JP6711572B2 - 麺ほぐれ改良剤 - Google Patents

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Description

本発明は、麺ほぐれ改良剤、並びに、ほぐれ性に優れた麺類の製造方法に関する。
茹で麺や蒸し麺等の麺類は、製造直後は良好なほぐれ性を示すが、時間の経過と共に、麺線表面の糊化された澱粉の粘着性により麺線が互いに結着し、麺線全体が塊状に固結してしまうという欠点を有している。
従来、このような麺線の付着防止のために、麺線表面に食用油脂を噴霧することが行われている。しかし油脂を単独で噴霧した場合、油脂が麺線全体に均一に付着せず、むらができるという問題があった。そこで、油脂の付着性を高めるために乳化剤を添加する方法が数多く提案されている。
特許文献1(特開平07−39332)では、重合度が2以上のポリグリセリンに、ヨウ素価40以上の脂肪酸をエステル化し、そのエステル化率が30〜80%のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする麺類品質改良剤が開示されている。特許文献2(特開平11−221033)では、構成脂肪酸のうちオレイン酸含量70%以上、かつ、リノレン酸含量5%以下である食用油脂、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびレシチンを含有することを特徴とする麺ほぐれ改良用油脂組成物が開示されている。また、特許文献3(特開2006−6132)には、(a)油脂、(b)ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび(c)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含むことを特徴とする麺類用油脂組成物が開示されている。しかしながら、これらの技術はいずれも未だ完全に満足し得るものではなく、改善の余地があった。
一方、特許文献4(特開2003−169)には、エステル化率が20%以下で、かつ、HLBが8〜12のポリグリセリン脂肪酸エステルと大豆レシチンを含有することを特徴とする茹で・蒸し麺類用油脂組成物が開示されている。しかしながら、ほぐれ性の機能について改善の余地があった。
特開平07−39332号公報 特開平11−221033号公報 特開2006−6132号公報 特開2003−169号公報
このように、従来の麺類のほぐれを改善する油脂組成物は、ほぐれ性を改善する効果が十分でなかった。そこで、本発明では、ほぐれ性に優れた麺ほぐれ改良剤を提供し、また、ほぐれ性に優れた麺類の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、
食用油脂に、レシチンをアセトン不溶物として0.2質量%以上8質量%以下、
ジグリセリン脂肪酸エステルを前記アセトン不溶物1質量部に対し、0.1質量部以上15質量部以下、および、
モノグリセリン脂肪酸エステル、重合度3以上16以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上の乳化剤Aを前記アセトン不溶物1質量部に対し、0.05質量部以上8質量部以下、
を含む、麺ほぐれ改良剤を用いることでほぐれ性に優れた麺類を得られることを見出した。
本発明の麺ほぐれ改良剤を用いることで、ほぐれ性の優れた麺類を得ることができる。
本発明は、食用油脂に、レシチンをアセトン不溶物として0.2質量%以上8質量%以下、
ジグリセリン脂肪酸エステルを前記アセトン不溶物1質量部に対し、0.1質量部以上15質量部以下、および、
モノグリセリン脂肪酸エステル、重合度3以上16以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上の乳化剤Aを前記アセトン不溶物1質量部に対し、0.05質量部以上8質量部以下、
を含む、麺ほぐれ改良剤である。
前記ジグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸は不飽和脂肪酸であることが好ましい。
