比として誤
算出すると、トルク比t(e)が本来のものよりも低下
してしまい、エンジン出力トルクとトルク比t(e)と
の積として算出されるトランスミッション入力トルクも
実際値よりも小さくなる。したがって、トランスミッシ
ョン入力トルクとトランスミッション変速比とから設定
される目標ライン圧が、本来必要とする圧力よりも低く
設定されてしまい、ベルト式無段変速機においてはベル
トのスリップを招くおそれが出てくる。
【0015】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、登坂路で車両が逆行しても無段変速機の動力伝達
経路にスリップを生じないように目標ライン圧を設定で
きるようにした、無段変速機のライン圧制御装置を提供
することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の無段
変速機のライン圧制御装置では、エンジン出力トルク検
出手段により車両に搭載されたエンジンの出力トルクを
検出し、トルク比検出手段により、エンジンと無段変速
機との間に介装されたトルクコンバータのトルク比を検
出し、車速検出手段により車速を検出して、入力トルク
演算手段により無段変速機に入力される入力トルクを演
算する。この際、入力トルク演算手段では、検出車速が
低車速域にある時には、検出トルク比に代えて予め設定
された所定の固定トルク比を用いて、この固定トルク比
と検出されたエンジン出力トルクとに基づいて無段変速
機への入力トルクを演算する。したがって、車両が登坂
路で逆行してしまった場合には、車速自体は低車速域に
あり、所定の固定トルク比を用いて無段変速機への入力
トルクが演算されることになり、トルク比を誤算出して
入力トルクを実際よりも少なく算出してしまうことを回
避でき、無段変速機の目標ライン圧を必要量確保して、
駆動力の伝達系にスリップが発生するのを防止すること
ができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明すると、図1〜図5は本発明の一実
施形態としての無段変速機のライン圧制御装置を示すも
ので、これらの図に基づいて説明する。まず、本実施形
態にかかる無段変速機の搭載される車両の動力伝達機構
について説明すると、図2(a),(b)に示すよう
に、本動力伝達機構では、エンジン(内燃機関)1から
出力された回転は、トルクコンバータ(トルコン)2を
介してベルト式無段変速機(CVT)20に伝達され、
さらに図示しないカウンタシャフトからフロントデフ3
1,タイヤ30へ伝達されるようになっている。
【0018】トルコン2の出力軸7とCVT20の入力
軸24との間には、正転反転切換機構4が配設されてお
り、エンジン1からトルコン2を介して入力される回転
は、この正転反転切換機構4を介してCVT20に入力
されるようになっている。CVT20は、変速制御等を
後述の油圧制御により行なう油圧式無段変速機となって
いる。
【0019】このCVT20についてさらに詳述する
と、CVT20は、プライマリプーリ(入力回転部材)
21とセカンダリプーリ22とベルト23とから構成さ
れており、正転反転切換機構4からプライマリシャフト
24に入力された回転は、プライマリシャフト24と同
軸一体のプライマリプーリ21からベルト23を介して
セカンダリプーリ22へ入力されるようになっている。
【0020】プライマリプーリ21,セカンダリプーリ
22はそれぞれ一体に回転する2つのシーブ21a,2
1b,22a,22bから構成されている。それぞれ一
方のシーブ21a,22aは軸方向に固定された固定シ
ーブであり、他方のシーブ21b,22bは油圧アクチ
ュエータ21c,22cによって軸方向に可動する可動
シーブになっている。
【0021】油圧アクチュエータ21c,22cには、
オイルタンク61内の作動油をオイルポンプ62で加圧
して得られる制御油圧が供給され、これに応じて可動シ
ーブ21b,22bの固定シーブ21a,22a側への
押圧力が調整されるようになっている。セカンダリプー
リ22の油圧アクチュエータ22cには、調圧弁(ライ
ン圧調整弁)63により調圧されたでライン圧PL が加
えられ、プライマリプーリ21の油圧アクチュエータ2
1cには、調圧弁63により調圧された上で流量制御弁
(変速比調整弁)64により流量調整された作動油が供
給され、この作動油が変速比調整用油圧(プライマリ
圧)PP として作用するようになっている。また、調圧
弁63は、ライン圧制御用ソレノイド63Aを電気信号
によりデューティ制御することにより制御され、流量制
御弁64は、変速制御用ソレノイド64Aを電気信号に
よりデューティ制御することにより制御される。
【0022】なお、ライン圧は、ベルト23の滑りを回
避して動力伝達性を確保できる範囲で可能な限り低い圧
