JPH05200358A - 塗膜形成方法 - Google Patents

塗膜形成方法

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JPH05200358A
JPH05200358A JP13180292A JP13180292A JPH05200358A JP H05200358 A JPH05200358 A JP H05200358A JP 13180292 A JP13180292 A JP 13180292A JP 13180292 A JP13180292 A JP 13180292A JP H05200358 A JPH05200358 A JP H05200358A
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JP
Japan
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coating film
group
resin
parts
groups
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Pending
Application number
JP13180292A
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English (en)
Inventor
Akira Kasari
章 加佐利
Shigeru Nakamura
茂 中村
Satoru Ito
悟 伊藤
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 素材に着色ベースコート及びクリヤートップ
コートを順次形成させ2コート1ベーク方式で仕上げる
上塗り塗装方法において、着色ベースコートを形成する
塗料組成物として、(1)水酸基含有ビニル系樹脂
(2)アミノ樹脂(3)1分子中に平均2個以上のシラ
ノール基及び/又はアルコキシシラン基を有する数平均
分子量1000以上のポリオルガノシロキサン(4)金
属フレーク粉末及び/又はマイカ粉末及び(5)有機溶
剤を必須成分として含有する塗料組成物を用い、クリヤ
ートップコートを形成する塗料組成物として、(1)シ
ラノール基及び珪素原子に直接結合した加水分解性基か
ら選ばれる少なくとも1種の基及び水酸基を必須官能基
成分として含有する樹脂(2)アミノ樹脂及び(3)有
機溶剤を必須成分として含有する塗料組成物を用いるこ
とを特徴とする塗膜形成方法。 【効果】 得られた塗膜は仕上り外観に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な塗膜形成方法、更
に詳しくは特に仕上り外観に優れた塗膜形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、上塗り塗膜、特に自
動車外板用上塗り塗膜において、仕上り外観、塗膜性能
等の向上に対する要求がある。また、エネルギーコスト
の低減の目的や鋼板基材とプラスチック基材が一体とな
った自動車外板において、同一塗料で一体塗装を可能と
することを目的として、低温硬化性塗膜の開発に対する
強い要求がある。
【0003】自動車用上塗り塗料として、現在主流を占
める塗料は熱硬化性アクリル樹脂/メラミン樹脂系及び
熱硬化ポリエステル樹脂/メラミン樹脂系等であるが、
これらの塗料は高度平滑性において限界に近く、また、
各種塗膜性能の改善の余地もある。また、低温硬化性も
十分でないという問題点がある。更に、焼付時に発生す
る縮合物(ホルマリンなど)による塗膜のワキ、環境汚
染などの問題も残されている。
【0004】本出願人は、低温硬化性に優れた塗料とし
て、特開平2−160879号公報に自動車用塗料組成
物を提案した。該塗料はシラノール基及び/又はアルコ
キシシラン基含有ポリシロキサン系マクロモノマーとオ
キシラン基含有ビニルモノマーを単量体成分とする共重
合体に金属キレート化合物を配合してなるシリコーン系
塗料組成物であるが、このものをメタリックベースコー
ト(塗料にアルミニウムフレーク顔料を配合したもの)
/クリヤートップコートの両者に適用し、2コート・1
べーク方式で塗料仕上げを行なったものはメタリックベ
ースコートがクリヤートップコートによって冒されアル
ミニウムフレーク顔料の配向が変化しアルミニウム光沢
(キラリ感があり、白いもの)のある塗膜が得られない
という欠点があり、また、メタリックベースコートとし
て熱硬化性アクリル樹脂/メラミン樹脂系のものを用い
たものは、該メタリックベースコートの硬化が始まる前
にクリヤートップコートの硬化が始まり、その結果塗膜
にワキ、チヂミなどの欠陥を生じるという欠点があっ
た。
【0005】また、仕上げ塗膜に欠陥を生じた場合、欠
陥部を補修するために、通常、同種のメタリックベース
コート及びクリヤートップコートがリコートされるが、
上記シリコーン系塗料組成物を用いたものは、該塗膜相
互間(トップクリヤーコートとリコートされるメタリッ
クベースコート)での密着性が十分でないという問題も
残されていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記した
欠点を解消するために鋭意研究を重ねた結果、特定の着
色ベースコートにクリヤートップコートを形成させるこ
とにより、仕上り性、リコート性などに優れた塗膜が提
供できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は素材に着色ベースコート及
びクリヤートップコートを順次形成させ2コート1ベー
ク方式で仕上げる上塗り塗装方法において、着色ベース
コートを形成する塗料組成物として、 (1)水酸基含有ビニル系樹脂 (2)アミノ樹脂 (3)1分子中に平均2個以上のシラノール基及び/又
はアルコキシシラン基を有する数平均分子量1000以
