JP2003313426A - 有機無機複合樹脂の水系分散体 - Google Patents

有機無機複合樹脂の水系分散体

Info

Publication number
JP2003313426A
JP2003313426A JP2002119881A JP2002119881A JP2003313426A JP 2003313426 A JP2003313426 A JP 2003313426A JP 2002119881 A JP2002119881 A JP 2002119881A JP 2002119881 A JP2002119881 A JP 2002119881A JP 2003313426 A JP2003313426 A JP 2003313426A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
group
organic
aqueous dispersion
inorganic composite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002119881A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuo Fukushima
達雄 福島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP2002119881A priority Critical patent/JP2003313426A/ja
Publication of JP2003313426A publication Critical patent/JP2003313426A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属キレート化合物、乳化剤を用いないで
も、有機溶剤含有量を少なくでき、貯蔵安定性に優れ、
耐候性、付着性、耐アルカリ性等に優れた水性塗料組成
物を提供する。 【解決手段】 〔A〕(a)スルホン酸塩基含有重合性
不飽和モノマー、(b)加水分解性シリル基又はシラノ
ール基を含有する重合性不飽和モノマー及び(c)共重
合可能なその他の重合性不飽和モノマー、からなる単量
体混合物を共重合してなる共重合体と、〔B〕珪素原子
に結合した加水分解性基および/または珪素原子に結合
した水酸基を有するポリオルガノシロキサン、とが反応
してなる有機無機複合樹脂が水系媒体中に分散してなる
水性分散体、及びこの水性分散体を含有する水性塗料組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規で有用な有機
無機複合樹脂の水系分散体、及び該水系分散体を含有す
る、貯蔵安定性、耐候性、付着性、耐アルカリ性等に優
れた水性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】地球環境問題がクローズア
ップされるに伴い、有機溶剤型塗料組成物から排出され
る各種有機溶剤が問題となっており、溶剤型塗料組成物
を水性塗料組成物に代替する要求が高まってきている。
【0003】水性塗料組成物の樹脂としては、乳化重合
により得られる重合体エマルジョンが知られており、こ
のものは常温あるいは加熱環境下で良好な塗膜を形成
し、広く用いられているが、高度な耐久性に乏しく、
光、熱、雨等により、容易に劣化し、光沢等が低下する
という問題点がある。
【0004】さらに、水性塗料組成物の樹脂としては、
塩基性基又は酸性基と水酸基とを有するビニル系共重合
体を酸又は塩基で中和した後、水性媒体に分散あるいは
溶解してなる水性樹脂が知られており、この水性樹脂
と、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物、アミノ樹脂
などの硬化剤と組み合わせた水性塗料組成物が知られ、
幅広く利用されている。しかしながら、このような水性
樹脂を結合材とする塗膜は暴露時の光沢保持性が不十分
であり、高度な耐候性が得られないという問題があっ
た。
【0005】近年、優れた耐候性が得られる水性塗料組
成物として、ポリオルガノシロキサンとシリル基含有ビ
ニル系樹脂を反応させて得られる有機無機複合体を水系
媒体中に分散させて得られる水系分散体が提案されてい
る(特開平10−60280号公報、特開平11−34
9815号公報参照)。
【0006】特開平10−60280号公報によれば、
有機無機複合化反応の促進のために安定性に劣る金属キ
レート化合物を使用することや、水中に分散するために
アルキル硫酸エステルなどの乳化剤を使用することが必
要となるため、該水系分散体を結合材とする塗膜は、ワ
レが比較的発生しやすく、耐久性にも限界があるという
問題がある。また、特開平11−349815号公報に
よると、金属キレート化合物を用いないが、ポリオルガ
ノシロキサンとシリル基含有ビニル系樹脂との加水分解
縮合反応に際して、トリアルコキシボランを使用するも
のであって、反応に際して、高沸点溶剤であるエチレン
グリコールモノブチルエーテルのような有機溶剤を多量
に含み、有機溶剤による環境汚染の問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の課題を背景としてなされたもので、金属キレ
ート化合物、乳化剤を用いないでも、有機溶剤含有量を
少なくでき、貯蔵安定性に優れ、特に、耐候性、付着
性、耐アルカリ性等に優れた水性塗料組成物を提供する
ことを目的とするものである。
【0008】また、本発明は、上記水性塗料組成物に用
いられる有機無機複合樹脂の水系分散体を提供すること
を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、鋭意研究した結果、シリル基含有ビニル系樹脂中に
スルホン酸塩基を導入することによって、乳化剤や溶剤
を用いることなく、貯蔵安定性に優れ、特に、耐候性、
付着性、耐アルカリ性等に優れた、水性塗料組成物用の
樹脂として好適な有機無機複合樹脂の水系分散体が得ら
れることを見出し本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明は、1.〔A〕(a)スル
ホン酸塩基含有重合性不飽和モノマー、(b)加水分解
性シリル基又はシラノール基を含有する重合性不飽和モ
ノマー及び(c)共重合可能なその他の重合性不飽和モ
ノマーからなる単量体混合物を共重合してなる共重合体
と、〔B〕珪素原子に結合した加水分解性基および/ま
たは珪素原子に結合した水酸基を有するポリオルガノシ
ロキサンとが反応してなる有機無機複合樹脂が水系媒体
中に分散してなる水性分散体を提供するものである。
【0011】また、本発明は、2.前記重合性不飽和モ
ノマー(b)として加水分解性シリル基含有重合性不飽
和モノマーを用いてなる共重合体〔A〕に水及び酸を加
えてpHを3.5〜5.5の範囲内として加水分解性シ
リル基の加水分解を行い、ついで、前記ポリオルガノシ
ロキサン〔B〕及び必要に応じて、酸及び/又は水を加
えpH2.5〜4.5の範囲内として縮合反応及び加水
分解反応を行ってなる有機無機複合樹脂を水系媒体中に
分散させてなる上記項1記載の水性分散体を提供するも
のである。
【0012】さらに本発明は、3.上記項1又は2に記
載の有機無機複合樹脂の水性分散体を含有することを特
徴とする水性塗料組成物を提供するものである。
【0013】以下、本発明について詳細に説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】まず、本発明の有機無機複合樹脂
の水性分散体について説明する。本発明の有機無機複合
樹脂の水性分散体は、下記共重合体〔A〕とポリオルガ
ノシロキサン〔B〕とが反応してなる有機無機複合樹脂
