JPH08231856A - 硬化性組成物及びその製造方法 - Google Patents

硬化性組成物及びその製造方法

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JPH08231856A
JPH08231856A JP4046895A JP4046895A JPH08231856A JP H08231856 A JPH08231856 A JP H08231856A JP 4046895 A JP4046895 A JP 4046895A JP 4046895 A JP4046895 A JP 4046895A JP H08231856 A JPH08231856 A JP H08231856A
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acid
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resin emulsion
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博之 藤丸
Yasuyuki Amano
保行 天野
Hanako Katou
波奈子 加藤
Takeshi Sawai
毅 沢井
Nobuyuki Matsuzoe
信行 松添
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 膜特性、液特性ともに優れたコーティング液
となる硬化性組成物。 【構成】 下記一般式〔A〕で示される有機ケイ素化合
物及び/又はその部分加水分解縮合物、これを理論上1
00%加水分解縮合可能な量以上の水、及び水性合成樹
脂エマルジョンを含有することを特徴とする硬化性組成
物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硬化性組成物及びその製
造方法に関し、さらに詳細には、鉄、ステンレス、アル
ミニウム及びその他の金属、プラスチック、ガラス、木
材、セメントおよびその他の基板、粉粒体、線状物等の
製品の表面コーティング、含浸、接着用途に適用する、
耐汚染性、耐擦傷性、透明性、耐熱性、耐候性、密着性
に優れたコーティング等を供する有用な硬化性組成物及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アクリル樹脂を始めとする各種高
分子と有機ケイ素化合物とを含有する硬化性組成物が、
有機・無機双方の利点を兼ね備えた素材として注目され
ている。これらの成分を含有する硬化性組成物は一般に
成分間の相溶性、液の貯蔵安定性、塗膜物性等のため有
機溶剤を多量に含んでいる。具体的には有機溶剤として
高級アルコール、ケトン類、芳香族系、酢酸系
の1種類あるいは2種類以上を混合して使用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これら有機溶剤は塗工
時に揮発し地球環境保護上問題となるため、その使用を
規制する動きが世界的に起こっている。特に金属、セメ
ント或いは各種の窯業基材にコーティングを施す場合比
較的高温処理を要するため溶剤の揮発は引火の危険を生
じるため一層問題である。そこで水系溶剤を用いた有機
ケイ素化合物を含有した硬化性組成物の開発が望まれて
いる。しかし水系溶剤を用いた場合、一般に硬化性組成
物中の有機ケイ素化合物と有機高分子との親和性も充分
でない上に有機ケイ素化合物自体が水との相溶性に乏し
いため、水系溶剤中にも通常15%程度の有機溶剤は必
須であり完全に有機溶剤を排除することができない上、
水系溶剤を用いた硬化性組成物は貯蔵中に固化してしま
うことがあり実用化が困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、有機ケイ素化合物
及び/又はその部分加水分解縮合物を理論上100%加
水分解可能な水で予め充分加水分解し熟成して得られた
液に、水性合成樹脂エマルジョンを添加することによ
り、得られた硬化性組成物を塗布・硬化して得られた硬
化物は高硬度、耐溶剤性、耐薬品性等に優れた塗膜を供
し得ることを見出し本発明に達した。
【0005】すなわち本発明は、下記一般式〔A〕で示
される有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮
合物、これを理論上100%加水分解縮合可能な量以上
の水、及び水性合成樹脂エマルジョンを配合してなる硬
化性組成物、
【0006】
【化3】
【0007】及び一般式〔A〕で示される有機ケイ素化
合物及び/又はその部分加水分解縮合物及びこれを理論
上100%以上加水分解縮合可能な量以上の水を含む液
をpH1〜3で熟成して得られた液、あるいはこの液に
更にpH3〜5になるよう水を添加しして得られた液
に、水性合成樹脂エマルジョンを配合することを特徴と
する硬化性組成物の製造方法、に存する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明においては、下記一般式〔A〕で示される有機ケイ
素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を必須成分
とする。
【0009】
【化4】
【0010】一般式〔A〕の、Rは炭素数1〜8の炭化
水素基であるが、これらのうち、炭素数1〜3のアルキ
ル基である場合、すなわち一般式〔A〕の有機ケイ素化
合物として具体的にはテトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン及びテトラプロポキシシランのうちいずれ
か1種以上を用いた場合、特に高硬度の硬化性組成物コ
ーティング膜とすることができる。これらの有機ケイ素
化合物の中でも特にテトラメトキシシランを用いた場
