JP4207349B2 - 車両制御装置及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動走行制御にて減速指令がなされた場合に、車両の減速を好適に行うことができる車両制御装置及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、クルーズコントロール(自動走行制御)を行う車両において、車両が自動的に加減速する場合に、変速機(無段変速機;CVT)の変速比を制御することによって、車両を減速させる技術が研究されている。
【0003】
しかし、車両の減速のために変速比をダウンシフトすると、制動力が増す代わりに、エンジン回数数が吹き上がるため、運転者に違和感が生じ易い。従って、できる限り不要なダウンシフトは避けることが望ましい。
また、これとは別に、スロットル全閉のコースティング状態(アクセルを戻した状況での走行状態)を考えてみると、自動走行制御を行わない通常制御の場合には、車両が加速している過程で、スロットル全閉となる場合が存在する。
【0004】
例えば、運転者が適切なスロットル開度を設定できずに、車両が加速し過ぎた状態である場合などで、一度スロットルを全閉にしてから再度スロットルを開き直すという場合である。
そのような時には、スロットル開度を全閉にしたからと言って、運転者は急減速を求めていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような場合、スロットル開度が全閉になった時の制動力が大き過ぎると、スロットル操作に対するトルク変化が大きくなるので、ショックとなって運転者に違和感を感じさせることがある。
【0006】
逆に、自動走行制御において減速制御が実施されている場合に、スロットル開度が全閉になる時には、実際に減速が要求される場合であるので、制動力は高いほうが好ましい。
従って、自動走行制御において減速制御を実施する場合には、不要なダウンシフトを防ぎつつ、制動力を高める技術が望まれる。
【0007】
この方法として、例えば特開平58―191361号公報に記載の技術を利用することが考えられる。
前記公報の技術とは、無段変速機の変速比を油圧で制御する車両において、急変速が必要な場合に、エンジントルクの上昇に対してベルトのスリップを発生させないために、油圧制御機構の制動油圧の元圧であるライン圧(制御ライン圧)を、一時的に通常時より高くするものである。
【0008】
しかし、この技術は、変速することを前提にしてライン圧を制御するので、自動走行制御の減速指令時において、エンジン回転数が上昇するという違和感を除くことはできないという問題がある。
また、他の対策として、燃料カットが考えられる。しかし、無段変速機を搭載した車両においては、一般にごく低速域を除いて、スロットルが全閉となった場合には、燃費を向上させるために燃料カットを実施する。従って、自動走行制御において減速指令が出され、スロットルが全閉となった場合には、既に燃料カットは実施された状態となるので、燃料カット以外の対策が必要である。
【0009】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、運転者がアクセル操作する場合と自動走行制御により走行する場合の違いに着目し、例えば自動走行制御により走行する場合において、減速の必要な時に不要なダウンシフトを防止しつつ、車両を好適に減速することができる車両制御装置及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
(1)請求項1の発明は、車両を駆動する駆動力を発生する駆動源と、無段階にギア比を変更する無段変速機と、を備えた車両に対する制御を行う車両制御装置において、前記車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、前記走行状態検出手段によって検出した車両の走行状態に応じて、車両の加減速状態を制御する加減速制御手段と、前記加減速制御手段による減速指令時には、前記駆動源にかかる負荷を通常時より増加させる負荷増加手段と、を備え、前記負荷増加手段は、前記加減速制御手段による減速指令時に、前記無段変速機の変速比を変更する油圧制御機構に対して、その油圧を制御するライン圧を通常時より高くするものであり、前記車両制御装置は、前記加減速制御手段による減速指令時に、前記無段変速機の変速比を減速指令前の変速比とする、又は、変速比の変更のみにより減速する場合に比べて、変速比の変速の程度を低減することを特徴とする。
