JP4449166B2 - 無段変速機を備えた車両の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、無段変速機を搭載した車両の変速比および出力トルクを制御する装置に関し、特に車輪のスリップおよびその後のグリップ力の回復が生じた際の制御をおこなう装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無段変速機を車両に搭載することの利点の一つは、変速比を無段階に設定できることに伴い無段変速機の入力側に連結されている動力源の回転数を適宜に制御できる点にある。従来、このような機能を有効に利用し、動力源であるエンジンの回転数を最小燃費の運転点に一致するように無段変速機の変速比を制御している。
【0003】
無段変速機の変速比の制御は、通常、実際の入力回転数が目標入力回転数に一致するように制御され、その変速比は、出力回転数と入力回転数との比率であるから、出力回転数を変速比の制御パラメータとして含んでいる。そのため、無段変速機の出力側に連結されている駆動輪がスリップにより空転した場合、無段変速機の出力回転数が増大するので、入力回転数を目標入力回転数に維持するべくアップシフトの判断が成立する。また、駆動輪が路面のグリップ力を回復すると、その回転数が低下するので、ダウンシフトの判断が成立する。
【0004】
このように、駆動輪のスリップが生じ、またその後のグリップ力が回復すると、駆動輪の回転数の変化に伴って急激なアップシフトとダウンシフトとが連続して生じ、その結果、ショックが生じることがある。従来、このような不都合を解消するために、駆動輪のスリップが発生した場合、変速比が減少方向に変化することを抑制するように構成した制御装置が特開平9−217801号公報によって提案されている。
【0005】
駆動輪のスリップ時に変速比の変化を抑制した場合、駆動輪がグリップ力を回復した場合の変速比が、所定の変速特性線で規定される変速比から外れたものとなり、したがってグリップ力を回復した際に変速の抑制制御を解除することになる。上記の公報に記載された制御装置では、そのような変速比抑制制御からの復帰時に、比較的小さい変速速度で変速を実行して、所定の変速特性線で規定される変速比に復帰するように構成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
アクセルペダルを踏み込むなどの出力要求がなされている状態で駆動輪のスリップおよびその後のグリップ力の回復が生じた場合、スリップにより駆動輪からの反力が低下し、その後にグリップ力を回復することにより反力が生じるので、無段変速機やプロペラシャフトなどからなる動力伝達系統にはトルクの解放と付加とが連続して生じる。そのため、動力伝達系統にねじり変形が生じ、これが原因となってショックが生じることがある。上記従来の制御装置では、これに加え、駆動輪がグリップ力を回復すると同時に、変速を実行するから、変速に伴うトルクが動力伝達系統に更に付加される。その結果、駆動輪がグリップ力を回復することによるトルク変動と変速によるトルク変動とが重ね合わされ、そのためにショックが更に悪化する可能性がある。
【0007】
また、駆動輪がグリップ力を回復した際に出力要求がなされていない場合、すなわち動力源がアイドリング状態もしくは被駆動状態の場合には、車両の走行慣性力が無段変速機を介して動力源に入力され、動力源の回転数を引き上げることになるが、その際の無段変速機の変速比が、上記の公報に記載されているように低速度で変化していて相対的に大きい変速比となっていれば、動力源の回転数を大きく引き上げることになるために、エンジンブレーキ力が大きく作用し、運転者の操作によらない制動が生じて違和感を与える可能性がある。
【0008】
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、無段変速機を搭載した車両の駆動輪がスリップした後にグリップ力を回復した際に駆動トルクが不適当な状態となることを防止することのできる制御装置に関するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】
この発明は、上記の目的を達成するために、無段変速機に連結されている駆動輪がスリップした後、グリップ力を回復した際に変速比あるいはトルクの制御をスリップ前の制御あるいは通常の制御に復帰させる場合、その制御の復帰の仕方を車両の運転状態に応じて変更するように構成したことを特徴とするものである。より具体的には、請求項1の発明は、動力源の出力トルクを無段変速機を介して駆動輪に伝達し、その駆動輪がスリップした場合に前記無段変速機での変速を制限するように構成された無段変速機を備えた車両の制御装置において、前記駆動輪がスリップした後グリップ力を回復したことを検出するグリップ検出手段と、そのグリップ検出手段が前記駆動輪のグリップ力の回復を検出した後、前記無段変速機の変速制限を解除するまでの時間を前記動力源に対する出力要求量に応じて異ならせる復帰制御手段とを有し、前記復帰制御手段は、前記出力要求量が大きい場合の前記無段変速機の変速制限を解除するまでの時間を、出力要求量が小さい場合に比較して長くするように構成されていることを特徴とする制御装置である。
