JP2866688B2 - プリン誘導体を含有する抗ウィルス剤 - Google Patents

プリン誘導体を含有する抗ウィルス剤

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Description

【発明の詳細な説明】 発明分野 本発明は後天性免疫不全症候群(AIDS)、および複製
に逆転写酵素を必要とするウイルス、例えばヒト免疫不
全ウイルスおよび肝炎Bウイルスによって生起される感
染症の治療および予防処置、並びにまたその他のウイル
ス疾患例えばヘルペスウイルスによる疾患、および普通
の感染症と新生物疾患すなわちガンの両者を包含する疾
患の治療のために治療上使用される新規および既知の化
合物並びにその薬学的に許容し得る塩に関する。
発明の背景 身体機能に及ぼすウイルスの作用効果は、細胞および
細胞下レベルで生じる変化の最終的結果である。細胞レ
ベルでの病原変化は、ウイルスと宿主細胞との種々の組
合せで異なる。いくつかのウイルスはある種細胞の一般
的破壊(死滅)をもたらすが、その他のウイルスは細胞
を新生物状態に形質転換することもある。
重要な普通のウイルス感染症は、皮膚疱疹(herpes d
ermatitis)(例えば口唇ヘルペス(herpes labiali
s))、角膜疱疹(herpes keratitis)、陰部疱疹(her
pes genitalis)、帯状疱疹(herpes zoster)、ヘルペ
ス肺炎(herpes encephalitis)、伝染性単球増加症お
よびサイトメガロウイルス(cytomegalovirus)感染症
であり、これらの全てはヘルペスウイルス群に属するウ
イルスによって生起される。その他の重要なウイルス性
疾患は、それぞれインフルエンザAおよびBのウイルス
によって生起されるインフルエンザAおよびBである。
別の重要な、普通のウイルス性疾患はウイルス性肝炎で
あり、特に肝炎Bウイルス感染症が広く蔓延している。
有効でありかつ選択的である抗ウイルス剤が、これらの
疾患並びにウイルスで生起されるその他の疾患の治療に
必要とされている。
DNAおよびRNAの両タイプの若干の相異なるウイルスが
動物の腫瘍を生起させることは示されている。発ガン性
化学物質の作用は、動物において潜在的腫瘍ウイルスの
活性化をもたらすことが可能である。腫瘍ウイルスはヒ
ト腫瘍中に包含され得る。今日分かっている、ヒトの場
合の最もありふれた症例は白血病、肉腫、乳ガン、パー
キットリンパ腫、鼻咽頭ガンおよび子宮頸ガンであり、
これらの場合にはRNA腫瘍ウイルスおよびヘルペスウイ
ルスが指摘されている。このために腫瘍発生ウイルスお
よびその機能の選択的阻害剤に対する探索が、ガンの治
療努力において重要な仕事になっている。
70年代の後半に新しい病気が報告され、それはその後
後天性免疫不全症候群(AIDS)と称された。今日では、
以前にはヒト向T細胞性ウイルス(HTLV−III)または
リンパ腫症関連ウイルス(LAV)として知られていた
が、今ではHIV(ヒト免疫不全ウイルス)と称されるレ
トロウイルスがAIDSの原因において本質的役割を果すこ
とは一般に認められている。種々のタイプのHIV例えばH
IV−1およびHIV−2が見出されており、そしてさらに
単離されているようである。
AIDSは、HIV感染症の1つのターゲットであるサブセ
ットのリンパ球−T−ヘルパー細胞の数が少ないことに
よる顕著な免疫不全を有することを特徴とする。AIDS患
者のこの顕著な免疫不全のために、該患者は細菌、真
菌、原生動物またはウイルス原因の種々の日和見感染症
に極めてかかり易くなる。ウイルス性の日和見感染症に
おける病原体はヘルペスウイルス群すなわちヘルペスシ
ンプレックスウイルス(HSV)、バリセラゾスターウイ
ルス(Varicella Zoster virus;VZV)、エプステイン−
バールウイルス(Epstein−Barr virus;EBV)および特
にサイトメガロウイルス(CMV)中に見出されることが
しばしばある。動物を冒すその他のレトロウイルスはネ
コの白血病ウイルスおよびウマの感染症貧血症ウイルス
である。ヒトの疾患例えば多発性硬化症、乾癬および川
崎病もまた、レトロウイルス感染に関連していることか
報告されている。
肝炎Bウイルス感染は、相当数の人に重度の疾患例え
ば急性肝炎、慢性肝炎および劇症肝炎を生起させる。世
界中には慢性肝炎B感染症の患者が2億人いると予測さ
れている。これら慢性病の相当数は、肝硬変および肝腫
瘍にまで進行する。ある場合にはまた、肝炎感染症は約
90%の死亡率を有する劇症B肝炎のように急速かつ重度
の経過をとることもある。今日では、肝炎B感染症に対
して知られた有効な治療法はない。肝炎Bウイルスの複
製はレトロウイルスの複製に類似しており、それは同
一、必須のウイルス性逆転写酵素活性を含有する。
発明の一般的概略 多数のヌクレオシド類似体は若干の抗代謝活性を示
す。それらは天然由来のヌクレオシドを置換するかまた
はそれらと競争することによって抗代謝活性を示す。最
近では、AIDSおよびAIDS関連複合体(ARC)の原因とな
る病原体であるヒト免疫不全ウイルス(HIV、これはま
たHTLV−IIIまたはLAVとも呼ばれる)の増殖を細胞培養
中で阻止するいくつかのヌクレオシド類似体が記載され
ている。
本発明によれば、HIVおよび/またはヘルペス増殖の
阻止活性が、ヌクレオシド類似体によって示されること
が見出された。該類似体でのヌクレオシド塩基は天然
の、および修飾を有する両者のプリン塩基であって、そ
こではN−9位が2′−位で枝分れし、官能基を含有し
ている。非環状側鎖で誘導化されている。
従来技術 抗ウイルス活性を有するプリン誘導化は既に下記の参
考文献中に開示されている。
AU−A−56328/86およびAU−A−56468/86には9−
(ホスホニルメトキシアルキル)アデニン類が記載され
ている。
US−A−4,565,868、US−A−4,590,269およびEP−A
−184,473には9−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロポキ
シメチル)プリン類および環状ホスフェートエステルが
記載されている。
EP−A−141,927には9−(4−ヒドロキシ−3−ヒ
ドロキシメチルブチル)プリン誘導体が記載されてい
る。
EP−A−186,640からはさらに次の式 を有する化合物が知られている。
EP−A−146516からは次の式 (式中、n=1または2)を有する化合物が知られてい
る。
発明の開示 本発明によれば、次の式 〔式中、 R1は水素、ヒドロキシ、メルカプトまたはアミノであ
り; R2は水素、ヒドロキシ、フルオロ、クロロまたはアミ
ノであり; R3およびR4は独立して アミノ、ヒドロキシまたはそのエーテルもしくはエステ
ル残基から選択されるか、または R3はR4と一緒になって を示し、ここで Mは水素または薬学的に許容し得る対イオンであり;
そして nは1または2である〕を有する化合物およびその薬
学的に許容し得る塩が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
の増殖を阻止することが見出された。式Iの化合物はヒ
トのHIVウイルス感染症の抑制および治療における治療
および/または予防剤として有用である。
より一般的な特徴として、式Iの化合物は、哺乳動物
およびヒトの、レトロウイルスおよび肝炎Bウイルスで
生起される感染症の抑制および治療における治療および
/または予防剤として有用である。
HIVを含む全てのレトロウイルスは、それらの複製の
自然回路において逆転写酵素を必要とする。
肝炎Bウイルス(HBV)は、部分的には一本鎖である
独特な環状二本鎖DNAゲノムを有するDNAウイルスであ
る。それはウイルスの複製に必要とされる特異的DNAポ
リメラーゼを含有する。このDNAポリメラーゼはまた、R
NA中間物によるHBV DNAの複製中、逆転写酵素としても
作用する。
式Iの化合物は、HIVを含むレトロウイルスの逆転写
酵素の活性並びに肝炎BウイルスのDNAポリメラーゼの
活性を阻害する。
式Iの化合物のための別の重要な使用領域は、ヘルペ
スウイルス感染症の治療にある。これらのヘルペスウイ
