JPH07310050A - 皮膜剤及びその製造方法並びにこれを用いた曇りガラス及びその形成方法 - Google Patents

皮膜剤及びその製造方法並びにこれを用いた曇りガラス及びその形成方法

Info

Publication number
JPH07310050A
JPH07310050A JP10284494A JP10284494A JPH07310050A JP H07310050 A JPH07310050 A JP H07310050A JP 10284494 A JP10284494 A JP 10284494A JP 10284494 A JP10284494 A JP 10284494A JP H07310050 A JPH07310050 A JP H07310050A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
film
solvent
tetramethoxysilane
forming agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10284494A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichiro Tanaka
誠一朗 田中
Takeshi Sawai
毅 沢井
Hiroshi Kobayashi
博 小林
Shigeo Ochi
重雄 大地
Nobuyuki Matsuzoe
信行 松添
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP10284494A priority Critical patent/JPH07310050A/ja
Publication of JPH07310050A publication Critical patent/JPH07310050A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 曇りガラスの効率的な製造。 【構成】 テトラメトキシシラン・オリゴマー100重
量部に溶媒、硬化触媒及びテトラメトキシシラン・オリ
ゴマーを理論上100%加水分解するのに必要な量以上
の水を添加し、熟成して得られる液(A液)と、主鎖が
実質的にビニル系重合体鎖からなり、末端あるいは側鎖
に加水分解性基を結合した珪素原子を1分子中に少なく
とも1個有するシリル基含有ビニル系重合体10〜10
0重量部に溶媒を配合して得られる液(B液)とを配合
して得られるコーティング液、及びその製造方法、及び
これを用いた曇りガラス及びその形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は皮膜剤及びその製造方法
並びにこれを用いた曇りガラス及びその形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】曇りガラスは透明なガラス表面をフッ酸
等酸で腐食したり、機械加工で微細凹凸を形成すること
により得られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしフッ酸処理は作
業環境上問題があり、また機械加工は高価な工作機を使
用するのでコストがかかるとっいった問題点があり、こ
れらの問題点を解決する効率的で安全な曇りガラスの製
造方法が求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、意外にも予め特
定処理を施したテトラメトキシシラン・オリゴマーを特
定シリル基含有ビニル系重合体と配合した配合物は貯蔵
性に優れ造膜すると高硬度の皮膜を形成し、これを用い
て容易に曇りガラスを製造することができることを見出
し本発明に達した。すなわち本発明の目的は曇りガラス
の形成に有用な、優れた特性を有する皮膜剤を得るこ
と、及びこれを用いて曇りガラスを得ることにあり、本
発明の要旨は、テトラメトキシシラン・オリゴマー10
0重量部に溶媒、硬化触媒及びテトラメトキシシラン・
オリゴマーを理論上100%加水分解するのに必要な量
以上の水を添加し、熟成して得られる液(A液)と、主
鎖が実質的にビニル系重合体鎖からなり、末端あるいは
側鎖に加水分解性基を結合した珪素原子を1分子中に少
なくとも1個有するシリル基含有ビニル系重合体10〜
100重量部に溶媒を配合して得られる液(B液)とを
各々製し、次いでこれらを配合して得られる皮膜剤、及
びその製造方法、並びにかかる皮膜剤を用いた曇りガラ
スの形成法及び得られる曇りガラスに存する。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明においてはテトラメトキシシランを部分加水分解し
て得られるテトラメトキシシラン・オリゴマーが用いら
れる。加水分解反応自体は、公知の方法によることがで
き、たとえば、上記テトラメトキシシランに所定量の水
を加えて酸触媒の存在下に、副生するアルコールを留去
しながら通常、室温程度〜100℃で反応させる。この
反応によりメトキシシランは加水分解し、さらに縮合反
応によりヒドロキシル基を2以上有する液状のテトラメ
トキシシラン・オリゴマー(通常平均重合度2〜8程
