JP2019010024A - 非テンパー型のハードバター組成物 - Google Patents

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【課題】トランス型の不飽和脂肪酸及びラウリン酸を実質的に含まないハードバター組成物を提供すること。【解決手段】下記条件(1)〜(3)を全て満たし、且つ低トランス脂肪酸型である、非テンパー型のハードバター組成物。(1)構成脂肪酸組成における、ステアリン酸とパルミチン酸の質量比(St/P)が、0.8〜1.5である。(2)S2Uトリグリセリド(ジ飽和モノ不飽和トリグリセリド)中のSSUトリグリセリド(1,2−ジ飽和−3−モノ不飽和トリグリセリド)の含有比(SSU/S2U)が0.5〜0.8である。(3)パーティションナンバー(PN)が50〜54のトリグリセリドの含有量が45〜60質量%である。【選択図】なし

Description

本発明は、非テンパー型のハードバター組成物に関する。
従来、カカオ豆の油脂分であるカカオバター(以下、CBと記載する場合がある)のみで作られた油性菓子よりも優れた物性を有する油性菓子を得るために、CB以外の油脂から作られたハードバターと呼ばれる製菓用油脂とカカオバターとを併用して油性菓子を製造することが広く知られている。ハードバターは、その用途・用法から、テンパー型ハードバターと非テンパー型のハードバターに分類されている。
製造工程において油脂の結晶状態を調整する技術であるテンパリング操作を必要としない非テンパー型のハードバターは、作業性の向上や、保存性の向上を図ることができるため、幅広く使用されている。
一方、テンパリングを必要としない反面、非テンパー型のハードバターの短所として、非テンパー型のハードバターを使用した油性菓子はその油脂分中のCB含有率を高めることができないことが挙げられる。
チョコレート等の油性菓子は、CB含有量を増加させるほど好ましいカカオ風味が強く得られる。しかしながら、非テンパー型のハードバターを用いてチョコレート等の油性菓子を製造する場合、油性菓子に含まれる油脂分中におけるCB含有率を高めると、粗大な油脂結晶等が生じ、ブルームと呼ばれる白斑が発生し、油性菓子の外観を損ねやすく、且つ、風味・食感を損ねやすい。そのため、非テンパー型のハードバターを用いた油性菓子は、一般に、カカオバターを5〜15質量%程度しか含有することができないことが知られていた。
また、従来の非テンパー型のハードバターを用いて、CB含有率を高めた油性菓子を製造した場合には、得られた油性菓子は常温で流通させる際に求められる耐熱性が不足し、これに起因した「汗かき」現象やブルーム等の品質低下が起こることも知られていた。
そのため、非テンパー型のハードバターを用いたチョコレート等の油性菓子のカカオ風味の強化を目的として、非テンパー型のハードバターを含有する油性菓子におけるCB含有率を高める検討、即ち、非テンパー型のハードバターとCBとの相溶性を高める検討が、ブルーム現象の発生を抑制するための検討と併せて行われてきた。
同時に、商品流通の観点から、常温での保管を行った場合であっても、「汗かき」現象やブルームの発生が抑えられた油性菓子が得られる非テンパー型のハードバターの検討が進められてきた。
また、近年では、上記のような機能を有するハードバターの検討に際し、従来見られた、健康影響が懸念されるトランス型の不飽和脂肪酸を構成脂肪酸組成中に多く含むハードバター組成物や、不快なソーピーフレーバーを生じやすいラウリン酸を構成脂肪酸組成中に多く含むハードバター組成物ではなく、低トランス脂肪酸型であり、ラウリン酸の含有量が少ない非テンパー型のハードバターの検討が進められている。
例えば、特許文献1〜3には、構成脂肪酸中のトランス型不飽和脂肪酸やラウリン酸の含量を減じた、低トランス・低ラウリン型の非テンパー型のハードバターが開示されている。
しかし、特許文献1及び2に開示されているハードバターは、油性菓子(チョコレート)中のCB含有率を高めることができず、油性菓子のカカオ風味が十分ではなかった。
また、特許文献3に開示されている非テンパー型のハードバターは、油性菓子に含まれる油脂分中のCB含有率が高められており、且つ、耐熱性を有している。しかしながら、同文献に記載の非テンパー型のハードバターは調製する際に、それぞれ別途製造されたUSU脂とSSU脂を混合する必要があり、又、各油脂を製造する際には各種動植物油脂と脂肪酸及び/又は脂肪酸低級アルコールエステルとを用いて、酵素エステル交換をそれぞれ行い、脂肪酸や脂肪酸アルコールエステルを除く工程をそれぞれとる必要があるため、ハードバター製造時の工程が複雑であった。そのため、より簡単な方法で製造できる非テンパー型のハードバターが求められていた。
WO2011/138918 WO2012/002373 特開2016−140313号公報
本発明は、次の非テンパー型のハードバターを提供することを課題とする。
(i)トランス型の不飽和脂肪酸及びラウリン酸を実質的に含まない非テンパー型のハードバター
(ii)油性菓子中にCBを高配合することができる、高いCB相溶性を有する非テンパー型のハードバター
(iii)油性菓子に常温で流通可能な耐熱性を付与できる非テンパー型のハードバター
(iv)油性菓子にブルーム耐性を付与できる非テンパー型のハードバター
発明者らの検討により、下記の条件(1)〜(3)を全て満たし、且つ、低トランス脂肪酸型である、非テンパー型のハードバター組成物によって、上記の課題を解決し得ることが明らかとなった。
(1)構成脂肪酸組成における、ステアリン酸(St)とパルミチン酸(P)との質量比(St/P)が、0.8〜1.5である。
(2)S2Uトリグリセリド(ジ飽和モノ不飽和トリグリセリド)中のSSUトリグリセリド(1,2−ジ飽和−3−モノ不飽和トリグリセリド)の含有比(SSU/S2U)が0.5〜0.8である。
(3)パーティションナンバー(PN)が50〜54のトリグリセリドの含有量が45〜60質量%である。
本発明は、本知見に基づくものである。
本発明の非テンパー型のハードバター組成物によれば、トランス型の不飽和脂肪酸、及びラウリン酸を実質的に含まないので、トランス型の不飽和脂肪酸が有する人体への健康影響の懸念や、不快なソーピーフレーバーの発生等、従来のハードバター組成物が有していた問題が解決される。
