JPH0477031B2 - - Google Patents

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JPH0477031B2
JPH0477031B2 JP58157893A JP15789383A JPH0477031B2 JP H0477031 B2 JPH0477031 B2 JP H0477031B2 JP 58157893 A JP58157893 A JP 58157893A JP 15789383 A JP15789383 A JP 15789383A JP H0477031 B2 JPH0477031 B2 JP H0477031B2
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polymer
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dispersed pigment
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Shinichi Kuwamura
Hajime Kumada
Masataka Oooka
Yoichi Murakami
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規にして有用なる、顔料分散性に優
れ、とくに鮮映性の良好な塗膜を与える、かつ保
存安定性も良好なる湿気硬化型の塗料用樹脂組成
物に関するものである。 近年、塗料業界などの分野において、無公害塗
料の指向が強まつており、たとえばポリイソシア
ネート樹脂を硬化剤とするポリウレタン系塗料の
ような従来の硬化性塗料にあつては、硬化剤たる
ポリイソシアネート樹脂中に残存する遊離イソシ
アネートに起因する毒性の問題があるし、他方、
アミノ樹脂を硬化剤とするメラミン系塗料にあつ
ては、加熱硬化させるさいの熱エネルギー・コス
トの点や、硬化時に有毒なホルムアルデヒドが発
生するという点で問題があつた。 また、ブロツク・イソシアネートを硬化剤とし
て水酸基含有重合体を硬化させるような場合にお
いても、硬化温度が高くなるという欠点があつ
た。 このような観点から、最近では毒性上、有害な
硬化剤を必要としない加水分解性シリル基を有す
る湿気硬化型樹脂の開発が進められ、盛んになつ
てきている。 ところで、かかる湿気硬化型樹脂にあつては、
顔料などに含まれる微量の水分によつて練肉時に
増粘したり、あるいは練肉後のエナメル・ベース
が経時的に増粘し、遂にはゲル化に到るという問
題があるし、さらには顔料の分散性を向上させる
目的で、当該加水分解性シリル基含有重合体中に
極性基(官能基)を含有せしめた場合には、こう
した極性基が他方の特定基である加水分解性シリ
ル基の加水分解を促進せしめる結果となる処か
ら、現在は、ただただクリヤー塗料として使用さ
れているにすぎないというのが実状である。 そこで本発明者らは、加水分解性シリル基含有
重合体に重合性不飽和二塩基酸モノエステルを導
入せしめた形の重合体が顔料分散性に優れるもの
であることを見出して既に特許出願をし(特開昭
58−38766号)、またこの加水分解性シリル基含有
重合体にカルボン酸アミド基ないしはスルホン酸
アミド基の如きアミド基を導入せしめた形の重合
体が顔料分散性に加えて、光沢および鮮映性も優
れたものであることを見出して、同様に特許出願
をなしている(特開昭57−167359号)。 しかしながら、その後に検討した処では、上記
両特許出願に係る発明のそれぞれの組成物は、い
ずれも長期的な保存安定性の上で難点のあること
が判明した。 しかるに、本発明者らは上述した如き従来技術
における種々の欠点ないしは難点を改善せしめる
べく鋭意研究した結果、予め特定の分散比(分子
量分布)をもち、かつ特定の加水分解性シリル基
濃度を有する重合体をはじめとする任意の樹脂類
により顔料を練肉し分散させておき、かくして得
られた加工顔料溶液(ペースト状物または固体状
物をも含む。以下、分散顔料と略記する。)を用
い、使用時にさらに、特定の加水分解性シリル基
含有重合体と混合せしめることにより、顔料分散
性に優れ、とりわけ鮮映性の良好な塗膜を与え
る、かつ保存安定性の良好な組成物が得られるこ
とを見出して、本発明を完成させるに到つた。 すなわち、本発明は側鎖におよび/または分子
主鎖の末端に1分子当り少なくとも1個の加水分
解性シリル基を含有する重合体(A)、硬化触媒(B)、
予め樹脂類で顔料を練肉分散せしめた分散顔料(C)
および溶剤類(D)を必須の成分として含んで成る、
とくに顔料分散性および保存安定性に優れた、湿
気硬化型、つまり常温硬化性の塗料用樹脂組成物
を提供するものである。 ここにおいて、上記した加水分解性シリル基含
有重合体(A)とは、一般式 〔但し、式中のR4は水素原子またはアルキル基、
アリール基もしくはアラルキル基なる1価の有機
基を、R5はハロゲン原子またはアルコキシ基、
アシロキシ基、フエノキシ基、メルカプト基、ア
ミノ基、イミノオキシ基もしくはアルケニルオキ
シ基を表わすものとし、nは0または1もしくは
2なる整数であるものとする。〕 で示されるハロシリル基、アルコキシシリル基、
アシロキシシリル基、フエノキシシリル基、メル
