JP2017079629A - チョコレート用油脂組成物、及びこれを含有するチョコレート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】USU及びSSSトリグリセリドを適切な割合で含む油脂組成物又はさらにSUSを含む油脂組成物を特定の割合でチョコレートに配合する。
【選択図】なし
Description
USU:トリグリセリドの1,3位にUが、2位にSが結合したトリグリセリド
SSS:トリグリセリドの1,2、3位にSが結合したトリグリセリド
本発明の第2は、USUトリグリセリドとSSSトリグリセリドの含有比(SSS/USU)が0.03〜0.300であることを特徴とする第1の発明のチョコレート用油脂組成物。
本発明の第3は、前記油脂組成物中のSSUトリグリセリドの含量が5%未満であることを特徴とする第1又は2の発明のチョコレート用油脂組成物。
本発明の第4は、前記油脂組成物に含まれるSSSトリグリセリドの構成脂肪酸におけるC18〜22の飽和脂肪酸含量が56%以上であることを特徴とする第1乃至3の発明のチョコレート用油脂組成物。
本発明の第5は、前記油脂組成物がUSUトリグリセリドを含有する油脂とSSSトリグリセリドを含有する油脂を少なくとも含み、前者の油脂と後者の油脂の混合比(USU油脂/SSS油脂)が0.01〜0.25であり、前者の油脂と後者の油脂の混合量合計が30〜100%であることを特徴とする第1乃至4の発明のチョコレート用油脂組成物。
本発明の第6は、第1乃至5の発明の油脂組成物を10重量%以上含んでなるチョコレート。
本発明の第7は、チョコレートに含まれる油分中のSUS、USU、SSS各トリグリセリド含量の合計が50〜95%であって、USU/SUS比:0.3〜1.2、SSS/(SUS+USU)比:0.02〜0.14であることを特徴とする第6の発明のチョコレート。
本発明の油脂組成物に混合される、SSSを含有する油脂としては例えば、大豆油、なたね油、ひまわり種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、イリッペ脂、乳脂、牛脂、豚脂等の植物油脂、動物油脂の硬化油又は分別油が挙げられる。そのうち特に極度硬化油が好適に用いられる。中でもなたね油又は大豆油の極度硬化油が好適に用いられる。
SUSトリグリセリドがココアバターを主体とするときは本発明のチョコレートの風味が良好となる意味で好ましく、SUSトリグリセリド中のココアバターが70%以上であるとより好ましく、80%以上であるとさらに好ましく、90%以上であると最も好ましい。
また本発明のチョコレートはココアバターの高配合が可能であるが、総油分中ココアバターが10%以上であれば好ましく、20%以上であればより好ましく、30%以上で更に好ましく、40%以上で最も好ましい。総油分中ココアバターが下限未満であるとチョコレートの風味に劣る点で好ましくない。
また本発明のチョコレートの総油分中乳脂肪の割合は20重量%以下であることが好ましく、より好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下、最も好ましくは3重量%以下である。総油分中乳脂肪の割合が上限を超える場合はチョコレートの耐熱保型性が低下するため好ましくない。
SSS/SUS+USU比が下限未満であると、耐熱性が十分に得られず、十分な固化速度を得られず、さらに、徐冷固化時のブルームやグレーニングを十分に抑制できず商品価値を損なうため好ましくない。また上限を超えると、チョコレートの食感が悪化し、さらにはチョコレート製造時の増粘が激しくなり好ましくない。ここでチョコレート中に存在するSUSトリグリセリドは、チョコレートに配合されるカカオマス、ココアパウダー又はココアバター等のカカオ原料由来であってもよいし、本発明の油脂組成物由来であってもよいが、前者の場合はノーテンパー型のチョコレートでありながらカカオ原料を多量に配合できるため風味良好となる点で有利である。
本発明のチョコレートに含まれる油分中のSUS、USU、SSS各トリグリセリド含量の合計は50〜95%であれば好ましく、より好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、最も好ましくは80重量%以上、また好ましくは90重量%以下、より好ましくは85重量%以下である。
菜種極度硬化油30部とオレイン酸エチル70部を混合し、既知の方法にて脱色を行った後、この混合物を市販の1,3特異性リパーゼによりエステル交換を行った。このエステル交換反応物を、既知の蒸留操作により脂肪酸エチルを除去してエステル交換油脂を得た。本油脂を既知の方法にて分別することにより高融点部を除去し、精製することにより、USU型トリアシルグリセロールを81重量%含有するUSU脂を得た。
菜種油を既知の方法にて極度硬化を実施した後、精製することにより、SSS型トリアシルグリセロールを100重量%含有するSSS脂(菜種極度硬化油)を得た。
