JP2017025249A - 熱硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】形成された有機膜が高い屈折率を有して且つ、低い表面エネルギーを有する基板にも塗布できる熱硬化性組成物を提供し、及びこの有機膜を有する電子部品を提供すること。【解決手段】式(1)で表されるモノマー(a1)、複素環を有するモノマー(a2)、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)を有するモノマー(a3)、及びその他のモノマー(a4)を共重合して得られるポリマー(A)、シランカップリング剤(B)及び有機溶剤(C)を含有する熱硬化性組成物。(式(1)中、R1は水素又は−CH3であり、R2〜R6はそれぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ又は炭素数1〜3のアルキルを有するトリアルキルシロキシであり、mは1〜10の整数であり、そして、nは0〜150の整数である。)【選択図】 なし

Description

本発明は、電子部品における絶縁膜、半導体装置におけるパッシベーション膜、バッファーコート膜、層間絶縁膜、反射防止膜、平坦化膜、そして、液晶表示素子における層間絶縁膜及びカラーフィルター用保護膜等の形成に用いることができ、かつ形成された有機膜が高い屈折率を有し、更に低い表面エネルギーを有する基板にも塗布可能な熱硬化性組成物に関する。本発明は更に、前記熱硬化性組成物を用いて形成される有機膜及びその有機膜を有する電子部品に関する。
液晶ディスプレイ、タッチパネルディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示装置では、反射による視認性低下を防止するために、ディスプレイ表面に反射防止層が施されている。この反射防止層には高屈折率材料(例えば特許文献1を参照)が必要とされてきた。また近年では、タッチセンサーの上層に骨見え防止層や有機ELディスプレイの導光板にも高屈折率材料が必要とされている。
これまで、形成された有機膜が高い屈折率を有する熱硬化性組成物として、含窒素複素環化合物を有する重合性化合物(例えば特許文献2、特許文献3を参照)が提案されている。
また、上述したような熱硬化性組成物を塗布する方法として、スピンコート、スリットコート、印刷法がある。しかし、電子機器によっては、有機膜を形成する下地が低い表面エネルギーを有する場合がある。その場合、従来の熱硬化性組成物では、塗布時に熱硬化性組成物溶液がはじかれてしまい、コーティング不良が生じてしまう問題があった。
特開平11−038201 特開2009−091462 特開2012−092261
本発明の課題は、形成された有機膜が高い屈折率を有して且つ、低い表面エネルギーを有する基板にも塗布できる熱硬化性組成物を提供し、及びこの有機膜を有する電子部品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、形成された有機膜が高い屈折率を有する熱硬化性組成物を構成するポリマー成分の原料として、ジメチルシロキサン構造を有するアクリル酸系モノマー及び含窒素複素環を有するモノマーを用いることで、前述の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の構成を含む。
[1] 式(1)で表されるモノマー(a1)、複素環を有するモノマー(a2)、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)を有するモノマー(a3)、及びその他のモノマー(a4)を共重合して得られるポリマー(A)。
Figure 2017025249
(式(1)中、Rは水素又は−CHであり、R〜Rはそれぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ又は炭素数1〜3のアルキルを有するトリアルキルシロキシであり、mは1〜10の整数であり、そして、nは0〜150の整数である。)
[2] 複素環を有するモノマー(a2)が、下記式(2)で表される化合物である、[1]項に記載のポリマー(A)。
Figure 2017025249
(式(2)中、Xは単結合または−COO−であり、Yは単結合又は炭素数1〜5のアルキレンであり、Rは水素又は−CHであり、R〜R15は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、−CN、−CF、−OCF、−OH、炭素数1〜9のアルキル、又は炭素数1〜9のアルコキシであり、前記炭素数1〜9のアルキルは任意の−CH−が−COO−、−OCO−、−CO−で置き換えられていてもよく、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよく、前記炭素数1〜9のアルコキシは任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい。なお、上記Xが−COO−であるとき、カルボニル基(−CO−)は二重結合に隣接する。)
[3] モノマー(a1)が、式(1)において、Rが−CH、R〜Rがいずれも−CH、Rが炭素数1〜10のアルキル、mが1〜5の整数、そして、nが1〜150の整数である化合物である、[1]項または[2]項に記載のポリマー(A)。
[4] 複素環を有するモノマー(a2)が、式(2)において、R〜R15がいずれも水素であり、X及びYが共に単結合である化合物である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載のポリマー(A)。
[5] カルボキシル基又はカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)を有するモノマー(a3)が、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、及び無水イタコン酸からなる群から選ばれる少なくとも1つである、[1]〜[4]のいずれか1項に記載のポリマー(A)。
[6] その他のモノマー(a4)が、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、メチルベンジルメタクリレート、ナフチルアクリレート、ナフチルメタクリレート、メチルナフチルメタクリレート、アダマンチルアクリレート、アダマンチルメタクリレート、メチルアダマンチルメタクリレート、N−置換マレイミドからなる群から選ばれる少なくとも1つである、[1]〜[5]のいずれか1項に記載のポリマー(A)。
[7] 式(1)で表されるモノマー(a1)の含まれる割合が、モノマーの総量を100重量部としたときに0.1重量部以上20重量部以下である、[1]〜[6]のいずれか1項に記載のポリマー(A)。
[8] 式(2)で示されるモノマー(a2)の含まれる割合が、モノマーの総量を100重量部としたときに40重量部以上97.9重量部以下である、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物ポリマー(A)。
[9] [1]〜[8]のいずれか1項に記載のポリマー(A)、シランカップリング剤(B)及び有機溶剤(C)を含有する熱硬化性組成物。
[10] [9]項に記載の熱硬化性組成物を用いて形成される硬化物。
[11] [9]項に記載の熱硬化性組成物を用いて形成される有機膜。
