JPH0427813B2 - - Google Patents

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JPH0427813B2
JPH0427813B2 JP60095167A JP9516785A JPH0427813B2 JP H0427813 B2 JPH0427813 B2 JP H0427813B2 JP 60095167 A JP60095167 A JP 60095167A JP 9516785 A JP9516785 A JP 9516785A JP H0427813 B2 JPH0427813 B2 JP H0427813B2
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JP
Japan
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melting point
oil
hard butter
stabilization
parts
Prior art date
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JP60095167A
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English (en)
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JPS61254143A (ja
Inventor
Juichi Maeda
Nobuo Sagi
Yoshitaka Ebihara
Hiroyuki Mori
Hitoshi Taniguchi
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Fuji Oil Co Ltd
Original Assignee
Fuji Oil Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Oil Co Ltd filed Critical Fuji Oil Co Ltd
Priority to JP60095167A priority Critical patent/JPS61254143A/ja
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  • Edible Oils And Fats (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業技術分野) 本発明はハードバターの品質改良方法に関し、
詳しくは従来のハードバターに液状の油溶性物質
を添加することによつて、該ハードバターのテン
パリング性を改善し得る方法を提供するものであ
る。 (発明の背景) 従来より、POP(2−オレオ−1,3−ジパル
ミチン)、POS(2−オレオ−パルミト−ステア
リン)又はSOS(2−オレオ−1,3−ジステア
リン)成分に富むハードバター原料油脂として、
パーム油、シア脂、サル脂、マンゴ核油、コクム
脂、イリツペ脂等各種の油脂が知られているが、
これらの油脂は必要に応じて適宜溶剤分別等の手
段によりPOP,POS,SOS成分に富むグリセリ
ド成分が分画濃縮され、ハードバターとして使用
されている。 このようなハードバターは、チヨコレートの製
造に際してテンパリング処理が可及的速やかに完
了し得る性状を有すること、即ちテンパリング性
の良好な性状を有することが重要な要件の一つで
ある。本発明者らは、ハードバターを急冷固化し
たとき安定な結晶型に転移する速度、即ち安定化
速度が速ければ速い程、テンパリング性が良好で
あるということを経験的に知り、このような安定
化速度は苛酷な条件下で安定化させたときの融点
を測定することによつて判断することができると
いう事実を見い出した。即ち、通常ハードバター
は急冷固化後約25℃で一週間安定化することによ
つて不安定な結晶型が略安定な結晶型に転移する
ので、ハードバターの融点はかかる安定化処理を
施した後測定されるが、安定化速度の速いものは
25℃で24時間という短時間で安定化した場合で
も、上記する25℃一週間安定化後測定した融点の
値と略同じ値を示すのに対し、安定化速度の遅い
ものは著しく低い値を示す。このような融点測定
値の低下は、安定化温度による影響も大きく、例
えば20℃24時間安定化後測定した融点測定値は25
℃24時間安定化後測定した場合よりさらに低い値
を示す。以下、本発明では25℃7間安定化後測定
した融点の値に対して、低温短時間安定化後の融
点測定値が低下することを、不安定融点現象と呼
ぶことにする。また、特に断りのない限り明細書
中に示された融点は25℃7日間安定化後測定した