カプトシリル基、アミノシリル基、イミノオキシ
シリル基またはアルケニルオキシシリル基などの
如き、加水分解され易い特性基(官能性シリル
基)を含有する重合体を指称するものである。 当該重合体(A)に属するうちでも代表的なものと
しては、ビニル系(共)重合体、飽和ないしは不
飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン
樹脂またはポリエーテル樹脂などがあるが、これ
らのうち、耐候性および耐薬品性などの点から、
ビニル系(共)重合体が特に望ましい。 また、当該(A)成分たる加水分解性シリル基含有
重合体中の特性基ともいうべき加水分解性シリル
基としては、前掲した如き各種の官能性シリル基
のうち、硬化時に好ましからざる揮発分を生じな
い点で、アルコキシシリル基が特に望ましい。 而して、上記ビニル系(共)重合体中にアルコ
キシシリル基を導入せしめるには、 アルコキシシリル基を含有するビニル系単量
体と、これと共重合可能な他のビニル系単量体
との混合物を共重合させる、 メルカプト基を有するアルコキシシラン類を
連鎖移動剤として用いて、ビニル系単量体をラ
ジカル重合させる、 別途調製した不飽和結合もしくはエポキシ基
を側鎖に有するビニル系共重合体を、アルコキ
シシリル基を含有するアミノシラン類、ヒドロ
シラン類またはメルカプトシラン類と反応させ
る、 などの周知の方法を適用することができるが、こ
れらのうちの方法のみ、もしくはの方法のみ
によるか、またはの方法との方法との併用に
よるのが最も簡便である。 上記共重合法によりアルコキシシリル基を導
入するに際して使用されるアルコキシシリル基を
含有するビニル系単量体の具体例としては、γ−
(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
イルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルメチ
ルジエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキ
シエトキシ)シラン、アリルトリメトキシシラン
などが挙げられる。そして連鎖移動剤を使用する
方法によりアルコキシシリル基を導入するに際
して用いられるメルカプト基を含有するアルコキ
シシランの具体例としてはγ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピル
トリエトキシシランなどが挙げられる。 前記したアルコキシシリル基含有単量体およ
び/またはメルカプト基含有アルコキシシラン
は、満足すべき硬化性および塗膜性能と価格との
点から、樹脂固形分1000g当りのアルコキシシリ
ル基の導入量が0.1〜3モルの範囲となる量を使
用するのが好ましく、とくに前記樹脂類(C)とし
て、側鎖におよび/または主鎖の末端に加水分解
性シリル基を含有する重合体を用いる場合におい
ては、(A)成分は、同様の諸点から樹脂固形分1000
g当りのアルコキシシリル基の導入量が0.12〜
1.2モルの範囲となる量を使用するのが好ましい。
特に好ましくは、このアルコキシシリル基含有単
量体として、γ−(メタ)クリロイルオキシプロ
ピルトリメトキシシランを、全共重合体成分に対
して3〜30重量%となる割合で使用するのがよ
く、かかる範囲内において特に良好な結果が得ら
れる。 このようにして、前記した如きアルコキシシリ
ル基含有ビニル系単量体を、これらと共重合可能
なビニル系単量体と共重合させることにより、ベ
ース樹脂成分たる加水分解性シリル基含有重合体
(A)が得られる。 かかる共重合可能なビニル系単量体の代表的な
ものとしては、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート、「ビスコート8F、
8MF、3Fもしくは3FM」〔大阪有機化学(株)製の
含フツ素系アクリルモノマー〕、パーフルオロシ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、N−2−プ
ロピルパーフルオロオクタンスルホン酸アミドエ
チル(メタ)アクリレートの如き(メタ)アクリ
ル酸エステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレートの如き(メタ)アクリル酸のヒドロ
キシアルキルエステル類;イタコン酸、フマル酸
もしくはマレイン酸の如き二塩基酸のモノアルキ
ルエステルないしはジアルキルエステル類;スチ
レン、α−メチルスチレンビニルトルエンの如き
芳香族ビニル化合物;さらには酢酸ビニル、フツ
化ビニル、フツ化ビニリデン、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、(メタ)アクリロニトリル、N,N
−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン
酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、N−アルコ
キシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)ア
クリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリル
アミド、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル
などが挙げられる。 前記したビニル系重合体を調製するには、溶
液、塊状、懸濁重合などの公知のいずれの方法に
従うこともできるが、就中、溶液ラジカル重合に
よる方法が最も好ましい。その際に用いられる溶
剤として代表的なものにはトルエン、キシレン、
シクロヘキサン、n−ヘキサン、オクタンの如き
炭化水素系;メタノール、エタノール、i−プロ
パノール、n−ブタノール、i−ブタノール、
sec−ブタノール、エチレングリコールモノアル
キルエーテルの如きアルコール系;酢酸エチル、
酢酸メチル、酢酸ブチルの如きエステル系または
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノンの如きケトン系溶剤
があるが、ビニル系(共)重合体溶液の保存安定
性および本発明組成物のポツトライフを向上させ
る上で全溶剤量の少なくとも10重量%以上のアル
コール系溶剤を用いることが好ましい。 また好ましくは、かかる溶剤中に、反応系中の
微量の水分をとる目的で、従来公知の水結合剤と
して、たとえばオルトぎ酸トリメチルもしくはオ
ルトぎ酸トリエチルの如きオルトぎ酸トリアルキ
ル類またはオルト酢酸トリメチルもしくはオルト
酢酸トリエチルの如きオルト酢酸トリアルキル
類;あるいはテトラメチルシリケートもしくはテ
トラエチルシリケートの如きテトラ珪酸アルキル
エステル類、または「エチルシリケート40」〔日
本コルコート(株)製の、テトラ珪酸アルキルエステ
ル類の自己縮合物〕の如き、テトラ(置換)アル
キルシリケート類単体、該シリケート類の同効単
体および/またはそれらの縮合物(以下、これら
を加水分解性エステル化合物と略記する。)を添
加せしめるのがよい。 かかる溶剤と、さらにアゾ系または過酸化物系
の如き公知慣用の各種重合開始剤とを用いて常法
により重合を行なえばよい。また重合にさいし
て、ラウリルメルカプタン、2−メルカプトエタ
ノールまたはα−メチルスチレン・ダイマーなど
の如き公知慣用の各種連鎖移動剤を用いることも
できる。 かくして得られる前記加水分解性シリル基含有
重合体(A)の分子量としては、通常の塗料用として
使用されうる範囲のものであればいずれでもよい
が、好ましくは数平均分子量が1000〜30000で、
かつ、重量平均分子量を数平均分子量で除した値
で定義される分子量のバラツキの程度(以下、こ
れを分散比と略記する。)が1.5〜5であるのが、
とくに良好な塗膜性能の組成物を与えるので適当
である。 次に、前記した硬化触媒(B)としては、シリル基
含有化合物の加水分解用ないしは縮合化用として
公知慣用の触媒をそのまま使用することができる
が、そのうちでも特に代表的なものを挙げれば、
ブチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミ
ン、t−ブチルアミン、エチレンジアミン、トリ
エチルアミン、イソホロンジアミン、イミダゾー
ル、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、ナトリウムメチラートの如き塩基性化
合物;テトライソプロピルチタネート、テトラブ
チルチタネート、オクチル酸錫、オクチル酸鉛、
オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル
酸カルシウム、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバル
ト、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオク
トエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫
マレートの如き含金属化合物;p−トルエンスル
ホン酸、トリクロル酢酸、燐酸、モノアルキル燐
酸、ジアルキル燐酸、β−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートの燐酸エステル、モノアルキル
亜燐酸、ジアルキル亜燐酸の如き酸性化合物など
である。就中、ジブチル錫ジアセテート、ジブチ
ル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、
ジブチル錫マレートなどの錫化合物が好ましい。 そして、かかる硬化触媒(B)の使用量としては、
前記加水分解性シリル基含有重合体(A)の固形分重
量に対して0.001〜10%、好ましくは0.01〜5%
なる範囲が適当である。 したがつて、前記分散顔料(C)を調製するに当つ
て、樹脂類として側鎖におよび/または主鎖の末
端に加水分解性シリル基を含有する重合体を用い
る場合においては、当該硬化触媒(B)の使用量とし
ては、それぞれ前記(A)成分と、この分散顔料(C)の
調製に用いられる加水分解性シリル基含有重合体
との総固形分重量を基準として0.001〜10%、好
ましくは、0.01〜5%なる範囲である。 次いで、前記した分散顔料(C)とは、任意の樹脂
類により予め練肉し分散された顔料の溶液、ペー