ルスとしてはヘルペスシンプレックス型1および2、水
痘(Herpes Zoster)、ウイルスが生起させる伝染性単
球増加症(すなわちEpstein−Barrウイルス)およびサ
イトメガロウイルスを挙げることができる。ヘルペスウ
イルスにより生起される重要な疾患は皮膚疱疹(例えば
口唇疱疹)、陰部疱疹、角膜疱疹、ヘルペス脳炎および
帯状疱疹である。
本発明化合物のための別の可能性ある使用領域は、ガ
ンおよび腫瘍、特にウイルスにより生起されるこれらの
治療にある。この効果は種々の方法で、すなわちウイル
ス感染細胞の新生物状態への形質転換を阻止することに
より、形質転換された細胞からその他の正常細胞へのウ
イルスの広がりを阻止することによりそしてウイルスの
形質転換された細胞の生長を阻止することにより得るこ
とができる。
本発明はエイズ(AIDS)および複製に逆転写酵素を必
要とするウイルスによって生起される感染症の治療およ
び/または予防処置用の医薬の製造における式I 〔式中、 R1は水素、ヒドロキシ、メルカプトまたはアミノであ
り; R2は水素、ヒドロキシ、フルオロ、クロロまたはアミ
ノであり; R3およびR4は独立して アミノ、ヒドロキシまたはそのエーテルもしくはエステ
ル残基から選択されるか、または R3はR4と一緒になって を示し、ここで Mは水素または薬学的に許容し得る対イオンであり;
そして nは1または2である〕を有する化合物およびその薬
学的に許容し得る塩の使用に関する。
好ましくはそれらはHIVウイルスまたは肝炎Bウイル
スによって生起される感染症の治療に使用され得る。
式Iの化合物は、CH2CH2R3および(CH2)nR4が相異なる
場合には1つの不整中心を含有する。従ってそれらは2
種の光学形態で存在し、それは本発明のさらに別の特徴
を構成する。
本発明で使用され得る好ましい化合物は、R1およびR2
が独立して水素、ヒドロキシまたはアミノであり、R3ヒドロキシまたはそのエステル誘導体でありそしてR4
OHまたはそのエステル誘導体であり、またはR3とR4が一
緒になって を示す化合物である。R3およびR4は両方ともヒドロキシ
である方が好ましい。
特に好ましい化合物の例は次の式I 〔式中、 R1=OH、R2=NH2、R3=OH、R4=OH R1=H、R2=NH2、R3=OH R4=OH、R1=NH2、R2=H、R3=OH、R4=OH R1=OH、R2=NH2、R3=OCOC1-3、R4=OCOC1-3 R1=H、R2=NH2、R3=OCOC1-3、R4=OCOC1-3 R1=NH2、R2=H、R3=OCOC1-3、R4=OCOC1-3 R1=OH、R2=NH2、R3=OCONH−フェニル、R4=OCONH
−フェニル R1=H、R2=NH2、R3=OCONH−フェニル、R4=OCONH
−フェニル R1=NH2、R2=H、R3=OCONH−フェニル、R4=OCONH
−フェニル〕を有する化合物である。
前記プリン誘導体のエステルおよびエーテルも本発明
に包含される。エステルの例としてはりん酸エステル、
カルボン酸エステル、炭酸エステル、カルバミン酸エス
テルまたはスルホン酸エステルを挙げることができる。
該エステルの酸部分はアルキル、アリールまたはアリー
ルアルキル鎖を有することができ、そしてその際アリー
ル官能性は場合により例えばアルコキシ、アミノ、ニト
リル、アルキルもしくはスルホンアミド基によりまたは
1個以上のハロゲン原子によって置換されている。
前記プリン塩基のその他の型の誘導体の例は第1ヒド
ロキシル基のアルキルまたはアリールアルキル誘導体で
ある。アリールアルキルエーテル誘導体は例えばベンジ
ルまたはトリフェニルメチルであり、そのアリール部分
は場合により置換され得る。さらに、下記の薬学的に許
容し得る塩の例もまた本発明のプリン塩基の種々のエス
テルまたは誘導体に適用されることが理解される。
式Iの化合物において、エーテル残基としてのR3およ
びR4はOR5(ここでR5はC1〜6アルキル、場合により
1個以上のアルコキシ、アミノ、ニトリルもしくはスル
ファミド基または1個以上のハロゲン原子で置換された
アリールアルキルである)として定義され得る。
エステル残基としてのR3およびR4が、カルボン酸R6CO
OH、炭酸R7OCOOH、炭酸の二重エステルR7CO2CH(R8)OCO2
H、スルホン酸R7SO2OH、カルバミン酸R7NHCOOHまたはり
ん酸から誘導され得る。上記においてR6は水素、C
1〜17アルキル、アルコキシアルキル、アリールアルキ
ルまたはアリールであり、R7はC1〜17アルキル、アリ
ールアルキルまたはアリールであり、R8は水素またはC
1〜3アルキルでありそして該アリールおよびアリール
アルキル基は場合により1個以上のアルキル、アルコキ
シ、アミノ、ニトリル、スルホンアミド基または1個以
上のハロゲン原子で置換され得る。
式Iの化合物の薬学的に許容し得る塩の例としては適
当な塩基から誘導される塩基性塩、例えばアルカリ金属
(例えばナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属
(例えばマグネシウム)の各塩、アンモニウムおよびNX
- 4(ここでXはC1〜4アルキルである)から誘導され
る塩を挙げることができる。生理学的に許容し得る酸塩
の例としては有機カルボン酸例えば酢酸、乳酸、グルコ
ン酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、リンゴ酸、パン
トテン酸、イセチオン酸、シュウ酸、ラクトビオン酸お
よびコハク酸;有機スルホン酸例えばメタンスルホン
酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロ
ロベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸並
びに無機酸例えば塩酸、ヨウ化水素酸、硫酸、りん酸お
よびスルファミン酸の各塩を挙げることができる。
ホスホン酸基の生理学的に許容し得る対イオンの例と
しては無機および有機の対イオンがある。無機対イオン
は例えばアンモニウム、ナトリウム、カリウム、リチウ
ム、マグネシウムおよびカルシウムである。有機対イオ
ンは無毒性塩基例えば天然アミンを含む第1、第2およ
び第3アミンから誘導される。このようなアミンの例に
はジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルア
ミン、エタノールアミン、モルホリン、2−ジエチルア
ミノエタノール、グルコスアミン、N−メチルグルカミ
ン、ピペラジンおよびジシクロヘキシルアミンがある。
本発明はまた次の式 〔式中、 R1は水素、ヒドロキシ、メルカプトまたはアミノであ
り; R2は水素、ヒドロキシ、フルオロ、クロロまたはアミ
ノであり; R3およびR4は独立して アミノ、ヒドロキシ、そのエーテルまたはエステル残基
から選択され、または R3はR4と一緒になって を示し、ここで Mは水素または薬学的に許容し得る対イオンである;
ただし、R2がアミノでありそしてR3およびR4がヒドロキ
シである場合にはR1はヒドロキシではなく、そしてさら
にn=1の場合にはR1は水素ではない〕の新規化合物お
よびその薬学的に許容し得る塩に関する。
本発明はさらに活性成分として式Iの新規化合物を含
有する薬学的組成物;および治療を必要とする動物また
はヒト宿主において式Iの新規化合物の有効量を投与す
ることからなるウイルス感染症の治療および/または予
防治療の方法を提供する。
本発明の好ましい特徴は、ヘルペスウイルスまたは複
製に逆転写酵素を必要とするウイルス例えばヒト免疫不
全ウイルスおよび肝炎Bウイルスによって生起される感
染症を治療することにある。
臨床実施において、式Iのプリン誘導体は活性成分を
原化合物の形態でまたは場合によっては、固形、半固形
もしくは液体の希釈剤または摂取可能なカプセルである
ことのできる薬学的に許容し得る担体の形態で含有する
製剤の形態で通常は経口的に、注射によりまたは吸入に
より投与される。該化合物はまた担体物質なしで使用し
てもよい。製剤の例としては錠剤、糖衣錠、カプセル
剤、顆粒、懸濁液、エリキシル、シロップ、溶液等を挙
げることができる。通常、活性物質は注射用製剤では0.
