JP2854241B2 - 調理器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、調理器における扉の
構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図１、図２に従来の加熱調理器の扉構造
を示す。図１は扉を調理器本体側（裏側）から見た斜視
図を示し、図２は第１図の軸部の分解拡大図を示す。図
において、１は縦開き式の扉で、図示しない調理器本体
内部の加熱室前方開口を覆うように配置され、下端部を
支点に開閉されるよう構成されている。該扉１は、表側
に配置される前板２と、調理器本体側（裏側）に配置さ
れる後板３と、前記扉１の中央部に配置され、前記加熱
室内部を覗き見るための窓ガラス４とから構成されてい
る。５は枠片で、前記前板２の四辺を後方に折曲するこ
とで形成され、該枠片５の左右下端部には後述する支持
軸６が挿入される孔７が設けてある。８は前記後板３の
四辺を前記前板２の前記枠片５内側に内嵌する折曲片
で、前記後板３の四辺を前方に折曲することで構成され
る。そして、該折曲片８の左右下端部の前記孔７に対応
する位置には、一段下がった凹部９が形成されている。
６は前記扉１を調理器本体に軸支する支持軸で、頭部１
０と軸１１とからなり、前記軸１１を前記枠片５の内側
から前記孔７に貫通させることで前記扉１の外方に突出
させるとともに、前記頭部１０を、前記後板３の凹部９
に当接させるように配置し、該支持軸６が孔７から抜け
出さないように構成されている。そして、前記扉１はこ
の支持軸６を介して調理器本体に開閉自在に固定されて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の調理器の扉構造によると、扉の軸を構成する
部品が別部品となっている為、組立作業性が悪く、部品
点数が多いことからコスト高となる問題を有していた。
又、支持軸は枠片の孔と、折曲片の凹部によって、軸お
よび頭部がそれぞれ固定されているのみであって、支持
軸の扉への固定が確実でないため、ガタつきが生じやす
く、その結果として扉の開閉動作がスムーズに動作しな
いという欠点を有していた。

【０００４】この発明は上記の問題点に鑑みて行ったも
ので、簡単な構成で扉の支持軸を確実に固定でき、扉の
開閉動作がスムーズにおこなえる調理器を提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明では、本体内に
設けた被加熱物を調理する加熱室と、該加熱室の前方に
設けられ、前記被加熱物を出し入れするための開口部
と、前記本体に開閉自在に軸支し前記開口部を覆う扉と
からなる調理器において、前記扉は四辺を折曲した枠片
を有する前板と、この前板の前記枠片内側に装着された
後板とからなり、前記後板の四辺を前記枠片内に装着さ
れる折曲片を一体に設けるとともに、前記後板の前記折
曲片のうち一辺の折曲片両縁部には、前記後板の側縁よ
りも外方に突出して一体に延設された軸部が形成され、
前記扉は前記軸部を介して前記本体に軸支した。

【０００６】

【作用】本発明の調理器の扉構成によれば、扉を構成し
ている後板に一体に軸部を延設する構成としたことによ
り、別部品を用いずに軸部を形成することができ、組立
作業性が非常に良くなる。また、扉を構成している後板
の一部を利用して軸部としているため、軸部にガタつき
が生じるおそれはなく、扉の開閉動作がスムーズにおこ
なえる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基ずいて説明
する。尚、図１、図２に示したものと同一構成のものは
同一記号を付して説明する。

【０００８】図３は本発明のオーブントースターを示す
全体斜視図で、１２はオーブントースター本体、１３は
天井を構成する天板、１４は側壁である。前記本体１２
の内部には被加熱部を収容し、図示しないヒータによっ
て被加熱物を加熱する加熱室１５が形成されるととも
に、この加熱室１５の側方に前記ヒータへの通電時間を
制御するタイマー１６等を収容する部屋１７が形成され
ている。前記加熱室１５の内部には図示しない網皿が配
置され、前記加熱室前方に形成された開口１８を通じて
被加熱物が前記網皿に載置され、ヒータ加熱される。そ
して、前記加熱室１５の開口部１８の正面には該開口を
開閉するための縦開き式の扉１が設けられている。

