JP6960767B2 - 春巻きの皮、春巻きの皮の製造方法、春巻きの皮用の組成物、及び揚げ春巻きの製造方法 - Google Patents

春巻きの皮、春巻きの皮の製造方法、春巻きの皮用の組成物、及び揚げ春巻きの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、揚げ春巻きの製造に用いられる春巻きの皮に関し、特に製造される揚げ春巻きの皮部が、歯切れ良く、良好なパリパリ感を有する食感であり、その食感を長時間維持することができる春巻きの皮、及びその製造方法、春巻きの皮用の組成物、並びにその春巻きの皮を用いる揚げ春巻きの製造方法に関する。
揚げ春巻きは、小麦粉等の原料粉等を材料として調製された春巻きの皮に、野菜類、畜肉類、魚介類等の具材を巻き包んで油ちょうしたものである。一般に、揚げ春巻きの皮部は、歯切れ良く、良好なパリパリ感を有する食感が好ましいとされる。しかしながら、揚げ春巻きは、油ちょう後、経時的に具材の水分が皮部に移行して、皮部がふやけて食感の低下が生じ易い。この食感の経時的な低下は、特にコンビニエンスストアーやスーパーマーケットの惣菜コーナー等で販売される春巻きや、冷凍春巻き(本発明において、油ちょう前の春巻きの冷凍食品のことを称する)を調理して弁当のおかず等に利用した場合等において問題となる。したがって、従来から、揚げ春巻きの皮部の食感を改善するための技術開発が行なわれている。
例えば、特許文献1においては、小麦粉と、膨潤度5以下の膨潤度抑制澱粉とを含み、膨潤度抑制澱粉の含有割合が、小麦粉及び膨潤度抑制澱粉の合計量に対して、2〜70質量%であることを特徴とする揚げ春巻の皮用組成物を用いることによって、油ちょう調理後、揚げ春巻の皮の経時的な食感低下や電子レンジ等で調理した際の食感低下を抑制し、パリパリとした油ちょう直後の食感を維持することが可能な揚げ春巻の皮が得られることが開示されている。また、特許文献2には、原料粉に水を加えて混練し、春巻きの皮を製造するに際して、上記原料粉中に、デキストリン、酸化澱粉、酸処理澱粉、架橋澱粉、ハイアミロースコーンスターチの群から選ばれた1種または2種以上の低粘度澱粉を配合することを特徴とする春巻きの皮の製造方法によって、油ちょう直後のパリパリした食感を長時間維持することのできる春巻きの皮が得られることが開示されている。
特開2003−199518号公報 特開2004−121016号公報
しかしながら、従来技術を用いた揚げ春巻きであっても、皮部の食感の改善が十分でない場合がある。特に揚げ春巻きの油ちょう後の経時的な皮部の食感の低下について、さらに抑制することができる技術が望まれている。
したがって、本発明の目的は、揚げ春巻きの製造に用いられる春巻きの皮であって、製造される揚げ春巻きの皮部が、歯切れ良く、良好なパリパリ感を有する食感であり、その食感を長時間維持することができる春巻きの皮、その製造方法、春巻きの皮用の組成物、及びその春巻きの皮を用いる揚げ春巻きの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、春巻きの皮に配合する材料について種々検討した結果、油脂加工澱粉を配合することで、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、上記目的は、揚げ春巻き用の春巻きの皮であって、油脂加工澱粉を含む原料粉を含み、前記油脂加工澱粉の含有率が、前記原料粉の質量に基づいて、5〜40質量%であり、乳化剤をさらに含むことを特徴とする春巻きの皮によって達成される。また、上記目的は、油脂加工澱粉を含む原料粉、及び水を含む生地を調製する工程、及び前記生地を焼成する工程を含み、前記油脂加工澱粉の含有率が、前記原料粉の質量に基づいて、5〜40質量%であり、前記生地が、乳化剤をさらに含む揚げ春巻き用の春巻きの皮の製造方法によって達成される。さらに、上記目的は、本発明の春巻きの皮の製造方法に用いる春巻きの皮用の組成物であって、油脂加工澱粉を含む春巻きの皮用の組成物によって達成される。また、上記目的は、本発明の揚げ春巻き用の春巻きの皮、又は本発明の製造方法によって製造された揚げ春巻き用の春巻きの皮に、具材を巻き包んで、揚げ用春巻き(本発明において、揚げ春巻きの油ちょう前の形態を称する)を成形する工程、及び前記揚げ用春巻きを油ちょうする工程を含む揚げ春巻きの製造方法によって達成される。