前記乳化剤Aの脂肪酸は不飽和脂肪酸であることが好ましい。
前記乳化剤Aの親水性親油性バランス(HLB)は1.8以上7.2以下であることが好ましい。
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの重合度が4以上10以下であることが好ましい。
前記ジグリセリン脂肪酸エステルは蒸留精製工程を経たものであることが好ましい。
前記レシチンのアセトン不溶物含量が50質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
また、本発明は、食用油脂に、レシチン、ジグリセリン脂肪酸エステルおよび乳化剤Aを含有する油脂組成物であって、
前記乳化剤Aがモノグリセリン脂肪酸エステル、重合度3以上16以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上であり、
前記レシチンをアセトン不溶物として0.2質量%以上8質量%以下、
前記ジグリセリン脂肪酸エステルを前記アセトン不溶物1質量部に対し、0.1質量部以上15質量部以下、および、
前記乳化剤Aを前記アセトン不溶物1質量部に対し、0.05質量部以上8質量部以下、
である前記油脂組成物を麺類の表面に添加することを特徴とする麺類の製造方法である。
前記麺類は、茹で麺または蒸し麺であることが好ましい。
前記油脂組成物は、前記麺類の茹で工程後または蒸し工程後に添加することが好ましい。
前記油脂組成物は、前記麺類100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下添加することが好ましい。
また、本発明は、食用油脂に、レシチン、ジグリセリン脂肪酸エステルおよび乳化剤Aを含有する油脂組成物であって、
前記乳化剤Aがモノグリセリン脂肪酸エステル、重合度3以上16以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上であり、
前記レシチンをアセトン不溶物として0.2質量%以上8質量%以下、
前記ジグリセリン脂肪酸エステルを前記アセトン不溶物1質量部に対し、0.1質量部以上15質量部以下、および、
前記乳化剤Aを前記アセトン不溶物1質量部に対し、0.05質量部以上8質量部以下、
である前記油脂組成物を麺類の表面に添加することを特徴とする麺類のほぐれを改良する方法である。
本発明で用いられるレシチンは、食品または食品添加物の分野で慣用的に用いられているレシチンを総称するものである。大豆、菜種、コーン、ヒマワリ、パーム、落花生などの植物油精製時の副産物(例えば、脱ガム工程で発生する水和物)や卵黄などの粗原料から調製したペースト状レシチンや、この粗原料を溶剤で分別して得た分画レシチン、それにこの粗原料を酵素処理して得た酵素分解レシチンなど、リン脂質を主成分とした混合物からなるレシチンを使用することができる。本発明において、レシチンは特に限定されないが、ペースト状レシチンおよび分画レシチンから選ばれる一種または二種がほぐれ性の点で好ましい。
前記レシチンの含量は、アセトン不溶物として0.2質量%以上8質量%以下である。好ましくは0.3質量%以上7質量%以下であり、より好ましくは、0.6質量%以上7質量%以下であり、さらに好ましくは、0.9質量%以上6質量%以下であり、最も好ましくは1.2質量%以上6質量%以下である。
また、前記レシチンのアセトン不溶物含量は、50質量%以上100質量%以下が好ましく、50質量%以上80質量%以下がより好ましく、55質量%以上70質量%以下がさらに好ましい。
レシチンのアセトン不溶物の含量は、食品添加物公定法分析試験法により測定できる。具体的には、以下のような測定により求められる、アセトン不溶物換算値である。
レシチン約2gの質量(A)を精密に量り、これを50mL目盛付共栓遠心管に入れ、石油エーテル3mLを加えて溶かし、アセトン15mLを加えてよくかき混ぜた後、氷水中に15分間放置する。これにあらかじめ0〜5℃に冷却したアセトンを加えて50mLとし、よくかき混ぜ、氷水中に15分間放置した後、毎分約3000回転で10分間遠心分離し、上層液をフラスコに採る。さらに共栓遠心管の沈殿物に0〜5℃のアセトンを加えて50mLとし、氷水中で冷却しながらよくかき混ぜた後、同様に遠心分離する。この上層液を先のフラスコに合わせ、水浴上で蒸留し、残留物を105℃で1時間乾燥し、その質量(B)を精密に量る。
