JP4348784B2 - 自動走行制御装置及び記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動走行の際に、無段変速機の変速比を高めてエンジンブレーキ力を大きくすることで車両を減速する自動走行制御装置及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両の走行状態に応じて変速比を調整することで、適切な大きさのエンジンブレーキ力を自動的に設定し、運転車の操作を補助する下記(1)〜(3)のような装置が提案されている。
【0003】
(1)例えば、特許第2821531号公報では、定速走行制御時に、運転者から減速を指令するコーストスイッチによる指示がなされたら、スロットル弁を徐々に閉方向へ移動させ、変速比を所定量ダウンシフトさせることで、車両を減速させるものが提案されている。
【0004】
(2)また、特公平3−21784号公報では、実車速が目標車速よりも所定量以上大きいならば、目標車速と実車速の偏差に応じて、目標エンジン回転数を増大側に変更するもの、即ち、無段変速機の変速比をダウンシフト側へ変更してエンジンブレーキ力を増大するものが提案されている。
【0005】
(3)更に、特開平9−112680号公報には、アクセルペダルの開放が検出されている場合に、車両の加速度がしきい値を超えているときには、降坂走行中で車両が加速度し過ぎであると判断し、無段変速機の目標入力回転数を補正するもの、即ち、即ち、無段変速機の変速比をダウンシフト側へ補正してエンジンブレーキ力を増大するものが提案されている。
【0006】
ところで、これら(1)〜(3)の技術は、ともに周囲の状況、例えば自車の前方を走行する車両との車間距離が適正に保たれているかどうか、といった観点から減速すべきかどうかを自動的に判断して減速を実施するものではない。
即ち、前記(1)の技術では、ドライバーが減速すべきであると判断した際に、コーストスイッチにより減速を実施しており、周囲の状況に応じた減速を実施するには、運転者の操作が必要である。
【0007】
また、前記(2)の技術では、実車速が目標車速よりも所定値以上大きいならば減速を実施しており、更に、前記(3)の技術では、車両の加速度がしきい値を超えていれば減速を実施しており、これらは、自車の状態に着目しているだけである。
つまり、上述した(1)〜(3)の技術は、周囲の状況に応じた減速をするには、運転者が判断し、シフトダウン、ブレーキといった制動操作を行うことで減速を行うことを前提としている
これに対し、レーザレーダ等のセンサを用いて自車の周囲の情報を収集し、その情報に応じて自車を加減速する機能、いわゆるACC(Adaptive cruise control)機能を有する場合には、先行車との車間距離が適正かどうかを判定することができるので、運転者の操作なしに周囲の状況に応じた減速をすることが可能である。
【0008】
例えば(4)特許第2596160号公報には、車間距離の状況に応じて前方車両に対する追従の精度を評価する評価値を算出し、その評価値が小さくなるように変速比を操作する技術が開示されており、これにより、周囲の状況に応じて自動的に減速することが可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特に、自動走行において周囲の状況に応じて減速する場合には、運転者が不安を感じないように制動力を発生させなければならないが、上述した技術では、必ずしも十分ではない。
【0010】
つまり、先行車との車間距離が小さくなると運転者が不安に感じるので、車間距離の情報に応じて加減速することも必要であるが、それ以外にも、減速時の車両挙動により不安を感じることがある。
例えば、先行車との車間距離が足りないからといって、制動力が継続的に徐々に大きくなっていくように減速すると、運転者はこの先の車両挙動が予測できず強い不安を感じる。
【0011】
また、制動力を一旦大きくしてから下げてゆくと、先行車との車間距離がたとえ適正に保たれていたとしても、運転者には不安が募る。
ところが、前記(4)の技術の場合には、先行車との車間距離に関する情報のみに着目して変速比を制御しており、それ以外の観点から運転者の感覚を考慮していないために、車両の減速挙動が不適切となり、運転者が不安を感じるという問題があった。
【0012】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、自動的に減速する場合に、運転者に不安を与えることなく減速が可能な自動走行制御装置及び記録媒体を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
(1)請求項1の発明は、自動走行の際に、無段変速機の変速比を調整して車両の減速時の制御を行う自動走行制御装置において、最初に大きな減速力を与え、その後該減速力を保持するように、前記無段変速機の変速比及びスロットル開度を調整する減速制御を行うクルーズ減速状態と、加速制御を行うクルーズ加速状態と、前記クルーズ減速状態に先立つクルーズ減速準備状態と、を備え、車両の制御の状態が前記クルーズ加速状態に設定されているときに、目標加速度が所定の判定値以下の場合には、前記クルーズ減速準備状態に設定し、前記クルーズ減速準備状態の際に、予備調整として変速比による減速指令を実施し、その後前記クルーズ減速状態の際に、前記変速比及びスロットル開度による減速指令を実施することを特徴とする自動走行制御装置を要旨とする。
【0014】
本発明では、最初に大きな減速力を与え、その後該減速力を保持するように、無段変速機の変速比及びスロットル開度を調整する減速制御を行うクルーズ減速状態と、加速制御を行うクルーズ加速状態と、クルーズ減速状態に先立つクルーズ減速準備状態と、を備えている。
そして、車両の制御の状態がクルーズ加速状態に設定されているときに、目標加速度が所定の判定値以下の場合には、クルーズ減速準備状態に設定し、クルーズ減速準備状態の際に、予備調整として変速比による減速指令を実施し、その後クルーズ減速状態の際に、変速比及びスロットル開度による減速指令を実施する。
よって、クルーズ減速状態において減速を行う際には、車両の減速を一挙動で速やかに実施できる。つまり、クルーズ減速状態に先だってクルーズ減速準備状態を設定することにより、車両の減速を速やかに開始することができる。
また、減速時には最初に大きな減速力を与え、その後該減速力を保持するように、無段変速機の変速比及びスロットル開度を調整するので、車両の減速挙動が適切となり、運転者に不安を与えることがない。
尚、ここで、自動走行とは、例えば(先行車に追従する)追従制御や(設定された車速で走行する)定速制御等の自動走行制御(クルーズコントロール)を実施している状態である。
【0015】
また、前記変速比とは、実際の変速比(実変速比)のことであり、例えばコンピュータにより出力される目標の変速比(目標変速比)は、通常、変速の際の種々の遅れ等を考慮して、実変速比が得られるような値が出力される。
(2)請求項2の発明は、
前記減速力を実現するために、最初に前記変速比を急勾配で立ち上げ、その後前記変速比を緩勾配で増加させることを特徴とする前記請求項1に記載の自動走行制御装置を要旨とする。
【0016】
本発明では、最初に変速比を急勾配で立ち上げるので、最初に大きな減速力(減速度)が得られ、その後、変速比を緩勾配で増加させるので、最初の大きな減速力を保持することができる。
尚、ここで、急勾配で立ち上げた変速比をその後も維持するのでなく、緩勾配としたのは、自動走行時に設定すべき減速力を維持するには、変速比を緩勾配で増加させるのが望ましいためである。