が水系媒体中に分散してなるものである。
【0015】共重合体〔A〕 共重合体〔A〕は、スルホン酸塩基含有重合性不飽和モ
ノマー(a)[以下、「スルホン酸塩モノマー(a)」
と略称することがある]、加水分解性シリル基又はシラ
ノール基を含有する重合性不飽和モノマー(b)[以
下、「シランモノマー(b)」と略称することがある]
及び共重合可能なその他の重合性不飽和モノマー(c)
[以下、「その他モノマー(c)」と略称することがあ
る]からなる単量体混合物を共重合してなる共重合体で
ある。
【0016】スルホン酸塩モノマー(a)は、スルホン
酸基がカリウム、ナトリウムなどの金属、アンモニア、
アミンなどの塩となった基を有する重合性不飽和モノマ
ーであり、その具体例としては、例えば、メタクリルス
ルホン酸ナトリウム、メタクリルスルホン酸アンモニウ
ム、メタリルスルホン酸ナトリウム、メタクリロキシエ
チルスルホン酸ナトリウム、メタクリロキシエチルスル
ホン酸アンモニウム、p−スチレンスルホン酸ナトリウ
ム、β−スチレンスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホ
ン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸アンモニウムなどを挙げるこ
とができる。
【0017】シランモノマー(b)は、ケイ素原子に直
接結合するアルコキシ基、アルコキシアルコキシ基もし
くはアシロキシ基などを持つ加水分解性シリル基、又は
ケイ素原子に直接結合する水酸基を持つヒドロキシシリ
ル基を有する重合性不飽和モノマーであり、その具体例
としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、
ビニルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリ
ロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、β
−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシブチルフェニルジメトキシシラ
ン、ビニルモノヒドロキシジメトキシシラン、ビニルト
リヒドロキシシランなどを挙げることができる。
【0018】その他モノマー(c)は、上記モノマー
(a)及び(b)と共重合可能な単量体であり、その具
体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリ
レート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレー
ト、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)
アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの
(メタ)アクリル酸アルキルエステル;2-ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプ
ロラクトン変性水酸基含有(メタ)アクリレート(例え
ば、商品名「プラクセルFM」シリーズ、ダイセル化学
(株)製)などの水酸基含有不飽和単量体;グリシジル
(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有不飽和単量
体;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マ
レイン酸及び無水マレイン酸などの如きカルボキシル基
含有不飽和単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイル
オキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)ア
クリロイルオキシ−3−クロロプロピルアシッドホスフ
ェート、2−メタクロイルオキシエチルフェニルリン酸
などの酸性リン酸エステル系不飽和単量体;(メタ)ア
クリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ビニルピリジン、ビニルイミダゾールな
どの窒素含有不飽和単量体;スチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル単量体;塩化
ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン含有不飽和単量
体;酢酸ビニルなどのビニルエステル;ビニルエーテ
ル;(メタ)アクリロニトリルなどの不飽和シアン化合
物;(メタ)アクロレイン、クロトンアルデヒド、ジア
セトンアクリルアミド、(メタ)アクリルアミドピバリ
ンアルデヒドなどのカルボニル基含有不飽和単量体など
を挙げることができ、これらの群から選ばれた1種又は
2種以上を使用することができる。
【0019】上記モノマー(a)、(b)及び(c)か
らなる単量体混合物を共重合することによって共重合体
〔A〕を得ることができる。単量体混合物における各モ
ノマー成分の配合割合は、特に制限されるものではない
が、通常、該単量体混合物全量に基づいて下記の範囲内
にあることが適当である。 モノマー(a):0.1〜10重量%、好ましくは0.
5〜6重量%、 モノマー(b):1〜40重量%、好ましくは3〜30
重量%、 モノマー(c):98.9〜50重量%、好ましくは9
6.5〜65重量%。
【0020】上記単量体混合物を共重合して共重合体
〔A〕を得るための共重合方法は、特に限定されるもの
ではなく、それ自体既知の共重合方法を用いることがで
きるが、なかでも有機溶剤中にて、重合開始剤の存在下
で重合を行う溶液重合法を好適に使用することができ
る。また、共重合に際して、ゲル化防止などの目的で、
例えば、アミン化合物、アンモニア、アルカリ金属水酸
化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)等の塩
基性化合物を配合してもよい。
【0021】共重合体〔A〕とポリオルガノシロキサン
〔B〕との反応物を水系分散体とすることから、上記溶
液重合法に際して使用される有機溶剤としては、親水性
溶剤を好適に用いることができる。その具体例として
は、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノー
ル、エチレングリコールなどのアルコール系溶剤;エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル
などのエーテルアルコール系溶剤;ジエチルエーテル、
ジプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン
などのエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン
などのケトン系溶剤などを挙げることができる。これら
の有機溶剤は、1種で又は2種以上を組合せて使用する
ことができる。これら以外の溶剤も適宜使用することが
できるし、親水性溶剤以外の溶剤で共重合した後、親水
性溶剤と置換することもできる。
【0022】共重合体〔A〕製造のための前記単量体混
合物の共重合に際して使用できる重合開始剤としては、
2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパ
ーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブ
チルパーオクトエート、2,2'−アゾビス(2−メチ
ルブチロニトリル)などのそれ自体既知のラジカル重合
開始剤を挙げることができる。
【0023】共重合体〔A〕は、重量平均分子量が5.
