JP2000178446A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP2000178446A
JP2000178446A JP10356426A JP35642698A JP2000178446A JP 2000178446 A JP2000178446 A JP 2000178446A JP 10356426 A JP10356426 A JP 10356426A JP 35642698 A JP35642698 A JP 35642698A JP 2000178446 A JP2000178446 A JP 2000178446A
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resin
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polyphenylene sulfide
aromatic
sulfide resin
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JP10356426A
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English (en)
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Tsutomu Miyoshi
努 三好
Hajime Ban
一 伴
Toshiaki Yamada
敏明 山田
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芳香族ポリアミドイミド樹脂とポリフェニレ
ンスルフィド樹脂を配合して、耐熱性、溶融流動性、強
度及び靱性に優れた材料を提供する。 【解決手段】 (A)芳香族トリカルボン酸無水物、ま
たは芳香族トリカルボン酸無水物および芳香族テトラカ
ルボン酸無水物と、ジイソシアネート化合物とを反応さ
せるに際し、アミド化反応が70%以上終了してから、
イミド基の生成反応を行わせて得られる芳香族ポリアミ
ドイミド樹脂と、(B)ポリフェニレンスルフィド樹脂
及び(C)ポリフェニレンスルフィド樹脂を、 (a)エチ
レン性二重結合と、 (b)カルボキシル基、酸無水物基、
水酸基及びエポキシ基からなる群から選ばれた変性剤で
変性して得られる変性ポリフェニレンスルフィド樹脂か
らなる樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、溶融時の
流動性及び強度、靭性に優れた新規な樹脂組成物に係わ
る。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリアミドイミド樹脂は、耐熱
性、機械的強度、電気特性、耐薬品性に優れたプラスチ
ック材料である。しかしながら、ワニス、フィルム用途
以外は、溶融流動性に劣り、ほとんどのものは射出成形
が困難な場合が多い。そのため、コンプレッションモー
ルド法による成形を行っているのが現状である。
【0003】一方、ポリフェニレンスルフィド樹脂は、
耐熱性、電気特性、耐溶剤性に優れ、特に溶融流動性が
優れているの特徴である。しかし、溶融時の耐酸化性に
劣り、高温下の状態で対流すると架橋反応が進行し溶融
流動性が大幅に低下する。甚だしい場合は、成形困難に
なるといった欠点を有している。
【0004】芳香族ポリアミドイミド樹脂の溶融流動性
を改良する技術として、既にポリフェニレンスルフィド
樹脂を配合する技術が提案されている(特公昭57−9
754)。しかしながら、この技術では、芳香族ポリア
ミドイミド樹脂の高い耐熱性は、保持されるものの、芳
香族ポリアミドイミドの劣った溶融流動性のためにポリ
フェニレンスルフィド樹脂の優れた溶融流動性がほとん
ど反映されず、組成物としての溶融流動性は改良が望ま
れる水準である。また、耐熱性と溶融流動性を改良する
技術も提案されている(特開平6−200154)。こ
の技術により芳香族ポリアミドイミド樹脂とポリフェニ