この測定により、レシチン中のアセトン不溶物含量が、以下の数式により算出される。

アセトン不溶物(質量%)=(1−B/A)×100
本発明で用いられるジグリセリン脂肪酸エステルとは、グリセリンの重合度が2であるポリグリセリン脂肪酸エステルのことである。脂肪酸の種類は特に問わないが、好ましくは不飽和脂肪酸であり、より好ましくはオレイン酸である。また、ジグリセリン脂肪酸エステルの製造で蒸留精製工程を経たものが好ましい。
前記ジグリセリン脂肪酸エステルの含量は、前記アセトン不溶物1質量部に対し、0.1質量部以上15質量部以下である。含量の下限は、0.15質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましい。また、含量の上限は、12質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。
本発明で用いられる乳化剤Aは、モノグリセリン脂肪酸エステル、重合度3以上16以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上である。好ましくはモノグリセリン脂肪酸エステル、重合度3以上16以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上であり、より好ましくはモノグリセリン脂肪酸エステル、及び重合度3以上16以下のポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上であり、さらに好ましくはモノグリセリン脂肪酸エステル、及び重合度4以上12以下のポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上である。
また、前記乳化剤Aの脂肪酸は、好ましくは不飽和脂肪酸であり、より好ましくはエルカ酸またはオレイン酸であり、さらに好ましくはオレイン酸である。
また、前記乳化剤Aの親水性親油性バランス(HLB)は1.8以上7.2以下であることが好ましく、2.0以上7.2以下であることがさらに好ましい。
また、前記乳化剤Aは、前記アセトン不溶物1質量部に対し、0.05質量部以上8質量部以下含有させる。好ましくは0.1質量部以上5質量部以下であり、より好ましくは0.1質量部以上3質量部以下であり、さらに好ましくは0.1質量部以上2質量部以下である。
前記モノグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸は特に問わないが、好ましくは不飽和脂肪酸であり、より好ましくはオレイン酸である。
前記重合度3以上16以下のポリグリセリン脂肪酸エステルとは、グリセリンの重合度が3以上16以下のポリグリセリンに脂肪酸がエステル結合したものである。脂肪酸は特に問わないが、好ましくは不飽和脂肪酸であり、より好ましくはオレイン酸である。また、重合度は好ましくは4以上12以下であり、より好ましくは4以上10以下である。
前記ショ糖脂肪酸エステルとはショ糖に脂肪酸がエステル結合したものである。脂肪酸は特に問わないが、好ましくは不飽和脂肪酸であり、より好ましくはエルカ酸である。
前記ソルビタン脂肪酸エステルとは、ソルビタンに脂肪酸がエステル結合したものである。脂肪酸は特に問わないが、好ましくは不飽和脂肪酸であり、より好ましくはオレイン酸である。
前記有機酸モノグリセリン脂肪酸エステルとは、有機酸モノグリセリンに脂肪酸がエステル結合したものである。有機酸は、好ましくはクエン酸である。また、脂肪酸は特に問わないが、好ましくは不飽和脂肪酸であり、より好ましくはオレイン酸である。
前記プロピレングリコール脂肪酸エステルとは、プロピレングリコールに脂肪酸がエステル結合したものである。脂肪酸は特に問わないが、好ましくは不飽和脂肪酸であり、より好ましくはオレイン酸である。