【0010】
したがって請求項1の発明では、駆動輪がグリップ力を回復した時点の出力要求量が大きい場合の変速状態と、小さい場合の変速状態とが異なったものとなる。したがって変速がトルク変動を助長したり、あるいは変速によるトルクの出力状態の変化が駆動トルクの変動を抑制するなど、駆動輪がグリップ力を回復した時点の車両の運転状態に適したトルクの出力状態となる。その結果、ショックや振動が防止もしくは抑制されてドライバビリティが向上する。
【0012】
また、請求項1の発明では、動力源がトルクを出力している状態で駆動輪がグリップ力を回復すると、駆動輪に動力を伝達する動力伝達系統でのねじり変形が増大するが、その状態での変速が防止もしくは抑制されるので、動力伝達系統でのねじり変形やトルクの変動が助長されることがなく、その結果、ショックや振動を防止もしくは抑制することができる。また、出力要求量が小さい場合には、駆動輪がグリップ力を回復した直後もしくは早い時期に変速比の制限が解除され、その際に出力要求量が小さいことによりアップシフトが生じ、それに伴う慣性トルクが放出されるので、動力源による制動力を低下させることができる。
【0013】
さらに、請求項2の発明は、動力源の出力トルクを無段変速機を介して駆動輪に伝達し、その駆動輪がスリップした場合に前記無段変速機での変速を制限するとともに、前記駆動輪がグリップ力を回復した後に、無段変速機の変速状態を車両の運転状態に基づいて定まる目標変速状態に一致させるよう無段変速機を自動的に制御する通常制御を実行するように構成された無段変速機を備えた車両の制御装置において、前記駆動輪がグリップ力を回復してから所定時間の間における前記通常制御での変速速度を、前記車両の運転状態に応じて異ならせる復帰変速速度制御手段を有し、前記復帰変速速度制御手段は、前記動力源に対する出力要求量が小さい場合の変速速度を、出力要求量が大きい場合に比較して速くするように構成されていることを特徴とする制御装置である。
【0015】
また、前記復帰変速速度制御手段は、請求項3に記載されているように、アップシフトの変速速度を速くするように構成することができる。
【0016】
これら請求項2または3の発明における目標変速状態とは、目標変速比もしくは目標入力回転数を含み、したがって駆動輪がグリップ力を回復することによる変速の制限状態から前記通常制御に復帰する場合、通常制御に復帰することに伴う変速状態の変更が生じ、その変速の速度が、出力要求の状態に応じて遅速に変更して設定される。その結果、変速速度に応じたトルクが生じ、これが駆動トルクの変動を抑制し、あるいは補助するなどの作用をおこなうので、駆動輪がグリップ力を回復した時点の走行状態に適した駆動トルクを得ることができる。
【0017】
また一方、請求項4の発明は、動力源の出力トルクを無段変速機を介して駆動輪に伝達し、その駆動輪がスリップした場合に前記出力トルクを低減させるとともに、前記駆動輪がグリップ力を回復した後に前記出力トルクの低減制御を解除するように構成された無段変速機を備えた車両の制御装置において、前記出力トルクの低減制御の解除に伴う出力トルクの変化速度を制御するトルク復帰制御手段を有し、前記トルク復帰制御手段は、前記動力源に対する出力要求量に応じて前記出力トルクの変化速度を変更して設定するように構成されていることを特徴とする制御装置である。
【0019】
したがって請求項4の発明では、駆動輪がグリップ力を回復したことにより、出力トルクの変更の制限を解除して出力トルクを増大させることになるが、その出力トルクの変化速度が一律ではなく、適宜に制御され、例えば出力要求量に応じて制御されるので、駆動輪がグリップ力を回復した際の出力トルクの増大の遅れによるもたつき感やトルクの増大が急激すぎることによるスリップの発生などを防止もしくは抑制することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。先ず、この発明が対象とする車両の動力伝達系統の一例を説明すると、図8において、動力源1が変速機構2に連結され、その変速機構2の出力軸3がディファレンシャル4を介して左右の駆動輪5に連結されている。ここで、動力源1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関あるいはモータなどの電動機、さらにはこれら内燃機関と電動機とを組み合わせた装置など、車両に使用可能な種々の動力源を含む。以下の説明では、動力源1として、燃料をシリンダの内部に直接噴射し、その噴射量およびタイミングを制御することにより均質燃焼や成層燃焼の可能ないわゆる直噴ガソリンエンジン、あるいはスロットル開度を電気的に自由に制御できる電子スロットルバルブを備えたガソリンエンジンを採用した例を説明する。
【0021】
