JP2886348B2 - ポリアミドイミド樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリアミドイミド樹脂の製造方法

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JP2886348B2 JP2414689A JP41468990A JP2886348B2 JP 2886348 B2 JP2886348 B2 JP 2886348B2 JP 2414689 A JP2414689 A JP 2414689A JP 41468990 A JP41468990 A JP 41468990A JP 2886348 B2 JP2886348 B2 JP 2886348B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアミドイミド樹脂
の製造方法に関する。さらに詳しくは、優れた耐熱性を
有し、かつ射出成形可能な分子配列を制御した脂肪族、
芳香族ポリアミドイミド樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、脂肪族ポリアミド樹脂(ナイロ
ン)は成形性には優れるものの耐熱性に劣る。そこで、
これらの樹脂の欠点を解決する試みとして芳香族環を導
入した脂肪族、芳香族ポリアミド樹脂が提案されてい
る。例えば、特開昭59−53536公報には、芳香族
ジカルボン酸と脂肪族ジアミンよりなるポリアミド樹脂
が提案されている。さらには、特開昭59−15542
6公報等にも芳香族カルボン酸、アジピン酸と脂肪族ジ
アミンより形成されるポリアミド樹脂が提案されてい
る。これらの樹脂は溶融成形が可能ではあるが、耐熱性
等に関しては満足のいくものではない。
【0003】一方、ポリアミド樹脂の耐熱性、機械特性
等を改良する方法として、イミド環を導入したポリアミ
ドイミド樹脂が提案されている。例えば、アメリカ合衆
国特許3,939,029には無水トリメリット酸塩化
物と脂肪族ジアミンよりポリアミド酸を合成し、これを
加熱脱水することにより脂肪族、芳香族のポリアミドイ
ミド樹脂が知られている。しかし、このような樹脂の製
造方法では、脂肪族ジアミンの反応性が無水トリメリッ
ト酸塩化物に対して低いために低分子量のものしか得ら
れず、接着剤としての用途のみで成形体が得られるよう
な十分な高分子量のものではなかった。
【0004】これらの問題点を解決するために、本発明
者らは、先の出願において耐熱性を有し、射出成形が可
能な高分子量のランダムに配列した脂肪族、芳香族ポリ
アミドイミド樹脂を提案している。このランダムに配列
したポリアミド樹脂は耐熱性には優れるものの、より耐
熱性を求められる用途等においてはその性能が発現しに
くい面があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た耐熱性を有し、かつ射出成形が可能な分子配列を制御
した脂肪族、芳香族のポリアミドイミド樹脂の製造法の
提供である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、ベンゼン‐
1,2,4‐トリカルボン酸無水物と脂肪族ジアミンを
縮合させて得られるジイミドジカルボン酸に、更に脂肪
族ジイソシアネートを重縮合することにより前記の特性
を有する分子配列を制御した脂肪族、芳香族ポリアミド
イミド樹脂が得られることを見出し、本発明に到達し
た。
【0007】
【0008】即ち、本発明は上記一般式(I) (化1)の
繰り返し単位を持つポリアミドイミド樹脂を製造するに
あたり、ベンゼン‐1,2,4‐トリカルボン酸無水物
1モルに対し、 式 H2N−(CH2X−NH2 (式中xは4〜12の整数である。)のジアミン0.4
75〜0.525モルを、触媒としてアルカリ金属化合
物の存在下、非プロトン系極性溶媒中100℃以上で反
応させ、生成する縮合水を系外に除去した後、更に 式 OCN−(CH2y−NCO (式中yは4〜12の整数である。)のジイソシアネー
