JP3247506B2 - 茹で・蒸し麺類の改良用組成物及び麺類の製造方法 - Google Patents

茹で・蒸し麺類の改良用組成物及び麺類の製造方法

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JP3247506B2 JP20830493A JP20830493A JP3247506B2 JP 3247506 B2 JP3247506 B2 JP 3247506B2 JP 20830493 A JP20830493 A JP 20830493A JP 20830493 A JP20830493 A JP 20830493A JP 3247506 B2 JP3247506 B2 JP 3247506B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、麺類を再調理せずに食
する際に、または茹で直しや炒め等の調理時において、
麺類のほぐれ性が極めて良好な特性を有し、食味・食感
が良好な、茹で・蒸し麺類の製造方法及びそれらの麺類
に噴霧又は浸漬する油脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、茹で・蒸し麺類は、製造直後は極
めて良好なほぐれ性を示すが、製造後の経時変化に伴
い、澱粉質の劣化に伴う可撓性の低下、あるいは麺線表
面の糊化された澱粉の粘着性により、麺線が互いに結着
し、全体が塊状に固結する欠点を有していた。このよう
な状況のもとにおいては、麺線のほぐれの悪さの他に、
麺線が切れやすくなったり、茹で直しや炒め等の再加熱
調理が不均一になるなど食味及び外見上好ましくなかっ
た。これらの欠点の改良方法として、従来より麺線同士
の付着を防止するためにその表面に食用油脂を噴霧する
方法、乳化油脂を添加する方法等がとられており、例え
ば、有機酸モノグリセライドを含む水で処理する方法
(特開昭58−141757)、有機酸モノグリセライ
ドを含む水中油型乳化油脂で処理する方法(特開昭58
−175461)、食用油脂、大豆レシチン及び大豆レ
シチン以外の食品用乳化剤を配合してなる油脂組成物を
噴霧する方法(特公昭57−14139)等が提案され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のような方法を用
いることによって、麺線同士の付着をある程度防止する
ことができるが、充分満足するものではない。また充分
な効果を期待するためには多量の添加を必要とするた
め、油,有機酸等によって食味・食感が損なわれるとい
う問題を生じている。本発明の目的は、麺の食味・食感
を損なうことなく、麺線のほぐれ性を改善しうる茹で・
蒸し麺類の製造法及びそれらの麺に噴霧又は浸漬する油
脂組成物を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、茹で・蒸し麺類の表面に噴霧又は浸漬さ
せる食用油脂にグリセリンの重合度が2以上であり、エ
ステル化率が30〜80%であるポリグリセリン脂肪酸
エステル0.1〜5重量%と大豆レシチン0.1〜5重
量%を併用し実質上無水の状態で配合することにより、
上述の課題を解決できることを見出し、本発明を完成し
た。本発明において、茹で・蒸し麺類とは、小麦粉及び
その他の原材料を加えて製麺したものであって、茹でう
どん,茹で中華,蒸し中華,茹でそば,茹でスパゲッテ
ィー等を指し、商品形態は、常温流通麺(LL麺)、低
温流通麺(チルド麺)のいずれであってもよい。本発明
に使用される油脂としては、食用に供されるものであれ
ば特に限定はしないが好ましくは、常温で液状の油脂で
あり、さらに安定性,ハンドリング等を考慮すると大豆
油,菜種油,米油,コーン油が好ましい。またこれらの
食用油脂を2種以上配合することも可能である。本発明
における実質上無水である油脂組成物とは、ポリグリセ
リン脂肪酸エステルと大豆レシチンを含有した状態で油
脂組成物の水分が1重量%未満であることを意味する。
【0005】本発明で用いるポリグリセリン脂肪酸エス
テルは、グリセリンの重合度が2以上であれば特に限定
されるものではないが、好ましくは5〜10のものが望
ましく、エステル化率が30〜80%のものである。ま
た、構成脂肪酸は、特に限定されるものではないが、炭
素原子数が16以上18以下のものが良く、さらにオレ
イン酸,リノール酸,リノレン酸のように常温で液体状
のものが良い。またポリグリセリン脂肪酸エステルのH
LBは特に限定されるものではないが、8以下のものが
好ましい。大豆レシチンはペースト状レシチン(アセト
ン不溶分60重量%以上)、脱脂精製した粉末状レシチ
ンのどちらも使用できるが、ハンドリング等を考慮する
とペースト状レシチンが好ましい。本発明におけるエス
テル化率とは数1で表せるものである。
【0006】
【数1】