05〜20%であり、経口製剤では10〜90%である。
レトロウイルス特にHIVまたは肝炎Bウイルスの感染
症の患者の治療では、いずれか適当な経路例えば経口、
非経口、直腸、鼻、局所および膣の各経路によって該化
合物を投与するのが好ましい。非経口経路としては例え
ば皮下、筋肉内、静脈内および舌下投与がある。局所経
路としては例えば頬内および舌下投与がある。活性成分
が投与される用量は広範囲で変わることができるが、そ
れは種々の因子例えば感染症の重度、患者の年令等に左
右され、個々に調整されなければならないこともある。
本発明化合物またはその生理学的に許容し得る塩の、1
日当たりに投与される量の可能範囲は、静脈内投与の場
合には約10mg〜約10000mg好ましくは100〜500mgであり
そして経口投与の場合には好ましくは100〜3000mgであ
る。
式Iの化合物は広範囲のその他の治療剤と相乗的にま
たは付加的に協同することができ、それにより毒性作用
を加えずに両薬物の治療効力を強化しそしてそれ故に治
療率を増加させ得る。
すなわち、式Iの化合物またはその薬学的に許容し得
る誘導体は併用療法で使用され得、そこでは2種の活性
成分は最適治療率をもたらす割合で存在する。これは、
ウイルス感染症に対する相乗効果によりおよび/または
付加的もしくは相乗的な治療効果の維持下での毒性の減
少により提供され得る。
最適治療率は2種の薬剤が500:1〜1:500、好ましくは
100:1〜1:100、より好ましくは20:1〜1:20そして特に好
ましくは10:1〜1:10の割合で存在する場合に観察され
る。
前記の併用は、必要とされる治療効果を達成するため
に、一緒にして例えば単一製剤で、または別々に例えば
同時にまたは相異なる時間に投与される錠剤と注射との
併用として都合よく投与され得る。
式Iの化合物はインターフェロン類、その他の抗ウイ
ルス剤例えばホスカルネット(foscarnet)、AZT、HIV
プロテアーゼ阻害剤、免疫調節剤、インターフェロンイ
ンデューサーおよび生長因子によって強化される。
特に好ましいタイプのインターフェロンはα、βおよ
びγ並びにインターフェロンインデューサー例えば“Am
pligen"(Hem Research社製)である。
本発明で使用するのに適したその他の併用には、第2
薬剤が例えばインターロイキンII、スラミン、ホスカル
ネットまたはそのエステル、HPA 23、HIVプロテアーゼ
阻害剤例えばペプスタチン、ステロイド類、リンパ球の
数を増加させそして/または適切に作用させる医薬例え
ばレバミソルもしくはチモシン、またはGM−CSFおよび
細胞機能を調節するその他の因子である併用がある。
製造方法 本発明化合物は、本発明のさらに別の特徴である下記
の一般的方法の1種によって製造され得る。
A.式Iの構成成分である非環状側鎖をプリン誘導体のN
−9位に縮合させる。該非環状側鎖は末端離脱基を有
し、その官能基はヒドロキシ、アミノまたはホスホネー
ト官能の保護に使用される知られた基で場合により保護
され得る。
上記の各反応種の適当な誘導体としてはR1′がClまた
は前述の定義を有するR1であり、R1、R2、R3、R4および
nが前述の定義を有しそしてWが適当な離脱基例えばC
l、Br、I、アルキルもしくはアリールスルホニルオキ
シ、トリフルオロメタンスルホニルオキシである誘導体
がある。この縮合反応は有機溶媒例えばジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、エタノール、アセトニ
トリル、ジクロロメタン等中で0℃〜150℃の温度で1
時間〜5日間実施されついで縮合後、生成物は当業者に
知られた慣用法によって式Iの化合物に加水分解または
変換され得る。
ホスホネートの場合、プリン塩基に縮合する側鎖は種
種の手法で製造され得る。一例として下記の反応式が挙
げられるが、その場合の出発物質5−(2−ブロモエチ
ル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサンはM.R.Harnden
and R.L. Jarvest,Tetrahedron Letters,Vol.26,pages
4265−4268,1985に記載されている。
B.置換されたピリミジン誘導体のイミダゾール閉環によ
るプリン塩基の形成およびそれに続く保護基の除去 (式中R1′、R2、R3およびR4は前述の定義を有し、R10
はニトロソ、ニトロ、アミノまたはアミノ誘導体例えば
ホルミルアミノまたはオルトエステルアミノである)。
閉環は知られた手法によって実施され得る(原則は例え
ばE.Lunt著“Comprehensive Organic Chemistry"(Eds.
