JP2861593B2 - 基準電圧発生回路 - Google Patents

基準電圧発生回路

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JP2861593B2
JP2861593B2 JP4038521A JP3852192A JP2861593B2 JP 2861593 B2 JP2861593 B2 JP 2861593B2 JP 4038521 A JP4038521 A JP 4038521A JP 3852192 A JP3852192 A JP 3852192A JP 2861593 B2 JP2861593 B2 JP 2861593B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、定電圧回路において基
準電圧の発生に用いられ基準電圧発生回路に係り、特に
バイポーラトランジスタで構成される基準電圧発生回路
に関する。
【0002】
【従来の技術】バイポーラトランジスタで構成される基
準電圧発生回路は、従来、ワイドラー(Widlar)の提案
に係るWidlar bandgap voltage reference(図7)が有
名であり、実用に供されている。以下を図7を参照して
概要を説明する。
【0003】図7において、トランジスタQ73のベー
ス・エミッタ間電圧をVBE、トランジスタQ71と同Q
72のVBEの差電圧をΔVBEとすると、この基準電圧発
生回路の出力電圧VREF は、数式1で表せる。なお、差
電圧ΔVBEは、ボルツマン定数k、絶対温度T、単位電
子電荷q、トランジスタQ71の電流密度J1 、トラン
ジスタQ72の電流密度J2 を用いて数式2と表せる。
【0004】
【数1】
【0005】
【数2】
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の基準電
圧発生回路では、定電流源Iと制御トランジスタQ73
を必要としているので、回路規模が大きくなりがちであ
る。また、トランジスタの電流密度比が温度で変化する
ので、図8に示すように、出力基準電圧VREF は温度特
性を持つ、等の問題がある。
【0007】本発明の目的は、回路規模を小さくでき、
かつ、温度特性の優れた基準電圧発生回路を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の基準電圧発生回路は次の如き構成を有す
る。即ち、第1発明の基準電圧発生回路は、エミッタ面
積が異なる2つのバイポーラトランジスタと; 前記2
つのバイポーラトランジスタのそれぞれを異なる電流値
で駆動するカレントミラー回路と; を備え、前記2つ
のバイポーラトランジスタの相互間ではエミッタ面積の
小さい一方のトランジスタのコレクタとエミッタ面積の
大きい他方のトランジスタのベースとが共通接続される
と共に; 一方のトランジスタは、ベースが第1の抵抗
を介して前記カレントミラー回路の電流値の大きい一方
の電流出力端に接続され、コレクタが第2の抵抗を介し
てベースに接続され; 他方のトランジスタは、コレク
タが前記カレントミラー回路の電流値の小さい他方の電
流出力端に接続され; 出力端子を前記第1の抵抗と前
記カレントミラー回路の一方の電流出力端との接続端に
設けてある; ことを特徴とするものである。
【0009】
【0010】
【作用】次に、前記の如く構成される本発明の基準電圧
発生回路の作用を説明する。本発明では、エミッタ面積
が異なる、つまり、ベース・エミッタ間電圧を異ならせ
た2つのバイポーラトランジスタのそれぞれを異なる電
流値で駆動する。その結果、回路規模を小さくでき、か
つ、温度特性を良好にできる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は、本発明の第1実施例に係る基準電圧発生
回路を示す。図1において、この基準電圧発生回路は、
接地側に設けられる2個のnpnバイポーラトランジス
タ(Q1、Q2)と、直流電源VCC側に設けられる2個
のnpnバイポーラトランジスタ(Q3、Q4)とで基
本的に構成される。図7の従来例回路に比べ回路が大幅
に簡略化されるのである。
【0012】Q1とQ2は、エミッタ面積が異なるもの
で、その比はQ1:Q2=1:K1である。Q1のコレ
クタとQ2のベースとは共通接続される。そして、Q1
は、エミッタが直接接地され、ベースが(第1の)抵抗
R1を介してQ3のコレクタに接続され、コレクタが
(第2の)抵抗R2を介して抵抗R1に接続される。つ
まり、ベースとコレクタ間は抵抗R2を介して接続さ
れ、コレクタは抵抗R2と同R1の直列回路を介してQ
3のコレクタに接続される。また、Q2は、エミッタが
直接接地され、コレクタがQ4のコレクタに接続され
る。そして、抵抗R1とQ3のコレクタとの接続端に出
力端子が設けられ、ここから出力基準電圧たるVREF
取り出される。
【0013】また、Q3とQ4はエミッタ面積が異なる
もので、その比はQ3:Q4=K2:1である。両者は
エミッタが直流電源VCCに共通接続され、ベース同士が
共通接続される。そして、Q4ではベースとコレクタが
直接接続される。要するに、Q3とQ4は、周知のカレ
ントミラー回路を構成し、K2 :1の電流比でQ1とQ
2を駆動するのである。
【0014】次に、図1において、Q1のコレクタに接
続される抵抗R2を省略し、つまり、Q1のベースとコ
レクタとを直接接続し、その抵抗R2を第3の抵抗とし
てQ2のエミッタとアース間に移設しても良い。即ち、
図2の構成とするのである。
【0015】そして、この基準電圧発生回路は、pnp