レンスルフィド樹脂からなる樹脂組成物は 優れた耐熱
性と溶融流動性を併せ持った材料を得ることが出来る。
しかしながら、この技術では、相溶性がまだ不十分であ
るため、非常に脆い材料しか与えない。このため、耐熱
性、溶融時の流動性、及び強度、靭性に優れた材料は未
だ得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する問題点は、芳香族ポリアミドイミド樹脂とポリフェ
ニレンスルフィド樹脂を配合して、耐熱性、溶融流動
性、強度及び靭性に優れた材料を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々研究
を行った結果、芳香族ポリアミドイミド樹脂とポリフェ
ニレンスルフィド樹脂に、 (a)エチレン性2重結合と、
(b)カルボキシル基、酸無水物基、水酸基及びエポキシ
基からなる群から選ばれる官能基を同時に有する有機化
合物から選ばれた変性剤で変性して得られる変性ポリフ
ェニレンスルフィド樹脂を加えることで、強度、靭性が
発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】即ち、本発明は、(A)芳香族ト
リカルボン酸無水物、または芳香族トリカルボン酸無水
物及び芳香族テトラカルボン酸無水物と、ジイソシアネ
ート化合物とを反応させるに際し、アミド化反応が70
%以上終了してから、イミド基の生成反応を行わして得
られる芳香族ポリアミドイミド樹脂、(B)ポリフェニ
レンスルフィド樹脂及び(C)ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂を、 (a)エチレン性2重結合と、 (b)カルボキシ
ル基、酸無水物基、水酸基及びエポキシ基からなる群か
ら選ばれる官能基を同時に有する有機化合物から選ばれ
た変性剤で変性して得られる変性ポリフェニレンスルフ
ィド樹脂からなる樹脂組成物である。
【0008】本発明を構成する樹脂組成物に使用する芳
香族ポリアミドイミド樹脂を製造するために使用する芳
香族トリカルボン酸は、次の一般式で示される化合物で
ある。
【化1】
【0009】芳香族トリカルボン酸無水物の具体例とし
ては、以下のものが例示されるが、2種以上の化合物を
混合して使用することもできる。
【化2】
【0010】これらのうち、芳香族トリカルボン酸無水
物としては、トリメリット酸無水物が好ましい。
【0011】上記芳香族トリカルボン酸無水物の0〜5
0モル%を芳香族テトラカルボン酸無水物に代えること
も可能である。しかし、上記範囲より、芳香族テトラカ
ルボン酸無水物が多いと、得られる芳香族ポリアミドイ
ミド樹脂が脆くなる傾向がある。芳香族テトラカルボン
酸無水物は、下記一般式で表される化合物である。
【化3】 (式中、Ar1は、少なくとも1つの炭素6員環を含む3
価の芳香族基を示す。)
【0012】芳香族テトラカルボン酸無水物の具体例と
しては、以下のものである。
【化4】
【0013】本発明を構成する樹脂組成物に用いられる
芳香族ポリアミドイミド樹脂を製造するために使用する
ジイソシアネート化合物とは下記一般式で示される化合
物である。
【化5】O=C=N−R−N=C=O (式中、Rは、2価の芳香族及び/または脂肪族基を示
す。)
【0014】その具体例としては、以下のものが上げら
れるが、2種以上の化合物を混合して用いることもでき
る。
【化6】
【0015】これらのうち好ましいものは、次のものが
挙げられる。
【化7】
【0016】また、特に好ましいものは、次のものが挙
げられる。
【化8】
【0017】最も好ましいものとして、m-フェニレンジ
イソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-
トリレンジイソシアネート、メチレンジ(4-フェニルイ
ソシアネート)を挙げることが出来る。
【0018】本発明に用いる樹脂組成物に好適な芳香族
ポリアミドイミド樹脂を製造するためには、芳香族トリ
カルボン酸無水物成分(前述のテトラカルボン酸無水物
を含むことが出来る)とジイソシアネート成分は、それ