また、本発明の非テンパー型のハードバター組成物によれば、従来の非テンパー型のハードバターと比較して、油性菓子中にCBを高配合することができるので、よりカカオ風味の良好な油性菓子を得ることができる。
更に、本発明の非テンパー型のハードバター組成物によれば、CBを高配合しても、常温で流通可能な耐熱性及びブルーム耐性を油性菓子に付与できるため、得られる油性菓子の経時的な物性の変化、並びに外観の変化を抑制することができる。
以下、本発明について詳述する。
以下、本発明の非テンパー型のハードバター組成物(以下、本発明のハードバター組成物とも言う)について好ましい実施形態に基づき詳述する。
本発明において、「ラウリン酸を実質的に含まない」とは、ハードバター組成物の構成脂肪酸組成において炭素数6〜12の脂肪酸の含有量が5質量%未満、好ましくは3質量%未満であることを示すものとする。また、本発明において、「低トランス脂肪酸型である」とは、トランス型の不飽和脂肪酸を実質的に含まないことを意味し、「トランス型の不飽和脂肪酸を実質的に含まない」とは、本発明のハードバター組成物の構成脂肪酸組成においてトランス型の不飽和脂肪酸の含量が5質量%未満、好ましくは3質量%未満であることを示すものとする。更に、本発明において「常温」とは25℃を意味する。
まず、条件(1)のステアリン酸とパルミチン酸との質量比について述べる。
本発明のハードバター組成物は、構成脂肪酸組成における、パルミチン酸(P)1質量部に対するステアリン酸(St)の含有量の質量比(St/P)が0.8〜1.5であることが必要である。
St/Pが0.8未満であった場合、本発明のハードバター組成物を用いて油性菓子を調製した際に、調製した油性菓子は耐熱性が乏しくなり、ブルーム耐性が低下する。また、St/Pが1.5超であった場合、調製した油性菓子の口溶けが悪化してしまう。
本発明のハードバター組成物は、構成脂肪酸組成におけるSt/Pの値が、好ましくは0.85〜1.4であり、より好ましくは0.9〜1.3であり、最も好ましくは1.0〜1.2である。
本発明のハードバター組成物においては、ステアリン酸の含有量とパルミチン酸の含有量との和が、ハードバター組成物の構成脂肪酸組成中の飽和脂肪酸の含有量の95質量%以上であることが好ましい。
ハードバター組成物は、ラウリン酸やミリスチン酸等の、炭素数がパルミチン酸の炭素数未満の短鎖脂肪酸を多く含む場合、上述のようにソーピーフレーバーを発生し風味が損なわれやすくなる。また、アラキジン酸やベヘン酸等の、炭素数がステアリン酸の炭素数超の長鎖脂肪酸を多く含む場合、常温で流通可能な耐熱性を有する油性菓子を得ることができるが、口溶けが悪化しやすい。ハードバター組成物の構成脂肪酸組成中の飽和脂肪酸におけるステアリン酸及びパルミチン酸の含有量を95質量%以上とすることによって、風味及び口溶けが良好で、且つ、常温で流通可能な耐熱性を有するハードバター組成物を得ることができるため好ましい。
本発明のハードバター組成物は、構成脂肪酸組成中にパルミチン酸を25〜35質量%含有することが好ましく、27〜32質量%含有することがより好ましい。構成脂肪酸組成中のパルミチン酸の含有量が上記範囲外であった場合、経時的に外観や食感を損ねやすく、油性菓子中の油脂分に占めるカカオバター含有量を高めにくい場合がある。
本発明のハードバター組成物は、構成脂肪酸組成中にステアリン酸を27〜37質量%含有することが好ましく、29〜35質量%含有することがより好ましい。構成脂肪酸組成中のステアリン酸の含有量が27質量%未満である場合、ブルーム耐性や、常温流通可能な耐熱性を有する油性菓子が得られにくい。また、37質量%超であった場合、ハードバター組成物として過度に固い物性となりやすく、油性菓子に求められる口溶けを損ないやすく、また噛みだしが固くなりすぎてしまいやすい。
本発明のハードバター組成物の構成脂肪酸組成中のステアリン酸及びパルミチン酸等の脂肪酸の含有量は、例えば、「日本油化学会制定 基準油脂分析試験法2.4.2.3−2013」や「日本油化学会制定 基準油脂分析試験法2.4.4.3−2013」を参考に、キャピラリーガスクロマトグラフ法により測定することができる。
次に条件(2)について述べる。
本発明のハードバター組成物においては、S2Uトリグリセリド(ジ飽和モノ不飽和トリグリセリド)中のSSUトリグリセリド(1,2−ジ飽和−3−モノ不飽和トリグリセリド)の含有比が0.5〜0.8であることが必要である。尚、Sは飽和脂肪酸を意味し、Uは不飽和脂肪酸を意味する。
ハードバター組成物におけるS2Uトリグリセリド中のSSUトリグリセリドの含有比が上記範囲外にある場合、油性菓子の油脂分中のカカオバターの含有比率を、経日的にブルームを発生させることなく、後述の範囲まで高めることができなくなるため、本発明の課題を解決できない。
カカオバターとの相溶性を一層高める観点から、本発明のハードバター組成物においては、S2Uトリグリセリド中のSSUトリグリセリドの含有比が0.55〜0.75であることが好ましく、0.6〜0.7であることがより好ましく、0.63〜0.7であることが特に好ましい。
本発明のハードバター組成物は、常温で流通可能な耐熱性と、良好な口溶けとを両立させる観点から、S2Uトリグリセリドを50〜75質量%の範囲で含有することが好ましく、55〜70質量%の範囲で含有することがより好ましい。
更に、本発明のハードバター組成物は、常温で保管中の「汗かき」現象やブルームの発生を抑制するために、常温で保管中に漸次的に溶解しやすいSU2トリグリセリドの含有量が、17〜22質量%であることが好ましく、18〜21質量%であることがより好ましい。
SU2トリグリセリドの含有量が17質量%未満の場合、口溶けを損ねやすく、22質量%超の場合、常温で保管中に「汗かき」現象やブルームが発生しやすくなる。尚、本発明のハードバター組成物におけるU3トリグリセリドの含有量は、5質量%未満が好ましい。
本発明のハードバター組成物におけるS2Uトリグリセリド、SSUトリグリセリド及びU3トリグリセリドの含有量は、例えば、逆相HPLCで行われるトリグリセリド分子種分析により測定することが可能である。この逆相HPLCは、「日本油化学会制定 基準油脂分析試験法2.4.6.2」に則って、任意の条件で実施することができるが、例えば、次の条件で測定することが可能である。