本発明の熱硬化性組成物を用いて形成される保護膜、絶縁膜等の(パターン状)有機膜は、高い屈折率を示す。また、本発明の熱硬化性組成物は低い表面エネルギーを示す。その結果、本発明の熱硬化性組成物は低い表面エネルギーを有する基材に高い屈折率を有する有機膜を形成することができる。
1. 本発明のポリマー(A)
本発明のポリマー(A)は式(1)で表されるモノマー(a1)、複素環を有するモノマー(a2)、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)を有するモノマー(a3)、及び(a1)、(a2)、(a3)以外のその他のモノマー(a4)を共重合して得られるポリマーである。本発明のポリマー(A)を共重合により製造する方法は特に制限されないが、ラジカル共重合によって製造されるのが好ましい。
本発明のポリマー(A)を製造するための原料であるラジカル重合性モノマー各成分の混合割合(重量比)は、モノマーの総量を100重量部としたときに、モノマー(a1)は0.1〜78重量部であり、モノマー(a2)は40〜97.9重量部であり、モノマー(a3)が1〜38.9重量部であり、そして、モノマー(a4)が1〜58.9重量部であることが好ましい。モノマー(a1)は0.1〜20重量部であることが良好な塗布性を与えることからより好ましい。
1−1.モノマー(a1)
本発明のポリマー(A)を得るための原料の1つは下記式(1)で表されるモノマー(a1)である。
Figure 2017025249
(式(1)中、Rは水素又は−CHであり、R〜Rはそれぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ又は炭素数1〜3のアルキルを有するトリアルキルシロキシであり、mは1〜10の整数であり、そして、nは0〜150の整数である。)
モノマー(a1)は具体的にはサイラプレーンFM−0711(上記式(1)において、R=R=R=R=R=R=−CH、m=3、重量平均分子量1000である。)、サイラプレーンFM−0721(上記式(1)において、R=R=R=R=R=R=−CH、m=3、重量平均分子量5000である。)、サイラプレーンFM−0725(上記式(1)において、R=R=R=R=R=R=−CH、m=3、重量平均分子量10000である。)、サイラプレーンTM−0701(上記式(1)において、R=−CH、R=R=R=トリメチルシロキシ基、m=3、n=0。)(以上、いずれも商品名;JNC(株)製)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2つ以上を組み合わせてもよい。
これらの中でも、熱硬化性樹脂組成物に良好な塗布性を与えるFM−0711、FM−0721が好ましい。
1−2. 複素環を有するモノマー(a2)
本発明のポリマー(A)を得るための原料の1つは複素環を有するモノマー(a2)である。モノマー(a2)は含窒素複素環を有するモノマーであることが好ましく、下記式(2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つであることがより好ましい。
Figure 2017025249
(式(2)中、Xは単結合または−COO−であり、Yは単結合又は炭素数1〜5のアルキレンであり、Rは水素又は−CHであり、R〜R15は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、−CN、−CF、−OCF、−OH、炭素数1〜9のアルキル、又は炭素数1〜9のアルコキシであり、前記炭素数1〜9のアルキルは任意の−CH−が−COO−、−OCO−、−CO−で置き換えられていてもよく、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよく、前記炭素数1〜9のアルコキシは任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい。なお、上記Xが−COO−であるとき、カルボニル基(−CO−)は二重結合に隣接する。)
モノマー(a2)は具体的には9−ビニルカルバゾール(式(2)において、R〜R15がそれぞれ水素であり、XおよびYが共に単結合であるもの。)、9−アクリルカルバゾール(式(2)において、R〜R15がそれぞれ水素であり、Xが−COO−であり、Yが単結合であるもの。)、9−メタクリルカルバゾール(式(2)において、Rが−CHであり、R〜R15がそれぞれ水素であり、Xが−COO−であり、Yが単結合であるもの。)、3−クロロ−9−ビニルカルバゾール(式(2)において、R〜R12およびR14〜R15がそれぞれ水素であり、R13が塩素であり、XおよびYが共に単結合であるもの。)、3−ブロモ−9−ビニルカルバゾール(式(2)において、R〜R12およびR14〜R15がそれぞれ水素であり、R13が臭素であり、XおよびYが共に単結合であるもの。)、3−ヨード−9−ビニルカルバゾール(式(2)において、R〜R12およびR14〜R15がそれぞれ水素であり、R13がヨウ素であり、XおよびYが共に単結合であるもの。)、3−ニトロ−9−ビニルカルバゾール(式(2)において、R〜R12およびR14〜R15がそれぞれ水素であり、R13がニトロ基であり、XおよびYが共に単結合であるもの。)、9−(8−ノネン−1−イル)−9カルバゾール(式(2)において、R〜R15がそれぞれ水素であり、Xが単結合であり、Yが炭素数6のアルキレンであるもの。)が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2つ以上を組み合わせてもよい。
これらの中でも、熱硬化後の有機膜に屈折率値1.6以上の高い屈折率と透過率値80%以上の透明性を与える9−ビニルカルバゾール、9−アクリルカルバゾール、または9−メタクリルカルバゾールが好ましい。
1−3. カルボキシル基又はカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)を有するモノマー(a3)
本発明のポリマー(A)を得るための原料の1つはカルボキシル基又はカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)を有するモノマー(a3)である。好ましいモノマー(a3)は、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、α−エチルアクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、および2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1つである。これらは単独で用いてもよく、2つ以上を組み合わせてもよい。これらの中でもメタクリル酸がより好ましい。
1−4. その他のモノマー(a4)
本発明のポリマー(A)を得るための原料として、さらに前記モノマー(a1)、モノマー(a2)およびモノマー(a3)以外の、その他のモノマー(a4)を用いる。モノマー(a4)は前記のモノマー(a1)、モノマー(a2)およびモノマー(a3)以外の重合性化合物であれば特に制限はないが、好ましいモノマー(a4)は、アルキル、ベンジル、シクロヘキシル、トリス−トリメチルシロキシシリル、ジシクロペンタニル、マレイミド、ヒドロキシカルボニル、またはヒドロキシフェニルを有する重合性二重結合を有する化合物である。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイロキシプロピル−トリス−トリメチルシロキシシラン、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、および4−ヒドロキシフェニルビニルケトンからなる群から選ばれる少なくとも1つである。これらは単独で用いてもよく、2つ以上を組み合わせてもよい。これらの中でもベンジルメタクリレートがより好ましい。