ト0.475〜0.525モルを加え150℃以上で反
応させ、分子配列を制御することを特徴とする製造方法
である。この場合における分子配列の制御とは、一段目
のイミド化で生成するお互いに向きあったジイミド単位
が、2段目のアミド化反応で生成するアミド結合を介し
て、規則的に並ぶということを意味している。
【0009】上記本発明の製造方法においてはアルカリ
金属化合物は好ましくは、多価カルボン酸アルカリ金属
塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、ア
ルカリ金属水酸化物、またはアルカリ金属弗化物であ
る。
【0010】また、非プロトン性極性溶媒は好ましくは
鎖状または環状のアミド類、ホスホリルアミド類、スル
ホン類、スルホキシド類またはウレア類である。
【0011】前記一般式(I) 中のx=4〜12のメチレ
ン基を持つジアミンの例としては、テトラメチレン‐
1,4‐ジアミン、ペンタメチレン‐1,5‐ジアミ
ン、ヘキサメチレン‐1,6‐ジアミン、ヘプタメチレ
ン‐1,7‐ジアミン、オクタメチレン‐1,8‐ジア
ミン、ノナメチレン‐1,9‐ジアミン、デカメチレン
‐1,10‐ジアミン、ウンデカメチレン‐1,11‐
ジアミン、ドデカメチレン‐1,12‐ジアミンの脂肪
族ジアミンが挙げられ、メチレン数x=4〜12の範囲
が好ましく、メチレン数4未満では得られたポリアミド
イミド樹脂の流動性が悪くなり、または、12を超過す
ると耐熱性が悪くなる。特にメチレン数6のヘキサメチ
レン‐1,6‐ジアミンは工業的に入手が容易で安価で
あることから好ましい。
【0012】また一般式(I) 中のy=4〜12のメチレ
ン基を持つジイソシアネートの例としては、テトラメチ
レン‐1,4‐ジイソシアネート、ペンタメチレン‐
1,5‐ジイソシアネート、ヘキサメチレン‐1,6‐
ジソイシアネート、ヘプタメチレン‐1,7‐ジイソシ
アネート、オクタメチレン‐1,8‐ジイソシアネー
ト、ノナメチレン‐1,9‐イソシアネート、デカメチ
レン‐1,10‐ジイソアネート、ウンデカメチレン‐
1,1‐ジイソシアネート、ドデカメチレン‐1,12
‐ジイソシアネートの脂肪族ジイソシアネートか挙げら
れ、メチレン数y=4〜12の範囲が好ましく、メチレ
ン数4未満では得られたポリアミドイミド樹脂の流動性
が悪くなり、または、12を超過すると耐熱性が悪くな
る。特にメチレン数6のヘキサメチレン‐1,6‐ジイ
ソシアネートは工業的に入手が容易で安価であることか
ら好ましい。
【0013】本発明において使用するベンゼン‐1,
2,4‐トルカルボン酸無水物と一般式(I) 中のx=4
〜12のメチレン基を持つジアミンのモル比は、ベンゼ
ン‐1,2,4‐トリカルボン酸無水物1モルに対して
ジアミン0.475〜0.525の範囲が好ましく、
0.49〜0.51の範囲がさらに好ましい。モル比が
0.475未満、または0.525を超過すると中間生
成物のジイミドジカルボン酸の生成量が少なくなり好ま
しくない。
【0014】また、更に一般式(I) 中のy=4〜12の
メチレン基を持つジイソシアネートのモル比は、ベンゼ
ン‐1,2,4‐トルカルボン酸無水物1モルに対して
ジイソシアネート0.475〜0.525の範囲が好ま
しく、0.49〜0.51の範囲がさらに好ましい。モ
ル比が0.475未満、または0.525を超過すると
低分子量のポリマーしか得られない。また、ポリマーの
分子量を制御するために無水物フタル酸や安息香酸の如
き、酸無水物やモノカルボン酸、またはフェニルイソシ
アネートの如き、モノイソシアネートを添加し反応させ
てもよい。
【0015】本発明の方法において触媒として用いられ
るアルカリ金属化合物の例は、ジカルボン酸、トリカル
ボン酸およびテトラカルボン酸のモノおよび/またはジ
および/またはトリおよび/またはテトラリチウム塩、
ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム
塩、フランシウム塩等の多価カルボン酸のアルカリ金属