度、好ましくは3〜6)が加水分解物として得られる。
加水分解の程度は、使用する水の量により適宜調節する
ことができるが、本発明においては通常40〜90%程
度、好適には60〜80%程度から選ばれる。
【0006】ここで、加水分解の程度は、加水分解可能
な基、すなわちテトラメトキシシランにおいてはメトキ
シ基を全て加水分解縮合するために必要な理論水量すな
わちメトキシ基の数の1/2の水を添加した時を加水分
解率100%とし、
【0007】
【数1】
【0008】として求める。こうして得られたテトラメ
トキシシラン・オリゴマーにはモノマーが通常2〜10
%程度含有されている。このモノマーが含有されている
とコーティング液の貯蔵安定性が欠ける場合があるの
で、モノマー含有量が1重量%以下、好ましくは0.3
重量%以下になるように、テトラメトキシシラン・オリ
ゴマーからモノマー除去をフラッシュ蒸留、真空蒸留等
常法により行えばよい。
【0009】A液中の溶媒としては通常シリケート系塗
膜剤に用いられる種々の溶媒を用いることができるが、
得られる皮膜の硬度の点でアルコールが優れている。特
にメチルアルコール、エチルアルコールを1種又は2種
使用するのが安価であること、及び得られる皮膜の特性
が優れ硬度が良好である点で好適である。イソプロピル
アルコール、nブタノール、イソブタノール、オクタノ
ール等は得られたコーティング膜の硬度が低くなる傾向
にある。
【0010】溶媒量はテトラメトキシシラン・オリゴマ
ー100重量部に対し、50〜400重量部、好ましく
は100〜250重量部がよい。50重量部以下では皮
膜にクラックが発生し易くなり、400重量部を越える
と得られる皮膜の厚さが極端に薄くなり、溶媒の種類に
よっては皮膜を得られないことがある。
【0011】配合方法は室温でテトラメトキシシラン・
オリゴマーの所定の上記溶媒を配合し、次いで、硬化触
媒と水を添加する等通常の配合方法を用いることができ
る。水添加量はテトラメトキシシラン・オリゴマーが理
論上100%加水分解し得る量以上の量であればよく、
100〜300%相当量、好ましくは100〜200%
相当量を添加する。
【0012】硬化触媒としては酸、アルカリ、有機金
属、金属アルコキシド等があるが、皮膜剤の貯蔵安定性
から酸の内、特に酢酸、マレイン酸、シュウ酸、フマル
酸のうち1種又は2種以上が好ましい。添加量はテトラ
メトキシシラン・オリゴマー100重量部に対し1〜1
0重量部、好ましくは1〜5重量部である。本発明にお
いては、次にこれらの成分を配合して得られるA液を熟
成させるのが好適である。かかる熟成工程を経ることに
より、テトラメトキシシランの加水分解、縮合による架
橋が充分に進み、得られる皮膜の特性が優れたものとな
ることが考えられる。
【0013】液の熟成は、液を放置すればよい。放置す
る時間は、上述の架橋が所望の膜特性を得るのに充分な
程度進行するのに充分な時間であり、具体的には、用い
る触媒の種類にもよるが、塩酸では室温で約1時間以
上、マレイン酸では数時間以上、特に好ましくは8時間
〜1週間程度で充分であり、通常3日前後である。熟成
に要する時間はまた周囲の温度にも影響を与え、極寒地
では20℃付近まで加熱する等の手段を採った方がよい
こともある。一般に高温では熟成が速く進むが100℃
以上にも加熱するとゲル化が起こるので、せいぜい50
〜60℃までの加熱が適切である。
【0014】熟成を充分に行なうことにより、得られる
皮膜の特性が向上し、はく離等を防止することができ
る。B液に用いるシリル基含有ビニル系重合体は、ビニ
ルモノマーと加水分解性シリル基含有モノマーとの共重
合、等の方法により得られ、主鎖又は側鎖にウレタン結
合あるいはシロキサン結合を一部含んでもよい。ビニル
モノマーとしては特に限定はなく、メチル(メタ)クリ
レート、エチル(メタ)クリレート、ブチル(メタ)ク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)クリレート、ス
テアリル(メタ)クリレート、ベンジル(メタ)クリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)クリレート、トリフロロ
エチル(メタ)クリレート、ペンタフロロプロピル(メ
タ)クリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)
クリレート、(メタ)アクリロニトリル、ポリカルボン
酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等)の塩(アル
カリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩など)又はこれ
らの酸の炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコール
とのジエステルまたはハーフエステル等の不飽和カルボ
ン酸のエステル;スチレン、α−メチルスチレン、クロ
ロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチ
レン、ビニルトルエン等の芳香族炭化水素系ビニル化合
物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレ
ート等のビニルエステルやアリル化合物;(メタ)クリ
ロニトリル等のニトリル基含有ビニル化合物;グリシジ
ル(メタ)クリレート等のエポキシ基含有ビニル化合
物;ジメチルアミノエチル(メタ)クリレート、ジエチ
ルアミノエチル(メタ)クリレート、ビニルピリジン、
アミノエチルビニルエーテル、t−ブチルアミノエチル
(メタ)クリレート、t−ブチルアミノプロピル(メ
タ)クリレート、アジリジニルエチル(メタ)クリレー
ト、ピロリジニルエチル(メタ)クリレート、ピペリジ
ニルエチル(メタ)クリレート、ジメチルアミノプロピ
ル(メタ)クリレート、ジエチルアミノプロピル(メ
タ)クリレート等のアミノ基含有ビニル化合物;(メ
タ)クリルアミド、イタコン酸ジアミド、α−エチル
(メタ)クリルアミド、クロトンアミド、マレイン酸ジ
アミド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドン、N
−ブトキシメチル(メタ)クリルアミド、N,N−ジメ
チルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、アク
リロイルモルホリン、N−ジメチルアミノエチル(メ
タ)クリルアミド、N−ジエチルアミノエチル(メタ)
クリルアミド、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)ク
リルアミド、N−ジエチルアミノプロピル(メタ)クリ
ルアミド等のアミド基含有ビニル化合物;2−ヒドロキ
シエチル(メタ)クリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)クリレート、シクロヘキシルビニルエーテル、
メチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエ
ーテル、N−メチロール(メタ)クリルアミド、AS−
6,AN−6,AA6,AB8,AK5,アロニクス5
700(東亜合成(株)製)、Placcel FA−
1,PLaccel FA−4,Placcel FM
−1,Placcel FM−4(ダイセル化学(株)
製)等の水酸基含有ビニル化合物;(メタ)クリル酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびそれらの塩
(アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等)、無
水マレイン酸等の不飽和カルボン酸、無水イタンコン
酸、酸無水物、またはその塩;ビニルメチルエーテル、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレ
ン、ブタジエン、イソプレン、マレイミド、N−ビニル
イミダゾール、ビニルスルホン酸、(メタ)クリル酸の
ヒドロキシアルキルエステル類などとリン酸もしくはリ
ン酸エステル類との縮合生成物たるリン酸エステル基含
有ビニル化合物、ウレタン結合やシロキサン結合を含む
(メタ)クリレート、スチレン、α−メチルスチレン、
クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシ
スチレン、ビニルトルエン等芳香族炭化水素系ビニル化
合物、フルオロオレフィン等のその他のビニル化合物等
が挙げられる。また、加水分解性シリル基含有モノマー
としては、重合性不飽和2重結合を有し、末端および
(または)側鎖に一般式:
【0015】
【化1】
【0016】で表わされるアルコキシシリル基を有する
(ビニル単量体)ということ以外とくに限定はなく、そ
の具体例としては、たとえば
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】などの末端にアルコキシシリル基をウレタ
ン結合またはシロキサン結合を介して有する(メタ)ア
クリレートなどがあげられる。これらは1種を用いても
よく、2種以上を併用してもよい。これらを常法により
重合し、シリル基含有ビニル系重合体を得、B液に用い
る。
【0020】B液の溶媒としては、アルコール類、ある
いはグリコール誘導体、炭化水素類、エステル類、エト
ン類、エーテル類を1種、または2種以上混合し使用す
る。アルコール類としては具体的にはメタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、nブタノール、イソ
ブタノール、オクタノール等が挙げられ、グリコール誘
導体としてはエチレングリコール、エチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテ
ル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル等が挙
げられる。
【0021】炭化水素類としてはベンゼン、ケロシン、
トルエン、キシレン等が使用でき、エステル類として、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチ
ル、アセト酢酸エチル等が使用できる。アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソプチルケトン、アセチルア