上のポリオルガノシロキサン (4)金属フレーク粉末及び/又はマイカ粉末及び (5)有機溶剤 を必須成分として含有する塗料組成物を用い、クリヤー
トップコートを形成する塗料組成物として、 (1)シラノール基及び珪素原子に直接結合した加水分
解性基から選ばれる少なくとも1種の基及び水酸基を必
須官能基成分として含有する樹脂 (2)アミノ樹脂及び (3)有機溶剤 を必須成分として含有する塗料組成物を用いることを特
徴とする塗膜形成方法に関する。
【0008】次に、本発明方法について具体的に説明す
る。着色ベースコート 該着色ベースコートは(1)水酸基含有ビニル系樹脂
(2)アミノ樹脂(3)1分子中に平均2個以上のシラ
ノール基及び/又はアルコキシシラン基を有する数平均
分子量1000以上のポリオルガノシロキサン(以下、
単に「ポリオルガノシロキサン」と略すことがある)
(4)金属フレーク粉末及び/又はマイカ粉末(以下、
単に「金属フレーク」と略すことがある)(5)有機溶
剤を必須成分とするベースコート用塗料組成物より形成
される。
【0009】水酸基含有ビニル系樹脂は、分子中に水酸
基を有し、好ましくは水酸基価約20〜200、好まし
くは約50〜150の範囲のものが使用できる。水酸基
価が20より小さくなるとベースコート塗膜の硬化速度
がトップコート塗膜の硬化速度よりも遅くなり、ベース
コート塗膜が硬化する以前にトップコート塗膜が硬化す
るため、トップコート硬化塗膜にチヂミなどの欠陥を生
じ塗膜の仕上り外観が低下する、またその硬化も十分で
ないため塗膜性能(耐水性、耐衝撃性など)が低下した
りするので好ましくない。一方、水酸基価が約200よ
り大きくなると未反応の水酸基が塗膜中に多く残存する
ようになって塗膜性能(耐水性、耐候性など)が低下し
たりするので好ましくない。
【0010】また、該水酸基含有ビニル系樹脂は、分子
中にカルボキシル基を含有したものを使用することがで
きる。特に、カルボキシル基は水酸基とアミノ基、水酸
基とシラノール基及び/又はアルコキシシラン基、シラ
ノール基及び/又はアルコキシシラン基同志の反応速度
を高め、塗膜仕上り性が良くなる効果をもつ。該カルボ
キシル基は樹脂酸価で約0〜50、好ましくは約5〜2
0の範囲が良い。水酸基含有ビニル系樹脂としては、例
えば下記水酸基含有重合性不飽和単量体(a)及び必要
に応じてその他の重合性不飽和単量体(b)をラジカル
重合して得られる(共)重合体が使用できる。
【0011】水酸基含有重合性不飽和単量体(a)とし
ては、例えば(a−1)〜(a−5)が挙げられる。
(a−1)ヒドロキシアルキルビニルエーテル:ヒドロ
キシブチルビニルエーテルなど、(a−2)アリルアル
コール及びメタリルアルコール、(a−3)(メタ)ア
クリル酸のヒドロキシアルキルエステル:ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ートなど、(a−4)(ポリ)アルキレングリコールモ
ノアクリレート、エチレングリコールモノアクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノアクリレートなど、
(a−5)(a−1)〜(a−4)とラクトン類(例え
ばε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン)との付加
物など、(例えばプラクセルFM−1、同左FM−2、
同左FM−3、同左FA−1、同左FA−2、同左FA
−3など、以上ダイセル化学社製、商品名、カプロラク
トン変性(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル類)。
【0012】また、その他の重合性不飽和単量体(b)
としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アク
リレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレートなどの如き(メタ)アクリル
酸のC1-24個のアルキル又はシクロアルキルエステル
類:(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、
(無水)マレイン酸、フマル酸、2−カルボキシエチル
(メタ)アクリレートなどの如きカルボキシル基含有化
合物類:スチレンビニルトルエンなどの如きビニル芳香
族化合物類:パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリ
レート、パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アクリ
レート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレ
ートなどの如きパーフルオロアルキル(メタ)アクリレ
ート類及び(メタ)アクリロニトリル類、オレフィン
類、フルオロオレフィン類、ビニルエステル類、シクロ
ヘキシル又はアルキルビニルエーテル類、アリールエー
テル類などが挙げられる。
【0013】該水酸基含有ビニル系樹脂の製造は、従来
から公知の方法、例えば上記単量体(a)及び必要に応
じてその他単量体(b)の混合物を実質的に不活性な有
機溶剤中でラジカル重合開始剤の存在下で約80〜22
0℃で約4〜18時間反応を続けることにより実施でき
る。
【0014】有機溶剤としては、例えばキシレン、トル
エン等の芳香族炭化水素系;酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチル等のエステル系;アセトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン系;エチレングリコール、セロソル
ブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のエー
テル系等が挙げられる。
【0015】また、使用可能なラジカル重合開始剤とし