【0017】
変速比の調整により発生する減速力には、主に、変速比の大きさに依存する項(エンジン回転数の大きさ)と変速比の勾配に依存する項(車速の勾配に対するエンジン回転数の大きさ)の2つがあり、自動走行時に必要な減速度を発生させるには、変速比を一定、すなわち前者の項だけでは足りず、変速比を緩勾配で上昇させる場合に、ちょうど良いレベルの減速力が得られるためである。
【0018】
(3)請求項3の発明は、
前記減速力を発生させる前記変速比の実際の変化を実現できるように、前記無段変速比の目標変速比を設定することを特徴とする前記請求項1又は2に記載の自動走行制御装置を要旨とする。
【0019】
制御系によっては、目標変速比と実変速比との間に、遅れなどによるずれがある。そのような場合には、上述した変速比の急勾配及び緩勾配が実現できるように、目標変速比を設定するのである。
(4)請求項4の発明は、
前記車両の減速時には、最初の大きな減速力及びその後の減速力の保持のパターンを繰り返すことを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載の自動走行制御装置を要旨とする。
【0020】
減速中に、更に大きい減速力(制動力)が必要になった場合には、その時点で、再度変速比を急勾配で立ち上げてすばやく減速力を増加させ(エンジンブレーキ力を増加させ)、その後変速比を緩勾配で増加させてその減速力を維持する。これにより、先行車との車間距離が時間とともに変化する場合であっても、運転者が不安を感じることはない。
【0021】
(5)請求項5の発明は、
車両の走行状態を検出する車両走行状態検出手段(例えばレーダ)の検出結果に基づいて、前記無段変速機の目標変速比を設定する目標変速比設定手段と、前記車両の減速制御を実施する場合に、前記目標変速比に基づいて、前記無段変速機の変速比を調整する変速比調整手段(例えば変速比を変更する油圧制御装置)に対して、変速比による減速を指令する変速比減速指令手段と、を備え、前記変速比が所定の大きな第1変化率で増加するように、前記目標変速比の第1補正値を設定する第1目標変速比補正値設定手段と、前記変速比が前記第1変化率よりも小さい所定の第2変化率で増加するように、前記目標変速比の第2補正値を設定する第2目標変速比補正値設定手段と、前記変速比減速指令手段によって減速が指令される場合には、前記第1補正値による目標変速比補正を行ってから、前記第2補正値による目標変速比補正を行う目標変速比補正手段と、を備えたことを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載の自動走行制御装置を要旨とする。
【0022】
本発明は、前記請求項1等の発明を、より詳細に例示したものである。
本発明では、車両の減速制御を行う際には、目標変速比に基づいて、例えば変速比を変更する油圧制御装置に対して、変速比による減速指令を実施するが、その際には、目標変速比を補正する。
【0023】
つまり、最初に、変速比が所定の大きな第1変化率で増加するように、目標変速比の第1補正値を設定し、この補正された目標変速比に基づいて、変速比による減速指令を実施する。これにより、最初の大きな減速力が実現できる。その後、第1変化率よりも小さい所定の第2変化率で増加するように、目標変速比の第2補正値を設定し、この補正された目標変速比に基づいて、変速比による減速指令を実施する。これにより、前記大きな減速力を保持することができる。
【0024】
(6)請求項6の発明は、
前記無段変速機と、該無段変速機の変速比を調整する前記変速比調整手段と、を備えたことを特徴とする前記請求項5に記載の自動走行制御装置を要旨とする。
【0025】
本発明は、例えばマイクロコンピュータのような制御装置だけでなく、無段変速機、油圧制御装置のような変速比調整手段等のハード構成をも有するものである。
(7)請求項7の発明は、
前記車両走行状態検出手段は、前方の道路状況を検出する前方状況検出手段を備えたことを特徴とする前記請求項5又は6に記載の自動走行制御装置を要旨とする。
【0026】
車両走行状態検出手段として、例えばレーザレーダなどが挙げられる。これにより、例えば先行車の車速や先行車との車間距離などを検出することができる。
本発明では、前方の道路状況を検出し、その検出結果に応じて減速することができるので、運転者の操作を介在させることなく、周囲の状況に応じて自動的に減速することができる。そのため、運転者が不安を感じることなく減速することができる。
【0027】
(8)請求項8の発明は、
前記車両走行状態検出手段は、自車速を検出する自車速検出手段を備えたことを特徴とする前記請求項5〜7のいずれかに記載の自動走行制御装置を要旨とする。
【0028】
自車速検出手段として、例えば車速センサなどが挙げられる。これにより、例えば先行車と自車との関係(例えば車間距離、先行車及び自車の速度など)に基づいて、例えば追従制御において、適切な車間距離を保つための目標車速を設定することができる。また、例えば定速制御において、好ましい自車速を保つことができる。
【0029】
つまり、本発明では、自車速が高すぎて減速が必要な場合には、運転者が不安を感じることなく自車速を目標車速まで減速することができる。
(9)請求項9の発明は、
前記車両走行状態検出手段は、ナビゲーション情報を検出するナビゲーション情報検出手段を備えたことを特徴とする前記請求項5〜8のいずれかに記載の自動走行制御装置を要旨とする。
【0030】
このナビゲーション情報検出手段としては、車載のナビゲーション装置の例えばCD−ROM等の記憶装置に記憶された道路情報などを検出する手段や、車両とは別の道路側の装置から送信される各種の情報を受信する手段が挙げられる。
これにより、道路の屈曲や高低変化に応じて自動的に減速する際に、運転者が不安を感じることなく減速することができる。
【0031】
(10)請求項10の発明は、前記請求項1〜9のいずれかに記載の自動走行制御装置による制御を実行させるプログラムを記憶しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体を要旨とする。
例えば記録媒体としては、マイクロコンピュータとして構成される電子制御装置、マイクロチップ、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク等の各種の記録媒体が挙げられる。
【0032】
つまり、上述した自動走行制御装置の制御を実行させることができるプログラムを記憶したものであれば、特に限定はない。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の自動走行制御装置の好適な実施の形態を、例(実施例)を挙げて図面に基づいて詳細に説明する。
(実施例1)
a)まず、本実施例の自動走行制御装置の構成を説明する。
【0034】
本実施例の自動走行制御装置は、電子スロットルの弁開度及び無段変速機の変速比を調整して、駆動力(特に減速時の減速力)を制御するものである。
図1に示す様に、車両には、動力源であるエンジンEと、エンジンEで発生した駆動力を調節して車輪側に伝達する無段変速機1と、駆動力を制御する自動走行制御装置(以下単に制御装置とも記す)3等を備えている。
【0035】
前記エンジンEは、アクセルペダル4の操作と独立して制御可能な電子スロットル5を備え、この電子スロットル5の弁開度(スロットル開度)に応じた駆動力を出力する。