塩、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸フランシウム等のア
ルカリ金属炭酸塩、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水
素セシウム、炭酸水素フランシウム等のアルカリ金属炭
酸水素塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化
フランシウム等のアルカリ金属水酸化物、弗化リチウ
ム、弗化ナトリウム、弗化カリウム、弗化ルビジウム、
弗化セシウム、弗化フランシウム等のアルカリ金属弗化
物が挙げられる。特に、ナトリウム塩およびカリウム塩
が好ましい。上記のアルカリ金属化合物は、単独にまた
は2種以上混合して使用してもよい。
【0016】本発明で使用される非プロトン系極性溶媒
としては、例えば、N,N‐ジメチルアセトアミド、
N,N‐ジメチルホルムアミド、N‐メチルピロリド
ン,γ‐ブチロラクトン、ヘキサメチル燐酸トリアミド
の様な鎖状もしくは環状のアミド類またはホスホリルア
ミド類、あるいはジメチルスルホキシド、ジフェニルス
ルホン、テトラメチレンスルホンのようなスルホキシド
あるいはスルホン類、テトラメチル尿素、N,N′‐ジ
メチルエチレンウレアのようなウレア類である。これら
の溶媒は、ジイソシアネートを重縮合(アミド化)する
際には、実質的に無水の状態で使用することが必要であ
る。反応に不活性な他の溶媒、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン等を混合して使用することができる。
【0017】本発明に於いて、優れた耐熱性を有し、射
出成形可能な分子配列を制御した脂肪族、芳香族ポリア
ミドイミドを製造するには、前記ベンゼン‐1,2,4
‐トリカルボン酸無水物と一般式(I) 中のx=4〜12
のメチレン基を持つジアミンをモル比0.475〜0.
525の範囲でアルカリ金属化合物の存在下、非プロト
ン系極性溶媒中100℃以上の温度で加熱反応させイミ
ド化を行い、生成する縮合水を系外に除去した後、更に
一般式(I) 中のy=4〜12のメチレン基を持つジイソ
シアネートをベンゼン‐1,2,4‐トリカルボン酸無
水物に対してモル比0.475〜0.525の範囲で加
え150℃以上の温度で加熱反応させアミド化を行う必
要がある。
【0018】また、ベンゼン‐1,2,4‐トリカルボ
ン酸無水物とジアミンを縮合させるイミド化反応は、無
水環とジアミンの反応性は比較的高いため、通常100
℃以上の温度が必要で、150〜250℃の温度範囲が
さらに好ましい。中間生成物であるジイミドジカルボン
酸は、この場合単離せずにイソシアネートとの重縮合反
応(アミド化)を行うが、生成したジイミドジカルボン
酸を単離して縮重合反応(アミド化)を行っても何らさ
しつかえない。重縮合反応(アミド化)は、ジイソシア
ネートの反応性が低いために通常150℃以上の温度が
必要で、200℃〜260℃の温度範囲がさらに好まし
い。
【0019】反応時間は、イミド化、アミド化反応とも
通常1〜20時間である。そして副生する水、及び二酸
化炭素が実質的に認められなくなる時点をもって反応の
完結点とすることができる。アルカリ金属化合物の添加
量は、ベンゼン‐1,2,4‐トリカルボン酸無水物に
対して、0.5〜20モル%の範囲が好ましく、特に
1.0〜10モル%が好ましい。一般には原料モノマー
(ベンゼン‐1,2,4‐トリカルボン酸無水物+ジア
ミン+ジイソシアネート)の濃度は50〜400g/l
の範囲が好ましく、特に100〜300g/lが好まし
い。
【0020】本発明に於いて、得られた分子配列を制御
した脂肪族、芳香族ポリアミドイミド樹脂の平均分子量
(GPCのポリスチレン、スタンダードによる重量平均
分子量)は、1万以上が好ましく、特に好ましくは、2
万以上である。
【0021】
【実施例】以下、実施例にて本発明を詳細に説明する。
また、実施例及び比較例において得られたポリマーの物