ここでは、例えば各種のセンサやスイッチからの信号により、車両の走行状態を検出し、その検出した車両の走行状態に応じて車両の加減速状態を制御して、例えばオートクルーズと称される自動走行制御を行う。そして、加減速制御手段によって減速が指令されている場合には、エンジンにかかる負荷を通常時より増加させて、即ち減速エネルギーを増加させて車両の減速を行うのである。
【0011】
つまり、本発明では、従来の様に、単に無段変速機の変速比をダウンシフトして車両を減速させるのではなく、駆動源の負荷を増加させて制動力を高めて車両を減速するので、変速比を増加させた場合のようなエンジン回数数の急上昇を防止できる。よって、例えば自動走行制御において減速指令がなされた場合には、エンジン回転数の急上昇による運転者の違和感を低減することができる。
【0012】
詳しくは、本発明では、負荷増加手段は、加減速制御手段による減速指令時に、油圧制御機構のライン圧(制御ライン圧)を通常時より高くする。
つまり、ライン圧を高くするためには、油圧ポンプの作動をアップすることが必要であるが、油圧ポンプは駆動源であるエンジンによる駆動されるので、ライン圧を高くするように油圧制御機構に指令をすることは、結果として、駆動源の負荷を増加させることになる。
そして、車両制御装置は、加減速制御手段による減速指令時には、無段変速機の変速比を減速指令前の変速比とするか、又は、変速比の変更のみにより減速する場合に比べて、変速比の変速の程度を低減する。
また、本発明では、駆動源の負荷の増加とともに、変速比のダウンシフトを行うことも可能であるが、この場合にはダウンシフトのみの場合と比べて、ダウンシフトの程度を低減できるので、エンジン回数数の上昇が少なくなり、運転者の違和感を低減できるという利点がある。
【0013】
尚、前記加減速制御手段としては、通常車両の加速及び減速の両方が可能なものが考えられるが、本発明は減速時に効果を発揮するので、加速を実施しない手段も本発明の範囲である。
(2)請求項2の発明は、車両制御装置のハード構成を例示したものであり、ここでは、車両制御装置は、駆動源及び無段変速機を備えている。
【0014】
(3)請求項3の発明では、加減速制御手段は、車両の自動走行制御の際に車両の加減速状態を制御する。
つまり、この加減速制御手段は、車両の自動走行制御の際に、車両の加減速を実施する手段である。
【0016】
(4)請求項4の発明は、車両制御装置のハード構成を例示したものであり、ここでは、車両制御装置は、油圧制御機構を備えている。
(5)請求項5の発明では、加減速制御手段は、前方の道路状況を検出する(例えばレーザレーダやCCDカメラの様な)前方状況検出手段からの情報に基づいて、自動的に加減速を行う。
【0017】
(6)請求項6の発明では、加減速制御手段は、自車速検出手段によって自車速を検出し、それを目標車速設定手段によって設定した目標車速と比較し、例えば目標車速となる様に自車速を制御する。
尚、目標速度がマニュアルにて設定された場合には、設定された所定の速度で走行するいわゆる定速走行制御である。
【0018】
(7)請求項7の発明では、加減速制御手段は、例えばレーザレーダやCCDカメラによって、前方に存在する車両を検出するとともに、前方車両との車間距離を検出し、その車間距離に基づいて加減速指令を行う。
ここでは、自動走行制御のうち、レーダセンサ等により測定した前方車との車間距離に基づいて、例えば適切な車間距離で追従する制御(追従制御)を実施するアダプティブクルーズ制御を示している。
【0019】
(8)請求項8の発明では、走行状態検出手段は、ナビゲーション情報を検出するナビゲーション情報検出手段を備えている。
従って、DVDやCD−ROM等に記憶されている(例えばカーブや坂道等の)道路情報に基づいて、例えば自動走行制御時に車両の加減速を好適に行うことができる。つまり、道路のカーブや高低変化に応じて、適切に駆動源の負荷の制御を行うことができる。
【0020】
尚、この種の制御は、ナビゲーション情報に基づいたいわゆるナビ協調制御である。
(9)請求項9の発明は、車両制御装置による制御を実行させるプログラムを記憶しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0021】