1−5. ポリマー(A)の製造方法
本発明のポリマー(A)は、前記のモノマー(a1)、モノマー(a2)、モノマー(a3)、およびモノマー(a4)をラジカル共重合することによって得られる。本発明のポリマーの製造方法は特に制限されないが、前記のモノマーの混合物をラジカル重合開始剤の存在下加熱して製造することが可能である。ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物、アゾ化合物などが使用できる。ラジカル共重合の反応温度は特に限定されないが、通常50℃〜150℃の範囲である。反応時間も特に限定されないが、通常1〜48時間の範囲である。また、当該反応は、加圧、減圧又は大気圧のいずれの圧力下でも行うことができる。
上記のラジカル共重合反応に使用する溶剤は、使用するモノマー、そして生成するポリマーが溶解する溶剤が用いられる。当該溶剤の具体例は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、アセトン、2−ブタノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジオキサン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンである。溶剤は、これらの1種であってもよいし、これらの2種以上の混合物であってもよい。これらの中でも酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルがより好ましい。
本発明のポリマー(A)は、ポリスチレンを標準としたGPC分析で求めた重量平均分子量が500〜100,000の範囲であると、膜の成膜性が良好であり好ましい。さらに、重量平均分子量が1,500〜50,000の範囲であると、基板密着性が良好でありより好ましい。
本発明のポリマー(A)の重量平均分子量は、標準のポリスチレンに分子量が645〜132,900のポリスチレン、例えば、ポリスチレンキャリブレーションキット(商品名;PL2010−0102、(株)VARIAN社)、カラム(商品名;PLgel MIXED−D、(株)VARIAN社)を用い、移動相としてTHFを使用して測定することができる。
2. 本発明の熱硬化性組成物
本発明の熱硬化性組成物は前記のモノマー(a1)、モノマー(a2)、モノマー(a3)、及びモノマー(a4)を共重合させて得られるポリマー(A)、シランカップリング剤(B)及び有機溶剤(C)を含有してなる。
2−1. 熱架橋剤
本発明の熱硬化性組成物は熱架橋剤を用いてもよい。熱架橋剤は本発明の熱硬化性組成物を形成する他成分との相溶性が良ければ特に限定されることはないが、好ましくはビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、エポキシ基を有するモノマーの重合体、エポキシ基を有するモノマーと他のモノマーとの共重合体などが挙げられる。
エポキシ樹脂の具体例としては、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパンと1,3−ビス[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチル]フェノキシ]−2−プロパノールとの混合物、及び2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパンが挙げられる。また、これらのエポキシ樹脂としては、下記のような市販品を用いることができる。市販品の例としては、TECHMORE VG3101L(商品名;三井化学(株)製)、EPPN−501H、502H(商品名;日本化薬(株)製)、JER1032H60(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、JER 157S65、157S70(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPPN−201(商品名;日本化薬(株)製)、JER 152、154(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、EOCN−102S、103S、104S、1020(商品名;日本化薬(株)製)、エピコート807、エピコート815、エピコート825、エピコート827、エピコート828、エピコート190P、エピコート191P(商品名;油化シェルエポキシ(株)製)、エピコート1004、エピコート1256(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、アラルダイトCY177、アラルダイトCY184(商品名;日本チバガイギー(株)製)、セロキサイド2021、及びEHPE−3150(商品名;ダイセル化学工業(株)製)が挙げられる。本発明に用いられるエポキシ樹脂は、2種以上を混合して用いてもよい。
また、エポキシ基を有するモノマーの具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、及びメチルグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でもグリシジルメタクリレートが、透明性が良好な有機膜を与えることができるため好ましい。
エポキシ基を有するモノマーと共重合を行う他のモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、及びN−フェニルマレイミドが挙げられる。これらの中でも、得られる共重合体が本発明で用いられるポリエステルアミド酸との相溶性が優れているメチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びスチレンが好ましい。
エポキシ基を有するモノマーの重合体及びエポキシ基を有するモノマーと他のモノマーとの共重合体の好ましい具体例としては、ポリグリシジルメタクリレート、メチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、ベンジルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、n−ブチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体及びスチレン−グリシジルメタクリレート共重合体が挙げられる。
2−2. シランカップリング剤(B)
シランカップリング剤(B)は、熱硬化性組成物と基板との密着性を向上させるために使用される。シランカップリング剤は1種でも2種以上でもよい。シランカップリング剤には、シラン系の化合物を用いることができる。このようなカップリング剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(S510;商品名、JNC(株)製)が挙げられる。これらの中でも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが、密着性を向上させる効果が大きいため好ましい。