性値は以下の方法により測定した。平均分子量:重合液
をN‐メチルピロリドンで希釈し、GPCを用いて、分
子量分布曲線のカーブを測定し、ポリスチレン、スタン
ダードによって重量平均分子量を得た。流動温度:(島
津製作所製)フローテスターを用いて測定した見掛けの
溶融粘度が10000 Poiseになる温度。
【0022】(実施例1)撹拌機、温度計、冷却コンデ
ンサー、窒素ガス導入管、留出管および滴下ロートを備
えた500mlセパラブルフラスコ中に、ベンゼン‐1,
2,4‐トリカルボン酸無水物20.56g(0.10
70モル)、ヘキサメチレン‐1,6‐ジアミン6.1
3g(0.05276モル)、フッ化カリウム0.12
7g(0.00219モル)、N,N′‐ジメチルエチ
レンウレア220mlを窒素雰囲気中に装入し200℃で
生成する縮合水を除去しながら2時間反応させた。次に
この反応液を140℃まで冷却した後、滴下ロートにヘ
キサメチレン‐1,6‐ジイソシアネート9.22g
(0.05479モル)を測り取り、1度にフラスコ内
に添加した。この溶液を撹拌しながら内温を220℃ま
で昇温したところ150℃で激しく反応し二酸化炭素の
発生が認められた。220℃で1時間撹拌を続けると溶
液の色は黄色から赤褐色へと変化し、粘度が上昇した。
さらに1時間加熱を続け熟成した後、室温に冷却し、重
合液を高速撹拌下の水中に投入してポリマー粉末を得
た。このポリマー粉末をさらに水で3回洗浄し、最後に
メタノールで洗浄後、150℃で8時間減圧乾燥し31
gのポリマー粉末が得られた。その重合体の平均分子量
は3.4万であった。DSCで測定したガラス転移温度
は115℃、空気中5%分解温度429℃という優れた
耐熱性を有していた。さらに、流動温度が235℃で、
射出成形が可能な熱溶融特性を有していた。
【0023】(実施例2〜5)実施例1に示した実験装
置にてベンゼン‐1,2,4‐トリカルボン酸無水物と
各種のジアミン、ジイソシアネートをそれぞれの条件下
に於て同様に重合を行い、得られた重合体のそれぞれの
物性値を下記表1に示した。
【0024】(実施例6)実施例1に示した実験装置に
ベンゼン‐1,2,4‐トリカルボン酸無水物とヘキサ
メチレン‐1,6‐ジアミンを同様な条件下で反応さ
せ、得られた反応液を冷却した後、pH2に調製した塩酸
水溶液中に入れ、ビス‐[(4‐カルボキシ)フタルイ
ミド]‐1,6‐ヘキサメチレンを単離した。DSCで
測定した融点は320℃であった。次にこの化合物にヘ
キサメチレン‐1,6‐ジイソシアネートを加え重縮合
を行い、得られた重合体の物性値を表1に示した。
【表1】 TMA:ベンゼン‐1,2,4‐トリカルボン酸無水物 TMA-K :ベンゼン‐1,2,4‐トリカルボン酸無水物
カリウム塩 TMA-Na:ベンゼン‐1,2,4‐トリカルボン酸無水物
ナトリウム塩 DMI:N,N′‐ジメチルエチレンウレア NMP:N‐メチルピロリドン DMAc :N,N‐ジメチルアセトアミド
【0025】(比較例1)実施例1に示した実験装置
に、ベンゼン‐1,2,4‐トリカルボン酸無水物3
0.23g(0.1573モル)、フッ化カリウム0.
2054g(0.00354モル)、N,N′‐ジメチ
ルエチレンウレア285mlを窒素雰囲気中に装入し溶解
した。滴下ロートにヘキサメチレン‐1,6‐ジイソシ
アネート27.21g(0.1618モル)を測り取
り、1度にフラスコ中に添加した。この溶液を撹拌しな
がら内温を200℃まで昇温したところ130℃で激し
く反応し二酸化炭素の発生が認められた。200℃で1
時間撹拌を続けると溶液の色は黄色から赤褐色へと変化
し、粘度が上昇した。さらに1時間加熱を続け熟成した
後、室温に冷却し、実施例1と同様に後処理を行った。
その重合体の平均分子量は2.2万であった。DSCで
測定したガラス転移温度は112℃、空気中5%分解温
度418℃という耐熱性を有していたが、実施例1で得
られた重合体よりも耐熱性に差が見られた。
【0026】(比較例2)実施例1に示した実験装置に
てベンゼン‐1,2,4‐トリカルボン酸無水物30.