つまり、上述した車両制御装置の制御を実行させることができるプログラムを記憶したものであれば、特に限定はない。
例えば記録媒体としては、マイクロコンピュータとして構成される電子制御装置、マイクロチップ、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク等の各種の記録媒体が挙げられる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両制御装置及び記録媒体の好適な実施の形態を、例(実施例)を挙げて図面に基づいて詳細に説明する。
(実施例)
a)まず、本実施例の車両制御装置の構成を説明する。
【0023】
本実施例の車両制御装置は、自動走行制御中に減速指令が出力された場合には、エンジン負荷を増加させる制御を行うものである。
図1に示す様に、車両には、動力源であるエンジンEと、エンジンEで発生した駆動力を調節して車輪側に伝達する無段変速機(CVT)1と、自動走行制御等の制御を行う電子制御装置(ECU)3等を備えている。
【0024】
前記エンジンEは、アクセルペダル4の操作と独立して制御可能な電子スロットル5を備え、この電子スロットル5の弁開度(スロットル開度)に応じた駆動力を出力する。
前記無段変速機1は、可動円錐盤7及び固定円錐盤9からなる駆動側のプライマリプーリ11(駆動プーリ)と、可動円錐盤13及び固定円錐盤15からなる従動側のセカンダリプーリ17(従動プーリ)と、駆動側のプライマリプーリシリンダ19と、従動側のセカンダリプーリシリンダ21と、プライマリプーリ11とセカンダリプーリ17の間に掛け渡された金属ベルト23と、エンジンEにより駆動されるオイルポンプ25と、プライマリ油圧制御アクチュエータ27(PA)と、セカンダリ油圧制御アクチュエータ29(SA)と、トルク伝達機構31を備えている。
【0025】
前記トルク伝達機構31は、エンジンEと無段変速機1との間にて、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ(図示せず)を有し、このロックアップクラッチは、クラッチ油圧制御装置34の油圧により、その締結力が調節される。
前記ECU3は、電子制御回路からなるコントロールユニット(以下CUとも記す)として、スロットル開度を制御する電子スロットルCU33と、変速比やエンジン負荷を調節して駆動力を制御する駆動力CU35と、自動走行を制御(クルーズコントロール)するクルーズCU37が接続されている。尚、電子スロットルCU33と駆動力CU35の間は通信ライン39により接続され、駆動力CU35とクルーズCU37の間は通信ライン41により接続されている。
【0026】
前記電子スロットルCU33には、実際のスロットル開度θを検出するスロットル開度センサ43と、アクセルペダルの踏込量(アクセル開度)を検出するアクセルペダル開度センサ45が接続されている。
また、駆動力CU35には、プライマリプーリ11の回転数(プライマリ回転数NP)を検出するプライマリ回転センサ47と、セカンダリプーリ17の回転数(セカンダリ回転数NS)を検出するセカンダリ回転センサ49と、エンジン回転数(NE)を検出するエンジン回転センサ51と、トルク伝達機構31の入力軸回転数を検出する入力軸回転数センサ52と、トルク伝達機構31の出力軸回転数を検出する出力軸回転数センサ54が接続されている。
【0027】
特に、本実施例では、この駆動力CU35に、後述するライン圧を調節するための構成(エンジン負荷制御部36;図3参照)が設けられている。
更に、クルーズCU37には、自車両の速度を検出する車速センサ56と、先行車との車間距離や先行車の速度を検出するFMCWレーダ53と、道路マップを記憶するとともに自車両の位置を示して走行の案内を行うナビゲーション装置55が接続されている。
【0028】
b)そして、前記各CU33,35,37は、主として下記(1)〜(3)の制御を行う。
(1)前記電子スロットルCU33は、CPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成され、通信ライン39から得る駆動力CU35からの情報と、アクセルペダル開度センサ45の出力と、スロットル開度センサ43の出力を用いて、電子スロットル5の弁開度を制御する。
【0029】