このエンジン1は電気的に制御できるように構成されており、その制御のためのマイクロコンピュータを主体とする電子制御装置(E−ECU)6が設けられている。この電子制御装置6は、少なくともエンジン1の出力を制御するように構成されており、その制御のためのデータとして出力軸回転数(エンジン回転数)NE とアクセル開度PAなどの出力要求量とが入力されている。
【0022】
この出力要求量は、要は、エンジン1の出力の増大・減少のための信号であり、運転者が操作するアクセルペダルなどの加減速操作装置7の操作量(アクセル開度)信号やその操作量を電気的に処理して得た信号を採用することができ、またそれ以外に、車速を設定車速に維持するためのクルーズコントロールシステム(図示せず)などからの出力要求量信号を含む。
【0023】
また、変速機構2は、流体伝動機構8と、前後進切換機構9と、無段変速機(CVT)10とから構成されている。その流体伝動機構8は、要は、オイルなどの流体を介して入力側の部材と出力側の部材との間でトルクを伝達するように構成された装置であって、一例として、一般の車両に採用されているトルクコンバータを挙げることができる。また、この流体伝動機構8は、直結クラッチ11を備えている。すなわち直結クラッチ11は、入力側の部材と出力側の部材とを摩擦板などの機械的手段で直接連結するように構成されたクラッチであって、緩衝をおこなうためのコイルスプリングなどの弾性体からなるダンパー12を備えている。なお、車両が停止している状態であってもエンジン1を駆動させ続けるために流体伝動機構8を設けている場合には、車両の状態に基づいて自動的に断続される自動クラッチを、上記の流体伝動機構8に置換して使用することができる。
【0024】
その流体伝動機構8の入力部材がエンジン1の出力部材に連結され、また流体伝動機構8の出力部材が前後進切換機構9の入力部材に連結されている。この前後進切換機構9は、一例としてダブルピニオン型遊星歯車機構によって構成され、特には図示しないが、サンギヤとキャリヤとのいずれか一方を入力要素とし、かつ他方を出力要素とするとともに、リングギヤを選択的に固定するブレーキ手段と、サンギヤおよびキャリヤならびにリンクギヤの3要素のうちのいずれか2つの回転要素を選択的に連結して遊星歯車機構の全体を一体化するクラッチ手段とを備えている。すなわちそのクラッチ手段を係合させることに前進状態を設定し、また前記ブレーキ手段を係合させることにより後進状態を設定するように構成されている。
【0025】
図8に示してある無段変速機10は、その入力側の部材の回転数と出力側の部材の回転数との比率すなわち変速比を無段階に(連続的に)変化させることのできる機構であり、ベルト式無段変速機やトロイダル式無段変速機などを採用することができる。そのベルト式無段変速機10の一例を図9を参照して簡単に説明すると、駆動側プーリー(プライマリープーリー)20と、従動側プーリー(セカンダリープーリー)21と、これらのプーリー20,21に巻き掛けられたベルト22とを備えている。これらのプーリー20,21のそれぞれは、固定シーブ23,24と、その固定シーブ23,24に対して接近・離隔する可動シーブ25,26とからなり、可動シーブ25,26を固定シーブ23,24に対して接近する方向に押圧する油圧アクチュエータ27,28が設けられている。
【0026】
上記の駆動側プーリー20が入力軸29に取り付けられ、その入力軸29と平行に配置された出力軸30に従動側プーリー21が取り付けられている。そして、従動側プーリー21における油圧アクチュエータ28には、アクセル開度PAに代表される出力要求に基づく要求駆動力に応じた油圧が供給され、トルクを伝達するのに必要な張力をベルト22に付与するようになっている。また、駆動側プーリー20の油圧アクチュエータ27には、入力軸29の回転数を目標入力回転数に一致させるための変速比となるように、油圧が給排されている。
【0027】
すなわち、各プーリー20,21における溝幅(固定シーブ23,24と可動シーブ25,26との間隔)を変化させることにより、各プーリー20,21に対するベルト22の巻き掛け半径が大小に変化して変速が実行されるようになっている。より具体的には、実入力回転数と目標入力回転数との偏差に基づいて駆動プーリー20側の油圧をフィードバック制御することにより変速が実行され、したがってその偏差が大きいほど、変速速度が速くなる。
【0028】
図9に示す無段変速機10では、駆動側プーリー20に対するベルト22の巻き掛け半径が最小でかつ従動側プーリー21に対するベルト22の巻き掛け半径が最大の状態で、最低速側の変速比(最大変速比)γmax が設定され、また、これとは反対に駆動側プーリー20に対するベルト22の巻き掛け半径が最大でかつ従動側プーリー21に対するベルト22の巻き掛け半径が最小の状態で、最高速側の変速比(最小変速比)γmin が設定される。
【0029】
