JP2837575B2 - 焼付け塗料用樹脂 - Google Patents
焼付け塗料用樹脂Info
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- JP2837575B2 JP2837575B2 JP4090308A JP9030892A JP2837575B2 JP 2837575 B2 JP2837575 B2 JP 2837575B2 JP 4090308 A JP4090308 A JP 4090308A JP 9030892 A JP9030892 A JP 9030892A JP 2837575 B2 JP2837575 B2 JP 2837575B2
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- JP
- Japan
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- resin
- paint
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- baking
- isocyanate group
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面硬度、加工性(屈曲
性)、耐溶剤性、耐候性、耐汚染性等に優れ、さらには
イソシアナートモノマーによる毒性を押さえた焼付け塗
料用樹脂に関するものである。
性)、耐溶剤性、耐候性、耐汚染性等に優れ、さらには
イソシアナートモノマーによる毒性を押さえた焼付け塗
料用樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塗料用樹脂としてイソシアナート基を樹
脂の側鎖等に入れて、塗膜の接着性等の物性の改良をす
ることは行われており、またこれとは別にイソシアナー
ト基のマスキングに関する技術は従来より公知の事実で
ある。
脂の側鎖等に入れて、塗膜の接着性等の物性の改良をす
ることは行われており、またこれとは別にイソシアナー
ト基のマスキングに関する技術は従来より公知の事実で
ある。
【0003】イソシアナート基及び加水分解性シラン基
を含有するコポリマー並びにその製造方法に関しては特
開昭63−30512号に、またイソシアナート基及び
加水分解性シラン基を含有するコポリマーを一液硬化型
塗料として用いることは特公平3−23581号に提案
がある。
を含有するコポリマー並びにその製造方法に関しては特
開昭63−30512号に、またイソシアナート基及び
加水分解性シラン基を含有するコポリマーを一液硬化型
塗料として用いることは特公平3−23581号に提案
がある。
【0004】しかし、これらのコポリマーから得られた
塗膜は従来の塗膜に比し、耐溶剤性、耐熱性、硬度など
に改善は見られるが、なお表面硬度、放置安定性、樹脂
濃度、顔料との混和性、毒性の点で更なる改良が必要で
ある。
塗膜は従来の塗膜に比し、耐溶剤性、耐熱性、硬度など
に改善は見られるが、なお表面硬度、放置安定性、樹脂
濃度、顔料との混和性、毒性の点で更なる改良が必要で
ある。
【0005】例えば、イソシアナート基含有モノマー及
び加水分解性シラン基含有モノマーから得られたコポリ
マーは、空気中等の水分等により放置安定性が問題とな
る。また、このコポリマーは、活性なイソシアナート基
を含んでいるため顔料との混和性及びコポリマーの分子
量や樹脂濃度にも制約を受ける。さらにはイソシアナー
ト基の毒性等々多くの問題を含んでいる。
び加水分解性シラン基含有モノマーから得られたコポリ
マーは、空気中等の水分等により放置安定性が問題とな
る。また、このコポリマーは、活性なイソシアナート基
を含んでいるため顔料との混和性及びコポリマーの分子
量や樹脂濃度にも制約を受ける。さらにはイソシアナー
ト基の毒性等々多くの問題を含んでいる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塗料の基材
ポリマーとしてイソシアナート基及び加水分解性シラン
基を含有するポリマー塗膜の耐溶剤性、耐熱性、密着
性、屈曲性、塗膜硬度等の優れた特性をそのまま維持す
るか、さらに改善すると共に従来のポリマー塗膜の表面
硬度、屈曲性、及び塗料としての毒性、放置安定性、顔
料との混和性を改善できる焼付け塗料用樹脂の開発を目
的とする。
ポリマーとしてイソシアナート基及び加水分解性シラン
基を含有するポリマー塗膜の耐溶剤性、耐熱性、密着
性、屈曲性、塗膜硬度等の優れた特性をそのまま維持す
るか、さらに改善すると共に従来のポリマー塗膜の表面
硬度、屈曲性、及び塗料としての毒性、放置安定性、顔
料との混和性を改善できる焼付け塗料用樹脂の開発を目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、マスキングされたイソシアナート基を含有する不飽和