000〜100,000、好ましくは10,000〜5
0,000の範囲内にあること、水酸基価が0〜200
mgKOH/g、好ましくは20〜100mgKOH/
g範囲内にあることが、製造安定性や塗膜性能の面から
適している。
【0024】ポリオルガノシロキサン〔B〕 ポリオルガノシロキサン〔B〕は、ポリシロキサン鎖の
側鎖、末端又はこれら両者に珪素原子に結合した加水分
解性基および/または珪素原子に結合した水酸基を有す
る化合物である。ポリオルガノシロキサン〔B〕は、上
記珪素原子に結合した加水分解性基や水酸基以外に、そ
の他の反応性官能基、オルガノ基を有していてもよい。
また、ポリオルガノシロキサン〔B〕は、線状、分岐
状、網状、環状等のいずれの構造であってもよい。
【0025】ポリオルガノシロキサン〔B〕としては、
下記一般式(1)で表されるシラン化合物(以下、「シ
ラン(I)」と略称することがある。)が重縮合した構
造を有する成分が好ましい。
【0026】 (R1)n Si(OR2)4-n ・・・(1) (式中、R1 は炭素原子数1〜8の有機基、R2 は水素
原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜
8のアルコキシアルキル基または炭素原子数1〜4のア
シル基を示し、nは0〜2の整数である。) 上記一般式(1)において、R1で表される炭素原子数
1〜8の有機基としては、例えば、メチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、
sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキ
シル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシ
ル基等のアルキル基;γ−クロロプロピル、γ−ブロモ
プロピル、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロ
ゲン化アルキル基;γ−グリシドキシプロピル基、γ−
(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、γ−メルカプ
トプロピル基、γ−アミノプロピル基、γ−ジメチルア
ミノプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチル基、ビニル基、フェニル基等が挙げられる。
【0027】また、一般式(1)におけるR2 で表され
る炭素原子数1〜5のアルキル基としては、例えば、メ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペ
ンチル基等が挙げられ、炭素原子数2〜8のアルコキシ
アルキル基としては、メトキシメチル、メトキシエチ
ル、メトキシプロピル、メトキシブチル、エトキシエチ
ル、エトキシプロピル、エトキシブチル、プロポキシエ
チル、プロポキシプロピル、ブトキシエチル基等が挙げ
られ、炭素原子数1〜4のアシル基としては、例えば、
アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられ
る。
【0028】このようなシラン(I)の具体例として
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メ
チルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
メチルトリ(メトキシエトキシ)シラン、エチルトリメ
トキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピ
ルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラ
ン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルト
リエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,
3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,
3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエ
トキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル
トリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシル
エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメ
トキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プ
ロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシ
シラン、ジ−イソプロピルジメトキシシラン、ジ−イソ
プロピルジエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラ
ン、ジビニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシ
シラン、ジフェニルジエトキシシラン等のアルコキシシ
ラン類;テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキ
シシラン、エチルトリアセトキシシラン、ジメチルジア
セトキシシラン、ジエチルジアセトキシシラン等のアシ
ルオキシシラン類等が挙げられ、好ましくはメチルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランである。
【0029】これらのシラン(I)は、単独でまたは2
種以上の混合物を重縮合させることによってポリオルガ
ノシロキサン〔B〕とすることができるが、一般式R1
Si(OR2) で表される化合物と一般式(R1)
i(OR2) で表される化合物とからなり、該混合物
中の前者の化合物の含有率が40重量%以上である混合
物を使用することが好ましく、特に、CH Si(O
) で表される化合物を、好ましくは40重量%以
上、さらに好ましくは50重量%以上含有する混合物を
使用することにより、特に優れた水系分散体を得ること
ができる。
【0030】ポリオルガノシロキサン〔B〕が有してい
てもよい、その他の反応性官能基としては、アルコール
性水酸基、グリシジル基、アミノ基、メルカプト基、カ