前記無段変速機(CVT)1は、可動円錐盤7及び固定円錐盤9からなる駆動側のプライマリプーリ11(駆動プーリ)と、可動円錐盤13及び固定円錐盤15からなる従動側のセカンダリプーリ17(従動プーリ)と、駆動側のプライマリプーリシリンダ19と、従動側のセカンダリプーリシリンダ21と、プライマリプーリ11とセカンダリプーリ17の間に掛け渡された金属ベルト23と、エンジンEにより駆動されるオイルポンプ25と、プライマリ油圧制御アクチュエータ27(PA)と、セカンダリ油圧制御アクチュエータ29(SA)と、エンジンEからのトルクの伝達を調整するトルクコンバータ等の発進デバイス31を備えている。
【0036】
尚、無段変速機1においては、通常走行時には、電磁クラッチは直結されるので、エンジン回転数NEとプライマリ回転数NPとは一致する。
従って、エンジンEの駆動力は、発進デバイス31(トルクコンバータ、電磁クラッチ、湿式多板クラッチ等)、前後進切り替え機構(図示しない)、プライマリプーリ11、金属ベルト23、セカンダリプーリ17を介して駆動輪に伝達される。
【0037】
前記制御装置3は、電子制御回路からなるコントロールユニット(以下CUとも記す)として、スロットル開度を制御する電子スロットルCU33と、変速比を制御する駆動力CU35と、自動走行を制御(クルーズコントロール)するクルーズCU37を備えるとともに、電子スロットルCU33と駆動力CU35の間の通信ライン39と、駆動力CU35とクルーズCU37の間の通信ライン41を備えている。
【0038】
この制御装置3においては、電子スロットルCU33には、実際のスロットル開度θを検出するスロットル開度センサ43と、アクセルペダルの踏込量(開度)を検出するアクセルペダル開度センサ45が接続されている。
また、駆動力CU35に、プライマリプーリ11の回転数(プライマリ回転数NP)を検出するプライマリ回転センサ47と、セカンダリプーリ17の回転数(セカンダリ回転数NS)を検出するセカンダリ回転センサ49と、エンジンEの回転数を検出するエンジン回転センサ51が接続されている。
【0039】
更に、クルーズCU37には、自車両の速度を検出する車速センサ52と、先行車との車間距離や先行車の速度を検出するFMCWレーダ53と、道路マップを記憶するとともに自車両の位置を示して走行の案内を行うナビゲーション装置55が接続されている。
【0040】
(1)前記電子スロットルCU33は、CPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成され、通信ライン39から得る駆動力CU35からの情報と、アクセルペダル開度センサ45の出力と、スロットル開度センサ43の出力を用いて、電子スロットル5の弁開度を制御する。
【0041】
具体的には、通信ライン39から得られるクルーズコントロール作動信号Xccが、クルーズコントロールの非作動中を示す場合には、アクセルペダル開度センサ45の検出データであるアクセルペダル開度Apaに一致するスロットル開度を電子スロットル5に指令する。また、クルーズコントロール作動信号Xccが、クルーズコントロールの作動中を示す場合には、通信ライン39から得られるクルーズコントロール作動時電子スロットル開度THaccに一致するスロットル開度を電子スロットル5に指令する。
【0042】
(2)前記駆動力CU35は、CPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成され、前記プライマリ回転センサ47と、セカンダリ回転センサ49と、エンジン回転センサ51の検出データと、(スロットル開度センサ43により検出され通信ライン39から得られる)スロットル開度θの検出データと、(通信ライン41から得られる)クルーズコントロール作動信号Xccと、目標加減速度Gtar等に基づいて、目標変速比及び補正後目標変速比を設定し、この補正後目標変速比となるように、プライマリ油圧制御アクチュエータ27を調整して、オイルポンプ25にて発生しプライマリプーリシリンダ19に供給される油圧を制御する。それとともに、クルーズコントロール中の電子スロットル5の弁開度(クルーズコントロール作動時電子スロットル開度THacc)を設定し、その弁開度を電子スロットルCU33に指令する。
【0043】
また、この駆動力CU35は、金属ベルト23がスリップを生じないように、セカンダリ油圧制御アクチュエータ29を調整して、オイルポンプ25にて発生しセカンダリプーリシリンダ21に供給される油圧を制御する。
つまり、駆動力CU35は、各種センサ信号と通信情報をもとに、目標変速比及び補正後目標変速比を演算し、金属ベルト23がスリップすることなく、実変速比が補正後目標変速比に一致するように、セカンダリ油圧制御アクチュエータ29及びプライマリ油圧制御アクチュエータ27を駆動し、変速制御を行うことと、クルーズコントロール作動中の電子スロットル5の弁開度を、電子スロットルCU33に指令する処理を実施する。
【0044】
(3)前記クルーズCU37は、CPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成され、車速センサ52やレーダ53やナビゲーション装置55からの情報により、先行車との車間距離や先行車と自車両との相対速度を求め、先行車に追従する追従制御や、先行車との車間距離を所定値に保つ車間制御や、定速走行を行う定速制御等のクルーズコントロールを行う。
【0045】
従って、例えば先行車との車間距離が所定以上に小さくなるような場合には、駆動力CU35に対して、(クルーズコントロールを実施していることを示す)クルーズコントロール作動信号Xcc、(車両の目標とする加減速度である)目標加減速度Gtar、クルーズ加速時スロットル開度指令値THccacを出力する。
【0046】
尚、クルーズコントロール実施の際の必要性に応じて、クルーズCU37からは、図示しないが、例えば燃料供給量や点火時期を制御するエンジンコントロールユニットや、ブレーキ液圧を制御するブレーキコントロールユニットなどとの通信ラインを通して、情報の獲得や供与を行う。
【0047】
b)次に、本実施例の自動走行制御装置3により行われる制御処理の概要について、簡単に説明する。
尚、本実施例は、補正後目標変速比に対して、実減速比が遅れなく実現される制御系である。
【0048】
(1)本実施例では、図2に示す様に、クルーズコントロールを実施している場合に、加速制御の実施を示すクルーズ加速状態から減速制御の実施を示すクルーズ減速状態に切り替える際には、その間にクルーズ減速準備状態をセットする。
ここで、クルーズ加速状態とは、電子スロットル5を所望の加速状態を実現できる程度の開度(例えば全開状態)に設定した状態である。このとき、自動変速機1の変速比は、所望の加速状態に応じた変速比(例えば4速の状態)に設定される。
【0049】
また、クルーズ減速状態とは、電子スロットル5を所望の減速状態を実現できる程度の開度(例えば全閉状態)に設定した状態である。このとき、自動変速機1の変速比は、所望の減速状態に応じた変速比(例えば1速のようなシフトダウンした状態)に設定される。
【0050】
更に、クルーズ減速準備状態とは、車両の減速を一挙動で速やかに実施するために設定した状態である。つまり、速やかな減速を開始するために、クルーズ減速状態に先だって設定する状態である。尚、クルーズ減速準備状態には、例えば時刻t1にて、後に詳述するような所定の条件(例えば目標加減速度等)が満たされた場合に設定される。
【0051】
(2)そして、例えば時刻t1にて、クルーズ加速状態からクルーズ減速準備状態に切り替わった場合には、無段変速機1の変速比をわずかに上昇させる(シフトダウンする)。この変速比の上昇の程度は、運転者が減速感を感じない程度に設定する。
