JP2893832B2 - 被覆チョコレートの艶向上剤 - Google Patents

被覆チョコレートの艶向上剤

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は被覆チョコレート類の艶の向上剤に関するも
のである。
[従来の技術] 従来より、ケーキ等の洋生菓子、パン等に被覆される
被覆チョコレート類は、コーティングチョコレート、カ
バリングチョコレート、或は洋生用チョコレート等と種
々称されている。これらのチョコレートに使用される油
脂は、カカオ脂またはカカオ代用脂のごとくテンパリン
グを必要とする油脂は殆ど用いられず、非テンパリング
型の油脂、例えばマーガリン、ショートニング等に使用
される可塑性範囲の広い油脂が専ら用いられている。こ
れらの油脂を使用した被覆チョコレートは、通常油脂の
安定した結晶を析出させるためのテンパリング操作は行
われず、溶解したチョコレートを、直接洋生菓子等にか
けて冷却する方法で使用され、この場合に、すばやい固
化と、艶のある仕上がりが要求されている。
その為に、このような被覆チョコレートに使用する油
脂の配合を変えて融点を調節し、温度が異なる使用季節
に応じた油脂処方により、固化時間がいつも一定の範囲
となるように調節する必要がある。同時に、すばやい固
化と、艶のある仕上がりにするために、溶解したチョコ
レートを洋生菓子にかけるときの温度、即ち、被覆温度
もある温度範囲とする必要がある。
この様に、より艶のある良好なチョコレートを被覆し
た製品を得るために、原料の被覆チョコレートの改良が
行われているが充分ではない。
また比較的小規模ユーザー等では、洋生菓子にチョコ
レートを被覆する場合、手作業で行うことが多く、被覆
するためのチョコレートの溶解も湯煎であるなどチョコ
レートの温度管理も充分でない場合が多い。この様な場
合、チョコレートの溶解温度が60℃以上の適温にコント
ロールされず、しばしば70−80℃の高温にさらされるこ
とが生じる。
この様な高温処理を受けると、チョコレート配合成分
中の乳蛋白が変性したり、他の成分が変質を起こしたり
して、艶のある良好な色調の製品が得られない。
さらには、被覆温度が高すぎる結果、冷却時間が長く
なり、油脂の結晶化が不均一となり艶のない製品となっ
たり、ひどい場合には、チョコレート表面に油脂の粗大
化した結晶が生じて、チョコレート表面が白く見えるブ
ルームと称する現象が現れたりする。
又、原料被覆チョコレートが、長期に保存された場合
も、温度変化により徐々にチョコレート表面に粗大化し
た油脂の結晶であるブルームが生じたりする。
従来、この様な問題を解決するために、油脂の種類や
配合を変化させたり、乳化剤等の添加による改良が試み
られているが、有効な方法はまだ見いだされていない。
非テンパリング型コーティング用チョコレートの質改
良の試みとしては、スポンジケーキ等の製菓被覆チョコ
レートの油脂中に多糖類及び/又は乳化剤を含有させ
て、被被覆物から発生する水分の作用によりコーティン
グの表面上に油滴が出現するオイルオフ現象を抑える方
法(特開昭59−21349)、アイスコーティング用チョコ
レート中に液糖を加えることにより、チョコレート中の
含水分量を増すと共に可塑性温度範囲を拡張し、ヒビ割
れ、ボテを防止する方法(特公昭56−28131)などがあ
る。また、ブレーム防止法としては、非テンパリング型
チョコレートに長鎖飽和脂肪酸(ベヘン酸)を全含有油
脂に対し0.2〜10%添加してチョコレート中の油脂結晶
を微細化し粗大結晶の生成を抑制することによりブレー
ムを防止する方法(特開昭58−198245)、テンパリング
型または非テンパリング型ハードバターを含有したチョ
コレート中にブルーム防止剤として、脂肪酸基が主とし
て炭素数12以下の飽和脂肪酸基であり、かつショ糖に対
する該脂肪酸の平均置換度が4〜7であるショ糖脂肪酸
