JP2869127B2 - 色相及び匂いの安定なアルキルグリコシドの製造方法 - Google Patents
色相及び匂いの安定なアルキルグリコシドの製造方法Info
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Description
くは色相、匂い及びその安定性において優れたアルキル
グリコキシドを製造する方法に関するものである。
激性界面活性剤であり、しかも非イオン性界面活性剤で
あるにも拘わらず、それ自身安定は泡を生成するだけで
はなく、他の陰イオン性界面活性剤に対して泡安定剤と
して作用することが知られており、近年注目されつつあ
る。
活性剤として注目すべき性質を有しているが、一方では
その実際の製造には多くの困難が伴うのもまた事実であ
る。その中でも最も大きな問題は製造工程における種々
の操作によって色相の劣化が容易に起きるのみならず、
生成したアルキルグリコシドを保存した場合、保存直後
と比較して経日的に色相が劣化することが問題であっ
た。
ないレベルの色相良好なアルキルグリコシドを得る為に
は糖類と高級アルコールとの反応によって得られたアル
キルグリコシドを脱色する工程が必要不可欠である。し
かしながら、有効な脱色剤として従来知られている過酸
化水素を用いてアルキルグリコシドの脱色を行った場合
には、その保存時において酸敗臭、アルデヒド臭の発生
といった匂いの劣化及び色相の経日的劣化という新たな
問題が発生する。
色相の経日的劣化の防止、即ち色相の安定化が従来より
研究されており、いくつかの解決方法が提案されてい
る。例えば、まず高級アルコールと単糖類との反応によ
りアルキルグリコシドを生成する反応の段階において、
特開昭59−139397号公報に記載されているように酸触媒
と還元剤とよりなる酸触媒組成物の存在下反応を行う方
法、欧州特許第0132043号明細書に記載されているよう
に触媒としてアニオン活性剤の酸形を用いる方法、また
欧州特許第0132046号明細書に記載されているように反
応を停止するに際し有機塩基による中和を行う方法等が
提案されている。また、生成したアルキルグリコシドを
未反応の回収アルコールと分離する段階ではアルキルグ
リコシドの高い粘度及び不良な熱安定性ゆえに特に色相
の劣化が著しいため粘度減少剤を添加する方法(特開昭
62−192396号公報)等の提案がなされている。
だグリコシド組成物を水素又は水素化ホウ素ナトリウム
などの水素源と接触させることにより、グリコシド組成
物の色を改良する方法が提案されている。
お、得られるアルキルグリコシドの色相はそのまま実際
の商品へ配合するに満足なものではない。特開昭61−33
193号公報では製造により最終的に得られたアルキルグ
リコシドを過酸化水素及び二酸化硫黄源を用いて漂白処
理することを提示しているが、この場合には、処理前と
比較して処理直後アルキルグリコシドの匂いが劣化す
る。更にそのアルキルグリコシドを保存した時色相及び
匂いの経日的劣化といった新たな問題が発生し、満足す
べき解決策とはいえない。
コシドの脱色を行った場合には、その保存時の色相及び
匂いの安定性を確保することが問題であった。即ち、そ
の点が未解決であり、それを解決することが課題であ
る。
シド脱色時の問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結
果、上記の過酸化水素脱色を行ったアルキルグリコシド
の保存時の色相と匂いの劣化は、脱色終了後にアルキル
グリコシドに残留する過酸化水素に起因するものである
ことを見い出すと共に、残留する過酸化水素を特定の金
属水素錯化合物と接触させることにより効率よく分解し
得ること、及びこのような処理を行った場合には、得ら
れるアルキルグリコシドの色相及び匂いについての保存
時の安定性が極めて良好となることを見い出して本発明
を完成した。
か、又は糖と低級アルコールとを反応させたのち次いで
高級アルコールを反応させることにより得られるアルキ
ルグリコシドを、過酸化水素により脱色した後、更に次
式(I) M(BH4)x …(I) (但し、Mはアルカリ金属,Ca,Zn又は(CH3)4Nであ
り、Mがアルカリ金属又は(CH3)4Nの時xは1、MがC
a又はZnの時xは2である。) で表される金属水素錯化合物と接触させて残留過酸化水
素を分解することを特徴とする色相及び匂いの安定なア
ルキルグリコシドの製造方法を提供するものである。
する過酸化水素を特定の金属水素錯化合物と接触させる
ことにより効率よく分解することによって良好な色相及
び匂いのアルキルグリコシドを得ることが目的であっ
て、特開平1−290692号公報に記載されているように色
素地を含んだアルキルグリコシドを水素又は水素源によ
