JP3154876B2 - 麺類品質改良剤及び麺類の製造方法 - Google Patents
麺類品質改良剤及び麺類の製造方法Info
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Description
する際に、または茹で直しや炒め等の調理時において、
麺類のほぐれ性が極めて良好な特性を有し、食味・食感
が良好な、茹で・蒸し麺類に関するものである。
極めて良好なほぐれ性を示すが、製造後の経時変化に伴
い、澱粉質の劣化に伴う可撓性の低下、あるいは麺線表
面の糊化された澱粉の粘着性により、麺線が互いに結着
し、全体が塊状に固結する欠点を有していた。このよう
な状況のもとにおいては、麺線のほぐれの悪さの他に、
麺線が切れやすくなったり、茹で直しや炒め等の再加熱
調理が不均一になるなど食味及び外見上好ましくなかっ
た。これらの欠点の改良方法として、従来より麺線同士
の付着を防止するためにその表面に食用油脂を噴霧する
方法、乳化油脂を添加する方法等がとられており、また
例えば、有機酸モノグリセライドを含む水で処理する方
法(特開昭58−141757)、有機酸モノグリセラ
イドを含む水中油型乳化油脂で処理する方法(特開昭5
8−175461)、食用油脂、大豆レシチン及び大豆
レシチン以外の食品用乳化剤を配合してなる油脂組成物
を噴霧する方法(特公昭57−14139)、中鎖級脂
肪酸トリグリセライド(MCT)の乳化組成物を、噴霧
する方法(特開平4−58859)等が提案されてい
る。しかし、これらの方法を用いることによって、麺線
同士の付着をある程度防止することはできるが、充分満
足するものではない。また充分な効果を期待するために
は多量の添加を必要とするため、油,有機酸,大豆レシ
チン,中鎖脂肪酸トリグリセライドによって食味・食感
が損なわれるという問題を生じている。麺類の製造に際
しポリグリセリン脂肪酸エステルを配合する方法(特開
昭62−115245)は知られているが、これは「茹
で上がりが早く、こしの強い歯応えのある食感を有する
麺類を製造するためにポリグリセリン脂肪酸エステルを
小麦粉に添加混合する」ものであって、茹で・蒸し麺類
のほぐれを向上する目的で、それら麺類に噴霧又は浸漬
させる油脂組成物及び乳化性油脂組成物にある特定のポ
リグリセリン脂肪酸エステルを配合することまで開示し
ているものではない。
せずに食する際に、または茹で直しや炒め等の調理時に
おいて、麺類のほぐれ性が極めて良好な特性を有し、食
味・食感が良好であることを目的としたものである。
を重ねた結果、茹で・蒸し麺類に噴霧又は浸漬させる油
脂組成物及び乳化性油脂組成物に重合度が2以上のポリ
グリセリンに、ヨウ素価40以上の脂肪酸をエステル化
し、そのエステル化率が30〜80%のポリグリセリン
脂肪酸エステルを添加することにより、麺の食味・食感
を損なうことなく、麺類のほぐれ性を改善できることを
見出した。本発明において、茹で・蒸し麺類とは、小麦
粉及びその他の原材料を加えて製麺したものであって、
茹でうどん,茹で中華,蒸し中華,茹でそば,茹でスパ
ゲッティー等を指し、商品形態は、常温流通麺(LL
麺)、低温流通麺(チルド麺)のいずれであってもよ
い。
テルは、重合度が2以上、好ましくは5〜10のポリグ
リセリンにヨウ素価40以上の脂肪酸をエステル化し、
そのエステル化率が30〜80%のものである。ポリグ
リセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸は、ヨウ素価40
以上であれば特に限定はしないが、好ましくはヨウ素価
60以上のものが望ましい。またグリセリンと脂肪酸の
エステル化率は30〜80%の範囲のものであれば特に
限定しないが、好ましくは、40〜80%ものが良く、
更に好ましくは40〜60%の範囲であることが望まし
い。茹で・蒸し麺類の一般的製造法としては、小麦粉ま
たは小麦粉にそば粉等の原材料を混合した粉末に、食塩
またはその他の塩類を溶解した水溶液を混合し、ミキサ
ーにて数分間混捏してそぼろ状の粉体を得る。このそぼ
ろ状の粉体を複合機によりめん帯とし、圧廷を段階的に
繰り返したのち、切刃にて切出し麺線を得る。以上の手
順により得られた麺線を沸騰水あるいは蒸気等にて加熱
したのち、流水にて水洗冷却し包装する。LL麺の様に
長期保存を目的とする場合は、包装後蒸熱殺菌等を行
う。本発明において、噴霧とは、該油脂組成物及び該乳
化性油脂組成物を霧状にして、水洗,冷却後の茹で・蒸
し麺の表面に吹き付けることである。その時の該油脂組
