JPH06172519A - ポリアミド樹脂及びその製造方法 - Google Patents

ポリアミド樹脂及びその製造方法

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JPH06172519A
JPH06172519A JP32939492A JP32939492A JPH06172519A JP H06172519 A JPH06172519 A JP H06172519A JP 32939492 A JP32939492 A JP 32939492A JP 32939492 A JP32939492 A JP 32939492A JP H06172519 A JPH06172519 A JP H06172519A
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JP32939492A
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Masahiko Asano
正彦 浅野
Masumizu Ookita
益瑞 大北
Tadashi Asanuma
浅沼  正
Teruhiro Yamaguchi
彰宏 山口
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/28Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
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    • C08G18/34Carboxylic acids; Esters thereof with monohydroxyl compounds
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価で優れた耐熱性を有し、かつ溶融成形可
能な脂肪族、芳香族ポリアミド樹脂及びその製造方法を
提供する。 【構成】 式(I)、式(II)の構造単位からなり、分
子末端が芳香族基で封止された溶融成形可能ポリアミド
樹脂。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアミド樹脂及びそ
の製造方法に関する。さらに詳しくは、安価で優れた耐
熱性を有し、かつ溶融成形可能な脂肪族、芳香族ポリア
ミド共重合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】全芳香族ポリアミド(アラミド)は、一
般に高融点を持つ結晶性高分子であり、その優れた耐熱
性、強度から繊維等に適した素材として多用されてい
る。しかしながら、これら全芳香族ポリアミドは、融点
がその分解開始温度よりも高く、実質的に溶融成形が不
可能であり、溶液成形によらざるを得ない等、成形条件
の制約を受けていた。これらの問題点を解決する方法と
して、モノマー成分の一方に脂肪族鎖を導入し溶融流動
性を付与する試みがなされてきた。例えば、特開昭59
−53536号公報には、テレフタル酸を主成分とする
芳香族ジカルボン酸と直鎖脂肪族アルキレンジアミンか
らなる成形用ポリアミドが、また、特開昭59−161
428号公報には、テレフタル酸、イソフタル酸および
C6ジアミンからの結晶性コポリアミドが、特開昭57
−200420号公報にはアジピン酸を主成分とする脂
肪族ジカルボン酸とメタキシリレンジアミンを主成分と
するポリアミドの製造方法が提案されている。しかしな
がら、これらポリアミドを形成するジアミン成分、もし
くはカルボン酸またはカルボン酸誘導体のモノマー成分
の一方に脂肪族鎖を多量に導入する方法では、溶融流動
性は付与されるものの熱安定性、耐熱性等が低下してし
まう問題点があった。
【0003】また、イソシアネートとカルボン酸を利用
したポリアミドの合成に関しては通常の方法では、高分
子量のポリマーを得ることは困難であったが、特開昭5
7−151615号公報で既に提案しているようなジカ
ルボン酸のモノアルカリ金属塩等を使用することによっ
て高分子量のポリマーを得ることが可能となった。しか
しながら、ここで合成されているアジピン酸と芳香族ジ
イソシアネート等のポリマーも主鎖に脂肪族基を多量に
含んでいるため、耐熱性の面で満足のいくものではなか
った。