シランカップリング剤(B)は、ポリマー(A)100重量部に対し0.1〜100重量部使用することが、本発明の熱硬化性組成物から得られる有機膜の密着性を高める観点から好ましい。
2−3. 溶剤(C)
本発明の熱硬化性組成物に用いられる溶剤(C)は、沸点が100℃〜300℃である化合物が好ましい。沸点が100℃〜300℃である前記溶剤の具体例には、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル、乳酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トルエン、キシレン、γ−ブチロラクトン、又はN,N−ジメチルアセトアミドが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
溶剤(C)は、これらの沸点が100〜300℃である溶剤を20重量%以上含有する混合溶剤であってもよい。混合溶剤における、沸点が100〜300℃である溶剤以外の溶剤には、公知の溶剤を用いることができる。
溶剤(C)としてプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、乳酸エチルおよび酢酸ブチルから選ばれる少なくとも1つを用いると、塗布均一性が高くなるので好ましい。さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、乳酸エチル、および酢酸ブチルから選ばれる少なくとも1つを用いると、熱硬化性組成物の塗布均一性を高め、かつ人体への安全性の観点から好ましい。
溶剤(C)はポリマー(A)100重量部に対し10〜10000重量部使用することが、本発明の熱硬化性組成物から得られる塗膜のコーティング性を高める観点から好ましい。
溶剤(C)は前記のポリマー(A)を合成時に使用した溶剤をそのまま用いてもよいが、熱硬化性組成物の粘度、塗布性等を調整するためにさらに溶剤を追加してもよい。本明細書においては、このように追加される溶剤を「希釈溶剤」と呼ぶことがある。また、ポリマー(A)の合成後に反応溶媒を減圧留去し、熱硬化性組成物の調製時にポリマー(A)及び他の固形分を改めて溶剤に溶解してもよい。
また本発明の熱硬化性組成物は、本発明の効果が得られる範囲において、上記以外の他の成分をさらに含有していてもよい。
3. その他の成分
本発明の熱硬化性組成物には、塗布均一性、接着性を向上させるために各種の添加剤を添加することができる。添加剤には、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、フッ素系又はシリコン系のレベリング剤・界面活性剤、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤、エポキシ化合物やメラミン化合物又はビスアジド化合物等の架橋剤、多価カルボン酸、フェノール化合物等の硬化剤、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系化合物等の酸化防止剤が主に挙げられる。
3−1. 界面活性剤
本発明の熱硬化性組成物には、塗布均一性を向上させるために界面活性剤を添加することができる。界面活性剤としては、例えば、ポリフローNo.45、ポリフローKL−245、ポリフローNo.75、ポリフローNo.90、ポリフローNo.95(商品名;共栄社化学工業(株)製)、BYK300、BYK306、BYK310、BYK320、BYK330、BYK342、BYK346(商品名;ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KP−341、KP−358、KP−368、KF−96−50CS、KF−50−100CS(商品名;信越化学工業(株)製)、サーフロンS−420、サーフロンS−611、サーフロンS−651、サーフロンSC−101、サーフロンKH−40(商品名;AGCセイミケミカル(株)製)、フタージェント222F、フタージェント250、フタージェント251、フタージェント208G、フタージェント310、FTX−218(商品名;(株)ネオス製)、EFTOP EF−351、EFTOP EF−352、EFTOP EF−601、EFTOP EF−801、EFTOP EF−802(商品名;三菱マテリアル(株)製)、メガファックF−171、メガファックF−177、メガファックF−475、メガファックF−556、メガファックR−30、メガファックDS−21(商品名;DIC(株)製)、TEGOFlow370、TEGOGlide420、TEGOGlide450、TEGOWet260、TEGORad2100、TEGOTwin4000、TEGOTwin4100(商品名;エボニックデグサ社製)、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルスルホン酸塩、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、フルオロアルキルアミノスルホン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、又はアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩等が挙げられる。これらから選ばれる少なくとも1つを前記添加剤に用いることが好ましい。
これらの添加剤の中でも、メガファックF−556、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオロアルキルカルボン酸塩、サーフロンS−611、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルスルホン酸塩、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、又はフルオロアルキルアミノスルホン酸塩等のフッ素系の界面活性剤、BYK306、BYK342、BYK346、KP−341、KP−358、又はKP−368等のシリコン系添加剤の中から選ばれる少なくとも1種が添加されると、熱硬化性組成物の塗布均一性が高くなるので好ましい。
また、本発明の熱硬化性組成物における界面活性剤の含有量は、通常、0.01〜10重量%であることが好ましい。
3−2. 紫外線吸収剤
本発明の熱硬化性組成物は、硬化膜の劣化防止能をさらに向上させる観点から、紫外線吸収剤をさらに含有してもよい。このような観点から、紫外線吸収剤の含有量は、熱硬化性組成物全量に対して、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.05〜8重量%であることがさらに好ましく、0.1〜5重量%であることが特に好ましい。
このような紫外線吸収剤としては、例えば、チヌビンP、チヌビン120、チヌビン144、チヌビン213、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン571、チヌビン765(商品名;BASFジャパン(株)製)が挙げられる。これらの中でも、チヌビンP、チヌビン120、チヌビン326が、透明性、相溶性の観点から好ましい。
3−3. 架橋剤
本発明の熱硬化性組成物は、耐熱性、耐薬品性、膜面内均一性、可撓性、柔軟性、弾性をさらに向上させる観点から、架橋剤をさらに含有してもよい。このような観点では、架橋剤の含有量は、上記熱硬化性組成物全量に対して、20〜150重量部であることが好ましい。また、架橋剤は熱によって架橋する熱架橋剤でも、光照射によって架橋する光架橋剤でもよい。
