JP3205135B2 - 麺類の改良用組成物及び麺類の製造方法 - Google Patents

麺類の改良用組成物及び麺類の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、麺類を再調理せずに食
する際に、または茹で直しや炒め等の調理時において、
麺類のほぐれ性が極めて良好な特性を有し、食味・食感
が良好な、茹で・蒸し麺類の製造方法及びそれらの麺類
に噴霧又は浸漬する油脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、茹で・蒸し麺類は、製造直後で
は、極めて良好なほぐれ性を示すが、製造後の経時変化
に伴い、澱粉質の劣化に伴う可撓性の低下、あるいは麺
線表面の糊化された澱粉の粘着性により、麺線が互いに
結着し、全体が塊状に固結する欠点を有していた。この
ような状況のもとにおいては、麺線のほぐれの悪さの他
に、麺線が切れやすくなったり、茹で直しや炒め等の再
加熱調理が不均一になるなど食味及び外見上好ましくな
かった。これらの欠点の改良方法として、従来より麺線
同士の付着を防止するためにその表面に食用油脂を噴霧
する方法、乳化油脂を添加する方法等がとられており、
また例えば、有機酸モノグリセライドを含む水で処理す
る方法(特開昭58−141757)、有機酸モノグリ
セライドを含む水中油型乳化油脂で処理する方法(特開
昭58−175461)、食用油脂、大豆レシチン及び
大豆レシチン以外の食品用乳化剤を配合してなる油脂組
成物を噴霧する方法(特公昭57−14139)等が提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のような方法を用
いることによって、麺線同士の付着をある程度防止する
ことができるが、充分満足するものではない。また充分
な効果を期待するためには多量の添加を必要とするた
め、油,有機酸等によって食味・食感が損なわれるとい
う問題を生じている。本発明の目的は、麺の食味・食感
を損なうことなく、麺線のほぐれ性を改善しうる茹で・
蒸し麺類の製造法及びそれらの麺に噴霧又は浸漬する油
脂組成物を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、茹で・蒸し麺類の表面に噴霧又は浸漬さ
せる食用油脂にポリグリセリン脂肪酸エステルと大豆レ
シチンと酵素分解レシチンの3者を併用し配合すること
により、上述の課題を解決できることを見出し、本発明
を完成した。本発明において、茹で・蒸し麺類とは、小
麦粉及びその他の原材料を加えて製麺したものであっ
て、茹でうどん,茹で中華,蒸し中華,茹でそば,茹で
スパゲッティー等を指し、商品形態は、常温流通麺(L
L麺)、低温流通麺(チルド麺)のいずれであってもよ
い。本発明に使用される油脂としては、食用に供される
ものであれば特に限定はしない。また好ましくは、常温
で液状の油脂であり、さらに安定性,ハンドリング等を
考慮すると大豆油,菜種油,米油,コーン油が好まし
い。またこれらの食用油脂を2種以上配合することも可
能である。
【0005】本発明のポリグリセリン脂肪酸エステル
は、グリセリンの重合度が2以上であれば特に限定され
るものではないが、好ましくは5〜10のものが望まし
く、エステル化率が30〜80%のものである。また、
構成脂肪酸は特に限定されるものではないが、炭素原子
数が16以上18以下のものが良く、さらにオレイン
酸,リノール酸,リノレン酸のように常温で液体状のも
のが良い。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルのHL
Bは特に限定されるものではないが、8以下のものが好
ましい。本発明の大豆レシチンとは、ペースト状レシチ
ン(アセトン不溶分60重量%以上)、脱脂精製した粉
末状レシチンのどちらも使用できるが、ハンドリング等
を考慮するとペースト状レシチンが好ましい。本発明の
酵素分解レシチンとは、リゾフォスファチジルコリン,
リゾフォスファチジルエタノールアミン,リゾフォスフ
ァチジルイノシトール,リゾフォスファチジルセリン,
より選ばれた1種又は2種以上の混合物である。本発明
の酵素分解レシチンを得る方法については特に限定する
ものではないが、すでに多くの方法が公知となってい
る。例えばJournal of theAmeric
an Chemist’ Society Vol.5
3 P425(1976年)には大豆レシチンをフォス
フォリパーゼAで加水分解してリゾリン脂質を得る方法
について記載がある。また特開昭63−279753に
よって天然物由来のレシチンよりリゾリン脂質を製造す
ることができる。本発明の酵素分解レシチンは特に限定
されるものではないが、大豆由来のレシチンをフォスフ
ォリパーゼAにより、部分加水分解したものが好まし
く、更に好ましくは良好な色調や風味を得るため、部分
加水分解の際に副生する脂肪酸を公知の方法、例えば有
機溶媒にて除去精製したものを用いることが望ましい。
本発明におけるエステル化率とは数1で表せるものであ
る。
【0006】
【数1】
【0007】本発明においてポリグリセリン脂肪酸エス
テル,大豆レシチン,酵素分解レシチンの各々の添加量
は特に限定されるものではないが、ポリグリセリン脂肪
酸エステルは、食用油脂組成物中に0.1〜5重量%含
まれることが好ましく、更に好ましくは0.2〜2重量
%添加混合される。そして大豆レシチンを0.1〜5重
量%含まれることが好ましく、更に好ましくは0.2〜
2重量%添加混合される。そして酵素分解レシチンの添
加量は、大豆レシチンの10重量%以下が好ましく、更
に好ましくは、2〜7重量%添加混合されることが望ま
しい。また、ポリグリセリン脂肪酸エステル,大豆レシ
チン,酵素分解レシチンの合計添加量が食用油脂組成物
中に0.2〜10重量%含まれるように、ただし好まし
くは0.3〜3重量%添加混合させる。ポリグリセリン
脂肪酸エステル、大豆レシチンの添加量がそれぞれ0.