合、極めて高硬度の硬化物を得ることができる。
【0011】尚、テトラメトキシシランとして四塩化珪
素とメタノールとの反応、金属珪素及びメタノールの反
応等の方法により得られるもの、及び/又はこれらの部
分加水分解縮合物等を用いることができるが、原料を精
製することにより容易に不純物を除去できること、及び
塩酸が副生せず装置腐食の問題が生じないこと等から、
特に不純物を除去する必要のある用途等については、珪
素及びメタノールを反応させることにより得られるテト
ラメトキシシラン、及び/又はその部分加水分解重縮合
物を用いるのが望ましい。このようにして例えば塩素含
有量が1ppm以下のコーティング液をも容易に得るこ
とができる。
【0012】尚、テトラメトキシシラン以外の有機ケイ
素化合物を得る際も、上述の方法に準じ、各種アルコー
ルを用いた反応による製法を採用できるが、反応性に乏
しいことが多いため、上述のテトラメトキシシランを、
各種アルコールで変性するエステル交換法が有用であ
る。
【0013】また、有機ケイ素化合物としてテトラメト
キシシランを用いた場合、テトラメトキシシランのモノ
マー自体には、眼の角膜を侵し、蒸気でも障害をもたら
す等毒性が強いことが示唆されている。また、活性が高
いため、作業時に発熱し突沸する場合がある。
【0014】従って、有機ケイ素化合物としてテトラメ
トキシシランを用いる場合は、これを部分加水分解縮合
して得られる部分加水分解縮合物(以下、「テトラメト
キシシラン・オリゴマー」と称する)を用いることによ
り、これらに対処することができ、長期にわたって優れ
た塗膜特性を発現し、毒性も低減され、また調液時の作
業性にも優れた硬化性組成物を供することができる。
【0015】有機ケイ素化合物の部分加水分解縮合物を
得るための加水分解縮合反応自体は、公知の方法による
ことができ、たとえば、有機ケイ素化合物としてテトラ
メトキシシランを用いる場合、テトラメトキシシランの
モノマーに所定量の水を加えて酸触媒の存在下に、副生
するアルコールを留去しながら通常、室温程度〜100
℃で反応させる。この反応の際、溶媒としてメタノール
等のアルコールを用いてもよい。この反応によりメトキ
シシランは加水分解し、さらに縮合反応によりヒドロキ
シル基の数が1以下である液状のテトラメトキシシラン
・オリゴマー(通常重合度2〜8程度、大部分は3〜
7)が部分加水分解縮合物として得られる。加水分解の
程度は、使用する水の量により適宜調節することがで
き、有機ケイ素化合物の全ての加水分解可能基すなわち
アルコキシ基を加水分解縮合するのに必要な量の水すな
わちこれらの基のモル数の1/2のモル数の水に対する
実際の添加量の百分率で表す。テトラメトキシシラン・
オリゴマーの加水分解の程度は通常20〜80%程度、
好適には30〜60%程度から選ばれる。20%以下で
はモノマー残存率が高く生産性が低い。また80%以上
では得られる硬化性組成物がゲル化しやすいためであ
る。
【0016】本発明で用いる水には特に制限はなく水道
水で良いが、目的、用途によっては脱塩素水、超純水等
を用いるのが望ましいこともあるので、適宜選択すれば
よい。例えば、酸により特に腐食しやすい軟鋼、銅、ア
ルミニウム等の基材、耐熱皮膜、耐湿皮膜、耐薬品皮膜
等耐バリヤー皮膜等の電子基材料、電気絶縁皮膜等の用
途に用いる場合は脱塩素水を用いたり、半導体等の用途
のように不純物の混入が望ましくない場合は、超純水を
用いることができる。
【0017】こうして得られた部分加水分解縮合物には
モノマーが通常2〜10%程度含有されている。このモ
ノマーが含有されていると毒性が強い上、活性が高く取
扱いにくいので、モノマー含有量が1重量%以下、好ま
しくは0.3重量%以下になるように、モノマーを除去
するとよい。このモノマー除去は、フラッシュ蒸留、真
空蒸留、又はイナートガス吹き込み等により行うことが
できる。
【0018】テトラメトキシシラン以外の有機ケイ素化
合物を用いて部分加水分解縮合物とする場合も、上述の
方法に準じた操作により加水分解縮合反応等を行うこと
ができる他、テトラメトキシシラン・オリゴマーのエス
テル交換反応によることもできる。
【0019】本発明においては、上記の有機ケイ素化合
物及び/又はその部分加水分解縮合物に、これを理論上
100%加水分解縮合可能な量(以下、「加水分解10
0%当量」の水という)以上の水を添加し、熟成する。
すなわち、有機ケイ素化合物の全ての加水分解可能基す
なわちアルコキシ基を加水分解縮合するのに必要な量以
上の水である。有機ケイ素化合物の部分加水分解縮合物
を用いる場合も同様であり、残存するアルコキシ基を加
水分解縮合するのに必要な量以上の水を添加する。
【0020】このように加水分解100%当量以上であ
ればいずれの量でもよいが、実用的にはまず加水分解1
00%当量の1〜4倍、更に好ましくは1〜2倍、特に
好ましくは1〜1.5倍を添加し、pH1〜3として後
述する液の熟成を行うのがよい。pH3以上では加水分
解に要する時間がかかり、pH1未満では発熱が激しく
危険である。また加水分解100%当量未満では後述す
る樹脂エマルジョンとの配合の際、樹脂エマルジョン中
の水性媒体との充分な相溶性が得られず均一化が困難で
あり、得られる塗膜の硬度等の物性も充分でない。加水
分解100%当量の4倍以上では加水分解による液の均
一化に要する時間がかかる。
【0021】本発明では更に必要に応じて硬化触媒を添
加することができる。触媒としては、リン酸以外の無機
酸、有機酸の何れをえらんでもよく、例えば、塩酸、酢
酸、硝酸、ギ酸、硫酸などの無機酸、パラトルエンスル
ホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、シュウ酸な
どの有機酸等が挙げられるが、硬化性組成物の貯蔵安定
性、及び得られる硬化物の硬度等の性質が優れている点
からは、酢酸、マレイン酸、シュウ酸及びフマル酸等の