42g(0.1583モル)、ヘキサメチレン‐1,6
‐ジイソシアネート26.98g(0.1604モ
ル)、フッ化カリウム0.189g(0.00326モ
ル)、と反応温度130℃以外は、実施例1と同様に重
合および後処理を行った。得られた重合体の平均分子量
は7300で、反応温度が低いために重合度が上がら
ず、高分子量のポリマーを得ることができなかった。
【0027】(比較例3)実施例1に示した実験装置に
てベンゼン‐1,2,4‐トリカルボン酸無水物30.
59g(0.1592モル)、ヘキサメチレン‐1,6
‐ジイソシアネート27.07g(0.1609モ
ル)、と触媒を無添加以外は、実施例1と同様に重合お
よび後処理を行った。得られた重合体の平均分子量は1
500で、触媒を加えずに行ったために重合度が上がら
ず、高分子量のポリマーを得ることができなかった。
【0028】(比較例4)実施例1に示した実験装置に
ベンゼン‐1,2,4‐トリカルボン酸無水物30.3
7g(0.1442モル)、フッ化カリウム0.173
g(0.00299モル)、N,N′‐ジメチルエチレ
ンウレア180mlを窒素雰囲気中に装入し溶解した。滴
下ロートにN,N′‐ジメチルエチレンウレア23mlに
ヘキサメチレン‐1,6‐ジアミン16.89g(0.
1453モル)を溶解させ、フラスコ中に添加した。以
下、実施例1と同様に重合および後処理を行った。得ら
れた重合体の平均分子量は4300で、高分子量のポリ
マーを得ることができなかった。
【0029】(比較例5)実施例1に示した実験装置に
ベンゼン‐1,3‐ジカルボン酸30.41g(0.1
831モル)、ヘキサメチレン‐1,6‐ジイソシアネ
ート30.88g(0.1836モル)、とフッ化カリ
ウム0.212g(0.00364モル)以外は、実施
例1と同様に重合および後処理を行った。得られた重合
体の平均分子量は3.2万、5%分解温度は379℃で
あったが、ガラス転移温度は、72℃と低く耐熱性樹脂
として十分な性能を有していなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、優れた耐熱性を有し、
射出成形可能な分子配列を制御した脂肪族、芳香族ポリ
アミドイミド樹脂を工業的に実用性のある方法で得るこ
とができ、産業上有益な発明である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高柳 弘 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−292332(JP,A) 特開 平2−28215(JP,A) 特開 昭49−52299(JP,A) 特開 昭49−98897(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 73/14 C08G 18/34 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベンゼン‐1,2,4‐トリカルボン酸
    無水物1モルに対し、 式 H2N−(CH2X−NH2 (式中xは4〜12の整数である。)のジアミン0.4
    75〜0.525モルを、触媒としてアルカリ金属化合
    物の存在下、非プロトン系極性溶媒中100℃以上で反
    応させ、生成する縮合水を系外に除去した後、更に 式 OCN−(CH2y−NCO (式中yは4〜12の整数である。)のジイソシアネー
    ト0.475〜0.525モルを加え150℃以上で反
    応させ、分子配列を制御することを特徴とする一般式
    (I)(化1)の繰り返し単位を持つポリアミドイミド
    樹脂の製造方法。 【化1】
  2. 【請求項2】 アルカリ金属化合物が、多価カルボン酸
    アルカリ金属塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭
    酸水素塩、アルカリ金属水酸化物、またはアルカリ金属
    弗化物であることを特徴とする請求項1記載のポリアミ
    ドイミド樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 非プロトン性極性溶媒が、鎖状または環
    状のアミド類、ホスホリルアミド類、スルホン類、スル
    ホキシド類またはウレア類であることを特徴とする請求
    項1記載のポリアミドイミド樹脂の製造方法。
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