JP3118033B2 - ポリアミドイミド樹脂及びその製造方法 - Google Patents

ポリアミドイミド樹脂及びその製造方法

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JP3118033B2
JP3118033B2 JP03232502A JP23250291A JP3118033B2 JP 3118033 B2 JP3118033 B2 JP 3118033B2 JP 03232502 A JP03232502 A JP 03232502A JP 23250291 A JP23250291 A JP 23250291A JP 3118033 B2 JP3118033 B2 JP 3118033B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なポリアミドイミ
ド樹脂およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、
高いガラス転移点および優れた耐熱性を有し、かつ溶融
成形可能な脂肪族、芳香族ポリアミドイミド共重合体お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に芳香族ポリアミドイミド樹脂は、
優れた機械特性および耐熱性を有している。しかしなが
ら、これまで提案された芳香族ポリアミドイミド樹脂は
流動開始温度と熱分解開始温度の差が小さいため、溶融
成形時の熱安定性が悪く、さらに、溶融時の流動性も低
く、溶融成形するのが困難であった。このような芳香族
ポリアミドイミド樹脂の欠点を解決する試みとして特公
昭63−39616が提案されている。特公昭63−3
9616では、ベンゼン核4個以上をエーテル結合でつ
ないだジアミンを原料としてポリアミドイミド共重合体
を製造し、成形性を改良すると説明されている。
【0003】しかし、これらのポリマーを製造するため
の原料であるベンゼン核を4核以上有する特定の芳香族
ジアミンは、工業的に製造するのが容易でない。さらに
これらのポリマーを製造するための直接重合法は、高温
で長時間反応する必要があり、生産性の面で問題があ
る。これらのことから、提案された全芳香族ポリアミド
イミドは、工業的に製造する場合、実用上必ずしも満足
できるものではない。
【0004】一方、アミン骨格を脂肪族としたポリアミ
ドイミド樹脂は、ガラス転移点が低く、耐熱性に問題が
あり、さらにアメリカ合衆国特許3,939,029で
は、無水トリメリット酸塩化物と脂肪族ジアミンとを反
応させてポリアミド酸を合成し、これを加熱脱水するこ
とにより脂肪族、芳香族のポリアミドイミド樹脂を製造
する方法が開示されている。しかし、このような樹脂の
製造方法では、脂肪族ジアミンの反応性が無水トリメリ
ット酸塩化物に対して低いために低分子量のものしか得
られず、接着剤としての用途のみで成形体が得られるよ
うな十分な高分子量のものではなかった。
【0005】アメリカ合衆国特許4,348,513号
及び4,291,149号では、射出成形可能で、かつ
ポリアミドイミドポリマーを形成するトリカルボン酸無
水物基が、頭−頭および尾−尾で規則的に配列したポリ
アミドイミド樹脂の製造方法が提案されている。
【0006】ここでは、完全にまたは一部アシル化され
たジアミン類とトリカルボン酸無水物、およびジアミン
類とを反応させた脂肪族、芳香族ポリアミドイミド樹脂
が合成されている。
【0007】しかし、基本的に遊離のカルボン酸とアミ
ン類は、通常の条件下では反応しないため無水酢酸のよ
うなアシル化剤を使用してアミド化反応を行っている。
この際アミド化の縮合によって生成する酢酸等や、イミ
ド化の縮合によって生成する水を除去するためには、減
圧下において高い温度を必要とし、製造方法がアシル化
反応を伴うために繁雑となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の諸欠点の少なくとも一部を解決できるポリアミドイミ
ド樹脂、例えば、高いガラス転移温度を有し、耐熱性に
すぐれ、溶融成形可能なポリアミドイミド樹脂を提供
し、且つそのような樹脂の製法を提供することを目的と
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、研究の結
果、ポリマー分子末端を特定の末端封止基で封止するこ
とにより本発明の課題を解決し得るポリアミドイミド樹
脂が得られることを知り、本発明に至ったものである。
本発明によれば、このようなポリアミドイミド樹脂は、
芳香族トリカルボン酸無水物、脂肪族性ジイソシアネー
ト又はジアミン、及び芳香族ジイソシアネート、及び末
端封止剤を用いて、触媒としてのアルカリ金属化合物の
存在下、非プロトン系極性溶媒中で反応させることによ
り、得ることができる。
【0010】本発明の第1局面においては、次式(I−
1)
【化19】 で表わされる構造単位を有する基5〜95モル%と、次
式(II)
【化20】 で表わされる構造単位を有する基95〜5モル%からな
り、式(I−1)と式(II)の構造単位を有する基が互
いにランダムに配列し、かつ、そのポリマーの分子末端
が、置換基を有しない芳香族環、あるいはアルキル基、
アルコキシ基又はハロゲン基で置換された芳香族環で封
止され、ガラス転移温度が120〜300℃であること
を特徴とする溶融成形可能なポリアミドイミド樹脂を提
供する。
【0011】本発明の第2局面においては、次式(I−
2)
【化21】 の繰り返し単位を持ち、かつ、そのポリマーの分子末端
が、置換基を有しない芳香族環、あるいはアルキル基、
アルコキシ基又はハロゲン基で置換された芳香族環で封
止され、ガラス転移温度が120〜300℃であること
を特徴とする溶融成形可能なポリアミドイミド樹脂を提
供する。
【0012】本発明の第3局面においては、次式(I−
1)
【化22】 で表わされる構造単位を有する基5〜95モル%、およ
び次式(II)
【化23】 で表わされる構造単位を有する基95〜5モル%からな
り、式(I−1)と式(II)の構造単位を有する基が互
いにランダムに配列し、かつ、そのポリマーの分子末端
が、置換基を有しない芳香族環、あるいはアルキル基、
アルコキシ基又はハロゲン基で置換された芳香族環で封
止され、ガラス転移温度が120〜300℃の溶融成形
可能なポリアミドイミド樹脂の製造方法において、次式
(III)
【化24】 で表わされる芳香族トリカルボン酸無水物と、次式(I
V) OCN−CH2−R2−CH2−NCO (IV) (式中、R2は直結または1個以上の炭素原子を含む2
価の基を表わす)で表わされる脂肪族性ジイソシアネー
ト、および次式(V) OCN−R3−NCO (V) (式中、R3は2価の芳香族基を表わす)で表わされる
芳香族ジイソシアネートとを、式(IV)の脂肪族性ジイ
ソシアネートと式(V)の芳香族ジイソシアネートとの
