JPH0738511Y2 - 屋根パネルと小屋裏界壁パネルの支持金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、屋根パネルと屋根パネル間に設置される小
屋裏界壁パネルの支持金具に関するものである。

従来の技術 予め工場生産した屋根パネルと界壁パネルを現場へ搬入
し、各屋根パネルを軸組上へ桁方向に並べて設置すると
ともに、各住居間の界壁部に空隙を設けておき、この空
隙部へ界壁パネルを上方から差し込んで設置する屋根工
法が考えられている。そして、これら屋根パネルと界壁
パネルはともに軸組へボルトで固定するようにしてい
る。

考案が解決しようとする課題 上記のような工法においては、屋根パネルを軸組上へ設
置してその屋根パネルを軸組へ固定した後、屋根パネル
間の隙間部分において界壁パネルの固定を行なうことに
なるが、これらの各パネルを固定するには、屋根パネル
用の金具と界壁パネル用の金具の双方が必要であり、そ
れだけ部品点数が多くなり、かつ、金具の取付け工数が
増大することになる。この発明の目的は、そのような不
都合を解決することにある。

課題を解決するための手段 上記の課題を解決するため、この考案では、軸組上に設
置される屋根パネルとその屋根パネル間に設置される界
壁パネルの支持金具であって、軸組上端部へ固定される
取付け台より前記屋根パネルの上弦材下面を乗せて一対
の支持プレートを設けるとともに、更に、この支持プレ
ート間に界壁フレームを固定するための支持プレートを
前記取付け台に設けたことを特徴とする。

作用 予め上記金具を軸組上へ固定しておき、この金具へ屋根
パネルを乗せて設置した後、界壁パネルをその屋根パネ
ル間の隙間へ差し込んで同じ金具で固定する。

実施例 第８図は、実施例における界壁部の施工状況を示したも
ので、図において（１）は壁体であり、この壁体（１）
上にまず屋根パネル（２）（２）…を、界壁部に空隙
（３）（３）を残すようにして設置し、この空隙（３）
（３）へ、予め製作された界壁パネル（４）（５）を上
方から吊り下げた状態で差し込んで設置するものであ
る。界壁パネル（４）は一般部の界壁用であり、もう一
つの界壁パネル（５）は、壁体（１）のアルコーブ
（６）部分に設置されるものを示している。このアルコ
ーブ（６）へ設置される界壁パネル（５）には、そのア
ルコーブ（６）に対応して、その下端にアルコーブ用の
拡張フレーム（７）が予め取付けられている。

第９図〜第11図は、前記屋根パネル（２）の施工方法を
説明したもので、この屋根パネル（２）は、三角形の頂
部を境としてその両側の傾斜部を構成する一対のパネル
体（９）（９）を、その頂部側で互いに折り畳み自在に
枢着し、この折り畳んだ状態で現場へ搬入した後、クレ
ーン等で第10図のように吊り上げ、その各パネル体
（９）（９）を三角形状に開かせて、第11図のように上
方から設置するものである。

第12図が、上記屋根パネル（２）のより具体的な構造を
示しており、パネル体（９）（９）は、上弦材（10）
（10）からなるフレームに野地板（11）を張り付けたも
ので、これら両パネル体（９）（９）の枢着部である頂
部の棟方向の両端より下向きに、夫々真束（12）（12）
が垂下させられている。この真束（12）（12）には、そ
の一端を前記上弦材（10）の軒寄りの位置に枢着した水
平方向一対の下弦材（13）（13）が、ともに上下にスラ
イド可能として枢着されている。またそれら両下弦材
（13）（13）の真束（12）への各枢着部に跨がって、つ
なぎ梁（14）が渡され、同じく下弦材（13）の中間部間
に跨がって同様のつなぎ梁（14）が取付けられている。
搬入時の状態においては、第10図のように、下弦材（1
3）（13）同士の枢着部分が真束（12）に沿って上方に
スライドした状態で、パネル体（９）（９）を折り畳ん
でおくものである。