有機酸、特に好ましくはpKa以下の強酸を用い、望ま
しい範囲のpHに調整するのがよい。
【0022】尚、望ましい触媒の種類は用いる水の量、
及び硬化性組成物の適用される基材の種類、及び用途に
より適宜選択することができる。例えば、触媒として塩
酸、硝酸等の強酸を用いた場合、液で保存性がよく、ま
た次に述べる熟成に要する時間が短縮できる上得られる
硬化物の硬度は優れたものとなるが、特に腐食しやすい
基材に対しては、避けた方がよいこともある。これに対
し例えばマレイン酸は腐食等の畏れが少なく、熟成時間
が比較的短時間ですみ、得られる硬化物の硬度、液での
貯蔵安定性等の特性が特に優れており望ましい。
【0023】これら触媒成分の添加量は、触媒としての
機能を発揮し得る量であれば特に制限されるものではな
く、上述したpHに保つべく用いる触媒の種類及び添加
量を、添加する水の量に応じ適宜選択する。これらの成
分の配合方法は、特に制限されず、例えば触媒成分を予
め水に溶解させたものを用いたり、攪拌しながら配合す
る等の手段により一層均一な配合とすることも出来る。
【0024】本発明においては、上記の成分を配合して
得られる液(以下「配合液」という)を、以下に述べる
ように熟成する。熟成工程を経ることにより、有機ケイ
素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物の加水分
解、縮合による部分架橋反応が充分に進み、加水分解に
より多数のヒドロキシル基が形成され水性媒体に対する
充分な親和性を発現し、得られる硬化性組成物の特性が
優れたものとなるので、以下に述べる熟成を行ってから
後述する樹脂エマルジョンと配合するのが好ましい。
【0025】有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水
分解縮合物と加水分解100%当量の水を含む液の熟成
は、液が2相分離液している間は撹拌を行い、均一にな
った後は液を放置すればよいが、更に撹拌してもよい。
放置する時間は、上述の部分架橋反応が所望の膜及び液
特性を得るのに充分な程度進行するのに充分な時間であ
り、触媒の有無及びその種類にもよる。
【0026】熟成時にはpH3以下、好ましくはpH1
〜2とし、1〜180分、通常10〜20分程度撹拌し
ながら加水分解するのが望ましい。pH3以上で加水分
解を行うと、水の量にもよるが一般に加水分解速度が非
常に遅く、場合によってはゲル化のおそれがある。こう
して透明な液を得た後、更に1〜2時間放置する。熟成
に要する時間はまた周囲の温度にも影響を受け、極寒地
では20℃付近まで加熱する等の手段を採った方がよい
こともある。一般に高温では熟成が速く進むが100℃
以上にも加熱するとゲル化が起こるので、せいぜい50
〜60℃までの加熱が適切である。
【0027】このように本発明の条件下で加水分解によ
る発熱の後、更に放置し熟成を行うことにより、有機ケ
イ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物の加水分
解可能基の加水分解が充分進行し、多数のヒドロキシル
基が形成され、反応性に富む特異な反応性シリカ前駆体
を形成し、後述する樹脂エマルジョンとの配合に適した
ものとなることが推定される。
【0028】熟成後に、さらに水その他各種溶媒または
分散媒を加えることができる。pH3以下で熟成を行っ
た場合、使用上の便宜の為にこれらを加えpH3〜5、
好ましくはpH3〜4程度の弱酸とするのが望ましい。
pH3以下の強酸のままでは使用に不便であり、また中
性〜アルカリ性とした場合は、ゲル化しやすく、液の保
存安定性に問題が生ずることがあるからである。熟成後
に更に水を加える場合は、水の配合量は加水分解100
%当量の水及び樹脂エマルジョン中の水と合計して通常
有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物1
00重量部に対して20〜100,000重量部、好ま
しくは200〜50000、更に好ましくは350〜3
5,000重量部である。20重量部以下では得られた
コーティング液の保存安定性が低下したり、加水分解反
応による急激な発熱により突沸する危険がある。また、
100,000重量以上では、得られたコーティングが
極端に薄くなり、表面改質の効果が低くなる。
【0029】本発明においては、上述した熟成を経た配
合液(以下「熟成物」という)に水性合成樹脂エマルジ
ョンを添加する。 水性合成樹脂エマルジョンとしては
水性媒体中に合成樹脂粒子が安定に分散されているもの
であればいずれも使用可能であり、合成樹脂水分散液、
水性ディスパージョン、ラテックス、などの名称で呼ば
れている物もこれに含まれる。さらに小粒子径のものに
ついてはマイクロエマルジョン、ハイドロゾル等と呼ば
れるがこれらも同様に使用可能である。ここで水性媒体
とは、実質的に有機溶剤を含まない水溶液を指し、エマ
ルジョンの安定化剤、pH調整剤、界面活性剤、粘土調
整剤等の添加剤を含有していてもよい。
【0030】水性合成樹脂エマルジョンとしては、本発
明の有機珪素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物
との混和安定性の面でから、上述した熟成物とのpHの
差があまり大きくないものが好ましく、望ましいpHの
範囲は熟成物のpHによつても異なるが、例えば熟成物
のpHが4〜5程度の範囲は、水性剛性樹脂エマルジョ
ンのpHも5以下のものを用いるのがよく、実用的には
pH2〜5程度が適当である。
【0031】水性合成樹脂エマルジョンの樹脂成分とし
て用いられる樹脂の種類は特に限定されないが、例えば
以下のものが挙げられる。アクリル樹脂、アクリル・ス
チレン共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル・アク
