JP2868043B2 - 耐熱性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性樹脂組成物

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JP2868043B2
JP2868043B2 JP4252848A JP25284892A JP2868043B2 JP 2868043 B2 JP2868043 B2 JP 2868043B2 JP 4252848 A JP4252848 A JP 4252848A JP 25284892 A JP25284892 A JP 25284892A JP 2868043 B2 JP2868043 B2 JP 2868043B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性と溶融時流動性お
よび滞留安定性に優れた新規な樹脂組成物に係わる。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリアミドイミド樹脂は、耐熱
性、機械的強度、電気特性、耐薬品性に優れたプラスチ
ック材料であるが、ワニス、フイルム用途以外には、溶
融流動性に劣り、ほとんどのものは射出成形が困難であ
るため、コンプレッションモールド法による成形を行っ
ているのが現状である。さらに、芳香族ポリアミドイミ
ド樹脂は、(イ)芳香族トリカルボン酸無水物とジイソ
シアネート、(ロ)芳香族トリカルボン酸無水物とジア
ミンさらには、(ハ)芳香族トリカルボン酸無水物ハラ
イドとジアミンより、溶媒中で重合することにより製造
されてきた。これらの方法のうち(イ)の芳香族トリカ
ルボン酸無水物とジイソシアネートを原料とする方法
(以下イソシアネート法と略記することがある)は重合
反応により直接ポリアミドイミド構造が生成する、これ
に対し(ロ)、(ハ)の方法は重合反応によりアミック
酸構造を有するポリアミドイミド前駆体が生成する、こ
のためこれをアミドイミド構造に変換するためには、ア
ミック酸構造をイミド環に閉環するための高温、長時間
の脱水後処理工程が必要である。またこの後処理工程
は、処理中にゲル化等が起こり溶融流動性を損なう原因
ともなり、閉環が不十分な場合、成形加工時に水が発生
し発泡等により成形品を損なう原因となる。さらに、
(ハ)の方法は、これに加えて、芳香族トリカルボン酸
無水物ハライドとジアミンを原料とするため、ハロゲン
残基がポリアミドイミドに残存し、そのために最近の電
子、電気用途には好ましくない。
【0003】以上述べたことから明かなように、成形加
工用途に好適な芳香族ポリアミドイミド樹脂は、
(ロ)、(ハ)の方法によりもたらされる不都合の伴わ
ないイソシアネート法、すなわち、芳香族トリカルボン
酸無水物とジイソシアネートより重合されたものであ
る。しかしながら、特公昭44−19274号公報等に
代表される従来技術により芳香族トリカルボン酸無水物
とジイソシアネートを原料に用いて製造した芳香族ポリ
アミドイミド樹脂は、いまだ、溶融成形性に劣るため溶
融成形加工用途には不適であった。すなわち、溶融流動
性に劣り、ほとんどのものは射出成形が困難であり、前
述したように、コンプレッションモールド法により成形
を行っているのが実状であった。
【0004】一方、ポリフェニレンスルフィド樹脂は耐
熱性、電気特性、耐溶剤性に優れ特に溶融流動性が優れ
ているのが特徴であるが、溶融時の耐酸化性に劣り、特
に、比較的高温下に、溶融状態で滞留すると、ゲル化が
進行し、これにより溶融流動性が大幅に低下し、甚だし
い場合は、成形加工が困難となるという欠点を有してい
る。
【0005】芳香族ポリアミドイミド樹脂の溶融流動性
を改良する技術として既に、ポリフェニレンスルフィド
樹脂を配合する技術が提案されている(特公昭57−9
754号公報)。またこの技術は、イソシアネート法に
よる芳香族ポリアミドイミド樹脂の溶融流動性改良も示
唆している。しかしながらこの技術では、イソシアネー
ト法による芳香族ポリアミドイミド樹脂の高い耐熱性は
保持されるものの、該芳香族ポリアミドイミド樹脂の劣
った溶融流動性のために、ポリフェニレンスルフィド樹
脂の優れた溶融流動性がほとんど反映されず、組成物と
しての溶融流動性は、いまだ十分ではなく、改良が望ま
れる水準にある。さらに、芳香族ポリアミドイミド樹脂
とポリフェニレンスルフィド樹脂からなる組成物を溶融
加工するためには、通常、芳香族ポリアミドイミド樹脂
のガラス転移点温度が300℃前後と高いため、ポリフ
ェニレンスルフィド樹脂単独の溶融加工温度より高温を
必要とする。このため、ポリフェニレンスルフィド樹脂
の高温溶融時の低い滞留安定性が問題となり、著しい場
合は、滞留により、芳香族ポリアミドイミド樹脂との組
成物の溶融流動性が大きく低下し、通常のプラスチック
材料の成形加工機では、対応が困難な、場合が生じる。
以上が従来の技術であり、このため耐熱性、溶融時の流
動性および滞留安定性のバランスのとれた材料はいまだ
得られていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する問題点は、成形加工用途に最も適したイソシアネー
ト法による芳香族ポリアミドイミド樹脂の溶融流動性を
改良する目的でポリフェニレンスルフィド樹脂を配合し
樹脂組成物を製造しても、該芳香族ポリアミドイミド樹
脂の劣った溶融流動性のために十分な改良が得られない
ことにあり、さらには、ポリフェニレンスルフィド樹脂
の低い滞留安定性のために、該樹脂組成物の滞留安定性
が大きく損なわれることにある。本発明によって芳香族