D.Barton and W.B.Ollis,Pergamon Press 1979)vol.4,
p.499〜505およびG.Shaw著“Comprehensive Heterocycl
ic Chemistry"(Eds,A.R.Katritzsky and C.W.Reese,Pe
rgamon Press 1984)vol.5,p.570〜573に記載されてい
る。この反応は有機溶媒例えばギ酸、ホルムアミド、オ
ルトホルメートエステルまたはジエトキシメチルアセテ
ート中において25℃〜250℃の温度で10分〜24時間実施
され得る。R10がニトロソまたはニトロである場合、こ
れらの基は最初にいずれかの知られた手法によってアミ
ノ基に還元されなければならない。
C.フラザノ〔3,4−d〕ピリミジン環系によるイミダゾ
ール閉環でのプリン塩基の形成およびそれに続く保護基
の除去 (式中R2、R3およびR4は前述の定義を有する)。閉環
は、加熱し次に例えば酢酸中での亜鉛によってフラザン
を還元的に開裂することにより実施され得る。反応後、
プリンの6−NH2基は場合により、例えば酢酸中の亜硝
酸ナトリウムでの処理によってヒドロキシ基に変換され
得る。
D.ピリミジン閉環によるプリン塩基の形成およびそれに
続く保護基の除去 上記の閉環は例えばG.Show;“Comprehensive Heteroc
yclic Chemistry"(Eds.A.R.Katritzsky and C.W.Rees
e,Pergamon Press 1984)Vol.5,p.583〜591およびE.Lun
t;“Comprehensive Organic Chemistry"(Eds.D.Barton
and W.B.Ollis,Pergamon Press 1979)Vol.4,p.505〜5
08に記載された知られた手法によって実施され得る。記
載の手法A〜Dを使用することにより、光学異性体の混
合物または適当な場合には単一の光学異性体を得ること
ができる。光学異性体形態の本発明化合物は、A手法で
は光学活性の非環状側鎖をプリン誘導体のN−9位に縮
合させるかまたは別の光学活性化合物を用いて縮合によ
り直接光学異性体を形成させるかのいずれかにより製造
され得るし、そしてB〜D手法では光学活性側鎖を有す
る出発物質が閉環に付される。さらにラセミ混合物から
はそれ自体知られた手法によって単一の光学異性体が得
られる。
以下に本発明を実施例によりさらに説明する。
実施例 1 2−(2−アミノプリン−9−イル)メチルブタン−1,
4−ジオール tert.ブタノール(250ml)中に40℃で溶解した粗ジメ
チル(2−アミノプリン−9−イルメチル)スクシネー
ト(3.2g、10.9mmol)の溶液に水素化ホウ素リチウム
(1.3g、60mmol)を撹拌下で滴加した。周囲温度で1時
間経過後、水(30ml)を徐々に加え、一夜撹拌を続け
た。無機塩を過し、溶液を蒸発乾固させた。粗生成物
の収量は1.6g(50%)であった。シリカでのクロマトグ
ラフィー(クロロホルム+メタノール 7+1)により
純粋な生成物を得た。
1H NMR(DMSO−d6):δ31.4(m,2H) CH 2CH2OH;2.1
4(m,1H) CH;3.33(d,2H) CH−CH 2OH;3.44(拡散した
q,2H);4.05(ABXのAB部,2H) N−CH2;6.37(幅広のs,2
H) NH2;7.99(s,1H) H8;8.56(s,1H) H6。
13C NMR(D2O):δ33.11 CH2CH2OH;39.58 CH;46.34
NCH2;61.35および63.51 2×CH2OH;128.41 C5;146.92 C
8;150.48 C6;155.05 C4;161.50 C2。
出発物質のジメチル2−(2−アミノプリン−9−イ
ルメチル)スクシネートは下記(a,b)のようにして製
造された。
a)ジメチル2−(2−アミノ−6−クロロプリン−9
−イルメチル)スクシネート 乾燥ジメチルホルムアミド50ml中に入れた2−アミノ
−6−クロロプリン(4.07g、0.024mol)、イタコン酸
ジメチル(5.00g、0.032mol)および水素化ナトリウム
(油中55%、0.2g)の混合物を室温で3日間撹拌した。
水を約50ml加え、その混合物をn−ヘキサン(2×50m
l)で洗浄し次いでジクロロメタン(2×50ml)で抽出
した。合一したCH2Cl2抽出物を水(2×20ml)で洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥しついで真空中で蒸発し
た。エーテルで処理し次に乾燥して白色の結晶性生成物
を得た。クロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホル
ム+メタノール 15+1)により5.54g(71%)の、ま
たは再結晶(MeOH−H2O)により5.15g(66.1%)のジメ
チル2−(2−アミノ−6−クロロプリン−9−イルメ
チル)スクシネートを得た。
UVスペクトル(EtOH中),λmax(nm):310(247)。
1NMR(CDCl3) δ2.67(dd,2H) CH2COO;3.46(m,1
H) CH;3.70(2s,2x3H) OCH3;4.42(ABX系,Jgem=14
Hz,2H) NCH2;5.35(幅広のs,2H) NH2;7.79(s,1H)
H8。
b)ジメチル2−(2−アミノプリン−9−イルメチ
ル)スクシネート エタノール(200ml)中に入れたジメチル2−(2−
アミノ−6−クロロプリン−9−イルメチル)スクシネ
ート(3.28g、10mmol)、酢酸ナトリウム(1.5g)およ
び5%Pd/木炭(0.4g)の混合物をParr装置中で振とう
しながら40psiで115時間/室温において水素化した。
過後、酢酸ナトリウム(1.6g)および5% Pd/C(0.4
g)を加え、水素化を70時間続けた。過および蒸発乾
固の後に、残留物をクロロホルム(2×50ml)で抽出
し、次に合一した抽出物を蒸発乾固して粗製脱塩素化生
成物2.6g(89%)を得た。
1H NMR(DMSO−d6)δ8.00(s,1H) H8;8.56(s,1H)
H6。
実施例 2 2−(2−アミノプリン−9−イル)メチルブタン−1,
4−ジオールジアセテート N,N−ジメチルホルムアミド(20ml)中に入れた4−
アセトキシ−2−ブロモメチルブチルアセテート(0.46
5g、1.74mmol)、2−アミノプリン(0.282g、2.09mmo
l)および粉末状の炭酸カリウム(1.20g、8.70mmol)の
混合物を室温で5日間撹拌した。クロロホルム(40ml)
を加え、固形物質を過により除去し次に溶液を真空中
で蒸発して小容量にした。溶離剤としてクロロホルム+
メタノール(7+1)を用いてSiO2 50g上でクロマトグ
ラフィー処理してフラクション70〜130mlを得、それを
蒸発しついで最終的には0.1mBarで真空乾燥して2−
(2−アミノプリン−9−イル)メチルブタン−1,4−
ジオールジアセテート0.349g(62%)を得た。シリカで
のTLC(クロロホルム+メタノール 7+1):Rf 0.5
7。
1H NMR(CDCl3+CD3OD);δ8.64(s,1H) H6;7.92(s,
1H) H8;5.82(幅広のs,2H) NH2;4.3−4.15(m,4H)
2 CH2OAc;4.33((d,2H) CH2N;2.50(m,1H) CH;2.06
(s,6H) 2 CH3COO;1.75(q,2H) CH 2CH2OAc;13C NM
R(CDCl3+CD3OD):δ170.96, 170.66 (2 C=0);159.
