JP2767870B2 - チョコレートのファットブルーム防止剤 - Google Patents

チョコレートのファットブルーム防止剤

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JP2767870B2
JP2767870B2 JP1071459A JP7145989A JP2767870B2 JP 2767870 B2 JP2767870 B2 JP 2767870B2 JP 1071459 A JP1071459 A JP 1071459A JP 7145989 A JP7145989 A JP 7145989A JP 2767870 B2 JP2767870 B2 JP 2767870B2
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fat
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信行 諏訪
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はチョコレートのファットブルーム防止剤に関
するものであり、詳しくはテンパリング型の油脂を使用
したチョコレートに適したファットブルーム防止剤に関
するものである。
〔従来の技術〕
チョコレートは、カカオマス、ココアバター、砂糖、
粉乳等を主原料として製造されている。この様なチョコ
レートは、保存中ことに温度変化の大きい条件下では、
ファットブルームと呼ばれる表面上に白い粉をふいた状
態が現われ、商品価値を著しく喪失させる事がある。一
般にこのファットブルームと呼ばれる現象は、チョコレ
ート中の油脂の結晶型の変化により生ずるものと考えら
れている。即ち、原料油脂としてココアバター等のテン
パリング型の油脂を使用し、油脂の結晶型を調節するた
めに、テンパリングをおこなったチョコレートでは、そ
のチョコレート中に不安定なβ′のココアバター結晶が
多く存在すると、保存中にβ′結晶がココアバターの最
も安定した結晶型であるβ型に転移、結晶成長して、そ
の結果ファットブルームを生成することがある。この様
なファットブルームの生成を抑制するためにチョコレー
トの製造においては、厳密に管理されたテンパリング工
程によって不安定結晶を安定結晶に転移せしめ、常に多
量に安定結晶を存在させている。
又、この様なファットブルームは、チョコレートが温
度の高い、更に温度変化が大きい保存条件や流通条件に
おかれると生成する。即ち、チョコレート表面が溶解す
ること、及びチョコレートの不安定結晶の一部が融解し
て表面に移行することにより、チョコレート表面におい
て融解した油脂が結晶化、結晶成長を繰り返して、次第
に粗大化してファットブルームとなる。
さらに、この様な温度変化の大きい条件下では、チョ
コレートの艶がなくなったり、型くずれを起こしたりす
る。このために長期間の保存が困難となり、さらに商品
価値を喪失するために、この様な温度変化の大きい保存
条件でもファットブルームを抑制し、艶を維持し、型く
ずれを防止する方法が要望されている。
チョコレートのファットブルームの発生を抑制するた
め、従来から製造方法の改良、ココアバターと相性のよ
い油脂の開発、また添加剤としてのファットブルーム防
止剤の開発が試みられている。
添加剤としてのファットブルーム防止剤としては、一
分子中に炭素数20〜24の飽和脂肪酸残基及び炭素数16〜
22の不飽和脂肪酸残基を少なくとも各一個以上有する混
酸基トリグリセリドを40〜100重量%含有する油脂組成
物からなるファットブルーム防止剤(特開昭62−6635
号)、また油脂分中のココアバター含量が33%以下の非
テンパリング型チョコレートにおいて長鎖飽和脂肪酸
(ベヘン酸)を含有する高融点油脂をチョコレートの含
有油脂に対して0.2%〜10%添加してチョコレート中の
油脂結晶を微細化し粗大結晶の生成を抑制することによ
りファットブルームを防止する方法(特開昭58−198245
号)、また炭素数12以下で、ショ糖に対する平均置換度
4〜7であるショ糖脂肪酸エステルを添加する方法(特
開昭64−39945号)等がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
この様に、チョコレートのファットブルームを防止す