本発明によって、製造される揚げ春巻きの皮部が、歯切れ良く、良好なパリパリ感を有する食感であり、その食感を長時間維持することができる春巻きの皮が得られ、良好な食感の揚げ春巻きを提供することができる。
[春巻きの皮]
本発明の春巻きの皮は、揚げ春巻き用の春巻きの皮であって、油脂加工澱粉を含む原料粉を含むことを特徴とする。前記油脂加工澱粉は、原料澱粉に食用油脂等を混合等することによって、澱粉粒の表面に微量の食用油脂を付着させた澱粉素材である。油脂加工澱粉は、一般に、フライ食品の製造の際、具材に付着させる打ち粉やバッターに用いることで、具材とフライ衣の結着性を向上できることや、水産練り食品や食肉加工食品に練りこむことで、品質を改善できることが知られている。しかしながら、春巻きの皮は、通常、小麦粉等の原料粉に水等を加え、ペースト状の生地を調製し、この生地を鉄板等に薄く塗りつけて焼成して製造されるものであるため、従来の油脂加工澱粉の用途とは全く異なるものである。したがって、これまで、油脂加工澱粉が配合された春巻きの皮は知られていなかった。本発明においては、春巻きの皮に油脂加工澱粉を配合することで、従来技術に比較して、製造される揚げ春巻きの皮部が、歯切れ良く、良好なパリパリ感を有する食感であり、その食感を長時間維持することができる春巻きの皮が得られることが、初めて見出された。後述する実施例に示す通り、油脂加工澱粉が配合された本発明の春巻きの皮は、油脂加工されていない澱粉を配合したものと比較して、特に油ちょう後、経時した場合の食感が良好である。なお、本発明の春巻きの皮は、冷凍耐性が極めて高く、揚げ春巻きの製造の際、本発明の春巻きの皮に具材を巻き包んだ後、冷凍保存したものを油ちょうした場合にも、上記の効果が十分に認められる。
本発明において、前記油脂加工澱粉は、例えば、原料澱粉に食用油脂及び食用油脂類縁物質を0.005〜10質量%添加し、均一になるように混合し、必要に応じて乾燥、加熱することによって得られる。原料澱粉は、植物から抽出した澱粉、及びこれらに物理的又は化学的加工を施した加工澱粉であれば、特に制限はない。例えば、タピオカ澱粉、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉等の澱粉、及びそれらの澱粉を原料として、物理的又は化学的に加工を施した加工澱粉が挙げられる。加工澱粉としては、どのような種類の加工澱粉でもよく、例えば、酵素処理澱粉、アルファー化澱粉;湿熱処理澱粉;酸化澱粉;酸処理澱粉;酢酸澱粉(アセチル化澱粉)等のエステル化澱粉;リン酸化澱粉;ヒドロキシプロピル化澱粉等のエーテル化澱粉;リン酸架橋澱粉、アジピン酸架橋澱粉等の架橋澱粉;アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉等の複数の加工を組み合わせた加工澱粉等が挙げられる。また、食用油脂は、食用の油脂であれば特に制限はなく、例えば、大豆油、菜種油、ひまわり油、とうもろこし油、サフラワー油、ぶどう油、綿実油、ごま油、落花生油、オリーブ油、パーム油、やし油等の植物油脂や、牛脂、豚脂、鶏脂、羊脂、鯨油、魚油等の動物油脂、前記の植物油脂や動物油脂をエステル交換したもの、硬化油、分別油等が挙げられる。さらに、食用油脂類縁物質は、脂肪酸モノグリセリド、レシチン、シュガーエステル等の乳化剤、含脂大豆粉等の油糧種子粉末(含脂)が挙げられる。本発明において、油脂加工澱粉は、加工されていない澱粉(コーンスターチ、馬鈴薯澱粉等)を原料澱粉として調製された油脂加工澱粉であっても十分に効果が得られる。
