JP3126185B2 - ポリアミドイミド樹脂及びその製造方法 - Google Patents

ポリアミドイミド樹脂及びその製造方法

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JP3126185B2 JP03308867A JP30886791A JP3126185B2 JP 3126185 B2 JP3126185 B2 JP 3126185B2 JP 03308867 A JP03308867 A JP 03308867A JP 30886791 A JP30886791 A JP 30886791A JP 3126185 B2 JP3126185 B2 JP 3126185B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なポリアミドイミ
ド樹脂およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、
優れた耐熱性を有し、かつ溶融成形可能な脂肪族、芳香
族ポリアミドイミド共重合体およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に芳香族ポリアミドイミド樹脂は、
優れた機械特性および耐熱性を有している。しかしなが
ら、これまで提案された芳香族ポリアミドイミド樹脂は
流動開始温度と熱分解開始温度の差が小さいため、溶融
成形時の熱安定性が悪く、さらに、溶融時の流動性も低
く、溶融成形するのが困難であった。このような芳香族
ポリアミドイミド樹脂の欠点を解決する試みとして特公
昭63-39616公報が提案されている。特公昭63-39616公報
では、ベンゼン核4個以上をエーテル結合でつないだジ
アミンを原料としてポリアミドイミド共重合体を製造
し、成形性を改良すると説明されている。しかし、これ
らのポリマーを製造するための原料であるベンゼン核を
4核以上有する特定の芳香族ジアミンは、工業的に製造
するのが容易でない。さらにこれらのポリマーを製造す
るための直接重合法は、高温で長時間反応する必要があ
り、生産性の面で問題がある。これらのことから、提案
された全芳香族ポリアミドイミドは、工業的に製造する
場合、実用上必ずしも満足できるものではない。
【0003】一方、アミン骨格を脂肪族としたポリアミ
ドイミド樹脂は、ガラス転移点が低く、耐熱性に問題が
あり、さらにアメリカ合衆国特許 3,939,029号では、無
水トリメリット酸塩化物と脂肪族ジアミンとを反応させ
てポリアミド酸を合成し、これを加熱脱水することによ
り脂肪族、芳香族のポリアミドイミド樹脂が知られてい
る。しかし、このような樹脂の製造方法では、脂肪族ジ
アミンの反応性が無水トリメリット酸塩化物に対して低
いために低分子量のものしか得られず、接着剤としての
用途のみで成形体が得られるような十分な高分子量のも
のではなかった。
【0004】また、アメリカ合衆国特許4,291,149 及
び、4,348,513 号では、射出成形可能で、かつ、ポリア
ミドイミドポリマーを形成するトリカルボン無水物が、
頭−頭および、尾−尾で規則的に配列したポリアミドイ
ミド樹脂の製造方法が提案されている。ここでは、完全
にまたは一部アシル化されたジアミン類とトリカルボン
酸無水物、及びジアミン類とを反応させた脂肪族、芳香
族ポリアミドイミド樹脂が合成されている。しかし、基
本的に遊離のカルボン酸とアミン類は、通常の条件下で
は反応しないため無水酢酸のようなアシル化剤を使用し
てアミド化反応を行っている。この際アミド化の縮合に
よって生成する酢酸等や、イミド化の縮合によって生成
する水を除去するためには、減圧下において高い温度を
必要とし、製造方法がアシル化を伴うため繁雑となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の諸欠点の少なくとも一部を解決できるポリアミドイミ
ド樹脂、例えば、優れた耐熱性を有し、溶融成形可能な
ポリアミドイミド樹脂を提供し、且つそのような樹脂の
製造法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、研究の結
果、ポリマー分子末端を特定の末端封止基で封止し、芳
香族トリカルボン酸無水物に対して1段目に脂肪族性ジ
イソシアネート、2段目に芳香族ジイソシアネートを2
段階で反応させることにより本発明の課題を解決し得る
ポリアミドイミド共重合体が得られることを知り、本発
明に至ったのである。本発明によれば、このようなポリ
アミドイミド樹脂は、芳香族トリカルボン酸無水物、脂
肪族性ジイソシアネート、及び芳香族ジイソシアネー
ト、及び末端封止剤を用いて、触媒としてアルカリ金属
化合物の存在下、非プロトン系極性溶媒中で反応させる
ことにより、得ることができる。
【0007】本発明の第1局面においては、次式(I)
(化15)
【0008】
【化15】 (ただし、式中のR1 、3つのカルボニル基に結合し
た芳香族基で、3つのカルボニル基のうち2つが芳香族
環の隣接炭素に結合ている芳香族基、R2 は直結また
は1個以上の炭素原子を含む2価の基を表す。)で表さ
れる構造単位50モル%と次式(II)(化16)
【0009】
【化16】 (ただし、式中のR2 は、直結または1個以上の炭素原
子を含む2価の基を表す。)で表される構造単位5〜4
5モル%と次式(III)(化17)
【0010】
【化17】 (だたし、式中のR3 は、2価の芳香族基を表す。)で
表される構造単位45〜5モル%からなり、かつ、その
ポリマーの分子末端が置換基を有しない芳香族環、ある
いは、イソシアネート、カルボン酸または、ジカルボン
酸無水物と反応性を有しない基で置換された芳香族基で