本発明で使用される食用油脂は、その種類には特に限定がなく、食用油として用いられるものであればよい。具体例として、大豆油、菜種油、パーム油、コーン油、オリーブ油、ゴマ油、紅花油、ひまわり油、綿実油、米油、落花生油、パーム核油、ヤシ油などの植物油脂並びに牛脂、豚脂等の動物脂、並びにこれらを分別、水素添加、エステル交換等を施した加工油脂の単品又は、これらの二種類以上の混合したものでも良い。作業性の点から、上昇融点が25℃以下の油脂であることが好ましい。例えば、油脂として、大豆油、菜種油、コーン油、パームオレイン等のヨウ素価が60以上の油脂から選ばれる一種または二種以上の配合量を60質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、上限は特にないが、100質量%以下である。
また、前記食用油脂の含量は、好ましくは85質量%以上であり、さらに好ましくは88質量%以上である。食用油脂の含量の上限は、特に限定されないが、レシチン、乳化剤及び食用油脂の合計が100質量%以下となるようにする。
また、本発明の効果を阻害しない範囲で、通常の食用油脂に用いられる添加剤が含まれていても良い。具体的には、アスコルビン酸脂肪酸エステル、リグナン、コエンザイムQ、γ-オリザノール、シリコーン、トコフェロール等が挙げられる。
本発明の麺類の製造方法は、食用油脂に、レシチン、ジグリセリン脂肪酸エステルおよび乳化剤Aを含有する油脂組成物であって、
前記乳化剤Aがモノグリセリン脂肪酸エステル、重合度3以上16以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上であり、
前記レシチンをアセトン不溶物として0.2質量%以上8質量%以下、
前記ジグリセリン脂肪酸エステルを前記アセトン不溶物1質量部に対し、0.1質量部以上15質量部以下、および、
前記乳化剤Aを前記アセトン不溶物1質量部に対し、0.05質量部以上8質量部以下、
である前記油脂組成物を麺類の表面に添加することを特徴とする。前記油脂組成物の添加量は、麺類100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下が好ましく、0.5質量部以上4質量部以下がより好ましく、0.5質量部以上3質量部以下がさらに好ましい。所定の添加量とすることで、よりよいほぐれ性を得ることができる。
また、麺類の表面への添加方法は特に問わないが、例えば、噴霧、滴下であり、滴下が好ましい。添加後、均一にするために和える等の操作をおこなってもよい。
また、麺類を生の状態で前記油脂組成物を添加してもよいが、茹で麺類、蒸し麺類の場合、茹で工程後または蒸し工程後に麺類の表面に添加することが好ましい。そうすることで、ほぐれ性の効果をより一層発揮できる。
本発明における麺類としては、焼きそば等の蒸し麺類、そば、うどん、スパゲティ、中華麺等の茹で麺類、生中華麺、生パスタ等の生麺類が挙げられる。好ましくは、茹で麺および蒸し麺であり、さらに好ましくは、つけ麺、焼きそばおよびスパゲティである。商品形態は、常温流通麺(LL麺)、低温流通麺(チルド麺)、冷凍流通麺(冷凍麺)のいずれであってもよいが、好ましくは、常温流通麺(LL麺)または低温流通麺(チルド麺)である。
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明の主旨はこれらに限定されるものではない。
実施に際しては、以下のものを使用した。
菜種油(株式会社J−オイルミルズ社製)
レシチンA(レシチンPW;株式会社J−オイルミルズ社製、アセトン不溶物含量:100質量%)
レシチンB(レシチンAY;株式会社J−オイルミルズ社製、アセトン不溶物含量:60質量%)
乳化剤は、表1に記載のものを用いた。
(油脂組成物の調製)
レシチンおよび乳化剤は、予め、60℃程度に加温した(ただし、レシチンAは加温せずに使用した)。200ml容量のビーカーにレシチン、乳化剤、油脂の順に添加した。80℃で5分間攪拌し、油脂組成物を得た。
実際の使用条件を加味し、油脂組成物を高湿条件下で保存した後、ほぐれ性の評価をおこなった。