89(C2) ;153.13(C4) ;148.77(C6) ;142.84(C8)
;126.83(C5) ;63.78(CHCH2−OAc) ;61.47(CH2 CH2
OAc) ;44.05(CH2N) ;35.15(CH) ;27.59(CH2CH
2O);20.22,20.05(2 CH3)。
出発物質は下記の反応順序(a〜e)で製造された。
a)α−トリチルオキシメチル−γ−ブチロラクトン α−ヒドロキシメチル−γ−ブチロラクトン(26.83
g、0.231mol)(G.Claeson and H.−G. Jonsson,Arkiv
fr Kemi 28,167(1967)参照)、トリチルクロライド
(77.3g、0.277mol)および乾燥ピリジン(200ml)の混
合物を室温で数時間、均一になるまで撹拌した。室温で
10日経過後にこの溶液を水500mlとn−ヘキサン500mlと
の混合物中に注いだ、沈殿を水およびヘキサンで洗浄
し、最終的には0.1mBarで乾燥して、いくらかのトリチ
ルアルコールで汚染された粗生成物65.60g(79%)を得
た。シリカでのTLC(酢酸エチル+n−ヘキサン 1+
3):Rf 0.38。
13C NMR(CDCl3):δ177.84(C=0);143.71,128.
68,127.96および127.20(フェニル);86.96(o CPH3);
67.26(CH2OCO) ;62.49(CH2OTr) ;40.31(CH);26.1
5(CH2CH2O)。
b)2−トリチルオキシメチル−1,4−ブタンジオール 乾燥テトラヒドロフラン(300ml)中に懸濁した水素
化アルミニウムリチウム(9.53g、0.251mol)の撹拌懸
濁液にα−トリチルオキシメチル−γ−ブチロラクトン
(60.21g、0.168mol)を少しずつ加え、その混合物を1
時間還流した。H2O 10ml+15% NaOH 10mlおよびH2O 30
mlを徐々に加えて白色の砂状沈殿を得、それを去しつ
いでテトラヒドロフラン(2×50ml)で洗浄した。液
を蒸発して小容量にし、ジエチルエーテル(300ml)中
に溶解し、シリカゲル(250g)を加え次にその混合物を
慎重に蒸発して均一の粉末を得た。クロマトグラフィー
カラム中で粗製生成物−シリカゲル混合物をn−ヘキサ
ン中のシリカゲル(250g)の頂上に入れた。酢酸エチル
+n−ヘキサン(1+3)2200mlで溶離してトリチルア
ルコールを除去した。さらに酢酸エチル+エタノール
(9+1)で溶離してフラクション2900〜3700ml(出発
から)を得、次いでそれを真空中での蒸発した後に結晶
化油状物を得た。収量52.77g(87%)。シリカでのTLC:
酢酸エチル+n−ヘキサン(1+3)、Rf 0.05;酢酸エ
チル+エタノール(9+1)、Rf 0.81。
c)2−トリチルオキシメチル−1,4−ブタンジオール
ジアセテート 乾燥ジエチルエーテル(500ml)中に入れた2−トリ
チルオキシメチル−1,4−ブタンジオール(50.85g、0.1
40mol)およびトリエチルアミン(42.6g、0.42mol)の
撹拌混合物に、エーテル(25ml)中に溶解したアセチル
クロライド(27.5g、0.35mol)の溶液を、この混合物中
で室温を維持するために冷水で外部冷却しながら徐々に
加えた。45分後トリエチルアミン塩酸塩を去し、少量
のエーテルで洗浄した。合一した液を水(50ml)、0.
5M塩酸(100ml)および水(50ml)で洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥しついで最終的には0.1mBarで真空中に
おいて蒸発して粗製の油状生成物61.03g(97%)を得
た。シリカでのTLC(酢酸エチル+n−ヘキサン 1+
1):Rf 0.68。
d)4−アセトキシ−2−ヒドロキシメチルブチルアセ
テート 2−トリチルオキシメチル−1,4−ブタンジオールジ
アセテート(60.90g、0.136mol)を酢酸(320ml)中に1
00℃で溶解し、水(80ml)を加えた。この溶液を100℃
で15分間保持し、真空中で蒸発して小容量にしついで0
℃に冷却した。沈殿を去し、冷酢酸エチルで洗浄して
トリチルアルコール26.44g(理論値35.51g)を得た。合
一した液を蒸発して小容量にした。この化合物をシリ
カゲルカラム(SiO2 500g)上で精製した。その際溶離
剤として酢酸エチル+n−ヘキサン(1+1)を用いて
フラクション0〜2700mlを得、酢酸エチル+n−ヘキサ
ン(2+1)次に酢酸エチルを用いて2700〜3740mlを得
た。フラクション2540〜4800mlを蒸発して純粋な4−ア
セトキシ−2−ヒドロキシメチルブチルアセテート14.2
0g(51%)を得た。シリカでのTLC(酢酸エチル+n−
ヘキサン1+1):Rf 0.30。
13C NMR(CDCl3):δ171.08,170.88(2 C=0);64.
07(CH2OH);62.10,61.45(2 CH2OAc;37.07(CH);26.7
6(CH2CH2OAc);20.39(2 CH3)。
e)4−アセトキシ−2−ブロモメチルブチルアセテー
ト 乾燥ジクロロメタン(150ml)中に溶解した4−アセ
トキシ−2−ヒドロキシメチルブチルアセテート(11.0
4g、0.054mol)およびトリフェニルホスフィン(21.27
g、0.081mol)の溶液を0℃で撹拌し、N−ブロモスク
シンイミド(14.43g、0.081mol)を少しずつ加えた。こ
の混合物を0℃で20時間保持し、蒸発して小容量にしつ
いで酢酸エチル+n−ヘキサン(1+1)50mlとともに
撹拌した。白色のトリフェニルホスフィンオキシドを
去し、酢酸エチル+n−ヘキサン(1+1)少量で洗浄
した。合一した液を蒸発し、SiO2 200gのカラム上で
溶離剤として酢酸エチル+n−ヘキサン(1+1)を用
いて精製した。250〜550mlフラクションを真空中で蒸発
して純粋の4−アセトキシ−2−ブロモメチルアセテー
ト11.90g(82%)を得た。シリカでのTLC(酢酸エチル
+n−ヘキサン1+1):Rf 0.59。
1H NMR(CDCl3):δ4.2−4.0(m,4H) 2 CH2OAc);
3.53(ABX系,2H) CH2Br;2.25−2.1(m,1H) CH;2.0
8,2.06(2s,2×3H) 2 COCH3;1.79(m,2H) CH 2CH2OA
c。
13C NMR(CDCl3):δ170.91,170.74(2 C=0);64.
