JP2874356B2 - フルオラン化合物及びその化合物を用いた感熱記録体 - Google Patents

フルオラン化合物及びその化合物を用いた感熱記録体

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JP2874356B2
JP2874356B2 JP3010851A JP1085191A JP2874356B2 JP 2874356 B2 JP2874356 B2 JP 2874356B2 JP 3010851 A JP3010851 A JP 3010851A JP 1085191 A JP1085191 A JP 1085191A JP 2874356 B2 JP2874356 B2 JP 2874356B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、染料前駆体等として有
用なフルオラン化合物およびそのフルオラン化合物を用
いた感熱記録体に関し、特に感熱記録体の染料前駆体と
して用いると、白色度が高く、且つ耐熱性、耐湿性、耐
薬品性、耐可塑剤性等の保存性に優れ、しかも発色性に
も優れた記録体が得られるフルオラン化合物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】無色ないし淡色の染料前駆体と有機ない
し無機酸性物質との呈色反応を利用し、熱によって両発
色物質を接触させて記録像を得るようにした感熱記録体
はよく知られている。最近、感熱記録方式の著しい進歩
に伴い、その利用分野や形態も多様化しており、感熱フ
ァクシミリや感熱プリンター用の記録媒体としてのみな
らず、POS( Point of Sales )ラベルなどの新規な
用途への使用も急増している。
【0003】しかし、かかる感熱記録体は一般に、高温
度や高湿度環境下に保存されたり、或いは指紋、ジアゾ
コピー、セロハンテープ、サインペン、インク等が接触
すると画像部が変褪色を来すという欠点がある。また、
感熱記録体に合成樹脂製品が長期間接触すると、合成樹
脂中に含まれる可塑剤によって画像部が変褪色したり、
白紙部が発色するという欠点もある。
【0004】上記の如き欠点を改善する目的で、感熱記
録層上に各種の高分子化合物の保護層を設ける方法が提
案され、実用化もされている。しかし、保護層を設ける
方法では、画像濃度の低下を招いてしまい、また耐熱
性、耐湿性、耐薬品性、或いは耐可塑剤性についても必
ずしも充分に満足しうる程の効果が得られておらず、そ
の改良が強く要請されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み本発
明者等は、白色度が高く、かつ高温あるいは高湿環境下
に保存されても画像部の変褪色を殆ど生ずることがな
く、しかも薬品や可塑剤による画像部の変褪色や白紙部
のカブリのない高感度の感熱記録体を得るべく、特に感
熱記録層を構成する染料前駆体について種々の検討を重
ねた。その結果、下記一般式〔化1〕で表されるフルオ
ラン化合物を用いると、かかる特性を備えた感熱記録体
が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
〔化1〕で表されるフルオラン化合物、及び、支持体上
に無色ないし淡色の染料前駆体および該染料前駆体と接
触して呈色し得る酸性物質を含有する感熱記録層を設け
た感熱記録体において、該染料前駆体として下記一般式
〔化1〕で表されるフルオラン化合物の少なくとも一種
を含有せしめたことを特徴とする感熱記録体である。
【0007】
【化1】
【0008】〔式中、Rは炭素数が4〜12の三級アル
キル基を示し、R1 〜R11はそれぞれ水素原子、ハロゲ
ン原子、炭素数が1〜12のアルキル基、炭素数が1〜
12のアルコキシル基、水酸基、ニトロ基、−N
(R12)(R13) 、−O (CO)OR14、又は−O(C
O)R15を示す。但し、R12,R13はそれぞれ水素原
子;炭素数が1〜12のアルキル基;炭素数が4〜12
のシクロアルキル基;ハロゲン原子、炭素数が1〜6
アルキル基、炭素数が1〜6のアルコキシル基で置換さ
れてもよいアルアルキル基;ハロゲン原子、炭素数が1
〜6のアルキル基、炭素数が1〜6のアルコキシル基で
置換されてもよいアリール基を示すが、R12とR13は隣
接する窒素原子と共にピロリジノ基、ピペリジノ基また
はヘキサメチレンイミノ基を形成してもよい。また、R
14炭素数が1〜12のアルキル基;ベンジル基;ハロ
ゲン原子、炭素数が1〜6のアルキル基、炭素数が1〜
のアルコキシル基で置換されてもよいアリール基を示
し、R15炭素数が1〜12のアルキル基;ベンジル
基;ハロゲン原子、炭素数が1〜6のアルキル基、炭素
数が1〜6のアルコキシル基で置換されてもよいアリー
ル基−N (R16)(R17) を示す。なお、R16,R17
それぞれ水素原子;炭素数が1〜12のアルキル基;
素数が4〜12のシクロアルキル基;ハロゲン原子、
素数が1〜6のアルキル基、炭素数が1〜6のアルコキ
シル基で置換されてもよいアルアルキル基;ハロゲン原
子、炭素数が1〜6のアルキル基、炭素数が1〜6のア
ルコキシル基で置換されてもよいアリール基を示すが、
16とR17は隣接する窒素原子と共にピロリジノ基、ピ
ペリジノ基またはヘキサメチレンイミノ基を形成しても
よい。〕
【0009】
【作用】上記一般式〔化1〕で表されるフルオラン化合
物は新規な化合物であり、それ自体はほぼ無色の安定な
化合物で各種記録体の染料前駆体等として有用である。
かかる化合物は、高温で加熱すれば酸性物質がなくても
発色し、且つ酸性物質の使用により発色温度を低下せし
めることができ、しかも堅牢な画像が得られるという優
れた特性を有する。また、本発明の感熱記録体は、感熱
記録層を構成する染料前駆体として、かかるフルオラン
化合物の少なくとも一種を使用するところに重大な特徴
を有するものであり、このような構成を採ることで白色
度が高く、しかも高温あるいは高湿度環境下で保存され
ても画像部の変褪色を生ずることがなく、且つ薬品や可
塑剤などに触れても画像部の変褪色や白紙部のカブリを
来さない高感度の感熱記録体を得ているものである。
【0010】なお、上記一般式〔化1〕で表されるフル
オラン化合物を感熱記録体に適用することによって、か
かる優れた特性が得られる理由については必ずしも明ら
かではないが、次のように推測される。即ち、上記特定
のフルオラン化合物と酸性物質との呈色反応は脱炭酸反
応を含み、通常は無色の化合物に戻ることのない不可逆
反応であるため、熱や湿度、あるいは可塑剤などによる
変褪色を来たさないものと考えられる。また呈色反応に
おいて、脱炭酸に伴い中間体として安定な三級のカルボ