値であることを意味する。 (従来技術及び本発明の解決課題;目的) 本発明者らは、2−不飽和−1,3−ジ飽和ト
リグリセリド成分に富むハードバター画分を単独
若しくは2種以上及び又はカカオ脂と混合したと
き、テンパリング性が悪化する場合があることを
しばしば経験している。このような場合、混合油
脂の不安定融点現象は著しく、例えば以下の実施
例で示すように、シア脂、サル脂、マンゴ核油を
経済的に成り立つ程度に分別して得た各ステアリ
ンに、融点33.0℃,沃素価33.6のパーム油中融点
画分を混合した油脂は著しい不安定融点を示し
た。以下にその実施例を示す。なお、各原料油脂
及びステアリンの脂肪酸組成及び融点は以下のと
おりである。
【表】
【表】 以上の如く、何れのステアリンもこれをパーム
油中融点画分と混合すると、混合油脂は著しい不
安定融点を示した。このような不安定融点現象を
生ずることが、チヨコレート製造時のテンパリン
グ処理可能な温度幅を狭くしたり、或いは型離れ
に不満足な結果を与えたりする原因の一つになつ
ている。 (課題解決手段;構成) 本発明者らは、2種以上のハードバターを混合
しても不安定融点現象の極めて少ない、テンパリ
ング性等の品質に優れたハードバターを得るべく
研究する過程において、偶然にもサラダ油をシア
ステアリングとパーム油中融点画分との混合油脂
に添加したところ、不安定融点現象を著しく改善
し得るという事実を知見した。本発明はかかる知
見に基づいて完成されたものである。 即ち本発明は、2−不飽和−1,3−ジ飽和ト
リグリセリド成分に富むハードバターに、25℃以
下で液状である油溶性物質を添加することを骨子
とする、上記ハードバターの品質改良方法、であ
る。 以下、本発明について詳述する。 本発明において対象とするハードバターは、天
然及び又は合成油脂から調製される沃素価40以下
好ましくは37以下の油脂であつて、その主要トリ
グリセリド成分がPOP,POS,SOSの如き2−
不飽和−1,3−ジ飽和トリグリセリド成分であ
る。上記トリグリセリド成分の純度が高いハード
バター程結晶転移が遅く、テンパリング処理が行
い難い。これらのハードバターに添加する。25℃
以下で液状である油溶性物質とは、例えば大豆
油、菜種油、サフラワー油、コーン油、綿実油、
ヒマワリ油、オリー油等の常温で液状の食用油脂
が代表的に例示できる。その他、パームオレイン
等各種の分画軟質油特に、SOO,POO等1−飽
和−2,3−ジ不飽和トリグリセリド成分に富む
分画油も利用できるが、大体融点が15℃以下の油
脂であるのがよい。さらに、アルコール類等食用
に適する液状物質も利用できるが、なるべくなら
保存中に蒸発,逸散するような物質の使用は避け
る方がよい。これらの油溶性物質は、ハードバタ
ー全体に対して0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜
5重量%となるように添加する。添加量が下限未
満であれば効果は得られ難く、逆に上限を越えて
添加すると融点が低下し、チヨコレートにした場
合耐熱性が低下するので好ましくない。なお、上
記の常温で液状の食用油脂等、融点の低い油溶性
物質を使用する場合は、少量の添加で有効である
が、融点が高くなるに従つて添加量を増やすのが
良い。 (効果) 以上の如く、本発明は25℃以下で液状である油
溶性物質を従来汎用されているパーム油、シア
脂、サル脂、マンゴ核油、コクム脂、イリツペ脂
等の2−不飽和−1,3−ジ飽和トリグリセリド
成分に富む沃素価の低いハードバターに混合する
ことによつて、該ハードバターの不安定融点現象
を改善せしめ、チヨコレート製造時テンパリング
処理の温度条件幅を広げ、且つ型離れの良好なハ
ードバターに改良し得るという効果を有するので
ある。加えて、本発明におけるハードバターを使
用して製造したチヨコレートは、著しく艷が良好
になるという効果も有する。 (実施例) 以下に本発明の実施例、比較例を例示して本発
明の効果をより一層明瞭にする。但し、これは例
示であつて本発明の精神がこれらの例示に限定さ
れるものでないことは云うまでもない。 実施例 1 沃素価33.4、融点33.1℃のパーム油中融点画分
50部と沃素価35.2、融点39.6℃のシアステアリン
50部との混合油脂に沃素価118.2のナタネ油3部
を加えて、通常の方法で脱色,脱臭し精製した。
かくして得た油脂の20℃24時間安定化後の融点は
33.1℃であつて、25℃7日間安定化後の融点33.4
℃と殆ど差異がなかつた。次にこれを用いて常法
に従いチヨコレートを製造した。なお、チヨコレ
ート配合は以下の通りである。 チヨコレート配合 カカオマス 15.0部 粉 糖 40.5部 全脂粉乳 20.0部 ハードバター 24.0部 レシチン 0.5部 香 料 0.04部 このチヨコレートをテンパリング処理したとこ
