JP2847385B2 - 軒裏野縁を取付けた屋根パネル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、軒裏の野縁を予め取付けた屋根パネルに
関するものである。

従来の技術 三角形の屋根パネルを予め工場生産して、これを現場
へ搬入して軸組上へ設置する工法が考えられている。こ
の場合、従来においては、上記屋根パネルを設置した
後、その屋根パネルの軒先側の軒裏部分に野縁を取付
け、その野縁の裏面に軒裏板を張り付けている。

発明が解決しようとする課題 上記のように、従来においては、現場で軒裏野縁を取
付けており、そのため現場施工の工数が多くなるという
不都合があった。この場合、軒裏野縁を予め屋根パネル
へ取付けた状態では現場へ搬入することが考えられる
が、軒裏には軒裏板が屋根面と平行となった勾配仕様
と、水平になったフラット仕様のものがあり、夫々に合
わせて軒裏の野縁を取付けた状態で工場生産すると、屋
根パネルの種類が２種類必要となる欠点がある。また、
上記屋根パネルは、その棟の部分を中心として折り畳ん
だ状態で現場に搬入し、これを三角形状に開かせて設置
することが考えられているが、フラット仕様の場合には
そのように折り畳むことが不可能であるという欠点があ
る。

この発明は、これらの諸問題を解消して、軒裏のフラ
ット仕様の場合と勾配仕様の何れにも対応できるように
した屋根パネルを提供することを目的としてなされたも
のである。

課題を解決するための手段 上記の目的を達成するため、この発明では、軸組へ設
置して固定される屋根パネルの軒先先端部に、軒裏板を
取付けるための野縁を、その軒先側端部においてその反
対側の端部が上下に回動可能となるようにして取付け、
且つ、この反対側の端部は屋根パネルのフレームへ取外
し可能に固定してあることを特徴としている。

作用 野縁は予め軒先側と反対側の壁側端部を屋根パネルへ
固定し、勾配仕様に合わせた状態で現場へ搬入され、フ
ラット仕様の場合には、壁側の端部を水平状態にまで回
動させて固定することで、フラット仕様に対応させる。

実 施 例 第４図は、この発明の実施例に用いられる屋根パネル
の全体を示している。図において（１）（１）は、棟側
の端部において相互に山形となるように接合された一対
の上弦材、（２）（２）は、夫々その一端を各上弦材
（１）（１）の軒先側の端部近傍に取付けられた一対の
下弦材、（３）は、上弦材（１）（１）の接合部より下
方に垂下させた束材であって、前記下弦材（２）（２）
の端部は、この束材（３）の下端部において相互に接合
されている。そして、これら上弦材（１）、束材
（３）、下弦材（２）によって三角形の垂直フレーム
（４）を構成しており、これら一対の三角形フレーム
（４）（４）を棟方向に間隔をおいて配置するととも
に、上弦材（１）（１）の上面に野地板（５）を張り付
け、下弦材（２）及び束材（３）下端間に跨がって、繋
ぎ梁（６）を取付けている。更に、上弦材（１）（１）
の軒先側の端部に跨がって、軒先母屋（７）が取付けら
れ、この軒先母屋（７）の内側に、野縁フレーム（８）
（８）が取付けられている。この野縁フレーム（８）
は、棟方向の一対の横枠（25）（25）と両横枠（25）
（25）間に取付けた機材（26）とからなる。

上記屋根パネル（11）は、第５図で示すように、棟部
分を中心として内側に折り畳み自在であり、このように
して折り畳んだものを現場へ搬入した後、第６図のよう
にワイヤー（９）で吊り上げながら外方に開かせて、第
７図のように壁軸組（10）上へ設置するものである。な
お、下弦材（２）（２）は、第６図で示すように束材
（３）に沿って上下に摺動し、これによって折り畳み可
能としている。