第１図〜第４図は、上記アルコーブ（６）部分に取付け
られる界壁パネル（５）の取付け方法とその取付け状態
を示している。この界壁パネル（５）は、第１図のよう
に、山形の上弦材（15）（15）と、その上弦材（15）
（15）の下端部間に設けられる下弦材（16）と、その上
弦材（15）と下弦材（16）との間に渡される多数の束材
（17）（17）…とからなるものである。束材（17）（1
7）…はその一部が木材によって製作されており、これ
に、石膏ボードからなる防火板（18）を釘打ち等によっ
て張り付けるようにしている。またこの石膏ボード（1
8）の一部より、前記束材（17）に取付けられた固定プ
レート（19）が突出している。下弦材（16）は、第４図
で示すように、溝型鋼（20）のウエブ下面に逆Ｔ字型の
鋼材（21）を溶接したもので、そのＴ字型鋼材（21）の
フランジ部へ、前記拡張フレーム（７）の上部水平フレ
ーム（22）が、ボルト（23）によって固定されている。
この拡張フレーム（７）は、この上部水平フレーム（2
2）と下部水平フレーム（24）との間に垂直板（25）を
取付けた梯形のもので、全体が木材によって製作されて
いる。また、第１図において、界壁パネル（５）の屋根
横断方向の両端には、垂直な取付けプレート（26）（2
6）が突設されている。

前記の壁体（１）は、この第１図及び第７図で示すよう
に、Ｃチャンネルの横枠（31）と同じくＣチャンネルの
縦枠（32）とによって構成される鉄骨軸組（33）に対
し、その軸組（33）の外側に壁パネル（34）（34）を固
定したものであるが、アルコーブ（６）部分において
は、断面コの字型の溝型鋼からなる受梁（35）を、その
フランジが上下平行となり且つ開口部分が外向きとなる
ようにして、そのアルコーブ（６）部分を囲む外側の軸
組（１）へ、ボルト（36）（第７図）によって固定して
いる。その際、この受梁（35）は、その上端面が、鉄骨
軸組（33）の上端面と略同じ高さとなるようにして設置
されている。

（38）は、前記界壁パネル（５）における拡張フレーム
（７）の内側の端部を支持するためのフレーム受金具で
あり、Ｌ型の受具本体（39）の裏面に取付けプレート
（40）を突出させたもので、その取付けプレート（40）
を、壁パネル（34）（34）間の隙間より同じく鉄骨軸組
（33）の縦枠（32）（32）間の隙間へ差し込んで、この
縦枠（32）へ、第２図のようにボルト（41）によって固
定している。他方、（43）は、界壁フレーム（15）の両
端を支持するための本考案の支持金具であり、第５図で
も示すように、断面Ｌ型の取付け台（44）の上部側の端
部より、一対の傾斜状の支持プレート（45）（45）を、
屋根の傾斜角度即ち屋根パネル（２）の上弦材（10）と
同じ角度に傾斜させられている。更に、これら一対の支
持プレート（45）（45）間に、即ち取付け台（44）の中
央部分に、水平断面コの字形の垂直支持プレート（46）
が上向きに突設されている。そして、上記界壁パネル
（５）は、前記のように空隙（３）へ上方より差し込ん
だ後、拡張フレーム（７）の内側の端部を、前記受金具
（38）の受具本体（38）へ乗せ、界壁パネル（５）の両
端に突出する取付けプレート（26）を前記支持金具（4
3）の垂直支持プレート（46）へ重ね合わせて、これら
を、第２図のようにボルト（47）（47）で相互に固定し
ている。他方、屋根パネル（２）は、その上弦材（10）
を垂直支持プレート（46）の一方の側の傾斜した支持プ
レート（45）へ乗せられて、ボルト（65）によって固定
される。その際、第６図で示すように、下弦材（13）の
端部を枢着するため上弦材（10）下面に突設したブラケ
ット（66）が、この支持プレート（45）の屋根頂部側の
先端へ当接している。即ち、屋根パネル（２）の設置の
際に、ブラケット（66）をこのように当接させると、支
持プレート（45）と上弦材（10）のボルト穴が略一致す
るような構造となっており、これによって、大型の屋根
パネル（２）を移動させながらボルト穴を一致させると
いう面倒な位置決め作業が不要となり、また、屋根パネ
ル（２）両端のブラケット（66）をそのように当接させ
ると、その屋根パネル（２）が自立状態に支持され、ボ
ルト締め作業も容易となる。

上記のように、界壁パネル（５）は、アルコーブ用の受
梁（35）上の支持金具（43）へその両端を固定されてお
り、従ってこの界壁パネル（５）は軒先まで突出する構
造にはなっておらず、軒先部については、別に製作した
軒用界壁パネル（48）を同様に差し込んで取付けるよう
にしている。この軒用界壁パネル（48）も、前記拡張フ
レーム（７）と同様に、木製のフレーム（49）の両側に
防火板（50）を張り付けたものである。