総量に対し、式(IV)の脂肪族性ジイソシアネートが5
〜95モル%の割合で、かつ、式(III)で表わされる
芳香族トリカルボン酸無水物1モルに対して、0.1モ
ル以下の非置換芳香族ジカルボン酸無水物、アルキル
基、アルコキシ基又はハロゲン基を有する芳香族ジカル
ボン酸無水物、非置換芳香族モノカルボン酸、及びアル
キル基、アルコキシ基又はハロゲン基を有する芳香族モ
ノカルボン酸からなる群から選ばれた少なくとも1種の
末端封止剤とを、アルカリ金属化合物の存在下で非プロ
トン系極性溶媒中180℃以上で反応させることを特徴
とするポリアミドイミド樹脂の製造方法を提供する。
【0013】本発明の第4局面においては、次式(I−
2)
【化25】 の繰り返し単位を持ち、かつ、そのポリマーの分子末端
が、置換基を有しない芳香族環、あるいはアルキル基、
アルコキシ基又はハロゲン基で置換された芳香族環で封
止され、ガラス転移温度が120〜300℃であること
を特徴とする溶融成形可能なポリアミドイミド樹脂を製
造するにあたり、次式(III)
【化26】 で表わされる芳香族トリカルボン酸無水物1モルに対し
て、次式(VI) H2N−CH2−R2−CH2−NH2 (VI) (式中、R2は直結または1個以上の炭素原子を含む2
価の基を表わす)で表わされる脂肪族性ジアミン0.4
75〜0.525モル及び式(III)の芳香族トリカル
ボン酸無水物1モル当り0.1モル以下の非置換芳香族
ジカルボン酸無水物、アルキル基、アルコキシ基又はハ
ロゲン基を有する芳香族ジカルボン酸無水物、非置換芳
香族モノカルボン酸、及びアルキル基、アルコキシ基又
はハロゲン基を有する芳香族モノカルボン酸からなる群
から選ばれた少なくとも1種の末端封止剤を、触媒とし
てアルカリ金属化合物の存在下、非プロトン系極性溶媒
中100℃以上で反応させ、縮合により生成する水を系
外に除去した後、更に、次式(V) OCN−R3−NCO (V) (式中、R3は2価の芳香族基を表わす)で表わされる
芳香族ジイソシアネート0.475〜0.525モルを
加え、150℃以上で反応させることを特徴とするポリ
アミドイミド樹脂の製造方法を提供する。
【0014】本発明の第5の局面においては、次式(I
−2)
【化27】 の繰り返し単位を持ち、かつ、そのポリマーの分子末端
が、置換基を有しない芳香族環、あるいはアルキル基、
アルコキシ基又はハロゲン基で置換された芳香族環で封
止され、ガラス転移温度が120〜300℃であること
を特徴とする溶融成形可能なポリアミドイミド樹脂を製
造するにあたり、次式(III)
【化28】 で表わされる芳香族トリカルボン酸無水物1モルに対し
て、次式(IV) OCN−CH2−R2−CH2−NCO (IV) (式中、R2は直結または1個以上の炭素原子を含む2
価の基を表わす)で表わされる脂肪族性ジイソシアネー
ト0.475〜0.525モル、及び式(III)の芳香
族トリカルボン酸無水物1モル当り0.1モル以下の非
置換芳香族ジカルボン酸無水物、アルキル基、アルコキ
シ基又はハロゲン基を有する芳香族ジカルボン酸無水
物、非置換芳香族モノカルボン酸、及びアルキル基、ア
ルコキシ基又はハロゲン基を有する芳香族モノカルボン
酸からなる群から選ばれた少なくとも1種の末端封止剤
を、触媒としてアルカリ金属化合物の存在下、非プロト
ン系極性溶媒中100℃以上で反応させ、更に、次式
(V) OCN−R3−NCO (V) (式中、R3は2価の芳香族基を表わす)で表わされる
芳香族ジイソシアネート0.475〜0.525モルを
加え、150℃以上で反応させることを特徴とするポリ
アミドイミド樹脂の製造方法を提供する。
【0015】本発明において、置換分R1は、3つのカ
ルボニル基に結合した芳香族基で、3つのカルボニル基
のうち2つが芳香族環の隣接炭素に結合している芳香族
基である。この芳香族基としては、例えば、ベンゼン、
ナフタレン、ジフェニル、ジフェニルスルホン、ジフェ
ニルエーテル、ベンゾフェノン、ペリレン、ジフェニル
アルカンなどから誘導される3つのカルボニル基に結合
した芳香族基を挙げることができる。
【0016】R1
【化29】 の3官能性芳香族基であってもよい(但し、2官能基は
隣接炭素に結合されている)。
【0017】また置換分R2 は直結または1個以上の炭
素原子を含む2価の基である。この1個以上の炭素原子
を含む2価の基としては、例えば、アルキレン基、炭素
以外の元素を含むアルキレン鎖、2価の芳香族基、例え
ば、フェニレン、ナフチレン、2価のビシクロ(二環縮
合環)化合物から誘導される基など、を挙げることがで
きる。
【0018】R2 は次のような二価の基であってもよ
い。
【化30】
【0019】更に置換分R3 は2価の芳香族基であり、
例えば、フェニレン、置換フェニレン(アルキル置換フ
ェニレン、アルコキシ置換フェニレン、ハロ置換フェニ
レンなど);更に、非置換又は置換ジフェニルアルカ
ン、トリフェニルアルカン、ジフェニルスルフィド、ジ
フェニルスルホン、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノ
ン、ビフェニル、ナフタレン、アントラキノン、アント
ラセン、アゾベンゼンなどから誘導される二価の芳香族
基を挙げることができる。
【0020】R3 は次のような二価の基であってもよ
い。
【化31】
【化32】
【0021】前記一般式(III )で表わされる芳香族ト
リカルボン酸無水物の例は、ベンゼン‐1,2,4‐ト
リカルボン酸無水物、ナフタレン‐1,2,4‐トリカ
ルボン酸無水物、ナフタレン‐1,2,5‐トリカルボ
ン酸無水物、ナフタレン‐2,3,5‐トリカルボン酸
無水物、ナフタレン‐2,3,6‐トリカルボン酸無水
物、3,4,4′‐ジフェニルトリカルボン酸無水物、
2,3,2′‐ジフェニルトリカルボン酸無水物、3,
4,3′‐ジフェニルスルホントリカルボン酸無水物、
3,4,4′‐ジフェニルエーテルトリカルボン酸無水
物、3,4,4′‐ベンゾフェノントリカルボン酸無水
物、3,4,3′‐ベンゾフェノントリカルボン酸無水
物、ペリレン‐1,2,9‐トリカルボン酸無水物、ペ
リレン‐2,3,9‐トリカルボン酸無水物、2‐
(3,4‐ジカルボキシフェニル)‐2‐(3‐カルボ
キシフェニル)プロパン無水物、2‐(2,3‐ジカル
ボキシフェニル)‐2‐(3‐カルボキシフェニル)プ
ロパン無水物、1‐(2,3‐ジカルボキシフェニル)
‐1‐(3‐カルボキシフェニル)エタン無水物、1‐
(3,4‐ジカルボキシフェニル)‐1‐(4‐カルボ
キシフェニル)エタン無水物、(2,3‐ジカルボキシ
フェニル)‐(2‐カルボキシフェニル)メタン無水物
等が挙げられる。
【0022】前記一般式(IV)で表わされる脂肪族性ジ
イソシアネートの例としては、1,2‐ジイソシアナー
トエタン、1,3‐ジイソシアナートプロパン、テトラ
メチレン‐1,4‐ジイソシアネート、ペンタメチレン
‐1,5‐ジイソシアネート、ヘキサメチレン‐1,6