上記の変速機構2における直結クラッチ11の係合・解放ならびに滑りを伴う半係合の各状態の制御および前後進切換機構9での前後進の切り換えならびに無段変速機10での変速比の制御は、基本的には、車両の走行状態に基づいて制御されるようになっている。その制御のためにマイクロコンピュータを主体として構成された電子制御装置(T−ECU)13が設けられている。
【0030】
この電子制御装置13は、前述したエンジン用の電子制御装置6とデータ通信可能に連結される一方、制御のためのデータとして車速SPDや変速機構2の出力回転数No 、入力回転数NINなどのデータが入力されている。また、変速機構2を停止状態(パーキングポジション:P)、後進状態(リバースポジション:R)、中立状態(ニュートラルポジション:N)、車両の走行状態に応じて変速比を自動的に設定して通常の走行をおこなう自動前進状態(ドライブポジション:D)、エンジン1のポンピングロスを制動力とする状態(ブレーキポジション:B)ならびに所定値以上の高速側の変速比の設定を禁止する状態(SDポジション)の各状態(ポジション)を選択するシフト装置14が設けられており、このシフト装置14が電子制御装置13に電気的に連結されている。
【0031】
さらにアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)31が設けられている。これは、駆動輪5と他の車輪との回転数を検出するとともにその検出結果に基づいて車体の速度を算出し、その算出された車体速度と車輪の回転速度とを比較して車輪のスリップを検出し、スリップが検出された車輪についての制動力を一時的に低減して車輪のいわゆるロックを防止する装置であり、電子制御装置(ABS−ECU)32と、車輪の制動力を調整するアクチュエータ33と図示しない回転数センサとを主体として構成されている。
【0032】
したがってABS32によって駆動輪5を含む車輪のスリップとその後のグリップ力の回復とを検出するようになっている。これらスリップやグリップ力の回復などの情報を前記各電子制御装置6,13に伝送するよう、これらの電子制御装置6,13,32が相互に接続されている。
【0033】
上記の車両では、エンジン1が電気的に制御できる電子スロットルバルブを備えており、またその出力側に無段変速機10が連結されているので、エンジン1の出力トルクと出力回転数(無段変速機10の入力回転数)とを個別に制御することができる。また、駆動輪5のスリップとグリップ力の回復とを検出できるので、それぞれの状態に応じた変速比と出力トルクとが制御される。基本的には、駆動輪5のスリップが検出された場合には、無段変速機10の変速比を固定し、もしくは変速比の変化を極僅かに制限するなどの変速制限制御が実行される。また駆動輪5のスリップが検出された場合には、スリップを可及的迅速に解消するために、エンジン1の出力トルクを低下させる出力トルク低減制御が実行される。その制御は、具体的には、電子スロットルバルブの開度を低下させることにより実行されるが、点火時期の変更などの他の手段でエンジン1の出力トルクを一時的に低減することとしてもよい。
【0034】
そして、この発明に係る制御装置は、変速制限制御と出力トルク低減制御とを伴う駆動輪5のスリップ状態が解消し、駆動輪5がグリップ力を回復した場合には、その時点の運転状態に応じて変速制御と出力トルク制御とがおこなわれるように構成されている。図1の(A)はその制御の一例を示すフローチャートであって、先ず、駆動輪5のスリップの有無、すなわちタイヤスリップの有無が判断される(ステップS1)。これは、前述したABS31による駆動輪5の回転状態の検出結果に基づいて判断することができる。
【0035】
駆動輪5がスリップしていることによりステップS1で肯定的に判断された場合には、変速比制限制御が実行される(ステップS2)。これは、駆動輪5のスリップが検出された時点に設定されていた変速比に固定する制御もしくはその変速比からの変化量もしくは変化速度を極僅かに制限する制御であり、実質的な変速を生じさせない制御である。
【0036】
これに対して駆動輪5のスリップが検出されないことによりステップS1で否定的に判断された場合には、駆動輪5がグリップ力を回復した後、所定時間T1 秒を経過したか否かが判断される(ステップS3)。この所定時間T1 は、動力源であるエンジン1に対する出力要求に応じて大小に変化させられる時間であり、その一例を図1の(B)に示してある。ここに示す例は、アクセル開度が小さい状態では、所定時間T1 がほぼゼロとされ、アクセル開度がある程度大きい状態では、所定時間T1 がある程度長い時間に設定されている例である。したがって出力要求量が小さい場合には、ステップS3では、タイヤグリップ力の回復とほぼ同時に肯定的に判断され、また反対に出力要求量がある程度大きい場合には、タイヤグリップ力の回復から所定時間T1 が経過するまでは、ステップS3で否定的に判断される。
【0037】
出力要求量が大きいことによりタイヤスリップ解消直後にステップS3で否定的に判断されると、ステップS2に進んで変速制限制御が継続される。これは、ステップS3で肯定的に判断されるまで、すなわち所定時間T1 が経過するまで継続される。