ぞれのモル数をA、Bとした時、両者のモル比は、0.9
<A/B<1.1 に保たれることが望ましく、より好まし
くは、0.99<A/B<1.01に保たれることである。
【0019】本発明においては、芳香族ポリアミドイミ
ド樹脂を円滑に製造するため、溶媒が使用される。使用
される溶媒は、ジイソシアネート化合物に対して、不活
性なものであれば、特に限定無く、具体的には、N-メチ
ルピロリドン、ジメチルホルムアミド等の生成する芳香
族ポリアミドイミドに相溶性を有する溶媒及びニトロベ
ンゼン、ニトロトルエン等の生成する芳香族ポリアミド
イミドと相溶性を有しない極性溶媒を挙げることが出来
る。これらは単独で使用しても、混合して使用しても差
し支えない。好ましいものは、ポリアミドイミドと相溶
性を有するN-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド
等の溶媒である。また、これらの溶媒は、モノマー原料
の溶媒に対する割合で、0.1 〜4 モル/リットルで使用
する。
【0020】本発明に用いる樹脂組成物を構成する芳香
族ポリアミドイミド樹脂の製造には、各種触媒を使用で
きるが、溶融時の成形加工性を損なわないためには、そ
の使用量は最小限に止めるべきであり、重合速度が十分
な水準にある限りは、使用しないことが望ましい。触媒
の具体例を例示するならば、ピリジン、キノリン、イソ
キノリン、トリメチルアミン、N,N-ジエチルアミン、ト
リエチルアミン、等の第3級アミン、酢酸コバルト、ナ
フテン酸コバルト等の弱酸の金属塩、重金属塩、アルカ
リ金属塩等を挙げることが出来る。
【0021】また、溶媒、モノマー等から構成される重
合系の含有水分は、500PPM以下に保つことが望ま
しく、より好ましくは、100PPM以下、最も好まし
くは、50PPM以下に保たれる。系内の含有水分量が
これらより多いと、溶融成形性を損なう。
【0022】本発明の樹脂組成物に使用される(A)成
分の芳香族ポリアミドイミド樹脂の製造は、一般には、
重合温度、反応時間、触媒添加方法を適切に行うことに
よりアミド化反応とイミド化反応を制御することにより
行うことが出来るが、基本的にはアミド基の生成反応が
実質的に終了するまでイミド基の生成反応が起こらない
条件でアミド化反応を行い、ついでイミド化反応を行う
条件で実施するのであれば、いずれの方法でも差し支え
ない。
【0023】本発明で使用される芳香族ポリアミドイミ
ド樹脂を得るため、アミド化反応終了後、イミド化反応
をさせる方法としては、重合温度を制御する方法が簡便
である。即ち、芳香族トリカルボン酸無水物(一部、芳
香族テトラカルボン酸無水物を含む場合も含む)とジイ
ソシアネート化合物を溶媒中50〜100℃、好ましく
は60〜100℃、更に好ましくは、80〜100℃の
温度範囲で反応させ、アミド化反応が70%以上、好ま
しくは80%、更に好ましくは90%、最も好ましく
は、95%以上終了してから、通常100〜200℃、
好ましくは、105〜180℃、更に好ましくは110
〜180℃の温度範囲でイミド化反応を行わせる方法で
ある。
【0024】芳香族トリカルボン酸無水物(一部、芳香
族テトラカルボン酸無水物を含む場合も含む。)とジイ
ソシアネート化合物との反応温度は、重要な条件であ
り、これを制御することにより、本発明に使用される樹
脂組成物を構成する芳香族ポリアミドイミド樹脂を製造
することが出来る。各段における温度は、その温度範囲
内であれば、どのように設定しても構わない。例えば、
昇温させても、一定温度に保っても、またこの組み合わ
せであっても構わないが、一定温度に保つのが望まし
い。各段の温度がこの範囲より低い場合は、アミド及
び、イミド基の生成反応が完結せず、その結果、得られ
た芳香族ポリアミドイミド樹脂の重合度があがらないた
め、本発明の樹脂組成物が脆いものとなる。アミド化の
温度が上記範囲より高い場合は、アミド基の生成反応と
イミド基の生成反応が同時期に起こるため、得られた芳
香族ポリアミドイミド樹脂は溶融流動性及び滞留安定性
の劣ったものになる。