・検出部:示差屈折検出器
・カラム:ドコシルカラム
・移動相: アセトン:アセトニトリル=65:35
・流速:1ml/min
・カラム温度:40℃
・背圧:3.8MPa
次に条件(3)について述べる。
まず、パーティションナンバー(PN)について述べる。
パーティションナンバー(PN:Partition number)とは、トリグリセリドのアシル基(所謂、脂肪酸残基)の総炭素数(TC:Total carbon number)とトリグリセリドのアシル基中の二重結合(DB:Double bond)の総箇所数から、次式より算出される値である。

[PN算出式] PN=TC−2×DB
例えば、あるトリグリセリドが、炭素数16で二重結合の数が0のパルミチン酸と、炭素数18で二重結合の数が0のステアリン酸と、炭素数18で二重結合の数が1のオレイン酸から構成される場合、そのトリグリセリドのパーティションナンバーは、50と算出される。また、例えば、あるトリグリセリドが、炭素数18で二重結合の数が1のオレイン酸と、炭素数18で二重結合の数が2のリノール酸と、炭素数18で二重結合の数が3のリノレン酸から構成される場合、そのトリグリセリドのパーティションナンバーは、42と算出される。
尚、パーティションナンバーは、逆相HPLCで行われるトリグリセリド分子種分析により分析することが可能である。この逆相HPLCは、日本油化学会制定「基準油脂分析試験法 2.4.6.2」に則って、任意の条件で実施することができ、例えば、次のような条件で測定することが可能である。
・検出部:示差屈折検出器
・カラム:ドコシルカラム
・移動相: アセトン:アセトニトリル=65:35
・流速:1ml/min
・カラム温度:40℃
・背圧:3.8MPa
本発明のハードバター組成物は、パーティションナンバー(PN)が50〜54のトリグリセリドの含有量が45〜60質量%であることで、常温流通可能な耐熱性、及びブルーム耐性を非テンパー型のハードバター組成物に付与でき、伴って得られる油性菓子の経時的な物性の変化、並びに外観の変化を抑制することができる。本発明のハードバター組成物は、パーティションナンバーが50〜54のトリグリセリドの含有量が47〜57質量%であることが好ましく、48〜55質量%であることがより好ましい。
また、適切な口溶けと硬さを両立するため、本発明のハードバター組成物は、パーティションナンバーが50〜54以外のトリグリセリドのうち、パーティションナンバーが48のトリグリセリドの含有量が20〜40質量%であることが好ましく、25〜35質量%であることがより好ましい。また、パーティションナンバーが44及び46のトリグリセリドの含有量が13質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
本発明のハードバター組成物は低トランス脂肪酸型である。低トランス脂肪酸型であることで、ココアバターとの相溶性が高く、且つブルーム現象が抑制されているにも関わらず、人体への健康影響の懸念がないハードバター組成物とすることができる。ハードバター組成物におけるトランス型の不飽和脂肪酸の含有量は、例えば、「日本油化学会制定 基準油脂分析試験法2.4.2.3−2013」や「日本油化学会制定 基準油脂分析試験法2.4.4.3−2013」を参考に、キャピラリーガスクロマトグラフ法より測定することができる。
本発明のハードバター組成物はラウリン酸を実質的に含まないことが好ましい。ラウリン酸を実質的に含まないことにより、ココアバターとの相溶性が高く、且つブルーム現象が抑制されているにも関わらず、不快なソーピーフレーバーの発生が抑制されているハードバター組成物とすることができる。
本発明のハードバター組成物は、後述する製造方法で製造された、エステル交換油脂の低融点部又は中融点部を含有することが好ましい。本発明のハードバター組成物は、上記エステル交換油脂の低融点部又は中融点部のみからなる場合がある。即ち、上記エステル交換油脂の低融点部又は中融点部を本発明のハードバター組成物として用いることができる。また、本発明のハードバター組成物は、上記エステル交換油脂の低融点部又は中融点部に加え、その他油脂を含有する場合がある。本発明のハードバター組成物が、上記エステル交換油脂の低融点部又は中融点部に加えてその他油脂を含有する場合、ハードバター組成物は上記エステル交換油脂の低融点部又は中融点部を75質量%以上含有することが好ましく、85質量%以上含有することがより好ましい。
以下、本発明のハードバター組成物の製造方法の好ましい態様について説明する。
まず、パルミチン酸とステアリン酸との含有量の和が、構成脂肪酸中の飽和脂肪酸の含有量の95質量%以上であり、且つ、パルミチン酸とステアリン酸の質量比(St/P)が1.0以上、好ましくは1.1〜1.4である油脂配合物を調製する。
上記油脂配合物を調製するために用いられる油脂としては特に制限されず、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、カカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂及びイリッペ脂等の植物油脂、牛脂、乳脂、豚脂、魚油及び鯨油等の動物油脂、並びにこれらの油脂に水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した油脂を、一種又は二種以上を混合して上記の油脂配合物とすることができる。
特に、構成脂肪酸組成中のステアリン酸含量を高め、St/Pを上記の好ましい範囲に調整し、且つ、トランス脂肪酸含量の低減、或いはその増加を抑制する観点から、極度硬化油脂を油脂配合物中に含有させることが好ましい。
尚、極度硬化油脂を用いる場合は、構成脂肪酸中にステアリン酸を60質量%以上、好ましくは70質量%以上含有する極度硬化油脂を用いることが好ましい。ステアリン酸を60質量%以上含有する極度硬化油脂としては、例えば大豆油の極度硬化油脂、菜種油の極度硬化油脂及びハイオレイックヒマワリ油の極度硬化油脂などが挙げられる。