【0004】一方、主鎖中に脂肪族鎖を全く含まず、か
つ溶融流動性の改良されたポリアミドとしては、特開昭
62−177021号公報に提案されているようなエー
テル結合を含んだモノマーを使用する方法、特開昭63
−172732号公報に提案されているようなインダン
環を含むモノマーを使用する方法等、特殊モノマーを使
用して溶融流動性を付与する試みがなされてきたが、こ
れらのモノマーはいずれの場合も高価であり、コスト面
で満足のいくものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の諸欠点の少なくとも一部を解決できるポリアミド樹
脂、例えば、安価で優れた耐熱性を有し、溶融成形可能
なポリアミド樹脂を提供し、且つそのような樹脂の製造
法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、研究の結
果、工業的に大量に製造され、安価なトリレンジイソシ
アネートを一成分とし、ポリマー分子末端を特定の末端
封止基で封止することにより本発明の課題を解決し得る
ポリアミド樹脂が得られることに成功し、本発明を完成
するに至ったのである。本発明によれば、このようなポ
リアミド樹脂は、芳香族ジカルボン酸にトリレンジイソ
シアネートの異性体混合物、及び脂肪族性ジイソシアネ
ートと末端封止剤を用いて、触媒としてアルカリ金属化
合物の存在下、非プロトン系極性溶媒中で反応させるこ
とにより得ることができる。
【0007】本発明の第1の発明は、次式(I)
【化11】 で表される構造単位を有する基50〜75モル%と、次
式(II)
【化12】 で表される構造単位を有する基50〜25モル%からな
り、式(I)と式(II)の構造単位を有する基が互いに
ランダムに配列し、かつ、そのポリマーの分子末端が置
換基を有しない芳香族環、あるいは、イソシアネート、
カルボン酸と反応性を有しない基で置換された芳香族基
で封止されていることを特徴とする溶融成形可能なポリ
アミド樹脂であり、
【0008】本発明の第2の発明は、次式(I)
【化13】 で表される構造単位を有する基50〜75モル%と、次
式(II)
【化14】 で表される構造単位を有する基50〜25モル%からな
り、式(I)と式(II)の構造単位を有する基が互いに
ランダムに配列し、かつ、そのポリマーの分子末端が置
換基を有しない芳香族環、あるいは、イソシアネート、
カルボン酸と反応性を有しない基で置換された芳香族基
で封止されていることを特徴とする溶融成形可能なポリ
アミド樹脂を製造するにあたり、次式(III) HOOC−Ar1−COOH (III) (式中Ar1は2価の芳香族基を表す。)で表される芳
香族ジカルボン酸1モルに対して、次式(IV)
【化15】 で表される2,4-トリレンジイソシアネートと、次式
(V)
【化16】 で表される2,6-トリレンジイソシアネートの比が80/
20〜65/35の混合物を0.5〜0.75モル、次
式(VI) OCN−CH2−R−CH2−NCO (VI) (式中、Rは直結または1個以上の炭素原子を含む2価
の基を表す。)で表わされる脂肪族性ジイソシアネート
0.5〜0.25モル、式(III)の芳香族ジカルボン酸
1モル当り0.1モル以下の非置換芳香族モノカルボン
酸、及び、イソシアネート、カルボン酸と反応性のない
置換基を有する芳香族モノカルボン酸からなる群から選
ばれた少なくとも一種の末端封止剤を、触媒としてアル
カリ金属化合物の存在下、非プロトン系極性溶媒中14
0℃以上で反応させることを特徴とするポリアミド樹脂
の製造方法である。
【0009】本発明において、置換分Ar1は2価の芳
香族基である。この芳香族基としては、例えば、ベンゼ
ン、ナフタレン、ジフェニル、ジフェニルスルホン、ジ
フェニルエーテル、ベンゾフェノン、ペリレン、ジフェ
ニルアルカンなどから誘導される2官能芳香族基を挙げ
ることができる。Ar1は、次式の2官能性芳香族であ
ってもよい。
【化17】
【0010】また、置換分Rは直結または1個以上の炭
素原子を含む2価の基である。この1個以上の炭素原子
を含む2価の基としては、例えば、アルキレン基、炭素
以外の元素を含むアルキレン基、2価の芳香族基、例え
ば、フェニレン、ナフチレン、2価のビシクロ(二環縮
合環)化合物から誘導される基などを挙げることができ
る。Rは、次式のような直結または二価の基であっても
よい。
【化18】