つまり、変速比のわずかな上昇によってトルクが増加するが、このトルクの増加はわずかであるので、エンジン回転数の上昇に使用されるのみであり、運転者には減速感は感じられない。
【0052】
(3)その後、例えば時刻t2にて、クルーズ減速状態になった時に、電子スロットル5を全閉にするとともに、一旦変速比を大きく増加させ、その後変速比の勾配を緩かにするように、減速制御を行う。
つまり、減速レベル1では、最初に変速比を急勾配で増加させる。これにより、大きな減速力が得られる(即ち、加減速度が大きな負の値となる)。その後、変速比を緩勾配で増加させる。これにより、大きな減速力が保持される(即ち、加減速度が維持される)。
【0053】
ここで、変速比を緩勾配で増加させるのは、自動走行時に設定すべき減速力を維持するには、変速比を緩勾配で増加させるのが望ましいためである。
上述した様に、変速比の調整により発生する減速力には、主に、変速比の大きさに依存する項(エンジン回転数の大きさ)と変速比の勾配に依存する項(車速の勾配に対するエンジン回転数の大きさ)の2つがあり、自動走行時に必要な減速度を発生させるには、変速比を一定、すなわち前者の項だけでは足りず、変速比を緩勾配で上昇させる場合に、ちょうど良いレベルの減速力が得られるためである。
【0054】
(4)更に、例えば車間距離等の変化によって、減速の必要が発生した場合には、減速レベル2や減速レベル3により、前記減速レベル1と同様に、最初に変速比を急勾配で増加させ、その後、変速比を緩勾配で増加させるという制御を行う。尚、減速レベル2,3において、変速比の急勾配の設定の期間や勾配の大きさ(変化率)は、減速の程度に応じて、適宜変更することができる。
【0055】
つまり、本実施例では、自動走行の際に、減速制御を行うときには、最初に大きな減速力で減速し、その後その減速力を保持することによって、運転者に不安を与えないようにするのである。
c)次に、上述した制御処理を実施する主要な構成である駆動力CU35の制御系について説明する。
【0056】
(1)まず、セカンダリ油圧制御系について、図3に基づいて説明する。
ここでは、セカンダリプーリシリンダ21のセカンダリ油圧制御アクチュエータ29の調整を実行して、セカンダリプーリ17に対して金属ベルト23が滑らないように、可動円錐盤13と固定円錐盤15との挟持力を十分に発生させるための制御処理を示している。
【0057】
この内、入力トルク推定部61および目標セカンダリ油圧演算部63は、駆動力CU35のCPUが実行するプログラムとして実現されている。また、セカンダリ油圧制御器65は、セカンダリ油圧制御アクチュエータ29を駆動するための駆動回路である。
【0058】
まず、制御が開始されると、入力トルク推定部61は、スロットル開度θとエンジン回転数NEに基づいて、図10に示すエンジン回転数NEおよびスロットル開度θと入力トルクTinとの関係を表すマップから入力トルクTinを推定する。この入力トルクTinは、エンジンEで発生し、エンジンEから発進デバイス31を介して無段変速機1へ入力されるトルクである。
【0059】
次に、目標セカンダリ油圧演算部63が、入力トルク推定部61にて求められた入力トルクTinと、後述する目標変速比設定部69にて求められた目標変速比TRtとに基づいて、目標セカンダリ油圧PStを演算する。この目標セカンダリ油圧PStは、金属ベルト23がセカンダリプーリ17に対してスリップすること無くトルクを伝達できる油圧であり、図11に示す3次元マップから求められる。
【0060】
こうして求められた目標セカンダリ油圧PStの信号に基づいて、セカンダリ油圧制御器65にて、セカンダリ油圧制御アクチュエータ29が駆動制御され、ベルトスリップしないセカンダリ油圧PSが実現する。
つまり、入力トルク推定部61は、センサ信号に基づき、無段変速機1に入力されるトルクを推定し、目標セカンダリ油圧演算部63は、推定入力トルクTin及び目標変速比TRtに基づき、ベルトスリツプすることなくトルク伝達できるための目標セカンダリ油圧PStを演算し、セカンダリ油圧制御器65は、目標セカンダリ油圧PStが発生されるように、セカンダリ油圧制御アクチュエータ29を駆動する。
【0061】
(2)次に、プライマリ油圧制御系について、図4及び図5に基づいて説明する。
尚、図4はその全体概略構成を示し、図5はそのうちのCVT変速制御系の詳細な構成を示している。
このプライマリ油圧制御系では、後に詳述するように、駆動側のプライマリプーリシリンダ19のプライマリ油圧制御アクチュエータ27の調整を実行して、プライマリプーリ11に対して、セカンダリプーリ17との間で金属ベルト23を介して行われる変速を、目標変速比TRtを補正した補正後目標変速比TRtzにする制御処理を行う。
【0062】
この内、図4に示す様に、制御モード判定部67、目標変速比設定部69、目標変速比補正部71、CVT変速制御系73、電子スロットル弁開度設定部75が、駆動力CU35のCPUが実行するプログラムとして実現されている。
詳しくは、図5に示す様に、CVT変速制御系73として、変速比−プーリ位置変換部77、プライマリ油圧フィードフォワード項演算部79、主補償器81、実変速比検出部83、変速比−プーリ位置変換部85、および副補償器87が、駆動力CU35のCPUが実行するプログラムとして実現されている。また、プライマリ油圧制御器89は、プライマリ油圧制御アクチュエータ91を駆動するための駆動回路である。尚、以下では、フィードフォワードをF/F、フィードバックをF/Bと記すことがある。
【0063】
d)次に、前記駆動力CU35の各々のブロックにて実施される制御処理について説明する。
(1)まず、制御モード判定部67にて行われる処理を、図6のフローチャートにより説明する。
【0064】
クルーズCU37による自動走行の制御が開始されると、制御モード判定部67では、図6のフローチャートに示す手順で、制御モード信号Xmcを、クルーズコントロール非作動状態、クルーズ加速状態、クルーズ減速準備状態、クルーズ減速状態、クルーズ再加速状態のいずれかにセットする。
【0065】
具体的には、まず、ステップ1000で、クルーズCU37からのクルーズコントロール作動信号Xccにより、クルーズコントロール(追従制御や定速制御)作動中か否かを判定する。
ここで、クルーズコントロール作動中でないと判定されると、ステップ1010にて、制御モード信号Xmcをクルーズコントロール非作動状態にセットし、一旦本処理を終了する。
【0066】
一方、クルーズコントロール作動中であると判定されると、ステップ1020とステップ1030にて、セカンダリ回転数NSから車両の実加減速度Grealを算出する。
具体的には、ステップ1020にて、最新のセカンダリ回転数NSと所定回(nGreal)前のセカンダリ回転数NSnの差に、ゲインKrpm2mをかけることで、実加速度原値Greal0を算出する。
【0067】
ここで、nGrealは、小さすぎると計測誤差の影響を受けて実加速度原値Greal0にノイズが重畳し、大きすぎると位相が遅れるので、実験的に適切な値を選ぶ。また、ゲインKrpm2mは、単位変換のためのゲインであり、周期演算やディファレンシャルのギヤ比、タイヤ径などを考慮して、Greal0の単位がm/s2になるように設定する。
【0068】
次に、ステップ1030にて、実加速度原値Greal0をフィルタfGで処理することにより、実加減速度Grealを算出する。このフィルタfGは、ローパスフィルタであり、ノイズや計測誤差に起因する高周波成分を除去する。
そして、ステップ1040以降の処理により、制御モード信号Xmcを決定する。
【0069】