90(CHCH2OAc);61.71(CH2 CH2OAc);36.56(CH);34.7
4(CH2Br);28.88(CH2CH2O);20.95(2CH3)。
実施例 3 9−(4−アセトキシ−2−アセトキシメチルブチル)
グアニン〔2−(グアニン−9−イルメチル)−1,4−
ブタンジオールジアセテート〕 9−(4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチルブチ
ル)グアニン(0.50g、2.0mmol)、無水酢酸(1.02g、1
0.0mmol)、ピリジン(1.11g、14.0mmol)および乾燥N,
N−ジメチルホルムアミド(25ml)の混合物を室温で13
日間撹拌しついで真空中で蒸発乾固した。結晶性残留物
を水10mlとともに加熱し、凍結乾燥しついで水から再結
晶して9−(4−アセトキシ−2−アセトキシメチルブ
チル)グアニン0.468g(69%)を得た。
13C NMR(CDCl3+CD3OD):δ64.15(CHCH2O);61.98
(CH2 CH2O);44.71(CH2N);35.88(CH);27.95(CH2CH
2O);20.87,20.68(2 CH3)。
実施例 4 9−(4−プロピオノキシ−2−プロピオノキシメチル
ブチル)グアニン〔2−(グアニン−9−イルメチル)
−1,4−ブタンジオールジプロピオネート〕 9−(4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチルブチ
ル)グアニン(0.50g、2.0mmol)、無水プロピオン酸
(1.56g、12.0mmol)、ピリジン(1.27g、16.0mmol)お
よび乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(25ml)の混合物
を室温で14日間撹拌し次に真空中で蒸発乾固した。結晶
性残留物を水10mlとともに加熱し、凍結乾燥しついで水
から再結晶して9−(4−プロピオノキシ−2−プロピ
オノキシメチルブチル)グアニン0.418g(57%)を得
た。
13C NMR(CDCl3+CD3OD):δ64.00(CHCH2O);61.86
(CH2 CH2O);44.78(CH2N);35.95(CH);28.00(CH2CH
2O);27.56,27.44(2 CH3 CH2CO);9.00(2 CH3)。
実施例 5 (−)−9−(4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル
ブチル)グアニン 50%ギ酸水溶液(0.75ml)中に溶解した(−)−2−
(2−アミノ−6−クロルプリン−9−イルメチル)−
1,4−ブタンジオール(11.5mg、0.0423mmol)の溶液を1
00℃/2時間保持し次に蒸発乾固し、水2ml中に溶解しつ
いで凍結乾燥した。生成物を水1ml中に溶解し、濃アン
モニア水溶液2滴を加え、その溶液を100℃で10分間保
持し、窒素をフラッシュしてアンモニアを除去しついで
凍結乾燥した。残留物を、20%メタノール水溶液1.2ml
との加温により溶解し、溶液を過しついで戸外に保持
して溶媒を一部分徐々に蒸発させた。結晶性の針状物が
得られた。過し、水3滴で洗浄しついで乾燥して
(−)−9−(4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル
ブチル)グアニン6.4mg(60%)を得た。
この化合物は左旋性であることが見出された(エタノ
ール、589および546nm)。それはラセミ混合物の場合と
同一のプロトンNMR(DMSO−d6)を示した。シリカでのT
LC(酢酸エチル+メタノール+水 7+2+1):Rf
0.37;ラセミ化合物のRfと同一。
出発物質は下記(a〜b)のようにして製造された。
a)(−)−ジメチル−2−(2−アミノ−6−クロロ
プリン−9−イルメチル)スクシネート ラセミ化合物を、移動相として95%エタノールを用い
ての微結晶性トリアセチルセルロースカラム(Perstorp
Biochem,Lund,Sweden)上での反復クロマトグラフィー
により分割した。より遅く移動する(−)−エナンチオ
マーはラセミ化合物(±)の場合と同一のプロトンNMR
スペクトルをもたらした。分割に続いて、キラルシフト
試薬としてトリス−〔3−(ヘプタフルオロプロピルヒ
ドロキシメチレン)−d−カンホレート〕−ユウロピウ
ム(III)を用いて200MHzでジューテロクロロホルム中
においてプロトンNMRを実施した。1〜1.5部(重量)の
シフト試薬の添加により、ラセミ化合物のメチルエステ
ルシグナル(3.69ppmおよび3.695ppmでの2個の近接シ
グナル)は分裂されて1つの、基線分離された低場対お
よび1つの、より少なく分割された高場対になった(低
場シグナルは(+)−エナンチオマーから、高場シグナ
ルは(−)−エナンチオマーから)。次にエナンチオマ
ーの過剰量を低場シグナルの割合から計算した。
b)(−)−2−(2−アミノ−6−クロロプリン−9
−イルメチル)−1,4−ブタンジオール tert.ブタノール(2.0ml)中に40℃で溶解した(−)
−ジメチル−2−(2−アミノ−6−クロロプリン−9
−イルメチル)スクシネート(エナンチオマー過剰85
%;19.9mg、0.0607mmol)の溶液に水素化ホウ素リチウ
ム(30mg、1.38mmol)を撹拌下で滴加した。周囲温度で
1時間経過後、水(0.3ml)を徐々に加えついで一夜撹
拌を続けた。無機塩を過し、tert.ブタノールで慎重
に洗浄しついで溶液を蒸発乾固した。移動相としてクロ
ロホルム+メタノール(5+1)を用いる調製用薄層ク
ロマトグラフィー(PSC−Fertigplatten,Merck)によっ
て(−)−2−(2−アミノ−6−クロロプリン−9−
イルメチル)−1,4−ブタンジオール16.5mg(理論収
率)を得た。
▲〔α〕200 D▼−5.20°、▲〔α〕20 546▼ −5.92
°(c 0.625、エタノール)。シリカでのTLC(クロロホ
ルム+メタノール 5+1):Rf 0.40;ラセミ化合物の
Rfと同一。
実施例 6 9−(4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチルブチル)
アデニン ジメチル2−(アデニン−9−イルメチル)スクシネ
ート(2.93g、0.010mol)をtert.−ブタノール(120m
l)とともに加温することにより溶解し、水素化ホウ素
リチウム(1.10g、0.05mol)を滴加し、その混合物を周
囲温度で3時間撹拌し、水(10ml)を加えついで一夜撹
拌を続けた。無機物質を去し、tert.−ブタノールで
洗浄しついで液を蒸発して小容量にした。シリカでの
クロマトグラフィー(酢酸エチル+メタノール+水 7
+2+1)によって純粋な9−(4−ヒドロキシ−2−
ヒドロキシメチルブチル)アデニンが得られた。
13C NMR(DMSO−d6):δ156.24(C6);152.67(C
2);150.14(C4);141.84(C8);118.88(C5);61.18,5
8.92(2 CH2OH);44.81(CH2N);38.36(CH);32.02(C
H2CH2OH)。
出発物質は下記のようにして製造された。
ジメチル2−(アデニン−9−イルメチル)スクシネー
ト アデニン(5.40g、0.40mol)、イタコン酸ジメチル
(8.00g、0.051mol)、水素化ナトリウム(油中55%、
0.2g)および乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(125ml)
の混合物を120℃に加温しついで撹拌下で8日間室温に
保持した。沈殿を過し、ジクロロメタン(3×15ml)
で洗浄しついで真空乾燥してジメチル2−(アデニン−
9−イルメチル)スクシネート8.96g(76%)を得た。
1H NMR(CDCl3);δ8.28(s,1H) H2;7.90(s,1H)
H8;4.54(ABX系 2H) CH2N;3.70,3.69(2 s,2×3H)
OCH3;3.46(m,1H) CH;2.72(d,2H) CH2COO。
13C NMR(CDCl3+CD3OD):δ172.39,171.42(2 C=
0);155.61(C6);152.91(C2);149.87(C4);141.01
(C8);118.85(C5);52.37,51.94(OCH3);44.10,(CH
2N);41.55(CH);33.30(CH2COO)。
実施例 7 ナトリウムエチル3−(グアニン−9−イルメチル)−
4−ヒドロキシブタンホスホネートおよび7異性体 2−アミノ−6−クロロ−9−〔(2−エトキシ−2
−オキソ−1,2−オキサホスホリナン−5−イル)−メ
チル〕プリン(VSC 655)およびその7異性体(100mg、
0.29mmol)をエタノール(4ml)、水(4ml)および2M水
酸化ナトリウム水溶液(0.90mmol)中に溶解して37℃で
18時間保持した。この溶液を、弱酸性アンバーライト陽
イオン交換樹脂の添加により中和し、過しついで蒸発
乾固して粗製生成物113mg(定収量)得た。
1H NMR(D2O,tert BuOH,200MHz):δ8.01および7.79
(s,8H,7および9異性体);4.03(m,CH2N);3.78(5重
線,CH2OP);3.50(d,CH2OH);2.05および1.6−1.3(m,
PCH2CH2CH);1.12(t,CH3C-O-P)。
13C NMR(D2O,tert.BuOH,50MHz):δ161.81、160.4
7,154.12、145.5,142.13,114.55,61.74/61.42(CH2O
P);45.35および45.15(CH2N);42.25/41.91(CH);25.