【0025】芳香族トリカルボン酸無水物とジイソシア
ネート化合物との反応時間は、アミド化反応は30分〜
5時間、好ましくは、30分から2時間であり、イミド
化反応は、30分から10時間、好ましくは1時間から
8時間である。反応時間がこれよりも短すぎると、得ら
れた芳香族ポリアミドイミドの重合度があがらないた
め、本発明の樹脂組成物が脆いものとなる。一方、反応
時間が長すぎると、得られた芳香族ポリアミドイミド樹
脂は溶融流動性の劣ったものとなる。アミド基の成分と
イミド基の成分を重合反応の間追跡する必要があるが、
この方法は、公知の赤外分光法、ガスクロマトグラム法
等により可能である。
【0026】本発明に用いる樹脂組成物に好適な芳香族
ポリアミドイミド樹脂の重合度は、ジメチルホルムアミ
ド中30℃で濃度1g/dlで測定した還元粘度で表示す
るならば、0.15dl/g〜1.0 dl/gが好適に用いい
られ、より好ましくは、0.2dl/g〜0.6 dl/g
が、最も好ましくは、0.2 〜0.5 dl/gである。
【0027】本発明の樹脂組成物を構成する芳香族ポリ
アミドイミド樹脂は、メタノール、イソプロパノール等
のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン類、ヘプタン、トルエン等の脂肪族、芳香族炭化水
素類により沈殿、洗浄することにより粉末として回収さ
れるが、重合溶媒を直接濃縮してもかなわない。さらに
は、ある程度まで濃縮した後、押し出し機等で減圧下に
溶媒を除去しペレット化する方法を行うこともできる。
【0028】また、本発明の樹脂組成物の(B)成分の
ポリフェニレンスルフィド樹脂とは、以下で示される繰
り返し単位を70モル%以上、好ましくは90モル%以
上、最も好ましくは、実質的に100モル%含む重合体
である。
【0029】
【化9】
【0030】上記繰り返し単位が70モル%未満では特
有の性質を有する本発明の樹脂組成物は得難い。この重
合体を得る重合方法としては公知の方法を採用し得る
が、硫化ナトリウムとp-ジクロルベンゼンをN-メチルピ
ロリドン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒やス
ルフォラン等のスルフォン系溶媒中で反応させる方法が
好適である。この際に重合度を調製するために酢酸ナト
リウム、酢酸リチウム等のアルカリ金属カルボン酸塩を
添加することは好ましい方法である。ポリフェニレンス
ルフィド樹脂は、製法により比較的低分子量のもの(特
公昭45−3368)と線状の高分子量のもの(特公昭
52−12240)が存在するが、比較的低分子量のも
のは、酸素雰囲気下、あるいは、過酸化物等の架橋剤の
存在下に加熱することにより、高分子量化して使用する
ことも可能である。本発明に使用される樹脂組成物に
は、何れのポリフェニレンスルフィド樹脂を使用しても
構わない。
【0031】本発明の樹脂組成物の(B)成分であるポ
リフェニレンスルフィド樹脂は、共重合成分として30
モル%未満であって重合体の結晶に大きな影響を与えな
い範囲で、メタ結合、エーテル結合、スルフォン結合、
ビフェニル結合、等を含有しても良いが、好ましくは共
重合成分は10モル%未満が良好である。
【0032】本発明の樹脂組成物の(C)成分である変
性ポリフェニレンスルフィド樹脂の「変性剤」は、分子
中に (a)エチレン性2重結合と、 (b)カルボキシル基、
酸無水物基、水酸基及びエポキシ基からなる群から選ば
れる官能基を同時に有する有機化合物である。具体的に
は、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、シトラ
コン酸、イタコン酸等で例示されるα、β−不飽和ジカ
ルボン酸;アクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、メタ
クリル酸等で例示される不飽和モノカルボン酸;これら
のα、β−不飽和ジカルボン酸及び不飽和モノカルボン
酸の酸無水物;上記α、βー不飽和モノカルボン酸1モ