1重量%未満では期待される効果が得られず、5重量%
を越える時は、風味に問題があるばかりでなくハンドリ
ング等においても悪影響を生じる。また、酵素分解レシ
チンは大豆レシチンの10重量%以下の添加量で十分の
効果が得られ、多量に添加しても風味において問題を生
じる。本発明の油脂組成物の使用量は、特に限定される
ものではないが茹で・蒸し麺類の重量に対して0.3〜
5重量%の範囲が良く。好ましくは、1〜3重量%の範
囲である。油脂組成物の使用量が0.3重量%未満では
期待される効果が得られず、5重量%を越える時は、風
味において問題を生じる。茹で・蒸し麺類の一般的製造
法としては、小麦粉または小麦粉にそば粉等の原材料を
混合した粉末に、食塩またはその他の塩類を溶解した水
溶液を混合し、ミキサーにて数分間混捏してそぼろ状の
粉体を得る。このそぼろ状の粉体を複合機によりめん帯
とし、圧廷を段階的に繰り返したのち、切刃にて切出し
麺線を得る。以上の手順により得られた麺線を沸騰水あ
るいは蒸気等にて加熱したのち、流水にて水洗冷却し包
装する。LL麺の様に長期保存を目的とする場合は、包
装後蒸熱殺菌等を行う。本発明において噴霧とは、該油
脂組成物を霧状にして水洗,冷却後の茹で・蒸し麺の表
面に吹き付けることである。その時の該油脂組成物の粒
径は30μm〜5mmの範囲であれば特に限定しない
が、50μm〜200μmが好ましい。また、浸漬と
は、5〜40℃の該油脂組成物を満たした浴槽に水洗,
冷却後の茹で・蒸し麺を浸漬させることである。その時
の浸漬時間は5秒〜10分の範囲であれば特に限定しな
いが20秒〜1分が好ましい。
【0008】
【作用】この発明によれば、茹で・蒸し麺類の表面に噴
霧又は浸漬する油脂組成物にポリグリセリン脂肪酸エス
テル、大豆レシチン,酵素分解レシチンを併用し配合す
ることにより、麺のほぐれ性を著しく向上させることが
できる。また従来の麺のほぐれの悪さからくる麺線の切
れや茹で直しや炒め等の再加熱調理での不均一性などが
防止できる。しかも得られた麺類は、良好な食味・食感
で従来の麺と比べなんら変わることがない。
【0009】
【実施例】
実施例1 菜種油98.7g,ペースト状大豆レシチン0.5g,
太陽化学(株)製サンレシチンW−1(酵素分解レシチ
ン含量30%)0.1g,ヘキサオレイン酸デカグリセ
リン0.7gを溶解混合し、均一な油脂組成物を得た。
次に準強力粉1000gに粉末かんすい5g,食塩10
g,水340gを配合しミキサーで15分間混捏し、常
法により圧廷、切出し(切刃#22角,麺線厚み1.3
5mm)を行って得られた麺を蒸し器で6分間蒸し、流
水で30秒間水洗を行い、水切り後、蒸し中華麺150
gに上記の油脂組成物2.5gを均一に噴霧し、ポリエ
チレン袋で包装した。
【0010】比較例1 同じ蒸し中華麺150gに上記油脂組成物0.4gを均
一に噴霧しポリエチレン袋で包装した。 比較例2 同じ蒸し中華麺150gに上記油脂組成物8gを均一に
噴霧しポリエチレン袋で包装した。 比較例3 同じ蒸し中華麺150gに菜種油2.5gを均一に噴霧
しポリエチレン袋で包装した。次に、上記の実施例1及
び比較例1〜3で得られた蒸し中華麺を5℃の冷蔵庫で
5日間保存した後、フライパンに油を引き蒸し中華麺を
炒め、パネラー20人にて、麺線のほぐれ性,食味・食
感について評価した。麺線のほぐれ評価は箸を用いて試
食する際に、麺線のほぐれ具合が極めて良いものを20
点、かなり良いものを18点、やや良いものを16点、
普通を14点、やや悪いものを12点、かなり悪いもの
を10点、極めて悪いものを8点とし、パネラー20人
の平均値で示した。食味・食感の評価は、極めて良いも
のを10点、かなり良いものを9点、やや良いものを8
点、普通を7点、やや悪いものを6点、かなり悪いもの
を5点、極めて悪いものを4点とし、パネラー20人の
平均値で示した。その結果を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】表1から明らかなように、実施例は比較例