【0007】本発明において、上記ポリグリセリン脂肪
酸エステルは、食用油脂組成物中に0.1〜5重量%含
まれるように、好ましくは0.2〜2重量%添加混合さ
れる。更に大豆レシチンを0.1〜5重量%含まれるよ
うに、好ましくは0.2〜2重量%添加混合される。ま
た、ポリグリセリン脂肪酸エステル,大豆レシチンの合
計添加量が食用油脂組成物中に0.2〜10重量%含ま
れるように、好ましくは0.3〜3重量%添加混合させ
る。ポリグリセリン脂肪酸エステル、大豆レシチンの添
加量がそれぞれ0.1重量%未満では期待される効果が
得られず、5重量%を越える時は、風味に問題があるば
かりでなくハンドリング等においても悪影響を生じる。
本発明の油脂組成物の使用量は、特に限定されるもので
はないが茹で・蒸し麺類の重量に対して0.3〜5重量
%の範囲が良く。好ましくは、1〜3重量%の範囲がよ
い。油脂組成物の使用量が0.3重量%未満では期待さ
れる効果が得られず、5重量%を越える時は、風味にお
いて問題を生じる。茹で・蒸し麺類の一般的製造法とし
ては、小麦粉または小麦粉にそば粉等の原材料を混合し
た粉末に、食塩またはその他の塩類を溶解した水溶液を
混合し、ミキサーにて数分間混捏してそぼろ状の粉体を
得る。このそぼろ状の粉体を複合機によりめん帯とし、
圧廷を段階的に繰り返したのち、切刃にて切出し麺線を
得る。以上の手順により得られた麺線を沸騰水あるいは
蒸気等にて加熱した後、流水にて水洗冷却し包装する。
LL麺の様に長期保存を目的とする場合は、包装後蒸熱
殺菌等を行う。本発明において噴霧とは、該油脂組成物
を霧状にして水洗,冷却後の茹で・蒸し麺の表面に吹き
付けることである。その時の該油脂組成物の粒径は30
μm〜5mmの範囲であれば特に限定しないが、50μ
m〜200μmが好ましい。また、浸漬とは、5〜40
℃好ましくは15〜36℃の該油脂組成物を満たした浴
槽に水洗,冷却後の茹で・蒸し麺を浸漬させることであ
る。その時の浸漬時間は5秒〜10分の範囲であれば特
に限定しないが、20秒〜1分が好ましい。
【0008】
【作用】この発明によれば、茹で・蒸し麺類の表面に噴
霧又は浸漬する油脂組成物にポリグリセリン脂肪酸エス
テルと大豆レシチンを併用し配合することにより、麺の
ほぐれ性を著しく向上させることができる。また従来の
麺のほぐれの悪さからくる麺線の切れや茹で直しや炒め
等の再加熱調理での不均一性などが防止できる。しかも
得られた麺類は、良好な食味・食感で従来の麺と比べな
んら変わることがない。
【0009】
【実施例】
実施例1 菜種油98.8g,ペースト状大豆レシチン0.5g,
ヘキサオレイン酸デカグリセリン0.7gを溶解混合
し、均一な油脂組成物を得た(水分含量0.04%)。
次に準強力粉1000gに粉末かんすい5g,食塩10
g,水340gを配合しミキサーで15分間混捏し、常
法により圧廷、切出し(切刃#22角,麺線厚み1.3
5mm)を行って得られた麺を蒸し器で6分間蒸し、流
水で30秒間水洗を行い、水切り後、蒸し中華麺150
gに上記の油脂組成物2.5gを均一に噴霧し、ポリエ
チレン袋で包装した。
【0010】比較例1 同じ蒸し中華麺150gに上記油脂組成物0.4gを均
一に噴霧しポリエチレン袋で包装した。 比較例2 同じ蒸し中華麺150gに上記油脂組成物8gを均一に
噴霧しポリエチレン袋で包装した。 比較例3 同じ蒸し中華麺150gに菜種油2.5gを均一に噴霧
しポリエチレン袋で包装した。次に、上記の実施例1及
び比較例1〜3で得られた蒸し中華麺を5℃の冷蔵庫で
5日間保存した後、フライパンに油を引き蒸し中華麺を
炒め、パネラー20人にて、麺線のほぐれ性,食味・食
感について評価した。麺線のほぐれ評価は箸を用いて試
食する際に、麺線のほぐれ具合が極めて良いものを20
点、かなり良いものを18点、やや良いものを16点、
普通を14点、やや悪いものを12点、かなり悪いもの
を10点、極めて悪いものを8点とし、パネラー20人
の平均値で示した。食味・食感の評価は、極めて良いも
のを10点、かなり良いものを9点、やや良いものを8
点、普通を7点、やや悪いものを6点、かなり悪いもの
を5点、極めて悪いものを4点とし、パネラー20人の
平均値で示した。その結果を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】表1から明らかなように、実施例は比較例
に比べて著しく麺線のほぐれ性に優れており、麺線の切
れもなく均一に炒めることができた。 実施例2 大豆油98.8g,ペースト状大豆レシチン0.4g,
ヘプタオレイン酸デカグリセリン0.8gを溶解混合
し、均一な油脂組成物を得た(水分含量0.02%)。
次に準強力粉1000gに粉末かんすい5g,食塩10
g,水340gを配合し、ミキサーで15分間混捏し、
常法により圧廷,切出し(切刃#22角、麺線厚み1.
