JP3338691B2 - 二液型被覆組成物 - Google Patents

二液型被覆組成物

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JP3338691B2
JP3338691B2 JP2000078313A JP2000078313A JP3338691B2 JP 3338691 B2 JP3338691 B2 JP 3338691B2 JP 2000078313 A JP2000078313 A JP 2000078313A JP 2000078313 A JP2000078313 A JP 2000078313A JP 3338691 B2 JP3338691 B2 JP 3338691B2
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良則 岩本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二液型被覆組成物
に関し、特に、耐溶剤性、耐水性及び耐候性に優れ、常
温又は低温硬化での硬化性に優れ、塗料用途に有効に用
いることができる二液型被覆組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、常温ないし低温硬化可能な塗
料には、主に、酸硬化アミノアルキド塗料や二液型ウレ
タン塗料が使用されている。しかし、近年、家具や建材
等の木工製品においては、酸硬化アミノアルキド塗料を
用いた場合、硬化塗膜中に残存するホルムアルデヒドに
由来するシックハウスの問題が生じ、また代替の二液型
ウレタン塗料を用いた場合には、塗料の可使時間が短い
ことや、硬化剤のポリイソシアネートが毒性を有するた
め、塗装作業上の問題を生じる。また、カラートタン等
の屋外金属や自動車外板に使用されるメラミン焼付け型
塗料は、近年、酸性雨の影響で耐久性に問題がある。
【0003】特公昭55−43029号公報及び特公平
01−20190号公報においては、エポキシ基含有ア
クリル樹脂と、燐酸又は酸性燐酸エステルとから形成さ
れる二液型被覆組成物が開示されている。これらの二液
型被覆組成物は、硬化剤に毒性が無く、塗装時の可使時
間が長い点に特徴を有し、硬化する際にはホルムアルデ
ヒドの発生の無い優れた塗料系である。
【0004】しかし、かかる二液型被覆組成物におい
て、硬化剤に燐酸を使用した場合は、硬化性、金属への
密着性に優れるものの燐酸の酸性官能基が未反応となり
残り易く、その結果、耐水性を低下させる。また、硬化
剤に酸性燐酸エステルを使用した場合は、耐水性、耐候
性及び耐酸性雨性に優れる一方、充分な塗膜性能を得る
ためには硬化温度を若干高めに設定しなければならず、
金属との付着性が若干劣る傾向がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決し、硬化剤に毒性が無く、塗装時の可使時
間が長く、ホルムアルデヒドの発生の無いエポキシ基含
有アクリル樹脂と燐酸又は酸性燐酸エステルとを含有す
る二液型被覆組成物の耐水性及び、金属基材との付着性
を改善した二液型被覆組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を行った結果、エポキシ基含
有アクリル樹脂の組成中に加水分解性シリル基含有重合
性単量体を一定の範囲の量で導入することにより、かか
るエポキシ基含有アクリル樹脂(A)に燐酸(エステ
ル)系硬化剤(B)を配合した際に、1)エポキシ基と燐
酸(エステル)の酸基との架橋反応と同時に、2)燐酸
(エステル)が触媒として作用し、加水分解性シリル基
からシラノール基への加水分解、シラノール基同士の縮
合反応及び、シラノール基と塗装基材との化学結合を大
幅に促進させることができ、これにより得られる二液型
被覆組成物の硬化速度を向上させると共に、耐水性及
び、金属基材との密着性を飛躍的に向上させることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0007】請求項1記載の二液型被覆組成物は、エポ
キシ基官能重合性単量体(a)と、加水分解性シリル基
官能重合性単量体(b)と、ビニルモノマー及び/又は
(メタ)アクリルモノマー(c)とを必須成分とする塗
料用アクリル樹脂(A)及び、燐酸(エステル)系硬化
剤(B)を含有する。
【0008】請求項2記載の二液型被覆組成物は、請求
項1記載の二液型被覆組成物において、エポキシ基官能
重合性単量体が、グリシジル(メタ)アクリレートであ
ることを特徴とする。
【0009】請求項3記載の二液型被覆組成物は、請求
項1または2記載の二液型被覆組成物において、塗料用ア
クリル樹脂(A)が、エポキシ基官能重合性単量体
(a)の含有量が5.0〜40.0重量%、加水分解性
シリル基官能重合性単量体(b)の含有量が0.1〜1
0.0重量%、ビニルモノマー及び/又は(メタ)アク