封止され、ガラス転移温度が120〜220℃であるこ
とを特徴とする溶融成形可能なポリアミドイミド樹脂を
提供する。
【0011】本発明の第2局面においては、次式(I)
(化18)
【0012】
【化18】 (ただし、式中のR1 、3つのカルボニル基に結合し
た芳香族基で、3つのカルボニル基のうち2つが芳香族
環の隣接炭素に結合ている芳香族基、R2 は直結また
は1個以上の炭素原子を含む2価の基を表す。)で表さ
れる構造単位50モル%と次式(II)(化19)
【0013】
【化19】 (ただし、式中のR2 は、直結または1個以上の炭素原
子を含む2価の基を表す。)で表される構造単位5〜4
5モル%と次式(III)(化20)
【0014】
【化20】 (だたし、式中のR3 は、2価の芳香族基を表す。)で
表される構造単位45〜5モル%からなり、かつ、その
ポリマーの分子末端が置換基を有しない芳香族環、ある
いは、イソシアネート、カルボン酸または、ジカルボン
酸無水物と反応性を有しない基で置換された芳香族基で
封止され、ガラス転移温度が120〜220℃であるこ
とを特徴とする溶融成形可能なポリアミドイミド樹脂を
製造するにあたり、次式(IV)(化21)
【0015】
【化21】 (式中R1 、3つのカルボニル基に結合した芳香族基
で、3つのカルボニル基のうち2つが芳香族環の隣接炭
素に結合ている芳香族基を表わす。)で表わされる芳
香族トリカルボン酸無水物1モルに対して、次式(V) OCN−CH2 −R2 −CH2 −NCO (V) (式中、R2 は直結または1個以上の炭素原子を含む2
価の基を表わす。)で表わされる脂肪族性ジイソシアネ
ート0.55〜0.95モル及び式(IV)の芳香族ト
リカルボン酸無水物1モルに対して、0.1モル以下の
非置換芳香族ジカルボン酸無水物、イソシアネート、カ
ルボン酸、及びジカルボン酸無水物と反応性のない置換
基を有する芳香族ジカルボン酸無水物、非置換芳香族モ
ノカルボン酸、及び、イソシアネート、カルボン酸、及
びジカルボン酸無水物と反応性のない置換基を有する芳
香族モノカルボン酸からなる群から選ばれた少なくとも
一種の末端封止剤を、触媒としてアルカリ金属化合物の
存在下、非プロトン系極性溶媒中100℃以上で反応さ
せ、更に、次式(VI) OCN−R3 −NCO (VI) (式中、R3 は2価の芳香族基を表わす)で表わされる
芳香族ジイソシアネート0.45〜0.05モルを加
え、150℃以上で反応させることを特徴とするポリア
ミドイミド樹脂の製造方法を提供する。
【0016】本発明において、置換分R 1 、3つのカ
ルボニル基に結合した芳香族基で、3つのカルボニル基
のうち2つが芳香族環の隣接炭素に結合ている芳香族
基である。この芳香族基としては、例えば、ベンゼン、
ナフタレン、ジフェニル、ジフェニルスルホン、ジフェ
ニルエーテル、ベンゾフェノン、ペリレン、ジフェニル
アルカンなどから誘導される3つのカルボニル基に結合
した芳香族基を挙げることができる。
【0017】R1 は、式(化22)
【0018】
【化22】 3つのカルボニル基に結合した芳香族基であってもよ
い(但し、2つのカルボニル基は芳香族環の隣接炭素に
結合ている)。
【0019】また置換分R2 は直接または1個以上の炭
素原子を含む2価の基である。この1個以上の炭素原子
を含む2価の基としては、例えば、アルキレン基、炭素
以外の元素を含むアルキレン基、2価の芳香族基、例え
ば、フェニレン、ナフチレン、2価のビシクロ(二環縮
合環)化合物から誘導される基など、を挙げることがで
きる。
【0020】R2 は、次のような(化23)二価の基で
あってもよい。
【0021】
【化23】 (ただし式中、nは0〜10の整数) 更に置換分R3は2価の芳香族基であり、例えば、フェ
ニレン、置換フェニレン(アルキル置換フェニレン、ア
ルコキシ置換フェニレン、ハロ置換フェニレンなど)、
更に非置換又は置換ジフェニルアルカン、トリフェニル
アルカン、ジフェニルスルフィド、ジフェニルスルホ
ン、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノン、ビフェニ
ル、ナフタレン、アントラキノン、アントラセン、アゾ
ベンゼンなどから誘導される二価の芳香族基をあげるこ
とができる。
【0022】R3 は次のような(化24) 二価の基で
あってもよい。
【0023】
【化24】 (ただし、式中、Xは−CH2 −、−SO2 −、−SO
−、−S−、−O−、−CO−または直結を示す。) 前記一般式(IV)で表わされる芳香族トリカルボン酸
無水物の例は、ベンゼン− 1,2,4−トリカルボン酸無水
物、ナフタレン− 1,2,4−トリカルボン酸無水物、フタ
レン− 1,2,5−トリカルボン酸無水物 ナフタレン−
1,4,5−トリカルボン酸無水物、ナフタレン−2,3,5 −
トリカルボン酸無水物、ナフタレン− 2,3,6−トリカル
ボン酸無水物、3,4,4'−ジフェニルトリカルボン酸無水
物、2,3,2'−ジフェニルトリカルボン酸無水物、3,4,3'
−ジフェニルスルホントリカルボン酸無水物、3,4,4'−
ジフェニルエーテルトリカルボン酸無水物、3,4,4'−ベ
ンゾフェノントリカルボン酸無水物、3,3',4−ベンゾフ
ェノントリカルボン酸無水物、ペリレン− 3,4,9−トリ
カルボン酸無水物、2−(3,4−ジカルボキシフェニル)
−2−(3−カルボキシフェニル)プロパン無水物、2
−(2,3−ジカルボキシフェニル)−2−(3−カルボキ
シフェニル)プロパン無水物、1−(2,3−ジカルボキシ
フェニル)−1−(3−カルボキシフェニル)エタン無
水物、1−(3,4−ジカルボキシフェニル)−1−(4−
カルボキシフェニル)エタン無水物、(2,3−ジカルボキ
シフェニル)−(2−カルボキシフェニル)メタン無水
