JPH0112088Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案は食品を加熱調理するための加熱調理
器に係り、特に加熱調理室の前面開口部を開閉可
能に覆う扉を下端部にて水平軸線の周りで回動可
能に支持するとともに、その下方に制御スイツチ
等を配置した縦長タイプの加熱調理器に関するも
のである。

従来技術 この種のタイプの加熱調理器は平面面積が小さ
くなるので設置面積が小さくて済み、さらに、制
御スイツチ等が低いところにあるので表示が見や
すくて操作性がよい。ところが、扉が制御スイツ
チ等の上方に位置し下端にて回動可能に支持され
ているため、扉を水平に開いた状態で保持するス
トツパーアームが比較的高い位置に設けられるこ
とになり（このことは後述する実施例の説明で明
らかになる）、必然的にそのストツパーアームの
移動を案内するガイドローラも高い位置に支持す
る必要がある。従つて、従来はこのガイドローラ
を支持する支持機構が上下に長いものとなり、例
えば、開いた状態の扉に調理物などを載せて前記
ストツパーアームに強い力が作用すると、支持機
構中の支持板等が前方に傾いてその支持板自体に
変形が生じるばかりでなく、加熱調理室の前面開
口部を包囲するように設けた前板が、傾いた支持
板等により後方から押されて変形するという不都
合があつた。

目 的 この考案は上記した問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は加熱調理器の前面部分を変
形されにくい強固な構造とすることができる新規
な加熱調理器を提供することにある。

考案の構成 こうした目的を達成するためにこの考案におい
ては、制御スイツチが取付けられた取付板の左右
両端に、その取付板を後方から支える補強部材を
連結し、取付板と補強部材とがなす枠組の頂部
に、扉のストツパーアームが当接するガイドロー
ラの支持板を装着するという構成をとつた。

実施例 以下、この考案を具体化した一実施例を図面に
基づいて説明する。

加熱調理器の外箱１は底板１ａと上面および左
右両側面を覆う正面形のカバー１ｂと、後板１
ｃとから構成され、その内部には加熱調理室２ａ
を形成する前面が開放された内箱２が固定されて
いる。そして、この内箱２の加熱調理室２ａ内で
図示しないマグネトロンから供給された高周波エ
ネルギーまたは電熱ヒーターの熱により食品を加
熱調理するようになつている。

内箱２の前端面には外箱１のカバー１ｂと内箱
２との間に形成される隙間の前面を覆うための前
板３が固着され、この前板３の前面には加熱調理
室２ａの前面開口部を開閉可能に覆う扉４が配置
されている。なお、２２は扉４の周囲を包囲する
ように前板３に固定した飾り枠を示す。

前記外箱１の底板１ａ前部には後斜め上方に傾
斜する金属製の取付板６が左右に延びるように配
置され、その上端部はビス１８により前記前板３
の下端折曲部に連結固定されるとともに、左右両
端部を除く下端で後方に折曲された水平部６ａは
ネジ１６により外箱１の底板１ａに固定されてい
る。また、取付板６の左右両端には後方へ向かつ
て補強部６ｂが折曲形成され、その下端には内側
に向かう短い水平部（図示しない）が折曲され、
その水平部もネジ（図示しない）により底板１ａ
に固定されている。この取付板６の前側にはそれ
と平行に左右に延びる合成樹脂製の化粧パネル７
が設けられ、前記取付板６の裏面に取着した制御
スイツチとしての加熱時間設定用のタイムスイツ
チ５の操作つまみ５ａがその化粧パネル７の前面
に位置している。

前記取付板６の左右両端部後側にはその取付板
６を後方から支えるように厚めの短冊状の金属板
を折曲形成してなる一対の補強部材８が配設さ
れ、その上端前側の垂下部８ａは前記ビス１８に
より取付板６および前板３に連結固定されるとと
もに、下端の水平部８ｂはネジ１７により外箱１
の底板１ａに固定されている。そして、この補強
部材８と前記取付板６とにより外箱１の底部左右
両端部内には側面ほぼ台形をなす補強用の枠組が
構成される。

前記両補強部材８の上面には左右一対の支持板
１１が下端の折曲部１１ａにてネジ１９により取
付固定されており、その上端部には折曲端面が前
板３の内側面と接触するようにローラ支持部１１
ｂが断面コ字状に折曲形成され、このローラ支持
部１１ｂには軸２３によりガイドローラ１０が回
転可能に支持されている。従つて、支持板１１は
取付板６と補強部材８とがなす枠組の頂部に装着
固定されている。また、両支持板１１の下端部前
縁に突出形成された支持突片１１ｃには水平軸２
０により前記扉４がその下端部にて回動可能に支
持されている。