【0011】前記一般式(III)で表される芳香族ジカル
ボン酸としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル
酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5
−ジカルボン 酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、
ジフェニル−4,4'−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン
−4,4'−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4'−ジ
カルボン酸、ベンゾフェノン−4,4'−ジカルボン酸、ペ
リレン−1,9−ジカルボン酸、ペリレン−2,9−ジカルボ
ン酸、4,4'−ジカルボキシジフェニルメタン、2-(4,4'
−ジカルボキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
【0012】前記(IV)で表される2,4-トリレンジイソ
シアネートと(V)で表される2,6-トリレンジイソシア
ネートの混合物の比は、80/20または65/35が
好ましい。一般にトリレンジイソシアネートは、工業的
にトルエンを出発原料とし、これをニトロ化して2,4-ジ
ニトロトルエンと2,6-ジニトロトルエンの混合物を得、
還元、ホスゲン化してイソシアネートを製造する。ここ
で生成した80/20の混合物はこの製造工程の中で最
も安価なものであり、さらに2,4-トリレンジイソシアネ
ートの精製時の残分が65/35であり、これも比較的
安価で入手可能となる。これらトリレンジイソシアネー
トは、任意の割合で混合し使用することが可能であり、
その組成は80/20〜65/35である。これは、2,
4-トリレンジイソシアネートのみを使用したものに比
べ、得られたポリマーの溶融流動性が向上することから
好ましい。
【0013】前記一般式(VI)で表される脂肪族性ジイ
ソシアネートの例としては、例えば、1,2−ジイソシア
ナトエタン、1,3−ジイソシアナトプロパン、テトラメ
チレン−1,4−ジイソシアネート、ペンタメチレン−1,5
−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシ
アネート、ノナメチレン−1,9−ジイソシアネート、デ
カメチレン−1,10−ジイソシアネート、ω,ω’−ジプ
ロピルエーテルジイソシアネート等の脂肪族ジイソシア
ネート誘導体、及びメタキシリレンジイソシアネート、
パラキシリレンジイソシアネート等の側鎖に置換基をも
った芳香族ジイソシアネート誘導体、及び、2,4−ジ
イソシアナトメチル〔2,2,1〕ヘプタン、2,5−
ジイソシアナトメチル〔2,2,1〕ヘプタン等のビシ
クロ(二環縮合環)化合物が挙げられ、特に、ヘキサメ
チレン− 1,6−ジイソシアネート、メタキシリレンジイ
ソシアネートが工業的に入手が容易で安価であることか
ら好ましい。
【0014】本発明で用いられるポリマーの分子末端封
止基は、非置換芳香族環基、またはイソシアネート、カ
ルボン酸と反応性を有しない基で置換された芳香族環基
である。この芳香族環は単環式芳香族基、縮合多環式芳
香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結
された多環式芳香族基であることができる。例えば、ベ
ンゼン、ジフェニルアルカン、ジフェニルスルホン、ジ
フェニルスルホキシド、ジフェニルスルフィド、ジフェ
ニルエーテル、ベンゾフェノン、ナフタレンなどから誘
導される非置換芳香族環基、及びこれらのアルキル置
換、アルコキシ置換、ハロゲン置換芳香族環基、例え
ば、メチル置換、メトキシ置換、クロロ置換芳香族基を
挙げることができる。特に、ベンゼンから誘導される非
置換芳香族基でポリマーの分子末端を封止した場合、耐
熱性が向上することから好ましい。
【0015】本発明で用いられる分子末端封止剤として
は、非置換芳香族環基、またはイソシアネート、カルボ
ン酸と反応性を有しない基で置換された芳香族環基を有
する化合物を用いることができる。この芳香族環は、単
環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接ま