イソシアナート化合物、加水分解性の置換基を含む重合
性シラン化合物及びビニル系単量体を含むモノマー類を
共重合させたコポリマーであって、イソシアナート基 を
0.5重量%以上、ケイ素原子を0.4〜7.5重量%
含有し、かつガラス転移温度が0〜110℃の、側鎖に
マスキングされたイソシアナート基及び加水分解性の置
換基を含むシリル基を有する、炭素−炭素結合を主鎖と
するポリマーであることを特徴とする焼付け塗料用樹
脂、 記載の塗料用樹脂、顔料および溶剤を含む焼付け塗
料において、該樹脂に対して0.5〜5.0重量%のジ
アミン類及び/またはジオール類を添加したことを特徴
とする焼付け塗料、及 び記載の塗料用樹脂、顔料及び溶剤を含む焼付け塗料
において、該樹脂に対して0.5〜5.0重量%のアル
コール類及び/またはオルトギ酸エステルを配合してな
る焼付け塗料 を開発することにより上記の目的を達成し
た。
イソシアナート化合物、加水分解性の置換基を含む重合
性シラン化合物及びビニル系単量体を含むモノマー類を
共重合させたコポリマーであって、イソシアナート基 を
0.5重量%以上、ケイ素原子を0.4〜7.5重量%
含有し、かつガラス転移温度が0〜110℃の、側鎖に
マスキングされたイソシアナート基及び加水分解性の置
換基を含むシリル基を有する、炭素−炭素結合を主鎖と
するポリマーであることを特徴とする焼付け塗料用樹
脂、 記載の塗料用樹脂、顔料および溶剤を含む焼付け塗
料において、該樹脂に対して0.5〜5.0重量%のジ
アミン類及び/またはジオール類を添加したことを特徴
とする焼付け塗料、及 び記載の塗料用樹脂、顔料及び溶剤を含む焼付け塗料
において、該樹脂に対して0.5〜5.0重量%のアル
コール類及び/またはオルトギ酸エステルを配合してな
る焼付け塗料 を開発することにより上記の目的を達成し
た。
【0008】更に該樹脂を用い、表面硬度、耐溶剤性、
屈曲性、毒性の低い焼付け塗料を開発した。
屈曲性、毒性の低い焼付け塗料を開発した。
【0009】本発明の焼付け塗料用樹脂はマスキングさ
れたイソシアナート基を含有する不飽和イソシアナート
化合物及び、加水分解性シラン基を有する重合性シラン
化合物との共重合体であり、主鎖成分としては更にビニ
ル系単量体を共重合して形成される。
れたイソシアナート基を含有する不飽和イソシアナート
化合物及び、加水分解性シラン基を有する重合性シラン
化合物との共重合体であり、主鎖成分としては更にビニ
ル系単量体を共重合して形成される。
【0010】本発明の共重合体に使用するイソシアナー
ト基を含有する不飽和イソシアナート化合物の具体例と
しては、イソシアナートエチルアクリレート、イソシア
ナートエチルメタアクリレート、イソシアナートプロピ
ルアクリレート、イソシアナートプロピルメタアクリレ
ート等の誘導体を挙げることができるが、イソシアナー
トエチルメタアクリレートが好適である。
ト基を含有する不飽和イソシアナート化合物の具体例と
しては、イソシアナートエチルアクリレート、イソシア
ナートエチルメタアクリレート、イソシアナートプロピ
ルアクリレート、イソシアナートプロピルメタアクリレ
ート等の誘導体を挙げることができるが、イソシアナー
トエチルメタアクリレートが好適である。
【0011】不飽和イソシアナート化合物のマスキング
剤としては一般的に用いられているものを使用すること
ができる。代表的な例としては、エタノール、ε−カプ
ロラクタム、メチルエチルケトオキシム等があるが、焼
きつける温度によって使用するマスキング剤を変えれば
良い。メチルエチルケトオキシムがマスキングの効率、
実際上の焼付け温度を含めてもっとも好ましい。
剤としては一般的に用いられているものを使用すること
ができる。代表的な例としては、エタノール、ε−カプ
ロラクタム、メチルエチルケトオキシム等があるが、焼
きつける温度によって使用するマスキング剤を変えれば
良い。メチルエチルケトオキシムがマスキングの効率、
実際上の焼付け温度を含めてもっとも好ましい。
【0012】 まず、本発明で用いられる加水分解性シ
ラン基を有する重合性シラン化合物は、一般式R−Si
(R’)a X 3-a で表される化合物(但しR;ラジカル
重合性二重結合を有する不飽和基、R’;炭素数1〜1
0の炭化水素基、X;アルコキシ、アミノオキシ、アシ
ルオキシ基等の加水分解性基、a;0,1または2を表
す。)で表され、具体例としてはビニルトリエトキシシ
ラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アクロリキシプロピルトリメトキシシラン等で
ある。
ラン基を有する重合性シラン化合物は、一般式R−Si
(R’)a X 3-a で表される化合物(但しR;ラジカル
重合性二重結合を有する不飽和基、R’;炭素数1〜1