また、極度硬化油脂を用いる場合は、トランス脂肪酸を実質的に含有させない観点から、沃素価3以下である極度硬化油脂を用いることが好ましく、沃素価1以下である極度硬化油脂を用いることがより好ましい。
次に調製された油脂配合物に対して、エステル交換を行いエステル交換油脂を得る。
エステル交換は、ランダムエステル交換反応である場合があり、位置特異的なエステル交換反応である場合があるが、ランダムエステル交換反応によるエステル交換の方が、より優れた常温流通可能な耐熱性が得られるため好ましい。
また、エステル交換は化学的触媒を用いる方法である場合があり、酵素を用いる方法である場合がある。上記化学的触媒としては、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属系触媒等が挙げられる。上記酵素としては、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、リゾープス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、ペニシリウム(Penicillium)属等に由来するリパーゼ等が挙げられる。尚、該リパーゼは、イオン交換樹脂或いはケイ藻土やセラミック等の担体に固定化して、固定化リパーゼとして用いることもできるし、粉末の形態で用いることもできる。
得られたエステル交換油脂は、パルミチン酸とステアリン酸との含有量の和が、構成脂肪酸中の飽和脂肪酸の含有量の95質量%以上であり、且つ、パーティションナンバーが50〜54のトリグリセリドの含有量が50〜70質量%であることが好ましい。エステル交換油脂におけるパーティションナンバーが50〜54のトリグリセリドの含有量が上述の範囲であると、収率良く、上記条件(1)〜(3)の全てを満たす本発明のハードバター組成物を得ることができる。エステル交換油脂はパーティションナンバーが50〜54のトリグリセリドの含有量が55〜65質量%であることがより好ましい。
次に、得られたエステル交換油脂から、低融点部又は中融点部を分取する。エステル交換油脂から、低融点部又は中融点部を分取する方法については特に制限はなく、例えば、アセトンやヘキサン等の溶剤を用いた湿式分別、界面活性剤分別、晶析等の公知の方法を用いることができる。安全性が高く、低コストで分別を行うことができ、溶剤や界面活性剤を除く工程が不要である点から、晶析を行うことが好ましい。晶析とは、融解状態の油脂を冷却結晶化して、結晶部を析出させ、これを結晶部と液状部に分離することを指す。
融解状態の油脂を冷却結晶化する方法は特に限定されるものではなく、例えば、(a)攪拌しながら冷却結晶化する方法、(b)静置下で冷却結晶化する方法、(c)攪拌しながら冷却結晶化した後、更に静置下で冷却結晶化する方法、(d)静置下で冷却結晶化した後、機械的攪拌により流動化する方法を挙げることができる。結晶部と液状部の分離が容易な結晶化スラリーを得ることができるため、方法(a)、(b)及び(d)のいずれかの方法をとる採用することが好ましく、より好ましくは(a)の方法を採用する。
結晶化温度は、結晶化スラリー中の結晶部の割合、即ち、結晶化温度での上記エステル交換油脂のSFC(固体脂含量)が、次の範囲となる温度で行うことが好ましい。
本発明においては、上記の冷却結晶化により得られる結晶化スラリー中の結晶部の割合、即ち、結晶化温度でのSFC(固体脂含量)が好ましくは10〜70%、より好ましくは30〜60%、最も好ましくは35〜55%となるように晶析を行うことが好ましい。
固体脂含量(SFC)が上記範囲外であった場合には、ハードバターとして有用な油脂成分のみを選択的に分離する際の効率が低下し、再度分別する必要が生じるおそれがあるため好ましくない。
油脂の冷却温度や時間については、エステル交換油脂のSFCが上記範囲となるような条件であればとくに限定されないが、エステル交換油脂が完全溶解した状態から、30分〜30時間かけて、30〜60℃、好ましくは35〜50℃まで冷却し、該温度で30分〜80時間、好ましくは1〜70時間保持することにより、好ましく上記範囲のSFCを満たすことができる。
加えて、本発明において晶析は、完全溶解されたエステル交換油脂のSFCが上記範囲となるまで冷却する際、急冷である場合があり、徐冷である場合あり、またはこれらを組合せて、上記範囲のSFCに調整する場合がある。得られた結晶化スラリーの結晶部と液状部の分離を容易にし、且つ、得られる液状部の収率を向上させるために、エステル交換油脂の結晶が析出する温度帯以下の温度においては徐冷することが好ましい。
尚、本発明においてエステル交換油脂を急冷する場合、その冷却速度は5℃/h以上であることが好ましく、5〜20℃/hであることがより好ましい。徐冷する場合においては、その冷却速度は0.3〜3.5℃/hであることが好ましく、0.5〜3.0℃/hであることがより好ましい。
本発明のハードバター組成物を晶析により製造する際、エステル交換油脂の結晶が析出する温度帯以下の温度においては、上記範囲の好適なSFCが得られる温度まで冷却する過程の中で、1回又は2回以上、冷却により析出した結晶の熟成工程を経ることが、収率の向上と、口溶けのよいハードバター組成物を得る観点から好ましい。
本発明における結晶の熟成工程とは、結晶をより均一なものにすると同時に更に結晶化を進めて、結晶部と液状部を濾別しやすい結晶状態とし、結果として収率を向上させる操作を指す。具体的には30〜60℃、好ましくは35〜50℃の任意の温度で、定温の状態で、30分〜80時間保持する。尚、熟成工程の回数の上限は特に制限はないが、通常5回以下、好ましくは4回以下である。
晶析を行うエステル交換油脂の組成に応じて、晶析条件は適宜調整されるが、好ましい晶析条件として、例えば完全溶解の状態から47〜50℃まで1〜2hで到達するよう急冷した後、38〜44℃で結晶化スラリーを得るまでの間に、任意の温度で1回又は2回以上の熟成工程を経る晶析条件が好ましい。尚、各熟成工程間の温度移行は徐冷により行われることが好ましい。