物等が挙げられる。
【0024】前記一般式(V)で表わされる脂肪族性ジ
イソシアネートの例としては、 1,2−ジイソシアナトエ
タン、 1,3−ジイソシアナトプロパン、テトラメチレン
− 1,4−ジイソシアネート、ペンタメチレン− 1,5−ジ
イソシアネート、ヘキサメチレン− 1,6−ジイソシアネ
ート、ノナメチレン−1,9 −ジイソシアネート、デカメ
チレン−1,10−ジイソシアネート、ω,ω’−ジプロピ
ルエーテルジイソシアネート等の脂肪族ジアミン誘導
体、及びメタキシリレンジイソシアネート、パラキシリ
レンジイソシアネート等の側鎖に置換基をもった芳香族
ジアミン誘導体、及び、2,4−ジイソシアナトメチル
[2,2,1]ヘプタン、2,5−ジイソシアナトメチ
ル[2,2,1]ヘプタン等のビシクロ(二環縮合環)
化合物があげられ、特にヘキサメチレン− 1,6−ジイソ
シアネート、メタキシリレンジイソシアネートが工業的
に入手が容易で安価であることから好ましい。
【0025】前記一般式(VI)で表わされる芳香族ジ
イソシアネートの例は、フェニレン− 1,3−ジイソシア
ネート、フェニレン− 1,4−ジイソシアネート、トリレ
ン−2,6−ジイソシアネート、トリレン−2,4 −ジイソ
シアネート、1−メトキシベンゼン− 2,4−ジイソシア
ネート、1−クロロフェニレンジイソシアネート、テト
ラクロロフェニレンジイソシアネート、メタキシリレン
ジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、
ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニ
ルスルフィド−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルス
ルホン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル
−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−3,4'
−ジイソシアネート、ジフェニルケトン−4,4'−ジイソ
シアネート、ナフタレン−2,6 ジイソシアネート、ナフ
タレン− 1,4ジイソシアネート、ナフタレン− 1,5ジイ
ソシアネート、2,4'−ビフェニルジイソシアネート、4,
4'−ビフェニルジイソシアネート、3,3'−メトキシ−4,
4'−ビフェニルジイソシアネート、アントラキノン−
2,6−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4'−
ジイソシアネート、アゾベンゼン−4,4'−ジイソシアネ
ート等が挙げられ、特にトリレン− 2,4−ジイソシアネ
ート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネートおよ
びナフタレン−1,5 −ジイソシアネートが工業的に入手
が容易で安価であることから好ましい。
【0026】本発明で用いられるポリマーの分子末端封
止基は非置換芳香族環基、またはイソシアネート、カル
ボン酸及びジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で
置換された芳香族環基である。この芳香族環は単環式芳
香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架
橋員により相互に連結された多環式芳香族基であること
ができる。例えば、ベンゼン、ジフェニルアルカン、ジ
フェニルスルホン、ジフェニルスルホキシド、ジフェニ
ルスルフィド、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノン、
ネフタレンなどから誘導される2官能性または1官能性
非置換芳香族環基、およびこれらのアルキル置換、アル
コキシ置換、ハロゲン置換芳香族環基、例えば、メチル
置換、メトキシ置換、クロロ置換芳香族基を挙げること
ができる。特に、ベンゼンから誘導される非置換芳香族
基でポリマーの分子末端を封止した場合、耐熱性が向上
することから好ましい。
【0027】本発明で用いられる分子末端封止剤として
は、非置換芳香族環基、またはイソシアネート、カルボ
ン酸及びジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置
換された芳香族環基を有する化合物をもちいることがで
きる。この芳香族環は単環式芳香族基、縮合多環式芳香
族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結さ
れた多環式芳香族基であることができる。分子末端封止
剤としては、例えば、無水フタル酸、2,3−ジカルボ
キシフェニルメタン無水物、3,4−ジカルボキシフェ
ニルメタン無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェ
ニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフ
ェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェニル
フェニルスルホキシド無水物、3,4−ジカルボキシフ
ェニルフェニルスルホキシド無水物、2,3−ジカルボ
キシフェニルフェニルスルフィド無水物、3,4−ジカ
ルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、2,3−
ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、3,4
−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、2,