0の炭化水素基、X;アルコキシ、アミノオキシ、アシ
ルオキシ基等の加水分解性基、a;0,1または2を表
す。)で表され、具体例としてはビニルトリエトキシシ
ラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アクロリキシプロピルトリメトキシシラン等で
ある。
【0013】さらに主鎖成分として用いられるビニル系
単量体としては一般にラジカル重合性のある単量体であ
ればいずれのものも本発明のビニル系単量体として使用
可能であり、ビニルアセテート、ビニルプロピオネー
ト、ビニルバーサテート等のビニルエステル類;メチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル
類;並びにスチレン、p−メチルスチレン等の芳香族ビ
ニル類;その他にアクリロニトリル、メタアクリロニト
リル、アクリルアミド、メタアクリルアミド等は特に有
効であるが、これ以外にもメチルビニルエーテルのごと
きビニルエーテル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル、フ
ッ化ビニリデン等のハロゲン含有ビニル化合物;エチレ
ンのごときオレフィン類;α、β−エチレン性不飽和
酸、例えばマレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタ
アクリル酸等がそれらの例として挙げられる。
単量体としては一般にラジカル重合性のある単量体であ
ればいずれのものも本発明のビニル系単量体として使用
可能であり、ビニルアセテート、ビニルプロピオネー
ト、ビニルバーサテート等のビニルエステル類;メチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル
類;並びにスチレン、p−メチルスチレン等の芳香族ビ
ニル類;その他にアクリロニトリル、メタアクリロニト
リル、アクリルアミド、メタアクリルアミド等は特に有
効であるが、これ以外にもメチルビニルエーテルのごと
きビニルエーテル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル、フ
ッ化ビニリデン等のハロゲン含有ビニル化合物;エチレ
ンのごときオレフィン類;α、β−エチレン性不飽和
酸、例えばマレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタ
アクリル酸等がそれらの例として挙げられる。
【0014】このようなモノマー類を常法により共重合
することによって本発明の焼付け塗料用樹脂とするが、
この重合に際しては樹脂として取り出す必要はなく、塗
料とする際の溶剤を使用して溶液重合することが便利で
ある。
することによって本発明の焼付け塗料用樹脂とするが、
この重合に際しては樹脂として取り出す必要はなく、塗
料とする際の溶剤を使用して溶液重合することが便利で
ある。
【0015】焼付け塗料に使用する溶剤は、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等のエステル類、1,4−ジオキサン、2−メトキシ
エチルアセテート等のヒドロキシ基を含まないグリコー
ルエーテルエステル類、1,1,1−トリクロルエタ
ン、トリクロルエチレン等の含塩素溶剤等が使用でき
る。
キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等のエステル類、1,4−ジオキサン、2−メトキシ
エチルアセテート等のヒドロキシ基を含まないグリコー
ルエーテルエステル類、1,1,1−トリクロルエタ
ン、トリクロルエチレン等の含塩素溶剤等が使用でき
る。
【0016】なお、得られた樹脂はガラス転移温度が0
〜110℃の範囲に入るものであり、樹脂中の官能基の
量はイソシアナート基として0.5重量%以上、加水分
解性シラン基(Si原子を基準として)0.4〜7.5
重量%の範囲のものが有効である。
〜110℃の範囲に入るものであり、樹脂中の官能基の
量はイソシアナート基として0.5重量%以上、加水分
解性シラン基(Si原子を基準として)0.4〜7.5
重量%の範囲のものが有効である。
【0017】該樹脂中のイソシアナート基の含有量が
0.5重量%に達しないとき、または加水分解性シラン
基中のケイ素原子含有量が0.4重量%に達しないとき
は、架橋効果が不十分となり、基材との密着性、耐溶剤
性などの性能が発揮されないことになる。また該ケイ素
原子含有量が7.5重量%を越える配合をしても性能の
向上はなく、単に高価になるだけで経済的に不利になる
だけである。
0.5重量%に達しないとき、または加水分解性シラン
基中のケイ素原子含有量が0.4重量%に達しないとき
は、架橋効果が不十分となり、基材との密着性、耐溶剤
性などの性能が発揮されないことになる。また該ケイ素
