JPH0638740B2 - フィリング材の製造法 - Google Patents

フィリング材の製造法

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JPH0638740B2
JPH0638740B2 JP1311786A JP31178689A JPH0638740B2 JP H0638740 B2 JPH0638740 B2 JP H0638740B2 JP 1311786 A JP1311786 A JP 1311786A JP 31178689 A JP31178689 A JP 31178689A JP H0638740 B2 JPH0638740 B2 JP H0638740B2
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洋一 田代
典子 神野
善隆 海老原
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Fuji Oil Co Ltd
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Fuji Oil Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、口溶けが良くて冷感が有り、しかも作業性
および安定性に優れたフィリング材の製造法に関する。
(従来の技術) 従来、パンやビスケットあるいはクッキー等にサンドク
リームあるいはセンタークリームとして使用されている
フィリング材は、油脂成分と水性成分とを乳化した乳化
油脂が主体であるが、油脂成分と糖分とを混合した水性
成分を含まない油脂組成物もフィリング材として使用さ
れている。この油脂組成物は、水性成分との乳化物であ
る乳化油脂に比べて口溶けは劣るが日持ちは良い。従っ
て、日持ちの点を重視する場合には水性成分を含まない
油脂組成物の使用が好ましいが、かかる油脂組成物の製
造に際し最近では口溶けの点を考慮して、従来使用して
来たマーガリンやショートニングの如き可塑性油脂の代
わりに、ハードバターの如き融解性状のシャープな油脂
が使用されるようになって来た。
従来より、シア脂、パーム油、サル脂、マンゴー核油、
イリッペ脂、モーラ脂等の植物性油脂を分別処理し単独
若しくは混合して得られるハードバターは、その主要な
トリグリセリド成分が2−オレオ−1(又は3)−パル
ミト−3(又は1)−ステアリン(以下、POSt)と
略すことがある)あるいは2−オレオ−1,3−ジステ
アリン(以下、StOStと略すことがある)を主体と
するトリグリセリドである。このようなハードバターを
使用してフィリング材を製造した場合、テンパリング処
理を行わないと経日的にフィリング材の組織が粗大化す
る、所謂グレイニング現象を生じ、商品価値を著しく低
下させるという欠点を有する。また、このようなPOS
tまたはStOSt成分を主要グリセリドとするハード
バターは、自体常温で硬いためこれを用いて製造したフ
ィリング材は作業性が悪いという欠点を有する。
(発明が解決しようとする課題) 以上のような点から、油脂分として口溶けのよいハード
バター成分を使用した上でテンパリング処理を省略して
製造しても経日的にグレイニング現象を生ずることなく
長期間にわたり安定した状態が維持できるような、且つ
常温で比較的軟らかく作業性に優れるフィリング材の開
発が市場において強く要望されている。
この発明は、如上の如き要望に応えたフィリング材の製
造法に関するものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、如上の点に鑑み、油脂分としてハードバ
ター成分を含有した口溶けおよび作業性に優れたフィリ
ング材を製造すべく鋭意研究した結果、トリグリセリド
組成が2−オレオ−1,3−ジベヘン(以下、BOB成
分と略すことがある)を含む油脂を添加したとき、テン
パリング処理をしなくてもグレイニング現象を生じない
良好なフィリング材が製造できるとの知見を得た。
この発明は以上の知見に基づいて完成されたものであっ
て、フィリング材を製造するに際し、油脂分として全グ
リセリド成分に対し2−オレオ−1,3−ジパルミチン
を20重量%以上含む2−不飽和−1,3−ジ飽和トリ
グリセリドを55重量%以上含有し且つ2−オレオ−
1,3−ジベヘンを1〜8重量%含有して成る油脂と糖
類とを混合した後、当該混合物の品温が30〜35℃に
なった時点で10℃以下の冷温度域下に急冷することを
特徴とするフィリング材の製造法、である。
フィリング材中における油脂は、そのトリグリセリド成
分が、該油脂成分中に2−オレオ−1,3−ジパルミチ
ン(以下、POP成分と略すことがある)を20重量%
以上含む、2−不飽和−1,3−ジ飽和トリグリセリド
(以下、SUS成分と略すことがある)を55重量%以
上含有する。油脂成分中、SUS成分が55重量%未満
では口溶けの良好なフィリング材を得難い。また、PO
P成分が20重量%未満ではフィリング材自体が硬過ぎ
て作業性が良くないか、あるいは口溶けおよび冷感が得
られない。また、BOB成分は1〜8重量%含有する必
要があり、下限未満ではテンパリング処理を省略したと
きの効果が弱く、且つ保存安定性が得られない。逆に上
限を越えて添加すると、BOB成分自体融点が高いた
め、フィリング材自体の口溶けを悪化させる。特に、こ
の発明においてはBOB成分である対称型のトリグリセ
リド成分が有効であって、非対称型の例えば、1,2−
ジベヘン−3−オレイン(以下、BBO成分と略すこと
がある)では効果が得られない。
以上のような油脂成分を含有した油脂は、その融点が2
0℃〜32℃であるのが良い。20℃未満であればフィ
リング材として軟らか過ぎて作業性が悪く、逆に32℃