ルとエチレングリコール、プロピレングリコー、トリメ
チレングリコール、ブタンー1,4ージオール等の脂肪
族ジオール、及びヒドロキノン、レゾルシン、カテコー
ル、mーキシレンジオール等の芳香族ジオール2モルか
ら誘導される構造を有するヒドロキシーα、βー不飽和
ジカルボン酸ジエステル、;α、βー不飽和ジカルボン
酸1モルと脂肪族ジオールまたは芳香族ジヒドロキシ化
合物1モルから誘導されるヒドロキシーα、βー不飽和
ジカルボン酸エステル;α、βー不飽和ジカルボン酸と
グリセロール、ペンタエリスリロール等の脂肪族多価ア
ルコールまたは、ピロガロール等の芳香族多価フェノー
ルより誘導される構造を有するヒドロキシエステル類;
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等
で例示される不飽和エポキシ化合物等を挙げることがで
きる。
【0033】これらの中で好ましいのは、マレイン酸、
アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、グリシジ
ルアクリレート、グリシジルメタクリレートであり、さ
らに好ましいものは、無水マレイン酸である。
【0034】本発明の樹脂組成物の(C)成分である変
性ポリフェニレンスルフィド樹脂の製造は、次のような
方法によって行うことができるが、特にこれに限定され
るものではない。例えば、変性ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂は、上記ポリフェニレンスルフィド樹脂と変性剤
をロールミル、バンバリーミキサー又は押出機等を用い
て150〜350℃の温度範囲で溶融混練りし、反応さ
せて得ることができる。また、変性反応を容易に進める
ために、反応系にベンゾイルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド等で例示される有機過酸化物などのラジ
カル開始剤を存在させることも有効である。また、N-メ
チルピロリドン、α−クロロナフタレン等で例示される
溶媒中でポリフェニレンスルフィド樹脂と変性剤とを加
熱、反応させることによって製造しても良好である。
【0035】本発明に使用される樹脂組成物の樹脂部全
体を100重量%とすると、(A)芳香族ポリアミドイ
ミド樹脂、(B)ポリフェニレンスルフィド樹脂及び
(C)ポリフェニレンスルフィド樹脂を、 (a)エチレン
性2重結合と、 (b)カルボキシル基、酸無水物基、水酸
基及びエポキシ基からなる群から選ばれる官能基を同時
に有する有機化合物から選ばれた変性剤で変性して得ら
れる変性ポリフェニレンスルフィド樹脂の割合は、次の
様である。 (A)芳香族ポリアミドイミド樹脂は、通常10〜99
重量%、好ましくは20〜97重量%である。 (B)ポリフェニレンスルフィド樹脂は、通常0〜89
重量%、好ましくは0〜80重量%である。 (C)変性ポリフェニレンスルフィド樹脂は、通常1〜
90重量%、好ましくは3〜80重量%である。
【0036】本発明に使用する樹脂組成物は、前述の芳
香族ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド
樹脂及び変性ポリフェニレンスルフィド樹脂(ポリフェ
ニレンスルフィド樹脂を、 (a)エチレン性2重結合と、
(b)カルボキシル基、酸無水物基、水酸基及びエポキシ
基からなる群から選ばれる官能基を同時に有する有機化
合物から選ばれた変性剤で変性して得られるものであ
る。)を溶融混練りして製造される。溶融混練り温度は
250〜400℃、好ましくは280〜360℃であ
る。混練り方法は、押し出し機、ニーダー、バンバリー
ミキサー、ミキシングロールその他で行うことが出来る
が、好ましい方法は、2軸押し出し機による方法であ
る。
【0037】本発明に使用される樹脂組成物には、所望
に応じて、充填材、顔料、滑剤、可塑剤、安定剤、紫外
線剤、難燃剤、難燃助剤の添加剤、他の樹脂などその他
の成分が適宣配合され得る。
【0038】充填材の例としては、としては、ガラスビ
ーズ、ウオラストナイト、マイカ、タルク、カオリン、