たは架橋員により相互に連結された多環式芳香族基であ
ることができる。分子末端封止剤としては、例えば、安
息香酸、ジフェニルメタンカルボン酸、ジフェニルスル
ホンカルボン酸、ジフェニルスルホキシドカルボン酸、
ジフェニルスルフィドカルボン酸、ジフェニルエーテル
カルボン酸、ベンゾフェノンカルボン酸、ビフェニルカ
ルボン酸、ナフタレンカルボン酸、アントラセンカルボ
ン酸等のモノカルボン酸、またはこれらのアルキル置
換、アルコキシ置換、ハロゲン置換モノカルボン酸等が
挙げられる。好ましくは下式で表されるモノカルボン
酸、
【化19】 及びそれらの芳香族環が、イソシアネート、カルボン酸
と反応性を有しない基で置換された誘導体である。上記
の分子末端封止剤は、単独に、または2種以上混合して
使用してもよい。
【0016】本発明の種々の局面において、樹脂の生成
に用いられる本発明に記載の反応剤は異性体を有する場
合があることは当業者には明かである。従って、特に断
わりなき限り、反応剤についての記載はそのような異性
体の全てを含むものとする。
【0017】分子末端封止剤としては、特に、安息香酸
が工業的に入手が容易で安価であることから好ましく、
これら分子末端封止剤を使用したポリマーの熱安定性
は、使用しないものに比べ非常に優れている。
【0018】本発明の方法において触媒として用いられ
るアルカリ金属化合物として、例えば、ジカルボン酸、
トリカルボン酸及びテトラカルボン酸のモノ及び/また
はジ及び/またはトリ及び/またはテトラリチウム塩、
ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム
塩、フランシウム塩等の多価カルボン酸のアルカリ金属
塩、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸フランシウム等のア
ルカリ金属炭酸塩、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水
素セシウム、炭酸水素フランシウム等のアルカリ金属炭
酸水素塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化
フランシウム等のアルカリ金属水酸化物、弗化リチウ
ム、弗化ナトリウム、弗化カリウム、弗化ルビジウム、
弗化セシウム、弗化フランシウム等のアルカリ金属弗化
物が挙げられる。特に、ナトリウム塩及びカリウム塩が
好ましい。上記のアルカリ金属化合物は、単独にまたは
2種以上混合して使用してもよい。
【0019】本発明で使用される非プロトン系極性溶媒
としては、例えば、 N,N−ジメチルアセトアミド、N,N
−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、γ−
ブチロラクトン、ヘキサメチル燐酸トリアミドの様な鎖
状もしくは環状のアミド類またはホスホリルアミド類、
あるいはジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、
テトラメチレンスルホンのようなスルホキシドあるいは
スルホン類、テトラメチル尿素、N,N'−ジメチルエチレ
ンウレアのようなウレア類が挙げられる。これらの溶媒
は、実質的に無水の状態で使用することが必要である。
重合反応に不活性な他の溶媒、例えば、ベンゼン、トル
エン、キシレン等を混合して使用することもできる。
【0020】本発明において、優れた耐熱性を有し、溶
融成形可能なポリアミドを製造するには、前記一般式(I
II)で表される芳香族ジカルボン酸1モルに対して、式
(IV)で表される2,4-トリレンジイソシアネートと式
(V)で表される2,6-トリレンジイソシアネートの比が
80/20〜65/35の混合物を0.5〜0.75モ
ル、一般式(VI)で表される脂肪族性ジイソシアネート
0.5〜0.25モル、更に芳香族ジカルボン酸1モル
当たり分子末端封止剤を0.1モル以下添加したもの
を、アルカリ金属化合物の存在下、非プロトン系極性溶
媒中140℃以上の温度で加熱反応させる必要がある。
【0021】本発明において使用する式(IV)で表され
る2,4-トリレンジイソシアネートと式(V)で表される
2,6-トリレンジイソシアネートの比が80/20〜65
/35の混合物のモル比は、芳香族ジカルボン酸1モル
に対して0.5〜0.75モルの範囲が好ましく、0.
