JP2003055602A - コーティング剤 - Google Patents

コーティング剤

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JP2003055602A JP2002161032A JP2002161032A JP2003055602A JP 2003055602 A JP2003055602 A JP 2003055602A JP 2002161032 A JP2002161032 A JP 2002161032A JP 2002161032 A JP2002161032 A JP 2002161032A JP 2003055602 A JP2003055602 A JP 2003055602A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)下記成分(1)〜(4)及び必要
に応じて成分(5)を共重合することにより得られた共
重合体と、(B)架橋触媒とを含有することを特徴とす
るコーティング剤。 (1)分子の片末端に二重結合を含有するシリコーンマ
クロマー、(2)カルボキシル基又は酸無水物基と二重
結合とを分子中に併せ持つ不飽和モノマー、(3)加水
分解性シリル基と二重結合とを分子中に併せ持つ不飽和
シランモノマー、(4)アミド、イミド、カーバメート
又はウレア基と二重結合とを分子中に併せ持つ不飽和モ
ノマー、(5)他の共重合可能な不飽和モノマー 【効果】 本発明のコーティング剤は、架橋皮膜の基材
への密着性、強靭性が、イソシアネート架橋品と同等で
あり、また潤滑性に優れるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるアクリル
・シリコーン系コーティング剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、潤滑性に優れる材料として、分子の片末端に二重結
合を含有するシリコーンマクロマーとアクリルモノマー
とを溶液重合したアクリル・シリコーン系コーティング
剤は、良く知られている。また、皮膜の強度、耐熱性を
向上させる目的で、アクリルモノマーの一部にヒドロキ
シエチルメタクリレート等を使用し、分子中に水酸基を
導入し、これをイソシアネートにより架橋することも広
く実施されている。しかし近年、環境問題への配慮か
ら、イソシアネート架橋に替る、安全な架橋システムが
強く求められている。
【0003】一方、加水分解シリル基と二重結合を併せ
持つ化合物をアクリルモノマーと共重合し、これをシラ
ン架橋することは公知である。但し、シリコーンマクロ
マーを共重合した系でシラン架橋を行っても、耐熱性は
向上するものの、皮膜が強靭でなく、また、無機基材へ
の密着性は良好なものの、有機基材との密着が不充分で
あり、前記イソシアネート架橋品の皮膜と同等なもの
が、これまで得られていなかった。
【0004】以上のことから、アクリル・シリコーン系
コーティング剤でイソシアネート架橋品と同等の潤滑
性、耐熱性、密着性、強靭性を有する材料の開発が望ま
れていた。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、潤滑性、耐熱性、耐候性、顔料分散性、密着性、強
靭性に優れる塗膜を形成することができるアクリル・シ
リコーン系コーティング剤を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った
結果、下記成分(1)〜(4)及び必要により成分
(5)(1)分子の片末端に二重結合を含有するシリコ
ーンマクロマー、(2)カルボキシル基又は酸無水物基
と二重結合とを分子中に併せ持つ不飽和モノマー、
(3)加水分解性シリル基と二重結合とを分子中に併せ
持つ不飽和シランモノマー、(4)アミド,イミド,カ
ーバメート又はウレア基と二重結合とを分子中に併せ持
つ不飽和モノマー、(5)他の共重合可能な不飽和モノ
マーを共重合することにより得られる共重合体を用いる
ことが有効であることを知見した。特に、カルボキシル
基を含有するモノマーを共重合することにより、基材へ
の密着性が改善され、また分子中にアミド、イミド、カ
ーバメート又はウレア基と二重結合とを含有するモノマ
ーを共重合することにより、シラン架橋後皮膜が強靭に
なり、イソシアネート架橋品なみの皮膜が得られること
を見出し、本発明を完成した。
【0007】従って、本発明は、(A)上記成分(1)
〜(4)及び必要に応じて成分(5)を共重合すること
により得られた共重合体と、(B)架橋触媒とを含有す
ることを特徴とするコーティング剤を提供する。
【0008】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のコーティング剤の主成分は、上述したように、
(1)分子の片末端に二重結合を含有するシリコーンマ
クロマー、(2)カルボキシル基又は酸無水物基と二重
結合とを分子中に併せ持つ不飽和モノマー、(3)加水
分解性シリル基と二重結合とを分子中に併せ持つ不飽和
シランモノマー、(4)アミド、イミド、カーバメート
又はウレア基と二重結合とを分子中に併せ持つ不飽和モ
ノマー、及び必要により(5)他の共重合可能な不飽和
モノマーを共重合することにより得られた共重合体(樹