ポリアミドイミド樹脂とポリフェニレンスルフィド樹脂
からなる組成物の溶融流動性、ばかりか、ポリフェニレ
ンスルフィド樹脂に由来する低い溶融時の滞留安定性の
改良も達成された。これにより、耐熱性と優れた溶融流
動性さらにはポリフェニレンスルフィド樹脂より優れた
滞留安定性を有する新規な材料の創出を可能にすること
ができた。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の目的
は、 (A)芳香族トリカルボン酸無水物とジイソシアネート
とを、溶媒中で、アミド化反応の反応率が90%以上
了してからイミド基の生成反応が行われる条件下で重合
して得られる、一般式(1)で示される繰り返し単位を
有する芳香族ポリアミドイミド樹脂5〜95重量%と、 (B)ポリフェニルンスルフィド樹脂5〜95重量%
(A)と(B)の合計量が100重量%となるよう
にした後、溶融混練して得られる樹脂組成物により達成
された。
【0008】
【化2】
【0009】(式中Arは少なくとも一つの炭素6員環
を含む3価の芳香族基、Rは2価の芳香族および/また
は脂肪族基を示す)本発明の樹脂組成物において用いら
れる(A)成分である芳香族ポリアミドイミド樹脂は、
芳香族トリカルボン酸無水物とジイソシアネートとを原
料に、溶媒中で一般式(1)で示される繰り返し単位を
有するポリアミドイミド樹脂を製造するに際して、実質
的にアミド基の生成が終了してからイミド基の生成反応
を行うことにより製造される。 この芳香族ポリアミド
イミド樹脂の製造方法は、本発明者らにより、既に特願
平04−157934号(特開平6−322060号)
として特許出願された新規な製造方法である。ところで
この方法は、具体的には、重合温度、時間、触媒添加方
法を最適に制御することにより行えるが、基本的には、
アミド基の生成が実質的に終了するまでイミド基の生成
反応が起こらない条件でアミド化を行い、ついでイミド
化を行う条件下で実施するのであれば差し支えない。ア
ミド基の生成が実質的に終了するまでイミド化反応を開
始しないためには、アミド基の生成とイミド基の生成を
重合反応の間追跡する必要があるが、この方法は公知の
赤外分光法、ガスクロマトグラム法等により可能であり
いずれの方法であっても構わない。イミド化反応を開始
する時点のアミド化反応の反応率は90%以上終了して
いる事が必要であり、好ましくは95%以上終了してい
ることが望ましい。
【0010】重合温度は、重要な条件でありこれを制御
することにより、本発明の樹脂組成物に使用される芳香
族ポリアミドイミド樹脂の製造を行うことは好ましい方
法である。本発明者らが鋭意検討の結果、重合温度を一
段目を50℃〜100℃の温度範囲内に、二段目を10
0℃〜200℃の温度範囲内に二段階で設定し重合を行
うことにより、実質的にアミド基の生成が終了してから
イミド基が生成し、本発明の樹脂組成物に好適な芳香族
ポリアミドイミド樹脂が容易に製造し得ることを見いだ
した。各段における温度は、その温度範囲内であればい
かように設定してもよい、例えば昇温であっても、一定
温度であってもまたこれの組み合せであっても構わな
い。しかしながら好ましいのは一定温度である。また本
発明の樹脂組成物に好適な芳香族ポリアミドイミド樹脂
を製造するために必要な各段における温度範囲は前述の
通りであるが、好ましい温度範囲は一段目60℃〜10
0℃であり二段目は105℃〜180℃である。より好
ましくは、一段目は、80℃〜100℃であり、二段目
は110℃〜130℃である。各段における温度がこれ
より低い場合はアミド基およびイミド基生成反応が完結
せずその結果ポリアミドイミドの重合度が上がらず脆い
ものとなり、高い場合はアミド基生成反応とイミド基生
成反応が同時に進行し、これを用いて本発明の樹脂組成
物を製造しても溶融時の流動性および滞留安定性の劣っ
たものしか得られない。
【0011】重合時間は一段目30分〜5時間、二段目
は、30分〜10時間が通常の条件であるが、好ましく
は、一段目30分〜2時間、二段目1時間〜8時間であ
る。重合時間がこれらより短すぎると重合度が上がら
ず、長すぎると樹脂組成物の溶融時の流動性および滞留
安定性が損なわれる。
【0012】本発明の樹脂組成物に好適な芳香族ポリア
ミドイミド樹脂を製造するために、効果的なもう一つの
方法は、触媒を使用する方法である。すなわちアミド基
の生成が実質的に終了するまでイミド基の生成反応が起
こらないような温度条件下で無触媒、少量の触媒存在下
で、あるいはトリエチルアミンなどの非環状第三級アミ
ンに代表される弱塩基性アミンなどの弱い触媒の存在下
でアミド化を行い、次いで触媒を添加、追加、あるいは
1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7
などの環状第三級アミンに代表される強塩基性アミンな
どの強い触媒を新たに添加してイミド化を行う方法であ
る。この目的のためには、従来技術に記載されている各
種触媒を使用することができるが、本発明の樹脂組成物
の溶融時の流動性および滞留安定性を損なわないために
は、その使用量は必要最小限に制限されるべきであり、
アミド基生成とイミド基生成反応の分離が十分に行える
限り、また重合速度が十分な実用水準にある限りは使用
しないことが好ましい。
【0013】触媒を具体的に例示するならば、ピリジ
ン、キノリン、イソキノリン、トリメチルアミン、トリ
エチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジエチルア
ミン、γ−ピコリン、N−メチルモルホリン、N−エチ
ルモルホリン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザ
ビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7等の第三級アミ
ン、また酢酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オレイン
酸ナトリウム、等の弱酸の金属塩、重金属塩、アルカリ
金属塩等をあげることができる。
【0014】本発明の樹脂組成物に用いられる芳香族ポ
リアミドイミド樹脂を製造するために使用する芳香族ト
リカルボン酸無水物とは次の一般式(2)で表示される
化合物である。
【0015】
【化3】
【0016】(式中Arは少なくとも一つの炭素6員環
を含む3価の芳香族基示す。)一般式(1)、(2)で
Arの具体例としては、次の化4に示すものがあげられ
る。
【0017】
【化4】
【0018】これらのうち好ましいものは次の化5に示
すものである。
【0019】
【化5】
【0020】本発明の樹脂組成物に用いられる芳香族ポ
リアミドイミド樹脂を製造するために使用するジイソシ
アネート化合物とは次の一般式(3)で表される化合物
である。
【0021】 O=C=N−R−N=C=O (3)
【0022】Rは2価の芳香族および/または脂肪族基
であり、その具体例としては次の化6に示すものがあげ
られる。
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】これらのうち好ましいものとしては次の化
8に示すものがあげられ、
【0026】
【化8】
【0027】また特に好ましいものとしては次の化9に
示すものがあげられる。
【0028】
【化9】
【0029】最も好ましいものは次の化10に示すもの
である。
【0030】
【化10】
【0031】また本発明の樹脂組成物に使用される芳香
族ポリアミドイミド樹脂の製造に際しては、芳香族トリ
カルボン酸無水物の0〜50モル%未満を、次の一般式
(4)で表される、ジカルボン酸、一般式(5)で表さ
れる、芳香族テトラカルボン酸無水物で置き換えること
も可能である。好ましいものはジカルボン酸である。
【0032】
【化11】
【0033】Rは2価の芳香族および/または脂肪族基
であり、その具体例については前述した通りであるが、
これらのうち好ましいものとしては次の化12で示され
るものがあげられ、
【0034】
【化12】
【0035】また特に好ましいものとしては次の化13
に示すものがあげられる。
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】Ar1 は少なくとも一つの炭素6員環を含
む4価の芳香族基である、Ar1 の具体例としては次の
化15に示すものがある。
【0039】
【化15】
【0040】一般式(2)、(3)、(4)、(5)の
化合物から誘導される各構造単位はポリアミドイミド樹
脂中に異なったAr、R、R、Ar1 に対応する一種以
上が存在していてもよい。すなわち本発明のポリアミド
イミド樹脂は各種の共重合体の形態をとり得る。
【0041】本発明の樹脂組成物に使用される芳香族ポ
リアミドイミド樹脂の製造に用いられる溶媒は、生成す
るポリアミドイミドに相溶性を有するN−メチルピロリ
ドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
ジメチルスルフォキシド、ジメチルスルホラン、テトラ
メチレンスルホン、ジフェニルスルフォン、γ−ブチロ
ラクトン等と、ポリアミドイミドと相溶性を有しない極
性溶媒具体的には、ニトロベンゼン、ニトロトルエン、
アセトニトリル、ベンゾニトリル、アセトフェノン、ニ
トロメタン、ジクロロベンゼン、アニソール等に大別さ
れるが、これらは、混合して使用してもさしつかえな
い、また好ましいものは、ポリアミドイミドと相溶性を
有する溶媒である。またこれらの溶媒は、モノマー原料
の溶媒に対する割合で、0.1〜3モル/リットルで好
適に使用される。
【0042】また本発明の樹脂組成物に使用される芳香
族ポリアミドイミド樹脂の製造を実施するにあたり、溶
媒、モノマー等から構成される重合系の含有水分は、5
00PPM以下に保つことが好ましく、より好ましく
は、100PPM、最も好ましくは、50PPM以下に
保たれる。系内含有水分の量がこれらより多いと、本発
明の樹脂組成物の溶融時の流動性と滞留安定性を損なう
からである。
【0043】本発明の樹脂組成物に好適に使用される芳
香族ポリアミドイミド樹脂を製造するためには、芳香族
トリカルボン酸無水物成分(前述のジカルボン酸、テト
ラカルボン酸無水物を含むことができる)とジイソシア
ネート成分は、それぞれのモル数を、A、Bとしたとき
両者のモル比は、0.9<A/B<1.1に保たれるこ
とが好ましい。より好ましくは、0.99<A/B<
1.01に保たれるべきである。
【0044】本発明の樹脂組成物に使用される芳香族ポ
リアミドイミド樹脂の製造に際して、分子量調整剤の少
量の使用は何等制限されるものではない、代表的な分子
量調節剤としては、安息香酸等のモノカルボン酸類、無
水フタル酸、無水コハク酸、ナフタレンジカルボン酸無
水物等のジカルボン酸無水物類、フェニルイソシアネー
ト等のモノイソシアネート類、フェノール類といった一
官能性化合物が挙げられる。
【0045】本発明の樹脂組成物に使用される芳香族ポ
リアミドイミド樹脂の重合度はジメチルホルムアミド中
30℃で濃度1g/dlで測定した還元粘度で表示する
ならば、0.15dl/gから1.0dl/g が好適
に用いられ、より好ましくは0.2dl/gから0.6
dl/gが、最も好ましくは、0.2dl/gから0.