に比べて著しく麺線のほぐれ性に優れており、麺線の切
れもなく均一に炒めることができた。 実施例2 大豆油98.6g,ペースト状大豆レシチン0.5g,
サンレシチンW−10.1g,ヘプタオレイン酸デカグ
リセリン0.8gを溶解混合し、均一な油脂組成物を得
た。次に準強力粉1000gに粉末かんすい5g,食塩
10g,水340gを配合し、ミキサーで15分間混捏
し、常法により圧廷,切出し(切刃#22角、麺線厚み
1.35mm)を行って得られた麺を蒸し器で6分間蒸
し、流水で30秒間水洗を行い水切り後、蒸し中華麺1
50gに上記の油脂組成物2.5gを均一に噴霧し、耐
熱性のポリエチレン袋で包装後95℃で20分間蒸気殺
菌した。 比較例4 大豆油99.35g,ペースト状大豆レシチン0.5
g,サンレシチンW−10.1g,ヘプタオレイン酸デ
カグリセリン0.05gを溶解混合し、均一な油脂組成
物を得た。実施例2と同じ蒸し中華麺150gに上記油
脂組成物2.5gを均一に噴霧し、耐熱性のポリエチレ
ン袋で包装後95℃で20分間蒸気殺菌した。 比較例5 大豆油88.5g,ペースト状大豆レシチン0.5g,
サンレシチンW−11g,ヘプタオレイン酸デカグリセ
リン10gを溶解混合し、均一な油脂組成物を得た。実
施例2と同じ蒸し中華麺150gに上記油脂生成物2.
5gを均一に噴霧し耐熱性のポリエチレン袋で包装後9
5℃で20分間蒸気殺菌した。 比較例6 実施例2と同じ蒸し中華麺150gに大豆油2.5gを
均一に噴霧し耐熱性のポリエチレン袋で包装後95℃で
20分間蒸気殺菌した。次に、上記の実施例2及び比較
例4〜6で得られた蒸し中華麺を5℃の冷蔵庫で0〜2
週間保存した後、フライパンに油をひき蒸し中華麺を炒
め、パネラー20人にて麺線のほぐれ性,食味・食感に
ついて評価した。麺線のほぐれ評価は箸を用いて試食す
る際に麺線のほぐれ具合が極めて良いものを20点、か
なり良いものを18点、やや良いものを16点、普通を
14点、やや悪いものを12点、かなり悪いものを10
点、極めて悪いものを8点とし、パネラー20人の平均
値で示した。食味・食感の評価は、極めて良いものを1
0点、かなり良いものを9点、やや良いものを8点、普
通を7点、やや悪いものを6点、かなり悪いものを5
点、極めて悪いものを4点とし、パネラー20人の平均
値で示した。その結果を表2に示す。
【0013】
【表2】
【0014】表2から明らかなように、実施例は比較例
に比べて著しく麺線のほぐれ性に優れており、麺線の切
れもなく均一に炒めることができた。 実施例3 米油98.4g,ペースト状大豆レシチン0.5g,サ
ンレシチンW−1 0.1g,ジオレイン酸ジグリセリ
ン1gを溶解混合し、均一な油脂組成物を得た。次に中
力粉1000gに粉末かんすい10g,食塩10g,水
330gを配合し、ミキサーで15分間混捏し、常法に
より圧廷,切出し(切刃#22角、麺線厚み1.3m
m)を行って得られた麺を沸騰水で4分間茹で上げ、冷
却水で1分間水洗冷却を行った。水切り後、茹で中華麺
220gに上記の油脂組成物4.5gを均一に噴霧し、
ポリエチレン製の冷やし中華の容器に充填,密封し、冷
やし中華調理麺を得た。 比較例7 米油98g,ペースト状レシチン2gを溶解混合し、均
一な油脂組成物を得た。実施例3と同じ茹で中華麺22
0gに上記油脂組成物4.5gを均一に噴霧し、ポリエ
チレン製の冷やし中華の容器に充填,密封し、冷やし中
華調理麺を得た。 比較例8 ジアセチル酒石酸モノグリセライド(ステアリン酸モノ
グリセライド)15g,コーンサラダ油25g,70%
ソルビトール30g,湯30gを強力攪拌して水中油型
乳化油脂を得た。次に中力粉1000gに粉末かんすい
10g,食塩10g、上記の水中油型乳化油脂を20
g,水330gを配合し、ミキサーで15分間混捏し、
常法により圧廷、切出し(切刃#22角、麺線厚み1.