脂)である。
【0009】ここで、成分(1)の分子片末端に脂肪族
二重結合を含有するシリコーンマクロマーとしては、下
記構造式で表されるものを使用することが好ましい。
【0010】
【化1】
【0011】ここで、R1は、メチル基等のアルキル
基、フェニル基等のアリール基などの炭素数1〜8の一
価炭化水素基であるが、特にメチル基であることが好ま
しく、R2はR1と同様の炭素数1〜8の一価炭化水素基
であるが、特に炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
Xは、脂肪族不飽和二重結合を含有する有機基であり、
例えばアクリロキシプロピル基、メタクリロキシプロピ
ル基、スチリル基等が挙げられる。nは、3〜300で
あり、さらに好適なのは、20〜200である。nが小
さすきると潤滑性が不充分であり、大きすぎると皮膜強
度が低下する。
【0012】なお、このような成分(1)としては、官
能基としてメタクリル基(メタクリロイルプロピル基)
を有するものが市販されており、容易に入手可能であ
る。
【0013】次に、本発明に使用される成分(2)のカ
ルボキシル基又は酸無水物基と脂肪族二重結合とを分子
中に併せ持つ不飽和モノマーとしては、メタクリル酸、
アクリル酸、(メタ)アクリロイロキシエチルフタル
酸、(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、マレイ
ン酸アルキルエステル、フマル酸アルキルエステル、無
水マレイン酸、無水フマル酸等が例示される。この中で
ポリマーのガラス転移点が最も高いメタクリル酸が耐熱
性の面で特に好適に使用される。
【0014】成分(3)の加水分解性シリル基と脂肪族
二重結合とを分子中に併せ持つ不飽和シランモノマーと
しては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチ
ルジエトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチル
ジメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、ス
チリルトリエトキシシラン、スチリルメチルジメトキシ
シラン、スチリルメチルジエトキシシラン等が好適に使
用出来る。
【0015】また、成分(4)のアミド、イミド、カー
バメート又はウレア基と脂肪族二重結合とを分子中に併
せ持つ不飽和モノマーとしては、メチル(メタ)アクリ
ルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、プロピル
(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルア
ミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジプロピル
(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルオ
キシエチルフタルイミド、N−(メタ)アクリロイルオ
キシエチルコハクイミド、N−(メタ)アクリロイルオ
キシエチルヘキサヒドロフタルイミド、イソシアネート
エチルメタクリレートと低級アルコール又はフェノール
の反応物、イソシアネートエチルメタクリレートと脂肪
族アミン又は芳香族アミンの反応物などが例示され、特
にイミド基と脂肪族二重結合とを分子中に併せ持つモノ
マーが好ましい。
【0016】任意成分として共重合される成分(5)の
ラジカル重合性モノマーは、(A)の成分(1)〜
(4)と共重合するものであれば、いかなるものでもよ
い。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、グリシジル(メタ)アクリレート、スチレン等が
例示される。
【0017】この場合、成分(1)として使用されるシ
リコーンマクロマーは皮膜に潤滑性を付与する成分であ
り、樹脂(共重合体)固形分100重量部中、好ましく
は5〜50重量部、より好ましくは10〜30重量部使
用される。使用量が5重量部より少ないと、皮膜の潤滑
性が充分でなく、50重量部より多いと皮膜強度が低く
なる場合がある。
【0018】成分(2)として使用されるカルボキシル
基又は酸無水物基と二重結合とを分子中に併せ持つ不飽
和モノマーは、樹脂に密着性を付与する目的で使用され
るもので、顔料分散性の向上効果もあり、樹脂固形分1
00重量部中、好ましくは2〜30重量部、より好まし
くは5〜15重量部使用される。使用量が2重量部より
少ないと、樹脂への密着性が不良になり、30重量部よ
り多いと、重合時シリコーンマクロマーとの相分離が起
こる場合が生じる。なお、メタクリル酸は、特に、ホモ
ポリマーのTgが高く、耐熱性の向上にも寄与する。
【0019】成分(3)として使用される不飽和シラン
モノマーは、皮膜の自己架橋目的で使用されるものであ
り、樹脂固形分100重量部中、好ましくは1〜20重
量部、より好ましくは、2〜10重量部使用される。使
用量が1重量部より少ないと、架橋性が不充分であり、
20重量部より多いと、シランは高価なので、コスト面
で不利が生じる場合がある。
【0020】成分(4)として使用されるアミド、イミ