このような熱架橋剤としては、例えば、jER807、jER815、jER825、jER827、jER828、jER190P及びjER191P(商品名;三菱化学(株)製)、jER1004、jER1256、YX8000(以上いずれも商品名;三菱化学(株)製)、アラルダイトCY177、アラルダイトCY184(商品名;ハンツマン・ジャパン(株)製)、セロキサイド2021P、セロキサイド3000、EHPE−3150(商品名;ダイセル化学工業(株)製)、テクモアVG3101L(以上いずれも商品名;(株)プリンテック製)、ニカラックMW−30HM、ニカラックMW−100LM、ニカラックMW−270、ニカラックMW−280、ニカラックMW−290、ニカラックMW−390、ニカラックMW−750LM、(商品名;(株)三和ケミカル製)、HP4700、HP7200(商品名;DIC(株)製)、オグソールEG−200、オンコートEX−1020、オンコートEX−1040(商品名;大阪ガスケミカル(株)製)が挙げられる。
また、このような光架橋剤としては、例えば、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−二ナトリウムスルホネート、4,4’−ジアジドベンザルアセトン−2,2’−ジスルホネート二ナトリウム塩、1,3−ビス(4’−アジド−2’−スルホベンジリデン)ブタノン二ナトリウム塩、2,6−ビス(4’−アジド−2’−スルホベンジリデン)シクロヘキサノン二ナトリウム塩、2,6−ビス(4’−アジド−2’−スルホベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン二ナトリウム塩、2,5−ビス(4’−アジド−2’−スルホベンジリデン)シクロペンタノン二ナトリウム塩、4,4’−ジアドシナミリデンアセトン−2,2’−二ナトリウムスルホネート、2,6−ビス(4’−アジド−2’−スルホシナミリデン)シクロヘキサノン二ナトリウム塩、2,5−ビス(4’−アジド−2’−スルホシナミリデン)シクロペンタノン二ナトリウム塩が挙げられる。
3−4. 硬化剤
本発明の熱硬化性組成物は、熱硬化性を調整する観点から、硬化剤をさらに含有してもよい。このような観点から、硬化剤の含有量は、熱硬化性組成物全量に対して、10重量%以下であることが好ましい。一方で、0.01重量%以上であることがさらに好ましい。
このような硬化剤としては、例えば、多価カルボン酸としてSMA17352(商品名;SARTOMER(株)製)、酸無水物としてSMA1000、SMA2000、SMA3000(商品名;SARTOMER(株)製)、無水マレイン酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、トリメリット酸無水物、ヘキサヒドロトリメリット酸無水物、無水メチルナジック酸、水素化メチルナジック酸無水物、ドデセニル無水コハク酸、ピロメリット酸二無水物、ヘキサヒドロピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、TMEG、TMTA−C、TMEG−500、TMEG−600、(商品名;新日本理化(株)製)、EpiclonB−4400(商品名;DIC(株)製)、YH−306、YH−307、YH−309(商品名;三菱化学(株)製)、SL−12AH、SL−20AH、IPU−22AH(商品名;岡村製油(株)製)、OSA−DA、DSA、PDSA−DA(商品名;三洋化成(株)製)、フェノール化合物として2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3’,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、トリ(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール、又は2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン等が挙げられる。
本発明の熱硬化性組成物に前記多価カルボン酸やフェノール化合物が添加されると、熱硬化性を調整することが可能である。硬化性を上げることで耐熱性、耐薬品性をさらに向上させることができる。
3−5. 酸化防止剤
本発明の熱硬化性組成物には、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系化合物などの酸化防止剤を添加することができる。この中でもヒンダードフェノール系が耐候性の観点から特に好ましい。具体例としては、Irganox1010、IrganoxFF、Irganox1035、Irganox1035FF、Irganox1076、Irganox1076FD、Irganox1076DWJ、Irganox1098、Irganox1135、Irganox1330、Irganox1726、Irganox1425WL、Irganox1520L、Irganox245、Irganox245FF、Irganox245DWJ、Irganox259、Irganox3114、Irganox565、Irganox565DD、Irganox295(商品名;BASFジャパン(株)製)、ADK STAB AO−20、ADK STAB AO−30、ADK STAB AO−50、ADK STAB AO−60、ADK STAB AO−70、ADK STAB AO−80(商品名;(株)ADEKA製)が挙げられる。この中でもIrganox1010、が好ましい。 酸化防止剤の含有量は、熱硬化性組成物全量に対して、0.01〜10重量%であることが好ましい。
4. 熱硬化性組成物の保存
本発明の熱硬化性組成物は、温度−30℃〜25℃の範囲で保存すると、組成物の経時安定性が良好となり好ましい。保存温度が−20℃〜10℃であれば、析出物もなくさらに好ましい。
5. 熱硬化性組成物の使用
本発明の熱硬化性組成物は透明な有機膜を形成するのに適しており、透明絶縁膜および反射防止膜を形成するのに最適である。ここで絶縁膜とは、例えば、層状に配置される配線間を絶縁するために設ける膜(層間絶縁膜)等をいう。更に反射防止膜とは、例えば、反射光を軽減するために基材表面に設ける膜をいう。これら絶縁膜及び反射防止膜はスピンコートやロールコート、スリットコート等の公知の方法によって塗布されたベタ膜や、フォトリソグラフィ法や印刷法によってパターンを形成したものをいう。
本発明の熱硬化性組成物を用いて、低い表面エネルギーを有する基板に透明有機膜を形成する手法は例えば以下の通りである。
まず、本発明の熱硬化性組成物をスピンコート、ロールコート、スリットコート等の公知の方法により、低い表面エネルギーを有する下地に塗布する。下地としては、例えば、シリコーン系材料やフッ素系材料がコーティングされた基板や、印刷用シリコーン製ブランケット胴などが挙げられる。
例えば、シリコーン系材料を塗布した基板の場合、該基板に熱硬化性組成物を塗布後、ホットプレートやオーブンにより80℃〜120℃で1〜5分程度処理し、溶媒を蒸発させて乾燥させる。
乾燥後の膜は、オーブンで120℃〜250℃で10分〜60分程度処理し熱硬化させる。このようにして透明有機膜を得ることができる。
一方、フレキソ印刷の場合、アニロックスロールに供給された熱硬化性組成物を、ゴムやプラスチック製の凸版に付着させ、さらに低い表面エネルギーを有するフィルム基板などに転写する。
このようにして得られた塗膜を、ホットプレートやオーブンで80℃〜120℃で1分〜5分程度処理し、溶媒を蒸発させて乾燥させる。