次に結晶部と液状部とを分離する。上述の通り、得られたエステル交換油脂の低融点部又は中融点部はそのまま本発明のハードバター組成物として用いることも可能である。尚、本発明における「低融点部」とは、分別により高融点部分を分離除去して得られた低融点画分のことを指し、「中融点部」とは、分別により高融点部分と液状画分を分離除去して得られた中融点画分のことを指す。中融点部を得る方法としては、例えば(1)分別により分画された高融点部分に対して、更に分別処理を施した際の低融点部分を中融点部として得る方法や、(2)分別により分画された低融点画分に対して、更に分別処理を施した際の高融点部分を中融点部として得る方法が挙げられる。
結晶部と液状部とを分離する方法としては自然濾過、吸引濾過、圧搾濾過、遠心分離、及びこれらを組合せて用いることができるが、分離操作を簡便に、且つ効率的に行うために、フィルタープレスやベルトプレスなどを用いた圧搾濾過を選択することが好ましい。
エステル交換油脂の結晶化時に、結晶化温度での固体脂含量が高く、高粘度の結晶化スラリーであったり、塊状に見える場合等においては、圧搾濾過時に圧力によりスラリー化するため、特に圧搾濾過が適している。
圧搾濾過によって分別を行なう場合の好ましい圧力は、0.2MPa以上、更に好ましくは0.5〜5MPaであることが好ましい。尚、圧搾時の圧力は圧搾初期から圧搾終期にかけて徐々に上昇させることが好ましく、その圧力の上昇速度は1MPa/分以下、好ましくは0.5MPa/分以下、更に好ましくは0.1MPa/分以下である。加圧速度が1MPa/分より大きいと、得られるエステル交換油脂の低融点部、又は中融点部の収率が低下する恐れがある。
本発明のハードバター組成物は、エステル交換油脂の低融点部又は中融点部のみからなる場合もあるが、上記条件(1)〜(3)を全て満たし、且つ低トランス脂肪酸型とすることができる範囲内でその他油脂を含有する場合がある。また、本発明のハードバター組成物は、本発明の効果を損ねない範囲で、乳化剤、酸化防止剤、着色料、香料等を含有する場合がある。
上記その他油脂としては、例えばパーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、カカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂及びイリッペ脂等の植物油脂、牛脂、乳脂、豚脂、魚油及び鯨油等の動物油脂、並びにこれらの油脂に水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した油脂を挙げることができる。
上記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグルセリン縮合リシノレイン酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチンが挙げられる。本発明では、乳化剤として、グリセリン脂肪酸エステルやソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチンを使用することが好ましい。本発明のハードバター組成物が乳化剤を含有する場合、その含有量はハードバター組成物100質量部に対し1〜5質量部の範囲であることが好ましく、1〜3質量部であることがより好ましい。
上記酸化防止剤としては、風味を損ねるものでなければ、限定されるものではないが、トコフェロール又は茶抽出物を使用することが好ましい。
本発明のハードバター組成物はカカオバターとの相溶性が良好なものである。具体的には、本発明のハードバター組成物とカカオバターとを含有する油性菓子は、油脂分中にカカオバターを、常温保存時のブルーム発生を抑制しながら、40質量%まで含有することができる。食味の低下を防ぎ、且つ艶のある外観を得る観点から、油性菓子におけるカカオバターの含有量は35質量%以下であることが好ましい。
本発明の非テンパー型のハードバター組成物は、チョコレート用油脂としては勿論、バタークリーム用油脂やサンドクリーム用油脂、マーガリン・ショートニング用油脂、練り込み用油脂、アイスクリームやアイスコーティング用油脂、ホイップクリーム等の水中油型乳化油脂の油相成分、フライ用油脂等に好適に使用することができる。
とりわけ、本発明の非テンパー型のハードバター組成物はカカオバターとの相溶性が高く、カカオ風味をより強く得ることができる点から、油相を連続相とする食品に用いることが好ましく、特にチョコレート類やクリーム類といった油性菓子に用いることが好ましい。
次に、本発明の油性菓子について述べる。
本発明の油性菓子は本発明のハードバター組成物を含有する。具体的には、本発明における油性菓子とは、油相を連続相とするチョコレート類やクリーム類等であって、その油相の全て、或いは一部に、本発明のハードバター組成物を用いたものを指す。
ここで、本発明のハードバター組成物を含有するチョコレート類について述べる。
本発明のチョコレート類は、上記のハードバター組成物を、チョコレート類を構成する油脂として含有させたものである。
ここで本発明のハードバター組成物は、口溶けが良好で、且つカカオバターとの相溶性が高く、常温保存下での耐熱性が良好であることから、これを使用した本発明のチョコレート類は、常温保存下における耐熱性が良好で、高いブルーム耐性を有するものとなる。また、本発明のハードバター組成物は構成脂肪酸組成中にトランス型の不飽和脂肪酸やラウリン酸を実質的に含有していないため、これを使用した本発明のチョコレート類は、トランス型の不飽和脂肪酸に起因する健康影響や、ラウリン酸に起因する風味の経時的な悪化等のないものとなる。
本発明のチョコレート類におけるハードバター組成物の使用量は、チョコレート類に含まれる油脂中、好ましくは60〜100質量%、より好ましくは65〜100質量%、更に好ましくは65〜90質量%である。
尚、本発明で言うチョコレート類とは、全国チョコレート業公正取引協議会で規定されたチョコレート、準チョコレートだけでなく、カカオマス、カカオバター、ココア等を利用した生チョコレート、ホワイトチョコレート、カラーチョコレート等の油脂加工食品も含まれるものであり、カカオマスやココアパウダー、粉乳等の各種粉末食品、油脂類、糖類、乳化剤、香料、色素等の中から選択した原料を任意の割合で混合し、常法により、ロール掛け、コンチング処理して得たものを言う。
本発明のハードバター組成物は、カカオバターとの相溶性が良好であるため、本発明のハードバター組成物を含有するチョコレートの油脂分中のカカオバターの含有量を、ブルームを発生させることなく、30質量%以上まで高めることができる。