具体的には、まず、ステップ1040にて、前回の制御モード信号Xmcをチェックする。そして、前回がクルーズコントロール非作動状態あるいはクルーズ加速状態であれば、ステップ1050に進む。
ステップ1050では、目標加減速度Gtarが第1判定しきい値cGaを上回るかどうかを判定する。
【0070】
この条件を満たす場合には、加速制御を行う状態であると見なされるので、ステップ1060に進んで、制御モード信号Xmcをクルーズ加速状態にセットする。このクルーズ加速状態とは、例えばスロットル開度を上げて、加速制御を実施する状態である。
【0071】
一方、この条件を満たさない場合は、ステップ1070に進んで、制御モード信号Xmcをクルーズ減速準備状態にセットする。このクルーズ減速準備状態とは、後に詳述するように、スロットル開度を全閉して減速制御を実施するに先立ち、予め変速比を上げておく制御を実施する状態である。
【0072】
つまり、前回がクルーズコントロール非作動状態あるいはクルーズ加速状態で、目標加減速度Gtarが小さい場合には、次に減速制御を実施する状態と見なして、その前段階であるクルーズ減速準備状態にセットするのである。
また、前記ステップ1040にて否定判断されて進むステップ1080では、前回がクルーズ減速準備状態であるかどうかを判定する。
【0073】
前回がクルーズ減速準備状態であれば、ステップ1090にて、目標加減速度Gtarが第1判定しきい値cGaを上回るかどうかを判定する。
この条件を満たす場合には、前回の減速準備状態から加速制御を行う状態に切り替わったと見なして、ステップ1100に進んで、制御モード信号Xmcをクルーズ加速状態にセットする。
【0074】
一方、この条件を満たさない場合は、ステップ1110に進んで、目標加減速度Gtarが第2判定しきい値cG0以下で、且つ、目標加減速度Gtarと実加減速度Grealの差が第3判定しきい値cGm0以下かどうかを判定する。但し、第2判定しきい値cG0は、前記第1判定しきい値cGaよりも小さい負の値である。
【0075】
つまり、ここでは、クルーズ減速準備状態に入った時よりも、更に目標加減速度が減速を要求し、且つ、減速要求に対して実際の減速が不足しているかどうかを判定している。
この条件を満たす場合には、ステップ1120に進み、制御モード信号Xmcをクルーズ減速状態にセットする。このクルーズ減速状態とは、スロットル開度を全閉し且つ変速比を上げて減速を行う制御を実施する状態である。
【0076】
一方、この条件を満たさない場合は、ステップ1130に進んで、制御モード信号Xmcをクルーズ減速準備状態にセットする。
また、前記ステップ1080にて否定判断されて進むステップ1140では、前回がクルーズ減速状態であるかどうかを判定する。
【0077】
前回がクルーズ減速状態であれば、ステップ1150にて、目標加減速度Gtarが第4判定しきい値cG1を上回るかどうかを判定する。尚、第4判定しきい値cG1は、前記第2判定しきい値cG0より大きく、第1判定しきい値cGaより小さい値である(cG0<cG1<cGa)。
【0078】
この条件を満たす場合には、前回の減速状態から加速制御を行う状態に切り替わったと見なして、ステップ1160に進んで、制御モード信号Xmcをクルーズ再加速状態にセットする。このクルーズ再加速状態とは、クルーズ加速状態よりは加速の程度が小さい状態である。
【0079】
一方、この条件を満たさない場合は、減速状態が継続されたと見なして、ステップ1170に進んで、制御モード信号Xmcをクルーズ減速状態にセットする。
また、前記ステップ1140にて否定判断されて進むステップ1180では、目標加減速度Gtarが第1判定しきい値cGaを上回るかどうかを判定する。
【0080】
この条件を満たす場合には、加速制御を行う状態であると見なして、ステップ1190に進んで、制御モード信号Xmcをクルーズ加速状態にセットする。
更に、前記ステップ1180にて否定判断されて進むステップ1200では、目標加減速度Gtarが第4判定しきい値cG1以下かどうかを判定する。
【0081】
この条件を満たす場合には、減速制御を行う状態であると見なして、ステップ1210に進んで、制御モード信号Xmcをクルーズ減速状態にセットする。
一方、この条件を満たさない場合は、減速状態から加速状態に切り替わったと見なして、ステップ1220に進んで、制御モード信号Xmcをクルーズ再加速状態にセットし、一旦本処理を終了する。
【0082】
これにより、実際の走行状態に応じた制御モード信号Xmcが設定される。
(2)次に、目標変速比設定部69にて行われる処理を、前記図4の制御ブロック図により説明する。
図4に示す様に、上述した制御モード判定部67における処理により設定された制御モード信号Xmcと、電子スロットルCU33から送信されたスロットル開度θと、セカンダリ回転数センサ49により得られたセカンダリ回転数NSに応じて、目標変速比設定部69にて、目標変速比TRtを設定する。
【0083】
この目標変速比設定部69は、図7に示す様に、通常走行設定部691とクルーズ減速走行設定部692に区分される。
すなわち、制御モード信号Xmcが、クルーズコントロール非作動状態、クルーズ加速状態、クルーズ再加速状態の場合には、通常走行設定部691にてスロツトル開度θ、及びセカンダリ回転数NS等の情報に応じて、無段変速機1及びエンジンEの状態に基づいて、所定のマップ(図示せず)から目標変速比TRtを算出する。
【0084】
−方、制御モード信号Xmcが、クルーズ減速準備状態、あるいはクルーズ減速状態の場合には、クルーズ減速走行設定部692にて目標変速比TRtを最も小さな値、すなわちハイ側の限界値に固定する。
その後、目標変速比補正部71は、後述する動作で補正後目標変速比TRtzを設定する。
【0085】
(3)次に、CVT変速比制御系73にて行われる処理を、前記図5の制御ブロック図により説明する。
図5に示す様に、補正後目標変速比TRtz、目標セカンダリ油圧PSt、および入力トルクTinとに基づいて、プライマリ油圧F/F項演算部79は、目標プライマリ油圧F/F項PP1の演算を行う。
【0086】
この演算は、まず、目標セカンダリ油圧PStに基づいて、図12に示す、予め測定されているセカンダリ油圧PSと入力トルクTinとの関係を表すテーブルにより、セカンダリプーリ17にて金属ベルト23がスリップせずに伝達可能な最大トルクTmaxが求められる。次に入力トルクTinと最大トルクTmaxとの比から、トルク比Tin/Tmaxが演算される。
【0087】
次に、このトルク比Tin/Tmaxから、図13に示すプライマリ油圧F/F項演算マップに基づいて、該当する変速比TRのラインから油圧比(プライマリ油圧PP/セカンダリ油圧PS)を求め、この油圧比と目標セカンダリ油圧PStとの積を計算し、その値をプライマリ油圧F/F項PP1とする。
【0088】
具体的には、例えばトルク比Tin/Tmax=0.25、補正後目標変速比TRtz=2.0であった場合には、図13に示すごとく、油圧比(PP/PS)=0.41が求まり、PP1=0.41・PStにて、プライマリ油圧F/F項PP1が求まる。なお、図13は一例であり、無段変速機1の種類により異なるマップとなる。
【0089】
一方、目標変速比補正部71で得られた補正後目標変速比TRtzは、変速比−プーリ位置変換部77により目標プーリ位置xt、すなわちプライマリプーリ11の可動円錐盤7の目標位置xtに変換される。