3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベン
ゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ビフェニルジ
カルボン酸、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、
1,2−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフ
タレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセンジカ
ルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン酸無
水物等のジカルボン酸無水物、または、これらのアルキ
ル置換、アルコキシ置換、ハロゲン置換ジカルボン酸無
水物、例えば、4−メチルフタル酸無水物、4−メトキ
シフタル酸無水物、4−クロロフタル酸無水物など、が
挙げられる。また、安息香酸、ジフェニルメタンカルボ
ン酸、ジフェニルスルホンカルボン酸、ジフェニルスル
ホキシドカルボン酸、ジフェニルスルフィドカルボン
酸、ジフェニルエーテルカルボン酸、ベンゾフェノンカ
ルボン酸、ビフェニルカルボン酸、ナフタレンカルボン
酸、アントラセンカルボン酸等のモノカルボン酸、また
はこれらのアルキル置換、アルコキシ置換、ハロゲン置
換モノカルボン酸等が挙げられる。好ましくは下式(化
25)で表されるジカルボン酸無水物、
【0028】
【化25】 (式中、Y1 は−CH2 −、−SO2 −、−SO−、−
S−、−O−、−CO−および直接結合からなる群から
選ばれた1種である)および下式(化26)で表される
モノカルボン酸
【0029】
【化26】 (式中、Y2 は−CH2 −、−SO2 −、−SO−、−
S−、−O−、−CO−および直接結合からなる群から
選ばれた1種である)及びそれらの芳香族環が、イソシ
アネート、カルボン酸、及び、ジカルボン酸無水物と反
応性を有しない基で置換された誘導体である。
【0030】本発明の種々の局面における樹脂の生成に
用いられる本発明に記載の反応剤は異性体を有する場合
があることは当業者には明かである。従って、特に断わ
りなき限り、反応剤についての記載はそのような異性体
の全てを含むものとする。特に、無水フタル酸、及び安
息香酸が工業的に入手が容易で安価であることから好ま
しく、これら分子末端封止剤を使用したポリマーの熱安
定性は、使用しないものに比べ非常に優れている。
【0031】本発明の方法において触媒として用いられ
るアルカリ金属化合物の例は、ジカルボン酸、トリカル
ボン酸およびテトラカルボン酸のモノおよび/またはジ
および/またはトリおよび/またはテトラリチウム塩、
ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム
塩、フランシウム塩等の多価カルボン酸のアルカリ金属
塩、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸フランシウム等のア
ルカリ金属炭酸塩、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水
素セシウム、炭酸水素フランシウム等のアルカリ金属炭
酸水素塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化
フランシウム等のアルカリ金属水酸化物、弗化リチウ
ム、弗化ナトリウム、弗化カリウム、弗化ルビジウム、
弗化セシウム、弗化フランシウム等のアルカリ金属弗化
物が挙げられる。特に、ナトリウム塩およびカリウム塩
が好ましい。上記のアルカリ金属化合物は、単独にまた
は2種以上混合して使用してもよい。
【0032】本発明で使用される非プロトン系極性溶媒
としては、例えば、 N,N−ジメチルアセトアミド、N,N
−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、γ−
ブチロラクトン、ヘキサメチル燐酸トリアミドの様な鎖
状もしくは環状のアミド類またはホスホリルアミド類、
あるいはジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、
テトラメチレンスルホンのようなスルホキシドあるいは
スルホン類、テトラメチル尿素、N,N'−ジメチルエチレ
ンウレアのようなウレア類である。これらの溶媒は、実
質的に無水の状態で使用することが必要である。重合反
応に不活性な他の溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キ
シレン等を混合して使用することができる。
【0033】本発明に於いて、優れた耐熱性を有し、溶
融成形可能な脂肪族、芳香族ポリアミドイミドを製造す
るには、1段目に前記一般式(IV)で表される芳香族
トリカルボン酸無水物1モルに対して、一般式(V)で
表される脂肪族性ジイソシアネートを0.55〜0.9
5モルの範囲で、更に分子末端封止剤を0.1モル以下
添加したものを、アルカリ金属化合物の存在下、非プロ
トン系極性溶媒中 100℃以上の温度で加熱反応させイミ
ド化を行い、更に2段目に一般式(VI)で表される芳
香族ジイソシアネートを芳香族トリカルボン酸無水物1
モルに対して0.45〜0.05モルの範囲で加え150
℃以上の温度で加熱反応させアミド化を行う必要があ
る。
【0034】本発明において使用する一般式(IV)で
表される芳香族トリカルボン酸と一般式(V)で表され
るジイソシアネートのモル比は、芳香族トリカルボン酸
無水物1モルに対してジイソシアネート0.55〜0.