具体的には、油脂組成物80gを100mlバイアル瓶に入れ、開放した状態で、40℃、90%の湿度の恒温恒湿槽で1時間保存した。恒温恒湿槽から室温に30分間放置した後、密栓した。一週間保存後、上層を用いて、ほぐれ性の評価を実施した。
(ほぐれ性の評価)
上記油脂組成物の上層を用いて、以下のようにほぐれ性の評価をおこなった。本評価は茹で中華麺を使用しているが、蒸し中華麺においても同様の効果が得られる。

(1)生中華麺(「北海道発 札幌 生ラーメン」、株式会社菊水社製)を2.5分茹でた。
(2)流水にて冷却した。
(3)ざるに麺を入れて、5分間放置した。
(4)上下混ぜながらボールに測り取り、茹で麺200gに対し、3.6gの油脂組成物を加えて1分間和えた。
(5)容器に入れ、密着型の蓋をした。
(6)蓋の上に麺質量の1.5倍(300g)の加重をした。
(7)5℃の冷蔵庫にて1日保存した。
(8)保存後の茹で麺をアルミトレイに出して箸でほぐした。
(9)茹で麺がほぐれるまでの秒数を計測した。
(10)30秒以内を合格とした。
表2に記載の油脂組成物を調製し、ほぐれ性の評価をおこなった。結果を表2に示す。
表2に示したように、レシチンとジグリセリン脂肪酸エステルおよび重合度10のポリグリセリン脂肪酸エステルを配合した油脂組成物は、麺のほぐれ性に優れていた。また、アセトン不溶物含量が60質量%のレシチンの方がほぐれ性に優れていた。
一方、レシチンとジグリセリン脂肪酸エステル、レシチンと重合度10のポリグリセリン脂肪酸エステルを配合した油脂組成物では、麺のほぐれ性は充分ではなかった(比較例2−1〜2)。
表3に記載の油脂組成物を調製し、比較例2−1と同様に評価をおこなった。結果を表3に示す。
上記いずれの乳化剤もDO−100Vとの併用で、麺のほぐれ性が良好となることがわかった。
表4に記載の油脂組成物を調製し、比較例2−1と同様に評価をおこなった。結果を表4に示す。
表4に示したように8070V、O−80V、PO−100V、A−173Eのいずれの乳化剤でも麺のほぐれ性が良好であった。特にモノグリセリン脂肪酸エステルである8070Vが良好であった。
(レシチン含量)
表5に記載の油脂組成物を調製し、比較例2−1と同様に評価をおこなった。結果を表5に示す。
実施例5−1〜6に示したように、アセトン不溶物として0.3〜6質量%添加した場合に、麺のほぐれ性が良好であった。
一方、比較例5−1のように、レシチンをアセトン不溶物として0.06質量%添加した場合には、麺のほぐれ性が充分ではなかった。
(ジグリセリン脂肪酸エステル含量)
表6に記載の油脂組成物を調製し、比較例2−1と同様に評価をおこなった。結果を表6に示す。
実施例6−1〜5に示したように、レシチンのアセトン不溶物1質量部に対し、DO−100Vを0.1〜10質量部の範囲で添加した場合には、麺のほぐれ性が良好であった。
一方、比較例6−1のように、レシチンのアセトン不溶物1質量部に対し、DO−100Vを0.01質量部添加した場合には、麺のほぐれ性が充分ではなかった。
(乳化剤A含量)
表7に記載の油脂組成物を調製し、比較例2−1と同様に評価をおこなった。結果を表7に示す。
実施例7−1〜4に示したように、レシチンのアセトン不溶物1質量部に対し、Q−175Sを0.1〜5質量部の範囲で添加した場合には、麺のほぐれ性が良好であった。
一方、比較例7−1のように、レシチンのアセトン不溶物1質量部に対し、Q−175Sを0.01質量部添加した場合には、麺のほぐれ性が充分ではなかった。
(実施例8)
乾燥パスタ(製品名:ディチェコスパゲッティーニ、販売元:日清フーズ株式会社)を9分間茹でた。ざるで水を切り、5分間放置して茹でパスタを得た。茹でパスタ200gに対し、実施例2−1の油脂組成物2gを加えて1分間和えた。容器に入れ、5℃の冷蔵庫にて1日保存した。保存後の茹でパスタを箸でほぐしたところ、非常にほぐれ性の良いものであった。

Claims (10)

  1. 食用油脂に、レシチンをアセトン不溶物として0.質量%以上質量%以下、
    オレイン酸を脂肪酸として含むジグリセリン不飽和脂肪酸エステルを前記アセトン不溶物1質量部に対し、0.1質量部以上1質量部以下、および、