ては、例えば、2,2´−アゾイソブチロニトリル、
2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル
などのアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキシド、ラウリ
ルパーオキシド、tert−ブチルパーオクトエートな
どの過酸化物系開始剤が挙げられ、水酸基含有ビニル系
樹脂の分子量は、数平均分子量で約2,000〜80,
000、好ましくは約4,000〜20,000の範囲
を有することができる。分子量が約2,000を下回る
と焼付時にベースコート溶融粘度が低下しすぎて金属フ
レークの配向が変化しメタリック感のある塗膜が得られ
難く、一方、分子量が約80,000を上回ると塗装作
業性が低下するため好ましくない。
【0016】アミノ樹脂は架橋剤として使用するもので
あり、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグア
ナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシア
ンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応によっ
て得られるメチロール化アミノ樹脂があげられる。アル
デヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等がある。
また、このメチロール化アミノ樹脂を適当なアルコール
によってエーテル化したものも使用でき、エーテル化に
用いられるアルコールの例としてはメチルアルコール、
エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロ
ピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルア
ルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノ
ールなどがあげられる。アミノ樹脂としてはエーテル化
度の高いメラミン、すなわちトリアジン核1個当り、平
均3個以上メチルエーテル化されたメラミンやそのメト
キシ基の一部を炭素数2個以上のアルコールで置換した
メラミン樹脂が使用できる。中でも平均縮合度約2以下
で1核体の割合が約50重量%以上である低分子量メラ
ミンがハイソリッド化の点から好ましく、このものを用
いるときは、例えばパラトルエンスルホン酸のような常
用の硬化触媒を添加することが好ましい。
【0017】ポリオルガノシロキサンは、前記アミノ樹
脂とともに水酸基含有ビニル系樹脂の架橋剤とし、ま
た、それ自体自己架橋する樹脂として使用するものであ
り、1分子中に平均2個以上、好ましくは2〜10個の
シラノール基及び/又はアルコキシシラン基を有する数
平均分子量1000以上、好ましくは1000〜500
00のポリオルガノシロキサンである。このポリオルガ
ノシロキサンはラダー構造部分を有することが好まし
く、例えば下記一般式(I)で示される3官能性シラン
を必須成分とするシラン化合物を加水分解縮合すること
によって得ることができる。 Rx Si(OR´)4-X ・・・(I) (式中、RおよびR´は同一又は異なっていてもよく、
炭素数1〜13の炭化水素基を示し、xは1を表わ
す。) 上記RおよびR´としては、それぞれ、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基など
が挙げられる。
【0018】上記、加水分解縮合されるシラン化合物
は、(I)式の3官能シランのみであってもよいが、必
要に応じて、3官能性シランに加えて、(I)式におけ
るxの値が2又は3である2官能性又は1官能性シラン
を含有するものであってもよく、シラン化合物中、
(I)式のシランが30重量%以上含有されることが好
ましく、80重量%以上含有されることがより好まし
い。
【0019】(I)式のシランの代表例としては、メチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエ
トキシシラン、エチルトリメトキシシランなどが挙げら
れる。(I)式のシランと混合使用してもよい2官能性
又は1官能性シランとしては、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジイソブチ
ルジプロポキシシラン、トリメチルメトキシシランなど
が挙げられる。
【0020】上記シラン化合物の加水分解縮合は、シラ
ン化合物を必要に応じて水溶性溶媒(例えばアルコール
系溶媒、セロソルブ系溶媒など)と混合し、塩酸、硫
酸、リン酸などの鉱酸あるいは、ギ酸、酢酸等の有機酸
および水の存在下で、好ましくはpH6以下にて、20
℃〜100℃程度で30分〜20時間程度撹拌下に加水
分解と縮合反応を進行せしめることによって行なわれ
る。ポリオルガノシロキサンの分子量は、使用する水の
量、触媒の種類・量、反応温度および反応時間などによ
って適宜調整できる。
【0021】上記ポリオルガノシロキサン樹脂におい
て、シラノール基及び/又はアルコキシシラン基の数が
1分子中に平均2個を下回るとベースコート塗膜の硬化
速度がトップコート塗膜の硬化速度よりも遅くなり、ベ
ースコート塗膜が硬化する以前にトップコート塗膜が硬
化が始まるためトップコート硬化塗膜にチヂミなどの欠
陥を生じ、塗膜の仕上り外観が低下するという欠点があ
る。
【0022】また、ポリオルガノシロキサン樹脂におい
て、数平均分子量が1000より小さくなると、焼付時
にベースコートの溶融粘度が低下し金属フレークの配向
が変化しメタリック感のある塗膜が得られないという欠
点がある。
【0023】金属フレークは、塗膜にメタリック感を与
えるものであって、該金属フレークとしては、例えばア
ルミニウムフレーク、ニッケルフレーク、銅フレーク、
真鍮フレーク及びクロムフレークなどが挙げられ、ま
た、マイカ粉末としてはパールマイカ、着色パールマイ