リルモノマー(c)の含有量が50.0〜94.9重量
%であることを特徴とする。
【0010】請求項4記載の二液型被覆組成物は、請求
項1〜3いずれかの項記載の二液型被覆組成物におい
て、加水分解性シリル基官能重合性単量体(b)が、γ
−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン及び、ビニル
トリエトキシシランから成る群より選ばれた少なくとも
1種であることを特徴とする。
【0011】請求項5記載の二液型被覆組成物は、請求
項1〜4いずれかの項記載の二液型被覆組成物におい
て、燐酸(エステル)系硬化剤(B)が、オルト燐酸、
メタ燐酸、ピロ燐酸、ポリ燐酸、酸性燐酸エステル及び
酸性亜燐酸エステルから成る群より選ばれた少なくとも
1種であり、塗料用アクリル樹脂(A)中のエポキシ基
1当量に対して燐酸(エステル)を0.1〜3.0当量
含有することを特徴とする。
【0012】請求項6記載の二液型被覆組成物は、請求
項1〜5いずれかの項記載の二液型被覆組成物において
は、更に溶剤を含み、該溶剤中にアルコール性溶剤を
5.0重量%以上含有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本明細書中、(メタ)アクリレー
トとは、アクリレート、メタクリレート又はこれらの混
合物を意味し、(メタ)アクリルモノマーとは、アクリ
ルモノマー、メタクリルモノマー又はこれらの混合物を
意味する。また、燐酸(エステル)とは、燐酸、燐酸エ
ステル又はこれらの混合物を意味する。
【0014】本発明の二液型被覆組成物は、エポキシ基
官能重合性単量体(a)と、加水分解性シリル基官能重
合性単量体(b)と、ビニルモノマー及び/又は(メ
タ)アクリルモノマー(c)とを必須成分とする塗料用
アクリル樹脂(A)及び、燐酸(エステル)系硬化剤
(B)を含有する。
【0015】本発明の二液型被覆組成物に含有される塗
料用アクリル樹脂(A)は、エポキシ基官能重合性単量
体(a)と、加水分解性シリル基官能重合性単量体
(b)と、ビニルモノマー及び/又は(メタ)アクリル
モノマー(c)とを共重合させることにより形成される
ことができる。
【0016】エポキシ基官能重合性単量体(a)として
は、グリシジル(メタ)アクリレートまたはアリルグリ
シジルエーテル等のグリシジル基官能型のエポキシ化合
物や、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)
アクリレート等の脂環式エポキシ化合物を用いることが
できるが、特にグリシジル(メタ)アクリレートが反応
性及び経済性の点で好適である。
【0017】かかるエポキシ基官能重合性単量体(a)
の使用量は、好適には、塗料用アクリル樹脂(A)中、
5.0〜40.0重量%が好ましく、その使用量が5.
0重量%未満では、架橋性が劣り、40.0重量%を超
えると、架橋密度が高くなり過ぎ密着性及び、加工性、
耐衝撃性等の物性が低下する。
【0018】加水分解性シリル基官能重合性単量体
(b)としては、γ−(メタ)アクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシ
プロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン及びビニルトリエトキシシランから成る群より選
ばれる少なくとも1種を用いる。特に、貯蔵安定性の点
から、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチル
ジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシランが好適に用いられる。
【0019】かかる加水分解性シリル基官能重合性単量
体(b)の使用量は、塗料用アクリル樹脂(A)中、
0.1〜10.0重量%であり、好ましくは0.5〜
5.0重量%である。0.1重量%未満では本発明の目
的とする硬化性、耐水性、基材密着性いう効果が得られ
ず、一方、10.0重量%を超えると燐酸(エステル)
系硬化剤(B)と配合した後の可使時間が短くなり、更
に経済性の点で好ましくない。
【0020】ビニルモノマー及び/又は(メタ)アクリ
ルモノマー(c)としては、例えば、メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピ
ル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブ
チル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ス
テアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン
変性ヒドロキシ(メタ)アクリレートなどの水酸基含有
重合性単量体;ジメチルマレエート、ジメチルフマレー
ト、ジブチルマレエート、ジブチルフマレート、ジメチ