95モルの範囲が好ましく、0.6〜0.9モルの範囲
がさらに好ましい。モル比が0.55未満になると、得
られたポリマーの溶融粘度が高くなり、または0.95
を超過するとポリマーのガラス転移温度がさがり、耐熱
性に優れたポリマーが得られない。また、更に一般式
(VI)で表されるジイソシアネートのモル比は、芳香
族トリカルボン酸無水物1モルに対してジイソシアネー
ト0.45〜0.05モルの範囲が好ましく、0.4〜
0.1モルの範囲がさらに好ましい。モル比が0.45
モルを越えると得られたポリマーの溶融粘度が高くな
り、またモル比が0.05モル未満になるとポリマーの
ガラス転移温度が下がり耐熱性に優れたポリマーが得ら
れない。
【0035】また、分子末端封止剤の量は、芳香族トリ
カルボン酸無水物1モル当り0.1モル以下が好まし
く、0.08モル以下がさらに好ましい。分子末端封止
剤の量が芳香族トリカルボン酸無水物1モル当り0.1
モルを越えると得られたポリマーの分子量が低下し、耐
熱性が低下する。芳香族トリカルボン酸無水物とジイソ
シアネートの反応については、芳香族トリカルボン酸無
水物の無水物環とカルボキシル基のジイソシアネートに
対する反応性を無水フタル酸、安息香酸等をモデル化合
物として調べた結果、脂肪族性ジイソシアネートの無水
物環の反応(イミド化)とカルボキシル基の反応(アミ
ド化)では、100〜250℃の温度領域でイミド化と
アミド化の速度に大きな差があることを見い出した。
つまり、芳香族トリカルボン酸無水物と脂肪族ジイソシ
アネートを反応させる1段目においては、イミド化反応
が進行し、2段目の反応においては、アミド化反応が進
行する。
【0036】1段目のイミド化反応は、100〜250
℃の温度が必要で、140〜180℃の温度範囲がさら
に好ましい。100℃未満では無水物環とジイソシアネ
ートの反応性が低下し好ましくなく、250℃を超過す
るとアミド化の速度が速くなり好ましくない。 また、
2段目のアミド化反応は、ジイソシアネートの反応性は
低いため、通常150℃以上の温度が必要で、200〜
260℃の温度範囲がさらに好ましい。反応時間は、イ
ミド化、アミド化反応とも通常1〜20時間である。そし
て副生する二酸化炭素が実質的に認められなくなる時点
をもって反応の完結点とすることができる。アルカリ金
属化合物の添加量は、芳香族トリカルボン酸無水物に対
して、 0.5〜20モル%の範囲が好ましく、特に 1.0〜10
モル%が好ましい。一般には原料モノマー(芳香族トリ
カルボン酸無水物+ジイソシアネート)の濃度は50〜 4
00g/l の範囲が選択されが、この濃度の選択は原料モノ
マーの反応性及び重合溶媒中のポリマーの溶解性等によ
って行われる。高濃度で重合を開始した場合には、重合
途中で増粘により攪拌に支障が起きないように、場合に
よっては溶媒を連続的又は非連続的に追加することが好
ましい。
【0037】本発明に於て、得られたポリアミドイミド
樹脂の平均分子量(GPCのポリスチレン、スタンダー
ドによる重量平均分子量)は、1万以上でが好ましく、
特に好ましくは、2万以上である。
【0038】
【実施例】以下、実施例にて本発明を詳細に説明する。
また、実施例及び比較例において得られたポリマーの物
性値は以下の方法により測定した。 平均分子量:重合液をN−メチルピロリドンで希釈し、
GPC を用いて、分子量分布曲線のカーブを測定し、ポリ
スチレン、スタンダードによって平均分子量を得た。 流動温度:(島津製作所製)フローテスターを用いて測
定した見掛けの溶融粘度が 10000 Poiseになる温度。 実施例1 攪拌機、温度計、冷却コンデンサーおよび滴下ロートを
備えた 500mlセパラブルフラスコ中に、ベンゼン− 1,
2,4−トリカルボン酸無水物 21.11g( 0.1099モル) 、
フッ化カリウム 0.134g(0.00231モル) 、無水フタル酸
0.372g(0.00251モル) 、N,N'−ジメチルエチレンウレ
ア 200mlを窒素雰囲気中に装入し溶解し、この溶液を撹
拌しながら内温を140℃に昇温した。滴下ロートにヘキ
サメチレン-1,6- ジイソシアネート 12.94g(0.07692モ
ル) を測り取り、1度にフラスコ内に添加し 140℃で4
時間反応させた。更に滴下ロートにトリレン-2,4- ジイ
ソシアネート5.74g (0.0330モル) を測り取り、1度に