トランジスタを用いても構成でき、図1に対応する回路
は図3となり、図2に対応する回路は図4となる。以
下、図1を参照して動作を説明する。
【0016】Q1のベース・エミッタ間電圧VBE1 とQ
2のベース・エミッタ間電圧VBE2との差電圧をΔVBE
とすると、出力基準電圧VREF は数式3で表せる。
【0017】
【数3】
【0018】そして、Q3とQ4からなるカレントミラ
ー回路の電流比はK2 :1であるので、Q1のコレクタ
電流I1 とQ2のコレクタ電流I2 とは、I1 =K2
2 と関係付けられる。従って、差電圧ΔVBEは数式4で
表せる。
【0019】
【数4】
【0020】この数式4においてIS1とIS2は飽和電流
であるが、両者は、Q1とQ2のエミッタ面積比がK
1 :1であるので、K1S1=IS2と関係付けられる。
従って、数式3で示した出力基準電圧VREF は数式5と
求まる。
【0021】
【数5】
【0022】ここで、良く知られているように、ベース
・エミッタ間電圧VBE1 は、−2mV/deg 程度の温度特
性を持ち、kT/qは3333 ppm/deg の温度特性を
持つ。また、抵抗R1と同R2それぞれの温度特性が等
しければ、抵抗比(R1/R2)は、温度特性を持たな
い一定値とみなせる。
【0023】従って、出力基準電圧VREF の温度特性
は、数式5を温度で微分して求めるが、VBE1 ≒ 0.6V
のときにVREF ≒ 1.2Vとすれば、温度特性がほぼ零と
なることが解る。このとき(R1/R2)ln(K12)
=23.08 と求まる。また、K1とK2 はエミッタ面積比
であるので、何れも温度特性を持たない。上述した内容
を、さらに詳述すれば、次のようである。 即ち、V BE1
≒ 0.6Vのときに、通常、V REF ≒ 1.2Vが得られる。
このことは、前述した数式5の右辺の第2項であるR 1
/R 2 ・kT/q・l n (K 1 2 )がほぼ 0.6Vとなるこ
とを意味する。抵抗比R 1 /R 2 は温度特性を持たず、
またK 1 2 も何れも温度特性を持たず、従って温度特
性に寄与するのは、前述したkT/qのみである。
で、kT/qは、3333ppm/degの温度特性を有
し、依って、前述した0.6Vによる温度特性の具体的数
値は、 0.6V× 3333 ppm/deg=2mv/deg
として得られ、このことは、数式5におけるV BE1 の温
度特性である−2mV/degと相殺され、この結果V
REF の温度特性がほぼ零となることが解る。 尚、常温で
は、kT/q=26mVとなり、これから、R 1 /R 2
n (K 1 2 )= 0.6V/26mV=23.08 と求まる。R 1
2 及びK 1 2 の値は、この数値に基づいて適宜設定さ
れる。
【0024】それ故、数式5で示される出力基準電圧V
REF の温度特性のずれは、VBE1 の温度特性の直線性が
良いので、非常に小さくなる。図5(入出力特性図)と
図6(温度特性図)は測定データであるが、非常に優れ
た温度特性が得られていることが理解できる。なお、測
定は、Q1とQ2に2SC2785を用い、Q3とQ4
に2SB810を用い、R1=8KΩ、R2=500
Ω、K1 =5、K2 =1として行った。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の基準電圧
発生回路によれば、エミッタ面積が異なる、つまり、ベ
ース・エミッタ間電圧を異ならせた2つのバイポーラト
ランジスタのそれぞれを異なる電流値で駆動する。その
結果、回路規模を小さくでき、かつ、温度特性を良好に
できる基準電圧発生回路を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る基準電圧発生回路の
回路図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る基準電圧発生回路の
回路図である。
【図3】本発明の第3実施例に係る基準電圧発生回路の
回路図である。
【図4】本発明の第4実施例に係る基準電圧発生回路の
回路図である。
【図5】本発明の基準電圧発生回路の入出力特性図であ
る。
【図6】本発明の基準電圧発生回路の温度特性図であ
る。
【図7】従来の基準電圧発生回路の回路図である。
【図8】従来の基準電圧発生回路の温度特性図である。
【符号の説明】
1 エミッタ面積比 K2 エミッタ面積比 Q1〜Q4 バイポーラトランジスタ R1 抵抗 R2 抵抗 VCC 直流電源 VREF 出力基準電圧

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エミッタ面積が異なる2つのバイポーラ
    トランジスタと前記2つのバイポーラトランジスタの
    それぞれを異なる電流値で駆動するカレントミラー回路
    とを備え、前記2つのバイポーラトランジスタの相互間
    ではエミッタ面積の小さい一方のトランジスタのコレク
    タとエミッタ面積の大きい他方のトランジスタのベース
    とが共通接続されると共に一方のトランジスタは、ベ
    ースが第1の抵抗を介して前記カレントミラー回路の電
    流値の大きい一方の電流出力端に接続され、コレクタが
    第2の抵抗を介してベースに接続され他方のトランジ
    スタは、コレクタが前記カレントミラー回路の電流値の
    小さい他方の電流出力端に接続され出力端子を前記第
    1の抵抗と前記カレントミラー回路の一方の電流出力端
    との接続端に設けてあることを特徴とする基準電圧発生
    回路。
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