具体的には、通信ライン39から得られるクルーズコントロール作動信号が、クルーズコントロールの非作動中を示す場合には、アクセルペダル開度センサ45の検出データであるアクセルペダル開度に一致するスロットル開度を電子スロットル5に指令する。また、クルーズコントロール作動信号が、クルーズコントロールの作動中を示す場合には、通信ライン39から得られるクルーズコントロール作動時電子スロットル開度に一致するスロットル開度を電子スロットル5に指令する。
【0030】
(2)前記駆動力CU35は、CPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成され、前記プライマリ回転センサ47と、セカンダリ回転センサ49と、エンジン回転センサ51の検出データと、(スロットル開度センサ43により検出され通信ライン39から得られる)スロットル開度θの検出データと、(通信ライン41から得られる)クルーズコントロール作動信号と、目標加減速度等に基づいて、目標変速比を設定し、この目標変速比となるように、プライマリ油圧制御アクチュエータ27を調整して、オイルポンプ25にて発生しプライマリプーリシリンダ19に供給される油圧(プライマリ油圧)を制御する。
【0031】
それとともに、クルーズコントロール中の電子スロットル5の弁開度(クルーズコントロール作動時電子スロットル開度)を設定し、その弁開度を電子スロットルCU33に指令する。
また、この駆動力CU35は、金属ベルト23がスリップを生じないように、セカンダリ油圧制御アクチュエータ29を調整して、オイルポンプ25にて発生しセカンダリプーリシリンダ21に供給される油圧(セカンダリ油圧;即ちライン圧)を制御する。
【0032】
特に本実施例では、後述する様に、エンジン負荷制御部36により、スロットル回度θ、エンジン回転数NE、変速比等に基づいて、ライン圧を制御することにより、スリップの防止だけでなく、オイルポンプ25の作動状態を変更してエンジン負荷を調節している。
【0033】
(3)前記クルーズCU37は、CPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成され、車速センサ56やレーダ53やナビゲーション装置55からの情報により、先行車との車間距離や先行車と自車両との相対速度を求め、先行車に追従する追従制御や、先行車との車間距離を所定値に保つ車間制御や、定速走行を行う定速制御等のクルーズコントロールを行う。
【0034】
従って、例えば先行車との車間距離が所定以上に小さくなるような場合には、駆動力CU35に対して、(クルーズコントロールを実施していることを示す)クルーズコントロール作動信号、(車両の目標とする加減速度である)目標加減速度、スロットル開度指令値を出力する。
【0035】
尚、この目標加減速度を前回の指令値より小さくする指令が、減速指令に該当する。
c)次に、前記エンジン負荷制御部36により実施されるエンジン負荷増加制御の原理について説明する。
【0036】
車両の自動走行制御(クルーズコントロール)を実施している場合に、例えば先行車との車間距離が小さくなると、車両を減速して車間距離を適正なものとする必要がある。
この場合、車両を減速するためにクルーズCU37から駆動力CU35に対して、目標加減速度を減じる減速指令が出力される。この減速指令とは、車両を減速するために指令であるので、例えば無段変速比の変速比を上げるシフトダウンを行い、エンジンブレーキによって減速することが考えられるが、シフトダウンを行う場合には、エンジン回数数が急上昇することがある。
【0037】
そこで、本実施例では、シフトダウンを行う代わりに、ライン圧を増加させてエンジンEの負荷を増大させ、それにより車両の減速を行うものである。
つまり、オイルポンプ25によって供給される油圧は、通常、調圧バルブ(図示せず)によって車速やエンジントルクに適合したライン圧に調圧されるので、例えばライン圧を高める様に調圧バルブを作動させると、オイルポンプ25の負荷、ひいてはエンジン負荷が増加することになる。
【0038】
具体的には、図2にエンジン負荷とライン圧(制御ライン圧)との関係を例示する様に、ライン圧を増加させるように指令信号を出すと、それに応じて、エンジン負荷が増大する。
この様にエンジン負荷が増加するので、結果として、車両の駆動力が低減して、車両は減速を始めることになる。この場合、シフトダウンを行うのではないので、エンジン回数数の急上昇はなく、よって、エンジン回転数の上昇による運転者の違和感が生ずることはない。