55〜0.65モルの範囲がさらに好ましい。モル比が
0.5未満になると、得られたポリマーの耐熱性が悪く
なり、また、モル比が0.75を超えるとポリマー溶融
流動性が悪くなる。
【0022】また、一般式(VI)で表される脂肪族性ジ
イソシアネートのモル比は、芳香族ジカルボン酸1モル
に対して脂肪族性ジイソシアネート0.5〜0.25モ
ルの範囲が好ましく、0.45〜0.35モルの範囲が
さらに好ましい。モル比が0.25未満になると、得ら
れたポリマーの溶融流動性が悪くなり、また、モル比が
0.5を越えると耐熱性に優れたポリマーが得られな
い。
【0023】更に、分子末端封止剤の量は、芳香族ジカ
ルボン酸1モル当り0.1モル以下が好ましく、0.0
8モル以下がさらに好ましい。分子末端封止剤の量が芳
香族ジカルボン酸1モル当り0.1モルを越えると得ら
れたポリマーの分子量が低下し、耐熱性、機械物性が低
下する。
【0024】本発明のポリアミド樹脂の重合は、上記芳
香族ジカルボン酸と分子末端封止剤、重合触媒を非プロ
トン系極性溶媒に溶解し、トリレンジイソシアネートの
異性体混合物、脂肪族性ジイソシアネートを添加後、加
熱することにより実施される。
【0025】重縮合反応は、通常140℃以上の温度が
必要で、180〜260℃の温度範囲がさらに好まし
い。140℃未満では、カルボン酸とイソシアネートの
反応性が低下し好ましくない。反応時間は、通常1〜2
0時間である。そして副生する二酸化炭素が実質的に認
められなくなる時点をもって反応の完結点とすることが
できる。アルカリ金属化合物の添加量は、芳香族ジカル
ボン酸に対して、 0.5〜20モル%の範囲が好まし
く、特に 1.0〜10モル%が好ましい。
【0026】一般には原料モノマー(芳香族ジカルボン
酸+ ジイソシアネート)の濃度は50〜400g/l の
範囲が選択されるが、この濃度の選択は、原料モノマー
の反応性及び重合溶媒中のポリマーの溶解性等によって
行われる。高濃度で重合を開始した場合には、重合途中
で増粘により攪拌に支障が起きないように、場合によっ
ては溶媒を連続的又は非連続的に追加することが好まし
い。本発明において、得られたポリアミド樹脂の平均分
子量(GPCのポリスチレンスタンダードによる重量平
均分子量)は、1万以上が好ましく、特に、好ましく
は、2万以上である。
【0027】
【実施例】以下、実施例にて本発明を詳細に説明する。
また、実施例及び比較例において得られたポリマーの物
性値は以下の方法により測定した。 平均分子量:重合液をN−メチルピロリドンで希釈し、
GPC を用いて、分子量分布曲線のカーブを測定し、ポリ
スチレンスタンダードによって平均分子量を得た。 ガラス転移温度:島津製作所製DSC−50により測定
した。 5%分解温度 :空気中にて島津製作所製TGA−50
により測定した。 流動温度:島津製作所製高化式フローテスター(CFT
500C)を用いて荷重100Kgで測定した見掛けの溶融
粘度が10000ポアズ(Poise)になる温度。
【0028】実施例1 攪拌機、温度計、冷却コンデンサー及び滴下ロートを備
えた500mlセパラブルフラスコ中に、イソフタル酸21.13
g(0.1272モル)、フッ化カリウム0.163g(0.00280モ
ル)、安息香酸0.0775g(0.000635モル)、N,N'−ジメチ
ルエチレンウレア200mlを窒素雰囲気中に装入して溶解
し、この溶液を撹拌しながら内温を140℃に昇温した。
滴下ロートに2,4-トリレンジイソシアネート/2,6-トリ
レンジイソシアネートが80/20の混合物6.11g(0.0
351モル)、65/36の混合物6.11g(0.0351モル)と、
ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート9.63g(0.05738
モル)を計量し、一度にフラスコ内に添加し、内温を220
℃まで昇温したところ、激しく反応し二酸化炭素の発生
が認められた。220℃で2時間攪拌を続けると溶液の色
は黄色へと変化し、粘度が上昇した。さらに1時間加熱
を続け熟成した後、室温に冷却し、重合液を高速攪拌下
の水中に投入してポリマー粉末を得た。このポリマー粉
末をさらに熱水で3回洗浄し、最後にメタノールで洗浄
後、170℃で8時間イナートオーブン中で乾燥し29.5g
のポリマー粉末が得られた。この重合体の平均分子量は
9.5万であり。DSCで測定したガラス転移温度は203
℃、空気中5%分解温度435℃という優れた耐熱性を有
していた。さらに、流動温度が283℃と極めて低く、射
出成形が可能な熱溶融特性を有していた。
【0029】実施例2〜5 実施例1に示した実験装置に芳香族ジカルボン酸、脂肪
族性ジイソシアネート、トリレンジイソシアネートをそ
れぞれの条件下において同様に重合、後処理を行い、得