原子含有量が7.5重量%を越える配合をしても性能の
向上はなく、単に高価になるだけで経済的に不利になる
だけである。
【0018】またガラス転移温度は塗膜の表面硬度、屈
曲性に影響を与えるものであり、ガラス転移温度が0℃
に達しない樹脂にあっては表面硬度が低く、また110
℃以上の樹脂にあっては屈曲性が不十分になる。
曲性に影響を与えるものであり、ガラス転移温度が0℃
に達しない樹脂にあっては表面硬度が低く、また110
℃以上の樹脂にあっては屈曲性が不十分になる。
【0019】もちろん使用する不飽和イソシアナート化
合物は、マスキング剤でマスキングを行っておく必要が
ある。
合物は、マスキング剤でマスキングを行っておく必要が
ある。
【0020】このようにして得られた焼付け塗料用樹脂
は、非常に活性なイソシアナート基含有化合物をあらか
じめマスキング剤によりマスキングを行い、イソシアナ
ート基の活性を押さえたマスキングイソシアナート基含
有モノマー成分及び加水分解性シラン基を有するモノマ
ー成分を含有しており、数平均分子量が10,000〜
50,000(MW /MN =2.0〜3.5)と大き
く、樹脂濃度も50%以上と高濃度樹脂組成物が安定に
得られる。
は、非常に活性なイソシアナート基含有化合物をあらか
じめマスキング剤によりマスキングを行い、イソシアナ
ート基の活性を押さえたマスキングイソシアナート基含
有モノマー成分及び加水分解性シラン基を有するモノマ
ー成分を含有しており、数平均分子量が10,000〜
50,000(MW /MN =2.0〜3.5)と大き
く、樹脂濃度も50%以上と高濃度樹脂組成物が安定に
得られる。
【0021】このような焼付け塗料用樹脂に顔料を配合
して焼付け塗料とするが、この塗料中に不飽和イソシア
ナート化合物の架橋効果を更にあげるためにジアミン
類、ジオール類の添加剤を用いることが好ましい。
して焼付け塗料とするが、この塗料中に不飽和イソシア
ナート化合物の架橋効果を更にあげるためにジアミン
類、ジオール類の添加剤を用いることが好ましい。
【0022】使用するジアミン類としてはエチレンジア
ミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等
の脂肪族ジアミン類、O−フェニレンジアミン、m−フ
ェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン等の芳香族
ジアミンがある。
ミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等
の脂肪族ジアミン類、O−フェニレンジアミン、m−フ
ェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン等の芳香族
ジアミンがある。
【0023】また使用するジオール類としては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,8−オクタンジオール等々の脂肪族系
ジオール類、シクロペンタン−1,2−ジオール、シク
ロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,
4−ジオール等の脂環族系ジオールがある。
ングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,8−オクタンジオール等々の脂肪族系
ジオール類、シクロペンタン−1,2−ジオール、シク
ロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,
4−ジオール等の脂環族系ジオールがある。
【0024】添加量としては樹脂に対して0.5〜5.
0重量%程度である。0.5重量%未満では効果が不十
分であり、5.0重量%を越えた添加をすると、塗膜面
にジアミン類と思われる結晶の析出が見られる。
0重量%程度である。0.5重量%未満では効果が不十
分であり、5.0重量%を越えた添加をすると、塗膜面
にジアミン類と思われる結晶の析出が見られる。
【0025】さらに加水分解性シラン基の安定剤として
アルコール類、一般式HC(OR1)3 で示されるオル
トギ酸エステル(式中R1 は炭素数1〜16のアルキ
ル、アリール、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリル
等の1個の炭化水素基からなる基である。)を用いるこ
とも好ましい方法である。
アルコール類、一般式HC(OR1)3 で示されるオル
トギ酸エステル(式中R1 は炭素数1〜16のアルキ
ル、アリール、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリル
等の1個の炭化水素基からなる基である。)を用いるこ
とも好ましい方法である。
【0026】添加量としては樹脂に対して0.5〜5.