5dl/gが好適に使用される。
【0046】本発明により得られる芳香族ポリアミドイ
ミド樹脂は、メタノール、イソプロパノール等のアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、
ヘプタン、トルエン等の脂肪族、芳香族炭化水素類によ
り沈澱、洗浄することにより粉末として回収されるが、
重合溶媒を直接濃縮して得ても構わない、さらには、あ
る程度まで濃縮した後、押出機等により減圧下に溶媒を
除去しペレット化する方法も有力である。
【0047】次に本発明の樹脂組成物で用いられる
(B)成分であるポリフェニレンスルフィド樹脂とは、
一般式(6)
【0048】
【化16】
【0049】で示される繰り返し単位を70モル%以
上、より好ましくは90モル%以上、最も好ましくは、
実質的に100モル%含む重合体であり、上記繰り返し
単位が70モル%未満では特有の性質を有する本発明の
樹脂組成物は得難い。この重合体を得る重合方法として
は公知の種々の方法を採用し得るが、硫化ナトリウムと
p−ジクロルベンゼンとをN−メチルピロリドン、ジメ
チルアセトアミドなどのアミド系溶媒やスルホランなど
のスルホン系溶媒中で反応させる方法が好適である。こ
の際に重合度を調節するために酢酸ナトリウム、酢酸リ
チウムなどのアルカリ金属カルボン酸塩を添加すること
は好ましい方法である。
【0050】ポリフェニレンスルフィド樹脂は、製法に
より比較的低分子量体(例えば、特公昭45−3368
号公報)と、線状の高分子量体(例えば、特公昭52−
12240号公報)が存在するが、比較的低分子量のも
のは、酸素雰囲気下、あるいは過酸化物等の架橋剤の存
在下に加熱することにより高分子量化して使うことも可
能である。本発明の樹脂組成物にはいずれのポリフェニ
レンスルフィド樹脂を使用してもかまわない。また、
重合成分として30モル%未満であって重合体の結晶性
に大きな影響を与えない範囲で、メタ結合、エーテル結
合、スルフォン結合、ビフェニル結合、アミノ基置換フ
ェニルスルフィド結合、カルボキシル基置換フェニルス
ルフィド結合、その他アルキル、ニトロ、フェニル、ア
ルコキシ基置換フェニルスルフィド結合、3官能フェニ
ルスルフィド結合、などを含有してもよいが、好ましく
は共重合成分は10モル%未満がよい。
【0051】更に、ポリフェニレンスルフィド樹脂のS
H末端基濃度について調節したものも本発明に含まれ
る。組成物の組成、混練条件等によっては樹脂1Kgに
つき10mg当量以上のSH末端基濃度を有するポリフ
ェニレンスルフィド樹脂が好ましい結果を与え、さらに
は20mg当量以上がより好ましい結果を与えることが
ある。SH基を導入する方法としては、いろいろの方法
が考えられるが特に限定することなく述べるならば、例
えばポリフェニレンスルフィド樹脂製造の最後の段階で
塩酸、酢酸等で処理するかあるいは精製されたポリフェ
ニレンスルフィド樹脂を塩酸、酢酸等のアセトンなどの
溶媒で処理するなどによって簡単にSH基を末端に導入
することができる。
【0052】次に本発明の樹脂組成物の成分(A)、
(B)は、両者の合計100重量%に対して(A)成分
の芳香族ポリアミドイミド樹脂5〜95重量%、好まし
くは20〜70重量%、より好ましくは20〜65重量
%、および(B)成分であるポリフェニレンスルフィド
樹脂5〜95重量%、好ましくは30〜80重量%、よ
り好ましくは35〜80重量%を配合する。(A)成分
がこの量より多いと溶融時の流動性が低下し、少ないと
耐熱性は低下する。
【0053】本発明の樹脂組成物は各成分を溶融混練し
て製造されるが、溶融混練の温度は250〜400℃、
好ましくは300〜380℃で、混練方法は押出機、ニ
ーダー、バンバリーミキサー、ロールその他で行うこと
ができる。
【0054】本発明の樹脂組成物には、所望に応じて、
充填材、顔料、相溶化剤、滑剤、可塑剤、安定剤、紫外
線吸収剤、難燃剤、難燃助剤の各種の添加剤、他の樹
脂、エラストマーなど、その他の成分が適宜配合され得
る。充填材の例としては、ガラスビーズ、ウオラストニ
ト、マイカ、タルク、クレー、アスベスト、炭カル、水
酸化マグネシウム、シリカ、ケイソウ土、グラファイ
ト、カーボランダム、二硫化モリブデンで示される鉱物
質充填剤;ガラス繊維、ミルドファイバー、ボロン繊
維、炭化ケイソ繊維、黄銅、アルミニウム、亜鉛などの
金属繊維等の無機繊維;炭素繊維、アラミド繊維に代表
される有機繊維;アルミニウムや亜鉛のフレークをあげ
ることができる。充填剤は組成物全体の1〜50重量%
使うことが好ましい。好ましい充填剤は、ミルドファイ
バー、ガラス繊維であり、これらをエポキシ系、アミノ
系等のシランカップリング剤で処理したものも好適に使
用される。
【0055】顔料としては、酸化チタン、硫化亜鉛、酸
化亜鉛等が例示される。
【0056】相溶化剤は、芳香族ポリアミドイミド樹脂
とポリフェニレンスルフィド樹脂の相溶性を改良するた
めに使用されるが、代表的なものとしては、2,4−ト
リレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシア
ネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4
−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、4,4’−ビフェニルジイソ
シアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシア
ネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等の芳
香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、メタキシリレンジイソシアネート等の脂肪族ポリ
イソシアネート;上記のチオイソシアネート類;上記芳
香族あるいは脂肪族ポリイソシアネートの多価アルコー
ル付加体、水付加体、アミン付加体、イソシアヌレート
変性体等に例示される、ポリイソシアネート化合物;ビ
スフェノールA、レゾルシン、ハイドロキノン、カテコ
ール、などのビスフェノール類のジグリシジルエーテル
およびエポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、エポ
キシ化ポリオレフィン、エポキシ化大豆油等のエポキシ
基含有化合物をあげることができる。
【0057】滑剤としては、ステアリン酸のナトリウ
ム、リチウムなどの金属塩、モンタン酸のナトリウム、
リチウム、亜鉛などの金属塩、モンタン酸のアミド、エ
ステルなどが代表的なものとして例示される。
【0058】また各種の添加剤の例をあげると、難燃剤
の例としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジ
ルホスフェートのようなリン酸エステル類;デカブロモ
ビフェニル、ペンタブロモトルエン、デカブロモビフェ
ニルエーテル、ヘキサブロモベンゼン、ブロム化ポリス
チレンなどに代表される臭素化化合物;メラミン誘導体
などの含窒素化合物;環状ホスファゼン化合物、ホスフ
ァゼンポリマーなどの含窒素リン化合物などをあげるこ
とができる。難燃助剤が使用されてもよく、その例とし
てはアンチモン、ほう素、亜鉛あるいは鉄の化合物など
があげられる。さらにその他の添加剤として立体障害性
フェノール、ホスファイト系化合物のごとき安定剤;し
ゅう酸ジアミド系化合物、立体障害性アミン系化合物で
例示される紫外線吸収剤などがある。
【0059】前述の他の樹脂の例としては、ナイロン−
6、ナイロン−10、ナイロン−12、ナイロン−6,
6、ナイロン−MXD,6、ナイロン−4,6、ナイロ
ン−6,T、ナイロン−6,I等の脂肪族、芳香族の結
晶性ポリアミド;脂肪族、芳香族の非晶性ポリアミド;
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、アリレート等の脂肪族、芳香族のポリエステル;
パラヒドロキシ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヒドロキノン、ジ
ヒドロキシジフェニルエーテル等のモノマーより重合さ
れる液晶ポリマー;ビスフェノールAをモノマーとして
使用するポリカーボネート;2,6−ジメチルフェノー
ルの酸化カップリング重合により得られるポリフェニレ
ンエーテル;ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォ
ン、ポリエーテルイミド、ポリチオエーテルケトン、ポ
リエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等の芳
香族樹脂などが例示的にあげられる。
【0060】またエラストマーの例としてはポリスルフ
ィドゴム、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラ
ストマー、ポリエステルアミドエラストマー、シリコン
ゴムなどが例示される。
【0061】
【本発明の作用および効果】本発明の樹脂組成物は耐熱
性、溶融時の流動性、さらには滞留安定性に優れ、かつ
機械的強度にも優れたもので、特に溶融時の滞留安定性
はポリフェニレンスルフィド樹脂の低い滞留安定性に由
来するものであり、これの改良は、予想外のものと言え
る。すなわち、これらの優れた物性の顕現は、芳香族ト
リカルボン酸無水物とジイソシアネートとを、溶媒中
で、実質的にアミド基の生成が終了してからイミド基の
生成反応が行われる条件下で重合して得られる、芳香族
ポリアミドイミド樹脂とポリフェニレンスルフィド樹脂
を組み合わせることによつて、初めて得られる予想外の
効果に基ずくものと考えられる。
【0062】
【実施例】以下実施例、参考例および比較例によって本
発明の樹脂組成物を更に詳細に説明する。
【0063】参考例1 (芳香族ポリアミドイミド樹脂の製造) 水分含有量15ppmのN−メチルピロリドン3リット
ルを、5リットルの攪拌機、温度計、先端に塩化カルシ
ウムを充填した乾燥管を装着した還流冷却器を備えた反
応器に仕込んだ。ここに無水トリメリット酸555g
(50モル%)、次いで2,4−トリレンジイソシアネ
ート503g(50モル%、イソシアネート基として1