カなどが挙げられる。該金属フレークの配合量は樹脂固
形分100重量部に対して1〜20重量部程度とすれば
よい。
【0024】有機溶剤としては、例えばキシレン、トル
エン等の芳香族炭化水素系;酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチル等のエステル系;アセトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン系;エチレングリコール、セロソル
ブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のエー
テル系等が挙げられる。該有機溶剤は1種もしくは2種
以上混合して使用できる。また、仕上り性の点からは沸
点が150℃程度以下のものが好ましいが、これに限定
されるものではない。
【0025】ベースコート用塗料組成物において、バイ
ンダーとなる水酸基含有樹脂、アミノ樹脂及びポリオル
ガノシロキサンの配合割合は、該3成分の合計量(樹脂
固形分)100重量部に基づいて、水酸基含有樹脂5〜
90重量部、好ましくは30〜60重量部、アミノ樹脂
5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部、ポリオ
ルガノシロキサン1〜40重量部、好ましくは5〜30
重量部、更に好ましくは5〜20重量部である。
【0026】水酸基含有樹脂の配合量が5重量部未満で
は下地に対する密着性が低下し、一方、90重量部を超
えた場合、塗膜の仕上り外観、塗膜性能(耐水性、加工
性など)が低下する。アミノ樹脂の配合割合が5重量部
未満では、水酸基含有樹脂の架橋密度が小さく耐水性、
耐衝撃性が著しく損なわれ、50重量部を超えて配合す
ると、機械的性質及び下地に対する密着性が低下するな
どの問題が生ずる。また、オルガノポリシロキサンの配
合割合が1重量部未満では、ベースコート塗膜の硬化速
度を早める効果が小さく、塗膜の仕上り外観を向上する
ことができず、一方、40重量部を上回ると下地との密
着性が低下する。
【0027】ベースコート用塗料組成物には、上記した
成分以外に、必要に応じて有機顔料、無機顔料、顔料分
散剤、重合体微粒子、紫外線吸収剤、塗面調整剤、硬化
触媒、セルロースアセテート(及びこれらの誘導体)、
その他塗料用添加剤などを含有してもよい。
【0028】該塗料中に含有してもよい顔料としては、
例えば有機顔料(例えばキナクリドンレッド等のキナク
リドン系、ピグメントレッド等のアゾ系、フタロシアニ
ンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン
系等)、無機顔料(例えば酸化チタン、硫酸バリウム、
炭酸カルシウム、バリタ、クレー、シリカ等)、炭素系
顔料(カーボンブラック)などが挙げられる。ベースコ
ート用塗料組成物は、通常、樹脂固形分量10〜50重
量%程度とすればよい。
【0029】クリヤートップコート 該クリヤートップコートはシラノール基及び/又は珪素
原子に直接結合した加水分解性基(以下、このものを
「加水分解性シリル基」と略す。)と水酸基を有する樹
脂(以下、「トップコート用基体樹脂」と略す。)、ア
ミノ樹脂及び有機溶剤を必須成分として含有するクリヤ
ー塗料組成物で形成したものである。
【0030】上記トップコート用基体樹脂が有する加水
分解性基は、水の存在下で加水分解してシラノール基を
生成する残基であり、例えばC15 のアルコキシ基;
フェノキシ基、トリルオキシ基、パラメトキシフェノキ
シ基、パラニトロフェノキシ基、ベンジルオキシ基など
のアリールオキシ基;アセトキシ基、プロピオニルオキ
シ基、ブタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、フェ
ニルアセトキシ基、ホルミルオキシ基などのアシロキシ
基及び−N(R12 、−ON(R12 、−ON=C
(R12 、−NR2 COR1 (式中、それぞれR1
同一もしくは異なってC18 のアルキル基、アリール
基、アラルキル基を有し、R2 はH、C18 のアルキ
ル基を示す。)で表わされる残基である。
【0031】本発明で用いるトップコート用基体樹脂
は、シラノール基及び加水分解性シリル基から選ばれる
少なくとも1種の基及び水酸基を同一分子中に必須官能
基成分として含有する樹脂(以下、このものを「単一樹
脂」と略すことがある。)及びシラノール基及び加水分
解性シリル基から選ばれる少なくとも1種の基を有する
樹脂(以下、このものを「樹脂(又は重合体)A」と略
すことがある。)と水酸基を有する樹脂(以下、このも
のを「樹脂(又は重合体)B」と略すことがある。)と
の混合樹脂が使用できる。該樹脂の種類としては、例え
ばビニル系重合体、ポリエステル系樹脂及びポリエーテ
ルポリエステル系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂
の分子量は、ビニル系重合体の場合には約2,000〜
100,000、好ましくは約4,000〜80,00
0の範囲、ポリエステル系及びポリエーテルポリエステ
ル系の場合には約500〜20,000、好ましくは約
1,000〜5,000の範囲の数平均分子量をもつこ
とが望ましい。該数平均分子量が下限を下回ると塗膜表
面にチヂミなどの欠陥を生じやすく、一方、数平均分子
量が上限を上回ると塗装作業性が劣り、また、塗膜表面
にキズ膚の欠陥を生じやすくなるという欠点があるので
好ましくない。
【0032】本発明で用いるトップコート用基体樹脂に
おいて、上記した樹脂の中でも耐候性、耐酸性、耐スリ
傷性に優れた性能を示すビニル系重合体を使用すること
が好ましい。以下、ビニル系重合体について述べる。
【0033】ビニル系重合体の単一樹脂としては、例え
ばシラノール基及び/又は加水分解性シリル基含有ビニ
ル単量体(c)、水酸基含有ビニル系単量体(a)、及
び必要に応じてその他の重合性不飽和単量体(b)とを