リル共重合樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、オ
レフィン系樹脂、塩ビ系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、
塩ビ・アクリル共重合樹脂、スチレン・ブタジエン共重
合樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂を用
いることができる。
【0032】これらの樹脂の水性エマルジョンの製法と
しては下記に示す公知の方法が挙げられる。 1)乳化重合法 水性媒体中でラジカル重合性モノマーを乳化重合するこ
とにより水性合成樹脂エマルジョンを得る方法。 2)自己乳化法 ラジカル重合または縮合系反応により得た、親水性官能
基を有する自己乳化性のポリマーを水中に分散すること
により水性合成樹脂エマルジョンを得る方法。 3)機械乳化法 塊状重合、懸濁重合などの方法により得られた合成樹脂
を乳化剤の存在下で機械的に分散乳化して水性合成樹脂
エマルジョンを得る方法。
【0033】上記製造法のいずれにより水性合成樹脂エ
マルジョンを得るかは合成樹脂の種類により異なり、例
えばアクリル樹脂、アクリル・スチレン共重合樹脂は乳
化重合法あるいは自己乳化法により製造され、ウレタン
樹脂、ポリエステル樹脂は自己乳化法により製造される
のが通常である。
【0034】これらのうち、アクリル系樹脂(アクリル
・スチレン共重合樹脂も含む)、ポリウレタン樹脂、あ
るいはポリエステル樹脂の水性エマルジョンを用いれ
ば、低pH領域でも安定なエマルジョンとすることがで
きるため、上述した熟成物がpH5以下の酸性である場
合にも、これとの親和性がよく、得られる硬化性組成物
コーティング液の安定性、塗膜物性等の点から望まし
い。
【0035】また、これらのうち、乳化重合法ないし自
己乳化法により製造された水性合成樹脂エマルジョンは
機械的安定性、混和安定性の面で特に優れるため本発明
では特に好ましい。
【0036】この目的のためにはエマルジョン粒子の安
定化のために強電解性のアニオン性基であるスルホン酸
基、あるいはアミノ基、4級アンモニウム塩基を導入さ
れている水性合成樹脂エマルジョンが有効である。具体
的には乳化重合法による水性合成樹脂エマルジョンとし
て ・スルホン酸基を有するアクリル系エマルジョン(アク
リル・スチレン系エマルジョンをも含む) ・アミノ基あるいは4級アンモニウム塩基を有するカチ
オン性アクリル系エマルジョン ・その他のゴム系ラテックス、塩ビ等のビニル共重合系
エマルジョンでスルホン酸基、カチオン性基を有するも
【0037】自己乳化法による水性合成樹脂エマルジョ
ンとして ・スルホン酸基を有するアニオン性ウレタン樹脂エマル
ジョン ・アミノ基あるいは4級アンモニウム塩基を有するカチ
オン性ウレタン樹脂エマルジョン ・スルホン酸基を有するポリエステル樹脂エマルジョン などがあげられる。
【0038】以下、これらについて詳細に述べる。 ≪乳化重合法による水性合成樹脂エマルジョン≫乳化重
合法による水性合成樹脂エマルジョンは通常の乳化重合
法により製造することができる。重合に用いるモノマー
成分としてはアクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、スチレンまたはその誘導体、アクリロニトリル、酢
酸ビニルその他のビニル系モノマーあるいはブタジエ
ン、クロロプレン、イソプレン等のジエン系モノマーの
中から1種以上を選択して用いることが出来る。
【0039】メタクリル酸アルキルエステルの具体例と
しては、(メタ)アクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチ
ル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシルなどがあげられる。アクリル酸アルキルエステ
ルの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル、アクリル酸i−ブチル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチルなどが
あげられ、これらのメタクリル酸エステルおよびアクリ
ル酸エステルは通常単独でまたは2種以上を混合して用
いられる。
【0040】また、前記スチレン誘導体の例としてはス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどがあ
げられる。その他のビニル系モノマーとしては(メタ)
アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、n−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸2
−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、
アクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル、アクリル
酸−N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル
酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチ
ル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサティック
酸ビニル、塩化ビニル等があげられる。
【0041】これらのモノマーを乳化重合する際には、
生成したエマルジョン粒子を安定化させるために、親水
性基を有するラジカル重合性モノマーを共重合すること
が通常行われる。親水性基を有するラジカル重合性モノ
マーとしてはアニオン性、カチオン性、ノニオン性、両