ルイタコネート、ジブチルイタコネートなどの不飽和二
塩基酸塩のジアルキルエステル;(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−n−
ブトキシメチルアクリルアミド、2−(2’−ヒドロキ
シ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベ
ンゾトリアゾール、2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジニルメタクリレート、N−メチル−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジニルメタクリレートなどの窒素
含有重合性単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン、パラメチルスチレンなどの芳香族重合性
単量体;酢酸ビニルなどのビニルエステル;(メタ)ア
クリロニトリルなどの重合性シアノ化合物等が挙げるこ
とができ、これらの群から選ばれる1種または2種以上
を用いることができる。その使用量は、好適には、塗料
用アクリル樹脂(A)中、50.0〜94.9重量%で
あることが好ましい。
【0021】上記塗料用アクリル樹脂(A)は、エポキ
シ基官能重合性単量体(a)、例えば好適にはグリシジ
ル(メタ)アクリルレートと、加水分解性シリル基官能
重合性単量体(b)と、ビニルモノマー及び/又は(メ
タ)アクリルモノマー(c)とを配合してなる重合性単
量体成分を、例えば溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合
法等の公知の方法を用いることにより調製することがで
きる。
【0022】以下に、塗料用アクリル樹脂(A)を調製
する好適例を、溶液重合法により説明する。
【0023】かかる溶液重合法に使用できる溶剤として
は、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エ
チル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;ソルベッソ10
0、ソルベッソ150、ミネラルスピリット等の石油系
溶剤類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサン等のケトン類;エチレングリコール
モノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート等のアルキレングリコー
ルモノアルキルエーテルの酢酸エステル類;メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
i−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール
類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノブチルエーテル等のアルキレン
グリコールモノアルキルエーテル類等を挙げることがで
き、これらの有機溶剤は単独または混合溶剤として使用
される。
【0024】また、塗料用アクリル樹脂(A)を得るた
めの重合開始剤としては、2−2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル、2−2′−アゾビス(2−メチルブチロニ
トリル)、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、ジターシャリーブチル
パーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート、ターシャリーブチルパーオキシベ
ンゾエート等の通常に用いるラジカル重合開始剤を挙げ
ることができ、単独または混合系で使用できる。その添
加量は、好適には、エポキシ基官能重合性単量体(a)
と加水分解性シリル基官能重合性単量体(b)とビニル
モノマー及び/又は(メタ)アクリルモノマー(c)と
を配合してなる重合性単量体の総重量に対して0.1〜
5重量%の範囲で使用されることが好ましい。
【0025】更に、必要に応じて、ラウリルメルカプタ
ン、ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノー
ル、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン、α−
メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を使用すること
ができる。
【0026】塗料用アクリル樹脂(A)を得るための反
応は、上記エポキシ基官能重合性単量体(a)、加水分
解性シリル基官能重合性単量体(b)、ビニルモノマー
及び/又は(メタ)アクリルモノマー(c)、溶剤及び
重合開始剤、並びに必要に応じて連鎖移動剤を添加し
て、 反応温度が好適には室温〜150℃、特に好まし