を越えても硬過ぎて作業性が悪く、また口溶けが悪化す
る傾向にあるので好ましくない。
この発明において、POP成分はパーム油を分別処理し
て得られる中融点画分を好適に用いることができ、該画
分はPOP成分を40〜70%程度含む。また、BOB
成分は、該成分を含む天然油脂あるいは酵素による選択
的エステル交換反応油脂からの分画油もしくは他の単離
技術または化学的合成手段により得られ、就中、酵素に
よる選択的エステル交換反応油脂を利用すると容易に調
製できる。即ち、トリグリセリド中の2の位置にオレイ
ン酸が結合する油脂と遊離のベヘン酸またはそのエステ
ルあるいはトリグリセリド中に多量のベヘン酸が結合す
る油脂とを、グリセリドの1,3位に位置選択的に作用
するリパーゼの存在下でエステル交換することによって
得られ、例えば特開昭55−71797号、特開昭56
−127094号公報明細書に開示される方法等に準じ
て実施することができる。
以上の如く、この発明においては上述の油脂を使用する
ことにより、テンパリング処理することなく品質良好な
フィリング材を極めて簡単に製造することができるので
ある。
製造方法は、従来公知の方法で製造すればよく、例えば
砂糖等の固形分に必要な油脂分を加えロールリファイニ
ングし、コンチング処理した後、追油して全量混合した
混合物を得、この品温45〜50℃の混合物を適宜予備
冷却し品温が30〜35℃になった時点で10℃以下の
冷温度域下、通常3〜10℃の冷蔵庫にて急冷する。予
備冷却の品温が30℃未満ではBOB成分の結晶が析出
し増粘して作業性が悪化するので好ましくない。また3
5℃を越えると、冷却に時間がかかり過ぎ、従って徐冷
却状態となるため結晶構造が不安定となり耐グレイニン
グ効果が低下する傾向を示すので好ましくない。
以上の如くして得たフィリング材は、従来のフィリング
材に比べて口溶けがよく、且つ作業性およびグレーニン
グ現象等の保存安定性に優れており、フィリング材とし
て各種の食品に有利に使用し得る。
(実施例) 以下に実施例を例示して、この発明の効果をより一層明
瞭にする。なお、例中に示す部は重量基準を意味する。
実施例1〜2および比較例1〜3 以下に示す配合にて、先ずココアバター、PMF、実施
例においてはさらにBOB油を融解混合し、これにレシ
チンを添加して油相を調製しておく。一方、ココア末、
全脂粉乳、砂糖を混合し、これに上記油相の一部を加え
ロールリファイニングし、約50℃にて加温しながらコ
ンチング処理した後、残りの油相を加えて混合した。実
施例においては、この混合物を冷却して混合物の品温が
32℃になった時点で約30gをプラスチック容器に入
れ、約5℃の冷温度域に30分間冷却した後、また比較
例においては通常のテンパリング処理、即ち当該混合物
を撹拌しながら品温約25℃まで冷却して安定な結晶を
析出させ約30℃にてその30gを同様にプラスチック
容器に入れ、約5℃の冷温度域に30分間冷却した後、
保存テストおよびサイクルテストに供した。
(1).配合 (2).結果は次の通り。
考察 以上の結果からもわかるように、BOB成分を含有した
実施例1および2のフィリング材はテンパリング処理を
実施しなくても保存中グレイニング現象が全く発生しな
いのに対し、BOB成分を含有しない比較例1および2
は両者ともグレイニング現象が見られ、特に比較例1は
著しかった。またBBO成分を含有した比較例3はグレ
イニング現象が見られ、BBO成分は全く効果を有しな
いことが分かった。なお、各比較例をテンパリングした
場合は、2日目で僅かにグレイニング現象が観察され
た。また、サイクルテストではココアバター含量の多い
実施例1はテンパリング処理を実施しなくても10回目
(10日目)以降でグレイニング現象が僅かに見られた
が、ココアバター含量の少ない実施例2では21回目
(21日目)を経過したものでも全くグレイニング現象
は観察されなかったのに対し、比較例の方はココアバタ
ー含量の少ない比較例2でも7回目(7日目)でグレイ
ニング現象が見られ、10回目(10日目)以降は著し
かった。また、ココアバター含量の多い比較例1および
3は1回目(1日目)から既に著しいグレイニング現象
が見られた。比較例1及び2をテンパリング処理した場
合は、7回までは全く観察されなかったが、21回目で
グレイニング現象が観察された。また比較例3では4回
目で既にグレイニング現象が観察され、10回目では著
しいグレイニング現象が観察された。この比較例3の結
果は、BBO成分がBOB成分に比べて全く効果を有し
ていないことを示すものである。
(効果) 以上の如く、この発明により、融解性状に優れた油脂を
使用して口溶けの良好な且つ耐熱性に優れ、作業性およ
び保存性の良好なフィリング材を極めて容易に製造する
ことが可能となったのであり、この発明はパン・菓子業
界に多大の貢献をもたらすものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィリング材を製造するに際し、油脂分と
    して全グリセリド成分に対し2−オレオ−1,3−ジパ
    ルミチンを20重量%以上含む2−不飽和−1,3−ジ
    飽和トリグリセリドを55重量%以上含有し且つ2−オ
    レオ−1,3−ジベヘンを1〜8重量%含有して成る油
    脂と糖類とを混合した後、品温30℃以上の当該混合物
    を10℃以下に冷却して可塑化させることを特徴とす
    る、フィリング材の製造法。
JP1311786A 1989-11-29 1989-11-29 フィリング材の製造法 Expired - Lifetime JPH0638740B2 (ja)

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