セトン等のケトン類、エチルエーテル、ブチルエーテ
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジオキサ
ン、フラン、テトラヒドロフラン等のエーテル類が使用
できる。
【0022】溶媒量はシリル基含有ビニル系重合体10
0重量部に対し、10〜1000重量部、好ましくは1
00〜500重量部である。10重量部以下では得られ
るB液の粘度が大きくなり、均一な皮膜が得られない。
1000重量部以上では得られる皮膜が薄過ぎる。この
ようにして得られたB液を、好適には予め熟成を行なっ
たA液と配合する。配合方法は、A液にB液を添加、か
くはん等により混合する等、特に限定されない。
【0023】A液とB液の配合量は、目的とする皮膜の
特性に応じて適宜選択される。すなわち、一般的に配合
後の液のケイ素含有量が大きいと、得られる皮膜の硬度
が向上する傾向にある。具体的にはA液中のテトラメト
キシシラン・オリゴマーに対するB液中のシリル基含有
ビニル系重合体の重量比が0.01〜2程度となるよう
に配合するのが実用的である。更に好ましくは0.05
〜1.5であれば特に高硬度の皮膜を得ることができ
る。
【0024】得られた皮膜剤は、液状体での貯蔵安定性
に優れ、条件にもよるが少なくとも2週間程度は粘度の
増加等何ら変化もなく容易に造膜可能な状態を保つ。こ
の本発明の皮膜剤を、透明なガラス基材、高分子基材、
セラミックス基材等に含浸法、スピンコーター法、スプ
レー法の常法で造膜した後、室温以上で加熱硬化する。
加熱炉はガス炉、電気炉等汎用炉で良い。加熱硬化後得
られた皮膜は曇り状であり、また可撓性もあるので、ク
ラックが発生しにくい。
【0025】
【実施例】以下、実施例により、更に本発明を詳細に説
明する。なお部及び%は特にことわりのない限り重量部
及び重量%を示す。 実施例1 (テトラメトキシシラン・オリゴマーの合成)撹拌機と
還流用コンデンサー及び温度計を付けた500mlの3
つ口丸底フラスコに、テトラメトキシシラン234gと
メタノール74gを加えて混合した後、0.05%塩酸
22.2gを加え、内温度65℃、2時間加水分解反応
を行った。
【0026】次いでコンデンサーを抽出管に取り換え、
内温度が150℃になるまで昇温し、メタノールで抽出
させ更に150℃、3時間加熱し縮合を行った。このよ
うにして加水分解物を得た。重合度は3〜6でヒドロキ
シル基10以上であった。テトラメトキシシラン・オリ
ゴマー中のモノマー量は5%であった。引き続き100
〜150℃に加熱したジャケットにテトラメトキシシラ
ン・オリゴマーで煮沸させて、気化したモノマーを不活
性ガスと共に系外に排出する。こうして得られたテトラ
メトキシシラン・オリゴマー中のモノマー量は0.2%
であった。
【0027】(A液の調製)こうして得られたテトラメ
トキシシラン・オリゴマー33.78gにエタノール1
9.16g配合し、次いでマレイン酸0.35g及び脱
塩素水7.28gを添加した。水添加量はテトラメトキ
シシラン・オリゴマーを理論上100%加水分解し得る
量に対し113%である。室温で2日放置し熟成しA液
を得た。
【0028】(B液の調製)メチルメタクリレート40
0部、n−ブチルメチルメタクリレート470部、2−
メタクリロイルオキシエチルコハク酸30部、γ−メタ
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン100
部、キシレン420部、イソプロピルアルコール50部
およびベンゾイルパーオキサイド(BPO)2部を、コ
ンデンサー、撹拌機および温度計付きのフラスコに仕込
み、90℃に加温して重合させ、重合途中にキシレン3
0部にBPO8部を溶解させた重合触媒液を逐次追加し
ながら10時間重合させることによって得られたシリル
基含有ビニル系重合体22.70gに溶媒としてメチル
エチルケトン22.16gを添加しB液とした。
【0029】(皮膜の形成・試験)得られたA液にB液
を室温で添加、攪拌して、皮膜剤を得た。これは、B液
中のシリル基含有ビニル重合体の重量比がA液中のテト
ラメトキシシラン・オリゴマーに対し0.37となる配
合比である。ガラス基材を得られた皮膜剤に含浸し、引
き上げ速度10mm/秒で引き上げた。ついで電気炉6
0℃、1時間加熱硬化した。得られた膜厚は10μmで
曇り状の外観を示し、鉛筆硬度で4Hが得られた。キシ
レン含浸ガーゼで100回皮膜を擦っても目視観察で変
化が見られず耐溶剤性にも優れていた。
【0030】実施例2 A液の調製に際し、実施例1(テトラメトキシシラン・
オリゴマーの合成)で得られたテトラメトキシシラン・
オリゴマーの量が34.30gであること、及び加えた
脱塩素水の量が7.31gであること、B液の調製に際
し、シリル基含有ビニル系重合体の量が6.86gであ
りメチルエチルケトンの量が25.60gであること、
及び皮膜の形成に際し引き上げ速度が3mm/秒である
こと以外は実施例1同様の操作を行った。得られた皮膜
の膜厚は、5μmで曇り状の外観を呈し、鉛筆硬度で5
Hが得られた。キシレン含浸ガーゼで100回皮膜を擦
ったが目視観察で変化が見られず耐溶剤性にも優れてい
た。また、皮膜剤は室温で密閉し11週間放置しても粘
度変化はみられなかった。