【0038】
駆動輪5がグリップ力を回復した後に変速制限制御をおこなった場合の状況を図2にタイムチャートで示してある。図2において、t0 時点にタイヤグリップの判定が成立しても、それ以前の状態と同様に、変速比が固定されるので、駆動輪5がグリップ力を回復して入力回転数NINが増大しても、それに応じて目標入力回転数NINTが増大する。その結果、無段変速機10の出力トルクTout がほぼ一定に維持される。そのため、駆動輪5がグリップ力を回復することによる動力伝達系統の捻れやそれに起因する駆動トルクの僅かな変動が生じるとしても、駆動トルクの変動を助長するような変速比の変化がないので、ショックや振動の悪化が防止される。
【0039】
なお、比較のために、駆動輪5がグリップ力を回復すると同時に変速を実行した場合の状況を説明すると、その場合の出力トルクTout の変動および各回転数NINT,NINの変化を図2に破線で併記してあるように、駆動輪5がグリップ力を回復すると、入力回転数NINが増大するので、これを低下させるように目標入力回転数NINTを低下させ、実入力回転数NINをその目標入力回転数NINTに一致させるように変速が生じる。すなわちアップシフトが生じるので、それに伴う慣性トルクが解放され、これが無段変速機10の出力トルクTout を増大させる方向に作用する。その結果、駆動輪5がグリップ力を回復することによる出力トルクTout の変動に、変速に伴うトルク変動が加わるので、出力トルクTout が大きく変動する。これが原因となってショックや振動が悪化する。
【0040】
一方、駆動輪5がグリップ力を回復した時点における出力要求量が小さいことにより、駆動輪5がグリップ力を回復したことが判定されると同時にステップS3で肯定的に判断されると、通常制御が実施される(ステップS4)。この通常制御とは、無段変速機10の変速比を制御する一般的な制御であり、具体的には、アクセル開度や車速などの車両の運転状態に基づいて目標入力回転数を求め、実入力回転数がその目標入力回転数に一致するように無段変速機10の変速比を、フィードバック制御などによって制御する変速制御である。
【0041】
この場合、エンジン1はアイドリング状態となっており、あるいはそれに近い状態であり、したがって駆動輪5がグリップ力を回復することによりエンジン1は被駆動状態となる。またその場合、出力要求量が小さいことにより目標入力回転数が低回転数であるから、アップシフトが生じる。そのため、入力回転数の低下によって慣性力が解放されるから、エンジン1による制動力が小さくなり、減速感が緩和される。すなわちタイヤスリップの後にエンジンブレーキが増大するなどの違和感を解消することができる。
【0042】
駆動輪5がグリップ力を回復した時点でエンジン1が被駆動状態となる場合に、過剰なエンジンブレーキ力を解消するためには、以下のように制御すればよい。すなわち図3は、タイヤスリップが収まって変速制限制御から復帰する際にエンジン1が被駆動状態となる場合に変速速度を通常より速くする制御例を示している。先ず、駆動輪5がグリップ力を回復して変速制限制御からの復帰判断が成立したか否かが判断される(ステップS11)。既に変速制限制御から復帰していることによりステップS11で否定的に判断された場合には、目標入力回転数NINTを算出する比例係数K1 が通常の値K1nに設定され、また目標入力回転数NINTの変化量(変速速度)DNINTに通常の上限値DNn が設定される(ステップS12)。
【0043】
ここで、目標入力回転数NINTは、一例として下記の演算式に基づいて求められるようになっている。
NINT(i)=NINT(i-1)+DNINT(i)
DNINT(i)=K1 ×(NINC(i)−NINT(i-1))+K2
なお、NINCは、その時点のアクセル開度や車速などの車両の運転状態に基づいて算出される基本目標入力回転数であり、またK2 は定数である。そして、これらの係数K1 および定数K2 は、通常の走行の際の変速をおこなうにあたり、ショックや応答遅れが生じない範囲で適宜の値に設定されている。
【0044】
これに対して変速制限制御からの復帰の判断が成立してステップS11で肯定的に判断された場合には、その時点の目標入力回転数NINTと基本目標入力回転数NINCとの偏差が所定の基準値ΔN1 より小さいか否かが判断される(ステップS13)。アクセル開度がある程度大きくなっていれば、それに基づいて求まる基本入力回転数NINCが相対的に大きい値であるから、目標入力回転数NINTとの偏差が小さく、その場合、ステップS13で肯定的に判断される。また反対にアイドリング状態のようにアクセル開度がゼロもしくはこれに近い値であれば、基本目標入力回転数NINCが小さい値になっているので、目標入力回転数NINTとの偏差が基準値ΔN1 を超えてしまい、その場合、ステップS13で否定的に判断される。このようにステップS13は、アクセル開度もしくはこれに代表される出力要求量についての判断にもなっている。
【0045】