られた重合体のそれぞれの物性値を下記表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】比較例1 攪拌機、温度計、冷却コンデンサー及び滴下ロートを備
えた500mlセパラブルフラスコに、テレフタル酸20.98g
(O.1263モル)、フッ化カリウム0.147g(0.0253モル)、N,
N'−ジメチルエチレンウレア200mlを窒素雰囲気中に装
入して溶解した。滴下ロートにトリレン-2,4-ジイソシ
アネート 21.99g(0.1263モル)のみを計量し、一度にフ
ラスコ内に添加した。この溶液を攪拌しながら内温を20
0℃まで昇温したところ140℃で激しく反応し二酸化炭素
の発生が認められた。200℃で1時間攪拌を続けると溶
液の色は黄色に変化し、粘度が上昇した。さらに1時間
加熱を続け熟成した後、室温に冷却し、重合液を高速攪
拌下の水中に投入してポリマー粉末を得た。この粉末を
さらに熱水で3回洗浄し、最後にメタノールで洗浄後、
200℃で8時間イナートオーブン中で乾燥し、25.5gの
ポリマー粉末が得られた。この重合体の平均分子量は23
万、ガラス転移温度は250℃以上と高く、耐熱性樹脂と
して十分な耐熱性を有していたが、本発明の特徴である
射出成形可能な溶融流動性を有していなかった。
【0032】比較例2 比較例1のジイソシアネートをヘキサメチレン-1.6-ジ
イソシアネート21.2g(0.1263モル)及び触媒を炭酸カリ
ウム0.23g(0.0017モル)に変えた以外は比較例1と同様
に反応及び後処理を行った。得られた重合体の平均分子
量は、9.6万、ガラス転移温度110℃と低く、耐熱性樹脂
としては十分な耐熱性を有していなかった。
【0033】比較例3 アジピン酸21.35g(0.1461モル)、メタキシリレンジイ
ソシアネート 27.4g(0.1460モル)及び弗化カリウム0.1
6g(0.0027モル)を用いた以外は比較例1と同様に重合
及び後処理を行った。得られた重合体の平均分子量は6.
5万、ガラス転移温度は60℃と低く耐熱性樹脂としては
十分な耐熱性を有していなかった。
【0034】比較例4 比較例1に示した実験装置に、イソフタル酸21.02g(0.
1265モル)、フッ化カリウム0.148g(0.00255モル)、安
息香酸0.0321g(0.000263モル)、N,N'−ジメチルエチレ
ンウレア200mlを窒素雰囲気中に装入して溶解し、この
溶液を撹拌しながら内温を140℃に昇温した。滴下ロー
トにトリレン-2,4-ジイソシアネート6.61g(0.03795モ
ル)と、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート14.89g
(0.08853モル)を計量し、一度にフラスコ内に添加し、
内温を220℃まで昇温したところ激しく反応し二酸化炭
素の発生が認められた。220℃で2時間攪拌を続けると
溶液の色は黄色へと変化し、粘度が上昇した。さらに1
時間加熱を続け熟成した後、室温に冷却し、重合液を高
速攪拌下の水中に投入してポリマー粉末を得た。このポ
リマー粉末をさらに熱水で3回洗浄し、最後にメタノー
ルで洗浄後、140℃で8時間イナートオーブン中で乾燥
し29.8gのポリマー粉末が得られた。この重合体の平均
分子量は8.3万であった。DSCで測定したガラス転移
温度は159℃、空気中5%分解温度426℃という特性を有
していたが、フローテスターで得られたストランドは気
泡が多く分解している様子がうかがわれ、耐熱性樹脂と
しては十分な特性を有していなかった。
【0035】比較例5 実施例1のトリレンジイソシアネート混合物を2,4-トリ
レンジイソシアネートのみに変えた以外はほぼ同様の条
件で重合、後処理を行った。この重合体の平均分子量は
10.1万であった。DSCで測定したガラス転移温度は20
3℃、空気中5%分解温度433℃と実施例1で得られたポ
リマーとほぼ同等の特性を有していたが、フローテスタ
ーで測定した流動温度が20℃ほど高い値を示した。
【0036】
【発明の効果】本発明のポリアミド樹脂は、安価で耐熱
性に優れ、溶融成形可能な熱溶融特性を有する。また、
本発明におけるポリアミド樹脂の製造方法は、実用的か
つ経済的であり、耐熱性に優れ、溶融成形可能な熱溶融
特性を有するポリアミド樹脂が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(I) 【化1】 で表される構造単位を有する基50〜75モル%と、次
    式(II) 【化2】 で表される構造単位を有する基50〜25モル%からな
    り、式(I)と式(II)の構造単位を有する基が互いに
    ランダムに配列し、かつ、そのポリマーの分子末端が置