‐ジイソシアネート、ノナメチレン‐1,9‐ジイソシ
アネート、デカメチレン‐1,10‐ジイソシアネート、
ω,ω′‐ジプロピルエーテルジイソシアネート等の脂
肪族ジイソシアネート誘導体、及びメタキシリレンジイ
ソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート等の側
鎖にイソシアナート基をもった芳香族ジイソシアネー
ト、及び2,4‐ジイソシアナトメチルビシクロ〔2,
2,1〕ヘプタン、2,5‐ジイソシアナトビシクロ
〔2,2,1〕ヘプタン等のビシクロ(二環縮合環)化
合物が挙げられ、特にヘキサメチレン‐1,6‐ジイソ
シアネート、メタキシリレンジイソシアネートが工業的
に入手が容易で安価であることから好ましい。
【0023】前記一般式(V)で表わされる芳香族ジイ
ソシアネートの例は、フェニレン‐1,3‐ジイソシア
ネート、フェニレン‐1,4‐ジイソシアネート、トリ
レン‐2,6‐ジイソシアネート、トリレン‐2,4‐
ジイソシアネート、1‐メトキシベンゼン‐2,4‐ジ
イソシアネート、1‐クロロフェニレンジイソシアネー
ト、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、メタキ
シリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシア
ネート、ジフェニルメタン‐4,4′‐ジイソシアネー
ト、ジフェニルスルフィド‐4,4′‐ジイソシアネー
ト、ジフェニルスルホン‐4,4′‐ジイソシアネー
ト、ジフェニルエーテル‐4,4′‐ジイソシアネー
ト、ジフェニルエーテル‐3,4′‐ジイソシアネー
ト、ジフェニルケトン‐4,4′‐ジイソシアネート、
ナフタレン‐2,6‐ジイソシアネート、ナフタレン‐
1,4‐ジイソシアネート、ナフタレン‐1,5‐ジイ
ソシアネート、2,4′‐ビフェニルジイソシアネー
ト、4,4′‐ビフェニルジイソシアネート、3,3′
‐メトキシ‐4,4′‐ビフェニルジイソシアネート、
アントラキノン‐2,6‐ジイソシアネート、トリフェ
ニルメタン‐4,4′‐ジイソシアネート、アゾベンゼ
ン‐4,4′‐ジイソシアネート等が挙げられ、特にト
リレン‐2,4‐ジイソシアネート、ジフェニルメタン
‐4,4′‐ジイソシアネート、およびナフタレン‐
1,5‐ジイソシアネートが工業的に入手が容易で安価
であることから好ましい。
【0024】前記一般式(VI)で表わされる脂肪族性ジ
アミンの例としては、1,2‐ジアミンエタン、1,3
‐ジアミンプロパン、テトラメチレン‐1,4‐ジアミ
ン、ペンタメチレン‐1,5‐ジアミン、ヘキサメチレ
ン‐1,6‐ジアミン、ノナメチレン‐1,9‐ジアミ
ン、デカメチレン‐1,10‐ジアミン、ω,ω′‐ジプ
ロピルエーテルジアミン等の脂肪族ジアミン誘導体、及
びメタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン等
の芳香族環の側鎖にアミノ基を有する芳香族基含有脂肪
族ジアミン、及び2,4‐ジアミノメチルビシクロ
〔2,2,1〕ヘプタン、2,5‐ジアミノメチルビシ
クロ〔2,2,1〕ヘプタン等のビシクロ(二環縮合
環)化合物が挙げられ、特にヘキサメチレン‐1,6‐
ジアミン、メタキシリレンジアミンが工業的に入手が容
易で安価であることから好ましい。
【0025】本発明で用いられるポリマーの分子末端封
止基は非置換芳香族環基、またはアルキル基、アルコキ
シ基又はハロゲン基で置換された芳香族環基である。
【0026】この芳香族環は単環式芳香族基、縮合多環
式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に
連結された多環式芳香族基であることができる。
【0027】例えば、ベンゼン、ジフェニルアルカン、
ジフェニルスルホン、ジフェニルスルホキシド、ジフェ
ニルスルフィド、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノ
ン、ナフタレンなどから誘導される2官能性または1官
能性非置換芳香族環基、およびこれらのアルキル置換、
アルコキシ置換、ハロゲン置換芳香族環基、例えば、メ
チル置換、メトキシ置換、クロロ置換芳香族基を挙げる
ことができる。
【0028】特に、ベンゼンから誘導される非置換芳香
族環基でポリマーの分子末端を封止した場合、耐熱性が
向上することから好ましい。
【0029】本発明で用いられる分子末端封止剤として
は、非置換芳香族環基、またはアルキル基、アルコキシ
基又はハロゲン基で置換された芳香族環基を有する化合
物を用いることができる。
【0030】この芳香族環は単環式芳香族基、縮合多環
式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に
連結された多環式芳香族基であることができる。
【0031】分子末端封止剤としては、例えば、無水フ
タル酸、2,3‐ジカルボキシフェニルメタン無水物、
3,4‐ジカルボキシフェニルメタン無水物、2,3‐
ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、3,4
‐ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,
3‐ジカルボキシフェニルフェニルスルホキシド無水
物、3,4‐ジカルボキシフェニルフェニルスルホキシ
ド無水物、2,3‐ジカルボキシフェニルフェニルスル
フィド無水物、3,4‐ジカルボキシフェニルフェニル
スルフィド無水物、2,3‐ジカルボキシフェニルフェ
ニルエーテル無水物、3,4‐ジカルボキシフェニルフ
ェニルエーテル無水物、2,3‐ベンゾフェノンジカル
ボン酸無水物、3,4‐ベンゾフェノンジカルボン酸無
水物、2,3‐ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4
‐ビフェニルジカルボ酸無水物、1,2‐ナフタレンジ
カルボン酸無水物、2,3‐ナフタレンジカルボン酸無
水物、1,2‐アントラセンジカルボン酸無水物、2,
3‐アントラセンジカルボン酸無水物等のジカルボン酸
無水物、またはこれらのアルキル置換、アルコキシ置
換、ハロゲン置換ジカルボン酸無水物、例えば4‐メチ
ルフタル酸無水物、4‐メトキシフタル酸無水物、4‐
クロロフタル酸無水物など、が挙げられる。
【0032】また、安息香酸、ジフェニルメタンカルボ
ン酸、ジフェニルスルホンカルボン酸、ジフェニルスル
ホキシドカルボン酸、ジフェニルスルフィドカルボン
酸、ジフェニルエーテルカルボン酸、ベンゾフェノンカ
ルボン酸、ビフェニルカルボン酸、ナフタレンカルボン
酸、アントラセンカルボン酸等のモノカルボン酸、また
はこれらのアルキル置換、アルコキシ置換、ハロゲン置
換モノカルボン酸等が挙げられる。
【0033】好ましくは下式で表わされるジカルボン酸
無水物、
【化33】 および下式で表わされるモノカルボン酸、