乾燥後の膜は、オーブンで120℃〜250℃で10分〜60分程度処理し熱硬化させる。このようにして透明有機膜を得ることができる。
また、グラビアオフセット印刷の場合、凹凸のある版胴全体に供給された熱硬化性組成物のうち、凸部の熱硬化性組成物をドクターブレードにて除去する。さらに版胴の凹部に残った熱硬化性組成物を低い表面エネルギーを有する基板などに転写する。
このようにして得られた塗膜を、ホットプレートやオーブンで80℃〜120℃で1分〜5分程度処理し、溶媒を蒸発させて乾燥させる。
乾燥後の膜は、オーブンで120℃〜250℃で10分〜60分程度処理し熱硬化させる。このようにして透明有機膜を得ることができる。
さらに、反転オフセット印刷の場合、シリコーン製ブランケット胴にスリットコートで熱硬化性組成物を塗布し、溶剤を所定のレベルまで乾燥させるために待ち時間をおく。その後、表面に凹凸パターンが形成されたガラス製のクリシェにブランケットを押し付け、不要な部分をクリシェ上に転写して除去する。さらに、ブランケット上に残った熱硬化性組成物をガラス基板などに転写する。
このようにして得られた塗膜を、ホットプレートやオーブンで80℃〜120℃で1分〜5分程度処理し、溶媒を蒸発させて乾燥させる。
乾燥後の膜は、オーブンで120℃〜250℃で10分〜60分程度処理し熱硬化させる。このようにして透明有機膜を得ることができる。
上記のようにして形成した透明有機膜は、その後、上層に透明電極を形成し、エッチングによりパターニングを行った後、配向処理を行う膜を形成させてもよい。
前記透明有機膜は、液晶等を用いる表示素子に用いられる。例えば液晶表示素子は、上記のようにして基板上に透明有機膜が設けられた素子基板と、対向基板であるカラーフィルター基板とを、位置を合わせて圧着し、その後熱処理して組み合わせ、対向する基板の間に液晶を注入し、注入口を封止することによって製作される。
又は、前記素子基板上に液晶を散布した後、素子基板を重ね合わせ、液晶が漏れないように密封することによっても製作することができ、前記表示素子はこのように製作された表示素子であってもよい。
このようにして、本発明の熱硬化性組成物で形成された、高い屈折率を有する透明有機膜を液晶表示素子に用いることができる。なお、本発明の液晶表示素子に用いられる液晶、すなわち液晶化合物および液晶組成物については特に限定されず、いずれの液晶化合物および液晶組成物を使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[合成例1]ポリマー(A1)の合成
攪拌器付4つ口フラスコに、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル、モノマー(a1)としてFM−0721、モノマー(a2)として9−ビニルカルバゾール、モノマー(a3)としてメタクリル酸、モノマー(a4)としてベンジルメタクリレートを下記の重量で仕込み、110℃で2時間加熱して重合を行った。重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を用いた。
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.00g
FM−0721 (a1) 0.15g
9−ビニルカルバゾール (a2) 7.50g
メタクリル酸 (a3) 2.10g
ベンジルメタクリレート (a4) 5.25g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.80g
溶液を室温まで冷却し、ポリマー(A1)溶液を得た。
溶液の一部をサンプリングし、GPC分析(ポリスチレン標準)により重量平均分子量を測定した。その結果、得られたポリマー(A1)の重量平均分子量は13,700であった。
[合成例2]ポリマー(A2)の合成
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.00g
FM−0721 (a1) 0.75g
9−ビニルカルバゾール (a2) 7.50g
メタクリル酸 (a3) 2.10g
ベンジルメタクリレート (a4) 4.65g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.80g
合成例1と同様の処理を行い、ポリマー(A2)溶液を得た。得られたポリマー(A2)のGPC分析(ポリスチレン標準)により求めた重量平均分子量は12,000であった。
[合成例3]ポリマー(A3)の合成
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.00g
FM−0721 (a1) 3.00g
9−ビニルカルバゾール (a2) 7.50g
メタクリル酸 (a3) 2.10g
ベンジルメタクリレート (a4) 2.40g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.80g
合成例1と同様の処理を行い、ポリマー(A3)溶液を得た。得られたポリマー(A3)のGPC分析(ポリスチレン標準)により求めた重量平均分子量は12,500であった。
[合成例4]ポリマー(A4)の合成
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.00g
FM−0721 (a1) 0.15g
9−ビニルカルバゾール (a2) 6.00g
メタクリル酸 (a3) 2.10g
ベンジルメタクリレート (a4) 6.75g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.80g
合成例1と同様の処理を行い、ポリマー(A4)溶液を得た。得られたポリマー(A4)のGPC分析(ポリスチレン標準)により求めた重量平均分子量は13,000であった。
[合成例5]ポリマー(A5)の合成
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.00g
FM−0721 (a1) 0.15g
9−ビニルカルバゾール (a2) 7.50g
アクリル酸 (a3) 2.10g
ベンジルメタクリレート (a4) 5.25g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.80g
合成例1と同様の処理を行い、ポリマー(A5)溶液を得た。得られたポリマー(A5)のGPC分析(ポリスチレン標準)により求めた重量平均分子量は11,800であった。
[合成例6]ポリマー(A6)の合成
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.00g
FM−0721 (a1) 0.15g
9−ビニルカルバゾール (a2) 7.50g
無水マレイン酸 (a3) 2.10g
ベンジルメタクリレート (a4) 5.25g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.80g
合成例1と同様の処理を行い、ポリマー(A6)溶液を得た。得られたポリマー(A6)のGPC分析(ポリスチレン標準)により求めた重量平均分子量は12,300であった。
[合成例7]ポリマー(A7)の合成
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.00g
FM−0721 (a1) 0.15g
9−ビニルカルバゾール (a2) 7.50g
メタクリル酸 (a3) 2.10g