って還元脱色する方法とは峻別される。
すべき色相のアルキルグリコシドを得ることができない
(比較例3参照)。
得られるものであって、糖類と高級アルコールを酸触媒
の存在下に直接反応させる方法、あるいは予め糖類をメ
タノール、エタノール、プロパノール又はブタノールな
どの低級アルコールと反応させ、低級アルキルグリコシ
ドとしたのち高級アルコールと反応させる方法のいずれ
の方法で得られたものであってもよい。
ルコールとしては、下記式(II)で表されるアルコール
が挙げられる。
ル基ないしアルケニル基、又はアルキルフェニル基を表
し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、nはその
平均値が0〜5の数である。) 本発明に係るアルキルグリコシドの原料となる糖類と
しては単糖類、オリゴ糖類あるいは多糖類が使用され
る。単糖類の具体例としてはアルドース類、例えばアロ
ース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロー
ス、イドース、ガラストース、タロース、リボース、ア
ラビノース、キシロース、リキソースなどが挙げられ
る。オリゴ糖類の具体例としては、マルトース、ラクト
ース、スクロース、マルトトリオースなどが挙げられ
る。多糖類の具体例としてはヘミセルロース、イヌリ
ン、デキストリン、デキストラン、キシラン、デンプ
ン、加水分解デンプンなどが挙げられる。
出発物質を用い、触媒、反応温度等の条件については公
知の方法に従って行われる (特公昭47−24532号、USP第3839318号、EP第092355
号、特開昭59−139397号、特開昭58−189195号など)。
よる脱色はpHをアルカリ性に維持した系において効率的
に行われる。脱色に用いられる過酸化水素の量は純分に
てアルキルグリコシド乾燥固形分に対し0.05〜10重量
%、望ましくは0.1〜5重量%である。脱色すべきアル
キルグリコシドは15〜75重量%、望ましくは20〜65重量
%のアルキルグリコシド乾燥固形分を含むアルキルグリ
コシド水溶液の形で用いられる。過酸化水素処理を行っ
ている間、アルキルグリコシド水溶液のpHを8以上、好
ましくは8〜14、より好ましくは8〜12に維持しておく
ことが好ましい。過酸化水素処理に伴て、アルキルグリ
コシド水溶液のpHは低下するので、系のpHを8以上に維
持するため、処理中を通じ、適宜、アルカリを添加して
もよい。pHの維持には例えば水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムのようなアルカリ金属の水酸化物、あるいは炭
酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属の炭
酸塩が固体であるいは水溶液の形態で使用される。
ド水溶液に必要量の過酸化水素を加え、撹拌又は熟成を
30分以上、好ましくは1時間以上行うことにより行われ
る。過酸化水素は通常3〜60重量%水溶液の形で添加さ
れるが、特に限定されない。添加は、一括添加でも、分
割添加でもよい。また、処理温度は5〜100℃、好まし
くは20〜80℃、より好ましくは30〜70℃である。
水素錯化合物としては、水素化ホウ素リチウム、水素化
ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ
素テトラメチルアンモニウム、水素化ホウ素カルシウム
あるいは水素化ホウ素亜鉛などが挙げられるが、水素化
ホウ素ナトリウムが特に好ましい。
素錯化合物は粉末のまま、あるいは水溶液又はアルカリ
水溶液の形態で過酸化水素脱色を行ったアルキルグリコ
シド水溶液に添加される。添加すべき金属水素錯化合物
の量は、脱色に使用した過酸化水素に対し0.05〜2モル
当量、望ましくは0.3〜1モル当量である。処理温度は1
0〜80℃、望ましくは20〜50℃である。
1時間である。処理を行うpHは7〜12、望ましくは8〜
10であり、金属水素錯化合物の添加に先立ち適切な塩
基、例えば水酸化ナトリウムを添加することによって調
節することができる。
って分解して処理は完結する。酸としては、硫酸、パラ
トルエンスルホン酸等を用いることができる。過剰の金
属水素錯化合物を含むアルキルグリコシド水溶液に撹拌
下で酸を徐々に添加することによってpHを弱酸性に保
つ。金属水素錯化合物の分解に要する時間は約0.5時間
である。
加えることによってpHを中性にもどす。
留過酸化水素を完全に分解することができる。系内に残
留する過酸化水素の量は、例えばヨウ素滴定法(日本薬
学会編「衛生試験法注解」第192頁、1973年発行)によ
って容易に測定することができる。
シド水溶液を式(I)で表される金属水素錯化合物によ