本発明の春巻きの皮に含まれる、前記油脂加工澱粉の含有率は、本発明の効果が得られる限り、特に制限はない。前記油脂加工澱粉の含有率は、本発明の効果を十分に得るためには、前記原料粉の質量に基づいて、1〜50質量%であることが好ましく、3〜40質量%であることがより好ましく、5〜40質量%であることがさらにより好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。
本発明において、原料粉は穀粉類及び澱粉類のことを称する。本発明の春巻きの皮に含まれる原料粉は、上記の油脂加工澱粉の他に、一般に、小麦粉を含む。前記小麦粉としては、薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉、全粒粉、デュラム小麦粉等どのようなものでもよく、それらを単独、又は複数種を組み合わせて使用することができる。また、原料粉は、米粉、大麦粉、大豆粉、そば粉、ライ麦粉、ホワイトソルガム粉、トウモロコシ粉等の小麦粉以外の穀粉類、及び上述の油脂加工澱粉の原料澱粉として挙げた澱粉等を含んでいてもよい。
本発明の春巻きの皮は、乳化剤をさらに含むことが好ましい。これにより、製造される揚げ春巻きの皮部が、さらに歯切れが良い食感を有し、その食感を長期間維持することができる春巻きの皮が得られる。乳化剤としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、例えば、大豆、菜種、卵黄等由来の粗製レシチン、精製レシチン、分別レシチン、酵素処理レシチン等のレシチン;モノグリセリン脂肪酸エステル(ジアセチル酒石酸モノグリセリド等)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(ペンタステアリン酸デカグリセリン等)等のグリセリン脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;プロピレングリコール脂肪酸エステル;ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル等を用いることができる。乳化剤としてはレシチン、及び/又はグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。本発明の春巻きの皮に含まれる乳化剤の含有量は、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はないが、前記原料粉100質量部に対して、0.5〜5質量部が好ましく、0.5〜2質量部がより好ましい。
本発明の春巻きの皮は、本発明の効果を損なわない限り、上述の材料以外に、一般に、春巻きの皮に使用される材料を適宜含んでいてもよい。その他の材料としては、例えば、デキストリン、オリゴ糖、ぶどう糖、粉末水あめ、砂糖等の糖質;グルテン等の小麦由来たん白質、卵由来たん白質、大豆由来たん白質、乳由来たん白質等のたん白素材;粉末油脂やショートニング等の油脂;粉末セルロース、結晶セルロース等の食物繊維、グアガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム等の増粘剤;食塩等の塩類;山芋粉、長芋粉等が挙げられる。
[春巻きの皮の製造方法]