ステップS13で肯定的に判断された場合には、ある程度の出力要求があって基本目標入力回転数NINCと目標入力回転数NINTとの偏差が小さくなっており、同時にエンジン1がある程度のトルクを出力している状態であるから、ステップS12に進んで変速速度を通常の速度に設定する。これに対してステップS13で否定的に判断されれば、出力要求量が小さくてそれに基づく基本目標入力回転数NINCが小さいために目標入力回転数NINCとの偏差が大きくなっており、同時にエンジン1の出力トルクが小さくて被駆動状態になっている。
【0046】
したがってこの場合は、変速制限制御からの復帰後、所定時間T2 が経過したか否かが判断される(ステップS14)。駆動輪5がグリップ力を回復して変速制限制御が解除されてから所定時間T2 以内の時点であれば、すなわちステップS13で否定的に判断されれば、変速速度DNINTを決める係数K1 を通常値K1nより大きい値K1sに設定し、同時に変速速度DNINTの上限値が通常値DNn より大きいDNs に設定される(ステップS15)。この制御が所定時間T2 の間、継続され、所定時間T2 が経過してステップS14で肯定的に判断されることにより、ステップS12に進んで通常の変速制御に変更される。
【0047】
したがって駆動輪5がグリップ力を回復して変速制限制御が解除された時点でエンジン1が被駆動状態となるような場合には、所定時間T2 の間、目標入力回転数NINTが大きく変化(減少)させられて急速なアップシフトが生じる。これを図に示せば、図4のとおりであり、t10時点にタイヤグリップの判定が成立すると、目標入力回転数NINTが急激に低下させられ、それに伴って入力回転数NINを急激に低下させるアップシフトが生じる。その結果、エンジン1を含む動力系統の回転数の低下に伴う慣性力が生じるので、これが出力トルクTout を増大させる方向に作用する。言い換えれば、駆動輪5がグリップ力を回復することにより、動力系統に対してこれを強制的に回転させるトルクが生じ、その反力が制動力となるが、アップシフトによる慣性力が動力系統を回転させるトルクとして作用することにより、制動力が低下させられる。そのため、駆動輪5がグリップ力を回復した際の出力トルクTout の落ち込みすなわちエンジンブレーキ力が低減され、ショックや違和感が回避される。
【0048】
ところで、電子スロットルバルブなどのエンジントルクを電気的に制御できる手段を備えたエンジンでは、駆動輪5のスリップが生じた場合に迅速にスリップ状態を解消するべくエンジントルクを低減させることができる。タイヤスリップ時におけるこのようなトルク低減制御を実行すれば、駆動輪5がグリップ力を回復した際にトルク低減制御を解除して出力トルクを増大させることになるが、この発明に係る制御装置は、そのいわゆるトルク復帰制御を以下に述べるように実行する。
【0049】
図5はその制御例を示すフローチャートであって、先ず、タイヤスリップが生じているか否かが判断される(ステップS21)。これは、前述した図1に示すステップS1と同様な判断ステップである。タイヤスリップが生じていることによりステップS21で肯定的に判断された場合には、実際のスロットル開度(電子スロットルバルブの開度)ThrD(i)をスリップ時の開度として定めた値ThrS(i)に設定する(ステップS22)。このスリップ時スロットル開度ThrS(i)は、予め定めた固定値であってもよく、あるいはアクセル開度から定まる電子スロットル開度ThrD(i)に対する所定割合として定めた変化する値であってもよく、いずれにしてもエンジン1の出力トルクを低減させるのに充分な低開度である。
【0050】
これに対して駆動輪5がグリップ力を回復してタイヤスリップが生じていないことによりステップS21で否定的に判断された場合には、フラグFGが“1”にセットされているか否かが判断される(ステップS23)。このフラグFGは、トルク低減制御が解除されてエンジン1の出力トルクを増大させるべくスロットル開度ThrD(i)が、アクセルペダルの踏み込み量などの出力要求量に基づく開度(スロットル開度)に一致した場合に“1”にセットされるフラグである。したがってトルク低減制御を解除した直後では、このフラグFGがゼロリセットされており、ステップS23で否定的に判断される。
【0051】
すなわち駆動輪5がグリップ力を回復することによりトルク低減制御が解除された直後では、ステップS23で否定的に判断され、その場合は、実際のスロットル開度ThrD(i)が予め定めた勾配で増大させられる。すなわち図5に示すフローチャートの実行サイクル毎に所定開度Dthr(i)が加算される(ステップS24)。この所定開度Dthr(i)は、図6に一例を示すように、アクセル開度(出力要求量)が大きいほど大きい値に設定されている。
【0052】