るために従来から製造方法の改良、原料油脂の改質、フ
ァットブルーム防止剤の開発が行われている。これらの
技術はチョコレート中の不安定結晶の低減、又油脂結晶
の微細化、或いは不安定結晶の安定結晶への転移を抑制
し、粗大結晶の生成を抑制することによりチョコレート
等の耐ブルーム性を向上するものである。
しかしながら、チョコレート等の保存中の温度が高く
なったり、温度変化が大きい条件下でのファットブルー
ムの抑制には従来の技術では充分でない。この為に、こ
の様な保存、流通条件下においてもチョコレート等のフ
ァットブルームを長期間抑制あるいは防止する方法が望
まれている。さらには、チョコレートに耐熱保型性を付
与し、良好な艶を有するチョコレートの製造方法も望ま
れている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重
ねた結果、ショ糖脂肪酸エステルの構成脂肪酸として、
炭素数12〜22の飽和脂肪酸と、炭素数16〜22の不飽和脂
肪酸を特定割合で含有し、かつショ糖に対する脂肪酸の
平均置換度が4以上であるショ糖脂肪酸エステルが、チ
ョコレートのファットブルームを抑制し、艶のあるチョ
コレートが製造できることを見いだして本発明を完成し
た。
即ち、本発明は、テンパリング型の油脂を使用したチ
ョコレート製造のテンパリング前に予め油脂中に添加し
て使用されるショ糖脂肪酸エステルを主剤とするチョコ
レートのファットブルーム防止剤において、ショ糖とエ
ステルを構成する脂肪酸が炭素数12〜22の飽和脂肪酸を
20〜80重量%、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸を20〜80重
量%有する混合脂肪酸であり、かつ該ショ糖脂肪酸エス
テルの平均置換度が4以上であることを特徴とするチョ
コレートのファットブルーム防止剤を要旨とする。
本発明は、通常のテンパリング型の油脂、たとえばコ
コアバターや他のテンパリング型のハードバターを使用
したチョコレート類に適用される。
本発明の、ショ糖脂肪酸エステルとしてはショ糖とエ
ステルを構成する脂肪酸が炭素数12〜22の飽和脂肪酸を
20〜80重量%、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸を20〜80重
量%有する混合脂肪酸であり、かつ該ショ糖脂肪酸エス
テルの平均置換度が4以上のものが用いられる。
ここで平均置換度とは、ショ糖脂肪酸エステルを構成
するショ糖一分子にエステル化された脂肪酸の平均結合
数をいう。
結合脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、
オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、リシ
ノール酸などの飽和、不飽和脂肪酸があげられるが、特
に飽和脂肪酸としてパルミチン酸、ステアリン酸、ベヘ
ニン酸、不飽和脂肪酸としてオレイン酸が好ましく用い
られる。
また、全脂肪酸に対する不飽和脂肪酸の割合が20%未
満では、実質的に飽和脂肪酸の、また80%以上では、実
質的に不飽和脂肪酸のショ糖エステルとなり本発明の効
果が期待できない。
本発明のエステル構成脂肪酸は、飽和及び不飽和脂肪
酸の適度なバランスを持つことが重要であり、飽和及び
不飽和脂肪酸の比率は2:1〜1:2とすることが特に好まし
い。また、飽和脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルと不飽和
脂肪酸のショ糖脂肪酸エステルを混合してチョコレート
に添加し、実質的に添加されたショ糖脂肪酸エステルの
飽和及び不飽和脂肪酸の比率を前述の比率に合わせた場
合には、本発明の目的は達成されない。即ち、本発明の
意図するところは、過度のバランスを有する飽和及び不
飽和脂肪酸の混合脂肪酸をショ糖とエステル化して得ら
れるショ糖混合脂肪酸エステルによってのみ達成され
る。
本発明の脂肪酸組成を得るためには、通常は原料油脂
の何種類かを混合し、またはせずに調整される。
本発明のチョコレートのファットブルーム防止剤の好
ましい使用量としては、チョコレートの原料混合物に対
し0.1〜5重量%、より好ましくは0.3〜2重量%の範囲
をあげることができる。低い使用量では防止効果を発揮
することが困難となり、また過剰に用いても効果が頭打
