JP3150819B2 - 乾燥天ぷらの製造方法 - Google Patents
乾燥天ぷらの製造方法Info
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Description
生麺類等に添付する、天ぷら特有のいわゆる「サクサ
ク」とした食感を有する乾燥天ぷらの製造方法に関する
ものである。
等に添付する天ぷらは、従来は乾燥状態の麺等と共に容
器に入れ、熱湯を注加することにより、3〜5分間程度
吸水復元させて後、喫食するのが一般的であるが、「サ
クサク」した食感を有する天ぷらを食したいという希望
も多く、これに答える製品が望まれていた。
ップ入り生タイプ麺に添加されている天ぷらをサクサク
とした食感で食するためには、麺体が熱湯によって復元
した後に天ぷらを添加する、いわゆる「後のせ方式」に
よったとしても、その天ぷらの組織にすぐに熱湯が侵入
して水分を吸収し膨潤するために、天ぷらが柔らかくな
ってしまい、天ぷら特有のいわゆる「サクサク」とした
食感は極めて短時間しかなく、ほとんど得ることができ
なかった。
ためには、天ぷらの含気量を多くしながら、しかも水分
を吸収させにくくする必要があり、これに対して本発明
者らは、起泡剤を添加することと、油脂含量を上げるこ
とをその解決方法として検討した。
ことで解決したが、油脂含量を上げると、天ぷらがしつ
こくなり、場合によっては油だれを起こす等の不都合が
生じた。
ることで部分的に油脂含量を高くして、この点を解決
し、しかも、融点25℃〜50℃の固型脂若しくは硬化
油でフライすることで、油だれしにくく、油脂含量を部
分的に高く保持することを可能にしながら、さらに常温
における油脂の移動を抑えることで、長期保存時にも油
脂含量の不均一性の保たれた、サクサクした食感を有す
る天ぷらの製造法を発明した。
である。
剤を加えて高速撹拌し泡立て、これに小麦粉を加えて混
合したものを、融点が常温より高い固型脂若しくは硬化
油を用いてフライ処理を行った後、天ぷらの各部位の油
脂含量が異なるように脱油することを特徴とする乾燥天
ぷらの製造方法である。
麦粉重量比0.1〜10%であり、かつ前記混合乳化剤
が、脂肪酸モノグリセリド、蔗糖脂肪酸エステル、プロ
ピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンから選択さ
れた1種若しくは2種以上の混合乳化剤であることを特
徴とする乾燥天ぷらの製造方法である。
しくは硬化油の融点が、25℃〜50℃であることを特
徴とする乾燥天ぷらの製造方法である。
固型脂若しくは硬化油の融点より30℃〜80℃高く保
持された環境下に、天ぷらを立てて静置することによっ
て行うことを特徴とする乾燥天ぷらの製造方法である。
であるトレイに天ぷらを立てて静置することによって行
うことを特徴とする乾燥天ぷらの製造方法である。
べる。
れは天ぷらをふっくらとさせる目的で起泡剤として用い
るものであり、その添加割合としては、対小麦粉重量比
0.1〜10%とするのが好適である。すなわち、この
起泡剤としての機能は、少なすぎればその効果が得られ
ず、逆に、多すぎると、フライ揚がりが悪くなり、平た
く開いたような形状となりにくく、また乳化剤のえぐ味
が出る等の問題があるので、これらの点を考慮すれば、
対小麦粉重量比として0.1〜10%程度添加するのが
好ましい。
の種類は限定されるものではなく、要するに食用として
使用可能で、且つ起泡力を有するものであれば使用可能
である。例えば、脂肪酸モノグリセリド、蔗糖脂肪酸エ
ステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチ
ンのいずれか、またはこれらのうちの2種類以上の混合
物を用いることができる。なお、この場合、天ぷらの種
類等によって適宜2種以上の混合組成で用いるのが好ま
しい。
加える練り水に加えて、予めホモミキサーによる高速撹
拌等によって、なるべくよく泡立てる。例えば、ホモミ
キサーによる高速撹拌の場合であれば、1000回転1
分程度が望ましい。そしてこの泡立った水−乳化剤組成
物に小麦粉を加え、混ぜ合わせるが、この場合の混合
は、練り過ぎると小麦粉に粘性が出てしまい、天ぷらが
ふっくらと仕上がらなくなるので、できるだけ軽く混合
する。
等の水産物、玉ねぎ、ゴボウ、人参等の野菜類、豚、
牛、鶏等の畜肉を適宜加えてフライ処理を行う。
らの場合には、白絞油、天ぷら油等の液体油を用いるこ
とが多いが、融点の低いこれらの液体油は、天ぷら製造
後に脱油処理した後、常温保存時でも、天ぷら組織内で
の油の移動が起こる。そのため、油の分布が均一化して
しまい、「サクサク感」が得られにくくなり、本願の目
的のために使用するのは不都合である。
以上、特に、融点25℃〜50℃程度のものがその目的
に合致して好適である。特に、長期間の保存を行う即席
麺等に添付する場合は、融点25℃以下のものを用いた