59,22.89;16.83(CH3C-O-P)。
実施例 8 ジナトリウム3−(グアニン−9−イルメチル)−4−
ヒドロキシブタンホスホネート エタノール(2ml)、水(2ml)および2M水酸化ナトリ
ウム水溶液(1.0ml、2mmol)中に溶解した2−アミノ−
6−クロロ−9−〔(2−エトキシ−2−オキソ−1,2
−オキサホスホリナン−5−イル)メチル〕プリン(VS
C 655;102mg、0.295mmol)の溶液を80℃で3日間保持
し、弱酸性アンバーライト陽イオン交換樹脂の添加によ
り中和し、過しついで蒸発乾固してジナトリウム3−
(グアニン−9−イルメチル)−4−ヒドロキシブタン
ホスホネートを得た。
実施例7および8のための出発物質は下記のようにし
て製造された。
2−(アセトキシメチル)−4−ブロモブチルアセテー
上記中間体は文献記載の操作に従って4−(アセトキ
シ)−3−(アセトキシメチル)ブタノールから合成さ
れた。シリカでのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸
エチル+n−ヘキサン 1+1)の後に97%収率が得ら
れた。
TLC Rf 0.67(SiO2、酢酸エチル+n−ヘキサン 1
+1)。
13C NMR(CDCl3,TMS,50MHz): δ 170.30(COO);63.
44(CH2O);36.27(CH);31.67(Br−CH2);30.29(Br
−C−CH2);20.51(CH3)。
ジエチル4−アセトキシ−3−(アセトキシメチル)ブ
タンホスホネート トリエチルホスファイト(2.70g、16.3mmol)を2−
(アセトキシメチル)−4−ブロモブチルアセテート
(VSC 647,3.95g、14.8mmol)を撹拌下、80〜190℃で加
え、190℃で0.5時間撹拌を続けた。残留物を真空中で蒸
発し、約0.1mB.で保持した。酢酸エチル+エタノール
(9+1)を用いたシリカでのフラッシュクロマトグラ
フィーにより生成物3.36g(70%)を得た。
TLC Rf 0.57(SiO2,酢酸エチル+エタノール 9+
1)。
13C NMR(CDCl3,TMSD,50MHz): δ 170.37(COO);6
3.22(CH2OAc);61.30/61.18(CH2OP,J 6 Hz);37.58/3
7.27(CH,J 16 Hz);24.11/21.29(CH2-C-P,J 142Hz);
20.97/20.90(CH2P J 4 Hz);20.46(CH3COO);16.20/1
6.08,J 6 Hz. (2−エトキシ−2−オキソ−1,2−オキサホスホリナ
ン−5−イル)メタノール(ラセミのシス−トランス混
合物) エタノール中に溶解したナトリウムエトキシドの0.5
モル溶液16ml中にVSC648(1.05g;3.24mmol)を溶解し
た。この溶液を50℃に加温し次に37℃で2時間保持し
た。真空中での蒸発乾固後に残留物を酢酸エチルで抽出
しついで溶離剤として酢酸エチル+エタノール(9+
1)を用いてのフラッシュクロマトグラフィーにより精
製した。0.462g(74%)のVSC 650が0.36/1.00に異性体
(シス−トランス)割合で得られた。
TLC Rf 0.26(SiO2,酢酸エチル+エタノール 9+
1)。
13C NMR(CDCl3,TMS,50 MHz):主異性体−副次異性
体:δ 72.22/72.08−70.64/70.52(環中のCH2O,J 6H
z);62.18−63.64(CH2OH);60.81/60.69−61.35/61.23
(CH2−O−P,J 6 Hz);38.87/38.75−37.39/37.27(C
H,J 6 Hz);24.69/24.52−23.35/23.18(CH2-P,J 8H
z);23.06/20.48−21.38/18.80(CH2−C−P,J 129 H
z);16.25/16.15(CH3−C−O−P,J 5 Hz)。
5−(ブロモメチル)−2−エトキシ−2−オキソ−1,
2−オキサホスホリナン(ラセミのシス−トランス混合
物) ジクロロメタン40ml中に溶解した2−エトキシ−2−
オキソ−1,2−オキサホスホリナン−5−イル)メタノ
ール(VSC 650、1.944g、10mmol)およびトリフェニル
ホスフィン(3.97g、15mmol)の撹拌氷冷溶液に滴加
し、4℃で16時間撹拌を続けた。真空蒸発後、ジエチル
エーテル(50ml)を加えついでその混合物を振とうし、
激しく撹拌した。結晶化したトリフェニルホスフィンオ
キシドを過により除去しついでいくつかに分けたエー
テルで洗浄した。合一した抽出物を蒸発乾固し、酢酸エ
チル+エタノール(9+1)を用いてのシリカでのフラ
ッシュクロマトグラフィーにより精製した。1.569g(61
%)のVSC654が0.7/1.0のシス−トランス比で得られ
た。TLC Rf 0.57(SiO2酢酸エチル+エタノール 9+
1)。
13C NMR(CDCl3,TMS,50 MHz,主異性体−副次異性
体):δ71.76/71.61(環中のCH2O,J 6 Hz);60.74/60.
62−61.20/61.08(CH2−O−P,J 16 Hz);37.56/37.44
−37.10/36.98(CH,J 6 Hz);32.13/31.67(CH2Br);2
6.66/26.49−25.37/25.23(CH2P,J 7 Hz);22.60/20.02
−20.90/18.32(CH2−C−P,J 129.4 Hz);16.13/16.01
(CH3−C−O−P,J 6.1 Hz)。
2−アミノ−6−クロロ−9−〔(2−エトキシ−2−
オキソ−1,2−オキサホスホリナン−5−イル)メチ
ル〕プリンおよび7異性体 5−(ブロモメチル)−2−エトキシ−2−オキソ−
1,2−オキサホスホリナン(VSC 654;0.353g、1.82mmo
l)、2−アミノ−6−クロロプリン(0.50g、2.95mmo
l)、無水炭酸カリウム(0.50g、3.62mmol)およびDMF
(15ml)の混合物を室温で7日間撹拌した。クロロホル
ム(30ml)を加え、過後に溶液を真空中で蒸発して小
容量にした。残留物をシリカでのフラッシュクロマトグ
ラフィー(クロロホルム+メタノール 5+1)により
精製した。0.282g(45%)がシス−トランスおよび7−
9異性体混合物として得られた。
TLC(SiO2,クロロホルム+メタノール 5+1):7
および9異性体それぞれについてのRf=0.74および0.6
8。
1H NMR(CDCl3,TMS,200 MHz):δ7.80および7.76
(s,H8,7および9異性体);5.4(幅広のs,NH2);4.3−
4.1(m,CH2OP);4.02(d,CH2N);2.5−2.4および2.1−
1.7(m,CHCH2CH2P);1.37(dt,CH3−COP)。
13C NMR(CDCl3,TMS,50 MHz):δ159.38(C2);153.