    換基を有しない芳香族環、あるいは、イソシアネート、
    カルボン酸と反応性を有しない基で置換された芳香族基
    で封止されていることを特徴とする溶融成形可能なポリ
    アミド樹脂。
  2. 【請求項2】 式(I)中のAr1が、次式 【化3】 で表される2価の基であることを特徴とする請求項1記
    載のポリアミド樹脂。
  3. 【請求項3】 式(II)中のRが、次式 【化4】 で表される直結または2価の基であることを特徴とする
    請求項1記載のポリアミド樹脂。
  4. 【請求項4】 ポリマー分子末端封止基が、非置換芳香
    族モノカルボン酸、または、イソシアネート、カルボン
    酸と反応性のない置換基を有する芳香族モノカルボン酸
    からなる群から選ばれた1種から誘導される芳香族基で
    あることを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂。
  5. 【請求項5】 ポリマー分子末端封止基が、 【化5】 及びイソシアネート、カルボン酸と反応性のない置換基
    を有する上記化合物から誘導された芳香族基であること
    を特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂。
  6. 【請求項6】 ポリマー分子末端封止基が、安息香酸か
    ら誘導された基であることを特徴とする請求項1記載の
    ポリアミド樹脂。
  7. 【請求項7】 次式(I) 【化6】 で表される構造単位を有する基50〜75モル%と、次
    式(II) 【化7】 で表される構造単位を有する基50〜25モル%からな
    り、式(I)と式(II)の構造単位を有する基が互いに
    ランダムに配列し、かつ、そのポリマーの分子末端が置
    換基を有しない芳香族環、あるいは、イソシアネート、
    カルボン酸と反応性を有しない基で置換された芳香族基
    で封止されていることを特徴とする溶融成形可能なポリ
    アミド樹脂を製造するにあたり、次式(III) HOOC−Ar1−COOH (III) (式中Ar1は2価の芳香族基を表す。)で表される芳
    香族ジカルボン酸1モルに対して、次式(IV) 【化8】 で表される2,4-トリレンジイソシアネートと、次式
    (V) 【化9】 で表される2,6-トリレンジイソシアネートの比が80/
    20〜65/35の混合物を0.5〜0.75モル、次
    式(VI) OCN−CH2−R−CH2−NCO (VI) (式中、Rは直結または1個以上の炭素原子を含む2価
    の基を表す。)で表される脂肪族性ジイソシアネート
    0.5〜0.25モル、式(III)の芳香族ジカルボン酸
    1モル当り0.1モル以下の非置換芳香族モノカルボン
    酸、及び、イソシアネート、カルボン酸と反応性のない
    置換基を有する芳香族モノカルボン酸からなる群から選
    ばれた少なくとも一種の末端封止剤を、触媒としてアル
    カリ金属化合物の存在下、非プロトン系極性溶媒中14
    0℃以上で反応させることを特徴とするポリアミド樹脂
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 末端封止剤が、 【化10】 及びイソシアネート、カルボン酸と反応性のない置換基
    を有する上記化合物から選ばれた1員であることを特徴
    とする請求項7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 末端封止剤が安息香酸であることを特徴
    とする請求項7記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 アルカリ金属化合物が、多価カルボン
    酸アルカリ金属塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属
    炭酸水素塩、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属弗
    化物からなる群より選ばれるすくなくとも1種であるこ
    とを特徴とする請求項7記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 非プロトン系極性溶媒が、アミド類、
    ホスホリルアミド類、スルホン類、スルホキシド類及び
    ウレア類からなる群より選ばれる少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項7記載の製造方法。
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