一方、扉４の左右両側部の上下方向中央部には
支軸２４により一対のストツパーアーム９が前端
にて回動可能に支持され、その下側縁前部には第
１図に示すように、扉４を閉じた時に前記ガイド
ローラ１０に係合して閉鎖状態を保持するための
保持凹部９ａが形成されるとともに、ストツパー
アーム９の下側縁後部には、第２図に示すよう
に、扉４をほぼ水平に開いた時に前記ガイドロー
ラ１０に掛止して開放状態を保持する掛止凹部９
ｂが形成されている。また、ストツパーアーム９
の後端部には下方に向かつて突出するバネ掛け突
片２６が形成され、このバネ掛け突片２６と外箱
１の底板１ａ上面に立設した取付金具１４との間
には、ストツパーアーム９を扉４の閉鎖方向に付
勢するための引張バネ１３が張架されている。さ
らに、ストツパーアーム９の後端には前記内箱２
の外側面に支持したレバー２７の前端部上面に係
合可能な係合突片２５が突出形成されており、扉
４の閉鎖時には前記引張バネ１３のバネ力により
レバー２７を介してマグネトロン等を入切するた
めのスイツチ１２をON状態に保持している。

なお、前記内箱２の前端部は前記前板３を介し
て取付板６および補強部材８により構成される前
記枠組の頂部に支持されるとともに、内箱２の後
端部はその左右両側面下端部に固定した一対の取
付脚２１を介して外箱１の底板１ａ上に支持され
ている。また、第１図に示す１５は外箱１の底板
１ａ下面に配設した４個の脚である。

さて、前記のように構成されたこの実施例の加
熱調理器においては、前記タイムスイツチ５等か
らなる操作部が扉４の下方に配置されて、ストツ
パーアーム９が比較的高い位置に設けられている
ため、扉４を第２図に示すように水平に開放した
状態において、その扉４の上面に調理物を載せた
りして下方への強力な力が作用すると、ストツパ
ーアーム９およびガイドローラ１０を介して支持
板１１を前方へ倒す力が働く。ところが、この実
施例の支持板１１は取付板６と補強部材８とによ
り構成されるほぼ台形の枠組の頂部に支持されて
いるため、支持板１１の前方への傾動を確実に防
止することができ、従来とは異なり、傾いた支持
板１１により前板３が前方に押されて変形した
り、その変形に基づいて扉４の開閉に支障をきた
したり、扉４の開放位置および閉鎖位置がそれぞ
れずれたりするというおそれがない。

しかも、支持板１１をこのように支持すればそ
の上下長さを短くすることができるため、支持板
１１自体も外力に対しより強固となる。その上、
この実施例においては前板３の下端部が取付板６
および補強部材８と一体的に連結されているた
め、内箱２の前端部を前記枠組の頂部に堅固に支
持することができるとともに、内箱２を支持する
ための特別の支持部材等が不要となつて構成の簡
略化を図ることができる。

効 果 以上詳述したように、この考案は制御スイツチ
が取付けられた取付板の左右両端に、その取付板
を後方から支える補強部材を連結し、取付板と補
強部材とがなす枠組の頂部に、扉のストツパーア
ームが当接するガイドローラの支持板を装着した
ことにより、加熱調理器の前面部分を変形のおそ
れがない強固な構造とすることができるという優
れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した加熱調理器の縦
断面図、第２図は扉を開いた状態を示す要部の縦
断面図である。 １……外箱、２……内箱、２ａ……加熱調理
室、４……扉、５……制御スイツチとしてのタイ
ムスイツチ、６……取付板、８……補強部材、９
……ストツパーアーム、１０……ガイドローラ、
１１……支持板、２０……水平軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 加熱調理室２ａの前面開口部を、下端を水平軸
   線の周りに回動可能に支持した扉４で開閉可能に
   覆い、その扉４の下方に制御スイツチ５を配置し
   た加熱調理器において、 制御スイツチ５が取付けられた取付板６の左右
   両端にその取付板６を後方から支える補強部材８
   を連結し、取付板６と補強部材８とがなす枠組の
   頂部に、扉４のストツパーアーム９が当接するガ
   イドローラ１０の支持板１１を装着したことを特
   徴とする加熱調理器。