3mm)を行って得られた麺を沸騰水で4分間茹で上
げ、冷却水で1分間水洗冷却を行った。水切り後、ポリ
エチレン製の冷やし中華の容器に茹で中華麺220gを
充填,密封し冷やし中華調理麺を得た。
【0015】比較例9 実施例3と同じ茹で中華麺220gに米油4.5gを均
一に噴霧し、ポリエチレン製の冷やし中華の容器に充
填,密封し冷やし中華調理麺を得た。次に上記の実施例
3及び比較例7〜9で得られた冷やし中華調理麺を5℃
の冷蔵庫で3日間保存した後、パネラー20人にて、麺
線のほぐれ性,食味・食感を80ccのスープにつけて
評価した。麺線のほぐれ評価は箸を用いて試食する際
に、麺線のほぐれ具合が極めて良いものを20点,かな
り良いものを18点,やや良いものを16点,普通を1
4点,やや悪いものを12点,かなり悪いものを10
点,極めて悪いものを8点とし、パネラー20人の平均
値で示した。食味・食感の評価は、極めて良いものを1
0点,かなり良いものを9点,やや良いものを8点,普
通を7点,やや悪いものを6点,かなり悪いものを5
点,極めて悪いものを4点とし、パネラー20人の平均
値で示した。その結果を表3に示す。
【0016】
【表3】
【0017】表3から明らかなように、実施例は比較例
に比べて著しく麺線のほぐれ性に優れており、麺線も切
れることなく食味・食感も良好であった。 実施例4 コーン油98.7g,ペースト状大豆レシチン0.5
g,サンレシチンW−10.1g,テトラオレイン酸ヘ
キサグリセリン0.7gを溶解混合し、均一な油脂組成
物を得た。次に中力粉900g,タピオカ澱粉100g
に食塩20g,水380gを配合し、ミキサーで15分
間混捏し、常法により圧廷、切出し(切刃#10角、麺
線厚み2.5mm)を行って得られた麺を沸騰水で12
分間茹で上げ、流水で30秒間水洗を行った。これをp
H2の2%リンゴ酸−リンゴ酸ナトリウム溶液に40秒
間浸漬し、水切り後、茹麺200gに上記の油脂組成物
3gを均一に噴霧し、耐熱性のポリエチレン袋に充填,
完全密封した。これを94℃の蒸気にて30分間加熱殺
菌し、LLうどんを得た。 比較例10 コーン油97g、ペースト状大豆レシチン0.5g、ソ
ルビタン脂肪酸エステル1gを溶解混合し、均一な油脂
組成物を得た。実施例4と同じ茹うどん200gに上記
の油脂組成物3gを均一に噴霧し、耐熱性のポリエチレ
ン袋に充填,完全密封した。これを94℃の蒸気にて3
0分間加熱殺菌し、LLうどんを得た。
【0018】比較例11 実施例4と同じ茹うどん200gにコーン油3gを均一
に噴霧し耐熱性のポリエチレン袋に充填,完全密封し
た。これを94℃の蒸気にて30分間加熱殺菌し、LL
うどんを得た。次に上記の実施例4及び比較例10,1
1で得られたLLうどんを5℃の冷蔵庫で0〜4週間保
存した後、ポリスチロール製の容器に入れ、熱湯300
ccを注いだ2分後の麺線のほぐれ性、食味・食感につ
いて評価した。麺線のほぐれ評価は箸を用いて試食する
際に、麺線のほぐれ具合が極めて良いものを20点、か
なり良いものを18点、やや良いものを16点、普通を
14点、やや悪いものを12点、かなり悪いものを10
点、極めて悪いものを8点とし、パネラー20人の平均
値で示した。食味・食感の評価は、極めて良いものを1
0点、かなり良いものを9点、やや良いものを8点、普
通を7点、やや悪いものを6点、かなり悪いものを5
点、極めて悪いものを4点とし、パネラー20人の平均
値で示した。その結果を表4に示す。
【0019】
【表4】
【0020】表4から明らかなように、実施例は比較例
に比べて著しく麺線のほぐれ性に優れており、麺線の切
れもなく食味・食感も良好であった。