0重量%である。特にオルトギ酸エステルを添加すると
1重量%添加でも放置安定性は改良され、5重量%添加
したときは6ケ月の放置においても充分に安定であるこ
とが確認された。
0重量%である。特にオルトギ酸エステルを添加すると
1重量%添加でも放置安定性は改良され、5重量%添加
したときは6ケ月の放置においても充分に安定であるこ
とが確認された。
【0027】
【作用】本発明の焼付け塗料用樹脂は、ポリマーの側鎖
にマスキングされたイソシアナート基及び加水分解性の
シラン基を有する新規な樹脂である。
にマスキングされたイソシアナート基及び加水分解性の
シラン基を有する新規な樹脂である。
【0028】樹脂の状態においてはイソシアナート基は
マスキングされているため毒性が低く、かつ活性度が著
しく低下しており、その反応性のゆえに混和が問題とな
っていた種々の顔料等との混和性が大きく改良されてい
る。
マスキングされているため毒性が低く、かつ活性度が著
しく低下しており、その反応性のゆえに混和が問題とな
っていた種々の顔料等との混和性が大きく改良されてい
る。
【0029】特にこの樹脂を含んだ塗料を被着体に塗布
し、焼付け処理を行うと、マスキング剤がはずれ、イソ
シアナート基の活性が回復する。このためこの塗料は炭
素−炭素結合(ビニル系ポリマー)特有の接着性に加
え、ビニル系ポリマーで接着性が問題となっているウレ
タン性の基材、あるいはシリコン性の基材とも被着体を
選ばずに良好な密着性を発揮する。
し、焼付け処理を行うと、マスキング剤がはずれ、イソ
シアナート基の活性が回復する。このためこの塗料は炭
素−炭素結合(ビニル系ポリマー)特有の接着性に加
え、ビニル系ポリマーで接着性が問題となっているウレ
タン性の基材、あるいはシリコン性の基材とも被着体を
選ばずに良好な密着性を発揮する。
【0030】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説
明する。 (実施例1)撹拌機、滴下ロート(500ml)、冷却
管を備えつけた1リットルセパラブルコルベンにメチル
エチルケトオキシムでマスキングされたイソシアナート
エチルメタアクリレート16.9g、ブチルアクリレー
ト39.6g、メチルメタアクリレート39.6g、メ
タクリロキシプロピルトリエトキシシラン19.8g、
無水マレイン酸2.2g、トルエン211.6gを仕込
む。コルベン内を窒素ガスで置換する。触媒としてアゾ
イソブチロニトリル1.16gを投入し、内温を80℃
まであげる。反応開始後30分間プレ反応を行い、プレ
反応終了後、メチルエチルケトオキシムでマスキングさ
れたイソシアナートエチルメタアクリレート32.7
g、ブチルアクリレート76.8g、メチルメタアクリ
レート76.8g、メタクリロキシプロピルトリエトキ
シシラン36.6g、無水マレイン酸4.6g、トルエ
ン28.2g、アゾイソブチロニトリル2.08gを1
時間で均一に滴下した。滴下終了後、28.2gのトル
エンで滴下ロートを洗浄、コルベン内に入れる。モノマ
ー滴下終了後1時間後及び2時間後にアゾイソブチロニ
トリル0.48g、トルエン14gを投入し、未反応モ
ノマーを除去、更に80℃で1時間熟成を行い冷却後樹
脂濃度55%、数平均分子量22,000、MW /MN
=3.5、樹脂のガラス転移温度25℃の樹脂を得た。
明する。 (実施例1)撹拌機、滴下ロート(500ml)、冷却
管を備えつけた1リットルセパラブルコルベンにメチル
エチルケトオキシムでマスキングされたイソシアナート
エチルメタアクリレート16.9g、ブチルアクリレー
ト39.6g、メチルメタアクリレート39.6g、メ
タクリロキシプロピルトリエトキシシラン19.8g、
無水マレイン酸2.2g、トルエン211.6gを仕込
む。コルベン内を窒素ガスで置換する。触媒としてアゾ
イソブチロニトリル1.16gを投入し、内温を80℃
まであげる。反応開始後30分間プレ反応を行い、プレ
反応終了後、メチルエチルケトオキシムでマスキングさ
れたイソシアナートエチルメタアクリレート32.7
g、ブチルアクリレート76.8g、メチルメタアクリ
レート76.8g、メタクリロキシプロピルトリエトキ
シシラン36.6g、無水マレイン酸4.6g、トルエ
ン28.2g、アゾイソブチロニトリル2.08gを1
時間で均一に滴下した。滴下終了後、28.2gのトル
エンで滴下ロートを洗浄、コルベン内に入れる。モノマ
ー滴下終了後1時間後及び2時間後にアゾイソブチロニ
トリル0.48g、トルエン14gを投入し、未反応モ
ノマーを除去、更に80℃で1時間熟成を行い冷却後樹
脂濃度55%、数平均分子量22,000、MW /MN
=3.5、樹脂のガラス転移温度25℃の樹脂を得た。
【0031】(実施例2)実施例1においてブチルアク
リレート、メチルメタアクリレートの使用割合を50:
50から35:65に変更した以外は同じ条件で重合
し、樹脂濃度55%、数平均分子量18,000、MW
/MN =3.0、樹脂のガラス転移温度が44℃の樹脂
を得た。