ろ、テンパリング作業温度域(チヨコレート冷却
最下点範囲)は24.4〜26.3℃であり、型に流した
ときの剥離時間は4分であつた。また、得られた
チヨコレートの艷は以下の比較例で得られたチヨ
コレートに比べ艷が非常に良好であつた。 比較例 1 実施例例1において、ナタネ油を加えず同様に
精製した。得られた油脂の20℃24時間安定化後の
融点は28.0℃で、25℃7日間安定化後の融点は
33.5℃で5.5℃低く、不安定融点現象が見られた。 実施例1の場合と同様な配合でチヨコレートを
製造したところ、テンパリング作業温度域は25.0
℃〜26.0℃であり、型に流したときの剥離時間は
5.5分であつた。 実施例 2 沃素価33.4、融点33.1℃のパーム油中融点画分
35部と沃素価33.6、融点40.3℃のサルステアリン
55部との混合油脂に沃素価86.1のオリーブ油10部
を加えて、通常の方法で脱色,脱臭し精製した。
かくして得た油脂の20℃24時間安定化後の融点は
33.3℃(25℃7日間安定化後の融点34.1℃)であ
つた。次にこれを用いて常法に従いチヨコレート
を製造した。なお、チヨコレート配合は以下の通
りである。 チヨコレート配合 カカオマス 15.0部 粉 糖 44.5部 全脂粉乳 20.0部 ハードバター 20.0部 レシチン 0.4部 香 料 0.04部 このチヨコレートをテンパリング処理したとこ
ろ、テンパリング作業温度域(チヨコレート冷却
最下点範囲)は24.5〜26.2℃であり、型に流した
ときの剥離時間は3.5分であつた。加えてチヨコ
レートの艷は頗る良好であつた。 比較例 2 実施例2において、オリーブ油を加えず同様に
精製した。得られた油脂の20℃24時間安定化後の
融点は27.9℃で、25℃7日間安定化後の融点は
34.3℃で6.4℃低く、不安定融点現象が見られた。
実施例2の場合と同様な配合でチヨコレートを製
造したところ、テンパリング作業温度域は25.1℃
〜26.1℃であり、型に流したときの剥離時間は6
分であつた。 実施例 3 沃素価35.7、融点39.8℃のマンゴステアリン75
部に沃素価132.3の大豆油25部を加えて、通常の
方法で脱色,脱臭し精製した。かくして得た油脂
の25℃24時間安定化後の融点は38.6℃であつて、
25℃7日間安定化後の融点38.9℃と殆ど差異がな
かつた。次にこれを用いて常法に従いチヨコレー
トを製造した。なお、チヨコレート配合は以下の
通りである。 チヨコレート配合 カカオマス 15.0部 粉 糖 44.5部 全脂粉乳 20.0部 ハードバター 20.0部 レシチン 0.4部 香 料 0.04部 このチヨコレートをテンパリング処理したとこ
ろ、テンパリング作業温度域(チヨコレート冷却
最下点範囲)は25.2〜27.0℃であり、型に流した
ときの剥離時間は5分であつた。このチヨコレー
トも艷は極めて良好であつた。 比較例 3 実施例3において、大豆油を加えず同様に精製
した。得られた油脂の25℃24時間安定化後の融点
は35.1℃で、25℃7日間安定化後の融点は39.8℃
で4.7℃低く、不安定融点現象が見られた。 実施例3の場合と同様な配合でチヨコレートを
製造したところ、テンパリング作業温度域は26.0
℃〜26.9℃であり、型に流したときの剥離時間は
6分であつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 2−不飽和−1,3−ジ飽和トリグリセリド
    成分に富むハードバターに、25℃以下で液状であ
    る油溶性物質を添加することを特徴とする、上記
    ハードバターの品質改良方法。 2 2−不飽和−1,3−ジ飽和トリグリセリド
    成分に富むハードバターの沃素価が40以下であ
    る、特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 25℃以下で液状である油溶性物質をハードバ
    ター全体に対して0.1〜30重量%、好ましくは0.5
    〜5重量%となるように添加する、特許請求の範
    囲第1項又は第2項に記載の方法。 4 25℃以下で液状である油溶性物質が、融点15
    ℃以下の油脂である、特許請求の範囲第1項乃至
    第3項の何れかに記載の方法。
JP60095167A 1985-05-02 1985-05-02 ハ−ドバタ−の品質改良方法 Granted JPS61254143A (ja)

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JPS61254143A JPS61254143A (ja) 1986-11-11
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