93(C4);143.50(C8);70.91/70.79−69.94/69.79(環
中のCH2O,J 7 Hz);61.79−61.45(2 d,CH2−O−P,J 7
Hz);44.35および43.25(CH2N);36.68/36.56−35.05/
34.93(CH,J,6 Hz);25.88/25.74−24.18/24.04(CH2P,
J 7 Hz);22.09/20.41−21.16/18.59(CH2−C−P,J 12
9 Hz);16.59/16.47(CH3−C−O−P,J 6 Hz)。
薬理試験 試験I H9細胞中のHIVに及ぼす式Iの化合物の効果材
料および方法:H9細胞のHIV感染 10%胎児子牛血清、100μg/mlのペニシリン、10μg/m
lのストレプトマイシンスルフェートおよび2μg/mlの
ポリブレンを含有する2mlのRPMI−培地中に懸濁させた2
4個のウエルプレート上のH9細胞すなわち1ウエル当た
り105個の細胞をHIV(HTLV−IIIB)および異なる濃度の
供試化合物にさらす。各プレートを5%CO2中において3
7℃で6〜7日間培養する。次に各ウエル中の内容物を
ピペットで均質にし、遠心分離管に移す。1500rpmで10
分間遠心分離した後に上澄液を除去し、細胞ペレット
を、ガラスプレート上でメタノール中に固定することに
より分析する。1:80または1:160に希釈したヒトHIV陽性
血清を加え、37℃で30分間培養する。次にプレートを、
Ca2+およびMg2+を含有するりん酸塩緩衝塩水(PBS)で
洗浄する。ヒツジの抗ヒト複合物(FITC)を加え、新た
な培養後にプレートを再びPBSで洗浄する。エバンズ青
を用いて対比染色を行いそして乾燥後に、HIV抗原を含
有する細胞の頻度を顕微鏡で測定する。試験結果は下記
表Iに示すとおりである。
上記表Iは試験した化合物がHIVウイルス増殖の活性
阻止剤であることを示している。
試験II 細胞毒性 10%胎児子牛血清、70mg/lのペニシリン、100mg/lの
ストレプトマイシンおよび10mM HEPESを含有するRPMI−
1640培地中において供試化合物の不在または存在下でH9
細胞すなわちプレート当たり2×107個の細胞を培養す
る。プレート当たりの細胞の数を48時間後に測定する。
供試化合物の不在下で培養した細胞は2回の細胞分裂周
期を経た。
ヒト胎内細胞であるF5000細胞すなわちプレート当た
り1×105個の細胞を、イーグル塩、非必須アミノ酸、1
0%胎児子牛血清、10mM HEPES、70mg/lのペニシリンお
よび100mg/lのストレプトマイシンを補給したイーグル
最少必須培地中において、供試化合物の不在または存在
下で培養する。プレート当たりの細胞の数を48時間後に
測定する。供試化合物の不在下で培養した細胞は細胞分
裂周期を1回経た。結果は、化合物の濃度が100μMま
たは250μMである場合における細胞増殖の阻止%とし
て示されている。
上記表IIは、毒性を示す各化合物の濃度が表Iに記載
のHIV増殖の50%阻止に必要とされる濃度を遥かに越え
ていることを示している。
試験III 経口バイオアベイラビリティー 経口バイオアベイラビリティーは、動物(カニクイザ
ルおよびラット)に別々の機会に各化合物を静脈内およ
び経口投与することにより測定された。血漿中の薬物レ
ベルを測定するために、適当な間隔の後に血液試料を採
取した。次に適当な薬理動力学的計算を、時間関係に対
する血漿濃度に基づいて実施した。
上記表からVSA 671の血漿濃度は、VSA 671が6−デオ
キシプロドラッグ(VSB 212)、およびエステル(VSC 6
40、VSC 641)または6−デオキシプロドラッグのエス
テル(VSC 610)として投与された後にいかに有意に増
加するかが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 473/34 321 C07D 473/34 321 C07F 9/547 C07F 9/547 9/6524 9/6524 (72)発明者 オヨーベルイ,ボー・フレドリーク スウエーデン国エス‐752 52 ウプサ ラ.アスクヴエイエン27 (56)参考文献 特開 昭61−171481(JP,A) 特表 昭61−500730(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 473/02,473/18 C07D 473/34,473/26 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の式 〔式中、 R1は水素、ヒドロキシ、メルカプトまたはアミノであ
    り; R2は水素、ヒドロキシ、フルオロ、クロロまたはアミノ
    であり; R3およびR4は独立して アミノ、ヒドロキシまたはそのエーテルもしくはエステ
    ル残基から選択されるか、または R3はR4と一緒になって を示し、ここでMは水素または薬学的に許容し得る対イ
    オンであり;そして nは1または2である〕 の化合物またはその薬学的に許容し得る塩からなるHIV
    ウイルスによって生起される感染症の治療のための抗ウ
    イルス剤。
  2. 【請求項2】化合物(I)が光学異性体形態の請求項1
    記載の抗ウイルス剤。
  3. 【請求項3】エーテル残基としてのR3およびR4がOR5
    して定義されそしてR5がC1〜6アルキル、場合により
    1個以上のアルコキシ、アミノ、ニトリルまたはスルフ
    ァミド基または1個以上のハロゲン原子で置換されたア
    リールアルキルである請求項1または2記載の抗ウイル
    ス剤。
  4. 【請求項4】エステル残基としてのR3およびR4が、カル
    ボン酸R6COOH、炭酸R7OCOOH、炭酸の二重エステルR7CO2
    CH(R8)OCO2H、スルホン酸R7SO2OH、カルバミン酸R7NHCO
    OH(ここで、R6は水素、C1〜17アルキル、アルコキシ
    アルキル、アリールアルキルまたはアリールであり、R7
    はC1〜17アルキル、アリールアルキルまたはアリール
    であり、R8は水素またはC1〜3アルキルでありそして
    該アリールおよびアリールアルキル基は場合により1個
    以上のアルキル、アルコキシ、アミノ、ニトリル、スル
    ホンアミド基または1個以上のハロゲン原子で置換され
    得る)またはりん酸から誘導される請求項1〜3のいず
    れかに記載の抗ウイルス剤。
  5. 【請求項5】R1がヒドロキシでR2がアミノである請求項
    1〜4のいずれかに記載の抗ウイルス剤。
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