場合、常温で容易に油が天ぷら組織内を移動するため、
油の分布が均一化することになり、その結果、油の不均
一性から生じる「サクサク感」が失われることとなり、
また、同様に、常温で容易に油が天ぷら組織内を移動す
るために、常温で油だれが発生することにもなるからで
ある。逆に、融点50℃以上の油脂を用いた場合、喫食
時に口腔内での油の溶けが悪く、いわゆる「モッタリ」
とした食感となることがあり、風味的に好ましくないか
らである。
するフライ油脂としては融点が約25℃〜50℃程度の
固型脂、硬化油が好ましい。例えば、ラード、牛脂等の
動物脂、パーム油等の植物脂、及び大豆油、ナタネ油、
コーン油、米油、綿実油等の植物油の硬化油、魚油等の
動物油の硬化油、またはこれらの混合油の固形脂等が使
用可能である。
は特に限定されるものではなく、天ぷらの種類等によっ
て適宜選択すれば良いことは勿論である。
常70%程度の油脂分を含むものであるので、一部の過
剰な油脂分を脱油する必要がある。これは、油脂分が多
すぎると、しつこくなるだけでなく、保存時において7
0%もの油脂分を有したままでは、油だれを起こす等の
不都合が生じるためである。そこで、脱油する必要があ
るが、これに通常よく用いられる一般的な遠心分離機を
用いると、天ぷら中の油の分布が均一に低くなってしま
うので、喫食の際に注加する熱湯下では、全体的にすぐ
に水分を吸収・膨潤して、やはり「サクサク感」が低下
するので好ましくない。
ような、不均一な脱油を行うことが重要である。その脱
油方法としては、一例を挙げれば、使用したフライ油の
融点より高温に保った脱油室で立てて静置し、脱油する
方法を用いると、このような天ぷらを製造することがで
きる。なお、この「立てて静置する」とは、例えば、円
盤形状のいわゆる「かき揚げ天ぷら」の場合には、円周
部位を下方にして立てたり、いわゆる「海老天」の場合
には、海老の尻尾若しくは頭部を下方にして立てること
により、接地面積の小さい方を下方にして静置すること
をいう。
らを立てて静置することにより効果的に不均一な脱油を
行うことが可能となる。なお、脱油方法は、この方法以
外に、例えば、使用したフライ油の融点より高温に保っ
た脱油室内で周知の吸引装置を天ぷらの表面の局部に用
いるなどの方法でもよく、要するに天ぷら中の油の分布
が脱油後に不均一となる方法であれば適用可能である。
の融点より30℃〜80℃程度高い温度範囲で行うのが
好ましい。なぜならば、30℃より低い場合には、天ぷ
らに含まれる余分な油の除去に時間がかかり過ぎるか、
若しくはほとんど脱油できない場合もあるので好ましく
なく、逆に、80℃より高い温度で脱油を行った場合に
は、脱油の時間は短くなるが、高温下での油の劣化が起
こり、甚だしい場合には天ぷら自体が焦げてしまうこと
もあるからである。
ぷら中の油脂の分布は不均一になるので、即席麺等の熱
湯復元後に天ぷらを容器内に添加した場合、この油脂含
量の高い部分においては、天ぷら組織中に水分が侵入し
にくくなって、部分的に数分程度は「サクサク感」を維
持することができる。
℃以上高温の脱油室に天ぷらを立てて脱油する方法によ
れば、その油脂含量は、高い部分で約70%、低い部分
で約50%程度である。これは、例えば一般に市販され
ている即席麺用天ぷらの場合には、その油脂含量が、通
常50%〜60%でほぼ均一であることと比較すれば、
部分的にかなり油脂含量の高い部分を生じているもので
ある。
よれば、乳化剤によっていわゆる「ふっくら」とした天
ぷらにしつつ、天ぷら中の油脂の分布を部分脱油で部分
的に高くすることで、その油脂含量が高い部分では水分
を吸収しにくい「サクサク」感のあるものとすることが
可能であり、しかも全体としても油脂の分布が不均一と
なるので、天ぷら中のそれぞれの部位により若干その食
感が異なるので、より一層「サクサク」感が増大する。
おいては、融点が25℃〜50の固型脂若しくは硬化油
を用いてフライ処理するので、常温保存時にも油脂の移
動を起こさないために、この油脂の不均一な分布を保持
することができ、これによって、天ぷら特有のいわゆる
「サクサクし」た食感が長期保存によっても失われない
天ぷらを得ることができるものである。
ピレングリコール脂肪酸エステル30g、レシチン5
g、蔗糖脂肪酸エステル5gを加え、ホモミキサーにて
高速撹拌を行って泡立てた。これに、小麦粉30kg、
デンプン3kg、食塩500g、グルタミン酸ナトリウ
ム150g、ベーキングパウダー100gに冷水を加え
て軽く混合し、バッターを作成した。
桜エビを入れて、これを融点40℃の精製パーム油で連
続フライヤーを用いて180℃でフライ処理を行った。
水分が1%以下になるまでフライを行った後、天ぷらを
底面が網目状の脱油トレーに取り、立てて静置し、80
℃に保持された室内に2時間放置することで油切りを行
った。
処理による影響 冷水に混合乳化剤を0.05%加えたこと、及び泡立て