エステルを使用する方法(特開平1−39945)などがあ
る。
[発明が解決しようとする課題及びそのための手段] 上述した通り、被覆チョコレートの適正に溶解が行わ
れずに、過度の温度にさらされたり、長時間の放置、さ
らには使用残の再溶解と言った、原料被覆チョコレート
の良好な品質を損なう使用においても艶があり、色調の
良好な、ブレームの発生しない被覆チョコレートを得る
ことが要望されている。
本発明者等は、これらの問題を解決するために種々の
検討を行ったところ、親油性のショ糖飽和脂肪酸エステ
ルを使用すると、被覆チョコレートを洋生菓子に被覆し
た場合に、艶が著しく向上することが判明した。しかし
ながら被覆したチョコレートの保存中に、ブレームが生
じ易くなる傾向が認められた。
一方、親油性ショ糖不飽和脂肪酸エステルを使用する
と、艶の向上効果はそれほどでもないが、ブレームの発
生を抑制することが認められた。
これらの事から、親油性ショ糖飽和脂肪酸エステル
と、親油性ショ糖不飽和脂肪酸エステルを、特定の割合
で同時に使用することにより、艶が著しく改善され、か
つ、ブレームの発生が抑制された被覆チョコレートが得
られることを見いだし、本発明を完成した。
本発明は、ショ糖脂肪酸エステルを主剤とする、被覆
チョコレートの艶向上剤において、親油性ショ糖飽和脂
肪酸エステルと親油性ショ糖不飽和脂肪酸エステルを、
重量比3:7〜7:3の範囲で含有することを特徴とする、被
覆チョコレートの艶向上剤を要旨とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、カバリングチョコレート、コーティングチ
ョコレート、エンローバーチョコレート、あるいは洋生
用チョコレートなどと称される洋生菓子、ビスケット、
パン類等に被覆される被覆チョコレート類に適用され
る。
本発明の、親油性ショ糖飽和脂肪酸エステルとして
は、ショ糖とエステルを構成する脂肪酸が炭素数12−22
の飽和脂肪酸であるもの、親油性ショ糖不飽和脂肪酸エ
ステルの場合は、炭素数16−22の不飽和脂肪酸であるも
のであり、かつ、いずれのエステルもショ糖に対する平
均置換度が3〜7、好ましくは4〜7のものが用いられ
る。
ここで、平均置換度とは、ショ糖脂肪酸エステルを構
成するショ糖一分子にエステル化された脂肪酸の平均結
合数をいう。
又、ショ糖脂肪酸エステルの親水性、親油性の程度を
表す指標として、HLBが通常使用されているが、本発明
の親油性ショ糖飽和脂肪酸エステル、親油性ショ糖不飽
和脂肪酸エステルのHLBは、いずれも、3以下の親油性
のものが好ましく用いられる。
該ショ糖飽和脂肪酸エステルの結合脂肪酸としては、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、アラキン酸、ベヘニン酸等が、一方ショ糖不飽和脂
肪酸エステルの結合脂肪酸としては、オレイン酸、リノ
ール酸、リノレン酸、エルカ酸、リシノール酸などがあ
げられるが、特にパルミチン酸、ステアリン酸などの飽
和脂肪酸、オレイン酸、エルカ酸などの不飽和脂肪酸が
好ましく用いられる。
本発明の親油性ショ糖脂肪酸エステルは、親油性ショ
糖飽和脂肪酸エステルと親油性ショ糖不飽和脂肪酸エス
テルの配合比が、適度なバランスを持つことが重要であ
り、該ショ糖飽和脂肪酸エステルとショ糖不飽和脂肪酸
エステルの比率は、3:7〜7:3とする。
この比率から外れて、ショ糖飽和脂肪酸エステルの割
合が高すぎると、チョコレートの保存中にブルームが発
生し易くなり、また同様にショ糖不飽和脂肪酸エステル
の割合が高すぎると、被覆した後のチョコレートの艶が
向上せず、いずれの場合も本発明の効果が期待できな
い。
ただし、この様な場合、飽和及び、不飽和の脂肪酸の
混合物をショ糖と反応して得られる、1分子中に飽和脂
肪酸残基と不飽和脂肪酸残基の双方を有するショ糖脂肪