次に、実変速比検出部83が、実際に無段変速機1のプライマリ回転センサ47とセカンダリ回転センサ49との検出から得られるプライマリ回転数NPおよびセカンダリ回転数NSの比(NP/NS)から実変速比TRrを得、変速比−プーリ位置変換部85が、この実変速比TRrを実プーリ位置xr、すなわち、プライマリプーリ11の可動円錐盤7の実位置xrに変換する。
【0090】
変速比−プーリ位置変換部77からの目標プーリ位置xtと変速比−プーリ位置変換部85からの実プーリ位置xrとの偏差errが演算されて、この偏差errが主補償器81に入力する。
主補償器81では、この偏差errに基づいて、偏差errが0となるように、プライマリ油圧F/B項PP21を演算して出力する。つまり、この主補償器81は、速やかに偏差を0として、定常状態における安定性を確保することができるように設計してある。
【0091】
また、副補償器87は、補正後目標変速比TRtzが大きく変化する過渡状態の場合の実変速比TRrの応答を改善するための目標プライマリ油圧過渡補償項PP22を演算する。つまり、副補償器87は、過渡状態の場合に、新たな補正後目標変速比TRtzに速やかに収束するように設計してある。
【0092】
尚、目標プライマリ油圧過渡補償項PP22については、ここではF/F項として記載されているが、等価変換により、F/B項として記載することも可能である。
そして、主補償器81にて求められたプライマリ油圧F/B項PP21と、副補償器87にて求められた目標プライマリ油圧過渡補償項PP22とが加算されて、目標プライマリ油圧F/B項PP2が求まる。
【0093】
更に、この目標プライマリ油圧F/B項PP2に、プライマリ油圧F/F項演算部79にて求められたプライマリ油圧F/F項PP1が加算され、目標プライマリ油圧PP0とされる。
従って、この目標プライマリ油圧PP0の信号に基づいて、プライマリ油圧制御器89にて、プライマリ油圧制御アクチュエータ27が駆動制御され、ベルトスリップしないプライマリ油圧PPが実現するとともに、無段変速機1の実変速比TRrが補正後目標変速比TRtzへ向けて調整される。
【0094】
(4)次に、電子スロットル弁開度設定部75にて行われる処理を、前記図4の制御ブロック図により説明する。
前述したように、クルーズコントロール作動中では、電子スロットル5の弁開度は、駆動力CU35から通信ライン39を通して電子スロットルCU33に送られるクルーズコントロール作動時スロットル開度THaccに設定される。つまり、電子スロットル弁開度設定部75は、電子スロットル5の弁開度を、クルーズコントロール作動時スロットル開度THaccに設定する。
【0095】
具体的には、前述した制御モード信号Xmcがクルーズ減速状態の時には、電子スロットル5が全閉状態になるように、クルーズコントロール作動時電子スロットル開度THaccを設定し、それ以外の場合はクルーズCU33から通信ライン41を通して得られるクルーズ加速時スロットル開度指令値THccacを、そのままクルーズコントロール作動時電子スロットル開度THaccとして設定する。
【0096】
その後、通信ライン39を通して、クルーズコントロール作動時電子スロットル開度THaccが、電子スロットルCU33に送られる。
(5)次に、本実施例の要部である目標変速比補正部71にて行われる処理を、図8及び図9のフローチャートにより説明する。
【0097】
この目標変速比補正部74では、適切なエンジンブレーキ力を発生させるための補正後目標変速比TRtzを算出する。
すなわち、制御モード信号Xmcが、クルーズコントロール非作動状態、クルーズ加速状態、クルーズ再加速状態の場合には補正不要と判断し、目標変速比TRtをそのまま補正後目標変速比TRtzとして出力する。
【0098】
−方、制御モード信号Xmcが、クルーズ減速準備状態、あるいはクルーズ減速状態の場合には、図8又は図9のフローチヤートに沿った下記(i)、(ii)の手順で補正を行う。
(i)まず、クルーズ減速準備状態の場合の処理を、図8のフローチャートにより説明する。
【0099】
制御モード信号Xmcがクルーズ減速準備状態の場合には、図8に示す様に、ステップ2000にて、目標加減速度Gtarと実加減速度Grealの差による加減速度偏差Ggを計算する。
次に、ステップ2010にて、減速準備状態補正値TRtdprを算出する。この計算は、加減速度偏差Ggと、その1〜3回前の値Gg1、Gg2、Gg3と、減速準備状態補正値TRtdprの1〜4回前の値TRtdpr1、TRtdpr2、TRtdpr3、TRtdpr4を用いて、下記式(1)により行う。
【0100】
Figure 0004348784
この計算は、無段変速機1の挙動を伝達関数で表現し、それに応じてH∞制御理論に基づき、安定性、応答性を考慮して設計されて、伝達関数で表現された制御器の演算であり、Kn0、Kn1、Kn2、Kn3、Kd1、Kd2、Kd3、Kd4は制御器を表す伝達関数の各次の係数である。
【0101】
ここで、演算が4回未満の場合、すなわち加減速度偏差Ggや減速準備状態補正値TRtdprの過去値が存在しない場合には0を代用する。
尚、H∞制御理論とは、ロバスト制御の代表的手法であり、これにより、条件の違い等による制御対象の特性変動や制御系に作用する外乱によって、制御系の出力が受ける影響の大きさが、設計時に設定する重み関数で規定される所定の範囲内に収まるよう制御器を設計できる。従って、条件による特性変動が大きい無段変速機1を制御する上で有効な手法である。(「制御系設計<H∞制御とその応用>」;朝倉書店参照)
次に、ステップ2020にて、減速準備状態補正値TRtdprが減速準備状態補正ガード値TRtdprG以上かどうかを判定する。
【0102】
この条件を満たせば、ステップ2030に進み、減速準備状態補正値TRtdprを減速準備状態補正ガード値TRtdprGにする。これは目標変速比を必要以上に補正しないための処置である。一方、条件を満たさない場合は、ステップ2030をパスして、ステップ2040に進む。
【0103】
ステップ2040では、目標変速比TRtと減速準備状態補正値TRtdprの和により、補正後目標変速比TRtzを算出する。
次に、ステップ2050では、加減速度偏差Ggや減速準備状態補正値TRtdprの過去値を更新し、一旦本処理を終了する。
【0104】
つまり、本処理では、制御モード信号Xmcがクルーズ減速準備状態の場合において、適切な補正後目標変速比TRtzを算出することができる。
(ii)次に、クルーズ減速状態の場合の処理を、図9により説明する。
制御モード信号Xmcがクルーズ減速状態の場合には、図9に示すフローチャートに沿った手順で、補正後目標変速比TRtzを算出する。
【0105】
まず、ステップ3000にて、減速状態補正モード信号Xdexの前回値をチェックする。減速状態補正モード信号Xdexは、後述する方法で、減速レベル1、減速レベル2、減速レベル3のいずれかに設定され、初期状態は減速レベル1に設定されている。
【0106】
ステップ3000の判定結果が、減速レベル1であれば、ステップ3010にて、目標加減速度Gtarが第5判定しきい値cG2以下かどうか判定する。第5判定しきい値cG2は前述した第2判定しきい値cG0よりも小さい負の値である。
【0107】
ステップ3010の条件を満たす場合には、ステップ3020にて、減速状態補正モード信号Xdexは減速レベル3に設定される。
一方、前記ステップ3010の条件を満たさない場合には、ステップ3030にて、目標加減速度Gtarが第6判定しきい値cG3以下かとうか判定する。第6判定しきい値cG3は前述した第2判定しきい値cG0よりも小さく、第5判定しきい値cG2よりも大きい負の値である。
【0108】
ステップ3030の条件を満たす場合には、ステップ3040にて、減速状態補正モード信号Xdexは減速レベル2に設定される。