したがって駆動輪5がグリップ力を回復することに伴ってトルク低減制御を解除し、それに伴ってエンジン1の出力トルクを増大させる場合、アクセル開度Thrに基づいて定まるスロットル開度ThrDに設定せずに、決められた量ずつスロットル開度ThrDを増大させ、これにより出力トルクを徐々に増大させることになる。そのため、駆動輪5が生じる駆動トルクが急激に増大することがないので、再度、スリップが生じるなどの事態を回避することができる。また、そのスロットル開度ThrDの増大勾配すなわち出力トルクの増加割合もしくは速度は、アクセル開度で代表される要求駆動量に応じて大きくなるので、駆動輪5がグリップ力を回復した後の駆動トルクが必要十分に大きくなり、いわゆるもたつき感を防止もしくは抑制することができる。
【0053】
ステップS24に続けて実際のスロットル開度ThrD(i)がアクセル開度Thr(i)より小さいか否かが判断される(ステップS25)。すなわちタイヤスリップ中のトルク低減制御からの復帰に伴い徐々に増大させる実際のスロットル開度ThrD(i)が、出力要求量に基づくアクセル開度Thr(i)に達する以前の状態か否かが判断される。このステップS25で肯定的に判断された場合に、それ以上の制御を特に実行せずにこのルーチンを抜け、従前の制御を継続する。そして、実際のスロットル開度ThrD(i)がアクセル開度Thr(i)に達してステップS25で否定的に判断されると、それ以降におけるスロットル開度ThrD(i)としてアクセル開度Thr(i)を採用し、かつフラグFGを“1”にセットする(ステップS26)。
【0054】
そして、フラグFGが“1”にセットされていることによりステップS23で肯定的に判断され、それ以降におけるスロットル開度ThrD(i)としてアクセル開度Thr(i)が採用される(ステップS27)。こうしてタイヤスリップに伴うトルク低減制御から通常のトルク制御に完全に復帰する。
【0055】
上記の図5に示す制御をおこなった場合のスロットル開度の変化を図7に模式的に示してある。すなわちt20時点にタイヤスリップが検出されると、スロットル開度ThrD(i)は、スリップ時スロットル開度ThrS(i)に低減され、それに応じた出力トルクとなる。その後、t21時点にグリップ判定が成立すると、スロットル開度ThrD(i-1)に所定値Dthr(i)ずつ加算されてスロットル開度ThrD(i)が徐々に増大させられる。その増大勾配もしくは速度は、破線あるは鎖線で示すように、出力要求量であるアクセル開度に応じたものとなる。このようなスロットル開度ThrDの増大制御(復帰制御)が、アクセル開度Thr(i)に一致するまで継続される。
【0056】
ここで上記の具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、図1に示すステップS1の機能的手段が請求項1の発明におけるグリップ検出手段に相当し、またステップS3の機能的手段が請求項1の発明における復帰制御手段に相当する。さらに図3に示すステップS13,S14,S15の機能的手段が請求項2および3の発明における復帰変速速度制御手段に相当する。そして、図5に示すステップS24の機能的手段が請求項4の発明におけるトルク復帰制御手段に相当する。
【0057】
なお、上記の具体例では、ベルト式の無段変速機を備えた車両を対象とする制御装置について説明したが、この発明は上記の具体例に限らず、トロイダル式などの他の形式の無段変速機を備えた車両を対象とする制御装置に適用することができる。また、上述した請求項1の発明による通常制御への復帰タイミングの制御と、請求項2の発明による変速速度の制御と、請求項4の発明によるトルクの復帰制御とを個別におこなわず、組み合わせて実行するように構成してもよい。さらに、上記の具体例では、無段変速機の変速状態の制御として、目標入力回転数に実入力回転数を一致させる制御を示したが、この発明における無段変速機の変速状態の制御は、車両の運転状態に基づいて目標変速比を求め、実際の変速比をその目標変速比に一致させる制御であってもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、駆動輪がグリップ力を回復した時点の出力要求量が大きい場合の変速状態と、小さい場合の変速状態とが異なったものとなるので、変速がトルク変動を助長したり、あるいは変速によるトルクの出力状態の変化が駆動トルクの変動を抑制するなど、駆動輪がグリップ力を回復した時点の車両の運転状態に適したトルクの出力状態となり、その結果、ショックや振動を防止もしくは抑制してドライバビリティを向上させることができる。
【0059】
また、請求項1の発明によれば、動力源がトルクを出力している状態で駆動輪がグリップ力を回復すると、駆動輪に動力を伝達する動力伝達系統でのねじり変形が増大するが、その状態での変速が防止もしくは抑制されるので、動力伝達系統でのねじり変形やトルクの変動が助長されることがなく、その結果、ショックや振動を防止もしくは抑制することができる。また、出力要求量が小さい場合には、駆動輪がグリップ力を回復した直後もしくは早い時期に変速比の制限が解除され、その際に出力要求量が小さいことによりアップシフトが生じ、それに伴う慣性トルクが放出されるので、動力源による制動力を低下させ、運転者に違和感を与えることを回避することができ、ひいてはドライバビリティを向上させることができる。
