JP2876147B2 - グリセリルエーテル化蔗糖およびその製造方法 - Google Patents

グリセリルエーテル化蔗糖およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はトイレタリーや化粧品用の洗浄剤、乳化剤、
分散剤、湿潤剤および可溶化剤などとして有用な新規な
グリセリルエーテル化蔗糖およびその製造方法に関す
る。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
従来、トイレタリー製品やハウスホールド製品には、
アルキルサルフェートやアルキルエーテルサルフェート
などのアニオン系界面活性剤が広く用いられてきた。し
かし、これらアニオン界面活性剤の多くは、蛋白質変性
能が比較的高く、皮膚に対する刺激があることから、よ
り刺激性の低い界面活性剤の開発が望まれていた。
一方、分子中にオキシエチレン基やオキシプロピレン
基などの低分子量オキシアルキレン基を有するポリオキ
シアルキレンアルキルエーテルや、グリセリン、ソルビ
タン、ソルビトールおよび蔗糖などの多価アルコール類
の高級脂肪酸エステルに代表される従来の非イオン界面
活性剤は、蛋白質変性能が比較的低く、皮膚に対する刺
激も小さいことが知られており、現在広く使用されてい
る。
しかしながら、ポリオキシアルキレンアルキルエーテ
ル系非イオン界面活性剤は、一般に経時的に分解して低
分子量アルデヒドを比較的発生しやすいという問題があ
る。また、多価アルコール類の高級脂肪酸エステル系非
イオン界面活性剤は、水を含む系に長時間保存・貯蔵し
た場合、エステル基が加水分解しやすく経日安定性に欠
けるという欠点がある。さらにこれらの非イオン界面活
性剤は、洗浄力、起泡力ならびに泡安定性などの性能に
おいて、実用上必ずしも満足のできるものではなかっ
た。
起泡力等の洗浄性能ならびに安全性の点において優れ
た非イオン界面活性剤としては、従来アルキルグリコシ
ドやアルキルポリグリコシド等の糖系非イオン界面活性
剤が知られていた(米国特許第4223129号,ヨーロッパ
特許第92355号,特開昭58−194902号)。しかしなが
ら、斯かるアルキルグリコシドやアルキルポリグリコシ
ドを工業的に製造する場合、原料として過剰に使用する
アルコールを完全に除去することが困難であり、アルコ
ール臭を完全に除去するためには、スチーミング等の工
程が必要であるため、製造工程が煩雑になるという欠点
があった。さらに、斯かる製造方法により得られたアル
キルグリコシドならびにアルキルポリグリコシドは、保
存中に徐々に分解してしまい、アルコールを遊離して、
そのためにアルキルグリコシドならびにアルキルポリグ
リコシドを配合した製品の臭いが悪化するという問題が
あった。
また、米国特許第4011389号には、炭素数4以下の低
級アルコール、ジオールおよびトリオールとグルコース
やデンプン等の糖原料とを反応せしめてグリコシド類を
製造し、さらにこれらグリコシド類と炭素数6〜18のエ
ポキシアルカンあるいはリシジルエーテルとを反応せし
めて得られるグリコシドポリエーテル類について開示さ
れている。しかし、斯かるグリコシドポリエーテル類
は、その製造工程にグリコシド化およびエーテル化工程
が必要であり製造工程が複雑になるという製造上の問題
点があるばかりでなく、斯かる方法により得られたグリ
コシドポリエーテル類は、起泡力や泡安定性などの性能
において実用上必ずしも満足のいくものではなかった。
〔課題を解決するための手段〕
斯かる実情において、本発明者らは、従来知られてい
る界面活性剤のこれらの欠点を改良し、洗浄剤、乳化剤
として有用な界面活性剤を提供せんと鋭意検討した結
果、後記一般式(I)で表わされる新規なグリセリルエ
ーテル化蔗糖が、これまでに知られている界面活性剤に
はみられなかった性能、すなわち、蛋白質変性能および
皮膚に対する刺激が極めて低く、保存安定性に優れ、し
かも優れた起泡力と泡安定性を示し、さらに高い洗浄性
能等、界面活性剤としての種々の望ましい特性を有する
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は次の一般式(I) Z(K) (I) 〔式中、Zは蔗糖からn個の水酸基を除いた残基を示
し、Kは蔗糖から除かれた水酸基が結合していた炭素原
子を介してZと結合するものであり、 (ここで、Rは直鎖又は分岐鎖の炭素数6〜24のアルキ
ル基、アルケニル基又はアルキルフェニル基を示す)を