ド、カーバメート又はウレア基と二重結合とを分子中に
併せ持つ不飽和モノマーは、皮膜に可とう性、強靭性を
付与する目的で使用される。この場合、イソシアネート
架橋物は架橋後にカーバメート基が生成し、これが自己
補強性に寄与するが、本発明はイソシアネートを使用し
ないので、本モノマーが使用される。使用量は、樹脂固
形分100重量部中、好ましくは10〜50重量部、よ
り好ましくは15〜40重量部使用される。使用量が5
重量部より少ないと、皮膜が脆く、クラックが入り易く
なり、50重量部より多いと、皮膜の硬度が低下し、皮
膜の滑り性が劣る場合がある。
【0021】任意成分である成分(5)は、樹脂固形分
100重量部中、好ましくは0〜60重量部、より好ま
しくは20〜50重量部使用される。
【0022】上記成分(1)〜(5)の共重合は、溶液
重合法にて公知の方法で行うことができる。重合触媒
は、パーオキサイド系やアゾ系のものが使用される。溶
液重合の際に使用される溶剤としては、公知のものが好
適に使用されるが、配合されるシランの安定性の問題が
あるので、溶剤の全部或いは一部に低級アルコールを使
用することが好ましい。アルコールと共に使用される溶
剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブ
チル等のエステル系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香
族系溶剤、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系溶剤が例示
される。
【0023】本発明のコーティング剤は、上記共重合体
(A)とその架橋触媒(B)とを含有する。この場合、
シラン架橋の触媒としては、公知のものが好適に使用さ
れるが、特に一般式(I)で表される有機金属化合物、
同一のスズ原子に結合した炭素数1〜10のアルキル基
を1〜2個有する4価スズの有機化合物或いはこれらの
化合物の部分加水分解物が好適に使用される。 M(OR3p(R4COCHCOR5q …(I) 〔式中、Mはジルコニウム、チタン又はアルミニウムを
示し、R3及びR4は、同一でも異なっていてもよく、エ
チル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル
基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基な
どの炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示し、R5は、
3及びR4と同様の炭素数1〜6の1価の炭化水素基の
ほか、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i
−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ
基、t−ブトキシ基、ラウリルオキシ基、ステアリルオ
キシ基などの炭素数1〜16のアルコキシル基を示し、
p及びqは0〜4の整数で、(p+q)=(Mの原子
価)である。〕
【0024】有機金属化合物(I)の具体例としては、
(イ)テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリ−n−
ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−
n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコ
ニウム、n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテー
ト)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトア
セテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセト
アセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセト
アセテート)ジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合
物;
【0025】(ロ)テトラ−i−プロポキシチタニウ
ム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテー
ト)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチル
アセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス
(アセチルアセトン)チタニウムなどの有機チタン化合
物;
【0026】(ハ)トリ−i−プロポキシアルミニウ
ム、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアル
ミニウム、ジ−i−プロポキシ・アセチルアセトナート
アルミニウム、i−プロポキシ・ビス(エチルアセトア
セテート)アルミニウム、i−プロポキシ・ビス(アセ
チルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセ
トアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセト
ナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビ
ス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどの有機
アルミニウム化合物;などを挙げることができる。
【0027】これらの有機金属化合物(I)及びその部
分加水分解物のうち、トリ−n−ブトキシ・エチルアセ
トアセテートジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス
(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ−i−プロポ
キシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、トリス
(エチルアセトアセテート)アルミニウム、或いはこれ
らの化合物の部分加水分解物が好ましい。
【0028】また、有機スズ化合物の具体例としては、
(C492Sn(OCOC11232、(C492
n(OCOCH=CHCOOCH32、(C492
n(OCOCH=CHCOOC492、(C8172
Sn(OCOC8172、(C8172Sn(OCOC
11232、(C8172Sn(OCOCH=CHCO
OCH32、(C8172Sn(OCOCH=CHCO
OC492、(C8 172Sn(OCOCH=CHC
OOC8172、(C8172Sn(OCOCH=CH
COOC16332、(C8172Sn(OCOCH=
CHCOOC17352、(C8172Sn(OCOC
H=CHCOOC18372、(C8172Sn(OC
OCH=CHCOOC20412
【化2】 、(C49)Sn(OCOC11233、(C49)S
n(OCONa)3などのカルボン酸型有機スズ化合
物;
【0029】(C492Sn(SCH2COOC
8172、(C492Sn(SCH2CH 2COOC8
172、(C8172Sn(SCH2COOC8172
(C8172Sn(SCH2CH2COOC8172
(C8172Sn(SCH2COOC 12252、(C8
172Sn(SCH2CH2COOC12252、(C4
9)Sn(SCOCH=CHCOOC8173、(C8
17)Sn(SCOCH=CHCOOC8173
【化3】 などのメルカプチド型有機スズ化合物;
【0030】(C492Sn=S、(C8172Sn
=S、
【化4】 などのスルフィド型有機スズ化合物;
【0031】(C49)SnCl3、(C492SnC
2、(C8172SnCl2
【化5】 などのクロライド型有機スズ化合物;
【0032】(C492SnO、(C8172SnO
などの有機スズオキサイドや、これらの有機スズオキサ
イドとエチルシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイ
ン酸ジエチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合
物との反応生成物;などを挙げることができる。
【0033】本コーティング剤は、上述したように
(A)成分が通常の溶液重合で製造されるが、溶液重合
後に架橋触媒を添加して、1液のコーティング剤とする
ことも可能である。しかし、ポットライフの問題がある
ので、基材に塗布する前に触媒を樹脂固形分100重量
部当たり、好ましくは0.1〜1重量部添加するのが良
い。
【0034】本コーティング剤はイソシアネート架橋品
と同等の潤滑性、耐熱性、密着性、強靭性を有し、また
顔料分散性にも優れるので、塗料用としては、耐候性塗
料、防汚塗料、積雪防止塗料、張り紙防止塗料などの特
殊ビヒクル、離型分野としては、離型紙、粘着テープ、
スタンピングホイル等の離型用、潤滑分野としては、感
熱転写フィルムや磁気テープなどのバックコート剤、磁
気カード、ICカード、磁気切符や感熱記録紙などの表
面保護コート剤として好適に使用される。
【0035】
【実施例】以下、合成例、比較合成例及び実施例、比較
例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記
の実施例に制限されるものではない。
【0036】[合成例1]フラスコに下記式(i)で示
されるシリコーンマクロマーを25g、メタクリル酸を
5g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを5
g、下記式(ii)のN−アクリロイルオキシエチルヘ
キサヒドロフタルイミドを25g、メチルメタクリレー
トを40g、溶剤としてイソプロピルアルコールを15
0g、メチルエチルケトンを83gはかりとり、重合触
媒としてアゾビスイソブチロニトリルを1g使用して、
75℃で5時間重合して、コーティング液Aを合成し
た。
【0037】
【化6】
【0038】[合成例2]合成例1のN−アクリロイル
オキシエチルヘキサヒドロフタルイミドに替り、ジメチ
ルアクリルアミド25gを使用して、合成例1と同様に
してコーティング液Bを合成した。
【0039】[合成例3]合成例1のN−アクリロイル
オキシエチルヘキサヒドロフタルイミドに替り、イソシ