成物及び該乳化性油脂組成物の粒径は30μm〜5mm
の範囲であれば特に限定しないが、50μm〜200μ
mが好ましい。また、浸漬とは、5〜40℃の該油脂組
成物を満たした浴槽に水洗、冷却後の茹で・蒸し麺を浸
漬させることである。その時の浸漬時間は5秒〜10分
の範囲であれば特に限定しないが、20秒〜1分が好ま
しい。また乳化性油脂組成物の場合、そのままで使用す
ることができるが、2〜50倍に希釈して使用してもさ
しつかえない。本発明におけるエステル化率とは数1で
表せるものである。
霧又は浸漬する油脂組成物及び乳化性油脂組成物に重合
度が2以上のポリグリセリンに、ヨウ素価40以上の脂
肪酸をエステル化し、そのエステル化率が30〜80%
のポリグリセリン脂肪酸エステルを添加することによ
り、麺のほぐれ性を著しく向上させることができる。ま
た従来の麺のほぐれの悪さからくる麺線の切れや茹で直
しや炒め等の再加熱調理での不均一性などが防止でき
る。しかも得られた麺類は、良好な食味・食感で従来の
麺と比べなんら変わることがない。
1.5gを溶解混合し、均一な油脂組成物を得た。次に
準強力粉1000gに粉末かんすい10g,食塩10
g,水330gを配合しミキサーで15分間混捏し、常
法により圧廷、切出し(切刃#22角,麺線厚み1.3
mm)を行って得られた麺を沸騰水で4分間茹で上げ、
冷却水で1分間水洗冷却を行った。水切り後、茹で中華
麺220gに上記の油脂組成物4.5gを均一に噴霧
し、ポリエチレン製の冷やし中華の容器に充填,密封
し、冷やし中華調理麺を得た。
酸ジグリセリン2gを強力攪拌して乳化性油脂組成物を
得た。実施例1と同じ茹で中華麺220gに上記乳化性
油脂組成物4.5gを均一に噴霧し、ポリエチレン製の
冷やし中華の容器に充填,密封し、冷やし中華調理麺を
得た。 比較例1 実施例1と同じ茹で中華麺220gをポリエチレン製の
冷やし中華の容器に充填,密封し、冷やし中華調理麺を
得た。 比較例2 実施例1と同じ茹中華麺220gに大豆油4.5gを均
一に噴霧し、ポリエチレン製の冷やし中華の容器に充
填,密封し、冷やし中華調理麺を得た。 比較例3 菜種油97g,ペースト状大豆レシチン3gを溶解混合
し、均一な油脂組成物を得た。実施例1と同じ茹で中華
麺220gに上記油脂組成物4.5gを均一に噴霧し、
ポリエチレン製の冷やし中華の容器に充填,密封し、冷
やし中華調理麺を得た。 比較例4 ジアセチル酒石酸モノグリセライド(ステアリン酸モノ
グリセライド)15g,コーン油25g,70%ソルビ
トール30g,湯30gを強力攪拌して水中油型乳化性
油脂組成物を得た。次に準強力粉1000gに粉末かん
すい10g,食塩10g,上記の水中油型乳化性油脂組
成物を20g,水320gを配合し、ミキサーで15分
間混捏し、常法により圧廷,切出し(切刃#22角,麺
線厚み1.3mm)を行って得られた麺を沸騰水で4分
間茹で上げ、冷却水で1分間水洗冷却を行った。水切り
後、ポリエチレン製の冷やし中華の容器に茹で中華麺2
20g充填,密封し、冷やし中華調理麺を得た。 比較例5 中鎖脂肪酸トリグリセライド30g,水69g,グリセ
リン脂肪酸エステル1gを強力攪拌して水中油型乳化性
油脂組成物を得た。実施例1と同じ茹で中華麺220g
に上記の水中油型乳化性油脂組成物4.5gを均一に噴
霧し、ポリエチレン製の冷やし中華の容器に充填,密封
し冷やし中華調理麺を得た。次に上記の実施例1,2及
び比較例1〜5で得られた冷やし中華調理麺を5℃の冷
蔵庫で3日間保存した後、パネラー20人にて、麺線の
ほぐれ性,食味・食感を80ccのスープにつけて評価
した。麺線のほぐれ評価は箸を用いて試食する際に、麺
線のほぐれ具合が極めて良いものを20点,かなり良い
ものを18点,やや良いものを16点,普通を14点,
やや悪いものを12点,かなり悪いものを10点,極め
て悪いものを8点とし、パネラー20人の平均値で示し
た。食味・食感の評価は、極めて良いものを10点,か
なり良いものを9点,やや良いものを8点,普通を7
点,やや悪いものを6点,かなり悪いものを5点,極め
て悪いものを4点とし、パネラー20人の平均値で示し
た。その結果を表1に示す。
に比べて著しく麺線のほぐれ性に優れており、麺線も切
れることなく食味・食感も良好であった。 試験例1 菜種油98.5gに下記に示す構成脂肪酸のヨウ素価,
エステル化率及びグリセリン重合度の異なるポリグリセ
リン脂肪酸エステル(試料No.1〜23)1.5gを
溶解混合し、均一な油脂組成物を得た。実施例1と同じ
茹で中華麺220gに上記の油脂組成物をそれぞれ4.