力にすることが、オイルポンプ62によるエネルギ損失
の低減や変速機自体の耐久性を高める上で重要である。
ベルト23のスリップは、ベルト23により伝達するト
ルクの大きさに応じて生じるので、CVT20に入力さ
れるトルク(トランスミッション入力トルク)とCVT
20の変速比(トランスミッション変速比)とに応じて
目標ライン圧PLAを設定して、ライン圧制御を行なうよ
うにしている。
【0023】また、プライマリ圧PP は、プライマリプ
ーリ21の実回転数に基づいたフィードバック制御によ
り制御されるようになっている。ここでは、車速に対応
するセカンダリプーリ22の回転数(セカンダリ回転
数)と車両に搭載されたエンジンの負荷(例えば、アク
セル開度)とからプライマリプーリ21の目標回転数を
設定して、プライマリプーリ21の実回転数NP と目標
回転数NPTとの偏差ΔN P (=NPT−NP )を算出し、
この偏差ΔNP にPID補正を施した制御量(変速デュ
ーティ)に基づいて、プライマリプーリ21の実回転数
P が目標回転数NPTになるように流量制御弁(変速比
調整弁)64を制御するようになっている。
【0024】そして、セカンダリプーリ22の油圧アク
チュエータ22cに与えられるライン圧PL 及びプライ
マリプーリ21の油圧アクチュエータ21cに与えられ
るプライマリ圧PP は、コントローラ(電子制御コント
ロールユニット=ECU)50の指令信号により、それ
ぞれ制御されるようになっている。つまり、図2(b)
に示すように、ECU50には、エンジン回転数センサ
(クランク角センサ又はカム角センサ)41,プライマ
リプーリ21の回転速度を検出する第1回転速度センサ
43,セカンダリプーリ22の回転速度を検出する第2
回転速度センサ44,ライン圧を検出するライン圧セン
サ(ライン圧検出手段)45,スロットル開度センサ4
6,変速比調整用油圧(プライマリ圧)PPを検出する
プライマリ圧センサ(プライマリ圧検出手段)47等の
各検出信号が入力されるようになっており、ECU50
では、これらの検出信号に基づいて各プーリ21,22
への油圧供給系にそなえられた調圧弁63や流量制御弁
64を制御するようになっている。なお、ここでは、第
1回転速度センサ43をトルコンのタービン回転速度セ
ンサにも用いているが、もちろん、専用のタービン回転
速度センサを設けるようにしてもよい。
【0025】ECU50には、上述の流量制御弁64の
制御を行なう機能(変速制御手段)52と調圧弁63の
制御(ライン圧制御)を行なう機能(ライン圧制御手
段)53とが設けられている。本実施形態のライン圧制
御装置は、このライン圧制御手段53内の機能要素とE
CU50に情報を入力するセンサ類等から構成され、図
1に示すように、エンジンの出力トルクを検出するエン
ジン出力トルク検出手段53Aと、トルクコンバータの
トルク比を検出するトルク比検出手段53Bと、車両の
車速を検出する車速検出手段53Cと、CVT20に入
力される入力トルクを演算する入力トルク演算手段53
Dと、目標ライン圧PLAを設定する目標ライン圧設定手
段53Eとをそなえている。
【0026】エンジン出力トルク検出手段53Aは、エ
ンジン回転数センサ41及びスロットル開度センサ46
と、エンジン回転数センサ41で検出されるエンジン回
転数(回転速度)Neとスロットル開度センサ46で検
出されるスロットル開度θthとからエンジン出力トルク
Teを算出(又は推定)するエンジン出力トルク算出手
段53aとから構成される。
【0027】トルク比検出手段53Bは、第1回転速度
センサ43と、エンジン回転数センサ41と、トルクコ
ンバータのトルク比を検出(算出)するトルク比算出手
段53bとから構成される。また、トルク比算出手段5
3bにより、予め記憶されたマップに基づいて、トルコ
ンにおける速度比6タービン回転速度〔プライマリプー
リ21の回転速度)Ntとエンジン回転速度Neとの
比〕Nt/Neからトルク比t(e)を算出するように
なっている。なお、この時に用いるマップは、例えば図
3に示すように、速度比Nt/Neが大きいほどトルク
比t(e)が反比例的に小さくなるように設定される。
【0028】車速検出手段53Cは、第2回転速度セン
サ44と、この第2回転速度センサ44により検出され
たセカンダリプーリ22の回転速度に所定係数を乗じる
などして車速を算出する車速算出手段53cとから構成
される。入力トルク演算手段53Dは、車速検出手段5
3Cによる検出車速Vが所定車速V0 以下の低車速域に
ある時には、トルク比検出手段53Bによる検出トルク
比t(e)に代えて予め設定された所定の固定トルク比
(ここでは、固定トルク比をストールトルク比とする)
を用いて、この固定トルク比と検出されたエンジン出力
トルクTeとに基づいてCVT20への入力トルクを演
算し、検出車速が低車速域にない時には、トルク比検出