ニウムイオンを生成すると推測され、これが高感度な記
録体を与えるものと考えられる。
【0011】而して上記の如き優れた特性を有する本発
明のフルオラン化合物は、例えば次のような種々の方法
によって合成することができる。 下記反応式〔化2〕で示すように、3位に水酸基を
有するフルオラン化合物とクロロ蟻酸の三級アルキルエ
ステルとを、塩基の存在下で反応させることにより、目
的とするフルオラン化合物が容易に高収率かつ高純度
で、しかも比較的安価に合成できる。なお、かかる反応
には、必要に応じて溶媒を使用することもできる。
【0012】
【化2】
【0013】〔式中、R、R1 〜R11は、それぞれ前述
の意味を示す。〕 また、出発化合物として3位以外にも水酸基を有するフ
ルオラン化合物を用い、これを水酸基の当量以上のクロ
ロ蟻酸の三級アルキルエステルと反応させることで、対
応する複数の−O(CO)OR(但し、Rは三級アルキ
ル基を示す。)を有するフルオラン化合物を合成するこ
ともできる。
【0014】 下記反応式〔化3〕で示す如く、3位
に水酸基を有するフルオラン化合物と二炭酸ジ3級アル
キルエステルとを、必要ならば酸または塩基、並びに溶
媒を用いて反応させることで、目的とするフルオラン化
合物が合成できる。なお、この場合も上記と同様に、
出発化合物として3位以外にも水酸基を有するフルオラ
ン化合物を用い、当量以上の二炭酸ジ3級アルキルエス
テルと反応させれば、対応する複数の−O(CO)OR
を有するフルオラン化合物が得られる。
【0015】
【化3】
【0016】〔式中、R、R1 〜R11は、それぞれ前述
の意味を示す。〕
【0017】 3位に水酸基を有するフルオラン化合
物にホスゲン又はクロロ蟻酸トリクロロエステルを作用
させて、3位に−O(CO)Cl を有するフルオラン化
合物とした後、これに三級アルコールを作用させて目的
とするフルオラン化合物が合成できる。
【0018】以下に、一般式〔化1〕で表されるフルオ
ラン化合物の具体例を示すが、これらのうちでも“R”
で示される置換基がtert−ブチル基である化合物は、特
に発色性に優れた感熱記録体が得られる為より好ましく
用いられる。
【0019】3,6−ジ(tert−ブトキシカルボキシ)
フルオラン、3,6−ジ(1,1−ジメチルプロポキシ
カルボキシ)フルオラン、3,6−ジ(1−メチル−1
−エチルブトキシカルボキシ)フルオラン、3,6−ジ
(tert−ブトキシカルボキシ)−4,5−ジメチルフル
オラン、3,6−ジ(tert−ブトキシカルボキシ)−
1,8−ジメチルフルオラン、3,6−ジ(tert−ブト
キシカルボキシ)−2,7−ジエチルフルオラン、3,
6−ジ(tert−ブトキシカルボキシ)−1,5−ジエチ
ルフルオラン、3,6−ジ(1,1−ジメチルプロポキ
シカルボキシ)−2,7−ジエチルフルオラン、3,6
−ジ(tert−ブトキシカルボキシ)−2,4,5,7−
テトラクロロフルオラン、3,6−ジ(tert−ブトキシ
カルボキシ)−2,4,5,7−テトラブロモフルオラ
ン、3,6−ジ(tert−ブトキシカルボキシ)−2,
4,5,7−テトラヨードフルオラン、3,6−ジ(te
rt−ブトキシカルボキシ)−1,8−ジメチル−3′,
4′,5′,6′−テトラクロロフルオラン、3,6−
ジ(tert−ブトキシカルボキシ)−3′,4′,5′,
6′−テトラブロモフルオラン、3,6−ジ(1,1−
ジメチルプロポキシカルボキシ)−2,7−ジブロモフ
ルオラン、3,6−ジ(1,1−ジメチルプロポキシカ
ルボキシ)−4,5−ジニトロフルオラン、3,6−ジ
(1,1−ジエチルヘキサオキシカルボキシ)−3′,
4′,5′,6′−テトラクロロフルオラン、3,6−
ジ(tert−ブトキシカルボキシ)−2,7−ジブロモフ
ルオラン、3,6−ジ(tert−ブトキシカルボキシ)−
4,5−ジニトロフルオラン、3,6−ジ(tert−ブト
キシカルボキシ)−2,7−ジデシルフルオラン、3,
6−ジ(tert−ブトキシカルボキシ)−2−ドデシル−
8−メチルフルオラン、3,6−ジ(tert−ブトキシカ
ルボキシ)−6′−ブトキシフルオラン、3,6−ジ
(tert−ブトキシカルボキシ)−4′−メトキシフルオ
ラン、3,6−ジ(tert−ブトキシカルボキシ)−4′
−デカオキシフルオラン、3−(tert−ブトキシカルボ
キシ)−6−メトキシフルオラン、3−(tert−ブトキ
シカルボキシ)−7−メトキシフルオラン、3,6−ジ
(1,1−ジメチルプロポキシカルボキシ)−6′−ブ
トキシフルオラン、3−(tert−ブトキシカルボキシ)
−6−エトキシ−2,7−ジオクチルフルオラン、3−
(1,1−ジプロピルブトキシカルボキシ)−6−メト
キシフルオラン、3−(tert−ブトキシカルボキシ)−
6−エトキシ−2,7−ジベンジルフルオラン、3−
(tert−ブトキシカルボキシ)−6−メトキシカルボキ
シフルオラン、3−(tert−ブトキシカルボキシ)−7
−メトキシカルボキシフルオラン、3−(tert−ブトキ
シカルボキシ)−6−デカオキシカルボキシフルオラ
ン、3−(tert−ブトキシカルボキシ)−6−ジ(メチ
ル)アミノフルオラン、3−(tert−ブトキシカルボキ
シ)−6−ジ(エチル)アミノフルオラン、3−(tert
−ブトキシカルボキシ)−7−ジ(エチル)アミノフル
オラン、3−(tert−ブトキシカルボキシ)−6−ジ
(ブチル)アミノフルオラン、3−(tert−ブトキシカ
ルボキシ)−6−ジ(ドデシル)アミノフルオラン、3
−(tert−ブトキシカルボキシ)−6−ピペリジノフル
オラン、3−(tert−ブトキシカルボキシ)−6−(N
−エチル−N−イソペンチル)アミノフルオラン、3−
(tert−ブトキシカルボキシ)−6−(N−シクロヘキ
シル−N−メチル)アミノフルオラン、3−(tert−ブ
トキシカルボキシ)−6−フェノキシカルボキシフルオ
ラン、3−(tert−ブトキシカルボキシ)−6−ベンジ
ルオキシカルボキシフルオラン、3−(1,1−ジメチ
ルヘキサオキシカルボキシ)−6−デカオキシカルボキ
シフルオラン、3−(tert−ブトキシカルボキシ)−6
−ブチルカルボキシフルオラン、3−(tert−ブトキシ
カルボキシ)−6−フェニルカルボキシフルオラン、3
−(tert−ブトキシカルボキシ)−6−ジ(メチル)ア
ミノカルボキシフルオラン等。
【0020】勿論、これらの化合物に限定されるもので
はなく、また、感熱記録体等に適用する場合には、必要
に応じて2種以上のフルオラン化合物を併用することも
できる。なお、これらのフルオラン化合物の発色色調
は、フルオラン化合物が有する置換基や用いる酸性物質
の種類によって異なるが、概ね黄色〜赤色の発色像を形