二酸化珪素、クレー、アスベスト、炭酸カルシウム、水
酸化マグネシウム、シリカ、ケイソウ土、グラファイ
ト、カーボランダム、二硫化モリブデンに代表される鉱
物質充填材;ガラス繊維、ミルドファイバー、チタン酸
カリウム繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維、炭素繊維等
を挙げることが出来る。充填材は、樹脂組成物の1〜7
0重量%使用することが出来る。好ましい充填材は、ガ
ラス繊維、ミルドファイバー、炭素繊維、チタン酸カリ
ウム繊維であり、ウレタン、アミノ系等のシランカップ
リング剤で処理したものも好適に使用できる。
【0039】顔料としては、酸化チタン、硫化亜鉛、酸
化亜鉛等が例示できる。
【0040】滑剤としては、鉱物油、シリコン油、エチ
レンワックス、ポリプロピレンワックス、ステアリン酸
ナトリウムなどの金属塩、モンタン酸ナトリウム等の金
属塩、モンタン酸アミドなどが代表的なものとして例示
される。
【0041】難燃剤としては、トリフェニルフォスフェ
ートのようなリン酸エステル類、デカブロモビフェニ
ル、ペンタブロモトルエン、ブロモ化エポキシ樹脂、等
の臭化化合物;メラミン誘導体などの含窒素リン化合物
等が挙げられる。難燃助剤を使用しても良く、その例と
しては、アンチモン、ほう素、亜鉛等の化合物等が挙げ
られる。
【0042】他樹脂の例としては、エポキシ樹脂、フェ
ノキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート等のポリエステル類、四フッ化エチレ
ンをはじめとするフッ素樹脂、ポリフェニレンエーテ
ル、ポリスルフォン、ポリカーボネート、ポリエーテル
ケトン、ポリエーテルイミド、ポリチオエーテルケト
ン、ポリエーテルエーテルケトン等の芳香族樹脂が挙げ
られる。
【0043】本発明においては、上記のような(A)芳
香族ポリアミドイミド樹脂、(B)ポリフェニレンスル
フィド樹脂及び(C)変性ポリフェニレンスルフィド樹
脂(ポリフェニレンスルフィド樹脂を、 (a)エチレン性
2重結合と、 (b)カルボキシル基、酸無水物基、水酸基
及びエポキシ基からなる群から選ばれる官能基を同時に
有する有機化合物から選ばれた変性剤で変性して得られ
るものである。)からなる樹脂組成物を得るが、成形
は、通常の射出成形法によって行われ、シリンダー温度
は、290〜360℃の範囲で行い、金型は十分な耐熱
性を得るために120〜160℃にすることが望まし
い。また、耐熱性を改良し、且つ残留応力を取り除く目
的で成形後に熱処理することが望ましい。特に、金型温
度が120℃より低い温度で成形した場合は熱処理する
のが好ましい。熱処理の方法は、特に限定されるもので
はないく、例えば通常の熱風式オーブン、電子レンジま
たはオーブンレンジを用いられる。熱処理温度は、15
0〜300℃、好ましくは、200〜280℃、最も好
ましくは、220〜260℃で30秒〜48時間、好ま
しくは1時間〜36時間常圧もしくは減圧で行うことも
できる。
【0044】
【実施例】本発明を実施例により更に詳しく説明する
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。なお、下記の実施例および比較例に用いる物
質は下記のもの及び合成例で製造したものである。
【0045】合成例1 含水量15ppmのN−メチルピロリドン、3リットル
を5リットルの撹拌機、温度計、先端に塩化カルシウム
を充填した乾燥管を装着した環流冷却管を備えた反応器
に仕込んだ。ここに無水トリメリット酸555g、続い
て2,4-トリレンジイソシアネート503.3gを加え
た。無水トリメリット酸添加時の系内の水分は、30p
pmであった。最初、室温から20分を要して内容物温
度を90℃とし、この温度で50分間重合を行った。重
合を行いながら、2,4-トリレンジイソシアネートのイソ
シアネート基の減少量とイミド基の生成量をを測定し
た。測定方法は、少量の反応液を注射器でサンプリング
し赤外分光法でイソシアネート基の2276cm-1の吸収を
