JP5356798B2 - ポリアミドイミド樹脂絶縁塗料及びそれを用いた絶縁電線 - Google Patents

ポリアミドイミド樹脂絶縁塗料及びそれを用いた絶縁電線 Download PDF

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本発明はポリアミドイミド樹脂絶縁塗料に係り、特にポリアミドイミド樹脂塗料を構成するイソシアネート成分の末端基をカルボン酸類にて封止したポリアミドイミド樹脂絶縁塗料及びそれを用いた絶縁電線に関するものである。
導体上に、ポリアミドイミド樹脂絶縁塗料などの樹脂絶縁塗料を塗布・焼付して絶縁皮膜を形成して得られるエナメル線は、可とう性、耐摩耗性、耐軟化性などの絶縁電線としての諸特性を有する一方で、電気特性などの観点から絶縁皮膜の表面品質が良好、つまり、絶縁皮膜に粒や発泡などの絶縁欠陥が無いことが望まれている。
ポリアミドイミド樹脂絶縁塗料は、一般的に、トリメリット酸無水物からなる酸成分と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等からなるイソシアネート成分とを、反応溶媒(極性溶媒)としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶剤を使用し、窒素ガス気流下で脱炭酸、縮合反応で合成させて製造されている。
このポリアミドイミド樹脂絶縁塗料の製造方法において、極性溶媒中でイソシアネート成分と酸成分を反応させる際に、ポリアミドイミド樹脂絶縁塗料としての粘度を確保する等の目的から、主に末端基であるイソシアネート基を封止剤で封止して、ポリアミドイミド樹脂絶縁塗料の製造時における脱炭酸反応を抑止することが知られている。この封止剤としては、例えば、アルコール類、オキシム類、フェノール類などのようなポリアミドイミド樹脂絶縁塗料が焼付される際に解離し、更に高分子量化を促進させる性質をもつ材料が一般的に用いられている(例えば、特許文献1、2)。
特開平7−216058号公報 特開2008−16266号公報
ポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を導体上に塗布し、焼付して絶縁皮膜を形成する際、末端基であるイソシアネート基を封止する封止剤が焼付け時に解離することに起因して、焼付け時に脱炭酸反応が発生してしまう。この焼付け時の脱炭酸反応によって、ポリアミドイミド樹脂絶縁皮膜に粒や発泡などの絶縁欠陥が発生する頻度が高くなる。
このため、導体への塗装作業時の速度を低下させて絶縁欠陥の発生を抑制するなど、塗装作業性の悪化を招いてしまう。また、低分子量化などにより高濃度塗料化したポリアミドイミド樹脂絶縁塗料の場合には未反応モノマーが増加することにより、絶縁皮膜の形成時の脱炭酸量も大幅に増加してしまい、より一層塗装作業性の悪化を招いてしまう。
したがって、本発明の目的は、塗装作業性を低下させることなく焼付け時の脱炭酸反応を抑止し、粒や発泡などの発生のない高品質な絶縁皮膜を得ることができるポリアミドイミド樹脂絶縁塗料及びそれを用いた絶縁電線を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、ポリアミドイミド樹脂を構成するイソシアネート成分と酸成分とを溶剤中で反応させて得られるポリアミドイミド樹脂絶縁塗料であって、前記ポリアミドイミド樹脂は、末端基であるイソシアネート基が不飽和二重結合を有するカルボン酸からなる封止剤にて封止されて前記ポリアミドイミド樹脂の末端が二重結合を持つことを特徴とするポリアミドイミド樹脂塗料を提供する。
前記カルボン酸は、p−ビニル安息香酸であることが好ましい。
また、本発明は、ポリアミドイミド樹脂を構成するイソシアネート成分と酸成分とを溶剤中で反応させて得られ、前記ポリアミドイミド樹脂の末端基であるイソシアネート基が不飽和二重結合を有するカルボン酸からなる封止剤にて封止されて前記ポリアミドイミド樹脂の末端が二重結合を持つポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を、導体の外周に塗布してポリアミドイミド樹脂絶縁皮膜が形成されていることを特徴とする絶縁電線を提供する。
本発明によれば、塗装作業性を低下させることなく焼付け時の脱炭酸反応を抑止し、粒や発泡などの発生のない高品質な絶縁皮膜を得ることができるポリアミドイミド樹脂絶縁塗料及びそれを用いた絶縁電線を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(ポリアミドイミド樹脂絶縁塗料)