成するものである。
【0021】本発明において、上記の如き特定のフルオ
ラン化合物と共に感熱記録層を構成する酸性物質として
は、芳香族カルボン酸誘導体やフェノール誘導体などの
有機酸性物質、酸性白土などの無機酸性物質等の公知の
酸性物質を使用することができる。かかる酸性物質の具
体例としては、例えば下記が挙げられる。安息香酸、4
−tert−ブチル安息香酸、4−クロル安息香酸、4−ニ
トロ安息香酸、フタル酸、没食子酸、サリチル酸、3−
イソプロピルサリチル酸、3−フェニルサリチル酸、3
−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチ
ルサリチル酸、3−メチル−5−ベンジルサリチル酸、
4−ペンチルオキシサリチル酸、4−(2−p−トリル
スルホニルエトキシ)サリチル酸、4−(2−フェノキ
シエトキシ)サリチル酸、5−〔p−(2−p−メトキ
シフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸、3−フェ
ニル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、
3,5−ジ−(α−メチルベンジル)サリチル酸、2−
ヒドロキシ−1−ベンジル−3−ナフトエ酸等の芳香族
カルボン酸誘導体;4,4′−イソプロピリデンジフェ
ノール(ビスフェノールA)、4,4′−イソプロピリ
デンビス(2−クロロフェノール)、4,4′−イソプ
ロピリデンビス(2,6−ジクロロフェノール)、4,
4′−イソプロピリデンビス(2,6−ジブロモフェノ
ール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2−メチル
フェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2,
6−ジメチルフェノール)、4,4′−イソプロピリデ
ンビス(2−tert−ブチルフェノール)、4,4′−se
c −ブチリデンジフェノール、2,2′−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4,4′−
シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4′−シクロ
ヘキシリデンビス(2−メチルフェノール)、4−tert
−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒ
ドロキシジフェノキシド、α−ナフトール、β−ナフト
ール、メチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ベンジル
−4−ヒドロキシベンゾエート、2,2′−チオビス
(4,6−ジクロロフェノール)、4−tert−オクチル
カテコール、2,2′−メチレンビス(4−クロロフェ
ノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−
tert−ブチルフェノール)、2,2′−ジヒドロキシジ
フェニール、メチル−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
アセテート、エチル−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
アセテート、ベンジル−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)アセテート、4,4′−(p−フェニレンジイソプ
ロピリデン)ジフェノール、4,4′−(m−フェニレ
ンジイソプロピリデン)ジフェノール、4−ヒドロキシ
ジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−メチル−ジフェニ
ルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジ
フェニルスルホン、4−ヒドロキシ−3′,4′−テト
ラメチレンジフェニルスルホン、2,2′−ジアリル−
4,4′−ジヒトロキシジフェニルスルホン等のフェノ
ール性化合物;p−フェニルフェノール−ホルマリン樹
脂、p−ブチルフェノール−アセチレン樹脂等のフェノ
ール樹脂の如き有機酸性物質;さらにはこれら有機酸性
物質と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カル
シウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金
属との塩;チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体の如き
金属錯化合物等。勿論、これらに限定されるものではな
く、又、必要に応じて2種以上を併用することも可能で
ある。
【0022】本発明の感熱記録体において、上記特定の
フルオラン化合物と酸性物質との使用割合については特
に限定するものではないが、一般にフルオラン化合物1
重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは1〜2
0重量部の酸性物質を用いるのが望ましい。
【0023】本発明は、染料前駆体として前述の如き特
定のフルオラン化合物を使用するものであるが、必要に
応じて、本発明の所望の効果を阻害しない範囲で、公知
の染料前駆体を併用することもできる。かかる公知の染
料前駆体の具体例としては、例えば下記が例示される。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルア
ミノフェニル)フタリド、3−(4−ジメチルアミノフ
ェニル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェ
ニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメ
チルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインド
ール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノ
フェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)
フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール
−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−
ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−
ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカ
ルバゾール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリ
ド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチ
ルアミノフェニル)−3−(1−メチルピロール−3−
イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジベ
ンジルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルイン
ドール−3−イル)−7−アザフタリド、3−(4−ジ
エチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エ
チル−2−メチルインドール−3−イル)−7−アザフ
タリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインド
ール−3−イル)フタリド、N−ブチル−3−{ビス
〔4−(N−メチルアニリノ)フェニル〕メチル}カル
バゾール等のトリアリールメタン系化合物、4,4′−
ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドリルベンジルエーテ
ル、N−ハロフェニル−ロイコオーラミン、N−2,
4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン、4,
4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドリル−p−ト
ルエンスルフィン酸エステル等のジフェニルメタン系化
合物、3,7−ビス(ジエチルアミノ)−10−ベンゾ
イルフェノオキサジン、ベンゾイルロイコメチレンブル
ー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等のチ
アジン系化合物、3−メチルスピロジナフトピラン、3
−エチルスピロジナフトピラン、3−フェニルスピロジ
ナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3
−メチルナフト(6′−メトキシベンゾ)スピロピラ
ン、3−プロピルスピロジベンゾピラン、ジ−β−ナフ
トスピロピラン、3−メチル−ジ−β−ナフトスピロピ
ラン等のスピロ系化合物、ローダミン−B−アニリノラ
クタム、ローダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、
ローダミン(o−クロロアニリノ)ラクタム等のラクタ
ム系化合物、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラ
ン、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ
−6,7−ジメチルフルオラン、3−(N−エチル−p
−トルイジノ)−7−メチルフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−(N−アセチル−N−メチルアミノ)フル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−(N−メチルアミ
ノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジル
アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(N−メ
チル−N−ベンジルアミノ)フルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−(N−β−クロロエチル−N−メチルアミ
ノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジエチルア
ミノフルオラン、4−ベンジルアミノ−8−ジエチルア
ミノベンゾ〔a〕フルオラン、3−〔4−(4−ジメチ
ルアミノアニリノ)アニリノ〕−7−クロロ−6−メチ
ルフルオラン、8−〔4−(4−ジメチルアミノアニリ
ノ)アニリノ〕ベンゾ〔a〕フルオラン、3−(N−エ
チル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−フェニルア
ミノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)
−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフ
ルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−フェ
ニルアミノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メ
チル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−(2−カルボメトキシ−フェニルアミノ)フ
ルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)
−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−
(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチ
ル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−
6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピペ
リジノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロフェニ
ルアミノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o
−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−メチ
ル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−フェニル
アミノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−
p−ブチルフェニルアミノフルオラン、3−(N−エチ
ル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−フェニ
ルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7
−p−n−ブチルフェニルアミノフルオラン、3−(N
−メチル−N−n−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7
−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−
n−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−フェニルアミ
ノフルオラン、3−(N−エチル−N−シクロペンチル
アミノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラ
ン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチル
アミノ〕−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラ
ン、3−〔N−エチル−N−(3−エトキシプロピル)
アミノ〕−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−〔m−(トリフルオロメ
チル)フェニルアミノ〕フルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−7−(o−フルオロフェニルアミノ)フルオラン、
3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロフェニルアミ
ノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7
−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−
p−トリルアミノ)−7−メチルフルオラン、3−(N
−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロペ
ンチル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−(N−エチル−N−p−トリルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2,2′
−ビス{4−〔6′−(N−シクロヘキシル−N−メチ
ルアミノ)−3′−メチルスピロ〔フタリド−3,9′
−キサンテン〕−2′−イルアミノ〕フェニル}プロパ
ン等のフルオラン系化合物、3,6−ビス(ジメチルア
ミノ)フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチ
ルアミノ)フタリド、3−ジエチルアミノ−6−(N−
アリル−N−メチルアミノフルオレン−9−スピロ−
3′−(6′−ジメチルアミノ)フタリド、3,6−ビ
ス(ジメチルアミノ)−スピロ〔フルオレン−9,6′
−6′H−クロメノ(4,3−b)インドール〕、3,
6−ビス(ジメチルアミノ)−3′−メチル−スピロ
〔フルオレン−9,6′−6′H−クロメノ(4,3−
b)インドール〕、3,6−ビス(ジエチルアミノ)−
3′−メチル−スピロ〔フルオレン−9,6′−6′H
−クロメノ(4,3−b)インドール〕等のフルオレン
系化合物等。
【0024】また本発明では、より高速記録性を得るた
めに、記録感度向上剤として各種の熱可融性物質を使用
することもできる。かかる熱可融性物質としては、例え
ばカプロン酸アミド、カプリン酸アミド、パルミチン酸
アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エル
シン酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、
N−メチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アニリ
ド、N−メチルオレイン酸アミド、ベンズアニリド、リ
ノール酸アニリド、N−エチルカプリン酸アミド、N−
ブチルラウリン酸アミド、N−オクタデシルアセトアミ
ド、N−オレインアセトアミド、N−オレイルベンズア
ミド、N−ステアリルシクロヘキシルアミド、ポリエチ
レングリコール、1−ベンジルオキシナフタレン、2−
ベンジルオキシナフタレン、1−ヒドロキシナフトエ酸
フェニルエステル、1,2−ジフェノキシエタン、1,
4−ジフェノキシブタン、1,2−ビス(3−メチルフ
ェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メトキシフェノ
キシ)エタン、1−フェノキシ−2−(4−クロロフェ
ノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(4−メトキシ
フェノキシ)エタン、1−(2−メチルフェノキシ)−
2−(4−メトキシフェノキシ)エタン、テレフタル酸
ジベンジルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル、シ
ュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、p−ベンジル
オキシ安息香酸ベンジルエステル、p−ベンジルビフェ
ニル、1,5−ビス(p−メトキシフェノキシ)−3−
オキサ−ペンタン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエ
トキシ)ベンゼン、p−ビフェニルp−トリルエーテ
ル、ベンジル−p−メチルチオフェニルエーテル等の化
合物が例示される。
【0025】これらを含む感熱記録層用塗液の調製は、
一般に水を分散媒体とし、ボールミル、アトライター、
サンドミル等の攪拌・粉砕機により、染料前駆体と酸性
物質とを一緒に又は別々に分散するなどして調製され
る。かかる塗液中には、通常バインダーとしてデンプン
類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ア
ラビアゴム、ポリビニルアルコール、スチレン・無水マ
レイン酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体
塩、酢ビ・無水マレイン酸共重合体塩、ポリアクリル酸
塩、スチレン・ブタジエン共重合体エマルジョン等が全
固形分の10〜40重量%、好ましくは15〜30重量
%程度配合される。
【0026】さらに、塗液中には各種の助剤を添加する
ことができ、例えばジオクチルスルフォコハク酸ナトリ
ウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ラウ