00モル%)を加えた。無水トリメリット酸添加時の系
内水分は30ppmであった。最初、室温から20分を
要して内容物温度を90℃とし、この温度で重合を行い
ながら2,4−トリレンジイソシアネートのイソシアネ
ート基の減少量とイミド基の生成量を測定した。
【0064】測定方法は、少量の反応液を注射器でサン
プリングし赤外法でイソシアネート基の2276cm-1
の吸収とイミド基の1780cm-1の吸収を定量するこ
とによって行った。50分間重合を行ったところでイソ
シアネート基の量は、50モル%に減少した、この時イ
ミド基の吸収は、全く認められなかった、これによりイ
ミド化反応が起こる以前にアミド化反応が終了したこと
を確認した。この後10分を要して115℃に昇温した
この温度に保ったままで重合を8時間継続したこの時点
でイソシアネート基の吸収はすべて消滅しイミド基の理
論吸収量が認められた。重合終了後ポリマー溶液をN−
メチルピロリドンを加えて2倍に希釈し、これをN−メ
チルピロリドンの2倍容のメタノール中に強力な攪拌下
に滴下した。析出したポリマーを吸引ろ別し、さらにメ
タノール中に再分散させてよく洗浄後ろ別し200℃で
減圧乾燥を行いポリアミドイミド樹脂を得た。ジメチル
ホルムアミド溶液(濃度1.0g/dl)でこのものの
30℃における還元粘度を測定したところ0.25dl
/gであった。また、乾燥後のポリアミドイミド樹脂粉
末の粒子径は、0.1から200μmの範囲に分布して
いた。
【0065】参考例2 (芳香族ポリアミドイミド樹脂の製造) 参考例1を重合温度だけを変更して実施した。すなわ
ち、最初、室温から30分を要して内容物温度を115
℃とし、この温度で8時間重合を継続した。重合の間、
参考例1と同じ方法でイソシアネートの減少量とイミド
基の生成量を追跡した。115℃に温度が達した時点で
イソシアネートの減少量は、仕込の30モル%であるに
もかかわらず既にイミド基の吸収が相当量認められアミ
ド化とイミド化が同時に進行していることが確認され
た。重合終了後参考例1と同様に処理してポリアミドイ
ミド粉末を得た。ジメチルホルムアミド溶液(濃度1.
0g/dl)でこのものの30℃における還元粘度を測
定したところ0.24dl/gであった。また、乾燥後
のポリアミドイミド樹脂粉末の粒子径は、0.1〜20
0μmの範囲に分布していた。
【0066】参考例3 水分含有量10ppmのN−メチルピロリドン3リット
ルを、参考例1と同一の反応器に仕込んだ。ここに無水
トリメリット酸277.6g(25モル%)、イソフタ
ル酸 240.1g(25モル%)次いで2,4−トリ
レンジイソシアネート503g(50モル%、イソシア
ネート基として100モル%)を加えた。無水トリメリ
ット酸とイソフタル酸添加時の系内水分は25ppmで
あった。最初、室温から20分を要して内容物温度を9
0℃としこの温度で90分間重合を行った。この時点で
イソシアネート基の量は、25モル%に減少した、この
時イミド基の吸収は、全く認められなかった、これによ
りイミド化反応が起こる以前にアミド化反応が終了した
ことを確認した。その後15分を要して125℃に昇温
したこの温度に保ったまま重合を4時間継続した、この
時点でイソシアネート基の吸収はすべて消滅しイミド基
の吸収の理論量が認められた。重合終了後参考例1と同
様に処理してポリアミドイミド粉末を得た。ジメチルホ
ルムアミド溶液(濃度1.0g/dl)でこのものの3
0℃における還元粘度を測定したところ0.48dl/
gであった。
【0067】参考例4 参考例3を重合温度だけを変更して実施した。すなわ
ち、最初、室温から30分を要して内容物温度を125
℃とし、この温度で4時間重合を継続した。125℃に
達し10分経過した時点で比較例1と同様に分析したと
ころ、アミド化とイミド化の同時進行が確認された。重
合終了後実施例1と同様に処理してポリアミドイミド粉
末を得た。ジメチルホルムアミド溶液(濃度1.0g/
dl)でのこれらの30℃における還元粘度は0.45
dl/gであった。
【0068】参考例5 水分含有量10ppmのN−メチルピロリドン3リット
ルを、参考例1と同一の反応器に仕込んだ。ここに無水
トリメリット酸555g(50モル%)、次いで4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート723.3g
(50モル%、イソシアネート基として100モル%)
を加えた。無水トリメリット酸添加時の系内水分は20
ppmであった。最初、室温から20分を要して内容物
温度を90℃とし、この温度で50分間重合を行った。
この時点でイソシアネート基の量は、50モル%に減少
した、この時イミド基の吸収は、全く認められなかっ
た、これによりイミド化反応が起こる以前にアミド化反
応が終了したことを確認した。この後10分を要して1
15℃に昇温したこの温度に保ったまま重合を4時間継
続した、この時点でイソシアネート基の吸収はすべて消
滅しイミド基の吸収の理論量認められた。重合終了後実
施例1と同様に処理してポリアミドイミド粉末を得た。
ジメチルホルムアミド溶液(濃度1.0g/dl)でこ
のものの30℃における還元粘度を測定したところ0.