【０００９】図４、図５は前記扉１の詳細を説明する図
で、図４は前記扉１を分解した正面斜視図を示し、図５
は第４図の支持軸を示す要部分解図である。図におい
て、１は前記開口部１８の前面に、開閉自在に軸支され
た長方形厚板状の扉で、前記扉１の前面を構成する前板
２と、該前板２の中央部に形成された窓孔１９に裏面側
から固定される窓ガラス４と、前記前板２の裏面側から
嵌合し、ネジ２０によって固定され前記窓ガラス４を前
記前板２とともに保持する後板３と、前記前板２の表面
側の上端部に配置され、前記ネジ２０にて前板２に共締
めされる樹脂性のハンドル２１とから構成されている。
そして、前記前板２は四辺を後方へ略Ｌ字状に折り曲げ
した枠片５が形成され、該枠片５の下部両側には後述す
る支持軸２２を突出させる切欠２３が設けられている。
更に、前記前板２の下側枠片５には前記後板３の下部と
噛み合う係止片２４が設けられ、前記ネジ２０と共働し
て前記前板２と前記後板３とを一体的に取り付けてい
る。

【００１０】また、前記後板３には前記窓ガラス４に対
応する位置に、前記前板２と同様に窓孔２５が形成され
るとともに、該後板３の四辺を前記前板２の前記枠片５
内側に内嵌するよう、該後板３の外周を断面略Ｌ字状に
前方に折曲げ形成された折曲片８が設けられている。

【００１１】そして、該折曲片８のうち下側の折曲片は
さらに内側に折り曲げられた折曲部２６が形成されると
ともに、該折曲部２６の両側端部には前記後板３の側縁
から外方に突出し、断面略円形にカーリング加工された
軸部となる支持軸２２が一体的に延設されている。

【００１２】該支持軸２２は、前記前板２の枠片５に形
成された切欠２３から外部へ突出し、前記加熱室１５の
側壁の前端部に回動自在に支持され、この回動により前
記加熱室１５は開閉されるようになっている。

【００１３】上記のような扉の構成によると、扉を加熱
室側壁に支持している支持軸２２は、後板３の材料を利
用して一体に設ける構成とし、また、従来後板３の折曲
片８を形成する際に無駄になっていた材料を使用できる
ことから、従来のものに比べて少ない部品で構成できる
ことから安価に製作することができ、組立作業が容易に
できる。

【００１４】また、支持軸２２は後板と一体的設けられ
ることで、支持軸２２のガタつきが起こらず、扉の開閉
動作を円滑に行うことができ、さらに前記支持軸２２を
カーリング加工することで、前記折曲片８および支持軸
２２が補強され、また支持軸がスムーズに回転できるよ
うになる。

【００１５】

【発明の効果】この発明によれば、扉を構成している後
板に一体に軸部を延設する構成としたことにより、別部
品を用いずに軸部を形成することができ、組立作業性が
非常に良く、また、軸部にガタつきが生じるおそれはな
く、扉の開閉動作がスムーズにおこなえる。更に、扉を
構成している後板の材料の一部を利用して軸部としてい
るため、材料にも無駄が生じない。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の調理器の扉を示す斜視図。

【図２】第１図の要部分解図。

【図３】本発明の一実施例のオーブントースターを示す
斜視図。

【図４】本発明の一実施例の扉の構造を示す分解図

【図５】図４の要部拡大図

【符号の説明】

１ 扉 ２ 前板 ３ 後板 ５ 枠片 ８ 折曲片 １５ 加熱室 １８ 開口部 ２２ 軸部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F24C 15/02 F24C 7/02 521 F24C 7/04 - 7/06

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体内に設けた被加熱物を調理する加熱室
   と、該加熱室の前方に設けられ、前記被加熱物を出し入
   れするための開口部と、前記本体に開閉自在に軸支し前
   記開口部を覆う扉とからなる調理器において、前記扉は
   四辺を折曲した枠片を有する前板と、この前板の前記枠
   片内側に装着された後板とからなり、前記後板の四辺を
   前記枠片内に装着される折曲片を一体に設けるととも
   に、前記後板の前記折曲片のうち一辺の折曲片両縁部に
   は、前記後板の側縁よりも外方に突出して一体に延設さ
   れた軸部が形成され、前記扉は前記軸部を介して前記本
   体に軸支されたことを特徴とする調理器。