示し、nは1〜8の数を示す〕 で表わされるグリセリルエーテル化蔗糖およびその製造
方法を提供するものである。
本発明のグリセリルエーテル化蔗糖は前記一般式
(I)で表わされる。(I)式中、KにおけるRの具体
例としては、例えばヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、
テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ベ
ヘニル基等の直鎖アルキル基;メチルペンチル基、メチ
ルヘキシル基、メチルヘプチル基、メチルオクチル基、
メチルデシル基、メチルウンデシル基、メチルトリデシ
ル基、メチルヘプタデシル基、エチルヘキシル基、エチ
ルオクチル基、エチルデシル基、エチルドデシル基、エ
チルテトラデシル基、エチルヘキサデシル基、エチルオ
クタデシル基、エチルベヘニル基、ブチルヘキシル基、
ブチルオクチル基、ブチルデシル基、ブチルドデシル
基、ブチルヘキサデシル基、ブチルオクタデシル基、ヘ
キシルヘキシル基、ヘキシルオクチル基、ヘキシルデシ
ル基、ヘキシルドデシル基、オクチルデシル基、オクチ
ルドデシル基、オクチルヘキサデシル基、デシルデシル
基、デシルドデシル基、デシルテトラデシル基等の分岐
鎖アルキル基;ペンテニル基、ヘキセニル基、オクテニ
ル基、デセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、
ヘキサデセニル基、オクタデセニル基等の直鎖アルケニ
ル基;ノニルフェニル基等のアルキルフェニル基が挙げ
られる。
また、(I)式中nは1〜8の数であるが、界面活性
能の面より1〜3、特に1又は2が好ましい。
本発明のグリセリルエーテル化蔗糖(I)は、例えば
次の反応式に従って製造することができる。
〔式中、R、Z、Kおよびnは前記と同じ意味を示す〕 すなわち、蔗糖(III)とグリシジルエーテル(II)
とを有機溶媒中で塩基性触媒の存在下反応させれば本発
明化合物(I)が得られる。
本発明製造方法に使用される蔗糖(III)とグリシジ
ルエーテル(II)との反応比率(モル比)は、目的とす
るグリセリルエーテル化蔗糖のグリセリルエーテル化度
(n)によって適宜選ぶことができる。目的とするグリ
セリルエーテル化蔗糖のモノグリセリルエーテル体(n
=1)含量の高いものを得るには蔗糖(III)を過剰に
使用すればよく、通常(III)/(II)=1.2〜4.0程度
の範囲で反応を行なうことが好ましく、特にモノグリセ
リルエーテル体の生成量および原料蔗糖の回収のし易す
さを考慮すると(III)/(II)=0.1〜1.1の範囲で反
応を行なうことが好ましい。また、目的とするグリセリ
ルエーテル化蔗糖のジグリセリルエーテル体(n=2)
含量の高いものを得るには通常(III)/(II)=0.3〜
1.1、特に0.3〜0.9程度の範囲で反応を行なうことが好
ましい。
本発明製造方法においては反応溶媒として有機溶媒を
使用するが、これは原料である蔗糖とグリシジルエーテ
ルの混合を容易にするものであれば特に限定されず、こ
のような有機溶媒の具体例としては、例えばジメチルス
ルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムア
ミド、N−メチルピロリドン等が挙げられるが、蔗糖の
溶解性の点から特にジメチルスルホキシドが好ましい。
有機溶媒は、使用する蔗糖重量に対し、通常0.1〜10.0
倍重量の範囲で用いることができるが、蔗糖の溶解性お
よび経済性の点から0.5〜3.0倍重量の範囲で用いること
が好ましい。
本発明製造方法に使用する塩基性触媒としては、一般
にエポキシ基の反応触媒として知られている塩基性触媒
を用いることができる。ここで、酸触媒を用いても反応
を進行させることができるが、蔗糖の分解およびグリシ
ジルエーテルのエーテル結合の分解が副反応として生じ
るため好ましくない。用いられる塩基性触媒としては、
特に限定されるものではないが、反応性および経済性の
点から水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム
メチラート、ナトリウムエチラート、水素化ナトリウム
等を挙げることができる。塩基性触媒は蔗糖に対し、通
常0.01〜20.0重量%の範囲で用いることができるが、反
応速度および経済性の点から0.1〜10.0重量%の範囲で
用いることが好ましい。