ポリアミドイミド樹脂絶縁塗料は、NMPなどを主成分とする反応溶媒中で、ポリアミドイミド樹脂を構成するイソシアネート成分と酸成分とをほぼ等モルにて、窒素ガス気流下で脱炭酸、縮合反応させて得られる。このようなポリアミドイミド樹脂絶縁塗料は、アミド結合とイミド結合の間にある分子構造単位が比較的規則的に並んで形成され、水素結合やπ−π相互作用などで僅かながら結晶性を有する。
上記のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料は、主にポリアミドイミド樹脂の末端基であるイソシアネート基をイミド結合で封止(マスキング)して脱炭酸反応の発生を抑止するための封止剤(マスキング剤)として、カルボン酸類を用いることが望ましい。カルボン酸類からなる封止剤を用いてポリアミドイミド樹脂の末端基をイミド結合で封止することにより、導体上にポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を塗布してポリアミドイミド樹脂絶縁皮膜を形成する際、焼付け時に発生する脱炭酸反応を効果的に抑止することができるため、焼付け後のポリアミドイミド樹脂絶縁皮膜に粒や発泡などの絶縁欠陥が発生することを抑制できる。また、ポリアミドイミド樹脂絶縁塗料は、導体上への絶縁皮膜形成時における製造効率の向上、製造コストの低下等の観点から樹脂分濃度(不揮発分)を30wt%以上とすることが望ましい。
(イソシアネート成分)
ポリアミドイミド樹脂のイソシアネート成分としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H−MDI)、キシシレンジイソシアネート(XDI)、水添XDIなどの脂肪族ジイソシアネート類や、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルスルホンジイソシアネート(SDI)などのジイソシアネート類などが挙げられる。また、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの多官能イソシアネートやポリメリックイソシアネート、TDIなどの多量体などでも良い。TDIやMDIの異性体を含むものも同じ効果をもたらすことができる。但し、MDIとTMAとから合成されるポリアミドイミド樹脂において、200℃以上の耐熱性や機械的特性などの優れた特性レベルを維持させるためには、芳香族ジイソシアネート類が望ましい。
(酸成分)
ポリアミドイミド樹脂の酸成分としては、トリメリット酸(TMA)、またはトリメリット酸の誘導体のうちの三塩基酸が挙げられる。また、酸成分中には、イソフタル酸、テレフタル酸などのジカルボン産類、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)等の芳香族テトラカルボン酸二無水物類やブタンテトラカルボン酸二無水物や5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物等の脂環式テトラカルボン酸二無水物類、トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート(CIC酸)などのトリカルボン酸類、トリメシン酸などを一部添加することもできる。
(封止剤)
ポリアミドイミド樹脂絶縁塗料に含有され、ポリアミドイミド樹脂の末端基であるイソシアネート基を封止する封止剤としては、カルボン酸が有効である。封止剤としてカルボン酸を用いることにより、ポリアミドイミド樹脂絶縁塗料の合成時に、カルボン酸がポリアミドイミド樹脂の末端基であるイソシアネート基とアミド結合を作り出し、このアミド結合が熱に強いため、焼付け時において封止剤が解離せず、イソシアネート基が再生成されることを防止できる。そのため、焼付け時において脱炭酸反応が起きず、発泡の原因物質である二酸化炭素を発生しないため、外観が良好なポリアミドイミド樹脂絶縁皮膜を得ることができる。
本実施の形態に用いるカルボン酸としては、例えば、p−ビニル安息香酸、安息香酸、メチル安息香酸、シイナミック酸、ヒドロシイナミック酸、3−シクロヘキセン−1−カルボン酸、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸、等が挙げられる。これらは単独あるいは2種類以上を混合して使用することができる。