共重合反応して得られるビニル系共重合体及び予じめ官
能基を有するビニル系重合体を製造しておき、次に該重
合体の有する官能基と相補的に反応する基とシラノール
及び/又は加水分解性シリル基(該基が相補的に反応す
る基であってもかまわない。)を有するシラン化合物を
反応させることによって得られる重合体〔例えば(メ
タ)アクリル酸グリシジル、水酸基含有ビニル系単量体
(a)及びその他のビニル単量体(b)との共重合体
に、γ−アミノプロピルトリメトキシシランを反応させ
たものや(メタ)アクリル酸、水酸基含有ビニル系単量
体(a)及びその他の重合性不飽和単量体(b)との共
重合体にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
を反応させたものなど〕などによって製造したものが使
用できる。
【0034】該ビニル系重合体は、1分子中に平均1個
以上のシラノール基及び/又は加水分解性シリル基と水
酸基(水酸基価)を約30〜300、好ましくは約50
〜200の範囲で有することが望ましい。該シラノール
基及び/又は加水分解性シリル基が1分子中に平均1個
より少なくなると硬化性が低下し耐候性、耐酸性、耐ス
リ傷性などに優れた塗膜が形成できないので好ましくな
い。また、水酸基価が約30より小さいと硬化性が低下
し、耐候性、耐酸性、耐スリ傷性などに優れた塗膜が形
成され難く、一方、水酸基価が約300より大きくなる
と未反応の水酸基が塗膜中に多く残存するようになって
塗膜の耐水性などが低下するので好ましくない。
【0035】また、ビニル系重合体の混合樹脂として
は、例えばシラノール基及び/又は加水分解性シリル基
含有ビニル単量体(c)及び必要に応じてその他の重合
性不飽和単量体(b)とを(共)重合反応して得られる
ビニル系重合体及び予じめ官能基を有するビニル系重合
体を製造しておき、次に該重合体の有する官能基と相補
的に反応する基とシラノール及び/又は加水分解性シリ
ル基(該基が相補的に反応する基であってもかまわな
い。)を有するシラン化合物を反応させることによって
得られる重合体〔例えば(メタ)アクリル酸グリシジル
とその他の重合性不飽和単量体(b)との共重合体に、
γ−アミノプロピルトリメトキシシランを反応させたも
のや(メタ)アクリル酸とその他の重合性不飽和単量体
(b)との共重合体にγ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランを反応させたものなど〕などの如き重合体
A、並びに例えば水酸基含有ビニル系単量体(a)を重
合反応して得られる同重合体、該ビニル系単量体(a)
とその他の重合性不飽和単量体(b)とを共重合反応し
て得られる共重合体などの如き重合体Bなどが挙げられ
る。
【0036】該重合体Aは、1分子中に平均1個以上の
シラノール基及び/又は加水分解性シリル基を有するこ
とが望ましい。該シラノール基及び/又は加水分解性シ
リル基が1分子中に平均1個より少なくなると硬化性が
低下し耐候性、耐酸性、耐スリ傷性などに優れた塗膜が
形成できないので好ましくない。また、重合体Bは、水
酸基価が約30以上であることが望ましい。水酸基価が
約30より小さいと硬化性が低下し、耐候性、耐酸性、
耐スリ傷性などに優れた塗膜が形成され難い。また、水
酸基価があまり大きくなると未反応の水酸基が塗膜中に
多く残存するようになって塗膜の耐水性などが低下する
ので水酸基価を約300以下とすることが好ましい。
【0037】該重合体A及びBの配合割合は、重合体
A:重合体Bの重量比が90:10〜10:90、好ま
しくは80:20〜20:80の範囲が好ましい。上記
単一樹脂及び混合樹脂の中でも硬化が均一で仕上り外観
及び性能に優れた塗膜を形成しやすい単一樹脂を用いる
ことが好ましい。
【0038】上記単量体(a)及び(b)は前記と同様
のものが挙げられる。上記ビニル単量体(c)として
は、例えばγ−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキ
シシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエ
トキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリ
プロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−(メタ)
アクリロキシブチルフェニルジメトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシブチルフェニルジエトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシブチルフェニルジプロポ
キシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチ
ルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピル
ジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプ
ロピルフェニルメチルメトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシプロピルフェニルメチルエトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシプロピルトリアセトキシシラン
などの如きアクリル系シラン化合物、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシランなどの如きビニル
シラン化合物、アリルトリエトキシなどの如きアリルシ
ラン化合物、2−スチリルエチルトリメトキシシランな
どの如きスチリルシラン化合物などが挙げられる。ま
た、これらの単量体と例えばシラン化合物(例えばトリ
メトキシシラン、トリエトキシシランなど)とを反応さ
せて得られる分子中にラジカル重合性不飽和基、シロキ