反応温度は50〜150℃、特に70〜130℃であることが好
ましい。反応温度が50℃未満であると反応速度が遅くな
り、また150℃を超えると蔗糖の熱分解によると思われ
る副生成物が生じやすくなり好ましくない。
尚、本反応においては、反応系中に水分が存在すると
グリシジルエーテルのエポキシ基と水とが反応し、エポ
キシ基が開環した化合物が副生するため、有機溶媒に蔗
糖を溶解又は分散させた後、加熱して乾燥窒素ガスを吹
き込んだり、減圧下で加熱したりして水分を除去してか
らグリシジルエーテルを加えて反応させることが好まし
い。
反応終了後、塩基性触媒の中和剤となる酸、例えば酢
酸、硫酸、塩酸、リン酸などを加えて中和した後、反応
に用いた有機溶媒を除去すれば本発明のグリセリルエー
テル化蔗糖が得られる。ここで溶媒の除去は、反応生成
物の熱分解を避けるために、減圧下、通常120℃以下の
温度で行なうことが好ましい。
斯くして得られたグリセリルエーテル化蔗糖は、通常
未反応蔗糖とグリセリルエーテル化度の異なるグリセリ
ルエーテル化蔗糖との混合物として得られる。この混合
物はそのままで各種用途に使用することができるが、必
要に応じ、常法により精製を行なって使用に供しても良
い。
精製方法としては、例えば蔗糖を除去したい場合に
は、反応生成物をメチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、アセトン、クロロホル
ム、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の未反応蔗糖を
実質的に溶解しない溶媒に溶解させた後、濾過すればよ
い。また、蔗糖の水酸基3個以上にグリセリルエーテル
基が結合しているグリセリルエーテル化蔗糖を除去した
い場合には、例えばヘキサン、イソプロピルエーテル、
エチルエーテル、石油エーテル等の溶媒で抽出すればよ
い。さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに代
表される各種クロマトグラフィーあるいは水および酢酸
エチル、メチルエチルケトン、クロロホルム等の有機溶
媒を用いた2層の抽出溶媒系による抽出などの公知の精
製方法も本発明のグリセリルエーテル化蔗糖の精製に利
用することができる。
尚、本発明のグリセリルエーテル化蔗糖は従来公知の
カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤又は非イ
オン系界面活性剤と併用して使用することもできる。
〔発明の効果〕
本発明のグリセリルエーテル化蔗糖は、保存安定性、
起泡力および泡安定性に優れ、しかも良好な洗浄性能を
有し、トイレタリーや化粧品用の洗浄剤、乳化剤、分散
剤、湿潤剤、可溶化剤などとして極めて有用である。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 モノ−(ドデシルグリセリルエーテル化)蔗糖の製造: 蔗糖103g、ジメチルスルホキシド200gおよび水酸化ナ
トリウム1.2gとを500mlフラスコに入れ、100℃に加熱し
て溶解させ、乾燥窒素ガスを吹き込んで水およびジメチ
ルスルホキシドを約20g留出させて、反応系中の水分を
除去した。これにグリシジルドデシルエーテル24gを加
えた後、100℃にて9時間撹拌しながら反応させた。
反応終了後、反応混合物に酢酸2gを加えて、触媒を中
和したのち、ジメチルスルホキシドを減圧下、80℃にて
完全に蒸留除去し、その残留物を99%イソプロピルアル
コールで抽出し、析出した未反応蔗糖を濾別した。得ら
れた濾液より、減圧下でイソプロピルアルコールを留去
して、ドデシルグリセリルエーテル化蔗糖の粗生成物76
gを得た。
この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
を用いて分離精製すると、クロロホルム:メタノール=
5:1の溶出溶媒にて目的とするモノ−(ドデシルグリセ
リルエーテル化)蔗糖が溶出し、その溶出画分を集めて
溶媒を留去して、目的化合物の淡黄色固体36g(収率61
%)を得た。
得られたモノ−(ドデシルグリセリルエーテル化)蔗
糖をトリメチルシリル化後、島津(株)製GC−14Aがガ
スクロマトグラフィー(カラム:1%SE−52 1.0m,キャリ
ア(ヘリウム)流量:60ml/min,100〜320℃,8℃/min昇
温)にて分析したところ、該化合物は、主として3種の
ピークに分離され、異性体の混合物であることがわかる