ルボキシル基、アミド基、ビニル基、(メタ)アクリロ
キシ基等が挙げられる。なかでも、アルコール性水酸
基、グリシジル基が好ましい。また、ポリオルガノシロ
キサン〔B〕が有していてもよい、オルガノ基(有機
基)としては、アルキル基(メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ヘキシル基等)、アルケニル基、ア
リール基、アリル基、フェニル基等が挙げられる。なか
でも、オルガノ基として、メチル基、ビニル基、フェニ
ル基等を有するものが、コスト等の点から実用上有利で
ある。
【0031】ポリオルガノシロキサン〔B〕の分子量に
関しては、前記共重合体〔A〕との相溶性のある範囲内
にあることが好適であり、通常、重量平均分子量で30
0〜50,000程度、好ましくは500〜30,00
0程度であるのが適当である。この範囲よりも分子量が
大きくなるにつれて相溶性が低下する傾向がある。
【0032】前記共重合体〔A〕と上記ポリオルガノシ
ロキサン〔B〕とが反応してなる有機無機複合樹脂を得
るには、前記共重合体〔A〕と上記ポリオルガノシロキ
サン〔B〕とが化学的に結合し、かつ得られる有機無機
複合樹脂が水系媒体中に分散できる限り、適宜の方法で
製造することができる。
【0033】なかでも、前記共重合体〔A〕に水及び酸
を加えてpHを3.5〜5.5、好ましくはpH3.5
〜5の範囲内として加水分解性シリル基の加水分解を行
い、ついで前記ポリオルガノシロキサン〔B〕及び必要
に応じて、酸を加えPHを2.5〜4.5、好ましくは
pH3〜4の範囲内として重縮合反応を行い、その後、
水を加え、加水分解を行なうことによって有機無機複合
樹脂を得ることが好適である。上記反応においては、有
機溶剤が含有されていてもよく、この有機溶剤は、共重
合体〔A〕の製造時に用いられて共重合体〔A〕の有機
溶剤溶液中に不可避的に存在する溶剤であることができ
る。有機溶媒の一部は、重縮合後の反応生成物液を水系
媒体中に分散させる前に除去しておくこともできる。
【0034】上記共重合体の加水分解時に使用する水の
量は、共重合体に含まれるアルコキシシリル基1モル当
たり、通常0.8〜4モル、好ましくは1〜2モル程度
である。
【0035】上記重縮合時に、共重合体〔A〕に由来す
るヒドロキシシリル基とポリオルガノシロキサン〔B〕
に由来するアルコキシシリル基とが縮合反応が生起し、
共重合体〔A〕とポリオルガノシロキサン〔B〕とを化
学的に結合させることができる。本発明においては、ポ
リオルガノシロキサン〔B〕に共重合体〔A〕を化学的
に結合させることにより、水性分散体の保存安定性が特
に優れたものとなる。ついで、加水分解を行い、アルコ
キシシリル基をヒドロキシシリル基に変換するに際して
用いる水の量は、ポリオルガノシロキサン〔B〕のアル
コキシシリル基1モル当たり、通常0.8〜10モル、
好ましくは1.0〜5モル程度である。上記重縮合の反
応条件は、温度が通常20〜80℃であり、反応時間は
通常0.5〜8時間の範囲内である。
【0036】また、得られた有機無機複合樹脂を水系媒
体中に分散させる際には、pH調整剤等を使用すること
ができる。重縮合、加水分解後に、pHを調節してヒド
ロキシシリル基の縮合反応速度を低下させることによ
り、該樹脂の水系媒体中への分散性を向上させることが
できる。上記pH調整剤としては、例えば、アンモニ
ア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミ
ン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチル
アミノエタノール等のアミン類:カセイカリ、カセイソ
ーダ等のアルカリ金属水酸化物等を挙げることができ
る。前記pH調節時のpH値は、通常、5.5〜8.5
好ましくは6〜8である。
【0037】このようにして得られた有機無機複合樹脂
の水分散体には、反応溶剤や反応により生成したアルコ
ール成分が存在するので、これらの溶剤を常法に従い減
圧下で除去することが望ましい。
【0038】本発明の水性分散体において、有機無機複
合樹脂は水系媒体中に分散しているが、その分散状態
は、粒子状あるいは水性ゾル状であることができる。こ
の場合、有機無機複合樹脂の平均粒子径は、通常、0.
01〜10μm、好ましくは0.05〜1μmである。
本発明の水性分散体の固形分濃度は、貯蔵安定性及び塗
装作業性等の観点から50重量%以下程度であり、好ま
しくは20〜45重量%程度が好適である。
【0039】次に本発明塗料組成物について詳細に説明
する。本発明塗料組成物は、上記有機無機複合樹脂の水
性分散体からなることができるが、さらに必要に応じ
て、硬化触媒;多官能ヒドラジド誘導体;酸化鉄、酸化
チタン、カーボンブラック、シアニンブルー、シアニン
グリーン及びキナクリドンレッド等の着色顔料、炭酸カ
ルシウム、タルク、クレー、シリカ、硫酸バリウム及び
マイカなどの体質顔料;有機溶剤、造膜助剤;増粘剤、
分散剤、シランカップリング剤、チタンカップリング
剤、塗面調整剤、防黴剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸
化防止剤、難燃剤などの添加剤を含有することができ
る。
【0040】本発明塗料組成物の固形分濃度は、特に制
限されるものではないが、通常、50重量%以下程度で
あり、使用目的に応じて適宜調整することができる。基
材へ含浸させる場合には、固形分濃度が5〜20重量%
程度である好ましく、厚膜形成する場合には、通常、固
形分濃度が20〜50重量%程度であることが好まし
い。
【0041】本発明塗料組成物は、基材の表面に例え
ば、刷毛塗り、エアスプレー塗り、エアレススプレー塗
り、ロールコート塗装、フローコート塗装等の方法を用
いて塗装を行うことができる。塗布膜厚は特に限定され
るものではないが、塗膜形成する場合には、通常、5〜
60μmの範囲内が望ましい。本発明の塗料組成物は、
常温で硬化することができ、その硬化塗膜は優れた性能
を発揮するが、強制乾燥や加熱硬化させても良い。本発
明の塗料組成物は、鋼板などの金属、セメント系構造
物、その他の無機質硬化体などの被塗物に直接もしくは
該被塗物上に予め形成した下塗り塗膜上に塗布すること
によって、光沢、耐候性などに優れた塗膜を得ることが
できる。
【0042】
【実施例】以下本発明を実施例を挙げて具体的に説明す
る。なお、特に断りのないかぎり、「部」及び「%」はそ
れぞれ「重量部」及び 「重量%」を示す。