本発明の春巻きの皮の製造方法は、油脂加工澱粉を含む原料粉、及び水を含む生地を調製する工程、及び前記生地を焼成する工程を含む製造方法である。油脂加工澱粉を含む生地を焼成することで得られる春巻きの皮は、上述の通り、製造される揚げ春巻きの皮部が、歯切れ良く、良好なパリパリ感を有する食感であり、その食感を長時間維持することができる。前記生地を調製する工程、前記生地を焼成する工程は、従来公知の方法で行なうことができる。例えば、上述の春巻きの皮の材料として記載した油脂加工澱粉を含む原料粉、必要に応じて乳化剤及びその他の材料、並びに水をミキサーで混合し、ペースト状の生地を調製し、鉄板型焼成機、又はドラム型焼成機等に薄く塗りつけて焼成する。生地の粘度や焼成条件は、従来公知の条件から適宜選択して行なうことができる。なお、前記生地を調製する際、油脂加工澱粉、その他の原料粉等の材料の全部又はその一部が、予め混合された組成物を用いてもよく、それぞれ個別の材料をミキサーに投入してもよい。前記生地の水の量は、特に制限はなく、適正な粘度になるように適宜調節することができる。
本発明の春巻きの皮の製造方法において、生地に含まれる油脂加工澱粉、原料粉、その他の材料の好ましい態様は、上述の本発明の春巻きの皮の好ましい態様と同様である。したがって、前記油脂加工澱粉の含有率は、前記原料粉の質量に基づいて、1〜50質量%であることが好ましく、3〜40質量%であることがより好ましく、5〜40質量%であることがより好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。また、前記生地は、さらに乳化剤を含むことが好ましく、乳化剤の含有量は、前記原料粉100質量部に対して、0.5〜5質量部が好ましく、0.5〜2質量部がより好ましい。
[春巻きの皮用組成物]
本発明の春巻きの皮用組成物は、本発明の春巻きの皮の製造方法に用いる春巻きの皮用の組成物であって、油脂加工澱粉を含む。本発明の組成物は、油脂加工澱粉を含んでいればどのような形態であってもよい。例えば、上述の本発明の春巻きの皮の製造方法において、生地を調製する際の材料として用いる水以外の粉状材料の全部又は一部を混合した粉状の組成物であってもよく、それらに水が混合されて調製された生地自体であってもよい。本発明の粉状の組成物としては、例えば、油脂加工澱粉が所望の含有率になるように、前記その他の原料粉等の粉状材料の全部と混合された組成物の形態、生地の調製時に所定量の前記その他の原料粉の全部又は一部と混合することにより、油脂加工澱粉が所望の含有率になるように、油脂加工澱粉が前記その他の原料粉の一部、及び/又は前記乳化剤等のその他の材料と混合された組成物の形態等が挙げられる。
[揚げ春巻きの製造方法]
本発明の揚げ春巻きの製造方法は、本発明の春巻きの皮に具材を巻き包んで、揚げ用春巻きを成形する工程、及び前記揚げ用春巻きを油ちょうする工程を含む。上述の通り、本発明の春巻きの皮を用いて製造された揚げ春巻きは、揚げ春巻きの皮部が、歯切れ良く、良好なパリパリ感を有する食感であり、その食感を長時間維持することができる。前記揚げ用春巻きを成形する工程、及び揚げ用春巻きを油ちょうする工程は、従来公知の方法で行なうことができる。本発明の揚げ春巻きの製造方法においては、揚げ用春巻きを成形した後、直ぐに油ちょうしてもよく、成形した揚げ用春巻きを冷蔵又は冷凍保存した後、油ちょうしてもよい。上述の通り、本発明の春巻きの皮は、冷凍耐性が極めて高いので、成形した揚げ用春巻きを冷凍保存した後、必要に応じて油ちょうする方法が好ましい。なお、春巻きの皮に巻き包む具材には、特に制限はなく、野菜類、畜肉類、魚介類、豆類、乳製品、果物類等、製品に応じて適宜選択することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
1.春巻きの皮の製造
表1に示した参考例の配合で水を原料粉100質量部に対して150質量部混合し、参考例の生地を調製した。この生地の粘度を、B型粘度計を用いて測定した(測定条件:ローターNo.3、12rpm、1分間)。各実施例、及び比較例は、表1〜3に示した配合で、上記の参考例の生地の粘度と同程度の粘度になるように加水量を調整して水を混合し、各生地を調製した。得られた各生地を、ドラム型焼成機を用いて焼成し、厚さ0.5±0.05mmの帯状の焼成生地を得た。得られた焼成生地を190mm×190mmにカットし春巻きの皮を製造した。