くは60〜130℃の範囲にて、1〜10時間加熱反応
し、共重合させる。前記共重合反応は、窒素ガス等の不
活性ガスの雰囲気又は気流下で行う。
【0027】このような溶液重合法により、通常3,0
00〜120,000、好ましくは6,000〜80,
000の重量平均分子量を有する塗料用アクリル樹脂
(A)が得られる。かかる範囲の重量平均分子量を有す
る塗料用アクリル樹脂(A)を用いることにより、塗料
作業性、硬化性、塗膜物性にバランスの取れた当該二液
型被覆組成物用の原料樹脂が得られる。
【0028】このように塗料用アクリル樹脂の組成中
に,加水分解性シリル基含有重合性単量体を一定の範囲
の量で導入することにより、かかる塗料用アクリル樹脂
(A)に燐酸(エステル)系硬化剤(B)を配合した際
に、1)エポキシ基と燐酸(エステル)の酸基との架橋反
応と同時に、2)燐酸(エステル)が触媒として作用し、
加水分解性シリル基からシラノール基への加水分解、シ
ラノール基同士の縮合反応及び、シラノール基と塗装基
材との化学結合を大幅に促進させることができ、このこ
とにより得られる二液型被覆組成物の硬化速度を向上さ
せると共に、耐水性及び、基材、好適には金属基材との
密着性を飛躍的に向上させることを可能とする。
【0029】また、塗料用アクリル樹脂(A)には、必
要に応じて変性用樹脂をブレンドすることができる。こ
れらの変性用樹脂としては、ニトロセルロース、セルロ
ースアセテートブチレート、酢酸ビニル共重合体、ケト
ン樹脂又は石油樹脂等があり、これらの1種又は2種以
上を混合して使用することができる。
【0030】また、塗料用アクリル樹脂(A)には、貯
蔵中の加水分解性シリル基の安定性を増すために、水分
除去剤を添加することができる。かかる水分除去剤の例
としては、例えばオルト蟻酸トリメチル、オルト蟻酸ト
リエチル、オルト酢酸トリメチル、オルト酢酸トリエチ
ル、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート
等を挙げることができる。
【0031】また、更に、かかる塗料用アクリル樹脂
(A)には、必要に応じて、顔料(有機顔料、無機着色
顔料、無機体質顔料等)や、添加剤(消泡剤、分散剤、
レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤)や、有機溶
剤等を、公知の方法で分散混合して、エナメルに調製す
ることができる。
【0032】本発明の二液型被覆組成物に含有される燐
酸(エステル)系硬化剤(B)としては、オルト燐酸、
メタ燐酸、ピロ燐酸及びポリ燐酸等並びに、酸性燐酸エ
ステル類、例えば、酸性燐酸エチル、酸性燐酸イソプロ
ピル、酸性燐酸ブチル、酸性燐酸オクチル、酸性燐酸イ
ソデシル、酸性燐酸トリデシル及び酸性燐酸ジフェニル
等並びに、酸性亜燐酸エステル類、例えば、酸性亜燐酸
エチル、酸性亜燐酸ブチル及び酸性亜燐酸ジフェニル等
から成る群より選ばれた少なくとも1種を用いることが
できる。かかる燐酸(エステル)系硬化剤(B)は、塗
料用アクリル樹脂(A)との混和性を向上させるため、
塗料用アクリル樹脂(A)の調製方法で例示した溶剤に
稀釈・溶解して使用されることが好ましい。
【0033】当該燐酸(エステル)系硬化剤(B)の配
合量は、好適には、塗料用アクリル樹脂(A)中のエポ
キシ基1当量に対して燐酸(エステル)を0.1〜3.
0当量配合する。配合量が0.1当量未満の場合、耐溶
剤性及び耐水性が充分に発揮されず、一方、3.0当量
を超える場合、密着性及び硬度が劣る塗膜となる。
【0034】上記塗料用アクリル樹脂(A)と燐酸(エ
ステル)硬化剤(B)及び、必要により塗装粘度調整用
の有機溶剤を添加、混合することにより、本発明の二液
型被覆用組成物が得られる。
【0035】また、本発明の二液型被覆組成物中の塗料
用アクリル樹脂(A)及び燐酸(エステル)系硬化剤
(B)中に添加した溶剤、並びに、必要により塗装粘度
調整用に添加した有機溶剤としては、好適にはアルコー
ル性溶剤を含むことが好ましい。溶剤中にアルコール性
溶剤を一定量以上含むことにより、塗料用アクリル樹脂
(A)と燐酸(エステル)系硬化剤(B)とを配合した
後の貯蔵安定性を大幅に向上させることができる。
【0036】かかるアルコール性溶剤には、例えばメタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、i−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコ
ール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のアル
キレングリコールモノアルキルエーテル類等の少なくと
も1種が用いられる。
【0037】当該アルコール性溶剤の含有量は、好適に
は、塗料用アクリル樹脂(A)及び燐酸(エステル)系
硬化剤(B)中に添加した溶剤、並びに、必要により塗