リレート、メチルメタアクリレートの使用割合を50:
50から35:65に変更した以外は同じ条件で重合
し、樹脂濃度55%、数平均分子量18,000、MW
/MN =3.0、樹脂のガラス転移温度が44℃の樹脂
を得た。
【0032】(実施例3)実施例2の樹脂溶液に対して
ヘキサメチレンジアミンを5重量%添加した。
ヘキサメチレンジアミンを5重量%添加した。
【0033】(比較例1)実施例2においてメタクリロ
キシプロピルトリエトキシシランを除いた以外は同じ条
件で重合した。濃度52%、数平均分子量11,00
0、MW /MN =3.4、樹脂のガラス転移温度が35
℃の樹脂を得た。
キシプロピルトリエトキシシランを除いた以外は同じ条
件で重合した。濃度52%、数平均分子量11,00
0、MW /MN =3.4、樹脂のガラス転移温度が35
℃の樹脂を得た。
【0034】(比較例2)実施例2においてマスキング
されたイソシアナートエチルメタアクリレート、メタク
リロキシプロピルトリエトキシシランを除いた以外は同
じ条件で重合した。樹脂濃度44%、数平均分子量8,
900、MW /MN =2.3、樹脂のガラス転移温度が
30℃の樹脂を得た。実施例1,2,3及び比較例1,
2で得られた樹脂溶液を鋼板JIS G−3303(S
PTE)に、乾燥後の塗膜厚が40〜50μmになるよ
うに塗布した。
されたイソシアナートエチルメタアクリレート、メタク
リロキシプロピルトリエトキシシランを除いた以外は同
じ条件で重合した。樹脂濃度44%、数平均分子量8,
900、MW /MN =2.3、樹脂のガラス転移温度が
30℃の樹脂を得た。実施例1,2,3及び比較例1,
2で得られた樹脂溶液を鋼板JIS G−3303(S
PTE)に、乾燥後の塗膜厚が40〜50μmになるよ
うに塗布した。
【0035】得られた塗膜を150〜300℃の温度で
焼付け処理を行った。焼付け処理をした塗膜の表面硬度
をJIS K−5652に準じた鉛筆硬度により求め
た。測定の際の加重は1Kgとした。被着体の加工性
(密着性)に関してはJIS K−5400屈曲性試験
により求めた。結果を表1に示した。
焼付け処理を行った。焼付け処理をした塗膜の表面硬度
をJIS K−5652に準じた鉛筆硬度により求め
た。測定の際の加重は1Kgとした。被着体の加工性
(密着性)に関してはJIS K−5400屈曲性試験
により求めた。結果を表1に示した。
【0036】
【表1】
【0037】(実施例4)実施例2で得られた樹脂溶液
100gにチタン(R−820)を51g、トルエン5
8gをホモミキサーを用いて混合、顔料分散塗料を得
た。
100gにチタン(R−820)を51g、トルエン5
8gをホモミキサーを用いて混合、顔料分散塗料を得
た。
【0038】(比較例3)比較例1で得られた樹脂溶液
100gにチタン(R−820)を51g、トルエン5
8gをホモミキサーを用いて混合、顔料分散塗料を得
た。実施例4及び比較例3で得られた顔料分散塗料を用
いて顔料塗膜の性能を測定した。焼付け条件は220℃
−30分とした。結果を表2に示す。測定条件はJIS
K−5400に準じて実施した。
100gにチタン(R−820)を51g、トルエン5
8gをホモミキサーを用いて混合、顔料分散塗料を得
た。実施例4及び比較例3で得られた顔料分散塗料を用
いて顔料塗膜の性能を測定した。焼付け条件は220℃
−30分とした。結果を表2に示す。測定条件はJIS
K−5400に準じて実施した。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明により得られた焼付け塗料用樹脂
は、各種有機溶剤に可溶であるが、得られた塗膜を焼付
け処理することによりマスキングされたイソシアナート
基が活性となり、樹脂の架橋が行われ、硬度が高く、耐
溶剤性のある強靭な塗膜となる。
は、各種有機溶剤に可溶であるが、得られた塗膜を焼付
け処理することによりマスキングされたイソシアナート
基が活性となり、樹脂の架橋が行われ、硬度が高く、耐
溶剤性のある強靭な塗膜となる。
【0041】更に併用している加水分解性シラン基が各
種被着体との密着性に優れた性能を有しているため、本
発明の樹脂を用いることにより表面硬度がありながら、
屈曲性、耐溶剤性、耐候性、耐汚染性に優れた塗膜を得
ることができた。
種被着体との密着性に優れた性能を有しているため、本
発明の樹脂を用いることにより表面硬度がありながら、
屈曲性、耐溶剤性、耐候性、耐汚染性に優れた塗膜を得
ることができた。
【0042】マスキングしたイソシアナート単量体を用
いた共重合体樹脂を用いるために毒性も低く、更に顔料
との混和も自由である。本発明の樹脂を用いることに焼
付け塗料用樹脂として有用である。
いた共重合体樹脂を用いるために毒性も低く、更に顔料
との混和も自由である。本発明の樹脂を用いることに焼