フラスコ内に添加し、内温を220℃まで昇温したところ
150℃で激しく反応し二酸化炭素の発生が認められた。
220℃で1時間攪拌を続けると溶液の色は黄色から赤褐
色へと変化し、粘度が上昇した。さらに1時間加熱を続
け熟成した後、室温に冷却し、重合液を高速攪拌下の水
中に投入してポリマー粉末を得た。このポリマー粉末を
さらに水で3回洗浄し、最後にメタノールで洗浄後、 1
50℃で8時間減圧乾燥し28.9gのポリマー粉末が得られ
た。その重合体の平均分子量は 4.8万であった。DSC
で測定したガラス転移温度は 171℃、空気中5%分解温
度 428℃という優れた耐熱性を有していた。さらに、流
動温度が 309℃で、射出成形が可能な熱溶融特性を有し
ていた。
【0039】実施例2〜5 実施例1に示した実験装置に芳香族トリカルボン酸、脂
肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートをそれ
ぞれの条件下に於て同様に重合、後処理を行い、得られ
た重合体のそれぞれの物性値を第1表(表1)に示す。
【0040】
【表1】
【0041】 参考例 撹拌機、温度計、及び冷却コンデンサーを備えた4つ口
フラスコにフッ化カリウム0.0174g (0.0003モル) 、安
息香酸7.4713g (0.0612モル) 、 N,N'-ジメチルエチレ
ンウレア109.84gを窒素雰囲気中に装入し、溶解した。
温度を一定に保持した後、ヘキサメチレン -1,6-ジイソ
シアネート4.9489g(0.029モル) を一括で装入し、各時
間におけるヘキサメチレン -1,6-ジイソシアネートの消
失量を液クロで定量し、積分法よりアミド化の反応速度
定数k を各温度において求めた。また、イミド化の各温
度における反応速度定数は無水フタル酸を用いて同様に
求め、トリレン -2,4-ジイソシアネートとの反応速度定
数も同様に測定した。得られた各温度での反応速度定数
を第2表(表2)に示す。
【0042】
【表2】
【0043】比較例1 攪拌機、温度計、冷却コンデンサーおよび滴下ロートを
備えた1000mlセパラブルフラスコに、ベンゼン−1,
2,4−トリカルボン酸無水物63.66g(O.3314モル)フ
ッ化カリウム 0.19g(0.0033モル)、N,N'−ジメチルエ
チレンウレア600ml を窒素雰囲気中に装入し溶解した。
滴下ロートにヘキサメチレン− 1,6−ジイソシアネート
55.18g (0.3281モル) のみを計り取り、一度にフラス
コ内に添加した。この溶液を攪拌しながら内温を 200℃
まで昇温したところ 130℃で激しく反応し二酸化炭素の
発生が認められた。 200℃で1時間攪拌を続けると溶液
の色は黄色から赤褐色へと変化し、粘度が上昇した。さ
らに1時間加熱を続け熟成した後、室温の冷却し、重合
液を高速攪拌下の水中に投入してポリマー粉末を得た。
この粉末をさらに水で3回洗浄し、最後にメタノールで
洗浄後、 150℃で8時間減圧乾燥し、85gのポリマー粉
末が得られた。この重合体の平均分子量は2.3 万、ガラ
ス転移温度は低く、耐熱性樹脂として十分な耐熱性を有
していなかった。
【0044】比較例2 比較例1のジイソシアネートをトリレン− 2,4−ジイソ
シアネート 57.14g (0.3281モル) および触媒を炭酸カ
リウム0.46g (0.0033モル) に変えた以外は比較例1と
同様に反応及び後処理を行った。得られた重合体の平均
分子量は、 5.6万、ガラス転移温度 343℃、5%分解温
度 427℃および流動温度 392℃であった。この重合体
は、流動温度と熱分解する温度との差が小さく、溶融成
形には適していなかった。
【0045】比較例3 ベンゼン− 1,2,4−トリカルボン酸無水物 52.12g (0.
2713モル) 、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネー
ト 67.21g (0.2685モル) および弗化カリウム0.16g
(0.0027モル) を用いた以外は比較例1と同様に重合お
よび後処理を行った。得られた重合体の平均分子量は5.
2 万、ガラス転移温度 337℃、5%分解温度421℃、流
動温度 387℃であった。この重合体は、流動温度と熱分
解する温度との差が小さく、溶融成形には適していなか
った。
【0046】比較例4 ベンゼン− 1,2,4−トリカルボン酸無水物 57.31g (0.