ちとなり使用量の増加にともなう効果を期待しえない。
また、平均置換度が4未満では、油脂に対する溶解性
が悪くなって本発明の効果が期待できない。
本発明のファットブルーム防止剤を使用するに際して
は、該防止剤をチョコレートなどの原料油脂中に予め所
定量を混合しておけばよい。また、該防止剤の混合が十
分行われるならば、チョコレート製造のテンパリング前
の製造行程のどの段階に添加してもよい。また、本発明
の防止剤を使用したチョコレートは通常行われる一般的
なチョコレートの製造方法によればよく、ココアまたは
ココアマスと砂糖、油脂、脱脂粉乳、全脂粉乳などの主
成分を常法通りロール掛け、コンチング、テンパリング
(いわゆるテンパリング法、シートテンパー法等)し
て、チョコレート生地とすればよい。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例を例示する。
実施例1〜8、参考例1〜7 下記の原料組成よりなるスイートチョコレート生地68
0g(全油脂含量32%)をボールに入れ、55℃にて溶解し
た。これに、ココアバター20gに第1表に示した所定量
の乳化剤を溶解したものを加えて均一に撹拌し、よく溶
解した後、一晩40℃の恒温箱に保存した(全油脂含量34
%)。室温20〜23℃、マーブル台表面温度21℃におい
て、2/3のチョコレートをマーブル台上にて、よくこね2
6℃前後までテンパリングしながらココアバター結晶を
出した後、ボールに戻して残りの1/3と合わせた。30℃
にてチョコレート全体をよくかき混ぜて均一にした後、
生地を差渡し約10cmのハート型に流し、泡ぬきをして冷
蔵庫(約2℃)で40分冷却した。型抜きしたチョコレー
トは、20℃にて1週間エージングした後、ブルームテス
トを実施した。
(艶の評価) 1週間エージングしたチョコレートの艶を下記の基準
で評価をした。
◎ 艶良好、○ 普通、△ やや艶無し (ブルームテスト) エージングしたチョコレートは、32℃にて12時間、20
℃で12時間を1サイクルとする周期的温度変化条件下に
保存し、経時的にチョコレートの状態を目視にて観察、
何サイクル目にブルームが発生するかを測定した。
ブルームは、チョコレートの表面が白く粉を吹いたよ
うな状態、及び表面に生じた白い斑点を評価した。
(耐熱保型性) 耐熱保型性として、上記2サイクル後のチョコレート
の型くずれの状態を下記の基準で評価した。
○ 良好、○△ 概ね良好、△ やや型くずれ 結果を第1表に示す。
スイートチョコレート原料組成 カカオ分 非脂肪 18 % バター 32 % 砂糖 50 % レシチン 0.3 % バニリン 00.3% 実施例9〜13、参考例8〜13 原料組成を下記のミルクチョコレート組成に変えて、
実施例1〜5と同様に処理して油脂含量34%のミルクチ
ョコレートを製造した。
ミルクチョコレート原料組成 カカオマス 18 % ココアバター 32 % 砂糖 50 % レシチン 0.3 % バニリン 0.03% 結果を第2表に示す。
〔発明の効果〕 本発明のチョコレートのファットブルーム防止剤によ
れば、顕著にチョコレートのファットブルーム発生を防
止して、さらに艶の優れたチョコレートが製造できチョ
コレートの品質の安定に寄与するところ大である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テンパリング型の油脂を使用したチョコレ
    ート製造のテンパリング前に予め油脂中に添加して使用
    されるショ糖脂肪酸エステルを主剤とするチョコレート
    のファットブルーム防止剤において、ショ糖とエステル
    を構成する脂肪酸が炭素数12〜22の飽和脂肪酸を20〜80
    重量%、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸を20〜80重量%有
    する混合脂肪酸であり、かつ該ショ糖脂肪酸エステルの
    平均置換度が4以上であることを特徴とするチョコレー
    トのファットブルーム防止剤。
JP1071459A 1989-03-23 1989-03-23 チョコレートのファットブルーム防止剤 Expired - Lifetime JP2767870B2 (ja)

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