付け塗料用樹脂として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 157/12 C09D 157/12 (56)参考文献 特開 昭63−30512(JP,A) 特開 昭62−250017(JP,A) 特開 昭64−75578(JP,A) 特開 平1−96264(JP,A) 特開 昭63−199773(JP,A) 岩田敬治著「ポリウレタン樹脂ハンド ブック」(昭和62−9−25)日刊工業新 聞社p.419−426 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 20/00 - 20/70 C08F 220/00 - 220/70 C08F 30/00 - 30/10 C08F 230/00 - 230/10 C08G 18/00 - 18/87 C09D 133/00 - 133/26 C09D 143/00 - 143/04 C09D 157/00 - 157/12 C09D 175/00 - 175/16 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】 マスキングされたイソシアナート基を含
有する不飽和イソシアナート化合物、加水分解性の置換
基を含む重合性シラン化合物及びビニル系単量体を含む
モノマー類を共重合させたコポリマーであって、イソシ
アナート基を0.5重量%以上、ケイ素原子を0.4〜
7.5重量%含有し、かつガラス転移温度が0〜110
℃の、側鎖にマスキングされたイソシアナート基及び加
水分解性の置換基を含むシリル基を有する、炭素−炭素
結合を主鎖とするポリマーであることを特徴とする焼付
け塗料用樹脂。 - 【請求項2】 請求項1記載の塗料用樹脂、顔料および
溶剤を含む焼付け塗料において、該樹脂に対して0.5
〜5.0重量%のジアミン類及び/またはジオール類を
添加したことを特徴とする焼付け塗料。 - 【請求項3】 請求項1記載の塗料用樹脂、顔料及び溶
剤を含む焼付け塗料において、該樹脂に対して0.5〜
5.0重量%のアルコール類及び/またはオルトギ酸エ
ステルを配合してなる焼付け塗料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4090308A JP2837575B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 焼付け塗料用樹脂 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4090308A JP2837575B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 焼付け塗料用樹脂 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05255637A JPH05255637A (ja) | 1993-10-05 |
JP2837575B2 true JP2837575B2 (ja) | 1998-12-16 |
Family
ID=13994915
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4090308A Expired - Lifetime JP2837575B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 焼付け塗料用樹脂 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2837575B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0826103B2 (ja) * | 1986-04-22 | 1996-03-13 | ナトコペイント株式会社 | 塗料用付加系共重合体および塗料組成物 |
JPH06823B2 (ja) * | 1986-07-23 | 1994-01-05 | 昭和高分子株式会社 | 室温硬化性共重合体並びにその製造方法 |
JPS6475578A (en) * | 1987-09-18 | 1989-03-22 | Showa Highpolymer | One-pack curing type coating having excellent preservation stability |
-
1992
- 1992-03-16 JP JP4090308A patent/JP2837575B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
岩田敬治著「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(昭和62−9−25)日刊工業新聞社p.419−426 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05255637A (ja) | 1993-10-05 |
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