導体上に絶縁皮膜を形成する際に高分子量化を可能にすることを目的として、上記カルボン酸の中でも、カルボン酸基とは別の官能基があり、不飽和二重結合を有するカルボン酸を用いることが好ましい。不飽和二重結合を持つp−ビニル安息香酸などの封止剤でポリアミドイミド樹脂の末端基であるイソシアネート基を封止した場合、ポリアミドイミド樹脂絶縁塗料の合成が完了した時点において、ポリアミドイミド樹脂の末端が二重結合を持った状態となる。そして、このようなポリアミドイミド樹脂の末端に二重結合を持ったポリアミドイミド樹脂絶縁塗料が導体上に焼付けされる際、焼付け時の熱によって二重結合同士がラジカル重合反応を起こして架橋構造を作り出すため、耐摩耗性、耐軟化性、可とう性などの特性が良好なポリアミドイミド樹脂絶縁皮膜を得ることができる。
また、安息香酸のような不飽和二重結合を有していないカルボン酸にて末端基を完全に封止してしまう場合、焼付け時に高分子量化しないため、耐摩耗性、耐軟化性、可とう性などの特性が低下してしまうおそれがある。このような不飽和二重結合を有していないカルボン酸を用いてポリアミドイミド樹脂の末端基であるイソシアネート基を封止する場合においては、アルコール類、オキシム類、フェノール類などから選ばれる少なくとも1種の封止剤と併用することにより、焼付け時に高分子量化できるポリアミドイミド樹脂の末端を残しておくことで、耐摩耗性、耐軟化性、可とう性などの特性の低下を回避することができる。
不飽和二重結合を有していないカルボン酸と併用する封止剤としては、例えば、アルコール類、オキシム類、フェノール類などの封止剤をあげることができるが、これらに限定されるものではない。これらは単独あるいは2種類以上を混合して使用することができる。なお、アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等があげられ、オキシム類としては、例えば、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、ベンゾフェノンオキシム等があげられ、フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール等があげられる。
[実施例]
図1に本発明に係る絶縁電線の構造例を示す。
この絶縁電線は、導体1にポリアミドイミド樹脂絶縁皮膜2を形成したものであり、導体1の周囲に上記実施の形態で説明したポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を塗布、焼付けすることにより得られる。
また、図2に本発明に係る絶縁電線の他の構造例を示す。
この絶縁電線は、導体1の表面にポリイミド樹脂絶縁塗料、ポリエステル樹脂絶縁塗料、ポリエステルイミド樹脂絶縁塗料、H種ポリエステルイミド樹脂絶縁塗料などからなる中間絶縁皮膜3を形成し、該中間絶縁皮膜3上にポリアミドイミド樹脂絶縁皮膜2を形成したものである。なお、中間絶縁皮膜3は、上記樹脂絶縁塗料に、シリカ微粒子などを含むオルガノゾルが分散されてなる耐部分放電性絶縁塗料を塗布、焼付けして形成した耐部分放電性能の高い耐部分放電性絶縁皮膜であってもよい。
なお、図1及び図2に示す絶縁電線においては、導体1の断面形状が円形状のものとしたが、これに限定されるものではなく、平角等の矩形状の断面を有するものであってもよい。また、導体1の材料としては、銅やアルミ等を用いることができ、更には低酸素銅や無酸素銅等でもよい。また、図1及び図2に示す絶縁電線において、ポリアミドイミド樹脂絶縁皮膜の外周に、カルナバロウなどの潤滑剤をベース樹脂に添加してなる樹脂塗料を塗布して潤滑性の高い絶縁皮膜を形成してもよい。
(絶縁電線の製造方法)
各実施例、比較例の絶縁電線を以下のようにして製造した。
まず、攪拌機、還流冷却管、窒素流入管、温度計を備えたフラスコに、イソシアネート成分として255.0g(1.02モル)のMDI、酸成分として192.0g(1.0モル)のTMA、及び溶剤として700gのNMPを投入し、窒素雰囲気中で攪拌しながら約1時間で140℃まで加熱した。平均分子量約22000のポリアミドイミド樹脂溶液が得られるように、この温度で2時間反応させて合成を行った後、下記実施例、及び比較例に示す封止剤をポリアミドイミド樹脂溶液に混合することにより、イソシアネート成分の末端基を封止して合成反応を停止させる。放冷後にDMFで希釈し、樹脂分濃度(不揮発分)が約30重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
更に、得られたポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を1.0mmの銅導体上に塗布、焼付けし、皮膜厚33μmのポリアミドイミド絶縁体皮膜を形成して絶縁電線を得た。得られた絶縁電線について、その寸法、外観、可とう性、耐摩耗性、耐軟化性をJIS C 3003に準拠した方法で測定し、評価した。
(実施例1)