イオン性のものがあげられる。
【0042】アニオン性モノマーの例としては分子内に
カルボキシル基を有するモノマーとしてはマレイン酸、
フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタ
アクリル酸等があげられる。
【0043】同じく分子内にスルホン酸基を有するアニ
オン性モノマーとしてはビニルスルホン酸、(メタ)ア
リルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリ
ル酸2−エチルスルホン酸、アクリルアミド2−メチル
プロパンスルホン酸があげられる。同じく分子内にリン
酸基を有するアニオン性モノマーの例としては(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシエチルリン酸エステルがあげ
られる。これらのアニオン性モノマーはアンモニア、ト
リメチルアミンやモノエタノールアミンの様な有機アミ
ン、ナトリウム、カリウムの様なアルカリ金属の塩とし
て用いることも出来る。
【0044】カチオン性モノマーの例としては(メタ)
アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸
ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルア
ミノエチル、(メタ)アクリルアミドジメチルアミノプ
ロピル、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル
トリメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチル
アンモニウムクロライド、p−ビニルベンジルアンモニ
ウムクロライドがあげられる。
【0045】ノニオン性モノマーの例としては(メタ)
アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、アクリ
ロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミド、ビニル
ピロリドン、ビニルオキサゾリドン、(メタ)アクリル
酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプ
ロピルなどがあげられる。
【0046】これらの親水性基を有するラジカル重合性
モノマーの中ではPH領域での安定性の面から分子内に
スルホン酸基を有するアニオン性モノマーおよびカチオ
ン性モノマーが特に好ましい。ノニオン性モノマーはエ
マルジョンを安定化するために必要な量を使用すると皮
膜の耐水性が低下するという問題があり、分子内にカル
ボキシル基を有するアニオン性モノマーは低PH領域で
の安定性が劣るという問題があるが、上記の低PH領域
で安定性の良好なモノマーと併用して使用することは可
能である。
【0047】これらの親水性モノマーの使用量は少なす
ぎるとエマルジョンの安定性が低下し、また多すぎると
乾燥皮膜の耐水性が悪くなるため、全モノマー量に対し
て0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の範囲
で用いられる。乳化重合反応は乳化剤の存在下におい
て、水媒体中で攪拌下に所定温度でモノマー及び重合開
始剤を一括であるいは連続的に供給することにより行わ
れる。
【0048】乳化剤は通常0.05〜10%、好ましく
は0.1〜5%の範囲で用いられ、具体例としては、ス
テアリルアミン塩酸塩、ラウリルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、トリメチルオクタデシルアンモニウムク
ロライド等のカチオン系乳化剤、オレイン酸カリウム、
ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、アルキル
ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコ
ハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルアリル
エーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルア
リルエーテル燐酸エステルなどのアニオン系乳化剤、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオキシ
プロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステルなどのノニオン系乳化剤、ラウリルベタイン、
ラウリルジメチルアミンオキサイドなどの両イオン性乳
化剤があげられる。
【0049】他に水溶性高分子のポリビニルアルコー
ル、ヒドロキシエチルセルロース、水溶性アクリル共重
合体、スチレンスルホン酸ナトリウムの共重合体等も単
独もしくは上記の乳化剤と併用して用いることが出来
る。
【0050】重合時のモノマー濃度は通常30〜70重
量%、好ましくは35〜65重量%であり、重合開始剤
としては一般に用いられているラジカル重合開始剤、た
とえば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの過硫
酸塩、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,
2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等
のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウ
ロイルパーオキサイドなどの過酸化物系合開始剤などが
あげられる。
【0051】ラジカル重合開始剤の使用量は、重合モノ
マー全量に対して0.2〜10重量%、好ましくは0.