【0043】製造例1(ベースアクリル樹脂Aの製造) 還流冷却器、攪拌機をそなえたフラスコ中に、イソプロ
ピルアルコール100部、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル30部を仕込み、窒素ガスを通気しながら、攪
拌下にて80℃まで昇温した。次いで、約80℃の還流温度
に保持したフラスコ中に下記の2種類のモノマーなどの
混合物を2時間かけて滴下した。
【0044】 モノマーなどの混合物I メチルメタアクリレート 33.5部 2−エチルヘキシルメタアクリレート 18部 シクロヘキシルメタアクリレート 20部 γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン 12部 ジアセトンアクリルアミド 4部 ジメチルアミノエタノール 0.06部 モノマーなどの混合物II メタノール 45部 メタクリロキシエチルスルホン酸ナトリウム 2.5部 ヒドロキシエチルメタアクリレート 10部 アゾビスイソバレルニトリル 2部 次いで、1時間攪拌後、アゾビスイソバレルニトリル1
部をイソプロピルアルコール12部に溶解した溶液を1
時間かけて滴下した。さらに、3時間攪拌後、溶剤を一
部除去して固形分濃度40%のベースアクリル樹脂Aを
得た。このベースアクリル樹脂Aは、重量平均分子量
(Mw)が18,000であった。
【0045】製造例2〜6 (ベースアクリル樹脂の製
造) モノマー組成を下記表1に示すとおりに変更する以外
は、製造例1と同様にして、ベースアクリル樹脂B〜F
を得た。
【0046】
【表1】
【0047】製造例7(無機重合体aの製造) 還流冷却器、攪拌機をそなえたフラスコ中に、イソプロ
ピルアルコール20部、KC−89(信越化学製品 メ
チルトリメトキシシラン部分縮合物)75部、ジメチル
ジメトキシシラン25部を仕込み、この中に、攪拌しな
がら、脱イオン水6.2部と5%硫酸0.25部の混合
物を徐々に滴下した。次いで、液温を70℃に上げ、5
時間攪拌を継続した。その後、減圧下で、イソプロピル
アルコール及び反応で生成したメタノールを除去した。
さらに、70℃で3時間攪拌を継続後、溶剤を減圧下で
除去して無機重合体aを得た。
【0048】製造例8(無機重合体bの製造) 還流冷却器、攪拌機をそなえたフラスコ中に、イソプロ
ピルアルコール20部、KC−89(信越化学工業(株)
製品、メチルトリメトキシシラン部分縮合物)90部、
メチルトリメトキシシラン25部を仕込み、この中に攪
拌しながら、脱イオン水5.8部と5%硫酸0.25部
の混合物を徐々に滴下した。次いで、液温を70℃に上
げ、5時間攪拌を継続した。その後、減圧下でイソプロ
ピルアルコール及び反応で生成したメタノールを除去し
た。さらに、70℃で3時間攪拌を継続後、溶剤を減圧
下で除去して無機重合体bを得た。
【0049】実施例1 還流冷却器、攪拌機をそなえたフラスコ中に、ベースア
クリル樹脂A100部を仕込み、、液温を35℃にし
た。その後、攪拌しながら、脱イオン水0.8部と10
%硫酸0.16部の混合液を徐々に滴下し、1時間、攪
拌を継続した。次いで、無機重合体a30部、10%硫
酸0.04部を仕込み、60℃に昇温し、3時間、攪拌
を継続した。次いで、45℃に冷却し、脱イオン水7.
2部を加え、1時間攪拌した。その後、1%アンモニア
水0.86部を加え、5分間攪拌後、強攪拌下で、脱イ
オン水170部を30分かけて滴下した。その後、減圧
下55℃以下の温度で、溶剤を除去した。次いで、アン
モニア水でpHを約7.5に調整し、固形分濃度35%
の有機無機複合体の水性分散液を得た。このものの平均
粒子径は204nmであった。なお、ベースアクリル樹
脂A100部、脱イオン水0.8部及び10%硫酸0.
16部の混合物のpHは4.4であった。また、ベース
アクリル樹脂A100部、脱イオン水0.8部、無機重
合体a30部及び10%硫酸0.20部の混合物のpH
は3.8であった。
【0050】実施例2 還流冷却器、攪拌機をそなえたフラスコ中に、ベースア
クリル樹脂B100部を仕込み、、液温を35℃にし
た。その後、攪拌しながら、脱イオン水1.16部と1
0%硫酸0.12部の混合液を徐々に滴下し、1時間攪
拌を継続した。次いで、無機重合体a30部及び10%
硫酸0.08部を仕込み、60℃に昇温し3時間攪拌を
継続した。次いで、45℃に冷却し、脱イオン水7.2
部を加え1時間攪拌した。その後、1%アンモニア水
0.8部を加え5分間攪拌後、強攪拌下で脱イオン水1
50部を30分かけて滴下した。その後、減圧下55℃
以下の温度で溶剤を除去した。次いで、アンモニア水で
pHを約7.5に調整し、固形分濃度40%の有機無機
複合体の水性分散液を得た。このものの平均粒子径は2
83nmであった。
【0051】なお、ベースアクリル樹脂B100部、脱
イオン水1.16部及び10%硫酸0.12部の混合物
のpHは4.6であった。また、ベースアクリル樹脂A
100部、脱イオン水1.16部、無機重合体a30部
及び10%硫酸0.20部の混合物のpHは3.7であ
った。
【0052】実施例3 還流冷却器、攪拌機をそなえたフラスコ中に、ベースア
クリル樹脂C100部を仕込み、液温を35℃にした。
その後、攪拌しながら、脱イオン水0.83部と10%
硫酸0.1部の混合液を徐々に滴下し、1時間攪拌を継
続した。次いで、無機重合体a20部及び10%硫酸
0.04部を仕込み、60℃に昇温し、3時間攪拌を継
続した。次いで、45℃に冷却し、脱イオン水4.8部
を加え1時間攪拌した。その後、1%アンモニア水0.
86部を加え、5分間攪拌後、強攪拌下で脱イオン水1
70部を30分かけて滴下した。その後、減圧下55℃
以下の温度で溶剤を除去した。次いで、アンモニア水で
pHを約7.5に調整し固形分濃度35%の有機無機複
合体の水性分散液を得た。このものの平均粒子径は24
5nmであった。
【0053】なお、ベースアクリル樹脂C100部、脱
イオン水0.83部及び10%硫酸0.1部の混合物の
pHは4.1であった。また、ベースアクリル樹脂A1
00部、脱イオン水0.73部、無機重合体a20部及
び10%硫酸0.14部の混合物のpHは3.5であっ
た。
【0054】実施例4 還流冷却器、攪拌機をそなえたフラスコ中に、ベースア
クリル樹脂D 100部を仕込み、液温を35℃にし
た。その後、攪拌しながら、脱イオン水 0.48部と
10%硫酸0.16部の混合液を徐々に滴下し、1時間
攪拌を継続した。次いで、無機重合体a20部、10%
硫酸0.04部を仕込み、60℃に昇温し、3時間攪拌
を継続した。次いで、45℃に冷却し、脱イオン水7.