【0039】
d)次に、上述したエンジン負荷増加制御を実施する駆動力CU35のエンジン負荷制御部36の制御系について説明する。
図3は、セカンダリプーリ17側の制御ブロック図であり、セカンダリプーリシリンダ21のセカンダリ油圧制御アクチュエータ29の調整を実行して、セカンダリプーリ16に対して、金属ベルト23が滑らない様に、可動円錐盤13と固定円錐盤15との挟持力を十分に発生させるための制御処理を示している。
【0040】
このうち、入力トルク推定部61及び目標セカンダリ油圧演算部63は、駆動力CU35の実行するプログラムとして実現されている。また、セカンダリ油圧制御器65は、駆動力CU35内に備えられた、セカンダリ油圧制御アクチュエータ29を駆動するための駆動回路である。
【0041】
制御が開始されると、入力トルク推定部61は、スロットル開度センサ45から検出されたスロットル開度θと回転センサ43から検出されたエンジン回転数NEとに基づいて、図4(a)に示すエンジン回転数NEとスロットル開度θと入力トルクTinとの関係を示すマップから、入力トルクTinを推定する。この入力トルクTinは、エンジンEで発生し、エンジンEから発進トルク伝達機構31を介して、無段変速機1に入力されるトルクである。
【0042】
次に、目標セカンダリ油圧演算部63が、入力トルク推定部61にて求められた入力トルクTinと、目標変速比設定部67にて求められた目標変速比TRtとに基づいて、目標セカンダリ油圧PStを演算する。
尚、目標変速比設定部67は、スロットル開度θ、セカンダリ回転数NS等の、各種センサから得られる無段変速機1及びエンジンEの状態に基づいて、所定のマップから目標変速比TRtを求める。
【0043】
ここで、本実施例では、変速比は変えないので、目標変速比TRtとしては前回までに設定された目標変速比TRtを使用する。
前記目標セカンダリ油圧(従ってライン圧指令値)PStは、金属ベルト23がセカンダリプーリ17に対して、スリップすることなくトルクを伝達することができる油圧であり、図4(b)に示す3次元マップから求められる。
【0044】
そして、通常は、上述した様にしてライン圧指令値PStが設定されるのであるが、本実施例では、後述する図6のフローチャートに示す様に、クルーズCU37からの減速指令に対応して、エンジン負荷を増加させるために、ライン圧補正演算部69により、ライン圧を補正するためのライン圧補正値dPStを出力する。
【0045】
尚、プライマリプーリ11側の制御ブロック及びその処理は、従来と同様であるので、その説明は省略する(例えば特願平9−301858号の[0054]〜[0074]参照)。
e)次に、本実施例における制御処理の詳細を、図5及び図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0046】
(1)(自動走行制御処理)
最初に、後に詳述するエンジン負荷増加制御に先だって実施される自動走行制御(クルーズコントロール)の処理を、図5のフローチャートに基づいて簡単に説明する。尚、本処理は、クルーズCU37にて実施される。
【0047】
まず、ステップ100にて、クルーズコントロールに設定されているか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ110に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
ステップ110では、レーダ53から、例えば先行車との車間距離、先行車の車速等の前方の車両などに関する情報を入手する。
【0048】
続くステップ120では、車速センサ56等から、自車速等の自車両の情報を入手する。
続くステップ130では、ナビゲーション装置55から、道路情報や自車両の位置などのナビゲーション情報を入手する。
【0049】
続くステップ140では、前記ステップ110〜130にて入手した各種の情報に基づいて、クルーズコントロール(特にアダプティブクルーズコントロール)を実施する。
例えば、先行車に追従する追従制御、先行車に追従する際の車間距離を一定に保つ車間制御、設定された車速で走行する定速制御等の自動走行制御である。
【0050】
