JP3058932B2 - 色相の良好なアルキルグリコシドの製造方法 - Google Patents
色相の良好なアルキルグリコシドの製造方法Info
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造方法に関し、詳しくは色相が良好なアルキルグリコシ
ドを製造する方法に関するものである。
体界面活性剤であるアルキルグリコシドは低刺激性界面
活性剤であり、しかも非イオン性界面活性剤であるにも
拘わらず、それ自身安定な泡を生成するだけではなく、
他の陰イオン性界面活性剤に対して泡安定剤として作用
することが知られており、近年注目されつつある。しか
し、アルキルグリコシドは上記の如く新たな界面活性剤
として注目すべき性質を有しているにも拘わらず、その
実際の製造には多くの困難が伴う。
ルとの反応によって製造されるが、その中で最も大きい
問題は製造工程における種々の操作によって色相の劣化
が容易に発生することである。
劣化を防ぐ方法が研究されており、いくつかの解決方法
が提案されている。例えば、まず高級アルコールと単糖
類との反応によりアルキルグリコシドを生成する反応の
段階において、特開昭59−139397号公報に記載されてい
るように酸触媒と還元剤とよりなる酸触媒組成物の存在
下反応を行う方法、欧州特許第0132043号明細書に記載
されているように触媒としてアニオン活性剤の酸形を用
いる方法、また欧州特許第0132046 号明細書に記載され
ているように反応を停止するに際し有機塩基による中和
を行う方法等が提案されている。また、生成したアルキ
ルグリコシドを未反応の回収アルコールと蒸留にて分離
する段階ではアルキルグリコシドの高い粘度及び不良な
熱安定性ゆえに特に色相の劣化が著しいため粘度減少剤
を添加する方法(特開昭62−192396号公報)の提案がな
されているが、いずれの方法によっても得られるアルキ
ルグリコシドの色相は、満足すべきものではなかった。
先立ってアルキルグリコシド製造反応生成物を水酸基形
の塩基性陰イオン交換樹脂と接触させることにより色相
良好なアルキルグリコシドを得ることを提案している
が、この場合にはアミン臭発生による匂いの劣化の懸念
があった。更に、特開昭61−33193 号公報では製造によ
り最終的に得られたアルキルグリコシドを過酸化水素及
び二酸化硫黄源を用いて漂白することを提示している
が、この場合には色相とは別に匂いの面での劣化や保存
安定性不良といった新たな問題が発生し抜本的な解決策
とは言えない。また特開平1−290692号公報には、有色
フミンを含んだグリコシド組成物を水素又は水素化ホウ
素ナトリウムなどの水素源と接触させることにより、グ
リコシド組成物の色を改良する方法が提案されている。
ドを製造するために種々の方法の提案が行われている
が、得られたアルキルグリコシドの色相が、未だ満足す
べきものではなかったり、あるいは匂いの劣化が発生す
るなど、いずれの方法も色相及び匂いの両方を満足する
方法ではなかった。
化させることなく、色相の良好なアルキルグリコシドを
得るべく鋭意検討した結果、本発明を完成した。
応させるか、又は糖と低級アルコールとを反応させたの
ち次いで高級アルコールを反応させて、アルキルグリコ
シドを製造する方法において、(1) 上記反応を 100〜80
0 nmの波長を有する光を照射しながら行い、得られた未
反応高級アルコール含有アルキルグリコシドから未反応
高級アルコールを除去するか、(2) 上記反応によって得
られた未反応高級アルコール含有アルキルグリコシドに
100 〜800 nmの波長を有する光を照射し、その後未反応
高級アルコールを除去するか、あるいは(3) 上記反応に
よって得られた未反応高級アルコール含有アルキルグリ
コシドから未反応高級アルコールを除去して得られるア
ルキルグリコシドの水溶液及び/又は有機溶媒溶液に 1
00〜800 nmの波長を有する光を照射することにより脱色
することを特徴とする色相の良好なアルキルグリコシド
の製造方法を提供するものである。
アルキルグリコシドは周知の反応方法で得られるもので
あって、糖類と高級アルコールを酸触媒の存在下に直接
反応させる方法、あるいは予め糖類をメタノール、エタ
ノール、プロパノール又はブタノールなどの低級アルコ
ールと反応させ、低級アルキルグリコシドとしたのち高
級アルコールと反応させる方法のいずれの方法で得られ
たものであってもよい。
なる高級アルコールとしては、直鎖もしくは分岐鎖の炭
素数8〜22の飽和又は不飽和アルコール又はそのアルキ
レンオキサイド付加物が好ましく用いられる。
なる糖類としては単糖類、オリゴ糖類あるいは多糖類が
使用される。単糖類の具体例としてはアルドース類、例
えばアロース、アルトロース、グルコース、マンノー
ス、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、リ
ボース、アラビノース、キシロース、リキソースなどが
挙げられる。オリゴ糖類の具体例としては、マルトー
ス、ラクトース、スクロース、マルトトリオースなどが