ナフトールメタクリレート (a4) 5.25g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.80g
合成例1と同様の処理を行い、ポリマー(A7)溶液を得た。得られたポリマー(A7)のGPC分析(ポリスチレン標準)により求めた重量平均分子量は12,300であった。
[合成例8]ポリマー(A8)の合成
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.00g
FM−0721 (a1) 0.15g
9−ビニルカルバゾール (a2) 7.50g
メタクリル酸 (a3) 2.10g
アダマンチルメタクリレート (a4) 5.25g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.80g
合成例1と同様の処理を行い、ポリマー(A8)溶液を得た。得られたポリマー(A8)のGPC分析(ポリスチレン標準)により求めた重量平均分子量は12,300であった。
[合成例9]ポリマー(A9)の合成
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.00g
FM−0711 (a1) 0.75g
9−ビニルカルバゾール (a2) 7.50g
メタクリル酸 (a3) 2.10g
ベンジルメタクリレート (a4) 4.65g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.80g
合成例1と同様の処理を行い、ポリマー(A9)溶液を得た。得られたポリマー(A9)のGPC分析(ポリスチレン標準)により求めた重量平均分子量は12,300であった。
[合成例10]ポリマー(A10)の合成
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.00g
FM−0725 (a1) 0.04g
9−ビニルカルバゾール (a2) 7.50g
メタクリル酸 (a3) 2.10g
ベンジルメタクリレート (a4) 5.36g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.80g
合成例1と同様の処理を行い、ポリマー(A10)溶液を得た。得られたポリマー(A10)のGPC分析(ポリスチレン標準)により求めた重量平均分子量は12,300であった。
[合成例11]ポリマー(A11)の合成
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.00g
TM−0701 (a1) 0.75g
9−ビニルカルバゾール (a2) 7.50g
メタクリル酸 (a3) 2.10g
ベンジルメタクリレート (a4) 4.64g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.80g
合成例1と同様の処理を行い、ポリマー(A11)溶液を得た。得られたポリマー(A11)のGPC分析(ポリスチレン標準)により求めた重量平均分子量は12,300であった。
[比較合成例1]ポリマー(B1)の合成
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.00g
9−ビニルカルバゾール (a2) 7.50g
メタクリル酸 (a3) 2.10g
ベンジルメタクリレート (a4) 5.40g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.80g
合成例1と同様の処理を行い、ポリマー(B1)溶液を得た。得られたポリマー(B1)のGPC分析(ポリスチレン標準)により求めた重量平均分子量は9,100であった。
[比較合成例2]ポリマー(B2)の合成
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.00g
FM−0721 (a1) 0.20g
メタクリル酸 (a3) 2.10g
ベンジルメタクリレート (a4) 12.80g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.80g
合成例1と同様の処理を行い、ポリマー(B2)溶液を得た。得られたポリマー(B2)のGPC分析(ポリスチレン標準)により求めた重量平均分子量は10,200であった。
[比較合成例3]ポリマー(B3)の合成
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.00g
9−ビニルカルバゾール (a2) 7.50g
アクリル酸 (a3) 2.10g
ベンジルメタクリレート (a4) 5.40g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.80g
合成例1と同様の処理を行い、ポリマー(B3)溶液を得た。得られたポリマー(B3)のGPC分析(ポリスチレン標準)により求めた重量平均分子量は10,800であった。
[比較合成例4]ポリマー(B4)の合成
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.00g
9−ビニルカルバゾール (a2) 7.50g
無水マレイン酸 (a3) 2.10g
ベンジルメタクリレート (a4) 5.40g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.80g
合成例1と同様の処理を行い、ポリマー(B4)溶液を得た。得られたポリマー(B4)のGPC分析(ポリスチレン標準)により求めた重量平均分子量は11,300であった。
[比較合成例5]ポリマー(B5)の合成
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.00g
9−ビニルカルバゾール (a2) 7.50g
メタクリル酸 (a3) 2.10g
ナフトールメタクリレート (a4) 5.40g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.80g
合成例1と同様の処理を行い、ポリマー(B5)溶液を得た。得られたポリマー(B5)のGPC分析(ポリスチレン標準)により求めた重量平均分子量は12,700であった。
[比較合成例6]ポリマー(B6)の合成
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.00g
9−ビニルカルバゾール (a2) 7.50g
メタクリル酸 (a3) 2.10g
アダマンチルメタクリレート (a4) 5.40g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.80g
合成例1と同様の処理を行い、ポリマー(B6)溶液を得た。得られたポリマー(B6)のGPC分析(ポリスチレン標準)により求めた重量平均分子量は12,700であった。
[実施例1]
[熱硬化性組成物の製造]
希釈溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル及び酢酸ブチル、合成例1で得られたポリマー(A1)を下記の重量で混合溶解し固形分が20重量%の熱硬化性組成物を得た。ポリマーの合成に用いた溶剤と希釈溶剤以外の成分を固形分とした。
プロピレングリコールモノメチルエーテル 0.33g
酢酸ブチル 3.66g
ポリマー(A1)溶液 5.00g
VG3101L 0.17g
S510 0.17g
S−611 0.01g
[実施例2〜11、比較例1〜6]熱硬化性組成物の製造