第１図が上記屋根パネルの設置状態を示している。こ
の第１図は軒裏板が屋根面と平行となる勾配仕様の場合
であって、野縁フレーム（８）の軒先側の端部が、蝶番
（９）により、軒先母屋（７）の裏面に枢着されてい
る。野縁フレーム（８）の壁側の端部は、下側から差し
込まれたボルト（12）によって、溝形鋼からなる上弦材
（１）のフランジ（13）へ取外し可能に固定されてい
る。そして勾配仕様の場合には、このままの状態で、野
縁フレーム（８）の裏面に軒裏板（14）を釘打ち等して
固定する。（15）は、軒先母屋（７）の外側面からその
下方にかけて取付けた鼻隠し板であり、軒裏板（14）の
先端が、この鼻隠し板（15）の内側に差し込まれてい
る。

第２図はフラット仕様の場合であって、この場合に
は、予め、第３図のような野縁受金具（16）を、その上
端を水平に折り曲げた据え付け部（17）において、壁軸
組（10）における梁（18）の上面にボルト（19）によっ
て固定しておく。このとき、受金具（16）下端のコの字
型折り返し部（20）が外方に突出している。そして、野
縁フレーム（８）の壁側の端部を固定していたボルト
（12）を外して、その壁側端部を下方へ回動させると、
その端部の横枠（25）が、コの字型折り返し部（20）内
に嵌まり込んで、その壁側端部がこのコの字型折り返し
部（20）によって支持されるから、この状態で、壁と反
対側より釘（23）を打ち込んで固定する。次いで、裏面
から軒裏板（14）を釘打ち等によって張り付けて作業を
終えるものである。

発明の効果 以上のように、この発明によれば、屋根パネルに予め
野縁を取付けて現場へ搬入するため、現場での野縁の取
付けが不要となり、それだけ現場作業が省力化されると
いう利点がある、しかも、野縁フレームは、軒先側の端
部において、その反対側の端部が上下に回動可能として
取付けられていることから、実施例でも示すように、壁
側の端部を予め屋根パネルの上弦材等へ取付けておくこ
とにより、勾配仕様の場合にはそのままの状態で、他
方、フラット仕様の場合にはその取付け部分を外して水
平状態まで回動させることによって、何れの場合も直ち
に野縁を取付けることができるという効果がある。加え
て、このように屋根勾配に沿った状態に固定しておくこ
とにより、第５図のように屋根パネルを折り畳むことが
できるため、そのような折り畳み型の屋根パネルにも適
用できるという効果が得られる。

更に、野縁の軒先とは反対側の端部は、ボルト等によ
って予め取外し可能に固定されているものであり、前記
のように、勾配仕様のときはそのまま使用できるのみな
らず、現場への搬入時や設置の際に、屋根パネルを吊上
げたときでもこの野縁が開くことがないので作業性が良
好となる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、夫々この発明の実施例における軒
裏野縁の取付け状態を示す軒先部の縦断面図、第３図は
第２図の実施例に用いられる野縁受金具の斜視図、第４
図は屋根パネルの斜視図、第５図は屋根パネルの折り畳
み状態を示す斜視図、第６図は屋根パネルを吊り上げた
状態を示す正面図、第７図は屋根パネルの設置状態を示
す斜視図である。 （７）……軒先母屋、（８）……野縁フレーム、 （10）……壁軸組、（11）……屋根パネル、 （14）……軒裏板。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細川 道夫 大阪府大阪市北区中之島６丁目２番27号 積水ハウス株式会社内 (72)発明者 松友 公男 大阪府大阪市北区中之島６丁目２番27号 積水ハウス株式会社内 (56)参考文献 特開 平２−47449（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−226437（ＪＰ，Ａ) 実開 昭59−154563（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) E04B 7/02 - 7/02 511 E04B 9/30

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】軸組へ設置して固定される屋根パネルの軒
   先先端部に、軒裏板を取付けるための野縁を、その軒先
   側端部において、その反対側の端部が上下に回動可能と
   なるようにして取付け、且つ、この反対側の端部は屋根
   パネルのフレームへ取外し可能に固定してあることを特
   徴とする軒裏野縁を取付けた屋根パネル。