挙げられる。多糖類の具体例としてはヘミセルロース、
イヌリン、デキストリン、デキストラン、キシラン、デ
ンプン、加水分解デンプンなどが挙げられる。これらの
うち好ましいものは、炭素数6以下の還元糖である。
アルキルグリコシドは上記の出発物質を用い、触媒、反
応温度等の条件については公知の方法に従って反応させ
て得られる(特公昭47−24532 号、 USP第3839318 号、
EP第092355号、特開昭59−139397号、特開昭58−189195
号など)。
級アルコール含有アルキルグリコシドを得る反応を 100
〜800 nmの波長を有する光を照射しながら行うか、ある
いは上記のようにして得られた未反応高級アルコール含
有アルキルグリコシドに 100〜800 nmの波長を有する光
を照射するか、あるいは上記のようにして得られた未反
応高級アルコール含有アルキルグリコシドから未反応高
級アルコールを除去して得られるアルキルグリコシドの
水溶液及び/又は有機溶媒溶液に 100〜800 nmの波長を
有する光を照射することにより脱色を行う。脱色の際に
照射する光の波長は 100〜800 nmであり、好ましくは 2
00〜600 nmである。光の波長が100 nm未満、あるいは80
0 nmを越えると脱色効果が悪くなる。光照射の方法は連
続又は回分式装置を用いるいずれの方法でもよい。脱色
する際の温度は5〜130 ℃が好ましく、特に好ましくは
20〜120 ℃である。未反応高級アルコール含有アルキル
グリコシドを得る反応を光照射しながら行う場合は、80
〜120 ℃が好ましい。また脱色時間は脱色原料の色相お
よび光の強度により異なるが、1〜10時間が好ましい。
シドから未反応高級アルコールを除去して得られるアル
キルグリコシドの水溶液及び/又は有機溶媒溶液に光を
照射する際は、アルキルグリコシドの水溶液及び/又は
有機溶媒溶液中の未反応高級アルコールの含量をアルキ
ルグリコシドに対し5重量%以下とすることが好まし
い。未反応高級アルコール含量が5重量%を越えると匂
いが悪くなり好ましくない。また有機溶媒としては、光
により化学変化を起こさないものが用いられ、例えばメ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、プ
ロピレングリコール等が挙げられる。アルキルグリコシ
ドの水溶液及び/又は有機溶媒溶液に光照射する場合の
アルキルグリコシド濃度は10〜80重量%が好ましく、更
に好ましくは30〜60重量%である。
有アルキルグリコシドから未反応高級アルコールを除去
する方法は、特に限定されず、蒸留等の従来公知の方法
を用いることができる。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
ラトルエンスルホン酸一水和物0.66gを2リットルフラ
スコ中で加熱撹拌した。 110℃まで昇温の後、系内圧力
を40mmHgとして脱水反応を行うと共に 200〜600 nmの波
長をもった400Wの高圧水銀ランプの光を照射した。この
際、反応混合液中に窒素を200Nml/minで吹き込み生成
する水を効率よく除去する様にした。適宜サンプリング
を行い、反応率を測定したところ反応開始6.5 時間で反
応率が98%となったため、減圧を解除し、冷却した後、
48%NaOH水溶液を加えて中和した。副生する多糖を濾別
し、反応終了濾液 900gを得た。次いで反応終了濾液 9
00gを 160℃、0.3mmHg の条件で蒸留してデシルグルコ
シド 250g(回収デシルアルコール 650g)を得た。
びパラトルエンスルホン酸一水和物2.00gを5リットル
フラスコ中で加熱撹拌した。 110℃まで昇温後、系内圧
力を40mmHgとして脱水反応を開始した。この際、反応混
合液中に窒素を300Nml/min で吹き込み生成する水を効
率よく除去する様にした。適宜サンプリングを行い、反
応率を測定したところ、反応開始 6.5時間で反応率が97
%となったため、減圧を解除し、冷却した後48%NaOH水
溶液を加えて中和した。副生する多糖を濾別し、反応終
了濾液2680gを得た。
ンプを用いて 200〜600 nmの波長をもった光を25℃で2
時間照射した。この処理濾液を 160℃、0.3mmHg の条件
で蒸留してデシルグルコシド 220g(回収デシルアルコ
ール 580g)を得た。
℃、0.3mmHg の条件で蒸留してデシルグルコシド 270g
(回収デシルアルコール 730g)を得た。
グルコシドに対して、未反応デシルアルコールが 1.0重
量%)に水を加えて35%水溶液に調整した後、400W高圧
水銀ランプを用いて 200〜600 nmの波長をもった光を50
℃で3時間照射した。
ルエンスルホン酸一水和物1.19gを3リットルフラスコ
中、常圧で生成水を留去しつつ3時間、加熱還流した。
反応系は均一となりブチルグルコシドの生成を確認し
た。ここにデシルアルコール 987gを加えて 115℃から
120℃にて徐々に40mmHgまで減圧し、ブタノールを留去
した。デシルアルコール添加4時間後、減圧を解除し冷