従って、このクルーズコントロールの際に、例えば車間距離が減少したときなどに減速制御を実施する場合には、後述するエンジンEの負荷を増大させるエンジン負荷増加制御を実施する。
(2)次に、前記駆動力CU35にて実施されるエンジン負荷増加制御を、図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0051】
まず、ステップ200にて、クルーズCU37から減速指令が出ているか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ210に進み、一方否定判断されるとステップ220に進む。
つまり、クルーズコントロール中に、例えば車間距離が規定値以上に減少した場合の様に、車速を低減する必要が生じたときには、クルーズCU37は、駆動力CU35に対して、目標加減速度を減少する指令(即ち減速指令)を出力する。
【0052】
ここで、減速指令がない場合には、ステップ220にて、前記目標セカンダリ油圧演算部63にて算出されたライン圧指令値PStを、セカンダリ油圧制御器65に出力する値として設定して、一旦本処理を終了する。
つまり、減速指令がない場合には、金属ベルト23にスリップが生じない範囲で、通常の演算にて算出されたライン圧指令値PStに基づいて、調圧バルブを駆動してライン圧を調節するのである。
【0053】
一方、減速指令がある場合には、ステップ210にて、前記目標セカンダリ油圧演算部63にて算出されたライン圧指令値PStに、ライン圧補正演算部69にて算出されたライン圧補正値dPStを加算し、その値を、セカンダリ油圧制御器65に出力する値として設定して、一旦本処理を終了する。
【0054】
つまり、減速指令がある場合には、エンジン負荷を増加させる目的で、通常よりライン圧を上げるために、ライン圧指令値PStにライン圧補正値dPStを加算するのである。これにより、上述した原理により、エンジン負荷が増加するので、車両が減速する。
【0055】
f)本実施例は、上述した構成により、下記の効果を奏する。
本実施例では、自動走行制御中に、クルーズCU37から減速指令が出力された場合には、従来の様に、単に無段変速機1の変速比を上げて減速を行うのではなく、通常より、ライン圧を上げてエンジン負荷を増加させている。これにより、車両の駆動力が低下するので、車両を減速させることが可能になる。
【0056】
特に、ここでは、変速比を上げて減速するのではないので、変速比の上昇に伴うエンジン回転数の急上昇がなく、よって、運転者に違和感を与えないという顕著な効果を奏する。
また、本実施例では、クルーズCU37から減速指令がある場合に、変速比を上げる(ダウンシフトする)制御(変速比制御)は実施しない場合を例に挙げたが、エンジン負荷増加制御だけでは十分な減速が得られない場合には、変速比制御も合わせて実施することが好ましい。
【0057】
この場合には、変速比制御だけの場合と比べて、エンジン回転数の上昇の程度が抑制されるという利点がある。
更に、本実施例では、ナビゲーション装置55から得られた、例えば坂路(特に下り坂)やカーブなどのナビゲーション情報に基づいて、一層精密な制御が可能である。
【0058】
例えばナビゲーション情報からカーブを走行中であることが認識された場合には、ライン圧を上昇させることによって、変速比を上げることなく、車両の減速を行うことができる。その際には、エンジン回転数が急上昇しないので、運転者が違和感を感じすることはない。
【0059】
尚、本発明は上記実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り、種々の態様で実施できることはいうまでもない。
(1)例えば前記実施例では、車両制御装置について述べたが、この装置による制御を実行させるプログラムを記憶しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範囲である。
【0060】
例えば記録媒体としては、マイクロコンピュータとして構成される電子制御装置、マイクロチップ、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク等の各種の記録媒体が挙げられる。
つまり、上述した車両制御装置の制御を実行させることができるプログラムを記憶したものであれば、特に限定はない。
【0061】