定量することにより行った。50分間重合を行ったとこ
ろイソシアネート基の量は、50モル%に減少した。こ
の時のイミド基の吸収は全く認められなかった。これに
よりイミド化の反応が起こるまでにアミド化反応が終了
したことを確認した。この後、15分を要して115℃
に昇温し、この温度に保ったまま重合を8時間継続し
た。重合終了後、ポリマー溶液を6リットルのメタノー
ル中に強力な撹拌下に滴下した。析出したポリマーを吸
引濾別し、さらにメタノール中に再分散させて良く洗浄
し濾別後、135℃で6時間乾燥を行いポリアミドイミ
ド粉末を得た。ジメチルホルムアミド溶液(濃度1.0
g/dl)でこのものの30℃における還元粘度を測定
したところ0.25dl/gであった。
【0046】合成例2 ポリフェニレンスルフィド樹脂(トープレン社製:T−
4)3kgに無水マレイン酸16.2gを添加し、ヘン
シェルミキサーで混合した後、2軸押し出し機で290
℃〜320℃の温度で溶融混錬りしペレットを得た。得
られたペレット4gをα−クロロナフタレン100ml
に加熱溶解後冷却し、吸引濾過によりポリマーを分別
し、アセトンで洗浄した。得られたポリマーを水中で撹
拌し、無水マレイン酸の加水分解を行った後、吸引濾過
によりポリマーを分別した。エターノールで洗浄した後
真空乾燥を行った。得られたポリマー3gにエタノール
100mlと0.1規定の水酸化ナトリウム10mlを
加え30分撹拌した後、0.1規定の塩酸で滴定し、ポ
リマーに結合している無水マレイン酸の量を算出した。
その結果、無水マレイン酸の結合量は、0.21wt%で
あった。
【0047】実施例1 合成例1で製造した芳香族ポリアミドイミド樹脂50wt
%と合成例2で製造した変性ポリフェニレンスルフィド
樹脂50w%をブレンドし、2軸押し出し機を用いて3
30℃で溶融混錬りしてペレット化し樹脂組成物を製造
した。このペレットを射出成形し、1/8インチ厚の抗
折試験片を得た。この試験片を用いてオ、曲げ強度、曲
げ歪み(島津製作所製:オートグラフAG5000B)
を測定した。熱変形温度(18.6kg/cm2 荷重)
は、上記試験片を用いて窒素雰囲気下で測定(安田精機
製:HD−500−PC)した。また、溶融時の流動性
は、350℃、60kg/cm2 応力(島津製作所製:
フローテスターCFT−500C)の条件で測定した。
結果は、表1に示した。
【0048】比較例1 合成例1で製造した芳香族ポリアミドイミド樹脂50wt
%とポリフェニレンスルフィド樹脂(トープレン社製:
T−4)50wt%をブレンドし、2軸押し出し機を用い
て330℃で溶融混錬りしてペレット化し樹脂組成物を
製造した。射出成形及び物性の測定は、実施例1と同様
に行った。結果は、表1に示した。
【0049】実施例2 合成例1で製造した芳香族ポリアミドイミド樹脂30wt
%と合成例2で製造した変性ポリフェニレンスルフィド
樹脂30wt%及びグラスファイバー(旭ファイバーグラ
ス社製:CS03JAFT523)40wt%をブレンド
し、2軸押し出し機を用いて330℃で溶融混錬りして
ペレット化し樹脂組成物を製造した。射出成形及び物性
測定は、実施例1と同様に行った。結果は、表1に示し
た。
【0050】比較例2 合成例1で製造した芳香族ポリアミドイミド樹脂30wt
%とポリフェニレンスルフィド樹脂(トープレン社製:
T−4)30wt%及びグラスファイバー40wt%(旭フ
ァイバーグラス社製:CS03JAFT523)をブレ
ンドし、2軸押出機を用いて330℃で溶融混錬りして
ペレット化し、樹脂組成物を製造した。射出成形及び物
性測定は、実施例1と同様に行った。結果は、表1に示
した。
【0051】