良好な風味と食感を有し、且つブルームを発生させることなく艶のあるチョコレートを得るために、本発明のハードバター組成物を含有するチョコレート類の油脂分中、カカオバターを5〜35質量%含有させることが好ましく、10〜35質量%含有させることがより好ましく、15〜35質量%含有させることが最も好ましい。
本発明のチョコレート類は、原料の一として本発明のハードバター組成物を使用する以外は、チョコレート類の種類等に応じた通常の製法によって製造することができる。
ここで、本発明のハードバター組成物を使用したクリーム類について述べる。
本発明のクリーム類は、本発明のハードバター組成物を、バタークリームやシュガークリームといった、油相を連続相とするクリーム類において、その油相の一部又は全部に使用したものである。
ここで、本発明のハードバター組成物は、上述したように、カカオバターとの相溶性が良好であることから、これを使用した本発明のクリーム類が、カカオバターを多く含有するクリーム類であっても、経日的なグレーニングの発生が抑制されたものとなり、保存性の高められたクリーム類を得ることができる。
また、本発明のクリーム類におけるハードバター組成物の使用量は、クリーム類に含まれる油脂中、好ましくは20〜100質量%、より好ましくは30〜70質量%である。
本発明のハードバター組成物は、カカオバターとの相溶性が良好であるため、本発明のハードバター組成物を含有するクリーム類の油脂分中のカカオバターの含有量を、ブルームを発生させることなく、30質量%以上まで高めることができる。
また、本発明のクリーム類がカカオバターを含有する場合、良好な風味と食感を得るために、カカオバターをクリーム類に含まれる油脂中、5〜35質量%含有させることが好ましく、10〜35質量%含有させることがより好ましい。
本発明のクリーム類は、原料として本発明のハードバター組成物を使用する以外は、クリーム類の種類等に応じた通常の製法によって製造することができる。
以下、本発明を実施例を基に詳述する。尚、本発明は実施例に限定されない。
[実施例1]
パーム油32質量部、大豆油に沃素価が1以下となるまで水素添加を行った大豆極度硬化油45質量部、パーム分別硬部油23質量部からなる油脂配合物Aをナトリウムメトキシドを触媒としてランダムエステル交換反応を行い、常法により精製して、エステル交換油脂Aを得た。
油脂配合物Aの構成脂肪酸組成において、パルミチン酸の含量は33.4質量%、ステアリン酸の含量は41.9質量%、St/Pが1.2であった。
また、ステアリン酸の含有量とパルミチン酸の含有量との和は、油脂配合物Aの構成脂肪酸組成中の飽和脂肪酸の含有量の98.3質量%であった。
また、大豆極度硬化油の構成脂肪酸中のステアリン酸の含量は89質量%であった。
また、エステル交換油脂Aにおけるパーティションナンバーが50〜54のトリグリセリドの含有量は61.7質量%であった。
次に、得られたエステル交換油脂Aを加熱し完全に溶解した状態で、ジャケット付ガラス製晶析槽に投入し、40rpmで撹拌しながら、油脂温度が48℃となるまで15℃/hで急冷し、油脂温度が48℃、44℃、42℃の各温度でそれぞれ4時間の熟成工程を経て、結晶化スラリーを得た。尚、48℃から44℃への温度移行は2℃/hでの徐冷により行い、44℃から42℃への温度移行は1℃/hでの徐冷により行った。
この結晶化スラリーを濾過分別し、高融点部を除去し、得られた低融点部を常法により精製したものを、ハードバター組成物Aとした。
得られたハードバター組成物Aは、その構成脂肪酸組成中におけるパルミチン酸の含量が29.6質量%、ステアリン酸の含量が32.3質量%、St/Pが1.1、S2Uトリグリセリド中のSSUトリグリセリドの含有比(SSU/S2U)は0.67、パーティションナンバーが50〜54のトリグリセリドの含有量が53.4質量%であった。また、ハードバター組成物Aは、SU2トリグリセリドの含有量が19.4質量%であり、パーティションナンバーが48のトリグリセリドの含有量が30.0質量%であり、パーティションナンバーが44及び46のトリグリセリドの含有量が9.5質量%であった。
また、ハードバター組成物Aは、ステアリン酸の含有量とパルミチン酸の含有量の和が、ハードバター組成物の構成脂肪酸組成中の飽和脂肪酸の含有量の97.9質量%であった。
また、ハードバター組成物Aは、構成脂肪酸中のトランス型の不飽和脂肪酸含量が0.7質量%、炭素数6〜12の脂肪酸含量が0.2質量%であった。すなわち、ハードバター組成物Aは低トランス脂肪酸型であり、且つ、実質的にラウリン酸を含有しないハードバター組成物であった。
[実施例2]
パーム油65質量部と、大豆油に沃素価が1以下となるまで水素添加を行った大豆極度硬化油35質量部からなる油脂配合物Bを、ナトリウムメトキシドを触媒としてランダムエステル交換反応を行い、常法により精製して、エステル交換油脂Bを得た。
油脂配合物Bの構成脂肪酸組成において、パルミチン酸の含量は26.8質量%、ステアリン酸の含量は25.7質量%、St/Pが0.96であった。
また、ステアリン酸の含有量とパルミチン酸の含有量との和は、油脂配合物Bの構成脂肪酸組成中の飽和脂肪酸の含有量の97.9質量%であった。
また、大豆極度硬化油の構成脂肪酸中のステアリン酸の含量は89質量%であった。
また、エステル交換油脂Aにおけるパーティションナンバーが50〜54のトリグリセリドの含有量は58.8質量%であった。
次に、得られたエステル交換油脂Aを加熱し完全に溶解した状態で、ジャケット付ガラス製晶析槽に投入し、40rpmで撹拌しながら、油脂温度が46℃となるまで7℃/hで急冷し、油脂温度が46℃で3時間、40℃で16時間の熟成工程を経て、結晶化スラリーを得て、濾過分別を行い低融点部を得た。この際、46℃から40℃への温度移行は1.5℃/hでの徐冷により行った。
得られた低融点部を再度加熱溶解し、油脂温度が35℃となるまで12.5℃/hで冷却し、35℃で44時間の熟成工程を経た後、高融点部を除去し、得られた低融点部を常法により精製したものを、ハードバター組成物Bとした。