手段53Bによる検出トルク比t(e)とエンジン出力
トルクTeとに基づいてCVT20への入力トルクを演
算する。
【0029】目標ライン圧設定手段53Eは、入力トル
ク演算手段53Dで算出されたトランスミッション入力
トルクと、CVT20の変速比とに応じて目標ライン圧
LAを設定する。なお、変速比は、プライマリプーリ2
1とセカンダリプーリ22との各有効半径比であり、例
えば、第1回転速度センサ43により検出されたプライ
マリプーリ21の回転速度NP と第2回転速度センサ4
4により検出されたセカンダリプーリ22の回転速度N
S とから算出(NP /NS )できる。
【0030】本発明の一実施形態としての無段変速機の
ライン圧制御装置は、上述のように構成されているの
で、例えば、図4に示すようなフローでライン圧制御が
行なわれる。図4に示すように、まず、エンジン出力ト
ルク検出手段53Aで、エンジン回転数センサ41で検
出されるエンジン回転数Neとスロットル開度センサ4
6で検出されるスロットル開度θthとからエンジン出力
トルクTeを算出する(ステップS10)。そして、車
速検出手段53Cによる検出車速Vが所定車速V0 以下
か否かを判定し(ステップS20)、車速検出手段53
Cによる検出車速Vが所定車速V0 以下ならば、ステッ
プS30に進み、トルコンのトルク比t(e)を予め設
定された所定値(所定の固定トルク比、ここでは、固定
トルク比をストールトルク比とする)とする。車速検出
手段53Cによる検出車速Vが所定車速V0 よりも大な
らば、ステップS70に進み、トルク比検出手段53B
により、予め記憶されたマップに基づいてトルコンにお
ける速度比Nt/Neからトルコンのトルク比t(e)
を設定する。
【0031】このようにして、トルク比t(e)が設定
されたら、入力トルク演算手段53Dにより、トルク比
t(e)とステップS10で算出されたエンジン出力ト
ルクTeとに基づいてCVT20への入力トルクを演算
する(ステップS40)。したがって、検出車速Vが所
定車速V0 以下の低車速域にある時には、トルコントル
ク比t(e)として予め設定された所定の固定トルク比
が用いられ、この固定トルク比とエンジン出力トルクT
eとに基づいてCVT20への入力トルクを演算する。
また、検出車速Vが所定車速V0 よりも大の走行車速域
にある時には、検出された速度比Nt/Neに対応して
設定されたトルク比t(e)とエンジン出力トルクTe
とに基づいてCVT20への入力トルクを演算すること
になる。
【0032】そして、第1回転速度センサ43により検
出されたプライマリプーリ21の回転速度NP と第2回
転速度センサ44により検出されたセカンダリプーリ2
2の回転速度NS とから、CVT20の変速比(トラン
スミッション変速比)を算出して(ステップS50)、
ステップS40で算出されたトランスミッション入力ト
ルクとステップS50で算出されたトランスミッション
変速比とに応じて目標ライン圧PLAを算出する(ステッ
プS60)。
【0033】このように設定された目標ライン圧PLA
基づいてライン圧制御を行なえば、例えば本発明の課題
として説明したような車両の逆行時にも、ライン圧の不
足を招かないようにすることができる。つまり、本制御
装置では、このような車両の逆行時等のように、車両が
低車速域にある時には、トルコントルク比t(e)とし
て予め設定された所定の固定トルク比(ここでは、スト
ールトルク比)を用いてCVT20への入力トルクを演
算し、目標ライン圧PLAを設定しているので、トルク比
t(e)が過少に算出されてしまうことを防止すること
ができ、目標ライン圧PLAの不足を防止することができ
るのである。
【0034】図5は、車両が地点Aから逆行を開始し、
これに気付いたドライバが地点Bでアクセル操作をして
スロットル開度を高めていき、車両の逆行速度が低下し
て、地点Cで一旦停止した後、前進を開始して、次第に
前進速度を高めていく場合のスロットル開度,車速,ト
ルク比t(e),ライン圧の変化の一例を示すタイムチ
ャートである。図5において、時点tA は図6における
地点Aに、時点tB は図6における地点Bに、時点tC
は図6における地点Cに、時点tD は図6における地点
Dに、それぞれ対応する。また、図5において、実線は
本装置の場合を、破線は従来技術による場合を示す。
【0035】まず、地点A〜B,B′では、アルセル開
度が0のためライン圧は最低圧に保持されているが、ド
ライバが車両の逆行に気付いて地点B,B′でアクセル
を踏んだものとする。従来技術では、車両が逆行する
と、実際には車速は負(後退)しているにもかかわらず
ECU50は後退を判断できないため、トルコンのター
ビンを正転しているものと判断しトルク比t(e)を停
止時よりも小さな値に設定してしまう。このため、これ
に応じてライン圧も低く設定されるので、ライン圧不足