    オレイン酸を脂肪酸として含むモノグリセリン脂肪酸エステル、オレイン酸を脂肪酸として含む重合度以上1以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、エルカ酸を脂肪酸として含むショ糖脂肪酸エステル、オレイン酸を脂肪酸として含むソルビタン脂肪酸エステル、オレイン酸を脂肪酸として含む有機酸モノグリセリン脂肪酸エステル、及びオレイン酸を脂肪酸として含むプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上の乳化剤Aを前記アセトン不溶物1質量部に対し、0.質量部以上質量部以下、
    を含む、麺ほぐれ改良剤。
  2. 前記乳化剤Aの脂肪酸は不飽和脂肪酸である請求項1に記載の麺ほぐれ改良剤。
  3. 前記乳化剤Aの親水性親油性バランスは1.8以上7.2以下である請求項1又は2に記載の麺ほぐれ改良剤。
  4. 前記ジグリセリン不飽和脂肪酸エステルは蒸留精製工程を経たものである請求項1乃至のいずれか一項に記載の麺ほぐれ改良剤。
  5. 前記レシチンのアセトン不溶物含量が50質量%以上100質量%以下である請求項1乃至のいずれか一項に記載の麺ほぐれ改良剤。
  6. 食用油脂に、レシチン、オレイン酸を脂肪酸として含むジグリセリン不飽和脂肪酸エステルおよび乳化剤Aを含有する油脂組成物であって、
    前記乳化剤Aがオレイン酸を脂肪酸として含むモノグリセリン脂肪酸エステル、オレイン酸を脂肪酸として含む重合度以上10以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、エルカ酸を脂肪酸として含むショ糖脂肪酸エステル、オレイン酸を脂肪酸として含むソルビタン脂肪酸エステル、オレイン酸を脂肪酸として含む有機酸モノグリセリン脂肪酸エステル、及びオレイン酸を脂肪酸として含むプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上であり、
    前記レシチンをアセトン不溶物として0.質量%以上質量%以下、
    前記ジグリセリン不飽和脂肪酸エステルを前記アセトン不溶物1質量部に対し、0.1質量部以上1質量部以下、および、
    前記乳化剤Aを前記アセトン不溶物1質量部に対し、0.質量部以上質量部以下、
    である前記油脂組成物を麺類の表面に添加することを特徴とする麺類の製造方法。
  7. 前記麺類が茹で麺または蒸し麺である請求項に記載の製造方法。
  8. 前記油脂組成物を前記麺類の茹で工程後または蒸し工程後に添加する請求項に記載の製造方法。
  9. 前記油脂組成物を前記麺類100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下添加する請求項6乃至8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 食用油脂に、レシチン、ジグリセリン不飽和脂肪酸エステルおよび乳化剤Aを含有する油脂組成物であって、
    前記乳化剤Aがオレイン酸を脂肪酸として含むモノグリセリン脂肪酸エステル、オレイン酸を脂肪酸として含む重合度以上10以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、エルカ酸を脂肪酸として含むショ糖脂肪酸エステル、オレイン酸を脂肪酸として含むソルビタン脂肪酸エステル、オレイン酸を脂肪酸として含む有機酸モノグリセリン脂肪酸エステル、及びオレイン酸を脂肪酸として含むプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上であり、
    前記レシチンをアセトン不溶物として0.質量%以上質量%以下、
    前記ジグリセリン不飽和脂肪酸エステルを前記アセトン不溶物1質量部に対し、0.1質量部以上1質量部以下、および、
    前記乳化剤Aを前記アセトン不溶物1質量部に対し、0.質量部以上質量部以下、
    である前記油脂組成物を麺類の表面に添加することを特徴とする麺類のほぐれを改善する方法。

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