約1100gのポリアミドイミド樹脂溶液に、封止剤としてp−ビニル安息香酸30gを混合して合成反応を停止させ、放冷後にDMFで希釈して樹脂分濃度(不揮発分)が約30重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
(実施例2)
約1100gのポリアミドイミド樹脂溶液に、封止剤としてp−ビニル安息香酸15gを添加し、5分ほど反応させた後、メタノール15gをさらに添加して合成反応を停止させ、放冷後DMFで希釈して樹脂分濃度(不揮発分)が約30重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
(実施例3)
約1100gのポリアミドイミド樹脂溶液に、封止剤としてp−ビニル安息香酸10gを添加し、5分ほど反応させた後、メタノール20gを混合して合成反応を停止させ、放冷後DMFで希釈して樹脂分濃度(不揮発分)が約30重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
(比較例1)
約1100gのポリアミドイミド樹脂溶液に、封止剤としてメタノール30gを混合して合成反応を停止させ、放冷後DMFで希釈して樹脂分濃度(不揮発分)が約30重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
(比較例2)
約1100gのポリアミドイミド樹脂溶液に、封止剤としてベンジルアルコール30gを混合して合成反応を停止させ、放冷後NMPで希釈して樹脂分濃度(不揮発分)が約30重量%のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を得た。
表1に、実施例及び比較例における性状、得られた絶縁電線の特性等(寸法、外観、可とう性、耐摩耗性、耐軟化性)について示す。
Figure 0005356798
表1に示されたように、実施例1〜3では、封止剤としてカルボン酸を用いたことにより、導体上にポリアミドイミド樹脂絶縁皮膜を形成する際、焼付け時に発生する脱炭酸反応を抑止することができたため、粒や発泡などの発生のない高品質な外観を有する絶縁皮膜を得ることができた。これに加えて、実施例1〜3では、不飽和二重結合を有するカルボン酸からなる封止剤を用いたことにより、可とう性、耐摩耗性、耐軟化性などの諸特性の低下を抑制することができた。これにより、塗装作業性及び諸特性が共に良好なポリアミドイミド絶縁皮膜を有する絶縁電線を提供することができる。
これに対して比較例1、2では、導体上にポリアミドイミド絶縁皮膜を形成する際、絶縁皮膜の焼付け時に発生する脱炭酸反応を抑止できないことに起因して、絶縁電線の外観が悪く塗装作業性の低下を招いてしまう。また、比較例1、2では、耐摩耗性などのポリアミドイミド絶縁皮膜を有する絶縁電線としての特性が低下してしまう。
本発明によれば、導体上にポリアミドイミド樹脂絶縁皮膜を形成する際、絶縁皮膜の焼付け時に発生する脱炭酸反応を抑止することにより、粒や発泡などの発生のない高品質な外観を得ることが可能であり、導体への塗装作業時の速度を低下させるなどの塗装作業性を低下させずに絶縁皮膜を形成することができる。また、可とう性、耐摩耗性、耐軟化性などの絶縁電線としての諸特性(機械的特性)が低下するのを同時に抑制することができる。よって、高速化、高濃度塗料化に対応でき、工業上有用なポリアミドイミド樹脂絶縁塗料と、それを用いた絶縁電線を提供することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
本発明に係る絶縁電線の一実施例を示す断面図である。 本発明に係る絶縁電線の他の実施例を示す断面図である。
符号の説明
1 導体
2 ポリアミドイミド絶縁皮膜
3 中間絶縁皮膜

Claims (3)

  1. ポリアミドイミド樹脂を構成するイソシアネート成分と酸成分とを溶剤中で反応させて得られるポリアミドイミド樹脂絶縁塗料であって、前記ポリアミドイミド樹脂は、末端基であるイソシアネート基が不飽和二重結合を有するカルボン酸からなる封止剤にて封止されて前記ポリアミドイミド樹脂の末端が二重結合を持つことを特徴とするポリアミドイミド樹脂絶縁塗料。
  2. 前記カルボン酸は、p−ビニル安息香酸である請求項に記載のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料。
  3. 請求項1又は2に記載のポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を、導体上に塗布してポリアミドイミド樹脂絶縁皮膜が形成されていることを特徴とする絶縁電線。
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