アナトエチルメタクリレートとエタノールの当モル反応
物25gを使用して、合成例1と同様にしてコーティン
グ液Cを合成した。
【0040】[合成例4]合成例1のN−アクリロイル
オキシエチルヘキサヒドロフタルイミドに替り、イソシ
アナトエチルメタクリレートとブチルアミンの当モル反
応物25gを使用して、合成例1と同様にしてコーティ
ング液Dを合成した。
【0041】[比較合成例1]フラスコに式(i)のシ
リコーンマクロマーを25g、ヒドロキシエチルメタク
リレートを15g、メチルメタクリレートを60g、溶
剤としてメチルエチルケトンを233gはかりとり、重
合触媒としてアゾビスイソブチロニトリルを1g使用し
て、75℃で5時間重合して、コーティング液Eを合成
した。
【0042】[比較合成例2]フラスコに式(i)のシ
リコーンマクロマーを25g、メタクリロキシプロピル
トリメトキシシランを5g、N−アクリロイルオキシエ
チルヘキサヒドロフタルイミドを25g、メチルメタク
リレートを45g、溶剤としてイソプロピルアルコール
を150g、メチルエチルケトンを83gはかりとり、
重合触媒としてアゾビスイソブチロニトリルを1g使用
して、75℃で5時間重合して、コーティング液Fを合
成した。
【0043】[比較合成例3]フラスコに式(i)のシ
リコーンマクロマーを25g、メタクリル酸を5g、メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシランを5g、メチ
ルメタクリレートを60g、溶剤としてイソプロピルア
ルコールを150g、メチルエチルケトンを83gはか
りとり、重合触媒としてアゾビスイソブチロニトリルを
1g使用して、75℃で5時間重合して、コーティング
液Gを合成した。
【0044】[実施例]得られたコーティング液A,
B,C,D,F,Gをメチルエチルケトンで5%に希釈
し、樹脂固形分100重量部に対し、0.5重量部のジ
ブチルチンジラウレートを加え、それぞれ塗工液A,
B,C,D,F,Gを調製した。また、コーティング液
Eをメチルエチルケトンで5%に希釈し、樹脂固形分1
00重量部に対し、トリレンジイソシアネートアダクト
体を固形分で15重量部添加し、塗工液Eを調製した。
得られた塗工液を、厚さ6μのポリエステルフィルムの
片面に、乾燥後に0.3μ厚になるように塗布した。な
お、塗工液Eは40℃で48時間熟成後、その他は室温
で24時間熟成後に塗膜の評価を行った。結果を表1に
示す。
【0045】
【表1】 密着性:碁盤試験法で評価、セロハンテープ(登録商
標)で25回はがした後の脱落あるものを×とした。 強靭性:厚み0.5cmのガラスのエッジ部で塗膜を擦
り、参考例1と塗膜の脱落度合いが同等のものを〇、脱
落が多いものを×とした。 滑性:表面性測定装置(新東科学株式会社製)を用い
て、接触子(直径10mmのステンレス製球)により荷
重100g、移動速度250mm/minの条件で測定
した。
【0046】
【発明の効果】本発明のコーティング剤は、架橋皮膜の
基材への密着性、強靭性が、イソシアネート架橋品と同
等であり、また潤滑性に優れるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮台 進二 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 Fターム(参考) 4J027 AF05 BA02 BA04 BA05 BA06 BA07 BA08 BA09 BA10 BA11 BA13 BA14 CD08 4J038 CG141 CG171 CH031 CH041 CH071 CH121 CH171 DL031 GA06 GA08 GA09 JC38 KA04 NA11 NA12 NA14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記成分(1)〜(4)及び必要
    に応じて成分(5)を共重合することにより得られた共
    重合体と、(B)架橋触媒とを含有することを特徴とす
    るコーティング剤。 (1)分子の片末端に二重結合を含有するシリコーンマ
    クロマー、(2)カルボキシル基又は酸無水物基と二重
    結合とを分子中に併せ持つ不飽和モノマー、(3)加水
    分解性シリル基と二重結合とを分子中に併せ持つ不飽和
    シランモノマー、(4)アミド、イミド、カーバメート
    又はウレア基と二重結合とを分子中に併せ持つ不飽和モ
    ノマー、(5)他の共重合可能な不飽和モノマー
  2. 【請求項2】 成分(4)がイミド基と二重結合とを分
    子中に併せ持つ不飽和モノマーである請求項1記載のコ
    ーティング剤。
  3. 【請求項3】 成分(1)を5〜50重量部、成分
    (2)を2〜30重量部、成分(3)を1〜20重量
    部、成分(4)を10〜50重量部、成分(5)を0〜
    60重量部の割合(但し、合計量100重量部)で共重
    合させて(A)成分を得ると共に、(A)成分100重
    量部に対し(B)成分を0.1〜1重量部配合した請求
    項1又は2記載のコーティング剤。
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