リルアルコール硫酸エステル・ナトリウム塩、脂肪酸金
属塩等の分散剤、トリアゾール系等の紫外線吸収剤、そ
の他消泡剤、螢光染料、着色染料等が挙げられる。ま
た、記録機器や記録ヘッドとの接触によってスティッキ
ングを生じないようにステアリン酸、ポリエチレン、カ
ルナバロウ、パラフィンワックス、ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸カルシウム、エステルワックス等の分散液
やエマルジョン等を添加することもできる。加えて、記
録ヘッドへのカス付着を改善するためにカオリン、クレ
ー、タルク、炭酸カルシウム、焼成クレー、酸化チタ
ン、珪藻土、微粒子状無水シリカ、活性白土等の無機顔
料を添加することもできる。なお、顔料の添加量は、一
般に酸性物質1重量部に対して0.1〜10重量部、好
ましくは0.5〜3重量部程度の範囲で調節される。支
持体としては、紙、プラスチックフィルム、合成紙等が
用いられるが、価格、塗布適性等の点では紙が好ましく
用いられる。また記録層を形成する塗液の支持体への塗
布量は特に限定されず、通常、乾燥重量で2〜12g/
2、好ましくは3〜10g/m2程度の範囲で調節する
のが望ましい。なお、記録層用塗液の塗布方法について
も特に限定するものではなく、公知の塗布装置から適宜
選択して記録層を形成することができる。
【0027】さらに、記録層上には記録層を保護する等
の目的で0.2〜10g/m2、好ましくは0.5〜3
g/m2程度の水溶性高分子もしくは水分散性高分子エ
マルジョンを主成分とするオーバーコート層を設けた
り、支持体に顔料とバインダーを主成分とする下塗り層
を設けることも勿論可能であり、感熱記録体製造分野に
おける各種の公知技術が付加し得るものである。
【0028】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。な
お、特に断らない限り例中の部および%は、それぞれ重
量部及び重量%を表わす。
【0029】実施例1 フルオレッセン3.3g、二炭酸−ジ−tert−ブチル
5.2g、およびピリジン1.9gを混合し、室温にて
3時間反応させた。反応後、反応混合物を酢酸エチルで
抽出し、水洗した後、溶媒を留去した。次いで、エタノ
ールにて再結晶し、無色の結晶で融点153〜155℃
の3,6−ジ(tert−ブトキシカルボキシ)フルオラン
を4.8g得た。収率は90%であった。このフルオラ
ン化合物は、融解時に分解して黄色に発色し、また、シ
リカゲル・非加熱では無色であるが、ヘアードライヤー
で加温すると黄色に発色した。
【0030】実施例2 3′,4′,5′,6′−テトラクロロフルオレッセン
4.7g、クロロ蟻酸−tert−ブチルエステル3.3g
およびピリジン1.9gを、2−ブタノン中にて60℃
で3時間反応させた。反応後、反応混合物を酢酸エチル
で抽出し、水洗した後、溶媒を留去した。次いで、エタ
ノールにて再結晶し、無色結晶の3,6−ジ(tert−ブ
トキシカルボキシ)−3′,4′,5′,6′−テトラ
クロロフルオラン5.6gを得た。収率は83%であっ
た。このフルオラン化合物は、180〜190℃で分解
して橙色に発色し、また、シリカゲル上・非加熱では無
色であるが、ヘアードライヤーで加温すると橙色に発色
した。
【0031】実施例3 2,4,5,7−テトラブロモフルオレッセン6.5g
とクロロ蟻酸−tert−ブチルエステル3.3gを、ピリ
ジン中にて70℃で2時間反応させた。反応後、反応混
合物を酢酸エチルで抽出し、水洗した後、溶媒を留去し
た。次いで、エタノールにて再結晶し、無色の結晶とし
て3,6−ジ(tert−ブトキシカルボキシ)−2,4,
5,7−テトラブロモフルオラン7.2gを得た。収率
は85%であった。このフルオラン化合物は、178〜
191℃で分解して橙色に発色し、また、シリカゲル上
・非加熱では無色であるが、ヘアードライヤーで加温す
ると橙色に発色した。
【0032】実施例4 3−ヒドロキシ−6−ジメチルアミノフルオラン3.6
gとクロロ蟻酸−tert−ブチルエステル3.3gを、ピ
リジン中にて60℃で3時間反応させた。反応後、反応
混合物を酢酸エチルで抽出し、水洗した後、溶媒を留去
した。次いで、エタノールにて再結晶し、淡桃色の結晶
として3−(tert−ブトキシカルボキシ)−6−ジメチ
ルアミノフルオラン3.9gを得た。収率は85%であ
った。このフルオラン化合物は、182〜191℃で分
解して赤色に発色し、また、シリカゲル上・非加熱では
淡桃色であるが、ヘアードライヤーで加温すると赤色に
発色した。
【0033】実施例5 2,7−ジエチルフルオレッセン3.9g、クロロ蟻酸
−tert−ブチルエステル3.3gおよびピリジン1.9
gを、2−ブタノン中にて60℃で3時間反応させた。
反応後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、水洗した
後、溶媒を留去した。次いで、エタノールにて再結晶
し、無色結晶の3,6−ジ(tert−ブトキシカルボキ
シ)−2,7−ジエチルフルオラン4.4gを得た。収
率は75%であった。このフルオラン化合物は、185
〜196℃で分解して黄色に発色し、また、シリカゲル
上・非加熱では無色であるが、ヘアードライヤーで加温
すると黄色に発色した。
【0034】実施例6 3−ヒドロキシ−6−メトキシフルオラン3.5g、二
炭酸−ジ−tert−ブチル2.6g、およびピリジン1.
0gを混合し、50℃にて3時間反応させた。反応後、
反応混合物を酢酸エチルで抽出し、水洗した後、溶媒を
留去した。次いで、エタノールにて再結晶し、淡黄色の
結晶として3−(tert−ブトキシカルボキシ)−6−メ
トキシフルオラン3.2gを得た。収率は72%であっ
た。このフルオラン化合物は、160〜165℃で分解
して黄色に発色し、また、シリカゲル上・非加熱では淡
黄色であるが、ヘアードライヤーで加温すると黄色に発
色した。
【0035】実施例7 4,5−ジニトロフルオレッセン4.2g、二炭酸−ジ
−tert−ブチル5.2g、およびピリジン1.9gを混
合し、室温にて3時間反応させた。反応後、反応混合物
を酢酸エチルで抽出し、水洗した後、溶媒を留去した。
次いで、エタノールにて再結晶し、淡黄色の結晶として
3,6−ジ(tert−ブトキシカルボキシ)−4,5−ジ
ニトロフルオラン4.3gを得た。収率は70%であっ
た。このフルオラン化合物は、182〜193℃で分解
して橙色に発色し、また、シリカゲル上・非加熱では淡
黄色であるが、ヘアードライヤーで加温すると橙色に発
色した。
【0036】実施例8 2−ヘキシル−8−メチルフルオレッセン4.3g、二
炭酸−ジ−tert−ブチル5.2g、およびピリジン1.