（51）が、この軒用界壁パネル（48）を取付けるための
支持金具を示している。この支持金具（51）は、水平な
取付け部（52）より上向きにボルト（53）（53）を突出
させ、このボルト（53）（53）を、前記アルコーブ用受
梁（35）のフランジ部へ下側から差し込んで吊り下げ状
に固定するようにしている。取付け部（52）の両端が下
向きに垂直に折り曲げられた後更に水平方向に折り曲げ
られて、野縁受部（54）（54）が一体に形成されてい
る。更に水平部（52）の裏面より下向きにＬ型のパネル
受けプレート（55）が一体に固着されている。そして第
２図で示すように、軒部分における屋根パネル（２）
（２）間に差し込まれた軒用界壁パネル（48）は、その
下端部より内向きに突出する木製フレーム（56）が、前
記パネル受けプレート（55）の下側へ当接されて固定さ
れている。更に、軒裏野縁（58）（58）の端部が、前記
野縁受部（54）上へ乗せられて固定される。

第２図で示すように、前記アルコーブ用拡張フレーム
（７）の両側には、この第２図の二点鎖線の範囲で石膏
ボード等の防火板（60）が張り付けられる。この防火板
（60）は、前記両端支持金具（43）からアルコーブ用受
梁（35）の内側に沿うとともに、更に軒用受金具（51）
を通って、その先端が軒用界壁パネル（48）の内側の端
部まで延長されている。通常、前記野縁（58）（58）
は、前記受梁（35）と同方向に一体に貫通するのが一般
であるが、この実施例で示すように、この野縁（58）
（58）を途中で分断して、その間に防火板60を介在させ
ることにより、いわゆる面勝ちの構造となり、より防火
性或いは耐火性の優れたものとなる。

なお、第３図で示すように、界壁パネル（５）は、その
石膏ボードからなる防火板（18）より突出する突出プレ
ート（19）が、その両側の屋根パネル（２）における上
弦材（10）（10）へ、ボルト（61）によって固定されて
いる。また、この図で示すように防火板（18）はともに
２枚重ねに取付けられている。この場合、防火板（18）
は、第１図のように予め界壁用のフレーム（16）へ張り
付けて設置する方法と、このフレーム（16）のみ設置し
て、後で張り付ける方法とがある。後者の場合において
は、これだけ現場施工が増えることになるが、下地施工
から防火板の張り付け迄現場で行なうことに比較して、
現場作業の工数は遥かに少ないことになる。また、拡張
フレーム（７）においては、この実施例では後から現場
で張り付けるようにしているが、これを予め張り付けて
おくようにしてもよいし、更に軒用界壁パネル（48）に
おいても同様である。

第２図中（62）は、軒用界壁パネル（48）の軒先側に取
付けた鼻隠し板、（63）は、アルコーブ用拡張フレーム
（７）から軒用界壁パネル（48）の下面に跨がって取付
けられた軒裏板であって、前記軒裏野縁（58）及び鼻隠
し板（62）等に釘打ち等して固定される。

上記はアルコーブ（７）部分について説明したが、壁軸
組（１）部分においても同様であり、支持金具（43）は
上部側の横枠（31）上面へ取付けられて、これに屋根パ
ネル（２）及び界壁パネル（５）が取付けられる。

考案の効果 以上のように、この考案によれば、ひとつの支持金具に
より屋根パネルと界壁パネルの双方が支持されるため、
従来２種類の金具が必要であったのに対し１種類で済む
ことになって部品点数が減少する。しかも、金具の取付
けも１種類の金具を固定するのみで済み、金具自体の取
付け作業もそれだけ工数が削減されることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例を示すアルコーブ界壁部分の
分解斜視図、第２図は同じくアルコーブ界壁部分の要部
縦断面図、第３図は第２図のＡ−Ａ線で切断した断面
図、第４図はアルコーブ用拡張フレームの取付け構造を
示す要部の横断面図、第５図は本考案支持金具の斜視
図、第６図は屋根パネル支持部の要部縦断面図、第７図
はアルコーブ部分の骨組を示す要部の斜視図、第８図は
界壁パネルの取付け方法を示す屋根部分の斜視図、第９
図は屋根パネルの折り畳み状態を示す斜視図、第10図は
同じく屋根パネルの吊り上げ状態を示す正面図、第11図
は屋根パネルの設置状態を示す斜視図、第12図は、屋根
パネルを斜め下方より見た斜視図である。 （２）…屋根パネル、（３）…空隙、（４）（５）…界
壁パネル、（43）…支持金具、（44）…取付け台、（4
5）（46）…支持プレート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】軸組上に設置される屋根パネルとその屋根
   パネル間に設置される界壁パネルの支持金具であって、
   軸組上端部へ固定される取付け台より前記屋根パネルの
   上弦材下面を乗せる一対の支持プレートを設けるととも
   に、更に、この支持プレート間に界壁フレームを固定す
   るための支持プレートを前記取付け台に設けたことを特
   徴とする屋根パネルと小屋裏界壁パネルの支持金具。