2.揚げ用春巻きの調製
各春巻きの皮の上に、予め調理した具材を載せ、巻き包んで揚げ用春巻きを調製した。参考例17及び18以外は、調製した揚げ用春巻きを−40℃の環境下で凍結し、−20℃で冷凍保存した。
3.揚げ春巻きの製造
冷凍した各揚げ用春巻きは、−20℃で10日間保存後、175〜180℃の菜種油で5分間油ちょうし、揚げ春巻きを製造した。
4.揚げ春巻きの評価
上記方法で製造された揚げ春巻きの皮部について、油ちょう直後、及び油ちょう3時間後の食感を、5名のパネラーで、以下の評価基準で評価した。パネラーの評価点の平均値を評価結果として表1〜3に示す。なお、評価点は小数点2位を四捨五入して示した。
5:適度な硬さ、良好な歯切れを有し、パリパリ感を堪能できる
4:硬さ、歯切れを有し、好ましいパリパリ感がある
3:やや硬さ、歯切れは有るが、パリパリ感はやや物足りなく感じる
2:ヒキのある食感で、パリパリ感は感じられない
1:柔らかく、ヒキが強く、パリパリ感が全くない
Figure 0006960767
表1に示した通り、油脂加工澱粉を含む原料粉を用いた参考例1〜3では、小麦粉のみを原料粉とした参考例と比較して、得られた揚げ春巻きの皮部の油ちょう直後の食感が優れ、油ちょう3時間後の食感も良好で、経時的な食感の低下が少なかった。一方、油脂加工していないコーンスターチ、リン酸架橋澱粉を含む原料粉を用いた比較例1〜3では、参考例よりも得られた揚げ春巻きの皮部の油ちょう直後の食感は優れていたが、油ちょう3時間後の食感が、参考例1〜3と比較して低下していた。特にリン酸架橋澱粉Bを含む原料粉を用いた比較例3と、そのリン酸架橋澱粉Bを油脂加工して調製した試作油脂加工澱粉を含む原料粉を用いた参考例3を比較すると、油ちょう直後の食感は同様に良好であったが、油ちょう3時間後の食感は参考例3の方が良好であり、油ちょう後の食感の変化が少なかった。したがって、油脂加工澱粉を含む原料粉を含む春巻きの皮を用いることにより、製造される揚げ春巻きの皮部が、歯切れが良く、良好なパリパリ感を有する食感であり、その食感を長時間維持することができることが示唆された。
Figure 0006960767
表2においては、春巻きの皮に含まれる原料粉における油脂加工澱粉の含有率の影響を調べるため、参考例1と同様な油脂加工澱粉Aを用いて、その配合量を変えて評価した。表2に示した通り、原料粉の質量に基づいて、油脂加工澱粉Aを1〜50質量%含む春巻きの皮で、参考例と比較して食感の改善が認められ、特に油脂加工澱粉Aを10〜30質量%含む原料粉を用いた場合に、油ちょう直後の食感が優れ、油ちょう3時間後の食感も良好で、経時的な食感の低下が少なかった。したがって、油脂加工澱粉の含有率は、原料粉の質量に基づいて、1〜50質量%であることが好ましことが示唆された。
Figure 0006960767
表3においては、春巻きの皮に、さらに乳化剤を配合した場合の効果を調べた。表3に示した通り、乳化剤を配合した実施例11〜16では、乳化剤を配合していない参考例7と比較して、製造された揚げ春巻きの皮部の油ちょう直後の食感、及び油ちょう3時間後の食感が、さらに改善されていた。したがって、春巻きの皮は、さらに乳化剤を含むことが好ましいことが示唆され、乳化剤の含有量は、原料粉100質量部に対して、0.5〜2質量部で効果が発揮されることが示唆された。
参考例17]
下記配合で、上記1.に従って春巻きの皮を調製し、上記2.に従って揚げ用春巻きを調製した。その揚げ用春巻きを冷凍せずに、175〜180℃の菜種油で5分間油ちょうし、揚げ春巻きを製造した。製造された揚げ春巻きの皮部について、油ちょう直後、及び油ちょう3時間後の食感を評価したところ、いずれも適度な硬さ、良好なサクみを有し、パリパリ感を堪能できる品質であった。
(配合)
小麦粉(準強力粉(昭和産業株式会社)): 95質量部
油脂加工澱粉D;油脂加工コーンスターチ
(BT−800(三和澱粉工業株式会社)): 5質量部