2部を加え1時間攪拌した。その後、1%アンモニア水
0.86部を加え、5分間攪拌後、強攪拌下で、脱イオ
ン水170部を30分かけて滴下した。その後、減圧下
55℃以下の温度で、溶剤を除去した。次いで、アンモ
ニア水でpHを約7.5に調整し、固形分濃度35%の
有機無機複合体の水性分散体を得た。このものの平均粒
子径は310nmであった。
【0055】なお、ベースアクリル樹脂C100部、脱
イオン水0.48部及び10%硫酸0.16部の混合物
のpHを測定したところ、pHは4.3であった。ま
た、ベースアクリル樹脂A100部、脱イオン水0.4
8部、無機重合体a20部及び10%硫酸0.2部の混
合物のpHは3.7であった。
【0056】実施例5 還流冷却器、攪拌機をそなえたフラスコ中に、ベースア
クリル樹脂E100部を仕込み、液温を35℃にした。
その後、攪拌しながら、脱イオン水0.63部と10%
硫酸0.16部の混合液を徐々に滴下し、1時間、攪拌
を継続した。次いで、無機重合体b30部及び10%硫
酸0.04部を仕込み、60℃に昇温し、3時間攪拌を
継続した。次いで、45℃に冷却し、脱イオン水7.2
部を加え1時間攪拌した。その後、1%アンモニア水
0.86部を加え、5分間攪拌後、強攪拌下で脱イオン
水150部を30分かけて滴下した。その後、減圧下5
5℃以下の温度で、溶剤を除去した。次いで、アンモニ
ア水でpHを約7.5に調整し、固形分濃度44%の有
機無機複合体の水性分散体を得た。このものの平均粒子
径は238nmであった。
【0057】なお、ベースアクリル樹脂C100部、脱
イオン水0.63部及び10%硫酸0.16部の混合物
のpHは4.2であった。また、ベースアクリル樹脂A
100部、脱イオン水0.63部、無機重合体b30部
及び10%硫酸0.2部の混合物のpHは3.6であっ
た。
【0058】実施例5 還流冷却器、攪拌機をそなえたフラスコ中に、ベースア
クリル樹脂F100部を仕込み、液温を35℃にした。
その後、攪拌しながら、脱イオン水1.24部と10%
硫酸0.16部の混合液を徐々に滴下し、1時間、攪拌
を継続した。次いで、無機重合体b50部、10%硫酸
0.05部を仕込み、60℃に昇温し、3時間攪拌を継
続した。次いで、45℃に冷却し、脱イオン水7.2部
を加え、1時間攪拌した。その後、1%アンモニア水
0.92部を加え5分間攪拌後、強攪拌下で脱イオン水
150部を30分かけて滴下した。その後、減圧下55
℃以下の温度で、溶剤を除去した。次いで、アジピン酸
ジヒドラジド0.3部を加え、30分攪拌後、アンモニ
ア水でPHを約7.5に調整し、固形分濃度40%の有
機無機複合体の水性分散体を得た。このものの平均粒子
径は167nmであった。
【0059】なお、ベースアクリル樹脂C100部、脱
イオン水1.24部及び10%硫酸0.16部の混合物
のPHは4.3であった。また、ベースアクリル樹脂A
100部、脱イオン水1.24部、無機重合体B50部
及び10%硫酸0.21部の混合物のpHは3.8であ
った。
【0060】比較例1 還流冷却器、攪拌機をそなえたフラスコ中に、イソプロ
ピルアルコール138部を仕込み、窒素ガスを通気しなが
ら、80℃まで攪拌を行いながら昇温した。次いで、温度
を80℃に保持しながら、下記のモノマーなどの混合物
を、2時間かけて滴下した。
【0061】 モノマーなどの混合物 メチルメタアクリレート 36部 2−エチルヘキシルメタアクリレート 18部 シクロヘキシルメタアクリレート 20部 ヒドロキシエチルメタアクリレート 10部 γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン 12部 ジアセトンアクリルアミド 4部 アゾビスイソバレルニトリル 2部 次いで、1時間攪拌後、アゾビスイソバレルニトリル
1部をイソプロピルアルコール12部に溶解した溶液を
1時間かけて滴下した。さらに、2時間攪拌することに
より、固形分濃度40%のベースアクリル樹脂Gを得
た。このベースアクリル樹脂Gは、重量平均分子量(M
w)が19,500であった。
【0062】還流冷却器、攪拌機をそなえたフラスコ中
に、ベースアクリル樹脂G 100部を仕込み、液温を
35℃にした。その後、攪拌しながら脱イオン水 0.