【0021】実施例5 菜種油98.7g,ペースト状大豆レシチン0.3g,
サンレシチンw−10.1g,トリオレイン酸テトラグ
リセリン0.9gを溶解混合し、均一な油脂組成物を得
た。次に準強力粉1000gに粉末かんすい10g,食
塩10g,水330gを配合し、ミキサーで15分間混
捏し、常法により圧廷,切出し(切刃#22角,麺線厚
み1.3mm)を行って得られた麺を沸騰水で4分間茹
で上げ、冷却水で1分間水洗冷却を行った。水切り後、
茹で中華麺220gに上記の油脂組成物4.5gを均一
に噴霧し、ポリエチレン製の冷やし中華の容器に充填,
密封し、冷やし中華調理麺を得た。 比較例12 菜種油98.8g,ペースト状大豆レシチン0.3g,
トリオレイン酸テトラグリセリン0.9gを溶解混合
し、均一な油脂組成物を得た。実施例5と同じ茹で中華
麺に上記油脂組成物4.5gを均一に噴霧し、ポリエチ
レン製の冷やし中華の容器に充填,密封し、冷やし中華
調理麺を得た。次に上記の実施例5及び比較例12で得
られた冷やし中華調理麺を5℃の冷蔵庫で3日間保存し
た後、パネラー20人にて、麺線のほぐれ性,食味・食
感を80ccのスープにつけて評価した。麺線のほぐれ
評価は箸を用いて試食する際に、麺線のほぐれ具合が極
めて良いものを20点,かなり良いものを18点,やや
良いものを16点,普通を14点,やや悪いものを12
点,かなり悪いものを10点,極めて悪いものを8点と
し、パネラー20人の平均値で示した。食味・食感の評
価は、極めて良いものを10点,かなり良いものを9
点,やや良いものを8点,普通を7点,やや悪いものを
6点,かなり悪いものを5点,極めて悪いものを4点と
し、パネラー20人の平均値で示した。その結果を表5
に示す。
【0022】
【表5】
【0023】表5から明らかなように、実施例は比較例
に比べて著しく麺線のほぐれ性に優れていた。
【発明の効果】本発明により得られた茹で・蒸し麺類
は、 (1)麺の食味・食感を損なうことなく、麺線の付着を
防止する。 (2)麺線の切れやすさを防止する。 (3)茹で直しや炒め等の再加熱調理を容易にさせる。 など、本発明は茹で・蒸し麺類の加工適性、調理適性の
改善に効果が大であり、食品産業に大いに貢献できるも
のである。大豆レシチンとポリグリセリン脂肪酸エステ
ルを配合する油脂組成物を包装,充填前の茹で・蒸し麺
類に噴霧又は浸漬させることによりそれら麺類のほぐれ
性を向上することができる。さらに該油脂組成物に酵素
分解レシチンを配合することで大豆レシチン,ポリグリ
セリン脂肪酸エステルの食用油脂中での分散力を高め、
また茹で・蒸し麺の表面に噴霧又は浸漬した際に、親水
性の高い酵素分解レシチンが該油脂組成物を水分の豊富
な麺表面に均一に分散させる作用があると推測される。
また、大豆レシチン中には極めて微量のリゾリン脂質が
含まれているが、本発明での酵素分解レシチンの添加量
は、この大豆レシチン中のリゾリン脂質を補強すること
に意味があり、多量に添加しても効果が高くなるという
わけではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油脂にポリグリセリン脂肪酸エステル,大
    豆レシチン及び酵素分解レシチンを含有することを特徴
    とする茹で・蒸し麺類のほぐれ改良用油脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1の油脂組成を麺に噴霧又は請求項
    1の油脂組成物に麺を浸漬することを特徴とする茹で・
    蒸しめん類の製造方法。
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