サン結合とシラノール及び/又は加水分解性シリル基を
有するものも包含される。
【0039】本発明で用いるトップコート用基体樹脂に
おいて、該樹脂中にカルボキシル基を導入したものも使
用できる。これらの基を樹脂中に導入する方法として
は、例えばビニル系重合体の製造において、その他のビ
ニル単量体(b)成分としてカルボキシル基含有ビニル
モノマーを用いることにより導入できる。これらの単量
体成分を用いる場合には、ビニル系重合体を基準にし
て、カルボキシル基含有ビニルモノマー成分が約5〜5
0重量%、好ましくは約10〜40重量%の範囲で使用
される。上記トップコート用基体樹脂と組合わせて用い
るアミノ樹脂は、前記着色ベースコート用塗料組成物に
記載されるものと同様のメチロール化アミノ樹脂や該ア
ミノ樹脂をアルコールによってエーテル化したエーテル
化アミノ樹脂などが使用できる。アミノ樹脂の配合量は
基体樹脂100重量部に対して2〜100重量部程度と
するのがよい。配合量が2重量部を下回ると耐水性など
が低下し、100重量部を上回ると耐候性などが低下す
るので好ましくない。
【0040】また、有機溶剤としては、例えばヘプタ
ン、トルエン、キシレン、オクタン、ミネラルスピリッ
ト等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、
酢酸イソブチル、メチルセロソルブアセテート、ブチル
カルビトールアセテート等のエステル系溶媒、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケ
トン等のケトン系溶媒、エタノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノ
ール等のアルコール系溶媒、n−ブチルエーテル、ジオ
キサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル等のエーテル系溶媒
等が使用できる。本発明クリヤートップコートで用いる
クリヤー塗料組成物は、前記トップコート用基体樹脂及
びアミノ樹脂を有機溶剤に溶解もしくは分散することに
よって得られる。また、このものを分散安定剤とする非
水分散形塗料組成物として使用できる。
【0041】また、該クリヤー塗料組成物には上記した
基体樹脂、有機溶剤以外にもシラノール基及び/又は加
水分解性シリル基の硬化触媒が必要に応じて配合でき
る。該硬化触媒としては、例えば、p−トルエンスルホ
ン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリクロル酢酸、
燐酸、モノ−n−プロピル燐酸、モノイソプロピル燐
酸、モノ−n−ブチル燐酸、モノイソブチル燐酸、モノ
−tert−ブチル燐酸、モノオクチル燐酸、モノデシ
ル燐酸等のモノアルキル燐酸、ジ−n−プロピル燐酸、
ジイソプロピル燐酸、ジ−n−ブチル燐酸、ジイソブチ
ル燐酸、ジ−tert−ブチル燐酸、ジオクチル燐酸、
ジデシル燐酸等のジアルキル燐酸、β−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレートの燐酸エステル、モノ−n−プ
ロピル亜燐酸、モノイソプロピル亜燐酸、モノ−n−ブ
チル亜燐酸、モノイソブチル亜燐酸、モノ−tert−
ブチル亜燐酸、モノオクチル亜燐酸、モノデシル亜燐酸
等のモノアルキル亜燐酸、ジ−n−プロピル亜燐酸、ジ
イソプロピル亜燐酸、ジ−n−ブチル亜燐酸、ジイソブ
チル亜燐酸、ジ−tert−ブチル亜燐酸、ジオクチル
亜燐酸、ジデシル亜燐酸等のジアルキル亜燐酸等の酸性
化合物;テトライソプロピルチタネート、テトラブチル
チタネート、オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、
ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、
ジブチル錫ジマレート等の含錫化合物;ブチルアミン、
tert−ブチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルア
ミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン、イソホロ
ンジアミン、イミダゾール、水酸化リチウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート等の
塩基性化合物を挙げることができ、これらの少なくとも
一種を用いる。
【0042】これらの硬化触媒は、通常、トップコート
用基体樹脂100重量部に対して約0.05〜20重量
部、好ましくは約0.1〜10の範囲で配合できる。ア
ミノ樹脂で、ヘキサメトキシメチルメラミンやそのメト
キシ基の一部又は全部をC2以上のアルコールで置換し
たエーテル化メラミン樹脂を用いる場合、水酸基との硬
化触媒にパラトルエンスルフォン酸、ドデシルベンゼン
スルフォン酸等の様な強酸触媒を用いるのが一般的であ
り、かつ、その強酸触媒は、トリエチルアミン、ジエタ
ノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール等
のアミン化合物で中和(ブロック)することにより、1
液型塗料としての貯蔵安定性を付与させて用いられる
が、この中和(ブロック)強酸触媒が、アルコキシシラ
ン基の硬化触媒にもなるという事である。つまり、中和
(ブロック)強酸触媒が100℃以上の焼付温度におい
ては樹脂の反応とアルコキシシランの反応の共通触媒に
なるということである。
【0043】また、クリヤー塗料組成物には、更に必要
に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、重合体
微粒子、その他各種塗料用添加剤などが配合できる。
【0044】クリヤー塗料組成物は、通常、樹脂固形分
量35〜70重量%程度とすればよい。本発明方法は、
例えば化成処理した鋼板に電着塗料を塗装し、中塗り塗