って処理する点に特徴を有するものであって、この処理
により、得られるアルキルグリコシドの良好な色相及び
匂いが長期間にわたって持続するという驚くべき効果が
達成されるのである。
本発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。
ルコース3240g(18.0mol)及びp−トルエンスルホン酸
1水和物96g(0.5mol)を30反応槽中で加熱撹拌し
た。95℃まで昇温の後、系内圧力を40mmHgとして脱水反
応を開始した。この際、反応混合液中にN2を5N/minで
吹き込み生成する水を効率よく除去する様にした。5時
間後、グルコースが完全に消費されたのを確認した後、
減圧を解除し冷却してNaOH20gで中和した。副生する多
糖を濾別した後、130℃、0.4mmHgの蒸留条件でアルキル
グリコシド4270gと未反応回収アルコール8460gとを分割
した。次いで固形分の一部を水に溶解し、暗赤色のアル
キルグリコシド50%水溶液を調製した。
加熱し、3%NaOH水溶液10gを添加してpHを9に調整し
た後30%過酸化水素(H2O2)4gを加えて30分間45℃で撹
拌を続けた。この間3%NaOH水溶液を適宜加えることに
よりpHを8.7〜9.3に維持した。
分間撹拌した。5%パラトルエンスルホン酸水溶液を加
えてpHを5に調整して30分間撹拌の後3%NaOH水溶液を
加えてpHを7に調整した。得られたアルキルグリコシド
水溶液中の残留H2O2量はヨウ素滴定法では定量できない
程度に微量であった。
1.2gの水素化ホウ素カルシウムを用いて同様の処理を行
いアルキルグリコシド水溶液を得た。
実施例1と全く同じ方法にてアルキルグリコシド水溶液
を得た。
0.38gの亜硫酸ナトリウムを用いて同様の処理を行いア
ルキルグリコシド水溶液を得た。
キルグリコシドの脱色を行った。
グリコシ50%水溶液を調製した。このアルキルグリコシ
ド水溶液200gを水素化ホウ素ナトリウム12重量%を含む
14N苛性ソーダ水溶液4.2gと完全に混合し室温にて4日
間放置した。
コシド水溶液をアルキルグリコシド含量30%に濃度調整
したものを用いて空気中、50℃で120時間の保存安定性
試験を行った。結果を表1に示す。
あることを示す。尚、匂いは5人のパネラーにより判定
した。
安定化されたアルキルグリコシドが得られることがわか
る。
Claims (2)
- 【請求項1】糖と高級アルコールとを反応させるか、又
は糖と低級アルコールとを反応させたのち次いで高級ア
ルコールを反応させることにより得られるアルキルグリ
コシドを、過酸化水素により脱色した後、更に次式
(I) M(BH4)x …(I) (但し、Mはアルカリ金属,Ca,Zn又は(CH3)4Nであ
り、Mがアルカリ金属又は(CH3)4Nの時xは1、MがC
a又はZnの時xは2である。)で表される金属水素錯化
合物と接触させて残留過酸化水素を分解することを特徴
とする色相及び匂いの安定なアルキルグリコシドの製造
方法。 - 【請求項2】式(I)で表される金属水素錯化合物が、
水素化ホウ素ナトリウムである請求項1記載のアルキル
グリコシドの製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8027589 | 1989-03-31 | ||
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---|---|
JPH037299A JPH037299A (ja) | 1991-01-14 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2267090A Expired - Lifetime JP2869127B2 (ja) | 1989-03-31 | 1990-01-31 | 色相及び匂いの安定なアルキルグリコシドの製造方法 |
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Country | Link |
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4996233B2 (ja) * | 2006-12-22 | 2012-08-08 | 花王株式会社 | アルキルガラクトシドの製造方法 |
-
1990
- 1990-01-31 JP JP2267090A patent/JP2869127B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH037299A (ja) | 1991-01-14 |
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