装粘度調整用に添加した有機溶剤の合計量に対して、
5.0重量%以上の量で用いられる。かかる含有量が5
重量%未満の場合には、塗料の可使時間が短くなり、塗
装作業中に増粘現象が観られ好ましくない。
【0038】また、本発明の二液型被覆組成物は、例え
ばスプレー塗装、ロール塗装、刷毛塗り等の現場塗装及
び、ロールコーター塗装、フローコーター塗装等の工場
塗装等の各種塗装法に用いることができる塗料として有
効であり、木材、金属、プラスチック及び、スレート等
に塗装でき、例えば常温ないし40〜80℃の低温で硬
化させることで、ホルムアルデヒドの発生がなく、付着
性、耐水性、耐溶剤性、耐候性及び耐酸性雨性に優れた
塗膜を形成することができる。
【0039】
【実施例】本発明を次の実施例及び比較例により説明す
る。尚、部または%とあるのは、特記しないかぎり、そ
れぞれ重量部または重量%を示す。
【0040】塗料用アクリル樹脂 調製例1〜7、比較調製例1〜3 表1に従って、攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導
入管の付いた4つ口フラスコに、溶剤を投入し、窒素ガ
ス気流下、110〜120℃で、モノマー混合液と重合
開始剤を3時間かけて滴下し、滴下終了2時間後に、ア
ゾビスイソブチロニトリル0.25部を追添加し、更に
2時間反応させて重合を完結させた後、希釈用溶剤(酢
酸ブチル)を添加して、不揮発分濃度50%の塗料用ア
クリル樹脂(A1)〜(A7)及び(A’1)〜(A’
3)を得た。得られた各塗料用アクリル樹脂の特性値を
表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】調製例8、比較調製例4 表1に従って、攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導
入管の付いた4つ口フラスコに、溶剤を投入し、窒素ガ
ス気流下、110〜115℃で、モノマー混合液と重合
開始剤を3時間かけて滴下し、滴下終了2時間後に、ア
ゾビスイソブチロニトリル0.5部を追添加し、更に2
時間反応し重合を完結させた後、希釈用溶剤(酢酸ブチ
ル)95部を添加して、不揮発分濃度45%の塗料用ア
クリル樹脂(A8)及び(A’4)を得た。
【0043】上記調製例1〜8及び比較調製例1〜4で
得られた塗料用アクリル樹脂(A1〜8)及び(A’1
〜4)の性状を併せて表1に示す。
【0044】ただし、不揮発分は、JIS K6901
−1995に準拠した方法で、樹脂液1gをアルミカッ
プに精秤し、110℃、3時間加熱乾燥させる条件で測
定した。粘度は、JIS K5400−1990に準拠
する方法で、25℃、B型粘度計で測定した。また、重
量平均分子量は、GPCにて測定した。測定条件は、次
の通りである。 装置:Waters150CVplus。 カラム:shodex KF−802:803:80
4:805直列。 溶媒:テトラヒドロフラン。 温度:40℃。 検出器:示差屈折率計。 標準サンプル:ポリスチレン。
【0045】燐酸(エステル)系硬化剤(B) 調製例1 85%オルト燐酸9.3部をイソプロピルアルコール1
00.0部に均一に溶解させて、燐酸系硬化剤(B1)
を得た。
【0046】調製例2 オクチルアシッドフォスフェート22.0部をイソプロ
ピルアルコール100.0部に均一に溶解させて、燐酸
エステル系硬化剤(B2)を得た。
【0047】調製例3 85%オルト燐酸23.7部をイソプロピルアルコール
100.0部に均一に溶解させて、燐酸系硬化剤(B
3)を得た。
【0048】調製例4 オクチルアシッドフォスフェート56.0部をイソプロ
ピルアルコール100.0部に均一に溶解させて、燐酸
エステル系硬化剤(B4)を得た。
【0049】調製例5 85%オルト燐酸9.3部をメチルエチルケトン10
0.0部に均一に溶解させて、燐酸系硬化剤(B5)を
得た。
【0050】実施例1〜16、比較例1〜9 表2に示す配合割合で、それぞれ塗料用アクリル樹脂と
硬化剤とを容器に計量し、密栓した後、ペイントコンデ
ィショナーで震盪し、均一混合して二液被覆組成物を得
た。
【0051】更に、表2に、各二液型被覆配合物の流動
性を所定時間毎に観察する方法で評価したポットライフ
も示す。
【0052】
【表2】
【0053】試験例1(ゲル分率測定) 実施例2及び10並びに、比較例1及び5で得られた二
液型被覆組成物を、PETフィルムに#36バーコータ
ーで塗装し、それぞれ常温(23℃)、40℃,60℃
で所定時間乾燥した後、塗膜を剥離した。この塗膜をア
セトン還流下で8時間抽出後、不溶分を100℃で1時
間乾燥した。抽出後の重量/抽出前の重量×100をゲ
ル分率として、その結果を表3に示す。
【0054】
【表3】
【0055】試験例2(塗膜性能試験:木材) 実施例1〜7、実施例9〜15並びに、比較例1及び5
で得られた二液型被覆組成物を、それぞれナラ突き板合
板(突き板部0.2mm、板厚み6mm)にバーコーターで