【化34】 及びそれらの芳香族環がアルキル基、アルコキシ基又は
ハロゲン基で置換された誘導体である。
【0034】本発明の種々の局面における樹脂の生成に
用いられる本発明に記載の反応剤は異性体を有する場合
があることは当業者には明らかである。従って、特に断
りなき限り、反応剤についての記載はそのような異性体
の全てを含むものとする。
【0035】特に、無水フタル酸、及び安息香酸が工業
的に入手が容易で安価であることから好ましく、これら
分子末端封止剤を使用したポリマーの熱安定性は、使用
しないものに比べ非常に優れている。
【0036】本発明の方法において触媒として用いられ
るアルカリ金属化合物の例は、ジカルボン酸、トリカル
ボン酸およびテトラカルボン酸のモノおよび/またはジ
および/またはトリおよび/またはテトラリチウム塩、
ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム
塩、フランシウム塩等の多価カルボン酸のアルカリ金属
塩、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸フランシウム等のア
ルカリ金属炭酸塩、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水
素セシウム、炭酸水素フランシウム等のアルカリ金属炭
酸水素塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化
フランシウム等のアルカリ金属水酸化物、弗化リチウ
ム、弗化ナトリウム、弗化カリウム、弗化ルビジウム、
弗化セシウム、弗化フランシウム等のアルカリ金属弗化
物が挙げられる。特に、ナトリウム塩およびカリウム塩
が好ましい。上記のアルカリ金属化合物は、単独にまた
は2種以上混合して使用してもよい。
【0037】本発明で使用される非プロトン系極性溶媒
としては、例えば、N,N‐ジメチルアセトアミド、
N,N‐ジメチルホルムアミド、N‐メチルピロリド
ン、γ‐ブチロラクトン、ヘキサメチル燐酸トリアミド
の様な鎖状もしくは環状のアミド類またはホスホリルア
ミド類、あるいはジメチルスルホキシド、ジフェニルス
ルホン、テトラメチレンスルホンのようなスルホキシド
あるいはスルホン類、テトラメチル尿素、N,N′‐ジ
メチルエチレンウレアのようなウレア類である。これら
の溶媒はジイソシアネートを重縮合(アミド化)する際
には実質的に無水の状態で使用することが好ましい。重
合反応に不活性な他の溶媒、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン等を混合して使用することができる。
【0038】本発明の第3局面に於いて、優れた耐熱性
を有し、射出成形可能なポリアミドイミドを製造するに
は、前記一般式(III )で表わされる芳香族トリカルボ
ン酸無水物と、前記一般式(IV)の脂肪族性ジイソシア
ネートおよび一般式(V)の芳香族ジイソシアネートの
総量に対して、前記一般式(IV)で表わされる脂肪族性
ジイソシアネートの一種または二種以上5〜95モル
%、好ましくは20〜80モル%、および前記一般式
(V)で表わされる芳香族ジイソシアネートの一種又は
二種以上95〜5モル%、好ましくは80〜20モル%
からなる混合物、これに更に分子末端封止剤を芳香族ト
リカルボン酸無水物1モル当り0.1モル以下添加した
ものを、アルカリ金属化合物の存在下、非プロトン系極
性溶媒中で180℃以上の温度で加熱反応させる必要が
ある。
【0039】脂肪族性ジイソシアネートの量が5モル%
未満で芳香族ジイソシアネートの量が95モル%を超え
ると、得られたポリマーの溶融粘度が上昇し、溶融成形
が困難になる。また、脂肪族性ジイソシアネートの量
が、95モル%を超え、芳香族ジイソシアネートの量が
5モル%未満になると、得られたポリマーのガラス転移
温度、耐熱性が低下する。
【0040】特に、脂肪族性ジイソシアネートと芳香族
ジイソシアネートを前述のごとき特定割合で混合するこ
とにより、ガラス転移点が120〜300℃の優れた耐
熱性を有し、射出成形可能な溶融粘度を有するポリアミ
ドイミド樹脂が得られる。
【0041】本発明のポリアミドイミド樹脂の重合は、
上記芳香族トリカルボン酸無水物と重合触媒を非プロト
ン系極性溶媒に溶解し、脂肪族性ジイソシアネート、芳
香族ジイソシアネート、及び封止剤をその溶液に添加
後、加熱することにより実施される。
【0042】重縮合反応は、脂肪族性ジイソシアネート
の反応性が低いために通常180℃以上の温度が必要
で、200℃〜260℃の温度範囲がさらに好ましい。
【0043】反応時間は、通常1〜20時間である。そ
して副生する二酸化炭素が実質的に認められなくなる時
点をもって反応の完結点とすることができる。
【0044】ジイソシアネートの添加方法は、脂肪族性
ジイソシアネートと芳香族ジイソシアネートを予め混合
して、芳香族トリカルボン酸溶液中に添加してできる。
また、脂肪族性ジイソシアネートと芳香族ジイソシアネ
ートをそれぞれ別々に添加することもできる。このとき
の添加順序はどちらが先でも問題はない。
【0045】ジイソシアネートの使用量は、芳香族トリ
カルボン酸無水物100モルに対し、70〜130モル
の範囲が好ましく、90〜115モルの範囲がより好ま
しい。70モル未満、130モルを超えると、得られた
ポリマーの分子量、耐熱性が低下する。
【0046】アルカリ金属化合物の添加量は、芳香族ト
リカルボン酸無水物に対して、0.5〜20モル%の範
囲が好ましく、特に1.0〜10モル%が好ましい。
【0047】一般には重合反応開始時に於ける原料モノ
マー(芳香族トリカルボン酸無水物+ジイソシアネー
ト)濃度は50〜400g/l溶媒の範囲が選択される
が、この濃度の選択は原料モノマーの反応性及び重合溶
媒中のポリマーの溶解性等によって行われる。高濃度で
重合を開始した場合には、重合途中で増粘により攪拌に
支障が起きないように、場合によっては溶媒を連続的又
は非連続的に追加することが好ましい。
【0048】本発明の第4又は第5局面に於いて、優れ
た耐熱性を有し、溶融成形可能な分子配列を制御した脂
肪族、芳香族ポリアミドイミドは2段反応で製造するこ
とができる。
【0049】1段目に前記一般式(III)で表わされる
芳香族トリカルボン酸無水物と、一般式(VI)で表わさ
れる脂肪族性ジアミンまたは一般式(IV)で表わされる
脂肪族性ジイソシアネートを、芳香族トリカルボン酸無
水物1モルに対して0.475〜0.525モル、好ま
しくは、0.49〜0.51モル、且つ、芳香族トリカ
ルボン酸無水物1モルに対して0.1モル以下の前記封
止剤を、アルカリ金属化合物の存在下、非プロトン系極
性溶媒中で、100℃以上の温度で加熱反応させてイミ
ド化を行い、脂肪族性ジアミンを用いた場合には、縮合
により生成する水を系外に除去する。
【0050】次に2段目においては、一般式(V)で表