料(省略する場合もある)を塗装した塗膜及び各種プラ
スチック素材に適したプライマーを塗装し、中塗り塗料
(省略する場合もある)を塗装した塗膜を素材として、
着色ベース塗料組成物を塗装し、次いでトップクリヤー
塗料組成物を塗装することにより実施できる。上記電着
塗料及び中塗り塗料は、塗料のタイプによっても異なる
が、通常、140〜190℃で30〜90分間焼付けら
れる。着色ベース及びトップクリヤー塗料組成物の塗装
は、通常の塗装方式、例えば静電塗装もしくは非静電塗
装機を用いて行なえる。また、着色ベースコートの膜厚
は10〜50μm 程度(硬化後)が好ましい。該塗料を
塗装後、数分間室温に放置するか、50〜80℃位で数
分間強制乾燥した後、クリヤー塗料組成物を塗装する。
クリヤー塗膜の厚さは20〜100μm (硬化後)が好
ましい。次いで、被塗物を120〜180℃程度で30
〜90分間程度加熱して硬化せしめることができる。
【0045】
【作用及び発明の効果】本発明方法において、2コート
1べーク方式で仕上げる着色ベースコート用の塗料はバ
インダー成分として、シラノール基及び/又はアルコキ
シシラン基を1分子中に2個以上有するポリオルガノシ
ロキサンを含有しており、加熱によりシラノール基(又
はアルコキシシラン基の加水分解によって生成するシラ
ノール基)同志の反応やシラノール基と水酸基含有樹脂
中の水酸基との反応が比較的低温で急速におこなわれ
る。該反応はクリヤーコート用塗料の硬化反応よりも早
く行なわれるために、焼付初期において、ベースコート
用塗料の粘度上昇がクリヤーコート用塗料よりも早くな
る。このためにクリヤーコート用塗料の硬化及び溶剤揮
発による体積変化の塗膜収縮力に耐えうるベース塗膜が
形成され、塗膜の仕上り外観が向上したものと考えられ
る。また、該着色ベースコート用塗料をクリヤートップ
コート硬化塗膜に塗装してリコートさせた場合にも両塗
膜間での密着性の向上が認められた。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
する。なお、以下、「部」及び「%」は、それぞれ「重
量部」及び「重量%」を意味する。
【0047】製造例1 キシロール85部、n−ブタノール15部の有機溶剤中
でメチルメタクリレート30部、n−ブチルメタクリレ
ート53部、2−ヒドロキシエチルアクリレート15
部、アクリル酸2部のモノマーを反応させて、数平均分
子量6600、樹脂固形分50%、ガードナー泡粘度V
の水酸基含有アクリル系樹脂溶液(イ−1)を得た。
【0048】製造例2 キシロール85部、n−ブタノール15部の有機溶剤中
で、メチルメタクリレート30部、n−ブチルメタクリ
レート45部、2−ヒドロキシエチルアクリレート25
部のモノマーを反応させて、数平均分子量5000、樹
脂固形分50%、ガードナー泡粘度Tの水酸基含有アク
リル系樹脂溶液(イ−2)を得た。
【0049】製造例3 フェニルトリメトキシシラン 198部 脱イオン水 54部 98%硫酸 0.002部 を混合し、60℃で5時間反応後、減圧によってメタノ
ールを除去し、キシロールを添加して固形分50%、ガ
ードナー粘度ABのポリオルガノシロキサン液(ロー
1)を得た。得られたポリオルガノシロキサンはGPC
による数平均分子量(以下、同様の意味を示す。)約5
000であり、1分子当り、平均6個のシラノール基を
有していた。
【0050】製造例4 メチルトリメトキシシラン 136部 ジフェニルジメトキシシラン 182部 脱イオン水 90部 60%リン酸 1部 を混合し、60℃で10時間反応後、減圧によってメタ
ノールを除去し、酢酸ブチルを添加して固形分50%、
ガードナー粘度Dのポリオルガノシロキサン液(ロ−
2)を得た。得られたポリオルガノシロキサンは数平均
分子量約15000であり、1分子当り、平均10個の
シラノール基を有していた。
【0051】着色ベースコート用塗料組成物 塗料I−1 製造例1で得た樹脂溶液(イ−1)112部(固形分量
で56部)、ユーバン20SE(注1)40部(固形分
量で24部)、製造例2で得た樹脂溶液(ロ−1)40
部(固形分量で20部)、アルミペースト20部および
レイボー#3(注2)1部の混合物を撹拌し、ついでス
ワゾール1000(注3)/エチルアセテート=(30
/70)重量比の混合溶剤を加えて塗料粘度15秒(フ
ォードカップ#4/20℃)に調整して試験に供した。 (注1)ユーバン20SE・・・三井東圧化学(株)
製、固形分約60%のブチルエーテル化メラミン樹脂溶
液、商品名。 (注2)レイボー#3・・・レイボーケミカル(株)
製、有効成分約1%のシリコン系表面調整剤液、商品
名。 (注3)スワゾール1000・・・コスモ石油(株)
製、石油系芳香族溶剤、商品名。 塗料I−2 塗料I−1において、樹脂溶液(イ−1)に代えて樹脂
溶液(イ−2)を用いた以外は塗料I−1と同様の配合
で製造を行なって塗料I−2を得た。 塗料I−3 塗料I−1において、樹脂溶液(ロ−1)に代えて樹脂
溶液(ロ−2)を用いた以外は塗料I−1と同様の配合
で製造を行なって塗料I−3を得た。 塗料I−4 塗料I−1において、樹脂溶液(ロ−1)を用いない以
外は塗料I−1と同様の配合で製造を行なって塗料I−
4を得た。
【0052】製造例5 スチレン 100部 n−ブチルアクリレート 450部 2−エチルヘキシルメタクリレート 200部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 150部 γ−メタクリロキシプロピル トリメトキシシラン 100部 アゾビスイソブチロニトリル 40部 から成る混合物を、該混合物と同量のキシレン中に11
0℃で3時間にわたって滴下し、同温度で2時間熟成し
た。得られた透明重合体のGPCによる数平均分子量は
6000であった。
【0053】製造例6 スチレン 150部 n−ブチルメタクリレート 500部 1,4−ブタンジオールモノ アクリレート 200部 γ−メタクリロキシプロピル トリメトキシシラン 150部 アゾビスイソブチロニトリル 40部 から成る混合物をキシレン500部、n−ブタノール5