実施例2〜11は、実施例1と同様に、表1に従って各成分を混合溶解し、比較例1〜6は、実施例1と同様に、表2に従って各成分を混合溶解し、それぞれ固形分20%の熱硬化性組成物を得た。また、界面活性剤を添加する場合は、混合した組成物全体量に対して1000ppm添加した。
Figure 2017025249
Figure 2017025249
表1および表2中の数値は、界面活性剤以外は重量部である。ポリマーの重量は各ポリマー溶液の固形分濃度を33重量%として計算した固形分の重量部である。
[熱硬化性組成物の評価方法]
1)透明膜の形成と乾燥後膜厚の測定
ガラス基板上に熱硬化性組成物を500rpmで10秒間スピンコートし、80℃のホットプレート上で2分間乾燥した。この基板をオーブンで150℃にて30分ポストベイクし、膜厚1.0±0.2μmの透明膜を形成した。膜厚は触針式膜厚計(商品名;P−16+、KLA−Tencor Japan(株))を使用し、3箇所の測定の平均値を膜厚とした。
2)透明性
熱硬化性組成物をガラス基板上に焼成後の膜厚が1.0μmになるように、スピンコーターにて塗布を行った後、150℃にて30分間加熱を行い、硬化膜付きガラス基板を得た。硬化膜付きガラス基板において、紫外可視近赤外分光光度計(商品名;V−670 日本分光(株))により硬化膜のみの光の波長400nmでの光透過率を測定した。光透過率が95%以上であれば、透明性が良好であると判断した。
3)絶対屈折率
反射分光膜厚計(商品名FE−3000;大塚電子(株))を使用し、透明膜を形成したガラス基板を作成し、波長380〜800nmの範囲での反射スペクトルを測定し、589nmにおける屈折率(絶対屈折率)を導いた。絶対屈折率1.6未満の場合は×、絶対屈折率1.6以上の場合は○とした。
4)表面張力
組成物の表面張力は、表面張力計(商品名;ドロップマスターDM―500、協和界面科学(株))を用いて、ペンダントドロップ法(懸滴法)にて測定した。
5) シリコーン板塗布性
低い表面エネルギーを有する下地に対する塗布性を、シリコーン製ブランケットへの塗布性で確認した。該ブランケットに熱硬化性組成物を塗布し、はじきの有無を目視で確認した。はじいた場合は×、均一に塗布できた場合は○とした。
実施例1〜11、比較例1〜6で得られた熱硬化性組成物について、上記の評価方法によって得られた結果を表3および表4に示す。
Figure 2017025249
Figure 2017025249
表3、表4から明らかなように、実施例1〜11は比較例1〜6と比較して、高い屈折率を有する有機膜をシリコーン板上に塗布することができる。
以上の結果より、含窒素複素環化合物及びジメチルシロキサン構造を有するアクリルポリマー材料を用いることで、形成された有機膜が高い屈折率を有して且つ、低い表面エネルギーを有する基板にも塗布できる熱硬化性組成物を提供できるという結果が得られており、これは本発明の構成の合理性と有意性及び従来技術に対する卓越性を明示しているといえる。
本発明の熱硬化性組成物は、例えば、液晶表示素子に用いられる絶縁膜または反射防止膜の形成に用いることができる。

Claims (11)

  1. 式(1)で表されるモノマー(a1)、複素環を有するモノマー(a2)、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)を有するモノマー(a3)、及びその他のモノマー(a4)を共重合して得られるポリマー(A)。
    Figure 2017025249
    (式(1)中、Rは水素又は−CHであり、R〜Rはそれぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ又は炭素数1〜3のアルキルを有するトリアルキルシロキシであり、mは1〜10の整数であり、そして、nは0〜150の整数である。)
  2. 複素環を有するモノマー(a2)が、下記式(2)で表される化合物である、請求項1に記載のポリマー(A)。
    Figure 2017025249
    (式(2)中、Xは単結合または−COO−であり、Yは単結合又は炭素数1〜5のアルキレンであり、Rは水素又は−CHであり、R〜R15は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、−CN、−CF、−OCF、−OH、炭素数1〜9のアルキル、又は炭素数1〜9のアルコキシであり、前記炭素数1〜9のアルキルは任意の−CH−が−COO−、−OCO−、−CO−で置き換えられていてもよく、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよく、前記炭素数1〜9のアルコキシは任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい。なお、上記Xが−COO−であるとき、カルボニル基(−CO−)は二重結合に隣接する。)
  3. モノマー(a1)が、式(1)において、Rが−CH、R〜Rがいずれも−CH、Rが炭素数1〜10のアルキル、mが1〜5の整数、そして、nが1〜150の整数である化合物である、請求項1または2に記載のポリマー(A)。
  4. 複素環を有するモノマー(a2)が、式(2)において、R〜R15がいずれも水素であり、X及びYが共に単結合である化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリマー(A)。
  5. カルボキシル基又はカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)を有するモノマー(a3)が、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、及び無水イタコン酸からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリマー(A)。
  6. その他のモノマー(a4)が、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、メチルベンジルメタクリレート、ナフチルアクリレート、ナフチルメタクリレート、メチルナフチルメタクリレート、アダマンチルアクリレート、アダマンチルメタクリレート、メチルアダマンチルメタクリレート、N−置換マレイミドからなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリマー(A)。
  7. 式(1)で表されるモノマー(a1)の含まれる割合が、モノマーの総量を100重量部としたときに0.1重量部以上20重量部以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリマー(A)。
  8. 式(2)で示されるモノマー(a2)の含まれる割合が、モノマーの総量を100重量部としたときに40重量部以上97.9重量部以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物ポリマー(A)。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリマー(A)、シランカップリング剤(B)及び有機溶剤(C)を含有する熱硬化性組成物。
  10. 請求項9に記載の熱硬化性組成物を用いて形成される硬化物。
  11. 請求項9に記載の熱硬化性組成物を用いて形成される有機膜。
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