酸エステルにおいては、艶の向上に有効でない。
本発明の、被覆チョコレートの艶向上剤は、チョコレ
ートの原料配合物に対し、親油性ショ糖飽和脂肪酸エス
テルと親油性ショ糖不飽和脂肪酸エステルの合計量で、
0.1−5重量%、好ましくは0.3−2重量%の範囲で使用
される。
使用量が少なすぎると効果を発揮することができず、
また使用量が多すぎても効果の向上はなく、使用量の増
加にともなう効果を期待しえない。
本発明の艶向上剤を使用するに際しては、該向上剤を
コーティングチョコレート等の被覆チョコレートに使用
される油脂中に、予め所定量を混合することが好まし
い。また、艶向上剤の混合が十分行われるならば、チョ
コレートの製造行程、又は、溶解したチョコレートの被
覆前のどの段階に添加してもよい。
又、本発明の艶向上剤を使用したチョコレートの製造
は、通常行われる一般的なチョコレートの製造方法によ
ればよく、ココアまたはココアマスと砂糖、油脂、脱脂
粉乳などの主成分を、常法通りリファイナー等によるロ
ール掛け、ロータリーコンチェ等によるコンチングを行
ってチョコレート生地とし、必要があればテンパリング
して、コーティング等の被覆チョコレートを得ることが
できる。
本発明の艶向上剤を配合してなる被覆チョコレート生
地には、その使用目的に応じて適宜他の乳化剤例えば、
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エス
テル、グリセリン脂肪酸エステルなどを併用してよい。
[実施例] 以下に本発明の実施例を例示する。
実施例1−6、参考例1−7 下記の原料組成よりなる被覆チョコレート生地100g
に、第1表に示した比率で混合したショ糖脂肪酸エステ
ル0.5gを混合して、60℃まで加温して、よく溶解した。
さらに、同温度において70mmHgの減圧下、10分間泡抜き
を実施した。ついで、チョコレート生地を40℃まで冷却
した後、径8cmの飲料缶詰の蓋に、約11g分注して、25℃
にて冷却した。又別途、同様に減圧下に泡抜きしたチョ
コレート生地を、80℃、20分間加熱したものを、同温度
で缶の蓋に分注して25℃で冷却した。いずれも25℃で保
存した。
原料組成(チョコレート配合) (g) カカオ分 11 ショ糖分 31 添加油脂分 49 乳固形分 3 乳糖分 6 レシチン 0.3 被覆チョコレートの艶の評価 缶の蓋に分注したチョコレート(25℃、1日保存)の
表面の光沢を、デジタル変角光沢計UGV−4G(スガ試験
機)で測定した。チョコレートの光沢度は、鏡面光沢度
を100としたときの百分率で表した為、数字が大きい
程、艶がよいことを示す。艶の評価結果を第1表に示
す。
被覆チョコレートのブルームの評価 同一サンプルについてブルームの目視観察を行った。
40℃分注のものは、25℃保存12日後で、80℃分注のもの
は、25℃保存6日後にて評価した。
被覆チョコレートの表面が白っぽく粉を吹いたような
状態に変化する現象を下記基準により段階評価(−〜+
5)した。ブルームの評価結果を同じく第1表に示す。
評価基準 − 発生無し、+ わずかに発生、+2 発生、+3
多量発生、+4 一面に発生 [発明の効果] 本発明のチョコレートの艶向上剤によれば、顕著にチ
ョコレートの艶を向上させブルームの発生を防止して、
チョコレートの品質の安定に寄与するところ大である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ショ糖脂肪酸エステルを主剤とする被覆チ
    ョコレートの艶向上剤において、親油性ショ糖飽和脂肪
    酸エステルと親油性ショ糖不飽和脂肪酸エステルを重量
    比3:7〜7:3の範囲で含有することを特徴とする被覆チョ
    コレートの艶向上剤。
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