(油圧不足)を招き、ベルトのスリップが発生するおそ
れがあった。
【0036】これに対して本装置では、ECU50は低
車速時にはトルク比t(e)を固定トルク比に設定し
て、これに応じてライン圧を設定(ライン圧を示す実線
を参照)する。即ち、登坂路の逆行時では、車速はごく
低いので、トルク比t(e)は固定トルク比とされるの
で、トルク比t(e)が過少にならないようにでき、ラ
イン圧不足を招くこともなく、ベルトのスリップの発生
を防止することができるようになるのである。
【0037】図5に示す例では、車両が前進を開始して
加速しながら時点tD (即ち、地点D)に達したとき
に、車両の速度Vが所定車速V0 に達するものとしてい
る。なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるもの
ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更し
て実施しうるものである。例えば、上記の実施形態で
は、低車速時にトルコントルク比t(e)をストールト
ルク比に設定しているがこれに限るものではない。もち
ろん、油圧を十分に確保しようとする観点からは、スト
ールトルク比に近い値に設定することが望ましい。
【0038】また、本発明は、ベルト式のものに限定さ
れず油圧式無段変速機に広く適用でき、例えばトロイダ
ル式等のものにも適用しうる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の無段変速
機のライン圧制御装置によれば、登坂路で車両が逆行時
しても無段変速機における動力伝達経路にスリップを生
じないように目標ライン圧を設定できるようになり、駆
動力の伝達系にスリップが発生するのを防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての無段変速機のライ
ン圧制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる無段変速機付き車
両の動力伝達系を説明するための模式図であり、(a)
はその無段変速機を含んだ動力伝達系の模式的構成図、
(b)はその無段変速機の構成図である。
【図3】本発明の一実施形態としての無段変速機のライ
ン圧制御装置の制御内容を説明するマップを示す図であ
る。
【図4】本発明の一実施形態としての無段変速機のライ
ン圧制御装置によるライン圧制御の内容を説明するフロ
ーチャートである。
【図5】本発明の一実施形態としての無段変速機のライ
ン圧制御装置によるライン圧制御の内容を説明するタイ
ムチャートである。
【図6】本発明の課題を説明するための、車両の登坂路
の逆行を示す模式図である。
【図7】本発明の課題を説明するための、トルクコンバ
ータの特性図である。
【符号の説明】
1 エンジン 20 ベルト式無段変速機(CVT) 50 ECU 53 ライン圧制御手段 53A エンジン出力トルク検出手段 53B トルク比検出手段 53C 車速検出手段 53D 入力トルク演算手段 53E 目標ライン圧設定手段 63 調圧弁(ライン圧調整弁)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 63:06 F16H 63:06 (72)発明者 橋本 徹 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3J052 AA04 AA07 CA21 CA31 GC23 GC32 GC44 GC46 HA11 KA01 LA01

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載され、エンジンからの出力ト
    ルクがトルクコンバータを介して無段変速機に伝達され
    るとともに、該無段変速機に入力される入力トルクに基
    づいて目標ライン圧を決定する無段変速機のライン圧制
    御装置において、 該エンジンの出力トルクを検出するエンジン出力トルク
    検出手段と、 該トルクコンバータのトルク比を検出するトルク比検出
    手段と、 該車両の車速を検出する車速検出手段と、 該無段変速機に入力される入力トルクを演算する入力ト
    ルク演算手段と、をそなえ、 該入力トルク演算手段は、該車速検出手段による検出車
    速が低車速域にある時には、該トルク比検出手段による
    検出トルク比に代えて予め設定された所定の固定トルク
    比を用いて、該固定トルク比と該エンジン出力トルク検
    出手段により検出された該エンジン出力トルクとに基づ
    いて該無段変速機への入力トルクを演算することを特徴
    とする、無段変速機のライン圧制御装置。
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