わされる芳香族ジイソシアネートを芳香族トリカルボン
酸無水物1モルに対して0.475〜0.525モル、
好ましくは0.49〜0.51モルを1段目の反応液に
加え、150℃以上の温度で加熱反応させアミド化を行
う。
【0051】本発明において使用する一般式(III )で
表わされる芳香族トリカルボン酸無水物と一般式(VI)
で表わされる脂肪族性ジアミンまたは一般式(IV)で表
わされる脂肪族性ジイソシアネートのモル比は、芳香族
トリカルボン酸無水物1モルに対して脂肪族性ジアミン
または脂肪族性ジイソシアネート0.475〜0.52
5モルの範囲が好ましく、0.49〜0.51モルの範
囲がさらに好ましい。モル比が0.475未満、または
0.525を超過すると中間生成物のジイミドジカルボ
ン酸の生成量が少なくなる。
【0052】また、更に一般式(V)で表わされる芳香
族ジイソシアネートのモル比は、芳香族トリカルボン酸
無水物1モルに対して芳香族ジイソシアネート0.47
5〜0.525の範囲が好ましく、0.49〜0.51
の範囲がさらに好ましい。モル比が0.475未満、ま
たは0.525を超過すると低分子量のポリマーしか得
られない。
【0053】また、分子末端封止剤の量は、芳香族トリ
カルボン酸無水物1モル当り0.1モル以下が好まし
く、0.08モル以下がさらに好ましい。分子末端封止
剤の量が芳香族トリカルボン酸無水物1モル当り0.1
モルを超えると得られたポリマーの分子量が低下し、耐
熱性が低下する。
【0054】また、芳香族トリカルボン酸無水物と脂肪
族性ジアミンを縮合させるイミド化反応は、無水物環と
ジアミンの反応性は比較的高く、通常100℃以上の温
度で、好ましくは150〜250℃の温度範囲で行う。
中間生成物であるジイミドジカルボン酸は、この場合単
離せずに芳香族ジイソシアネートとの重縮合反応(アミ
ド化)を行うが、生成したジイミドジカルボン酸を単離
して縮重合反応(アミド化)を行っても何らさしつかえ
ない。
【0055】重縮合反応(アミド化)は、芳香族ジイソ
シアネートの反応性が低いために通常150℃以上の温
度が必要で、200〜260℃の温度範囲がさらに好ま
しい。 また、もうひとつの方法である芳香族トリカル
ボン酸無水物と、脂肪族性ジイソシアネートを縮合させ
るイミド化反応については、芳香族トリカルボン酸無水
物の無水物環とカルボキシ基の脂肪族、芳香族ジイソシ
アネートに対する反応性を無水フタル酸、安息香酸等を
モデル化合物として調べた結果、脂肪族性ジイソシアネ
ートの無水物環の反応(イミド化)とカルボキシル基の
反応(アミド化)では100〜250℃の温度領域でイ
ミド化とアミド化の速度に大きな差があることを見い出
した。芳香族トリカルボン酸無水物と脂肪族性ジイソシ
アネートを縮合させる1段目のイミド化反応は、100
〜250℃の温度が必要で、140〜180℃の温度範
囲がさらに好ましい。100℃未満では無水物環とジイ
ソシアネートの反応性が低下し好ましくなく、250℃
を超過するとアミド化の速度が速くなり、分子配列を制
御したポリマーが得られなくなるので好ましくない。
また、2段目のアミド化反応は、ジイソシアネートの反
応性が低いため、通常150℃以上の温度が必要で、2
00〜260℃の温度範囲がさらに好ましい。中間生成
物であるジイミドジカルボン酸は、この場合単離せずに
ジイソシアネートとの重縮合反応(アミド化)を行う
が、生成したジイミドジカルボン酸を単離して縮重合反
応(アミド化)を行っても何らさしつかえない。
【0056】分子配列を制御したポリアミドイミド樹脂
とは、この場合1段目で生成するお互いに向き合ったジ
イミド単位が、2段目のアミド化反応で生成するアミド
結合を介して規則的に並ぶということを意味している。
【0057】反応時間は、イミド化、アミド化反応とも
通常1〜20時間である。そして副生する水、及び二酸
化炭素が実質的に認められなくなる時点をもって反応の
完結点とすることができる。
【0058】アルカリ金属化合物の添加量は、芳香族ト
リカルボン酸無水物に対して、0.5〜20モル%の範
囲が好ましく、特に1.0〜10モル%が好ましい。
【0059】一般には原料モノマー〔芳香族トリカルボ
ン酸無水物+ジアミン(又は1段目のジイソシアネー
ト)+2段目のジイソシアネート〕の濃度は50〜40
0g/1の範囲が選択されるが、この濃度の選択は原料
モノマーの反応性及び重合溶媒中のポリマーの溶解性等
によって行われる。高濃度で重合を開始した場合には、
重合途中で増粘により攪拌に支障が起きないように、場
合によっては溶媒を連続的又は非連続的に追加すること
が好ましい。
【0060】本発明に於いて、得られた分子配列を制御
した脂肪族、芳香族ポリアミドイミド樹脂の平均分子量
(GPCのポリスチレン、スタンダードによる重量平均
分子量)は、1万以上が好ましく、特に好ましくは、2
万以上である。
【0061】〔実施例〕以下、実施例にて本発明を詳細
に説明する。また、実施例及び比較例において得られた
ポリマーの物性値は以下の方法により測定した。 平均分子量:重合液をN‐メチルピロリドンで希釈し、
GPCを用いて、分子量分布曲線のカーブを測定し、ポ
リスチレン、スタンダードによって平均分子量を得た。 流動温度: (島津製作所製) フローテスターを用いて測定した見掛けの溶融粘度が1
0000Poise になる温度。 実施例1 撹拌機、温度計、冷却コンデンサーおよび滴下ロートを
備えた500mlフラスコ中に、ベンゼン‐1,2,4‐
トリカルボン酸無水物21.05g(0.1096モ
ル)、フッ化カリウム0.127g(0.00219モ
ル)、無水フタル酸0.447g(0.00302モ
ル)、N,N′‐ジメチルエチレンウレア200mlを窒
素雰囲気中に装入し溶解した。滴下ロートにヘキサメチ
レン‐1,6‐ジイソシアネート9.21g(0.05
48g)およびトリレン‐2,4‐ジイソシアネート
9.54g(0.0548モル)を測り取り、1度にフ
ラスコ内に添加した。この溶液を攪拌しながら内温を2
20℃まで昇温したところ130℃で激しく反応し二酸
化炭素の発生が認められた。200℃で1時間攪拌を続
けると溶液の色は黄色から赤褐色へと変化し、粘度が上
昇した。さらに1時間加熱を続け熟成した後、室温に冷
却し、重合液を高速攪拌下の水中に投入してポリマー粉
末を得た。このポリマー粉末をさらに水で3回洗浄し、
最後にメタノールで洗浄後、150℃で8時間減圧乾燥
し29gのポリマー粉末が得られた。その重合体の平均
分子量は4.2万であった。DSCで測定したガラス転
移温度は210℃、空気中5%分解温度440℃という
優れた耐熱性を有していた。さらに、流動温度が301
℃で、射出成形が可能な熱溶融特性を有していた。
【0062】実施例2〜7 実施例1に示した実験装置に芳香族トリカルボン酸、脂
肪族性ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートをそ
れぞれの条件下に於て同様に重合を行い、得られた重合
体の物性値を表1に示す。
【0063】実施例8 撹拌機、温度計、冷却コンデンサー、窒素ガス導入管、
留出管および滴下ロートを備えた500mlフラスコ中
に、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸無水物2
1.03g(0.1095モル)、ヘキサメチレン−
1,6−ジアミン6.35g(0.05462モル)、
フッ化カリウム0.133g(0.00230モル)、
無水フタル酸0.576g(0.00389モル)、
N,N′−ジメチルエチレンウレア200mlを窒素雰囲
気中に装入し200℃で縮合により生成する水を除去し
ながら2次間反応させた。次にこの反応液を140℃ま
で冷却した後、滴下ロートにトリレン−2,4−ジイソ
シアネート9.55g(0.05484モル)を測り取
り、1度にフラスコ内に添加した。この溶液を撹拌しな
がら内温を220℃まで昇温したところ150℃で激し
く反応し二酸化炭素の発生が認められた。220℃で1
時間撹拌を続けると溶液の色は黄色から赤褐色へと変化
し、粘度が上昇した。更に1時間加熱を続け熟成した
後、室温に冷却し、重合液を高速撹拌下の水中に投入し
てポリマー粉末を得た。このポリマー粉末をさらに水で
3回洗浄し、最後にメタノールで洗浄後、150℃で8
時間減圧乾燥し29gのポリマー粉末が得られた。その
重合体の平均分子量は3.1万であった。DSCで測定
したガラス転移温度は197℃、空気中5%分解温度4
48℃という優れた耐熱性を有していた。さらに、流動
温度が321℃で、射出成形が可能な熱溶融特性を有し
ていた。
【0064】実施例9〜12 実施例8に示した実験装置に芳香族トリカルボン酸、脂
肪族性ジアミン、芳香族ジイソシアネートをそれぞれの
条件下に於て同様に重合を行い得られた重合体のそれぞ
れの物性値を表2に示す。
【0065】実施例13 実施例8に示した実験装置にベンゼン‐1,2,4‐ト
リカルボン酸無水物とヘキサメチレン‐1,6‐ジアミ
ンを同様な条件下で反応させ、得られた反応液を冷却し
た後、pH2に調製した塩酸水溶液中に入れ、ビス‐
〔(4‐カルボキシ)フタルイミド〕‐1,6‐ヘキサ
メチレンを単離した。DSCで測定した融点は320℃
であった。次にこの化合物にトリレン‐2,4‐ジイソ
シアネートを加え重縮合を行った。得られた重合体の物
性値を表2に示す。
【0066】実施例14 撹拌機、温度計、冷却コンデンサーおよび滴下ロートを
備えた500mlフラスコ中に、ベンゼン‐1,2,4‐
トリカルボン酸無水物21.34g(0.1111モ
ル)、フッ化カリウム0.142g(0.00244モ
ル)、無水フタル酸0.549g(0.00371
g)、N,N′‐ジメチルエチレンウレア200mlを窒
素雰囲気中に装入し溶解し、この溶液を攪拌しながら内
温を140℃に昇温した。滴下ロートにヘキサメチレン
‐1,6‐ジイソシアネート9.32g(0.0554
2モル)を測り取り、1度にフラスコ内に添加し160
℃で4時間反応させた。更に滴下ロートにトリレン‐
2,4‐ジイソシアネート9.69g(0.05565
モル)を測り取り、1度にフラスコ内に添加し、内温を
220℃まで昇温したところ150℃で激しく反応し二
酸化炭素の発生が認められた。220℃で1時間攪拌を
続けると溶液の色は黄色から赤褐色へと変化し、粘度が
上昇した。さらに1時間加熱を続け熟成した後、室温に
冷却し、重合液を高速攪拌下の水中に投入してポリマー
粉末を得た。このポリマー粉末をさらに水で3回洗浄
し、最後にメタノールで洗浄後、150℃で8時間減圧
乾燥し30gのポリマー粉末が得られた。その重合体の
平均分子量は3.3万であった。DSCで測定したガラ
ス転移温度は201℃、空気中5%分解温度449℃と
いう優れた耐熱性を有していた。さらに、流動温度が3
29℃で、射出成形が可能な熱溶融特性を有していた。
【0067】実施例15〜18 実施例14に示した実験装置に芳香族トリカルボン酸、
脂肪族性ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートを
表3のそれぞれの条件下に於て同様に重合を行い、得ら
れた重合体のそれぞれの物性値を表3に示す。
【0068】実施例19 実施例14に示した実験装置にベンゼン‐1,2,4‐
トリカルボン酸無水物とヘキサメチレン‐1,6‐ジイ
ソシアネートを同様な条件下で反応させ、得られた反応
液を冷却した後、pH2に調製した塩酸水溶液中に入
れ、ビス‐[(4‐カルボキシ)フタルイミド]‐1,
6‐ヘキサメチレンを単離した。DSCで測定した融点
は320℃であった。次にこの化合物にトリレン‐2,
4‐ジイソシアネートを加え重縮合を行った。得られた
重合体の物性値を表3に示す。
【0069】参考例 撹拌機、温度計、及び冷却コンデンサーを備えた4つ口
フラスコにフッ化カリウム0.0174g(0.000
3モル)、安息香酸7.4713g(0.0612モ
ル)、N,N′‐ジメチルエチレンウレア109.84
gを窒素雰囲気中に装入し、溶解した。温度を一定に保
持した後、ヘキサメチレン‐1,6‐ジイソシアネート
4.9489g(0.029モル)を一括で装入し、各
時間におけるヘキサメチレン‐1,6‐ジイソシアネー
トの消失量を液クロで定量し、積分法よりアミド化の反
応速度定数kを各温度において求めた。また、イミド化
の各温度における反応速度定数は無水フタル酸を用いて
同様に求め、トリレン‐2,4‐ジイソシアネートとの
反応速度定数も同様に測定した。得られた各温度での反
応速度定数を表4に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】比較例1 撹拌機、温度計、冷却コンデンサーおよび滴下ロートを
備えた1000mlフラスコに、ベンゼン‐1,2,4‐
トリカルボン酸無水物63.66g(0.3314モ
ル)フッ化カリウム0.19g(0.0033モル)、
N,N′‐ジメチルエチレンウレア600mlを窒素雰囲
気中に装入し溶解した。滴下ロートにヘキサメチレン‐
1,6‐ジイソシアネート55.18g(0.3281
モル)のみを計り取り、一度にフラスコ内に添加した。
この溶液を攪拌しながら内温を200℃まで昇温したと
ころ130℃で激しく反応し二酸化炭素の発生が認めら
れた。200℃で1時間攪拌を続けると溶液の色は黄色
から赤褐色へと変化し、粘度が上昇した。さらに1時間
加熱を続け熟成した後、室温を冷却し、重合液を高速攪
拌下の水中に投入してポリマー粉末を得た。この粉末を
さらに水で3回洗浄し、最後にメタノールで洗浄後、1
50℃で8時間減圧乾燥し、85gのポリマー粉末が得
られた。この重合体の平均分子量は2.3万、ガラス転
移温度は115℃と低く、耐熱性樹脂として十分な耐熱
性を有していなかった。
【0075】比較例2 比較例1のジイソシアネートをトリレン‐2,4‐ジイ