8部と10%硫酸0.16部の混合液を徐々に滴下し、
1時間攪拌を継続した。次いで、無機重合体a30部、
10%硫酸0.04部を仕込み、60℃に昇温し、3時
間、攪拌を継続した。次いで、45℃に冷却し脱イオン
水7.2部を加え1時間攪拌した。その後、1%アンモ
ニア水0.86部を加え5分間攪拌後、強攪拌下で脱イ
オン水170部を30分かけて滴下したが、樹脂成分が
分離凝集し、安定な水性分散体は得られなかった。
【0063】比較例2 還流冷却器、攪拌機をそなえたフラスコ中に、イソプロ
ピルアルコール100部、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル30部を仕込み、窒素ガスを通気しながら80℃
まで攪拌を行いながら昇温した。次いで、約80℃の還流
温度で下記の2種類のモノマーなどの混合物を2時間か
けて滴下した。
【0064】 モノマーなどの混合物I メチルメタアクリレート 40部 2−エチルヘキシルメタアクリレート 26部 シクロヘキシルメタアクリレート 20部 ジアセトンアクリルアミド 4部 ジメチルアミノエタノール 0.06部 モノマーなどの混合物II メタノール 45部 メタクリロキシエチレンスルホン酸ナトリウム 2.5部 ヒドロキシエチルメタアクリレート 10部 アゾビスイソバレルニトリル 2部 次いで、1時間攪拌後、アゾビスイソバレルニトリル1
部をイソプロピルアルコール12部に溶解した溶液を1
時間かけて滴下した。さらに、3時間攪拌後、溶剤を一
部除去することにより、固形分濃度40%のベースアク
リル樹脂Hを得た。このベースアクリル樹脂Hは、重量
平均分子量(Mw)が、18,500であった。
【0065】還流冷却器、攪拌機をそなえたフラスコ中
に、ベースアクリル樹脂H100部、無機重合体a30
部、10%硫酸0.2部を仕込み60℃に昇温し、3時
間攪拌を継続した。次いで、45℃に冷却し、脱イオン
水7.2部を加え1時間攪拌した。その後、1%アンモ
ニア水0.86部を加え5分間攪拌後、強攪拌下で脱イ
オン水170部を30分間かけて滴下した。その後、減
圧下55℃以下の温度で溶剤を除去し、アンモニア水で
PHを約7.5に調整し、固形分濃度35%の水分散液
を得たが、このものは、平均粒子径が1200nmと1
80nmの混合物で、樹脂分が分離沈降し、コーテイン
グ用材料として使用できなかった。これは、有機成分と
無機成分とが複合体を形成しなかったためと考えられ
る。
【0066】実施例1〜6で得られた有機無機複合体の
水性分散体について、貯蔵安定性、及び、塗膜性能とし
て、鉛筆硬度、付着性、耐水性、耐温水性、耐アルカリ
性、耐酸性、耐候性の試験を行った。これらの試験結果
を後記表2に示す。上記試験は下記の試験方法に従って
行った。
【0067】試験方法 貯蔵安定性:有機無機複合体の水性分散体を、40℃で
1ヶ月貯蔵し、外観、粘度の変化を調べた。 ○:沈降やゲル分の生成が無く、粘度変化がほとんど無
い △:粘度変化がかなり認められるが、沈降又はゲル分の
生成は無い ×:沈降又はゲル分の生成が認められる。
【0068】塗膜性能:各実施例の有機無機複合体の水
分散体(固形分含量で100部)に対して、水に分散し
たチタン白を80部(固形分含量で)、ジブチル錫ジラ
ウレート5部を混合して得られた塗料組成物を、エポキ
シ樹脂系シーラー(関西ペイント(株)製、製品名:ア
レス浸透形シーラー)を塗布し乾燥したスレート板に乾
燥重量で40g/mとなるように塗装し、120℃で
30分間加熱後、スレート板の裏面と側面に上記エポキ
シ樹脂系シーラー(関西ペイント(株)製、製品名:浸
透形シーラー)を塗布し乾燥して試験板を得た。
【0069】鉛筆硬度:JIS K5400 8.4.
2(1990)に規定する鉛筆引っかき試験を行った。
評価はやぶれ法で行った。
【0070】付着性:JIS K5400 8.5.2
(1990)に規定する碁盤目−テープ法に準じて、1
mm×1mmの桝目を100個作成し、その表面にテー
プを密着させ、瞬時に剥離した際に、100個の桝目の
うち剥離せずに残存した桝目の数で評価した。 ○:残存した桝目の数が95個以上 △:80〜94個 ×:79個以下。
【0071】耐水性:試験板を20℃の上水中に1週間
浸漬した後の塗膜の状態を目視にて評価した。 ○:塗膜の状態に変化が認められない △:塗膜の光沢がかなり低下 ×:塗膜の光沢低下が著しい。
【0072】耐温水性:試験板を60℃の温水中に30
日間浸漬した後の塗膜の状態を目視にて評価した。 ○:塗膜の状態に変化が認められない △:塗膜の光沢がかなり低下 ×:塗膜の光沢低下が著しい。
【0073】耐アルカリ性:試験板を飽和水酸化カルシ
ウム水溶液に30日間浸漬した後の塗膜の状態を目視に
て評価した。 ○:塗膜の状態に変化が認められない △:塗膜の光沢がかなり低下 ×:塗膜の光沢低下が著しい。
【0074】耐候性:サンシャインウェザオメータを用
いて3000時間試験後の塗膜の光沢保持率にて評価し
た。 ○:光沢保持率が90%以上 △:光沢保持率が70〜94% ×:光沢保持率が69%以下。
【0075】耐汚染性:カーボンブラック/灯油=1/
2のペーストを試験板に塗り付け、室温で1日放置後、
水洗し、塗膜の汚染状態を評価した。 ○:跡が認められない △:跡がかなり残る ×:跡が著しく残る。
【0076】
【表2】
【0077】
【発明の効果】本発明の水性分散体を用いるによって、
金属キレート化合物、乳化剤を用いないでも、有機溶剤
含有量を少なくでき、貯蔵安定性に優れ、特に、耐候
性、付着性、耐アルカリ性等に優れた水性塗料組成物を
提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/02 C09D 201/02 Fターム(参考) 4J002 CP171 DE026 FD090 FD200 GH01 4J031 AA13 AA20 AA22 AA26 AA27 AA59 AB01 AC13 AD01 AE03 AE11 AF12 4J038 CG141 CH031 CH051 CH121 CH161 CH171 CH261 GA13 GA15 LA03 MA08 NA03 NA04 NA12 NA26

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 〔A〕(a)スルホン酸塩基含有重合性
    不飽和モノマー、 (b)加水分解性シリル基又はシラノール基を含有する
    重合性不飽和モノマー及び (c)共重合可能なその他の重合性不飽和モノマーから
    なる単量体混合物を共重合してなる共重合体と、〔B〕
    珪素原子に結合した加水分解性基および/または珪素原
    子に結合した水酸基を有するポリオルガノシロキサンと
    が反応してなる有機無機複合樹脂が水系媒体中に分散し
    てなる水性分散体。
  2. 【請求項2】 前記重合性不飽和モノマー(b)として
    加水分解性シリル基含有重合性不飽和モノマーを用いて
    なる共重合体〔A〕に水及び酸を加えてpHを3.5〜
    5.5の範囲内として加水分解性シリル基の加水分解を
    行い、ついで、前記ポリシロキサン〔B〕及び必要に応
    じて、酸及び/又は水を加えpH2.5〜4.5の範囲
    内として縮合反応及び加水分解反応を行ってなる有機無
    機複合樹脂を水系媒体中に分散させてなる請求項1記載