(図−1)。
また、日本電子(株)製JMN−GX400 NMR SPECTOROMET
ERを用い、D2Oを溶媒とし、濃度3%、内部標準TSP、25
℃の条件にて該化合物の1H−NMRスペクトルを測定した
ところ、5.4〜5.6ppm(a),3.3〜4.2ppm(b),1.6ppm
(c),1.3ppm(d),0.9ppm(e)にそれぞれグルコー
ス骨格のアノマープロトン(1H)、シュークロース骨格
およびグリセリン骨格由来のプロトン(20H)、長鎖ア
ルキル基のメチレン(2H,18H)および末端メチル基(3
H)に基づくピークが観測された(図−2)。
日立(株)製270−30赤外分光光度計を用い、235℃で
KBr錠剤法によりIRスペクトルを測定したところ、3200
〜3600cm-1,2930cm-1,2850cm-1,1140cm-1,1060cm-1およ
び1000cm-1にOH伸縮振動、長鎖アルキルのCHの伸縮振
動、蔗糖およびグリセロール骨格のエーテル結合に基づ
く吸収が観測された(図−3)。
実施例2 モノ−(デシルグリセリルエーテル化)蔗糖の製造: 蔗糖68g、ジメチルスルホキシド100gおよび水酸化ナ
トリウム1.6gとを300mlフラスコに入れ、100℃に加熱し
て溶解させ、乾燥窒素ガスを吹き込んで水およびジメチ
ルスルホキシドを約10g留出させて、反応系中の水分を
除去した。これにグリシジルデシルエーテル21gを加え
た後、110℃にて6時間撹拌しながら反応させた。
反応終了後、反応混合物に酢酸2.4gを加えて、触媒を
中和したのち、ジメチルスルホキシドを減圧下、80℃に
て完全に蒸留除去し、その残留物を99%エチルアルコー
ルで抽出して、析出した未反応蔗糖を濾別した。得られ
た濾液より、減圧下でエチルアルコールを留去して、デ
シルグリセリルエーテル化初頭の粗生成物42gを得た。
この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
を用いて分離精製すると、クロロホルム:メタノール=
5:1の溶出溶媒にて目的とするモノ−(デシルグリセリ
ルエーテル化)蔗糖が溶出し、その溶出画分を集めて溶
媒を留去して、目的化合物の淡黄色固体34g(収率63
%)を得た。1 H−NMR(D2O)δppm: 5.4〜5.6(1H),3.3〜4.3(20H),1.6(2H),1.3(14
H),0.9(3H) IR(KBr)cm-1: 3200〜3600(O−H),2860(C−H),2930(C−
H),1110(C−O),1060(C−O),1000(C−D) 実施例3 モノ−(オクチルグリセリルエーテル化)蔗糖の製造: 蔗糖103g、ジメチルスルホキシド200gおよび水酸化ナ
トリウム0.9gとを500mlフラスコに入れ、100℃に加熱し
て溶解させ、乾燥窒素ガスを吹き込んで水およびジメチ
ルスルホキシドを約20g留出させて、反応系中の水分を
除去した。これにグリシジルオクチルエーテル28gを加
えた後、100℃にて10時間撹拌しながら反応させた。
反応終了後、反応混合物に酢酸1.4gを加えて、触媒を
中和したのち、ジメチルスルホキシドを減圧下、80℃に
て完全に蒸留除去し、その残留物を99%イソプロピルア
ルコールで抽出して、析出した未反応蔗糖を濾別した。
得られた濾液より、減圧下でイソプロピルアルコールを
留去して、オクチルグリセリルエーテル化蔗糖の粗生成
物54gを得た。
この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
を用いて分離精製すると、クロロホルム:メタノール=
4:1の溶出溶媒にて目的とするモノ−(オクチルグリセ
リルエーテル化)蔗糖が溶出し、その溶出画分を集めて
溶媒を留去して、目的化合物の淡黄色固体27g(収率34
%)を得た。1 H−NMR(D2O)δppm: 5.3〜5.6(1H),3.3〜4.3(20H),1.6(2H),1.3(10
H),0.9(3H) IR(KBr)cm-1: 3200〜3600(O−H),2850(C−H),2940(C−
H),1100(C−O),1060(C−O),1000(C−O) 実施例4 モノ−(オクタデジルグリセリルエーテル化)蔗糖の製
造: 蔗糖137g、ジメチルスルホキシド200gおよび水酸化カ
リウム2.8gとを500mlフラスコに入れ、100℃に加熱して
溶解させ、乾燥窒素ガスを吹き込んで水およびジメチル
スルホキシドを約20g留出させて、反応系中の水分を除