【表1】 実&比 PAI PPS M-PPS フィラー 曲げ強度 曲げ歪み 流れ値 DTUL (wt%) (wt%) (wt%) (wt%) (MPa) (%) (cc/sec) (℃) ─────────────────────────────────── 実施例1 合1 合2 50 0 50 0 150 3.1 8.0×10-2 235 ─────────────────────────────────── 比較例1 合1 50 50 0 0 60 0.7 4.9×10-2 230 ─────────────────────────────────── 実施例2 合1 合2 GF 30 0 30 40 275 2.4 6.2×10-2 277 ─────────────────────────────────── 比較例2 合1 GF 30 30 0 40 175 1.0 4.4×10-2 272 ───────────────────────────────────
【0052】(表1の記号説明) 流れ値:溶融時の流動性 DTUL:熱変形温度 PAI:芳香族ポリアミドイミド樹脂 PPS:ポリフェニレンスルフィド樹脂 M−PPS:変性ポリフェニレンスルフィド樹脂 GF:グラスファイバー
【0053】
【発明の効果】本発明は、上記のように(A)芳香族ポ
リアミドイミド樹脂、(B)ポリフェニレンスルフィド
樹脂及び(C)変性ポリフェニレンスルフィド樹脂(ポ
リフェニレンスルフィド樹脂を、 (a)エチレン性2重結
合と、 (b)カルボキシル基、酸無水物基、水酸基及びエ
ポキシ基からなる群から選ばれる官能基を同時に有する
有機化合物から選ばれた変性剤で変性して得られるもの
である。)からなる樹脂組成物とすることによって、高
い耐熱性、良好な溶融流動性、高い強度、靭性を有し、
特に、従来の技術で得られる芳香族ポリアミドイミド樹
脂とポリフェニレンスルフィド樹脂からなる樹脂組成物
の強度、靭性を大幅に改良したものである。これは、芳
香族ポリアミドイミドとポリフェニレンスルフィド樹脂
からなる樹脂組成物の相溶性を大幅に改良したためと考
えられる。特に、強度と靭性の改良は、本発明の樹脂組
成物において特異的である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族トリカルボン酸無水物、ま
    たは芳香族トリカルボン酸無水物および芳香族テトラカ
    ルボン酸無水物と、ジイソシアネート化合物とを反応さ
    せるに際し、アミド化反応が70%以上終了してから、
    イミド基の生成反応を行わせて得られる芳香族ポリアミ
    ドイミド樹脂10〜99重量%、(B)ポリフェニレン
    スルフィド樹脂0〜89重量%及び(C)ポリフェニレ
    ンスルフィド樹脂を、 (a)エチレン性2重結合と、 (b)
    カルボキシル基、酸無水物基、水酸基及びエポキシ基か
    らなる群から選ばれる官能基を同時に有する有機化合物
    から選ばれた変性剤で変性して得られる変性ポリフェニ
    レンスルフィド樹脂1〜90重量%からなり、(A)、
    (B)及び(C)の合計量が100重量%である樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 (A)芳香族ポリアミドイミド樹脂が、
    アミド化反応を50〜100℃、イミド化反応を100
    〜200℃で行って得られたものである請求項1に記載
    の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)が20〜97重量%、(B)が0
    〜80重量%及び(C)が3〜80重量%であり、
    (A)、(B)及び(C)の合計が100重量%である
    請求項1に記載の樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002179912A (ja) * 2000-12-07 2002-06-26 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 樹脂組成物
JP2006120947A (ja) * 2004-10-22 2006-05-11 Hitachi Chem Co Ltd 接着層付き回路基板、並びに多層プリント配線板の製造方法及び多層プリント配線板

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