45dl/gであった。
【0069】参考例6 参考例5を重合温度だけを変更して実施した。すなわ
ち、最初、室温から30分を要して内容物温度を115
℃とし、この温度で4時間重合を継続した。115℃に
達し10分経過した時点で比較例1と同様に分析したと
ころ、アミド化とイミド化の同時進行が確認された。重
合終了後実施例1と同様に処理してポリアミドイミド粉
末を得た。ジメチルホルムアミド溶液(濃度1.0g/
dl)でのこれらの30℃における還元粘度は0.4d
l/gであった。
【0070】実施例1 参考例1で製造した芳香族ポリアミドイミド樹脂とポリ
フェニレンスルフィド樹脂(トープレン株式会社製、商
品名T−4)を表1の組成でブレンドし、これを2軸押
出機を用いて360℃で溶融混練してペレット化して樹
脂組成物を製造した。このペレットを射出成形し、1/
8インチ厚の抗折試験片を得た。この試験片より熱変形
温度(18.6Kg)を、またペレットより350℃、
60Kg/cm2 応力における溶融流れ値を測定した。
滞留安定性は、ペレットを混練機(東洋精機株式会社製
ラボプラストミル)中380℃で15分混練した後の溶
融流れ値を測定し、これを混練前の値と比較することに
より評価した。結果を表1に示した。
【0071】比較例1 実施例1を参考例2で製造した、芳香族ポリアミドイミ
ド樹脂を用いて繰り返した、結果を表1に示した。
【0072】比較例2 実施例1をポリフェニレンスルフィド樹脂だけを用いて
繰り返した、結果を表1に示した。
【0073】実施例2 参考例1で製造した芳香族ポリアミドイミド樹脂とポリ
フェニレンスルフィド樹脂(トープレン株式会社製、商
品名T−4)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネートおよびモンタン酸亜鉛を表1の組成でブレンド
し、これを2軸押出機を用いて360℃で溶融混練して
ペレット化して樹脂組成物を製造した。このペレットを
射出成形して1/8インチ厚のダンベル片と抗折試験片
を得た。この試験片およびペレットより実施例1と同様
にして、熱変形温度(18.6Kg)と溶融流れ値およ
び滞留安定性を測定した。これらの結果を表1に示し
た。
【0074】比較例3 実施例2を参考例2で製造した、芳香族ポリアミドイミ
ド樹脂を用いて繰り返した、結果を表1に示した。
【0075】実施例3 実施例2を参考例3で製造した芳香族ポリアミドイミド
樹脂を用いて繰り返した、結果を表1に示した。
【0076】比較例4 実施例2を参考例4で製造した、芳香族ポリアミドイミ
ド樹脂を用いて繰り返した、結果を表1に示した。
【0077】実施例4 実施例2を参考例5で製造した芳香族ポリアミドイミド
樹脂を用い、モンタン酸亜鉛をステアリン酸ナトリウム
0.2重量部に替えて繰り返した、結果を表2に示し
た。
【0078】比較例5 実施例4を参考例6で製造した、芳香族ポリアミドイミ
ド樹脂を用いて繰り返した、結果を表2に示した。
【0079】実施例5 参考例1で製造した芳香族ポリアミドイミド樹脂とポリ
フェニレンスルフィド樹脂(トープレン株式会社製、商
品名T−4)とガラス繊維(旭ファイバーグラス株式会
社製、FT540)およびモンタン酸亜鉛を表1の組成
でブレンドし、これを2軸押出機を用いて360℃で溶
融混練してペレット化して樹脂組成物を製造した。この
ペレットを射出成形して1/8インチ厚の抗折試験片を
得た。この試験片およびペレットより実施例1と同様に
して、熱変形温度(18.6Kg)と溶融流れ値および
滞留安定性を測定した。これらの結果を表2に示した。
【0080】比較例6 実施例5を参考例2で製造した、芳香族ポリアミドイミ
ド樹脂を用いて繰り返した、結果を表2に示した。
【0081】実施例6 実施例5を参考例3で製造した芳香族ポリアミドイミド
樹脂を用いて繰り返した、結果を表2に示した。
【0082】比較例7 実施例5を参考例で製造した芳香族ポリアミドイミド樹
脂を用いて繰り返した、結果を表2に示した。
【0083】実施例7 実施例5を参考例5で製造した芳香族ポリアミドイミド
樹脂を用い、モンタン酸亜鉛をステアリン酸ナトリウム
0.1重量部に替えて繰り返した、結果を表2に示し
た。
【0084】比較例8 実施例7を参考例6で製造した芳香族ポリアミドイミド
樹脂を用いて繰り返した、結果を表2に示した。
【0085】(表1) 実施例 ポリアミド ポリフェニレン 添加剤 ガラス 熱変形温度 および イミド重量部 スルフィド重量 種類 繊維 18.6 kg 荷重比較例 (種類) 部 重量部 重量部 (℃) 実施例1 50 50 − − 220 (参考例1) 比較例1 50 50 − − 224 (参考例2) 比較例2 − 100 − − 102 実施例2 60 40 MDI − 240 (参考例1) 2重量部 モンタン酸 亜鉛0.1 重量部 比較例3 60 40 同上 − 242 (参考例2) 実施例3 60 40 同上 − 238 (参考例3) 比較例4 60 40 同上 − 240 (参考例4)