去した。これにグリシジルオクタデシルエーテル65gを
加えた後、100℃にて10時間撹拌しながら反応させた。
反応終了後、反応混合物に85%リン酸5.8gを加えて、
触媒を中和したのち、ジメチルスルホキシドを減圧下、
80℃にて完全に蒸留除去し、次いで残渣に水500mlを加
えて、酢酸エチル1000ml(500ml×2)にて抽出した。
得られた酢酸エチル層をポウ硝にて乾燥後、濾過および
溶媒を留去して、オクタデシルグリセリルエーテル化蔗
糖の粗生成物125gを得た。
この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
を用いて分離精製すると、クロロホルム:メタノール=
8:1の溶出溶媒にて目的とするモノ−(オクタデジルグ
リセリルエーテル化)蔗糖が溶出し、その溶出画分を集
めて溶媒を留去して、目的化合物の淡黄色固体68g(収
率51%)を得た。1 H−NMR(D2O)δppm: 5.5〜5.6(1H),3.3−4.4(20H),1.6(2H),1.3(30
H),0.9(3H) IR(KBr)cm-1: 3200〜3600(O−H),2850(C−H),2940(C−
H),1100(C−O),1060(C−O),1000(C−O) 実施例5 ジ−(デシルグリセリルエーテル化)蔗糖の製造: 蔗糖68g、ジメチルスルホキシド200gおよび水酸化ナ
トリウム1.6gとを500mlフラスコに入れ、100℃に加熱し
て溶解させ、乾燥窒素ガスを吹き込んで水およびジメチ
ルスルホキシドを約20g留出させて、反応系中の水分を
除去した。これにグリシジルデシルエーテル86gを加え
た後、120℃にて10時間撹拌しながら反応させた。
反応終了後、反応混合物に85%リン酸4.5gを加えて、
触媒を中和したのち、ジメチルスルホキシドを減圧下、
80℃にて完全に蒸留除去し、次いで残渣に水500mlを加
えて、酢酸エチル1000ml(500ml×2)にて抽出した。
得られた酢酸エチル層をボウ硝にて乾燥後、濾過および
溶媒を留去して、デシルグリセリルエーテル化蔗糖の粗
生成物145gを得た。
この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
を用いて分離精製すると、ヘキサン:アセトン=1:1の
溶出溶媒にて目的とするジ−(デシルグリセリルエーテ
ル化)蔗糖が溶出し、その溶出画分を集めて溶媒を留去
して、目的化合物の淡黄色固体136g(収率88%)を得
た。1 H−NMR(D2O)δppm: 5.4〜5.6(1H),3.3〜4.3(27H),1.6(4H),1.3(28
H),0.9(6H) IR(KBr)cm-1: 3200〜3600(O−H),2860(C−H),2930(C−
H),1110(C−O),1060(C−O),1000(C−O) 参考例1 メチルα−D−グルコシド39g、ジメチルスルホキシ
ド100gおよび水酸化ナトリウム4gを300mlフラスコに入
れ、100℃に加熱して溶解させ、乾燥窒素ガスを吹き込
んで水およびジメチルスルホキシドを約10g留出させ
て、反応系中の水分を除去した。これにグリシジルドデ
シルエーテル24gを加えた後、120℃にて2時間撹拌しな
がら反応させた。
反応終了後、反応混合物に酢酸6gを加えて、触媒を中
和したのち、ジメチルスルホキシドを減圧下、80℃にて
完全に蒸留除去したのち、残渣に水500mlを加えて、メ
チルエチルケトン1000ml(500ml×2)にて抽出した。
得られたメチルエチルケトンをボウ硝にて乾燥後、濾過
および溶媒を留去して、メチルグリコシドグリセリルド
デシルエーテルの粗生成物34gを得た。
この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
を用いて分離精製を行なうと、クロロホルム:メタノー
ル=10:1の溶出溶媒にて目的とするメチルグリコシドグ
リセリルドデシルエーテルのモノエーテルが溶出し、そ
の溶出画分を集めて溶媒を留去して、目的とする黄色半
固体のメチルグリコシドグリセリルドデシルエーテルの
モノエーテル体16g(収率38%)を得た。
試験例1 実施例1および2で得られたモノ−(ドデシルグリセ
リルエーテル化)蔗糖およびモノ−(デシルグリセリル
エーテル化)蔗糖の1.0%水溶液の起泡力測定を行なっ
た。すなわち、本発明化合物各1.0%水溶液3.0mlを30ml
容試験管に取り、試験管を密栓後1分間激しく振とう
し、30秒間静置した後の起泡量を測定した(測定温度25