3〜5重量%である。また、反応時間は、通常2〜16
時間であり、重合時の反応温度は通常60〜100℃で
ある。
【0052】≪水性ウレタン樹脂エマルジョン≫本発明
で用いられる水性ウレタン樹脂エマルジョンは、ポリウ
レタンエマルジョン、水性ポリウレタン、水分散性ポリ
ウレタン、ポリウレタンディスパージョン、ポリウレタ
ンマイクロエマルジョン等を含むものであり、水媒体中
にウレタン樹脂が分散安定化されて存在するものであっ
て、従来公知の方法で製造することができる。
【0053】ウレタン樹脂は、イソシアネート化合物と
ヒドロキシル基、アミノ基等の活性水素を有する化合物
との反応生成物であるが、通常はイソシアネート化合物
をポリエステル、ポリエーテル等のポリオール化合物と
反応させることによって得られ、さらに必要によりこれ
をジオール類、ジアミン類等の鎖延長剤と反応させるこ
とによって高分子量化することにより製造される。
【0054】かかるイソシアネート化合物の例として
は、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネート、1・3・6−ヘキサメチ
レントリイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネート、4・4′−メチレンビス
(シクロヘキシルイソシアネート)、トリレンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、4・4′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、4・4′−ジイソシ
アネート−3・3−ジメチルビフェニル、トリフェニル
メタントリイソシアネート、1・5−ナフタレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート等や、これら
の誘導体であるポリイソシアネートプレポリマー等をあ
げることができる。
【0055】また、活性水素を含有する化合物として一
般的には、ヒドロキシル基を含有するポリエーテル、ポ
リエステル等のいわゆるポリオール化合物が用いられ
る。これらのうち、ポリエーテルの例としては、ポリ
(オキシエチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレ
ン)グリコール、ポリ(オキシエチレン)・ポリ(オキ
シプロピレン)グリコール、ポリ(オキシブチレン)グ
リコール、等やそれらの誘導体があげられる。
【0056】また、ポリエステルの例としては、多価ア
ルコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、
1・6ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリット、ソルビタン、N−メチルジエタノー
ルアミン等と、多価カルボン酸、例えばコハク酸、アジ
ピン酸、フタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、グルタ
ル酸、セバチン酸、テトラヒドロフタル酸、二量化リノ
レイン酸等との縮合反応生成物や、上記ポリエステルに
アルキレンオキサイドを付加重合させて得られるポリエ
ステル誘導体等をあげることができる。
【0057】その他にも、活性水素基を有する化合物と
してはポリエステルアミド類、ポリチオエーテル類、ポ
リカーボネート類、アクリルポリオール類、ヒドロキシ
ル基含有ポリブタジエン等があげられ、いずれもイソシ
アネート化合物との反応に用いることができる。また、
鎖延長剤としてはエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジエチレングリコール、1・4−ブチレングリ
コール、トリメチロールプロパン、ハイドロキノンジヒ
ドロキシエチルエーテル、水、エチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミ
ン、イソホロンジアミン、ピペラジン、アミノエチルピ
ペラジン、2・5−ジメチルピペラジン等の分子内に活
性水素基を有する化合物があげられる。
【0058】上記のウレタン樹脂は次の様な種々の方法
により、水分散性とすることが出来、本発明に使用され
る水性ウレタン樹脂分散液を得ることができる。 1)水溶性の原料を使用することによりウレタン樹脂を
水溶解性とする方法。 2)ウレタン樹脂をトルエン、キシレン等の有機溶剤に
溶解し、これを乳化剤水溶液中に機械的に強制乳化させ
る方法。
【0059】3)ポリオール化合物に過剰量のイソシア
ネート化合物を反応させて、末端にイソシアネート基を
有するプレポリマーを作成し、フェノール類、ケトオキ
シム類等のブロック剤で処理してブロックイソシアネー
トを作り、これを乳化剤水溶液中に滴下、攪拌する方
法。 4)末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを作
り、これを鎖延長剤を添加した乳化剤水溶液中に高速で
攪拌しながら添加することにより、乳化と鎖延長を同時
に行う方法。
【0060】5)ウレタン樹脂製造の際に、鎖延長剤と
してジアミノベンゼンスルホネート、ジアミノベンゾエ
ート、N−(2−アミノエチル)−2−アミノエタンス
ルホン酸等の化合物を添加してウレタン樹脂の分子中に
スルホン酸基、カルボキシル基等のアニオン性基を導入
する、あるいはN−メチルジエタノールアミン、N−エ
チルジエタノールアミン等の化合物を添加してウレタン