9gを混合し、室温にて3時間反応させた。反応後、反
応混合物を酢酸エチルで抽出し、水洗した後、溶媒を留
去した。次いで、エタノールにて再結晶し、無色の結晶
として3,6−ジ(tert−ブトキシカルボキシ)−2−
ヘキシル−8−メチルフルオラン4.7gを得た。収率
は75%であった。このフルオラン化合物は、185〜
195℃で分解して黄色に発色し、また、シリカゲル上
・非加熱では無色であるが、ヘアードライヤーで加温す
ると黄色に発色した。
【0037】実施例9 3−ヒドロキシ−6−ピペリジノフルオラン4.0g、
二炭酸−ジ−tert−ブチル2.6g、およびピリジン
1.0gを混合し、室温にて3時間反応させた。反応
後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、水洗した後、溶
媒を留去した。次いで、エタノールにて再結晶し、淡桃
色の結晶として3−(tert−ブトキシカルボキシ)−6
−ピペリジノフルオラン4.3gを得た。収率は73%
であった。このフルオラン化合物は、179〜189℃
で分解して赤色に発色し、また、シリカゲル上・非加熱
では淡桃色であるが、ヘアードライヤーで加温すると赤
色に発色した。
【0038】実施例10 3′,4′,5′,6′−テトラクロロフルオレッセン
4.7g、クロロ蟻酸−1,1−ジエチルヘキシルエス
テル5.3gおよびピリジン1.9gを、2−ブタノン
中にて60℃で3時間反応させた。反応後、反応混合物
を酢酸エチルで抽出し、水洗した後、溶媒を留去した。
次いで、エタノールにて再結晶し、無色結晶の3,6−
ジ(1,1−ジエチヘキシルオキシカルボキシ)−
3′,4′,5′,6′−テトラクロロフルオラン6.
5gを得た。収率は78%であった。このフルオラン化
合物は、185〜196℃で分解して橙色に発色し、ま
た、シリカゲル上・非加熱では無色であるが、ヘアード
ライヤーで加温すると橙色に発色した。
【0039】実施例11 1,8−ジメチル−3′,4′,5′,6′−テトラク
ロロフルオレッセン5.0g、二炭酸−ジ−tert−ブチ
ル5.2g、およびピリジン1.9gを混合し、室温に
て5時間反応させた。反応後、反応混合物を酢酸エチル
で抽出し、水洗した後、溶媒を留去した。次いで、エタ
ノールにて再結晶し、無色の結晶として3,6−ジ(te
rt−ブトキシカルボキシ)−1,8−ジメチル−3′,
4′,5′,6′−テトラクロロフルオラン4.9gを
得た。収率は70%であった。このフルオラン化合物
は、180〜190℃で分解して黄色に発色し、また、
シリカゲル上・非加熱では無色であるが、ヘアードライ
ヤーで加温すると黄色に発色した。
【0040】実施例12 フルオレッセン3.3g、クロロ蟻酸−1,1−ジメチ
ルプロピルエステル3.6gおよびピリジン1.9g
を、2−ブタノン中にて60℃で3時間反応させた。反
応後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、水洗した後、
溶媒を留去した。次いで、エタノールにて再結晶し、無
色の結晶で融点156〜158℃の3,6−ジ(1,1
−ジメチルプロポキシカルボキシ)フルオラン4.8g
を得た。収率は85%であった。このフルオラン化合物
は、融解時に分解して黄色に発色し、また、シリカゲル
上・非加熱では無色であるが、ヘアードライヤーで加温
すると黄色に発色した。
【0041】実施例13 フルオレッセン3.3g、クロロ蟻酸−1,1−ジメチ
ルブチルエステル3.9gおよびピリジン1.9gを、
2−ブタノン中にて60℃で3時間反応させた。反応
後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、水洗した後、溶
媒を留去した。次いで、エタノールにて再結晶し、無色
の結晶で融点156〜158℃の3,6−ジ(1,1−
ジメチルブトキシカルボキシ)フルオラン5.0gを得
た。収率は85%であった。このフルオラン化合物は、
融解時に分解して黄色に発色し、また、シリカゲル上・
非加熱では無色であるが、ヘアードライヤーで加温する
と黄色に発色した。
【0042】 実施例14 A液調製 3,6−ジ(tert−ブトキシカルボキシ)フルオラン 10部 1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン 20部 メチルセルロース 5%水溶液 20部 水 110部 この組成物をサンドミルで平均粒子径が2μmとなるまで粉砕した。 B液調製 3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸 30部 メチルセルロース 5%水溶液 60部 水 110部 この組成物をサンドミルで平均粒子径が2μmとなるまで粉砕した。 記録層の形成 A液160部、B液200部、酸化珪素顔料(吸油量:
180ml/100g)30部、20%酸化澱粉水溶液1
50部、及び水210部を混合・攪拌して記録層用塗液
を得た。得られた塗液を50g/m2の上質紙上に乾燥
重量が6.0g/m2となるように塗布・乾燥して感熱
記録紙を得た。
【0043】実施例15〜20 A液調製において、3,6−ジ(tert−ブトキシカルボ
キシ)フルオランの代わりに、下記の化合物を使用した
以外は実施例14と同様にして6種類の感熱記録紙を得
た。 実施例15:3−(tert−ブトキシカルボキシ)−6−
メトキシフルオラン 実施例16:3−(tert−ブトキシカルボキシ)−6−
ジ(メチル)アミノフルオラン 実施例17:3,6−ジ(tert−ブトキシカルボキシ)
−2,4,5,7−テトラブロモフルオラン 実施例18:3,6−ジ(tert−ブトキシカルボキシ)
−1,8−ジメチル−3′,4′,5′,6′−テトラ
クロロフルオラン 実施例19:3,6−ジ(1,1−ジメチルプロポキシ
カルボキシ)フルオラン 実施例20:3,6−ジ(1,1−ジメチルブトキシカ
