JP2892446B2 - ハードバター - Google Patents

ハードバター

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、良質なテンパリング型ハードバター、詳し
くは、低温下におけるファットブルームの防止効果に優
れた、良質なテンパリング型ハードバターに関するもの
である。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
ハードバターは、テンパリング型とノーテンパリング
型に大別できる。
テンパリング型のハードバターは、その組成や物性を
カカオ脂に類似されたものである。このテンパリング型
のハードバターは、その主成分が、β−不飽和−α,
α′−ジ飽和トリグリセリド(以下、SUSという)であ
り、比較的トリグリセリドの組成が単純であるため、油
脂結晶の転移、安定化が速く、油脂結晶が粗大化しやす
い。このような結晶特性のためにテンパリング工程が必
須となっている。
即ち、テンパリング工程は、安定でしかも微細な油脂
結晶核を多数析出させることにより、油脂結晶が粗大化
するのを防止すると同時に、その後に引き続いて行われ
る冷却固化工程での油脂結晶化を促進し、油脂表面の
‘つや’や型からの剥離を良好にするためのものであ
る。
テンパリング工程や冷却工程が適切に行われれない
と、製造直後に、製品表面が白色化して、いわゆるファ
ットブルームを呈することは良く知られている。また、
適切なテンパリング工程や冷却工程を経ても、貯蔵及び
流通での温度管理が適切でない場合、特に28℃以上の高
温に繰り返しさらされるような場合には、製品の表面の
つやが消え、製品表面が白色化し、更には内部にわたっ
て粉状化するようなファットブルームが発生する。
ファットブルームを防止するには、第一に適切なテン
パリングと冷却を行うことであり、第二に貯蔵及び流通
面での適切な温度管理を行うことである。
一方、テンパリング及び冷却工程並びに貯蔵及び流通
での温度管理が適切に行われていて高温にさらされない
場合でも、ファットブルームの発生が認められる場合が
ある。このように比較的低温下で発生するファットブル
ームをテンパリング不良によって発生するファットブル
ームや高温にさらされて発生するファットブルーム(高
温ファットブルームと称する)と区別するため、便宜上
低温ファットブルームと称する。
低温ファットブルームは、チョコレートと、ナッツ
類、ゼリー類又は焼き菓子等との複合系において、10〜
20℃の温度下、製造後約3週間位から発生する。この低
温ファットブルームは、製品が25℃以上の温度に放置す
ると、消失しまう場合もある。また、低温ファットブル
ームは、高温ファットブルームのように食感を損ねるこ
とはない。このように低温ファットブルームは、現象上
は、高温ファットブルームとは異なった様相を示すが、
商品価値を損ねるという点では高温ファットブルームと
同様大きな問題である。
チョコレートと、ナッツ類、ゼリー類又は焼き菓子等
との複合系における低温ファットブルームは、ナッツ
類、ゼリー類又は焼き菓子から、ナッツ油等の低融点油
脂あるいは水分がチョコレートに移行することが原因と
考えられるが、メカニズム等の詳細については不明であ
る。
かかる低温ファットブルームを防止する方法として、
ナッツ類を糖等でコーティングし、ナッツ油の移行を防
止する方法が考えられるが、この低温ファットブルーム
防止方法は、加工、処理法が煩雑であり、また、ナッツ
ペーストを使用する場合には適応できない等の欠点があ
る。
従って、本発明の目的は、低温ファットブルームが防
止され、しかも食感の良好なハードバターを提供するこ
とにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、低温ファットブルームの防止につい
て、ハードバターの組成の面から詳細に検討した結果、
特定の油脂と特定の乳化剤を特定の割合で配合したハー
ドバターが前記目的を達成するものであることを知見し
た。
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、β−不
飽和−α,α′−ジ飽和トリグリセリド(SUS)を主成
分とする油脂90〜99.9重量%と、結合脂肪酸が炭素数16
〜22のモノエン脂肪酸又はジエン脂肪酸である、グリセ
リン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、
プロピレングリコール脂肪酸エステル及びソルビタン脂
肪酸エステルからなる群から選ばれる常温で液状の乳化
剤0.1〜10重量%とからなるハードバターを提供するも
のである。
以下、本発明のハードバターについて詳述する。
本発明で用いられるSUSを主成分とする油脂として
は、全グリセリド中、SUSを50重量%以上、特に65重量
%以上含有するものが好ましく、例えば、シア脂、サル
脂、イリッペ脂、コクム脂、マンゴー脂、パーム油等の
天然油脂や、酵素法により製造される油脂、及び、それ
らの分別脂等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上
組合せて用いることができる。
上記油脂のSUS含量が50重量%より少ないと、ハード
バターを使用したチョコレート等の製造時の作業性が悪
化する傾向にある。
また、本発明で用いられる常温で液状の乳化剤は、加
熱、融解した後、20℃で30分間放置しても、実質的に結
晶が生成しない状態を示す乳化剤である。
具体的には、本発明で用いられる乳化剤は、結合脂肪
酸が炭素数16〜22のモノエン脂肪酸又はジエン脂肪酸、
好ましくは、オレイン酸又はリノール酸である、グリセ
リン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、