得られたハードバター組成物Bは、その構成脂肪酸組成中におけるパルミチン酸の含量が26.8質量%、ステアリン酸の含量が25.7質量%、St/Pが1.0、S2Uトリグリセリド中のSSUトリグリセリドの含有比(SSU/S2U)は0.67、パーティションナンバーが50〜54のトリグリセリドの含有量が46.8質量%であった。
また、ハードバター組成物Bは、SU2トリグリセリドの含有量が29.8質量%であり、パーティションナンバーが48のトリグリセリドの含有量が36.3質量%であり、パーティションナンバーが44及び46のトリグリセリドの含有量が11.2質量%であった。
また、ハードバター組成物Bは、ステアリン酸の含有量とパルミチン酸の含有量の和が、ハードバター組成物の構成脂肪酸組成中の飽和脂肪酸の含有量の97.4質量%であった。
また、ハードバター組成物Aは、構成脂肪酸中のトランス型の不飽和脂肪酸含量が0.8質量%、炭素数6〜12の脂肪酸含量が0.2質量%であった。すなわち、ハードバター組成物Bは低トランス脂肪酸型であり、且つ、実質的にラウリン酸を含有しないハードバター組成物であった。
[比較例1]
パーム分別硬部油75質量部、パーム油に沃素価が1以下となるまで水素添加を行ったパーム極度硬化油25質量部からなる油脂配合物Cを、ナトリウムメトキシドを触媒としてランダムエステル交換反応を行い、常法により精製してエステル交換油脂Cを得た。
油脂配合物Cの構成脂肪酸組成において、パルミチン酸の含量は57.1質量%、ステアリン酸の含量は17.3質量%、St/Pが0.3であった。
また、ステアリン酸の含有量とパルミチン酸の含有量との和は、油脂配合物Cの構成脂肪酸組成中の飽和脂肪酸の含有量の97.5質量%であった。
またパーム極度硬化油の構成脂肪酸中のステアリン酸の含量は53質量%であった。
また、エステル交換油脂Cの、パーティションナンバーが50〜54のトリグリセリドの含有量は24.8質量%であった。
このエステル交換油脂Cを加熱し完全に溶解した状態で、ジャケット付ガラス製晶析槽に投入し、40rpmで撹拌しながら、油脂温度が48℃となるまで15℃/hで急冷し、油脂温度が48℃、44℃、42℃の各温度でそれぞれ4時間の熟成工程を経て、結晶化スラリーを得た。尚、48℃から44℃への温度移行は2℃/hでの徐冷により行い、44℃から42℃への温度移行は1℃/hでの徐冷により行った。
この結晶化スラリーを濾過分別し、高融点部を除去し、得られた低融点部を常法により精製したものを、ハードバター組成物Cとした。
ハードバター組成物Cは、その構成脂肪酸組成中におけるパルミチン酸の含量が47.7質量%、ステアリン酸の含量が13.4質量%、St/Pが0.3、S2Uトリグリセリド中のSSUトリグリセリドの含有比(SSU/S2U)は0.67、パーティションナンバーが50〜54のトリグリセリドの含有量が24.8質量%であった。また、ハードバター組成物Cは、SU2トリグリセリドの含有量が17.3質量%であり、パーティションナンバーが48のトリグリセリドの含有量が49.8質量%であり、パーティションナンバーが44及び46のトリグリセリドの含有量が16.7質量%であった。
また、ステアリン酸の含有量とパルミチン酸の含有量の和は、ハードバター組成物の構成脂肪酸組成中の飽和脂肪酸の含有量の97.4質量%であった。
また、ハードバター組成物Cは、構成脂肪酸中のトランス型の不飽和脂肪酸含量が0.7質量%、炭素数6〜12の脂肪酸含量が0.3質量%であった。すなわち、ハードバター組成物Cは低トランス脂肪酸型であり、且つ、実質的にラウリン酸を含有しないハードバター組成物であった。
[比較例2]
パーム油55質量部とパーム極度硬化油45質量部からなる油脂配合物Dを、ナトリウムメトキシドを触媒としてランダムエステル交換反応を行い、常法により精製してエステル交換油脂Dを得た。
油脂配合物Dの構成脂肪酸組成において、パルミチン酸の含量は46.7質量%、ステアリン酸の含量は25.8質量%、飽和脂肪酸中に占めるパルミチン酸とステアリン酸の和の比率は98.2質量%、St/Pは0.6であった。
また、ステアリン酸の含有量とパルミチン酸の含有量の和は、油脂配合物Dの構成脂肪酸組成中の飽和脂肪酸の含有量の98.2質量%であった。
またパーム極度硬化油の構成脂肪酸中のステアリン酸の含量は53質量%であった。
また、エステル交換油脂Dの、パーティションナンバーが50〜54のトリグリセリドの含有量は36.9質量%であった。
このエステル交換油脂Dを加熱し完全に溶解した状態(70℃)で、ジャケット付ガラス製晶析槽に投入し、40rpmで撹拌しながら、油脂温度が45℃となるまで8.3℃/hで急冷し、油脂温度が45℃で3時間の熟成工程を経て、39.5℃で結晶化スラリーを得た。尚、45℃から39.5℃への温度移行は1℃/hでの徐冷により行った。
この結晶化スラリーを濾過分別し、高融点部を除去し、得られた低融点部を常法により精製したものを、ハードバター組成物Dとした。
尚、上記のようにして得られたハードバター組成物Dは、その構成脂肪酸組成中におけるパルミチン酸の含量が39.5質量%、ステアリン酸の含量が19.5質量%、St/Pが0.5、S2Uトリグリセリド中のSSUトリグリセリドの含有比(SSU/S2U)は0.67、パーティションナンバーが50〜54のトリグリセリドの含有量が36.9質量%であった。また、ハードバター組成物Dは、SU2トリグリセリドの含有量が22.7質量%であり、パーティションナンバーが48のトリグリセリドの含有量が41.3質量%であり、パーティションナンバーが44及び46のトリグリセリドの含有量が14.4質量%であった。
また、ステアリン酸の含有量とパルミチン酸の含有量の和は、ハードバター組成物の構成脂肪酸組成中の飽和脂肪酸の含有量の97.5質量%であった。
また、ハードバター組成物Dは、構成脂肪酸中のトランス型の不飽和脂肪酸含量が0.5質量%、炭素数6〜12の脂肪酸含量が0.2質量%であった。すなわち、ハードバター組成物Dは低トランス脂肪酸型であり、且つ、実質的にラウリン酸を含有しないハードバター組成物であった。
≪評価:チョコレート≫
得られたハードバター組成物A〜Dを用いて、下表[配合表:チョコレート]に則って下記手順で、油脂分中のカカオバターの配合量が異なるチョコレート(検討1〜6)を作成した。
<非テンパー型の型チョコレートの製法>