【0060】
さらに、請求項2または3の発明によれば、駆動輪がグリップ力を回復することによる変速の制限状態から通常の変速制御に復帰する場合、通常の変速制御に復帰することに伴う変速の速度が、出力要求の状態に応じて遅速に変更して設定されるから、変速速度に応じたトルクが生じ、これが駆動トルクの変動を抑制し、あるいは補助するなどの作用をおこなうので、駆動輪がグリップ力を回復した時点の走行状態に適した駆動トルクを得ることができ、その結果、ドライバビリティが向上する。
【0061】
また一方、請求項4の発明によれば、駆動輪がグリップ力を回復したことにより、出力トルクの変更の制限を解除して出力トルクを増大させることになるが、その出力トルクの変化速度が一律ではなく、適宜に制御され、例えば出力要求量に応じて制御されるので、駆動輪がグリップ力を回復した際の出力トルクの増大の遅れによるもたつき感やトルクの増大が急激すぎることによるスリップの発生などを防止もしくは抑制することができ、ひいてはドライバビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は変速制限制御からの復帰のための制御例を示すフローチャートであり、また(B)はその所定時間の長短を概念的に示す線図である。
【図2】 図1に示す制御をおこなった場合とおこなわない場合との出力トルクの変化を概念的に示す線図である。
【図3】 タイヤスリップ時の変速制限制御からの復帰した際の変速速度の制御例を示すフローチャートである。
【図4】 図3に示す制御を実行した場合の出力トルクの変化を概念的に示す線図である。
【図5】 タイヤスリップ時のトルク低減制御を解除してトルクを復帰させるための制御例を示すフローチャートである。
【図6】 そのトルク復帰のために所定時間毎に加算される開度を概念的に示す線図である。
【図7】 図5の制御を実行した場合の実際のスロットル開度の変化を概念的に示す線図である。
【図8】 この発明で対象とする車両の駆動系統およびその制御系統を模式的に示すブロック図である。
【図9】 その無段変速機の一例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…変速機構、 6…電子制御装置、 7…加減速操作装置、 10…無段変速機、 13…電子制御装置、 31…アンチロック・ブレーキ・システム。
Claims (4)
- 動力源の出力トルクを無段変速機を介して駆動輪に伝達し、その駆動輪がスリップした場合に前記無段変速機での変速を制限するように構成された無段変速機を備えた車両の制御装置において、
前記駆動輪がスリップした後グリップ力を回復したことを検出するグリップ検出手段と、
そのグリップ検出手段が前記駆動輪のグリップ力の回復を検出した後、前記無段変速機の変速制限を解除するまでの時間を前記動力源に対する出力要求量に応じて異ならせる復帰制御手段と
を有し、
前記復帰制御手段は、前記出力要求量が大きい場合の前記無段変速機の変速制限を解除するまでの時間を、出力要求量が小さい場合に比較して長くするように構成されている
ことを特徴とする無段変速機を備えた車両の制御装置。 - 動力源の出力トルクを無段変速機を介して駆動輪に伝達し、その駆動輪がスリップした場合に前記無段変速機での変速を制限するとともに、前記駆動輪がグリップ力を回復した後に、無段変速機の変速状態を車両の運転状態に基づいて定まる目標変速状態に一致させるよう無段変速機を自動的に制御する通常制御を実行するように構成された無段変速機を備えた車両の制御装置において、
前記駆動輪がグリップ力を回復してから所定時間の間における前記通常制御での変速速度を、前記車両の運転状態に応じて異ならせる復帰変速速度制御手段を有し、
前記復帰変速速度制御手段は、前記動力源に対する出力要求量が小さい場合の変速速度を、出力要求量が大きい場合に比較して速くするように構成されている
ことを特徴とする無段変速機を備えた車両の制御装置。 - 前記復帰変速速度制御手段は、アップシフトの変速速度を速くするように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の無段変速機を備えた車両の制御装置。
- 動力源の出力トルクを無段変速機を介して駆動輪に伝達し、その駆動輪がスリップした場合に前記出力トルクを低減させるとともに、前記駆動輪がグリップ力を回復した後に前記出力トルクの低減制御を解除するように構成された無段変速機を備えた車両の制御装置において、
前記出力トルクの低減制御の解除に伴う出力トルクの変化速度を制御するトルク復帰制御手段を有し、
前記トルク復帰制御手段は、前記動力源に対する出力要求量に応じて前記出力トルクの変化速度を変更して設定するように構成されている
ことを特徴とする無段変速機を備えた車両の制御装置。
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