樹脂の分子中にアミノ基などのカチオン性基を導入する
ことによって自己乳化性とし、これを中和剤を含む水中
に分散させる方法。
【0061】本発明においては、これらの中で上記5)
の方法で得られる自己乳化型のウレタン樹脂エマルジョ
ンが安定性、物性面で有用であり、特に低PH領域での
安定性という面で分子内にスルホン酸基あるいはアミノ
基等のカチオン性基を有する鎖延長剤により製造された
ものが特に好ましい。本発明においては、上述した水性
合成樹脂エマルジョンを、上述の熟成物に、添加する。
【0062】水性合成樹脂エマルジョンの添加量は、有
機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物10
0重量部に対し、5〜500重量部、好ましくは50〜
200重量部程度が適当である。5重量以下では得られ
る硬化性組成物を塗布して得られる塗膜にクラックが発
生し易い。また500重量部以上では得られる塗膜の硬
度が低い傾向がある。
【0063】水性合成樹脂エマルジョン添加後、室温で
数時間放置すれば硬化性組成物が得られる。こうして得
られた本発明の硬化性組成物はポリマー、金属、セラミ
ック等の基材や線材に含浸法、スピンコーター法、スプ
レー法等で造膜したり、粉体と混合して造膜することが
できる。加熱炉はガス炉、電気炉等汎用炉でよい。
【0064】塗布自体は常法によることができ、膜厚も
適宜選定することができる。膜厚の選定は、常法による
ことができ、例えば液中非揮発成分濃度、液の粘度、デ
ィップ法における引上げ速度、スプレー法における噴射
時間等を調整したり、再塗布を行ったりすることにより
選定できる。本発明の硬化性組成物は有機溶剤の揮発に
よる問題もなく、液での貯蔵安定性も良く、しかも得ら
れた硬化性組成物は高硬度、耐溶剤性、耐薬品性等に優
れているという特長を有する。
【0065】
【実施例】以下、実施例により、更に本発明を詳細に説
明する。なお部及び%は特にことわりのない限り重量部
及び重量%を示す。 実施例1 (オリゴマーの合成)攪拌機と還流用コンデンサー及び
温度計を付けた500mlの四つ口丸底フラスコに、テ
トラメトキシシラン234gとメタノール74gを加え
て混合した後、0.05%塩酸22.2gを加え、内温
度65℃、2時間加水分解縮合反応を行った。
【0066】次いでコンデンサーを留出管に取り換え、
内温度が130℃になるまで昇温し、メタノールで留出
させた。このようにして部分加水分解縮合物を得た(部
分加水分解率40%)。重合度2〜8のオリゴマーが確
認され、重量平均分子量は550であった。テトラメト
キシシラン・オリゴマー中のモノマー量は5%であっ
た。引き続き130℃に加熱したフラスコにテトラメト
キシシラン・オリゴマーを入れ、気化したモノマーを不
活性ガスと共に系外に排出しながら、150℃まで昇温
し、3時間保持した。こうして得られたモノマー除去後
のテトラメトキシシラン・オリゴマー中のモノマー量は
0.2%であった。
【0067】(水性合成樹脂エマルジョンの合成)攪拌
機、温度調節器、温度計、環流冷却器、滴下ロートおよ
び窒素ガス導入管を備えた内容積2リットルの4つ口フ
ラスコ内に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
2.0部、水120部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ
65℃に昇温し、過硫酸アンモニウム1.2部および次
亜硫酸ナトリウム1.2部を添加したのち、アクリル酸
ブチル220部、メタクリル酸メチル100部、スチレ
ン60部、アクリルアミド12部、スチレンスルホン酸
ナトリウム12部、ポリエチレンオキサイドノニルフェ
ニルエーテル(エチレンオキサイド20モル付加)2部
および水340部を攪拌混合して得たモノマーエマルジ
ョンを滴下ロートより3時間かけて滴下し、65〜70
℃で重合を行った。滴下終了後、過硫酸アンモニウム
0.8部を水20部に溶解して添加し、80℃で3時間
熟成したのち冷却して水性合成樹脂エマルジョンを得
た。得られたエマルジョンは不揮発分45.5%、PH
2.2、粘度1,300の乳白色分散液であった。
【0068】(硬化性組成物の調製)(オリゴマーの合
成)で得られたテトラメトキシシラン・オリゴマー10
0重量部に対し脱塩素水25重量部及びマレイン酸水を
添加しPH1.5に調整し、30分室温放置し熟成を行
った。水添加量は加水分解100%当量の1.34倍で
ある。引き続き、脱塩素水を711重量部添加し希釈さ
れた熟成物を得た。この希釈された熟成物に、上述の
(水性合成樹脂エマルジョンの合成)で得られた水性合
成樹脂エマルジョンを462重量部添加し、2時間室温
放置し液状の硬化性組成物を得た。
【0069】(塗膜の形成)(硬化性組成物の調製)で
得られた硬化性組成物にガラス板を浸漬し、引上げ速度
3mm/分で引き上げた。次いで電気炉で150℃、2
時間加熱硬化した。得られた塗膜は透明で、膜厚は2μ
mであった。塗膜に5%硫酸を滴下し15時間放置した
が塗膜には変化はみられず耐薬品性にも優れている。ま
たガラス板の代わりにアルミニウム基板を用いた以外は
同様の操作により塗膜を形成し、得られた塗膜を直径3
mmのSUS棒で180度曲加工したがクラック発生は
なく、屈曲性に優れていた。更に500℃で1時間保持
したが変化は見られず、耐熱性にも優れていた。
【0070】実施例2 実施例1(オリゴマーの合成)で得られたモノマー除去