【0031】実施例3 A液の調製に際し、実施例1(テトラメトキシシラン・
オリゴマーの合成)で得られたテトラメトキシシラン・
オリゴマーの量が27.82gであること、及び加えた
脱塩素水の量が5.83gであること、B液の調製に際
し、シリル基含有ビニル系重合体の量が11.10gで
あり溶媒としてアセトン33.30gを用いたこと、及
び皮膜の形成に際し引き上げ速度が3mm/秒であるこ
と以外は実施例1同様の操作を行った。得られた皮膜の
膜厚は、5μmで曇り状の外観を呈し、鉛筆硬度で5H
が得られた。キシレン含浸ガーゼで100回皮膜を擦っ
たが目視観察で変化が見られず耐溶剤性にも優れてい
た。また、皮膜剤は密閉し室温で11週間放置しても粘
度変化はみられなかった。
【0032】実施例4及び5 B液の調製に用いたアセトンの量が各々22.20g及
び19.10gであること以外は実施例3と同様の操作
を行なった。実施例1同様の皮膜形成・試験をガラス基
材の皮膜剤からの引上げ速度を3mm/秒、10mm/
秒、20mm/秒、30mm/秒及び50mm/秒の各
々について行なったが、いずれも曇り状の皮膜を得鉛筆
粘度で5Hであり、キシレン含浸ガーゼでの耐溶剤性試
験の結果も目視観察で変化がみられなかった。A液、B
液混合後3日後に、実施例1同様の皮膜形成・試験を引
上げ速度3mm/秒、10mm/秒、20mm/秒、3
0mm/秒及び50mm/秒の各々について繰り返した
が、混合後直ちに行なった場合と差異は見られなかっ
た。
【0033】
【発明の効果】本発明により、曇りガラス形成に有用な
皮膜剤を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 博 北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱 化成株式会社黒崎工場内 (72)発明者 大地 重雄 大阪市中央区伏見町4丁目1番1号 三菱 化成株式会社大阪支社内 (72)発明者 松添 信行 東京都千代田区丸の内2丁目5番2号 三 菱化成株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラメトキシシラン・オリゴマー10
    0重量部に溶媒、硬化触媒及びテトラメトキシシラン・
    オリゴマーを理論上100%加水分解するのに必要な量
    以上の水を添加し、熟成して得られる液(A液)と、 主鎖が実質的にビニル系重合体鎖からなり、末端あるい
    は側鎖に加水分解性基を結合した珪素原子を1分子中に
    少なくとも1個有するシリル基含有ビニル系重合体10
    〜100重量部に溶媒を配合して得られる液(B液)と
    を配合することを特徴とする皮膜剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 A液中のテトラメトキシシラン・オリゴ
    マー中のモノマー含有量が1重量%以下であることを特
    徴とする請求項1記載の皮膜剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 A液中の溶媒がメチルアルコール及び/
    又はエチルアルコールであることを特徴とする請求項1
    記載の皮膜剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 B液中の溶媒がケトン系、芳香属系から
    なる請求項1に記載の皮膜剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 テトラメトキシシラン・オリゴマー10
    0重量部に溶媒、硬化触媒及びテトラメトキシシラン・
    オリゴマーを理論上100%加水分解するのに必要な量
    以上の水を添加し、熟成して得られる液(A液)と、 主鎖が実質的にビニル系重合体鎖からなり、末端あるい
    は側鎖に加水分解性基を結合した珪素原子を1分子中に
    少なくとも1個有するシリル基含有ビニル系重合体10
    〜100重量部に溶媒を配合して得られる液(B液)と
    を配合して得られる皮膜剤。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の皮膜剤を透明基材に塗布
    して得られる曇りガラス。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の皮膜剤を透明基材に塗布
    することを特徴とする曇りガラスの形成方法。
JP10284494A 1994-05-17 1994-05-17 皮膜剤及びその製造方法並びにこれを用いた曇りガラス及びその形成方法 Pending JPH07310050A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10284494A JPH07310050A (ja) 1994-05-17 1994-05-17 皮膜剤及びその製造方法並びにこれを用いた曇りガラス及びその形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10284494A JPH07310050A (ja) 1994-05-17 1994-05-17 皮膜剤及びその製造方法並びにこれを用いた曇りガラス及びその形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07310050A true JPH07310050A (ja) 1995-11-28