USU脂とSSS脂と大豆油を各種比率で配合し、表1に示す実施例及び比較例の油脂を得た。
またUSU脂とSSS脂の混合比(SSS脂/USU脂)及びSSS脂とUSU脂の混合量合計も同時に示した。
表1
また17℃保存品の継時的な硬さ変化を調べるため1日保存品と30日保存品の硬さを測定した結果及び30日保存品の食感評価結果を表6に示した。
表5
評価
−:ブルームなし、±:艶消失、+:ややブルーム発生、++:ブルーム発生、
+++:激しくブルーム発生
30日保存品での−及び±を合格とした。また実施例4Aは25℃保存で溶解状態であったがブルームは認められなかったので合格とした。
表6
*チョコレートの硬さはYAMADEN RHEONERにて1mm幅、楔形プランジャーを使用して測定した応力(g)として示した。
表5の結果より、実施例1Aから5Aのチョコレート群では30日の保存を経過しても、表面のブルームは一切観察されないことが確認された。一方、比較例1A、2A、4Aでは、17℃以上の冷却保存にて固化直後から、5℃保存では継時的なブルームが発現することが確認された。
USU脂とSSS脂を98部対2部の割合で混合して実施例6の油脂を得た。
USU脂とSSS脂を96部対4部の割合で混合して実施例7の油脂を得た。
USU脂とSSS脂を94部対6部の割合で混合して実施例8の油脂を得た。
USU脂を比較例5の油脂とした。
表7
(チョコレートの成型)
上記チョコレート生地を品温60℃になるまで加温後、十分に撹拌した後に、品温45℃にてカップに流し込み、テンパリング処理を施さず5℃、17℃、20℃、25℃で冷却し、同温度で60日間保存した。また、17℃で冷却したサンプルを17℃→28℃/日のサイクルで60日間保存した。それぞれ3日保存品と60日保存品の表面状態を観察した。結果を表8に示す。
表8
評価
−:ブルームなし、±:艶消失、+:ややブルーム発生、++:ブルーム発生、
+++:激しくブルーム発生
60日保存品での−及び±を合格とした。
上記結果のように、菜種極度硬化油を含むサンプル群において、いかなる温度帯でもブルームの発現が抑制されることが認められた。一方、菜種極度硬化油を混合しない系では5℃冷却品以外では明らかなブルームが観察された。これらの結果から、菜種極度硬化油を混合することで徐冷条件下や、温度上下のある条件下でもブルーム形成を効果的に抑制できることが明らかとなった。
徐冷固化時にブルーム耐性を有するトリグリセリド種のスクリーニングを行った。また同時にジステアリン酸グリセロール、モノステアリン酸グリセロール、ステアリン酸等トリグリセリド以外の物質もテストした。
USU脂96部に対し、各トリグリセリド種等4部を添加し表9のように実施例及び比較例の油脂を得た。
表9
表10
(チョコレートの成型)
各チョコレート生地を品温60℃になるまで加温後、十分に撹拌した後に、品温45℃にてカップに流し込み、テンパリング処理を施さずに20℃で60分放置して徐冷固化した後に表面状態を観察した。結果を表11に示す。
表11
評価
−:ブルームなし、±:艶消失、+:ややブルーム発生、++:ブルーム発生、
+++:激しくブルーム発生
表面状態が−及び±のものを合格とした。
Claims (7)
- 油脂組成物中にUSUトリグリセリドを20〜99重量%、SSSトリグリセリドを1〜20%含有することを特徴とするチョコレート用油脂組成物。
但し、S:炭素数16〜22の飽和脂肪酸, U:炭素数18の不飽和脂肪酸
USU:トリグリセリドの1,3位にUが、2位にSが結合したトリグリセリド
SSS:トリグリセリドの1,2、3位にSが結合したトリグリセリドを意味する。 - USUトリグリセリドとSSSトリグリセリドの含有比(SSS/USU)が0.03〜0.300であることを特徴とする請求項1に記載のチョコレート用油脂組成物。
- 前記油脂組成物中のSSUトリグリセリドの含量が5%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載のチョコレート用油脂組成物。
- 前記油脂組成物に含まれるSSSトリグリセリドの構成脂肪酸におけるC18〜22の飽和脂肪酸含量が56%以上であることを特徴とする請求項1乃至3に記載のチョコレート用油脂組成物。
- 前記油脂組成物がUSUトリグリセリドを含有する油脂とSSSトリグリセリドを含有する油脂を少なくとも含み、前者の油脂と後者の油脂の混合比(USU油脂/SSS油脂)が0.01〜0.25であり、前者の油脂と後者の油脂の混合量合計が30〜100%であることを特徴とする請求項1乃至4に記載のチョコレート用油脂組成物。
- 請求項1乃至5に記載の油脂組成物を10重量%以上含んでなるチョコレート。
- チョコレートに含まれる油分中のSUS、USU、SSS各トリグリセリド含量の合計が50〜95%であって、USU/SUS比:0.3〜1.2、SSS/(SUS+USU)比:0.02〜0.14であることを特徴とする請求項6に記載のチョコレート。
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