ルボキシ)フルオラン
【0044】実施例21〜23 B液調製において、3,5−ジ(α−メチルベンジル)
サリチル酸の代わりに、下記の化合物を使用した以外は
実施例14と同様にして3種類の感熱記録紙を得た。 実施例21:4,4′−イソプロピリデンジフェノール 実施例22:4−(2−p−トリルスルホニルエトキ
シ)サリチル酸 実施例23:3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチ
ル酸の亜鉛塩
【0045】実施例24 A液調製において、1,2−ビス(3−メチルフェノキ
シ)エタン20部の代わりに、3,5−ジ(α−メチル
ベンジル)サリチル酸20部を使用した以外は、実施例
14と同様に行って感熱記録紙を得た。
【0046】比較例1〜2 A液調製において、3,6−ジ(tert−ブトキシカルボ
キシ)フルオランの代わりに、下記の化合物を使用した
以外は実施例14と同様にして2種類の感熱記録紙を得
た。 比較例1:3,6−ジメトキシフルオラン 比較例2:3,6−ジ(n−ブトキシカルボキシ)フル
オラン
【0047】かくして得られた13種類の感熱記録紙の
白色度をハンター白色度計にて測定し、その結果を第1
表に記載した。次に、感熱ファクシミリ(日立HIFA
X−700型,日立製) を使用して記録し、その発色濃
度をマクベス濃度計(RD−914型,マクベス社製)
にて測定し、その結果を第1表に示した。また、耐熱性
および耐湿性を評価するため、記録後の感熱記録紙を、
60℃の雰囲気下(耐熱性)、および40℃,90%R.
H.の雰囲気下(耐湿性)にそれぞれ100時間放置した
後、再び記録像の発色濃度をマクベス濃度計で測定し、
その結果を第1表に示した。更に、耐薬品性を評価する
ために、記録後の感熱記録紙に塩化ビニルフィルムを重
ねて40℃の雰囲気下で100時間放置した後(耐可塑
剤性)、及び、発色面にエタノールを塗布した後(耐エ
タノール性)の各々について、白紙部のカブリの状態と
記録像の褪色状況を目視で評価し、その結果を第1表に
記載した。
【0048】
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】表の結果から明らかな如く、本発明のフ
ルオラン化合物を用いた感熱記録体は、白色度が高く、
且つ耐熱性、耐湿性、耐薬品性および耐可塑性に優れ、
しかも発色性も良好な優れた記録体であった。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 11/28 B41M 5/30 CA(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔化1〕で表されるフルオラン
    化合物。 【化1】 〔式中、Rは炭素数が4〜12の三級アルキル基を示
    し、R1 〜R11はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、
    素数が1〜12のアルキル基、炭素数が1〜12のアル
    コキシル基、水酸基、ニトロ基、−N(R12)(R13) 、
    −O(CO)OR14、又は−O(CO) R15を示す。但
    し、R12,R13はそれぞれ水素原子;炭素数が1〜12
    のアルキル基;炭素数が4〜12のシクロアルキル基;
    ハロゲン原子、炭素数が1〜6のアルキル基、炭素数が
    1〜6のアルコキシル基で置換されてもよいアルアルキ
    ル基;ハロゲン原子、炭素数が1〜6のアルキル基、
    素数が1〜6のアルコキシル基で置換されてもよいアリ
    ール基を示すが、R12とR13は隣接する窒素原子と共に
    ピロリジノ基、ピペリジノ基またはヘキサメチレンイミ
    ノ基を形成してもよい。また、R14炭素数が1〜12
    のアルキル基;ベンジル基;ハロゲン原子、炭素数が1
    〜6のアルキル基、炭素数が1〜6のアルコキシル基で
    置換されてもよいアリール基を示し、R15炭素数が1
    〜12のアルキル基;ベンジル基;ハロゲン原子、炭素
    数が1〜6のアルキル基、炭素数が1〜6のアルコキシ
    ル基で置換されてもよいアリール基−N (R16)
    (R17) を示す。なお、R16,R17はそれぞれ水素原
    子;炭素数が1〜12のアルキル基;炭素数が4〜12
    のシクロアルキル基;ハロゲン原子、炭素数が1〜6
    アルキル基、炭素数が1〜6のアルコキシル基で置換さ
    れてもよいアルアルキル基;ハロゲン原子、炭素数が1
    〜6のアルキル基、炭素数が1〜6のアルコキシル基で
    置換されてもよいアリール基を示すが、R16とR17は隣
    接する窒素原子と共にピロリジノ基、ピペリジノ基また
    はヘキサメチレンイミノ基を形成してもよい。〕
  2. 【請求項2】一般式〔化1〕において、Rがtert−ブチ
    ル基である請求項1記載のフルオラン化合物。
  3. 【請求項3】支持体上に、無色ないし淡色の染料前駆体
    および該染料前駆体と接触して呈色し得る酸性物質を含
    有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、該染料
    前駆体として上記一般式〔化1〕で表されるフルオラン
    化合物の少なくとも一種を含有せしめたことを特徴とす
    る感熱記録体。
  4. 【請求項4】一般式〔化1〕において、Rがtert−ブチ
    ル基である請求項3記載の感熱記録体。
JP3010851A 1990-06-28 1991-01-31 フルオラン化合物及びその化合物を用いた感熱記録体 Expired - Fee Related JP2874356B2 (ja)

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