ソシアネート57.14g(0.3281モル)および
触媒を炭酸カリウム0.46g(0.0033モル)に
変えた以外は比較例1と同様に反応及び後処理を行っ
た。得られた重合体の平均分子量は、5.6万、ガラス
転移温度343℃、5%分解温度427℃および流動温
度392℃であった。この重合体は、流動温度と熱分解
する温度との差が小さく、溶融成形には適していなかっ
た。
【0076】比較例3 ベンゼン‐1,2,4‐トリカルボン酸無水物52.1
2g(0.2713モル)、ジフェニルメタン‐4,
4′‐ジイソシアネート67.21g(0.2685モ
ル)および弗化カリウム0.16g(0.0027モ
ル)を用いた以外は比較例1と同様に重合および後処理
を行った。得られた重合体の平均分子量は5.2万、ガ
ラス転移温度337℃、5%分解温度421℃、流動温
度387℃であった。この重合体は、流動温度と熱分解
する温度との差が小さく、溶融成形には適していなかっ
た。
【0077】比較例4 ベンゼン‐1,2,4‐トリカルボン酸無水物57.3
1g(0.2983モル)、ナフタレン‐1,5‐ジイ
ソシアネート57.93g(0.2756モル)および
水酸化ナトリウム0.12g(0.0030モル)を用
いた以外は比較例1と同様に反応を行った。200℃で
30分反応させたところ、ポリマー粉末が析出してき
た。このポリマー粉末を濾過、洗浄し後処理したが、N
‐メチルピロリドンに溶解しなかった。この粉末の5%
分解温度は350℃で溶融成形するのに十分な耐熱性を
有していなかった。
【0078】比較例5 撹拌機、温度計、冷却コンデンサー、窒素ガス導入管、
留出管および滴下ロートを備えた500mlフラスコ中
に、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸無水物2
1.25g(0.1106モル)、ジフェニルメタン−
4,4′−ジアミン16.45g(0.08295モ
ル)、無水酢酸0.44g(0.1106モル)、およ
びN,N′−ジメチルエチレンウレア170mlを窒素雰
囲気中に装入し、150℃で縮合により生成する水を系
外に除去しながら、2時間反応させた。次に滴下ロート
にヘキサメチレン−1,6−ジアミン3.21g(0.
0276モル)とN,N′−ジメチルエチレンウレア3
0mlを計り取り、一度にフラスコ内に添加した。この溶
液を撹拌しながら内温を225℃まで昇温し、2時間加
熱及び留出を続け、比較例1と同様な方法で後処理を行
った。その重合体の平均分子量は、4800で高分子量
のポリマーを得ることができなかった。
【0079】比較例6 撹拌機、温度計、冷却コンデンサー、窒素ガス導入管、
留出管および滴下ロートを備えた500mlフラスコ中
に、m‐フェニレンジアミン32.4g(0.30モ
ル)とN,N‐ジメチルアセトアミド60ml、無水酢酸
20.4g(0.20モル)、ベンゼン‐1,2,4‐
トリカルボン酸無水物78.6g(0.40モル)を窒
素雰囲気中に装入し、溶解した。また、滴下ロートに無
水酢酸20.4g(0.20モル)、ヘキサメチレン‐
1,6‐ジアミン11.6g(0.10モル)、N,N
‐ジメチルアセトアミド20mlを計り取り、一度にフラ
スコ中に添加した。次に、このフラスコに330℃の熱
をかけ、常圧で2時間、減圧下で2時間留出物を回収し
ながら反応を続けた。この重合体の平均分子量は、72
00で高分子量のポリマーを得ることができなかった。
また、5%分解温度は、354℃と耐熱性樹脂として
は、十分な耐熱性を有していなかった。
【0080】
【発明の効果】本発明のポリアミドイミド樹脂は高いガ
ラス転移温度を有し、耐熱性にすぐれ、溶融成形可能で
ある。また、本発明におけるポリアミドイミド樹脂の製
造法は実用的かつ経済的である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大北 益瑞 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (72)発明者 浅野 正彦 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 73/00 - 73/26 C08G 18/34

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(I−1) 【化1】 で表わされる構造単位を有する基5〜95モル%と、次
    式(II) 【化2】 で表わされる構造単位を有する基95〜5モル%からな
    り、式(I−1)と式(II)の構造単位を有する基が互
    いにランダムに配列し、かつ、そのポリマーの分子末端
    が、置換基を有しない芳香族環、あるいはアルキル基、
    アルコキシ基又はハロゲン基で置換された芳香族環で封
    止され、ガラス転移温度が120〜300℃であること
    を特徴とする溶融成形可能なポリアミドイミド樹脂。
  2. 【請求項2】 次式(I−2) 【化3】 の繰り返し単位を持ち、かつ、そのポリマーの分子末端
    が、置換基を有しない芳香族環、あるいはアルキル基、
    アルコキシ基又はハロゲン基で置換された芳香族環で封
    止され、ガラス転移温度が120〜300℃であること
    を特徴とする溶融成形可能なポリアミドイミド樹脂。
  3. 【請求項3】 式(I−1)、式(I−2)または式
    (II)中のR1 が、 【化4】 で表わされる3価の基であることを特徴とする請求項1
    または2記載のポリアミドイミド樹脂。
  4. 【請求項4】 式(I−1)または式(I−2)中のR
    2 が、直結又は 【化5】 で表わされる2価の基であることを特徴とする請求項1
    または2記載のポリアミドイミド樹脂。
  5. 【請求項5】 式(I−2)または式(II)中のR
    3 が、 【化6】 または 【化7】 で表わされる2価の基であることを特徴とする請求項1
    または2記載のポリアミドイミド樹脂。
  6. 【請求項6】 ポリマー分子末端封止基が、非置換芳香
    族ジカルボン酸無水物、アルキル基、アルコキシ基又は
    ハロゲン基を有する芳香族ジカルボン酸無水物、非置換
    芳香族モノカルボン酸、及びアルキル基、アルコキシ基
    又はハロゲン基を有する芳香族モノカルボン酸からなる
    群から選ばれた1種から誘導される芳香族基であること
    を特徴とする請求項1または2記載のポリアミドイミド
    樹脂。
  7. 【請求項7】 ポリマー分子末端封止基が 【化8】 【化9】 及びアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン基を有する
    上記化合物から誘導された基であることを特徴とする請
    求項1または2記載のポリアミドイミド樹脂。
  8. 【請求項8】 ポリマー分子末端封止基が無水フタル酸