食塩: 1質量部
参考例18]
下記配合で、上記1.に記載した通り生地を調製した。IH調理器上で予熱をした角型フライパン(21cm×21cm)に、12±1gの上記生地を流し込み、平らにしながら、強火で約50秒間焼成した。フライパンを濡れタオル上に移動し、30秒間程度放冷した。次いで焼成生地を菜箸で取り上げて、網の上で粗熱を取り、春巻きの皮を得た。この工程を繰り返して、必要枚数の春巻きの皮を得た。得られた春巻きの皮を用いて、上記2.に従って揚げ用春巻きを調製した。その揚げ用春巻きを冷凍せずに、175〜180℃の菜種油で5分間油ちょうし、揚げ春巻きを製造した。製造された揚げ春巻きの皮部について、油ちょう直後、及び油ちょう3時間後の食感を評価したところ、いずれも適度な硬さ、良好なサクみを有し、パリパリ感を堪能できる品質であった。
(配合)
小麦粉(準強力粉(昭和産業株式会社)): 95質量部
油脂加工澱粉E;油脂加工コーンスターチ
(HB−150(株式会社J−オイルミルズ)): 5質量部
食塩: 1質量部
以上により、本発明の春巻きの皮を用いることにより、皮部の食感が、歯切れが良く、良好なパリパリ感を有するものであり、その食感を長時間維持することができる揚げ春巻きを製造できることが示唆された。
なお、本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明により、製造される揚げ春巻きの皮部が、歯切れ良く、良好なパリパリ感を有する食感であり、その食感を長時間維持することができる春巻きの皮が得られるので、特にコンビニエンスストアーやスーパーマーケットの惣菜コーナー等において、良好な食感の揚げ春巻きを提供することができる。また、本発明の春巻きの皮は、冷凍耐性が高いので、弁当のおかず用等に良好な食感を長時間維持できる、冷凍春巻きを提供することができる。

Claims (9)

  1. 揚げ春巻き用の春巻きの皮であって、
    油脂加工澱粉を含む原料粉を含み、
    前記油脂加工澱粉の含有率が、前記原料粉の質量に基づいて、5〜40質量%であり、
    乳化剤をさらに含むことを特徴とする春巻きの皮。
  2. 前記乳化剤の含有量が、前記原料粉100質量部に対して、0.5〜2質量部である請求項1に記載の春巻きの皮。
  3. 油脂加工澱粉を含む原料粉、及び水を含む生地を調製する工程、及び前記生地を焼成する工程を含み、
    前記油脂加工澱粉の含有率が、前記原料粉の質量に基づいて、5〜40質量%であり、
    前記生地が、乳化剤をさらに含む揚げ春巻き用の春巻きの皮の製造方法。
  4. 前記乳化剤の含有量が、前記原料粉100質量部に対して、0.5〜2質量部である請求項3に記載の製造方法。
  5. 請求項3又は4に記載の春巻きの皮の製造方法に用いる春巻きの皮用の組成物であって、油脂加工澱粉を含む春巻きの皮用の組成物。
  6. 請求項1若しくは2に記載の揚げ春巻き用の春巻きの皮、又は請求項3若しくは4に記載の製造方法によって製造された揚げ春巻き用の春巻きの皮に具材を巻き包んで、揚げ用春巻きを成形する工程、及び前記揚げ用春巻きを油ちょうする工程を含む揚げ春巻きの製造方法。
  7. 前記成形した揚げ用春巻きを冷凍保存した後、油ちょうする工程を含む請求項6に記載の揚げ春巻きの製造方法。
  8. 請求項1若しくは2に記載の揚げ春巻き用の春巻きの皮、又は請求項3若しくは4に記載の製造方法によって製造された揚げ春巻き用の春巻きの皮を用いて揚げ春巻きを製造することを特徴とする、揚げ春巻きの皮部の歯切れ良く良好なパリパリ感を有する食感を長時間維持させる方法。
  9. 前記揚げ春巻きが、成形した揚げ用春巻きを冷凍保存した後、油ちょうする工程を含む方法で製造される揚げ春巻きである請求項8に記載の方法。
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