(2)また、前記実施例では、クルーズCUから減速指令があった場合に、ライン圧を増加させていたが、例えば他の条件判定によって減速が必要と判断された場合に、ライン圧を増加させて、車両の減速を行ってもよい。
例えば、走行中に、ナビゲーション情報に基づいて、前方に信号のない交差点があることが分かる場合の様に、ある程度減速した方がよいと判断される場合には、ライン圧を増加させて、ゆるやかな減速を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の車両制御装置等の構成を例示するブロック図である。
【図2】 エンジン負荷とライン圧との関係を示すグラフである。
【図3】 ライン圧を設定するための駆動力CUの制御系を示すブロック図である。
【図4】 ライン圧の設定に用いるマップを示し、(a)は入力トルクとエンジン回転数との関係を示すグラフ、(b)は目標セカンダリ油圧と目標変速比と入力トルクとの関係を示すフローチャートである。
【図5】 実施例のクルーズコントロールの処理を示すフローチャートである。
【図6】 実施例のエンジン負荷制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
E…エンジン
1…無段変速機(CVT)
3…電子制御装置(ECU)
5…電子スロットル
11…プライマリプーリ
17…セカンダリプーリ
31…トルク伝達機構
33…電子スロットルコントロールユニット(電子スロットルCU)
35…駆動力コントロールユニット(駆動力CU)
36…エンジン負荷制御部
37…クルーズコントロールユニット(クルーズCU)
43…スロットル開度センサ
51…エンジン回転センサ
Claims (9)
- (a)車両を駆動する駆動力を発生する駆動源と、無段階にギア比を変更する無段変速機と、を備えた車両に対する制御を行う車両制御装置において、
(b)前記車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
(c)前記走行状態検出手段によって検出した車両の走行状態に応じて、車両の加減速状態を制御する加減速制御手段と、
(d)前記加減速制御手段による減速指令時には、前記駆動源にかかる負荷を通常時より増加させる負荷増加手段と、
を備え、
(e)前記負荷増加手段は、前記加減速制御手段による減速指令時に、前記無段変速機の変速比を変更する油圧制御機構に対して、その油圧を制御するライン圧を通常時より高くするものであり、
(f)前記車両制御装置は、前記加減速制御手段による減速指令時に、前記無段変速機の変速比を減速指令前の変速比とする、又は、変速比の変更のみにより減速する場合に比べて、変速比の変速の程度を低減する
ことを特徴とする車両制御装置。 - 前記車両制御装置は、前記駆動源及び無段変速機を備えたことを特徴とする前記請求項1に記載の車両制御装置。
- 前記加減速制御手段は、
前記車両の自動走行制御の際に車両の加減速状態を制御することを特徴とする前記請求項1又は2に記載の車両制御装置。 - 前記車両制御装置は、前記油圧制御機構を備えたことを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載の車両制御装置。
- 前記加減速制御手段は、
前方の道路状況を検出する前方状況検出手段からの情報に基づいて、自動的に加減速を行うことを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載の車両制御装置。 - 前記加減速制御手段は、
自車の目標車速を設定する目標車速設定手段と、自車速を検出する自車速検出手段と、を備えたことを特徴とする前記請求項1〜5のいずれかに記載の車両制御装置。 - 前記加減速制御手段は、
前方に存在する車両を検出し、その前方車両との車間距離を検出し、その車間距離に基づいて加減速指令を行う加減速指令手段を備えたことを特徴とする前記請求項1〜6のいずれか記載の車両制御装置。 - 前記走行状態検出手段は、ナビゲーション情報を検出するナビゲーション情報検出手段を備えたことを特徴とする前記請求項1〜7のいずれか記載の車両制御装置。
- 前記請求項1〜8のいずれかに記載の車両制御装置による制御を実行させるプログラムを記憶しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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