2983モル) 、ナフタレン− 1,5−ジイソシアネートおよ
び水酸化ナトリウム0.12g (0.0030モル) を用いた以外
は比較1と同様に反応を行った。 200℃で30分反応させ
たところ、ポリマー粉末が析出してきた。このポリマー
粉末を濾過、洗浄し後処理したが、N−メチルピロリド
ンに溶解しなかった。この粉末の5%分解温度は350℃
で溶融成形するのに十分な耐熱性を有していなかった。
【0047】比較例5 攪拌機、温度計、冷却コンデンサー、窒素ガス導入管、
留出管および滴下ロートを備えた500mlセパラブルフ
ラスコ中に、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸無
水物21.25g(0.1106モル)、ジフェニルメタン−4,
4’−ジアミン16.45g(0.08295 モル)、無水酢酸0.44
g(0.1106モル)、および N,N'-ジメチルエチレンウレ
ア 170mlを窒素雰囲気中に装入し、 150℃で縮合物を系
外に除去しながら、2時間反応させた。次に、滴下ロー
トにヘキサメチレン−1,6−ジアミン3.21g(0.1106
モル)と N,N'-ジメチルエチレンウレア30mlを計り取
り、一度にフラスコ内に添加した。この溶液を攪拌しな
がら内温を225℃まで昇温し、2時間加熱及び留出を
続け、比較例1と同様な方法で後処理を行った。その重
合体の平均分子量は、4800で高分子量のポリマーを得る
ことができなかった。
【0048】比較例6 攪拌機、温度計、冷却コンデンサー、窒素ガス導入管、
留出管および滴下ロートを備えた500mlセパラブルフ
ラスコ中に、m-フェニレンジアミン32.4g(0.30モル)
とN,N-ジメチルアセトアミド60ml、無水酢酸20.4g(0.
20モル)、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸無水
物78.6g(0.40モル)を窒素雰囲気中に装入し、溶解し
た。また、滴下ロートに無水酢酸20.4g(0.20モル)、
ヘキサメチレン−1,6−ジアミン11.6g(0.10モ
ル)、N,N-ジメチルアセトアミド20mlを計り取り、一度
にフラスコ内に添加した。次に、このフラスコに 330℃
の熱をかけ、常圧で2時間、減圧下で2時間留出物を回
収しながら反応を続けた。この重合体の平均分子量は、
7200で高分子量のポリマーを得ることができなかった。
また、5%分解温度は、354℃と耐熱性樹脂として
は、十分な耐熱性を有していなかった。
【0049】
【発明の効果】本発明のポリアミドイミド樹脂は、耐熱
性に優れ、溶融成形可能である。また、本発明における
ポリアミドイミド樹脂の製造法は実用的かつ経済的であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 73/00 - 73/26 C08L 79/00 - 79/08

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(I)(化1) 【化1】 (ただし、式中のR1 、3つのカルボニル基に結合し
    た芳香族基で、3つのカルボニル基のうち2つが芳香族
    環の隣接炭素に結合ている芳香族基、R2 は直結また
    は1個以上の炭素原子を含む2価の基を表す。)で表さ
    れる構造単位50モル%と次式(II)(化2) 【化2】 (ただし、式中のR2 は、直結または1個以上の炭素原
    子を含む2価の基を表す。)で表される構造単位5〜4
    5モル%と次式(III)(化3) 【化3】 (だたし、式中のR3 は、2価の芳香族基を表す。)で
    表される構造単位45〜5モル%からなり、かつ、その
    ポリマーの分子末端が置換基を有しない芳香族環、ある
    いは、イソシアネート、カルボン酸または、ジカルボン
    酸無水物と反応性を有しない基で置換された芳香族基で
    封止され、ガラス転移温度が120〜220℃であるこ
    とを特徴とする溶融成形可能なポリアミドイミド樹脂。
  2. 【請求項2】 式(I)中のR1 が、次式(化4) 【化4】 で表される3価の基であることを特徴とする請求項1記
    載のポリアミドイミド樹脂。
  3. 【請求項3】 式(I)、または、式(II)中のR2
    が次式(化5) 【化5】 (ただし、式中のnは0〜10の整数)で表される2価
    の基であることを特徴とする請求項1記載のポリアミド
    イミド樹脂。
  4. 【請求項4】 式(III)中のR3 が、次式(化6) 【化6】 (ただし式中のXは、−CH2 −、−SO2 −、−SO
    −、−S−、−O−、−CO−または、直結を表す。)
    で表される2価の基であることを特徴とする請求項1記
    載のポリアミドイミド樹脂。
  5. 【請求項5】 ポリマー分子末端封止基が、非置換芳香
    族ジカルボン酸無水物、イソシアネート、カルボン酸及
    びジカルボン酸無水物と反応性のない置換基を有する芳
    香族ジカルボン酸無水物、非置換芳香族モノカルボン
    酸、及びイソシアネート、カルボン酸及びジカルボン酸
    無水物と反応性のない置換基を有する芳香族モノカルボ
    ン酸からなる群から選ばれた1種から誘導される芳香族
    基であることを特徴とする請求項1記載のポリアミドイ
    ミド樹脂。