5gずつ均一に噴霧し、ポリエチレン製の冷やし中華の
容器に充填,密封し冷やし中華調理麺を得た。また、対
照として実施例1と同じ茹で中華麺220gに菜種油
4.5gを均一に噴霧し、ポリエチレン製の冷やし中華
の容器に充填,密封し冷やし中華調理麺を得た。次に上
記の試験例1で得られた冷やし中華調理麺を5℃の冷蔵
庫で3日間保存した後、パネラー20人にて、麺線のほ
ぐれ性を評価した。その結果を表2に示す。
は、ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸のヨウ
素価が40以上であり、エステル化率が30〜80%の
範囲にある時に良好であった。更にエステル化率が40
〜60%の範囲にある時に麺線のほぐれ性は極めて良好
であった。
は、 (1)めんの食味・食感を損なうことなく、麺線の付着
を防止する。 (2)麺線の切れやすさを防止する。 (3)茹で直しや炒め等の再加熱調理を容易にさせる。 など、本発明は茹で・蒸し麺類の加工適性、調理適性の
改善に効果が大であり、食品産業に大いに貢献できるも
のである。茹で・蒸し麺類の包装及び充填前に噴霧又は
浸漬させる油脂組成物及び乳化性油脂組成物にある特定
のポリグリセリン脂肪酸エステルを配合することによ
り、ほぐれ性を向上することができる。これは、本件で
示されている特定条件のポリグリセリン脂肪酸エステル
の持つ、高いほぐれ効果や油脂及び乳化性油脂を麺表面
に薄く均一に分散させる作用により茹で・蒸し麺類のほ
ぐれ性を著しく向上できると推測される。またこの効果
は前述のポリグリセリン脂肪酸エステルを、小麦粉中に
そのまま混合したり、水溶液や乳化油脂の状態で小麦粉
に添加することのいずれの場合においても効果はなく、
茹で・蒸し麺を水洗,冷却した後、包装及び充填前に前
述のポリグリセリン脂肪酸エステルを配合した油脂組成
物及び乳化性油脂組成物を麺表面に噴霧又は浸漬させる
ことにより非常に高いほぐれ効果が得られる。
Claims (2)
- 【請求項1】 重合度が2以上のポリグリセリンに、ヨ
ウ素価40以上の脂肪酸をエステル化し、そのエステル
化率が30〜80%のポリグリセリン脂肪酸エステルを
含有することを特徴とする麺類品質改良剤。 - 【請求項2】 請求項1記載の麺類品質改良剤を使用す
ることを特徴とする麺類の製造方法。
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JP20830593A JP3154876B2 (ja) | 1993-07-30 | 1993-07-30 | 麺類品質改良剤及び麺類の製造方法 |
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JP20830593A JP3154876B2 (ja) | 1993-07-30 | 1993-07-30 | 麺類品質改良剤及び麺類の製造方法 |
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JPH0739332A JPH0739332A (ja) | 1995-02-10 |
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JP20830593A Expired - Lifetime JP3154876B2 (ja) | 1993-07-30 | 1993-07-30 | 麺類品質改良剤及び麺類の製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3154876B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101826956B1 (ko) * | 2015-01-30 | 2018-02-07 | 주식회사 금경라이팅 | 방수투습수단이 장착된 엘이디 모듈 |
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JP6094045B2 (ja) * | 2012-03-23 | 2017-03-15 | 不二製油株式会社 | 穀類加工食品のほぐれ改良剤 |
JP6024868B2 (ja) * | 2012-03-28 | 2016-11-16 | 不二製油株式会社 | 穀類加工食品のほぐれ改良剤 |
JP7044457B2 (ja) * | 2018-02-23 | 2022-03-30 | 日清オイリオグループ株式会社 | 麺用ほぐれ剤及び麺 |
-
1993
- 1993-07-30 JP JP20830593A patent/JP3154876B2/ja not_active Expired - Lifetime
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