    の水性分散体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の有機無機複合樹
    脂の水性分散体を含有することを特徴とする水性塗料組
    成物。
JP2002119881A 2002-04-22 2002-04-22 有機無機複合樹脂の水系分散体 Pending JP2003313426A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002119881A JP2003313426A (ja) 2002-04-22 2002-04-22 有機無機複合樹脂の水系分散体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002119881A JP2003313426A (ja) 2002-04-22 2002-04-22 有機無機複合樹脂の水系分散体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003313426A true JP2003313426A (ja) 2003-11-06

Family

ID=29536297

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002119881A Pending JP2003313426A (ja) 2002-04-22 2002-04-22 有機無機複合樹脂の水系分散体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003313426A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007069596A1 (ja) * 2005-12-13 2007-06-21 Asahi Kasei Chemicals Corporation 水系有機・無機複合組成物
JP2009235166A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Dic Corp 有機−無機ハイブリッド樹脂水性分散体、硬化性樹脂組成物、塗料および塗装物
JP2009249479A (ja) * 2008-04-04 2009-10-29 Dic Corp 有機−無機ハイブリッド樹脂水性分散体、硬化性樹脂組成物、塗料および塗装物
JP2010090274A (ja) * 2008-10-08 2010-04-22 Dic Corp 硬化性水性組成物
JP2013525543A (ja) * 2010-04-23 2013-06-20 ヘンケル コーポレイション シリコーン−アクリルコポリマー

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007069596A1 (ja) * 2005-12-13 2007-06-21 Asahi Kasei Chemicals Corporation 水系有機・無機複合組成物
JPWO2007069596A1 (ja) * 2005-12-13 2009-05-21 旭化成ケミカルズ株式会社 水系有機・無機複合組成物
JP2010280898A (ja) * 2005-12-13 2010-12-16 Asahi Kasei E-Materials Corp 水系有機・無機複合組成物
US8013055B2 (en) 2005-12-13 2011-09-06 Asahi Kasei Chemicals Corporation Aqueous organic-inorganic hybrid composition
JP4785865B2 (ja) * 2005-12-13 2011-10-05 旭化成イーマテリアルズ株式会社 水系有機・無機複合組成物
US9403950B2 (en) 2005-12-13 2016-08-02 Asahi Kasei Chemicals Corporation Aqueous organic-inorganic hybrid composition
JP2009235166A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Dic Corp 有機−無機ハイブリッド樹脂水性分散体、硬化性樹脂組成物、塗料および塗装物
JP2009249479A (ja) * 2008-04-04 2009-10-29 Dic Corp 有機−無機ハイブリッド樹脂水性分散体、硬化性樹脂組成物、塗料および塗装物
JP2010090274A (ja) * 2008-10-08 2010-04-22 Dic Corp 硬化性水性組成物
JP2013525543A (ja) * 2010-04-23 2013-06-20 ヘンケル コーポレイション シリコーン−アクリルコポリマー
US8962748B2 (en) 2010-04-23 2015-02-24 Henkel US IP LLC Silicone-acrylic copolymer

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7193026B2 (en) Organosilicon compound-curing composition and silicone-base coating composition
JPH1060280A (ja) 水系分散体
JPH06207145A (ja) ポリシロキサン含有バインダー、その製造、それらを含有するコーティング剤及びその使用
JP4771716B2 (ja) 水性下塗材組成物及びその塗装方法
JP2001146572A (ja) コーティング組成物およびそれより得られる硬化膜
JP3585005B2 (ja) 水性塗料用硬化性樹脂組成物
JP3951366B2 (ja) 水系分散体
JP3450251B2 (ja) 水性塗料組成物
TW550283B (en) Aqueous curable resin composition
JP2003313426A (ja) 有機無機複合樹脂の水系分散体
JP2002180011A (ja) 水性塗料組成物
JP4029270B2 (ja) コーティング組成物、およびコーティング部材
JP2001115024A (ja) 有機無機複合樹脂水性エマルジョン、その製造方法及び二液型コーティング組成物
JPH11293195A (ja) 硬化体
JP3050848B2 (ja) 有機無機複合樹脂水性エマルジョンの製造方法
JPH10147743A (ja) 上塗り塗料組成物
JP4638072B2 (ja) 水性塗料の塗装方法
JP3128197B2 (ja) コーティング組成物
JP3415806B2 (ja) 水性塗料組成物
JP2001114898A (ja) ポリシロキサン複合重合体粒子及びその製造方法、及びこれを用いた水性塗料組成物
JP2006055697A (ja) 分散体
JP3900454B2 (ja) 有機無機複合樹脂水性エマルジョンの製造方法及びコーティング組成物
JP2001115023A (ja) 有機無機複合樹脂水性エマルジョン、その製造方法及び二液型コーティング組成物
JP3197229B2 (ja) 自動車用上塗塗料組成物
JP3017970B2 (ja) 有機無機複合樹脂の製造方法