40g/m2 塗装後、40℃で30分硬化した。これを
耐水研磨紙でサンディングし、表面を平滑にした後、再
度、バーコーターで40g/m2 塗装後、40℃で30
分硬化して、塗膜を得た。
【0056】得られた塗膜の木材との付着性、耐水性、
耐溶剤性及び耐酸性を評価し、その結果を、次の表4に
示す。
【表4】
【0057】試験例3(塗膜性能試験:金属) 実施例8及び16並びに、比較例4及び8で得られた二
液型被覆組成物、をそれぞれボンデ#144処理軟鋼板
にスプレー塗装した後、60℃×20分乾燥して、塗膜
を得た。
【0058】得られた塗膜を7日間の熟成後、金属との
付着性、耐衝撃性、耐水性、耐溶剤性、耐酸性及び耐候
性を評価し、その結果を表5に示す。
【0059】
【表5】
【0060】
【発明の効果】本発明の二液型被覆組成物は、ホルムア
ルデヒドの発生が無く、硬化剤に毒性が無く、可使時間
の長いと言ったエポキシ基含有アクリル樹脂と燐酸(エ
ステル)硬化剤系の特徴を保持しつつ、特に燐酸硬化剤
においては、耐水性の向上を、燐酸エステル硬化系で
は、基材、特に金属基材との付着性の向上を達成でき
る。更に、耐水性、耐溶剤性、耐候性及び耐酸性雨性等
の諸性能に優れた塗膜を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−60211(JP,A) 特開 昭63−10677(JP,A) 特公 昭55−43029(JP,B1) 特公 平1−20190(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 5/00 - 201/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ基官能重合性単量体(a)と、
    加水分解性シリル基官能重合性単量体(b)と、ビニル
    モノマー及び/又は(メタ)アクリルモノマー(c)と
    を必須成分とする塗料用アクリル樹脂(A)及び、燐酸
    (エステル)系硬化剤(B)を含有することを特徴とす
    る二液型被覆組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の二液型被覆組成物におい
    て、エポキシ基官能重合性単量体は、グリシジル(メ
    タ)アクリレートであることを特徴とする二液型被覆組
    成物。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の二液型被覆組成物に
    おいて、塗料用アクリル樹脂(A)は、エポキシ基官能
    重合性単量体(a)の含有量が5.0〜40.0重量
    %、加水分解性シリル基官能重合性単量体(b)の含有
    量が0.1〜10.0重量%、ビニルモノマー及び/又
    は(メタ)アクリルモノマー(c)の含有量が50.0
    〜94.9重量%であることを特徴とする二液型被覆組
    成物。
  4. 【請求項4】請求項1〜3いずれかの項記載の二液型被
    覆組成物において、加水分解性シリル基官能重合性単量
    体(b)は、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメ
    トキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチ
    ルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピ
    ルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロ
    ピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
    ン及び、ビニルトリエトキシシランから成る群より選ば
    れた少なくとも1種であることを特徴とする二液型被覆
    組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれかの項記載の二液型
    被覆組成物において、燐酸(エステル)系硬化剤(B)
    は、オルト燐酸、メタ燐酸、ピロ燐酸、ポリ燐酸、酸性
    燐酸エステル及び酸性亜燐酸エステルから成る群より選
    ばれた少なくとも1種であり、塗料用アクリル樹脂
    (A)中のエポキシ基1当量に対して燐酸(エステル)
    を0.1〜3.0当量含有することを特徴とする二液型
    被覆組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれかの項記載の二液型
    被覆組成物においては、更に溶剤を含み、該溶剤中にア
    ルコール性溶剤を5.0重量%以上含有することを特徴
    とする二液型被覆組成物。
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