却した。反応終了液 802gに400W高圧水銀ランプを用い
て 200〜600 nmの波長をもった光を50℃で2時間照射し
た後、48%NaOH水溶液を加えて中和した。この処理液を
160℃、0.3mmHg の条件で蒸留してデシルグルコシド 2
02g(回収デシルアルコール600 g)を得た。
コシドの色相を蒸留前後及び光の照射前後で比較した。
結果を表1に示す。デシルグルコシドの色相の比較方法
はデシルグルコシドを固体含量で35%水溶液として、溶
液の色相(APHA) 比較にて行った。数値の小さい方が色
相が良好であることを示す。また官能評価の結果、実施
例1〜4、比較例1にて得られたデシルグルコシドの匂
いは無臭であり、良好であった。
なアルキルグリコシドを製造する方法が提供されること
がわかる。
場合、匂いを劣化させることなく、かつ色相の良好なア
ルキルグリコシドを製造することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 糖と高級アルコールとを反応させるか、
又は糖と低級アルコールとを反応させたのち次いで高級
アルコールを反応させて、アルキルグリコシドを製造す
る方法において、反応を 100〜800 nmの波長を有する光
を照射しながら行い、得られた未反応高級アルコール含
有アルキルグリコシドから未反応高級アルコールを除去
することにより脱色することを特徴とする色相の良好な
アルキルグリコシドの製造方法。 - 【請求項2】 糖と高級アルコールとを反応させるか、
又は糖と低級アルコールとを反応させたのち次いで高級
アルコールを反応させて、アルキルグリコシドを製造す
る方法において、反応によって得られた未反応高級アル
コール含有アルキルグリコシドに100 〜800 nmの波長を
有する光を照射し、その後未反応高級アルコールを除去
することにより脱色することを特徴とする色相の良好な
アルキルグリコシドの製造方法。 - 【請求項3】 糖と高級アルコールとを反応させるか、
又は糖と低級アルコールとを反応させたのち次いで高級
アルコールを反応させて、アルキルグリコシドを製造す
る方法において、反応によって得られた未反応高級アル
コール含有アルキルグリコシドから未反応高級アルコー
ルを除去して得られるアルキルグリコシドの水溶液及び
/又は有機溶媒溶液に 100〜800 nmの波長を有する光を
照射することにより脱色することを特徴とする色相の良
好なアルキルグリコシドの製造方法。 - 【請求項4】 未反応高級アルコールを除去して得られ
るアルキルグリコシドの水溶液及び/又は有機溶媒溶液
中の未反応高級アルコールの含量をアルキルグリコシド
に対し5重量%以下にして 100〜800 nmの波長を有する
光を照射する請求項3記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3071481A JP3058932B2 (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | 色相の良好なアルキルグリコシドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3071481A JP3058932B2 (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | 色相の良好なアルキルグリコシドの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04308599A JPH04308599A (ja) | 1992-10-30 |
JP3058932B2 true JP3058932B2 (ja) | 2000-07-04 |
Family
ID=13461875
Family Applications (1)
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JP3071481A Expired - Lifetime JP3058932B2 (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | 色相の良好なアルキルグリコシドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3058932B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5164328B2 (ja) * | 2005-12-28 | 2013-03-21 | 花王株式会社 | アルキルガラクトシドの製造方法 |
-
1991
- 1991-04-04 JP JP3071481A patent/JP3058932B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH04308599A (ja) | 1992-10-30 |
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