ないこと以外は、実施例1と同様に処理して天ぷらを製
造した。
と同様に処理して天ぷらを製造した。
実施例1と同様に処理して天ぷらを製造した。
施例1と同様に処理して天ぷらを製造した。
油処理を使用したパーム油の融点より25℃高い60℃
で行った以外は、実施例1と同様に処理して天ぷらを製
造した。
油処理を使用したパーム油の融点より85℃高い120
℃で行った以外は、実施例1と同様に処理して天ぷらを
製造した。
00rpmで処理した以外は、実施例1と同様に処理し
て天ぷらを製造した。
例7に基づいて作成しら天ぷらを、熱湯で復元させた即
席カップ麺に後のせ方式で加え、食した結果を下記の表
1に示した。なお、総合評価の欄は、パネラーにより下
記の基準に基づいた。
天ぷらの製造方法で製造した乾燥天ぷらは、風味、状態
などの点において極めて優れていることがわかる。
Claims (5)
- 【請求項1】 天ぷらの衣の練り水に予め混合乳化剤を
加えて高速撹拌し泡立て、これに小麦粉を加えて混合し
たものを、融点が常温より高い固型脂若しくは硬化油を
用いてフライ処理を行った後、天ぷらの各部位の油脂含
量が異なるように脱油することを特徴とする乾燥天ぷら
の製造方法。 - 【請求項2】 前記混合乳化剤の添加割合が、対小麦粉
重量比0.1〜10%であり、かつ前記混合乳化剤が、
脂肪酸モノグリセリド、蔗糖脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、レシチンから選択された
1種若しくは2種以上の混合乳化剤であることを特徴と
する請求項1に記載の乾燥天ぷらの製造方法。 - 【請求項3】 前記フライ処理に使用する固型脂若しく
は硬化油の融点が、25℃〜50℃であることを特徴と
する請求項1又2に記載の乾燥天ぷらの製造方法。 - 【請求項4】 前記脱油が、フライ処理に使用した固型
脂若しくは硬化油の融点より30℃〜80℃高く保持さ
れた環境下に、天ぷらを立てて静置することによって行
うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の
乾燥天ぷらの製造方法。 - 【請求項5】 前記天ぷらの静置を、底面が網目状であ
るトレイに天ぷらを立てて静置することによって行うこ
とを特徴とする請求項4に記載の乾燥天ぷらの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11958993A JP3150819B2 (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 乾燥天ぷらの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11958993A JP3150819B2 (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 乾燥天ぷらの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06327415A JPH06327415A (ja) | 1994-11-29 |
JP3150819B2 true JP3150819B2 (ja) | 2001-03-26 |
Family
ID=14765119
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11958993A Expired - Lifetime JP3150819B2 (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 乾燥天ぷらの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3150819B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4583286B2 (ja) * | 2005-10-14 | 2010-11-17 | 昭和産業株式会社 | 天ぷらおよびその製造方法 |
JP5875252B2 (ja) * | 2011-05-17 | 2016-03-02 | 日清フーズ株式会社 | 天ぷら用バッターミックス |
JP7162547B2 (ja) * | 2019-02-04 | 2022-10-28 | 日清食品ホールディングス株式会社 | 即席食品用乾燥天ぷらの製造方法 |
-
1993
- 1993-05-21 JP JP11958993A patent/JP3150819B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06327415A (ja) | 1994-11-29 |
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