一方、前記ステップ3030の条件を満たさない場合には、ステップ3050にて、減速状態補正モード信号Xdexは減速レベル1に設定される。
【0109】
また、前記ステップ3000の判定結果が減速レベル2であれば、ステップ3060に進み、目標加減速度Gtarが第5判定しきい値cG2以下かどうか判定する。
前記ステップ3060の条件を満たす場合には、ステップ3070にて、減速状態補正モード信号Xde×は減速レベル3に設定される。
【0110】
一方、前記ステップ3060の条件を満たさない場合には、ステップ3080にて、減速状態補正モード信号Xdexは減速レベル2に設定される。
更に、前記ステップ3000の判定結果が減速レベル3であれば、ステップ3090にて、減速状態補正モードT言号Xdexはそのまま減速レベル3に設定される。
【0111】
すなわち、強い制動力が必要な順に、減速状態補正モード信号Xdexは、減速レベル3、減速レベル2、減速レベル1と設定される。
次に、ステップ3100にて、減速状態補正モードXdexに応じた第1変速比勾配dTdexlと、第2変速比勾配dTdex2と、第2勾配開始変速比Tdexと、減速走行中目標加減速度Gtardexが設定される。
【0112】
すなわち、制御モード信号Xmcがクルーズ減速状態の場合には、図14に示すような時間的推移で、無段変速機1の変速比を操作しながら減速する。
具体的には、減速状態補正モード信号Xdexが変わる毎に、変速比が比較的急勾配で立ち上がった後、緩勾配に移行する。これは、減速状態補正モード信号Xdexが変わって、より強い制動力が要求された直後は、比較的急勾配で制動力を立ち上げ、その後ほぼ一定の制動力、即ちほぼ一定の車両減速度を維持できるように緩勾配にするためである。
【0113】
そして、この波形を規定するために、減速状態補正モード信号Xdexが変わった当初に設定される目標変速比の大きな勾配である(1)第1変速比勾配dTdex1と、ほぼ一定の制動力を維持するため緩やかな勾配である(2)第2変速比勾配dTdex2と、(2)第2変速比勾配dTdex2に切り換えるタイミングを規定する(3)第2勾配開始変速比Tdexと、路面勾配や風速、路面摩擦係数がばらついた場合でも所望の減速度が得られるようにフィードバック制御を行うために必要な減速走行中目標加減速度Gtardexが設定される。
【0114】
この減速走行中目標加減速度Gtardexは、目標加減速度Gtarに近い一定値になるよう設定される。また、(2)第2変速比勾配dTdex2は、前述したように車両の制動力をほほ一定に、すなわち車両の実加減速度Grealが減速走行中目標加減速度Gtardexに一致するように決められる。更に、(1)第1変速比勾配dTdexlと変速比勾配を切り換えるタイミングを決める(3)第2勾配開始変速比Tdexは、車両挙動にも影響を受けるが、運転者や同乗者のフィーリングに与える影響が大きいので、フィーリングを考慮して経験的に設定される。
【0115】
次に、ステップ3110にて、後述する減速状態補正値TRtdexの前回値が(2)第2勾配開始変速比Tdex以下かどうか判定する。
この条件を満たせば、ステップ3120にて、前回の減速状態補正値TRtdexに(1)第1変速比勾配dTdex1を加えたものを、今回の減速状態補正値TRtdexとする。
【0116】
方、前記ステップ3110の条件を満たさない場合には、ステップ3130にて、前回の減速状態補正値TRtdexに(2)第2変速比勾配dTdex2を加えたものを、今回の減速状態補正値TRtdexとする。
次に、ステップ3140にて、目標加減速度Gtarと実加減速度Grealの差による加減速度偏差Ggdexを計算する。
【0117】
次に、ステップ3150にて、減速状態フィードバック補正値TRtfbを算出する。この計算は、加減速度偏差Ggと、その1〜3回前の値Ggde×1、Ggdex2、Ggdex3と、減速状態フィードバック補正値TRtfbの1〜4回前の値TRtfb1、TRtfb2、TRtfb3、TRtfb4を用いて、下記式(2)により行う。
【0118】
Figure 0004348784
ここで、Kn0、Kn1、Kn2、Kn3、Kd1、Kd2、Kd3、Kd4は、制御モード信号Xmcがクルーズ減速準備状態の場合に用いたコントローラを表す伝達関数の係数と同じものである。
【0119】
なお、演算が4回未満の場合、すなわち加減速度偏差Ggdexや減速状態フィードバック補正値TRtfbの過去値が存在しない場合には0を代用する。
次に、ステップ3160では、減速状態補正値TRtdexを、減速状態フィードバック補正値TRtfbを加えたものに更新する。
【0120】
次に、ステップ3170にて、目標変速比TRtと減速状態補正値TRtdexの和により、補正後目標変速比TRtzを算出する。
次に、ステップ3180にて、加減速度偏差Ggや減速状態フィードバック補正値TRtfbの過去値を更新し、一旦本処理を終了する。
【0121】
つまり、本処理では、制御モード信号Xmcがクルーズ減速状態の場合において、適切な補正後目標変速比TRtzを算出することができる。
このように、本実施例では、クルーズコントロール中に減速する際には、無段変速機1の変速比を急勾配で立ち上げ、その後ほぼ一定の減速力(エンジンブレーキによる制動力)を保つように、比較的緩やかな勾配で増加させる。そのため、車両の減速挙動が適切になるので、運転者が不安を感じることなく減速を行うことができる。
【0122】
また、減速中に、更に大きい制動力が必要になった場合には、例えば減速レベル1,2,3への切り替えのように、その時点で再び変速比を急勾配で立ち上げて制動力をすばやく増加させ、その後、変速比を緩やかに上げることにより制動力を保持できる。よって、先行車との車間距離が時間とともに変わるような場合であっても、運転者が不安を感じるような車両挙動とはならないという利点がある。
【0123】
更に、本実施例では、例えばレーダ53によって前方の道路状況を検出し、その検出結果に応じて減速する際に、運転者が不安を感じることなく減速できる。その上、ナビゲーション装置55からの情報により、道路の屈曲や高低変化に応じて減速する際に、運転者が不安を感じることなく減速できる。
(実施例2)
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
【0124】
本実施例では、前記実施例1と同様に、無段変速比の目標変速比を、減速要求時に、最初に急勾配で立ち上げ、その後緩勾配で増加させているが、特に、無段変速機の位相遅れを考慮し、無段変速機の実際の変速比が、減速要求時に急勾配で立ち上がり、その後緩勾配で増加するように、位相を進めたかたちで目標変速比を推移させている。
【0125】
つまり、本発明の効果を十分に得るには、無段変速機の実変速比に所望の動作(即ち実施例1で示したような動作)をさせる必要があるが、制御系が遅れをもっている場合には、目標変速比に対して実変速比を大きく遅れてしまう恐れがある。
【0126】
これを防止するために、本実施例では、自動走行制御装置の制御系に、図15に示すような目標変速比位相補償部76を設ける。目標変速比位相補償部76では、目標変速比補正部71から補正後目標変速比TRtzを入力し、CVT変速比制御系73に、位相補償後目標変速比TRtzxを出力する。尚、他のブロック等の構成は前記図4と同様であるので、その説明は省略する。
【0127】
前記目標変速比位相補償部76は、図16に示す様に、無段変速機モデルPcvtと逆モデルローパスフィルタFcvtからなる無段変速機逆モデルFcvt/Pcvtで構成される。