【0086】 (表1の続き) 実施例 溶融流れ値 溶融流れ値 Q1 /Q0 および (混練前) (混練後)比較例 Q 0 (cc/sec) Q 1 (cc/sec) 実施例1 3.1 ×10-1 3.3 ×10-1 1.06 比較例1 7.0 ×10-2 1.2 ×10-2 0.17 比較例2 測定不可 7.6 ×10-2 (流れすぎ) 実施例2 2.0 ×10-1 1.3 ×10-1 0.65 比較例3 2.1 ×10-2 4.0 ×10-3 0.19 実施例3 2.6 ×10-1 1.8 ×10-1 0.69 比較例4 3.4 ×10-2 5.2 ×10-3 0.15
【0087】(表2) 実施例 ポリアミド ポリフェニレン 添加剤 ガラス 熱変形温度 および イミド重量部 スルフィド重量 種類 繊維 18.6 kg 荷重比較例 (種類) 部 重量部 重量部 (℃) 実施例4 60 40 MDI 2 − 228 (参考例5) 重量部 ステアリ ン酸ナト リウム0.2 重量部 比較例5 60 40 同 上 − 229 (参考例6) 実施例5 25 35 モンタン 40 275 (参考例1) 酸亜鉛 0.1 重量部 比較例6 25 35 同 上 40 273 (参考例2) 実施例6 25 35 同 上 40 273 (参考例3) 比較例7 25 35 同 上 40 274 (参考例4) 実施例7 25 35 ステアリン 40 272 (参考例5) 酸亜鉛 0.1 重量部 比較例8 25 35 同 上 40 273 (参考例6)
【0088】 (表2の続き) 実施例 溶融流れ値 溶融流れ値 Q1 /Q0 および (混練前) (混練後)比較例 Q 0 (cc/sec) Q 1 (cc/sec) 実施例4 9.0 ×10-2 5.5 ×10-2 0.61 比較例5 8.7 ×10-3 6.7 ×10-4 0.08 実施例5 1.5 ×10-1 7.0 ×10-2 0.47 比較例6 3.0 ×10-2 3.0 ×10-4 0.01 実施例6 2.2 ×10-1 9.2 ×10-2 0.42 比較例7 6.0 ×10-2 1.8 ×10-3 0.03 実施例7 1.2 ×10-1 3.2 ×10-2 0.27 比較例8 1.5 ×10-2 2.0 ×10-4 0.01
【0089】 実施例8 参考例1で製造した芳香族ポリアミドイミド樹脂とポリ
フェニレンスルフィド樹脂(呉羽化学工業株式会社製、
商品名:フォートロン W214)を表3の組成でブレンド
し、これを2軸押出機を用いて360℃で溶融混練して
ペレット化して樹脂組成物を製造した。このペレットを
射出成形し、1/8インチ厚の抗折試験片を得た。この
試験片を用いて、熱変形温度(18.6kgf荷重)を
測定した。また、滞留安定性は、前記ペレットを混練り
機(東洋精機株式会社製、ラボプラストミル)中、38
0℃で15分混練りした後の溶融流れ値を測定(測定条
件:350℃、60kg/cm2 応力)し、これを混練
り前と比較することにより評価した。結果を表3に示
す。
【0090】 実施例9 実施例8で使用したポリフェニレンスルフィド樹脂をポ
リフェニレンスルフィド樹脂(トープレン株式会社製、
商品名:LN−2)に変えた以外は、実施例8と同様に
して樹脂組成物のペレットを製造し、評価した。結果を
表3に示す。
【0091】 (表3) PAI PPS 硝子繊維 熱変形温度 溶融流れ値 熱安定性 加熱前 加熱後 wt% wt% wt% ℃ Q0(cc/s) Q1(cc/s) Q1/Q0 ─────────────────────────────────── 実施例8 25 35 40 275 1.7×10-1 9.0×10-2 0.53 実施例9 25 35 40 275 1.8×10-1 1.0×10-1 0.55
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伴 一 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化 学株式会社総合研究所内 審査官 關 政立 (56)参考文献 特開 昭55−21461(JP,A) 特開 昭59−8755(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 79/08 C08L 81/02 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族トリカルボン酸無水物とジ
    イソシアネートとを、溶媒中で、アミド化反応の反応率
    が90%以上終了してからイミド基の生成反応が行われ
    る条件下で重合して得られる、一般式(1)で示される
    繰り返し単位を有する芳香族ポリアミドイミド樹脂5〜
    95重量%と、 【化1】 (式中Arは少なくとも一つの炭素6員環を含む3価の
    芳香族基、Rは2価の芳香族および/または脂肪族基を
    示す) (B)ポリフェニルンスルフィド樹脂5〜95重量%
    (A)と(B)の合計量が100重量%となるようにし
    た後、 溶融混練して得られる耐熱性と溶融時流動性およ
    び滞留安定性に優れた樹脂組成物。
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