後のテトラメトキシシラン・オリゴマー100重量部に
対し、脱塩素水25重量部及びマレイン酸水を添加しp
H1.5に調整し30分室温下に放置することにより熟
成を行った。ここで添加された水の量は加水分解100
%当量に対し1.34倍である。熟成後更に脱塩素水を
406重量部添加し希釈された熟成物を得た。
【0071】この希釈された熟成物に実施例1(水性合
成樹脂エマルジョンの合成)で得られた水性合成樹脂エ
マルジョンを214重量部添加し、1時間室温放置し液
状の硬化性組成物を得た。これを用い実施例1(塗膜の
形成)同様の操作により塗膜化した。得られた塗膜は透
明で膜厚は2.5μmであり、塗膜に5%硫酸を滴下し
15時間放置したが塗膜には変化はみられず耐薬品性に
も優れている。またガラス板の代わりにアルミニウム基
板を用いた以外は同様の操作により塗膜を形成し、得ら
れた塗膜を直径3mmのSUS棒で180度曲加工した
がクラック発生はなく、屈曲性に優れていた。更に50
0℃で1時間保持したが変化は見られず、耐熱性にも優
れていた。
【0072】実施例3 実施例1(オリゴマーの合成)で得られたモノマー除去
後のテトラメトキシシラン・オリゴマー100重量部に
対し、脱塩素水25重量部及びマレイン酸水を添加しp
H1.5に調整し30分室温下に放置することにより熟
成を行った。ここで添加された水の量は加水分解100
%当量に対し1.34倍である。熟成後更に脱塩素水を
278重量部添加し希釈された熟成物を得た。
【0073】この希釈された熟成物に実施例1(水性合
成樹脂エマルジョンの合成)で得られた水性合成樹脂エ
マルジョンを116重量部添加し、1時間室温放置し液
状の硬化性組成物を得た。これを用い実施例1(塗膜の
形成)同様の操作により塗膜化した。得られた塗膜は透
明で、その膜厚は3.5μmであり、鉛筆硬度は2Hで
あった。また塗膜に5%硫酸を滴下し15時間放置した
が塗膜には変化はみられず耐薬品性にも優れている。ま
たガラス板の代わりにアルミニウム基板を用いた以外は
同様の操作により塗膜を形成し、得られた塗膜を直径3
mmのSUS棒で180度曲加工したがクラック発生は
なく、屈曲性に優れていた。更に500℃で1時間保持
したが変化は見られず、耐熱性にも優れていた。また塗
膜を基板ごと沸騰水に投入し3時間煮沸したが塗膜に変
化は見られず耐沸騰水性にも優れていた。
【0074】
【発明の効果】本発明により、有機溶剤の揮発による環
境への悪影響を防ぐことができる上、得られる塗膜物性
に優れた硬化性組成物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 波奈子 北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱 化学株式会社黒崎開発研究所内 (72)発明者 沢井 毅 北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱 化学株式会社黒崎開発研究所内 (72)発明者 松添 信行 東京都千代田区丸の内2丁目5番2号 三 菱化学株式会社新規事業開発室内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔A〕で示される有機ケイ素
    化合物及び/又はその部分加水分解縮合物、これを理論
    上100%加水分解縮合可能な量以上の水、及び水性合
    成樹脂エマルジョンを配合してなる硬化性組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 一般式〔A〕で示される有機ケイ素化合
    物がテトラメトキシシランであることを特徴とする請求
    項1記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 一般式〔A〕で示される有機ケイ素化合
    物及び/又はその部分加水分解縮合物がテトラメトキシ
    シラン・オリゴマーであることを特徴とする請求項1又
    は2記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 一般式〔A〕で示される有機ケイ素化合
    物及び/又はその部分加水分解縮合物がテトラメトキシ
    シラン・オリゴマーであって且つモノマー含量が1重量
    %以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 下記一般式〔A〕で示される有機ケイ素
    化合物及び/又はその部分加水分解縮合物並びにこれを
    理論上100%加水分解縮合可能な量以上の水を含む液
    をpH1〜3で熟成し、更に水性合成樹脂エマルジョン
    と配合することを特徴とする硬化性組成物の製造方法。 【化2】
  6. 【請求項6】 下記一般式〔A〕で示される有機ケイ素
    化合物及び/又はその部分加水分解縮合物並びにこれを
    理論上100%加水分解縮合可能な量以上の水を含む液
    をpH1〜3で熟成し、更に水を添加しpH2〜5とし
    た後水性合成樹脂エマルジョンと配合することを特徴と
    する硬化性組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 水性合成樹脂エマルジョンがpH2〜6
    であることを特徴とする請求項5又は6記載の硬化性組
    成物の製造方法。
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