35mm)を行って得られた麺を蒸し器で6分間蒸し、
流水で30秒間水洗を行い水切り後、蒸し中華麺150
gに上記の油脂組成物2.5gを均一に噴霧し、耐熱性
のポリエチレン袋で包装後95℃で20分間蒸気殺菌し
た。 比較例4 大豆油99.45g,ペースト状大豆レシチン0.5
g,ヘプタオレイン酸デカグリセリン0.05gを溶解
混合し、均一な油脂組成物を得た。実施例2と同じ蒸し
中華麺150gに上記油脂組成物2.5gを均一に噴霧
し、耐熱性のポリエチレン袋で包装後95℃で20分間
蒸気殺菌した。 比較例5 大豆油89.5g,ペースト状大豆レシチン0.5g,
ヘプタオレイン酸デカグリセリン10gを溶解混合し、
均一な油脂組成物を得た。実施例2と同じ蒸し中華麺1
50gに上記油脂生成物2.5gを均一に噴霧し耐熱性
のポリエチレン袋で包装後95℃で20分間蒸気殺菌し
た。 比較例6 実施例2と同じ蒸し中華麺150gに大豆油2.5gを
均一に噴霧し耐熱性のポリエチレン袋で包装後95℃で
20分間蒸気殺菌した。次に、上記の実施例2及び比較
例4〜6で得られた蒸し中華麺を5℃の冷蔵庫で0〜2
週間保存した後、フライパンに油をひき蒸し中華麺を炒
め、パネラー20人にて麺線のほぐれ性,食味・食感に
ついて評価した。麺線のほぐれ評価は箸を用いて試食す
る際に麺線のほぐれ具合が極めて良いものを20点、か
なり良いものを18点、やや良いものを16点、普通を
14点、やや悪いものを12点、かなり悪いものを10
点、極めて悪いものを8点とし、パネラー20人の平均
値で示した。食味・食感の評価は、極めて良いものを1
0点、かなり良いものを9点、やや良いものを8点、普
通を7点、やや悪いものを6点、かなり悪いものを5
点、極めて悪いものを4点とし、パネラー20人の平均
値で示した。その結果を表2に示す。
【0013】
【表2】
【0014】表2から明らかなように、実施例は比較例
に比べて著しく麺線のほぐれ性に優れており、麺線の切
れもなく均一に炒めることができた。 実施例3 米油98.5g,ペースト状大豆レシチン0.5g,ジ
オレイン酸ジグリセリン1gを溶解混合し、均一な油脂
組成物を得た(水分含量0.03%)。次に中力粉10
00gに粉末かんすい10g,食塩10g,水330g
を配合し、ミキサーで15分間混捏し、常法により圧
廷,切出し(切刃#22角、麺線厚み1.3mm)を行
って得られた麺を沸騰水で4分間茹で上げ、冷却水で1
分間水洗冷却を行った。水切り後、茹で中華麺220g
に上記の油脂組成物4.5gを均一に噴霧し、ポリエチ
レン製の冷やし中華の容器に充填,密封し、冷やし中華
調理麺を得た。 比較例7 米油98.5g,ペースト状レシチン1.5gを溶解混
合し、均一な油脂組成物を得た。実施例3と同じ茹で中
華麺220gに上記油脂組成物4.5gを均一に噴霧
し、ポリエチレン製の冷やし中華の容器に充填,密封
し、冷やし中華調理麺を得た。 比較例8 ジアセチル酒石酸モノグリセライド(ステアリン酸モノ
グリセライド)15g,コーンサラダ油25g,70%
ソルビトール30g,湯30gを強力攪拌して水中油型
乳化油脂を得た。次に中力粉1000gに粉末かんすい
10g,食塩10g、上記の水中油型乳化油脂を20
g,水330gを配合し、ミキサーで15分間混捏し、
常法により圧廷、切出し(切刃#22角、麺線厚み1.