無段変速機モデルPcvtは、無段変速機の目標変速比から実変速比までの特性を、2次程度に線形近似した伝達関数であり、この逆関数を構成に含めることで、無段変速機の遅れを補償することができる。
【0128】
逆モデルローパスフィルタFcvtは、無段変速機モデルPcvtの逆モデルにより制御が不要な高周波領域が増幅されるのを防止する役割があり、無段変速機モデルPcvtの周波数特性において、ゲインが下がり始める周波数よりも高い周波数帯域でゲインが下がるのを防止するように設定する。
【0129】
この結果、前記目標変速比位相補償部76の出力である位相補償後目標変速比TRtzxは、例えば図17に示す様に、変速比を急勾配で高めている間に位相が進み、それにより、実変速比に所望の作動をさせることが可能になる。
本実施例では、位相遅れが発生する制御系いおいても、前記実施例1と同様な効果を奏する。
【0130】
尚、本発明は上記実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り、種々の態様で実施できることはいうまでもない。
例えば前記実施例では、自動走行制御装置について述べたが、この装置による制御を実行させるプログラムを記憶している記録媒体も、本発明の範囲である。
【0131】
例えば記録媒体としては、マイクロコンピュータとして構成される電子制御装置、マイクロチップ、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク等の各種の記録媒体が挙げられる。つまり、上述した自動走行制御装置の制御を実行させることができるプログラムを記憶したものであれば、特に限定はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の自動走行制御装置等の構成を例示するブロック図である。
【図2】 自動走行制御装置による制御の手順を説明した説明図である。
【図3】 無段変速機のセカンダリ油圧制御系を示す制御ブロック図である。
【図4】 無段変速機のプライマリ油圧制御系を示す制御ブロック図である。
【図5】 CVT変速比制御系を示す制御ブロック図である。
【図6】 制御モードを設定する処理を示すフローチャートである。
【図7】 目標変速比設定部の制御系を示す制御ブロック図である。
【図8】 クルーズ減速準備状態の場合の処理を示すフローチャートである。
【図9】 クルーズ減速状態の場合の処理を示すフローチャートである。
【図10】 エンジン回転数NEおよびスロットル開度θと入力トルクTinとの関係を表すマップである。
【図11】 入力トルクTinと目標変速比TRtとに基づいて、目標セカンダリ油圧PStを求めるための3次元マップである。
【図12】 セカンダリ油圧PSと入力トルクTinとの関係を表すグラフである。
【図13】 変速比TRに応じたトルク比Tin/Tmaxと油圧比PP/PSとの関係を表すマップである。
【図14】 自動走行制御装置による制御の手順を説明した説明図である。
【図15】 実施例2の無段変速機のプライマリ油圧制御系を示す制御ブロック図である。
【図16】 目標変速比位相補償部76を示すブロック図である。
【図17】 自動走行制御装置による制御の手順を説明した説明図である。
【符号の説明】
E…エンジン 1…無段変速機
3…自動走行制御装置 5…電子スロットル
11…プライマリプーリ 17…セカンダリプーリ
23…金属ベルト
27…プライマリ油圧制御アクチュエータ
29…セカンダリ油圧制御アクチュエータ
31…発進デバイス
33…電子スロットルコントロールユニット
35…駆動力コントロールユニット
37…クルーズコントロールユニット
43…スロットル開度センサ
47…プライマリ回転センサ
49…セカンダリ回転センサ
51…エンジン回転センサ
67…制御モード判定部
69…目標変速比設定部
71…目標変速比補正部
73…CVT変速比制御系

Claims (10)

  1. (a)自動走行の際に、無段変速機の変速比を調整して車両の減速時の制御を行う自動走行制御装置において、
    (b)最初に大きな減速力を与え、その後該減速力を保持するように、前記無段変速機の変速比及びスロットル開度を調整する減速制御を行うクルーズ減速状態と、
    (c)加速制御を行うクルーズ加速状態と、
    (d)前記クルーズ減速状態に先立つクルーズ減速準備状態と、
    を備え、
    (e)車両の制御の状態が前記クルーズ加速状態に設定されているときに、目標加速度が所定の判定値以下の場合には、前記クルーズ減速準備状態に設定し、
    (f)前記クルーズ減速準備状態の際に、予備調整として変速比による減速指令を実施し、
    (g)その後前記クルーズ減速状態の際に、前記変速比及びスロットル開度による減速指令を実施することを特徴とする自動走行制御装置。
  2. 前記減速力を実現するために、最初に前記変速比を急勾配で立ち上げ、その後前記変速比を緩勾配で増加させることを特徴とする前記請求項1に記載の自動走行制御装置。
  3. 前記減速力を発生させる前記変速比の実際の変化を実現できるように、前記無段変速比の目標変速比を設定することを特徴とする前記請求項1又は2に記載の自動走行制御装置。
  4. 前記車両の減速時には、最初の大きな減速力及びその後の減速力の保持のパターンを繰り返すことを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載の自動走行制御装置。
  5. 車両の走行状態を検出する車両走行状態検出手段の検出結果に基づいて、前記無段変速機の目標変速比を設定する目標変速比設定手段と、
    前記車両の減速制御を実施する場合に、前記目標変速比に基づいて、前記無段変速比の変速比を調整する変速比調整手段に対して、変速比による減速を指令する変速比減速指令手段と、
    を備え、
    前記変速比が所定の大きな第1変化率で増加するように、前記目標変速比の第1補正値を設定する第1目標変速比補正値設定手段と、
    前記変速比が前記第1変化率よりも小さい所定の第2変化率で増加するように、前記目標変速比の第2補正値を設定する第2目標変速比補正値設定手段と、
    前記変速比減速指令手段によって減速が指令される場合には、前記第1補正値による目標変速比補正を行ってから、前記第2補正値による目標変速比補正を行う目標変速比補正手段と、
    を備えたことを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載の自動走行制御装置。
  6. 前記無段変速機と、
    該無段変速機の変速比を変更する前記変速比調整手段と、
    を備えたことを特徴とする前記請求項5に記載の自動走行制御装置。
  7. 前記車両走行状態検出手段は、前方の道路状況を検出する前方状況検出手段を備えたことを特徴とする前記請求項5又は6に記載の自動走行制御装置。
  8. 前記車両走行状態検出手段は、自車速を検出する自車速検出手段を備えたことを特徴とする前記請求項5〜7のいずれかに記載の自動走行制御装置。
  9. 前記車両走行状態検出手段は、ナビゲーション情報を検出するナビゲーション情報検出手段を備えたことを特徴とする前記請求項5〜8のいずれかに記載の自動走行制御装置。
  10. 前記請求項1〜9のいずれかに記載の自動走行制御装置による制御を実行させるプログラムを記憶しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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