プロピレングリコール脂肪酸エステル及びソルビタン脂
肪酸エステルからなる群から選ばれる常温で液状の乳化
剤であり、これらは単独で又は2種以上組合せて用いら
れる。
上記乳化剤は、可能な限り純度の高いものが好ましい
が、常温で液状の溶媒、例えば、常温で液状の植物油等
により希釈されていてもよい。
また、上記乳化剤は、常温で液状であれば、親油性で
も親水性でもよいが、油脂との溶解性が優れる親油性の
乳化剤の方が好ましい。
本発明のハードバターは、上記油脂90〜99.9重量%、
このましくは93〜99.5重量%と、上記乳化剤0.1〜10重
量%、好ましくは0.5〜7重量%とからなる。上記乳化
剤の含有量が0.1重量%より少ないと、本発明の目的で
ある低温下におけるファットブルームの防止効果が著し
く劣り、また、10重量%より多いと、ハードバターを使
用したチョコレート等の製造時において、作業条件が悪
化し作業能率が落ちるとともに、製造された製品の硬さ
や食感が悪くなり、本発明の目的を達成できない。
また、上記乳化剤が、常温で液状でないと、低温下に
おけるファットブルームの防止効果が殆ど無いのみなら
ず、チョコレート等の製造時における作業性に著しい悪
影響を与えるため、本発明の目的を達成できない。
本発明のハードバターは、SUSを主成分とする油脂
を、約50℃に加熱して、完全に融解した後に、該油脂に
常温で液状である上記乳化剤を添加することにより製造
することができる。
本発明のハードバターは、カカオ脂との相溶性に優
れ、カカオ脂と任意の割合で配合が可能である。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。
実施例1 SUSを主成分とする油脂として、シア脂及びパーム油
を公知の方法により溶剤分別して得た各中融点画分の等
量混合物を使用した。シア脂中融点画分のSUS量は80%
(重量%、以下同じ)、パーム油中融点画分のSUS量は7
5%であった。
また、常温で液状の乳化剤として、市販のリノール酸
モノグリセリド(純度95%)を使用した。
SUSを主成分とする油脂及び常温で液状の乳化剤を、
下記第1表に示す配合にて混合し、ハードバターをそれ
ぞれ得た。
得られたハードバターを使用して、下記第2表に示す
配合にて常法によりチョコレートをそれぞれ製造した。
これらのチョコレートをシェルとし、市販のピーナッツ
クリームをセンターとして、シェルタイプのチョコレー
トをそれぞれ製造した(製造例1〜3及び比較製造例1
〜2)。
チョコレート製造時の作業性(テンパリング時作業
性)、シェルチョコレートの20℃放置での低温ファット
ブルームの発生までの日数、及び、25℃1カ月放置後の
シェルの状態や食感を検査した。その結果を下記第3表
に示した。
上記第3表に示す結果から判るように、本発明品1〜
3を用いた製造例1〜3のシェルチョコレートは、比較
製造例1のシェルチョコレートと比較して、低温ファッ
トブルームの防止効果が高く、また、比較製造例2のシ
ェルチョコレートと比較して、テンパリング時の作業性
及び25℃1カ月放置後のシェルの状態や食感が優れてい
た。
実施例2 SUSを主成分とする油脂として、実施例1と同様にし
て得た、シア脂中融点画分及びパーム油中融点画分の等
量混合物を使用した。
また、常温で液状の乳化剤として、市販のオレイン酸
ジグリセリド(純度95%)、市販のヘキサグリセリンペ
ンタオレエート(HLB4)、市販のソルビタントリオレエ
ート(HLB12)及びプロピレングリコールモノオレエー
ト(HLB3.5)を使用した。
SUSを主成分とする油脂及び常温で液状の乳化剤を、
下記第4表に示す配合にて混合し、ハードバターをそれ
ぞれ得た。
得られたハードバターを使用して、実施例1と同様に
して、チョコレートをそれぞれ製造した。これらのチョ
コレートをシェルとし、市販のピーナッツクリームをセ
ンターとして、シェルタイプのチョコレートをそれぞれ
製造した(製造例4〜7)。
いずれの場合も、チョコレート製造時の作業性、25℃
1カ月放置後のシェルの状態及び食感は良好であった。
また、シェルチョコレートの20℃放置での低温ファット
ブルームの発生までの日数を下記第5表に示した。
いずれの場合も、比較製造例1のシェルチョコレート
と比較して、著しい低温ファットブルームの防止効果が
認められた。
〔発明の効果〕
本発明のハードバターは、低温ファットブルームが防
止され、しかも食感の良好なもので、特に、ナッツ類、
ゼリー類又は焼き菓子等との複合チョコレート等に使用
した場合において、顕著な低温ファットブルームの防止
効果を有し、且つテンパリング時の作業性、硬さ及び食
感に優れるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−65744(JP,A) 特開 平1−157342(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23D 9/013 A23G 1/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】β−不飽和−α,α′−ジ飽和トリグリセ
    リド(SUS)を主成分とする油脂90〜99.9重量%と、結
    合脂肪酸が炭素数16〜22のモノエン脂肪酸又はジエン脂
    肪酸である、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリ
    ン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステ
    ル及びソルビタン脂肪酸エステルからなる群から選ばれ
    る常温で液状の乳化剤0.1〜10重量%とからなるハード
    バター。
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