3mm)を行って得られた麺を沸騰水で4分間茹で上
げ、冷却水で1分間水洗冷却を行った。水切り後、ポリ
エチレン製の冷やし中華の容器に茹で中華麺220gを
充填,密封し冷やし中華調理麺を得た。
【0015】比較例9 実施例3と同じ茹で中華麺220gに米油4.5gを均
一に噴霧し、ポリエチレン製の冷やし中華の容器に充
填,密封し冷やし中華調理麺を得た。次に上記の実施例
3及び比較例7〜9で得られた冷やし中華調理麺を5℃
の冷蔵庫で3日間保存した後、パネラー20人にて、麺
線のほぐれ性,食味・食感を80ccのスープにつけて
評価した。麺線のほぐれ評価は箸を用いて試食する際
に、麺線のほぐれ具合が極めて良いものを20点,かな
り良いものを18点,やや良いものを16点,普通を1
4点,やや悪いものを12点,かなり悪いものを10
点,極めて悪いものを8点とし、パネラー20人の平均
値で示した。食味・食感の評価は、極めて良いものを1
0点,かなり良いものを9点,やや良いものを8点,普
通を7点,やや悪いものを6点,かなり悪いものを5
点,極めて悪いものを4点とし、パネラー20人の平均
値で示した。その結果を表3に示す。
【0016】
【表3】
【0017】表3から明らかなように、実施例は比較例
に比べて著しく麺線のほぐれ性に優れており、麺線も切
れることなく食味・食感も良好であった。 実施例4 コーン油99g,ペースト状大豆レシチン0.3g,テ
トラオレイン酸ヘキサグリセリン0.7gを溶解混合
し、均一な油脂組成物を得た(水分含量0.02%)。
次に中力粉900g,タピオカ澱粉100gに食塩20
g,水380gを配合し、ミキサーで15分間混捏し、
常法により圧廷、切出し(切刃#10角、麺線厚み2.
5mm)を行って得られた麺を沸騰水で12分間茹で上
げ、流水で30秒間水洗を行った。これをpH2の2%
リンゴ酸−リンゴ酸ナトリウム溶液に40秒間浸漬し、
水切り後、茹麺200gに上記の油脂組成物3gを均一
に噴霧し、耐熱性のポリエチレン袋に充填,完全密封し
た。これを94℃の蒸気にて30分間加熱殺菌し、LL
うどんを得た。 比較例10 コーン油99g、ペースト状大豆レシチン0.3g、ソ
ルビタン脂肪酸エステル0.7gを溶解混合し、均一な
油脂組成物を得た。実施例4と同じ茹うどん200gに
上記の油脂組成物3gを均一に噴霧し、耐熱性のポリエ
チレン袋に充填,完全密封した。これを94℃の蒸気に
て30分間加熱殺菌し、LLうどんを得た。
【0018】比較例11 実施例4と同じ茹うどん200gにコーン油3gを均一
に噴霧し耐熱性のポリエチレン袋に充填,完全密封し
た。これを94℃の蒸気にて30分間加熱殺菌し、LL
うどんを得た。次に上記の実施例4及び比較例10,1
1で得られたLLうどんを5℃の冷蔵庫で0〜4週間保
存した後、ポリスチロール製の容器に入れ、熱湯300
ccを注いだ2分後の麺線のほぐれ性、食味・食感につ
いて評価した。麺線のほぐれ評価は箸を用いて試食する
際に、麺線のほぐれ具合が極めて良いものを20点、か
なり良いものを18点、やや良いものを16点、普通を
14点、やや悪いものを12点、かなり悪いものを10
点、極めて悪いものを8点とし、パネラー20人の平均
値で示した。食味・食感の評価は、極めて良いものを1
0点、かなり良いものを9点、やや良いものを8点、普
通を7点、やや悪いものを6点、かなり悪いものを5
点、極めて悪いものを4点とし、パネラー20人の平均
値で示した。その結果を表4に示す。
【0019】
【表4】
【0020】表4から明らかなように、実施例は比較例
に比べて著しく麺線のほぐれ性に優れており、麺線の切
れもなく食味・食感も良好であった。
【0021】実施例5 菜種油98.8g,ペースト状大豆レシチン0.3g,
トリオレイン酸テトラグリセリン0.9gを溶解混合
し、均一な油脂組成物を得た(水分含量0.04%)。
次に準強力粉1000gに粉末かんすい10g,食塩1