℃)。また、対照化合物として参考例1にて合成したメ
チルグリコシドグリセリルドデシルエーテルのモノエー
テル体、ドデシルβ−D−マルトピラノシド(Sigma社
製)、デシルβ−D−グリコピラノシド(Sigma社
製)、ドデシルβ−D−グリコピラノシド(Sigma社
製)を使用し、これらについても同様の条件で起泡力を
測定した。その結果(表−1)、本発明化合物の起泡力
は、メチルグリコシドグリセリルドデシルエーテルのモ
ノエーテル体、ドデシルβ−D−マルトピラノシド、デ
シルβ−D−グルコピラノシドおよびドデシルβ−D−
グルコピラノシドに比べ著しく優れていた。尚、起泡量
の数値が大きい程起泡力が優れていることを意味する。
試験例2 実施例1および2で得られたモノ−(ドデシルグリセ
リルエーテル化)蔗糖およびモノ−(デシルグリセリル
エーテル化)蔗糖の1.0%水溶液の泡安定性試験を行な
った。すなわち、本発明化合物各1.0%水溶液3.0mlを30
mlに容試験管に取り、試験管の密栓後1分間激しく振と
うし、30秒間静置した後の起泡量を100%とし、さらに1
0分後の泡残存量を測定して泡残存率を求めた(測定温
度25℃)。また、対照化合物として参考例1にて合成し
たメチルグリコシドグリセリルドデシルエーテルのモノ
エーテル体、ドデシルβ−D−マルトピラノシド(Sigm
a社製)、デシル−β−D−グルコピラノシド(Sigma社
製)、ドデシルβ−D−グルコピラノシド(Sigma社
製)を使用し、これらについても同様の条件で泡安定性
試験を実施した。その結果(表−2)、本発明の化合物
の泡安定性は、メチルグルコシドグリセリドデシルエー
テルのモノエーテル体、ドデシルβ−D−マルトピラノ
シド、デシルβ−D−グリコピラノシドおよびドデシル
β−D−グルコピラノシドに比べ著しく優れていた。
試験例3 実施例1および2で得られたモノ−(ドデシルグリセ
リルエーテル化)蔗糖およびモノ−(デシルグリセリル
エーテル化)蔗糖の2.0%リン酸ナトリウム緩衝液中で
の保存安定性試験を行なった。すなわち、本発明化合物
を終濃度各2.0%となるように50mMリン酸ナトリウム緩
衝液(pH7.0)に溶解し、その溶液10mlを20ml容サンプ
ル容器に取り、サンプル容器を密栓後、50℃の恒温槽に
て30日間保存し、溶液の匂いの劣化について検討した。
対照化合物として参考例1にて合成したメチルグルコシ
ドグリセリルドデシルエーテルのモノエーテル体、ドデ
シルβ−D−マルトピラノシド(Sigma社製)、デシル
β−D−グルコピラノシド(Sigma社製)、ドデシルβ
−D−グルコピラノシド(Sigma社製)についても同様
の条件で保存安定性試験を実施した。その結果(表−
3)、本発明化合物は保存30日後も匂いの劣化がほとん
どなく、メチルグルコシドグリセリルドデシルエーテル
のモノエーテル体、ドデシルβ−D−マルトピラノシ
ド、デシルβ−D−グルコピラノシドおよびドデシルβ
−D−グルコピラノシドに比べ著しく優れていた。
【図面の簡単な説明】
図−1は実施例1におけるガスクロマトグラフィーの結
果を示す図面であり、図−2は実施例1における1H−NM
Rスペクトルの結果を示す図面であり、図−3は実施例
1におけるIRスペクトルの結果を示す図面である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07H 15/04 C11D 1/68 B01F 17/56 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式(I) Z(K) (I) 〔式中、Zは蔗糖からn個の水酸基を除いた残基を示
    し、Kは蔗糖から除かれた水酸基が結合していた炭素原
    子を介してZと結合するものであり、 (ここで、Rは直鎖又は分岐鎖の炭素数6〜24のアルキ
    ル基、アルケニル基又はアルキルフェニル基を示す)を
    示し、nは1〜8の数を示す〕 で表わされるグリセリルエーテル化蔗糖。
  2. 【請求項2】蔗糖と次の一般式(II) 〔式中、Rは直鎖又は分岐鎖の炭素数6〜24のアルキル
    基、アルケニル基又はアルキルフェニル基を示す〕 で表わされるグリシジルエーテルとを有機溶媒中で塩基
    性触媒の存在下反応させることを特徴とする請求項1記
    載のグリセリルエーテル化蔗糖の製造方法。
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