  6. 【請求項6】 ポリマー分子末端封止基が、(化7) 【化7】 (ただし式中のY1 は、−CH2 −、−SO2 −、−S
    O−、−S−、−O−、−CO−または、直結からなる
    群から選ばれた1種である。)または、(化8) 【化8】 (ただし式中のY2 は、−CH2 −、−SO2 −、−S
    O−、−S−、−O−、−CO−または、直結からなる
    群から選ばれた1種である。)及びイソシアネート、カ
    ルボン酸、及びジカルボン酸無水物と反応性のない置換
    基を有する上記化合物から誘導された芳香族基であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリアミドイミド樹脂。
  7. 【請求項7】 ポリマー分子末端封止基が、無水フタル
    酸又は安息香酸から誘導された基であることを特徴とす
    る請求項1記載のポリアミドイミド樹脂。
  8. 【請求項8】 次式(I)(化9) 【化9】 (ただし、式中のR1 、3つのカルボニル基に結合し
    た芳香族基で、3つのカルボニル基のうち2つが芳香族
    環の隣接炭素に結合ている芳香族基、R2 は直結また
    は1個以上の炭素原子を含む2価の基を表す。)で表さ
    れる構造単位50モル%と次式(II)(化10) 【化10】 (ただし、式中のR2 は、直結または1個以上の炭素原
    子を含む2価の基を表す。)で表される構造単位5〜4
    5モル%と次式(III)(化11) 【化11】 (だたし、式中のR3 は、2価の芳香族基を表す。)で
    表される構造単位45〜5モル%からなり、かつ、その
    ポリマーの分子末端が置換基を有しない芳香族環、ある
    いは、イソシアネート、カルボン酸または、ジカルボン
    酸無水物と反応性を有しない基で置換された芳香族基で
    封止され、ガラス転移温度が120〜220℃であるこ
    とを特徴とする溶融成形可能なポリアミドイミド樹脂を
    製造するにあたり、 次式(IV)(化12) 【化12】 (式中R1 、3つのカルボニル基に結合した芳香族基
    で、3つのカルボニル基のうち2つが芳香族環の隣接炭
    素に結合ている芳香族基を表わす。)で表わされる芳
    香族トリカルボン酸無水物1モルに対して、 次式(V) OCN−CH2 −R2 −CH2 −NCO ( V) (式中、R2 は直結または1個以上の炭素原子を含む2
    価の基を表わす。)で表わされる脂肪族性ジイソシアネ
    ート0.55〜0.95モル及び式(IV)の芳香族ト
    リカルボン酸無水物1モルに対して、0.1モル以下の
    非置換芳香族ジカルボン酸無水物、イソシアネート、カ
    ルボン酸、及びジカルボン酸無水物と反応性のない置換
    基を有する芳香族ジカルボン酸無水物、非置換芳香族モ
    ノカルボン酸、及びイソシアネート、カルボン酸、及び
    ジカルボン酸無水物と反応性のない置換基を有する芳香
    族モノカルボン酸からなる群から選ばれた少なくとも一
    種の末端封止剤を、触媒としてアルカリ金属化合物の存
    在下、非プロトン系極性溶媒中100℃以上で反応さ
    せ、 更に、次式(VI) OCN−R3 −NCO (VI) (式中、R3 は2価の芳香族基を表わす)で表わされる
    芳香族ジイソシアネート0.45〜0.05モルを加
    え、150℃以上で反応させることを特徴とするポリア
    ミドイミド樹脂の製造方法。
  9. 【請求項9】 末端封止剤が(化13) 【化13】 (ただし式中のY1 は、−CH2 −、−SO2 −、−S
    O−、−S−、−O−、−CO−または、直結からなる
    群から選ばれた1種である。)または、(化14) 【化14】 (ただし式中のY2 は、−CH2 −、−SO2 −、−S
    O−、−S−、−O−、−CO−または、直結からなる
    群から選ばれた1種である。)及びイソシアネート、カ
    ルボン酸、及びジカルボン酸無水物と反応性のない置換
    基を有する上記化合物から選ばれた1員であることを特
    徴とする請求項8記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 封止剤が無水フタル酸又は安息香酸で
    あることを特徴とする請求項8記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 アルカリ金属化合物が、多価カルボン
    酸アルカリ金属塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属
    炭酸水素塩、アルカリ金属水酸化物、またはアルカリ金
    属弗化物からなる群より選ばれるすくなくとも1種であ
    ることを特徴とする請求項8記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 非プロトン系極性溶媒が、アミド類、
    ホスホリルアミド類、スルホン類、スルホキシド類及び
    ウレア類からなる群より選ばれる少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項8記載の製造方法。
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