ハードバター組成物A〜Dのいずれか、カカオバター及びカカオマスを55℃に加温して溶解し、ココアパウダー、粉糖及びレシチンを添加し練り合わせてペースト状とし、ロール掛けした後、コンチングして、非テンパー型のチョコレート生地を得た。このチョコレート生地を型に注入し、5℃で12時間冷却・固化させ、非テンパー型の型チョコレートを調製した。
尚、カカオマス中の油脂分は55質量%であり、ココアパウダー中の油脂分は11質量%であり、これら油脂はカカオバターであった。
調製したチョコレートを使用して、[評価:経日ブルーム試験]、[評価:口溶け試験]の2種の評価を実施した。尚、[評価:口溶け試験]については下記評価基準に則って調製されたチョコレートの官能評価を行い、[評価:経日ブルーム試験]については下記手順に従い行った。
評価結果については、それぞれ表2〜4に示す。
<[評価:口溶け試験] 評価基準>
◎+:極めて良好な口溶けである。
◎:良好である。
○:喫食後、やや遅れて口溶けが得られる。
△:不良である。
×:ワキシー感が口中に感ぜられ、極めて不良である。
<[評価:経日ブルーム試験] 評価方法>
上記手法で調製されたチョコレートを15℃、及び25℃(常温)の恒温槽で、調製日より90日間、静置保管し、その後、下記評価基準に従って、目視によるブルーム評価を行った。
<ブルームの評価基準>
−:チョコレートの表面にブルームが見られず、ツヤがある
±:チョコレートの表面にブルームは見られないが、ツヤがない
+:チョコレートの表面に一部にブルームが見られる
++:チョコレートの表面に激しいブルームが見られる
まず、[評価:口溶け試験]の評価結果について述べる。
用いたハードバター組成物の種類に関わらず、チョコレート中の油脂分に占めるカカオバター含有量が増加するにつれて、口溶けが改良され、カカオ風味が増強される傾向が確認された。
一方、比較例1で調製したハードバター組成物Cでは、チョコレートを構成する油脂組成中のカカオバター含有量が低い領域において、他2種のハードバター組成物と比較し、口溶けが劣る結果となった。
次に、[評価:経日ブルーム試験]の評価結果について述べる。
比較例1で調製したハードバター組成物Cでは、チョコレートを構成する油脂組成中のカカオバター含有量に関わらず、又、保管温度に関わらず、ブルームが確認された。
実施例1で調製したハードバター組成物A、実施例2で調製したハードバター組成物B及び比較例2で調製したハードバター組成物Dの双方で、チョコレートを構成する油脂組成中のカカオバター含有量を20質量%まで高めても、経日的なブルームの発生は起こらないことが確認されたが、ハードバター組成物Dを用いた場合では、常温(25℃)保存下において、該油脂組成中のカカオバター含有量を20質量%とした際には、ブルームの発生は抑制されていたがチョコレートの表面からツヤが失われ、更にカカオバター含有量を高めた場合にはブルームの発生が確認された。
油脂組成中のカカオバター含有量を更に高めると、比較例2のハードバター組成物Dではブルームが生じる一方、実施例1のハードバター組成物A及び実施例2のハードバター組成物Bを用いたチョコレートでは、該油脂組成中のカカオバター含有量を40質量%まで高めると、保管温度を問わず、チョコレートの表面からツヤが失われていたが、ブルームの発生は抑えられた。
実施例1のハードバター組成物A及び実施例2のハードバター組成物Bを用いたチョコレートは、油脂組成中のカカオバター含有量が35質量%までは、15℃保管条件下、及び25℃保管条件下のいずれにおいてもブルームが発生せず、又、ツヤも失われず、好ましい外観を有するチョコレートを得ることができた。
これらの詳細な機序については不明だが、従前知られたハードバターと比較して、本発明のハードバター組成物の構成脂肪酸組成中のステアリン酸含量がパルミチン酸含量に比して一定の範囲で高くなることでカカオバターとの相溶性が向上するものと推測されること、及び、パーティションナンバー50〜54のトリグリセリドを増加させることによりシーディングの効果が発現し得られているものと推測され、その結果として常温保存下であっても、ブルームが発生しにくくなっているものと推測される。
したがって、従前知られた非テンパー型のハードバター組成物よりも、ステアリン酸含量の含有比率が一定範囲で高められた本発明のハードバター組成物は、カカオバターとの相溶性に非常に優れている。
そのため、本発明のハードバター組成物を用いた油性菓子の、油分中のカカオバターの含量を30質量%以上に高めても、従来のハードバター組成物を用いた場合とは全く異なり、経時的なブルームの発生を抑制することが可能である。
また、本発明のハードバター組成物を用いることで、従来のハードバター同様に口溶けが良好でありながら、且つ常温流通可能な耐熱性を有する油性菓子を調製することが可能である。

Claims (4)

  1. 下記条件(1)〜(3)を全て満たし、且つ、低トランス脂肪酸型である、非テンパー型のハードバター組成物。
    (1)構成脂肪酸組成における、ステアリン酸(St)とパルミチン酸(P)との質量比(St/P)が、0.8〜1.5である。
    (2)S2Uトリグリセリド(ジ飽和モノ不飽和トリグリセリド)中のSSUトリグリセリド(1,2−ジ飽和−3−モノ不飽和トリグリセリド)の含有比(SSU/S2U)が0.5〜0.8である。
    (3)パーティションナンバー(PN)が50〜54のトリグリセリドの含有量が45〜60質量%である。
    (Sは飽和脂肪酸を表し、Uは不飽和脂肪酸を表す。)
  2. パルミチン酸とステアリン酸との含有量の和が構成脂肪酸中の飽和脂肪酸の含有量の95質量%以上であり、且つ、パーティションナンバーが50〜54のトリグリセリドの含有量が50〜70質量%であるエステル交換油脂から、低融点部又は中融点部を分取する、非テンパー型のハードバター組成物の製造方法。
  3. 上記低融点部又は上記中融点部の分取が晶析によるものであり、該晶析の過程で析出した結晶の熟成工程を経る、請求項2記載の非テンパー型のハードバター組成物の製造方法。
  4. 請求項1記載の非テンパー型のハードバター組成物を含油する油性菓子。
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