00部の混合溶剤中に、120℃で3時間にわたって滴
下した後、同温度でさらに2時間熟成させた。得られた
透明重合体の数平均分子量は6000であった。
【0054】クリヤートップコート用塗料組成物 塗料II−1 製造例5溶液(固形分50%) 140部 サイメル303(注1) 30部 Nacure 5225(注2) 1.5部 表面調整剤 0.1部 (ビッグケミ社製、BYK−300溶液、以下同様の意
味を示す。) 紫外線吸収剤 1.0部 (チバガイギー社製、チヌビン900、以下同様の意味
を示す。) 上記の混合物をスワゾール#1000で希釈し、塗料粘
度(前記と同様の条件)25秒に調整した。 (注1)サイメル303:三井サイアナミド社製、フル
メトキシ化メラミン樹脂 (注2)Nacure5225:KING INDUS
TRIES社製、ドデシルベンゼンスルホン酸のジメチ
ルオキサゾリジン中和物 塗料II−2 製造例6溶液(固形分50%) 160部 サイメル303 20部 Nacure 5225 2部 表面調整剤 0.1部 紫外線吸収剤 1.0部 上記の混合物を用いて塗料II−1と同様に調整した。 塗料II−3 製造例6溶液(固形分50%) 140部 60%ユーバン20SE 50部 (三井東圧社製ブチル化メラミン) ジブチル錫ジラウレート 0.5部 表面調整剤 0.1部 紫外線吸収剤 1.0部 上記の混合物を用いて塗料II−1と同様に調整した。 塗板の作成
【0055】ダル鋼板(化成処理)にエポキシ樹脂系カ
チオン電着塗料を塗装し(25μm)、170℃で30
分加熱硬化させた後、中塗として、ルーガベークAM
(商標品、関西ペイント(株)製、ポリエステル樹脂/
メラミン樹脂系の自動車用塗料)を乾燥膜厚が30μm
になるように塗装し、140℃で30分間焼付けた。次
いで#400サンドペーパーで塗面を水研し、水切り乾
燥し石油ベンジンで塗面を拭いたものを素材とした。
【0056】塗料はエアースプレー塗装により着色ベー
スコート用塗料を塗装後3分置いて直ちにクリヤートッ
プコート用塗料を塗装した。膜厚は乾燥膜厚で各々15
〜20μm と35〜45μm とした。次いで室温で10
分間放置して140℃で30分間(ただし、リコート性
は1回目を160℃で30分間焼付け、2回目を120
℃で30分間)焼付を行なった。塗膜性能及び外観を表
1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】試験方法 (*1)外観:塗膜のワキ、チヂミを調べた。◎異常な
し、○若干認められる、×多く認められる。 (*2)鮮映性:写像性測定器(IMAGE CLAR
ITYMETER、スガ試験機(株)製)で測定した。
表中の数字はICM値で0〜100%の範囲の値をと
り、数値の大きい方が鮮映性(写像性)が良く、ICM
値が75以上であれば鮮映性が極めて優れていることを
示す。 (*3)メタリック感:正面から見たメタルのキラリ感
及び白さを目視により評価した。◎キラリ感があり、白
いもの、△キラリ感がなく、白さに劣る、×キラリ感が
全くなく、白さが全くない。 (*4)耐水性:40℃の温水に試料塗板を240時間
浸漬後塗面のフクレの状態を目視により評価した。◎異
常なし、△少し認められる、×著しく認められる。 (*5)リコート性:塗膜表面に実施例及び比較例と同
様のベース塗料及びクリヤー塗料を塗り重ね、120℃
×30分間焼付けて塗膜を得た。得られた塗膜にカッタ
ーナイフでクロスカットを入れその塗面にセロハンテー
プを貼着しそれを急激に剥し1回目と2回目の塗膜間
(クリヤー塗膜/ベース塗膜)での付着性を評価した。
◎全く剥離が認められない、△わずかに剥離が認められ
る、×著しい剥離が認められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/36 PRD 7211−4J 5/38 PRF 7211−4J 161/22 PHK 8215−4J 183/06 PMU 8319−4J 201/06 PDL 6770−4J 201/10 PDP 6770−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素材に着色ベースコート及びクリヤート
    ップコートを順次形成させ2コート1ベーク方式で仕上
    げる上塗り塗装方法において、着色ベースコートを形成
    する塗料組成物として、 (1)水酸基含有ビニル系樹脂 (2)アミノ樹脂 (3)1分子中に平均2個以上のシラノール基及び/又
    はアルコキシシラン基を有する数平均分子量1000以
    上のポリオルガノシロキサン (4)金属フレーク粉末及び/又はマイカ粉末及び (5)有機溶剤 を必須成分として含有する塗料組成物を用い、クリヤー
    トップコートを形成する塗料組成物として、 (1)シラノール基及び珪素原子に直接結合した加水分
    解性基から選ばれる少なくとも1種の基及び水酸基を必
    須官能基成分として含有する樹脂 (2)アミノ樹脂及び (3)有機溶剤 を必須成分として含有する塗料組成物を用いることを特
    徴とする塗膜形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999004910A1 (fr) * 1997-07-25 1999-02-04 Kansai Paint Co., Ltd. Procede de formation d'un film protecteur metallique a deux couches
KR20180029071A (ko) * 2015-07-21 2018-03-19 바스프 코팅스 게엠베하 프라이머 및 탑 코트로 이루어진 코팅 물질 조합물

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