    又は安息香酸から誘導された基であることを特徴とする
    請求項1または2記載のポリアミドイミド樹脂。
  9. 【請求項9】 次式(I−1) 【化10】 で表わされる構造単位を有する基5〜95モル%および
    次式(II) 【化11】 で表わされる構造単位を有する基95〜5モル%からな
    り、式(I−1)と式(II)の構造単位を有する基が互
    いにランダムに配列し、かつ、そのポリマーの分子末端
    が、置換基を有しない芳香族環、あるいはアルキル基、
    アルコキシ基又はハロゲン基で置換された芳香族環で封
    止され、ガラス転移温度が120〜300℃の溶融成形
    可能なポリアミドイミド樹脂の製造方法において、次式
    (III) 【化12】 で表わされる芳香族トリカルボン酸無水物と、次式(I
    V) OCN−CH2−R2−CH2−NCO (IV) (式中、R2は直結または1個以上の炭素原子を含む2
    価の基を表わす)で表わされる脂肪族性ジイソシアネー
    トおよび次式(V) OCN−R3−NCO (V) (式中、R3は2価の芳香族基を表わす)で表わされる
    芳香族ジイソシアネートとを、式(IV)の脂肪族性ジイ
    ソシアネートと式(V)の芳香族ジイソシアネートとの
    総量に対し、式(IV)の脂肪族性ジイソシアネートが5
    〜95モル%の割合で、かつ、式(III)で表わされる
    芳香族トリカルボン酸無水物1モルに対して、0.1モ
    ル以下の非置換芳香族ジカルボン酸無水物、アルキル
    基、アルコキシ基又はハロゲン基を有する芳香族ジカル
    ボン酸無水物、非置換芳香族モノカルボン酸、及びアル
    キル基、アルコキシ基又はハロゲン基を有する芳香族モ
    ノカルボン酸からなる群から選ばれた少なくとも1種の
    末端封止剤とを、アルカリ金属化合物の存在下で非プロ
    トン系極性溶媒中180℃以上で反応させることを特徴
    とするポリアミドイミド樹脂の製造方法。
  10. 【請求項10】 次式(I−2) 【化13】 の繰り返し単位を持ち、かつ、そのポリマーの分子末端
    が、置換基を有しない芳香族環、あるいはアルキル基、
    アルコキシ基又はハロゲン基で置換された芳香族環で封
    止され、ガラス転移温度が120〜300℃であること
    を特徴とする溶融成形可能なポリアミドイミド樹脂を製
    造するにあたり、次式(III) 【化14】 で表わされる芳香族トリカルボン酸無水物1モルに対し
    て、次式(VI) H2N−CH2−R2−CH2−NH2 (VI) (式中、R2は直結または1個以上の炭素原子を含む2
    価の基を表わす。)で表わされる脂肪族性ジアミン0.
    475〜0.525モル及び式(III)の芳香族トリカ
    ルボン酸無水物1モル当り0.1モル以下の非置換芳香
    族ジカルボン酸無水物、アルキル基、アルコキシ基又は
    ハロゲン基を有する芳香族ジカルボン酸無水物、非置換
    芳香族モノカルボン酸、及びアルキル基、アルコキシ基
    又はハロゲン基を有する芳香族モノカルボン酸からなる
    群から選ばれた少なくとも1種の末端封止剤を、触媒と
    してアルカリ金属化合物の存在下、非プロトン系極性溶
    媒中100℃以上で反応させ、縮合により生成する水を
    系外に除去した後、更に、次式(V) OCN−R3−NCO (V) (式中、R3は2価の芳香族基を表わす)で表わされる
    芳香族ジイソシアネート0.475〜0.525モルを
    加え、150℃以上で反応させることを特徴とするポリ
    アミドイミド樹脂の製造方法。
  11. 【請求項11】 次式(I−2) 【化15】 の繰り返し単位を持ち、かつ、そのポリマーの分子末端
    が、置換基を有しない芳香族環、あるいはアルキル基、
    アルコキシ基又はハロゲン基で置換された芳香族環で封
    止され、ガラス転移温度が120〜300℃であること
    を特徴とする溶融成形可能なポリアミドイミド樹脂を製
    造するにあたり、次式(III) 【化16】 で表わされる芳香族トリカルボン酸無水物1モルに対し
    て、次式(IV) OCN−CH2−R2−CH2−NCO (IV) (式中、R2は直結または1個以上の炭素原子を含む2
    価の基を表わす。)で表わされる脂肪族性ジイソシアネ
    ート0.475〜0.525モル、及び式(III)の芳
    香族トリカルボン酸無水物1モル当り0.1モル以下の
    非置換芳香族ジカルボン酸無水物、アルキル基、アルコ
    キシ基又はハロゲン基を有する芳香族ジカルボン酸無水
    物、非置換芳香族モノカルボン酸、及びアルキル基、ア
    ルコキシ基又はハロゲン基を有する芳香族モノカルボン
    酸からなる群から選ばれた少なくとも1種の末端封止剤
    を、触媒としてアルカリ金属化合物の存在下、非プロト
    ン系極性溶媒中100℃以上で反応させ、更に、次式
    (V) OCN−R3−NCO (V) (式中、R3は2価の芳香族基を表わす)で表わされる
    芳香族ジイソシアネート0.475〜0.525モルを
    加え、150℃以上で反応させることを特徴とするポリ
    アミドイミド樹脂の製造方法。
  12. 【請求項12】 末端封止剤が 【化17】 【化18】 及び、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン基を有す
    る上記化合物から選ばれた1員であることを特徴とする
    請求項9〜11のいずれか1項記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 封止剤が無水フタル酸又は安息香酸で
    あることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項記
    載の製造方法。
  14. 【請求項14】 アルカリ金属化合物が、多価カルボン
    酸アルカリ金属塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属
    炭酸水素塩、アルカリ金属水酸化物、およびアルカリ金
    属弗化物よりなる群より選ばれた少なくとも1種である
    ことを特徴する請求項9〜11記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 非プロトン系極性溶媒が、アミド類、
    ホスホリルアミド類、スルホン類、スルホキシド類及び
    ウレア類よりなる群より選ばれた少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項9〜11記載の製造方法。
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