Family

ID=14338277

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10284494A Pending JPH07310050A (ja) 1994-05-17 1994-05-17 皮膜剤及びその製造方法並びにこれを用いた曇りガラス及びその形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07310050A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010002162A (ko) * 1999-06-11 2001-01-05 이행우 코팅 조성물 및 이의 제조 방법
JP2007243640A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 超音波振動子
JP2007238794A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd シリカ乾燥ゲル
JP2008303229A (ja) * 2007-06-05 2008-12-18 Nippon Paint Co Ltd 無機有機複合コーティング組成物の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010002162A (ko) * 1999-06-11 2001-01-05 이행우 코팅 조성물 및 이의 제조 방법
JP2007243640A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 超音波振動子
JP2007238794A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd シリカ乾燥ゲル
JP2008303229A (ja) * 2007-06-05 2008-12-18 Nippon Paint Co Ltd 無機有機複合コーティング組成物の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06145453A (ja) 親水性硬化性組成物、及びその製造方法
US20050059775A1 (en) Shelf-stable silane-modified aqueous dispersion polymers
JPH08231856A (ja) 硬化性組成物及びその製造方法
EP0578229B1 (en) Aqueous dispersion composition and production thereof
JPH0160162B2 (ja)
JPH07310050A (ja) 皮膜剤及びその製造方法並びにこれを用いた曇りガラス及びその形成方法
JPH1060365A (ja) 被覆用組成物
JP3387633B2 (ja) 塗料用エマルジョンの製造方法
JP3279056B2 (ja) 造膜用組成物
JP3468583B2 (ja) アニオン性水分散型樹脂組成物及びその製造方法
JPH09143424A (ja) 水性塗料用硬化性樹脂組成物
JP2001114898A (ja) ポリシロキサン複合重合体粒子及びその製造方法、及びこれを用いた水性塗料組成物
WO1995025139A1 (fr) Composition de resine de reticulation
JP3279773B2 (ja) 常温架橋性樹脂組成物およびその製造法
JP4578617B2 (ja) アクリルシリコーン塗料用樹脂の製造方法
JP3446903B2 (ja) 硬化性組成物
JPH0860098A (ja) コーティング用組成物
JPH10195272A (ja) 硬化性シランポリマー組成物におけるアルコキシシリル官能性オリゴマー
JP3432286B2 (ja) コーティング用組成物の製造方法
JP3435599B2 (ja) 建築外装用親水性硬化性組成物、及び建築外装表面に対する親水性付与方法
JPH0692470B2 (ja) ポリシロキサングラフトポリマー水性分散体の製造方法
JP3279774B2 (ja) 常温架橋型水性組成物およびその製法
JPH0726099A (ja) 車両ホイール用被覆組成物
JPH083245A (ja) コーティング用組成物の製造方法
JPH05214160A (ja) ラテックス組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040713

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20040902

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070213

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070626