0g,水330gを配合し、ミキサーで15分間混捏
し、常法により圧廷,切出し(切刃#22角,麺線厚み
1.3mm)を行って得られた麺を沸騰水で4分間茹で
上げ、冷却水で1分間水洗冷却を行った。水切り後、茹
で中華麺220gに上記の油脂組成物4.5gを均一に
噴霧し、ポリエチレン製の冷やし中華の容器に充填,密
封し、冷やし中華調理麺を得た。 比較例12 実施例5の油脂組成物に水分含量が0.2%となるよう
に水分を加えた。実施例5と同じ茹で中華麺に上記油脂
組成物4.5gを均一に噴霧し、ポリエチレン製の冷や
し中華の容器に充填,密封し、冷やし中華調理麺を得
た。 比較例13 実施例5の油脂組成物に水分含量が1%となるように水
分を加えた。実施例5と同じ茹で中華麺に上記油脂組成
物4.5gを均一に噴霧し、ポリエチレン製の冷やし中
華の容器に充填,密封し、冷やし中華調理麺を得た。次
に上記の実施例5及び比較例12〜13で得られた冷や
し中華調理麺を5℃の冷蔵庫で3日間保存した後、パネ
ラー20人にて、麺線のほぐれ性,食味・食感を80c
cのスープにつけて評価した。麺線のほぐれ評価は箸を
用いて試食する際に、麺線のほぐれ具合が極めて良いも
のを20点,かなり良いものを18点,やや良いものを
16点,普通を14点,やや悪いものを12点,かなり
悪いものを10点,極めて悪いものを8点とし、パネラ
ー20人の平均値で示した。食味・食感の評価は、極め
て良いものを10点,かなり良いものを9点,やや良い
ものを8点,普通を7点,やや悪いものを6点,かなり
悪いものを5点,極めて悪いものを4点とし、パネラー
20人の平均値で示した。その結果を表5に示す。
【0022】
【表5】
【0023】表5から明らかなように、実施例は比較例
に比べて著しく麺線のほぐれ性に優れており、麺線も切
れることなく食味・食感も良好であった。
【0024】
【発明の効果】本発明により得られた茹で・蒸し麺類
は、 (1)麺の食味・食感を損なうことなく、麺線の付着を
防止する。 (2)麺線の切れやすさを防止する。 (3)茹で直しや炒め等の再加熱調理を容易にさせる。 など、本発明は茹で・蒸し麺類の加工適性、調理適性の
改善に効果が大であり、食品産業に大いに貢献できるも
のである。大豆レシチンとポリグリセリン脂肪酸エステ
ルを配合した食用油脂を包装,充填前の茹で・蒸し麺に
噴霧又は浸漬させることで、麺のほぐれ性を向上するこ
とができる。また大豆レシチンを単独で用いる場合に比
べ、自身にも高いほぐれ効果のあるポリグリセリン脂肪
酸エステルを併用させることにより、ほぐれ性を著しく
向上させることができる。また、大豆レシチン,ポリグ
リセリン脂肪酸エステルの相乗効果により、双方を単独
で用いる場合よりはるかに添加量減らすことができ、該
油脂組成物の風味の劣化も全くない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリグリセリン脂肪酸エステル0.1〜
    5重量%と大豆レシチン0.1〜5重量%を含有し、実
    質上無水であることを特徴とする茹で・蒸し麺類のほぐ
    れ改良用油脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリグリセリン脂肪酸エステルがグリセ
    リンの重合度が2以上であり、エステル化率が30〜8
    0%であることを特徴とする請求項1記載の茹で・蒸し
    麺類のほぐれ改良用油脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは請求項2記載の油脂組
    成物を麺の表面に噴霧又は、麺を請求項1もしくは請求
    項2記載の油脂組成物に浸漬することを特徴とする茹で
    ・蒸し麺類の製造方法。
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