スト状物または固形状物を指称するものである。 ここにおいて、上記樹脂類としては特に限定さ
れるものではないが、そのうちでも代表的なもの
を示せば、ニトロセルロース、セルロース・アセ
テート・ブチレートの如き繊維素樹脂、スチレン
を含んでいてもよい(メタ)アクリル酸エステル
系共重合樹脂、ロジン系樹脂、ポリアクリロニト
リル、ポリエチレン、ポリプロピレン、石油樹
脂、アクリル−酢酸ビニル共重合体、ウレタン系
樹脂、アセテート系樹脂、マレイン酸樹脂、アル
キド樹脂、オイルフリーアルキド樹脂、ポリエス
テル樹脂、アミノ樹脂、または塩化ビニル単独重
合体もしくは塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の
如き塩化ビニル系樹脂などであり、あるいは側鎖
におよび/または主鎖の末端に加水分解性シリル
基を含有する重合体である。 当該(C)成分を調製するに当つてかかる樹脂類と
して、とくに加水分解性シリル基含有重合体を用
いる場合には、前記重合体(A)をそのまま用いるこ
ともできなくはないが、好ましくは1000〜10000
なる数平均分子量で、かつ1.5〜3なる分散比を
もつた実質的にビニル系の重合体がよく、より好
ましくはこの加水分解性シリル基を有する単位と
してγ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシランを全ビニル系重合体中に10〜
100%含有するビニル系重合体、あるいは水酸基
を含有する化合物と一般式 〔但し、式中のR1、R2およびR3はそれぞれ独立
した直鎖状ないしは分枝状のアルキル基、シクロ
アルキル基、アラルキル基、ハロゲン原子もしく
はアルコキシル基で置換されたアルキル基、フエ
ニル基または置換フエニルを表わすものとする。〕 で示されるトリアルコキシシリル基を含有する化
合物とを反応させて得られるアルコキシシラン変
性樹脂がよい。 他方、前記した顔料としては酸化チタンを始め
とする公知慣用の無機顔料または有機顔料など
の、通常、塗料用として用いられている顔料であ
ればいずれも使用できる。 以上に掲げられた如き分散用樹脂類および顔料
を用いて当該分散顔料(C)を調製するには、ボール
ミル、サンドミルまたは三本ロールなどを用い、
常法に従つて練肉せしめればよく、このさい、使
用すべき顔料は予め加熱処理などを行なつて、か
かる顔料中に微量含まれている水分を除去せしめ
ておくことが望ましいが、通常の使用条件におい
ては、格別にかかる予備処理を要するものではな
い。 こうした練肉のさいに用いられる溶剤として
は、前記重合体(A)を調製するさいに用いられたよ
うな溶剤がそのまま用いられるが、とくに顔料中
の微量の水分を効率よく除去する目的で、水結合
剤として前掲された如き各種の加水分解性エステ
ル化合物および/またはアルキルアルコールを含
んだ溶剤を使用するならば、当該(C)成分と前記(A)
成分とを混合して塗料化せしめたさいの保存安定
性が著しく改善される。 ここにおいて、上記アルキルアルコールとして
代表的なものとしては、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、i−プロパノール、n−
ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール
もしくはt−ブタノール、さらには各種アミルア
ルコール類などが挙げられる。 そして、これらの加水分解性エステル化合物お
よび/またアルキルアルコールの含有率としては
全溶剤中100重量%までであり、つまり溶剤の全
量をこれらの加水分解性エステル化合物および/
またはアルキルアルコールで置換してもよい。 また当該分散顔料(C)を調製するさいに、前掲さ
れた如き硬化触媒(B)を予め混合せしめておいても
よいが、分散用樹脂として特に、側鎖におよび/
または主鎖の末端に加水分解性シリル基を含有す
る重合体を用いる場合には、こうした硬化触媒(B)
の予めの混合は避けるべきである。 このような硬化触媒(B)の予めの混合ができれ
ば、本発明の塗料用組成物を用いて塗料化するさ
いに、改めて硬化触媒(B)を添加する手間が省ける
ので、それだけ作業性が顕著に改善される。 ところで、当該分散顔料(C)の調製するに当つ
て、とくに側鎖におよび/または主鎖の末端に加
水分解性シリル基を1分子当り少なくとも1個含
有する重合体を用いる場合について具体的に説明
すれば、まず当該分散顔料(C)を構成するこの加水
分解性シリル基含有重合体は前述したようなもの
であつて、前記重合体(A)と同様な合成法により、
同一もしくは類似の組成で得られるものである
が、とくに前記重合体(A)がビニル系重合体である
場合には、それとの相溶性の点から、ここに用い
られる加水分解性シリル基含有重合体もまた、ビ
ニル系重合体であるのが好ましい。 また、ここで用いられる加水分解性シリル基含
有重合体に導入さすべきアルコキシシリル基含有
単量体および/またはメルカプト基含有アルコキ
シシランは、満足すべき硬化性および塗膜性能を
得るために、樹脂固形分1000g当りのアルコキシ
シリル基の導入量が0.4〜4モルの範囲となる量
で使用するのがよい。 このうち、好ましくはアルコキシシリル基含有
単量体の使用であり、より好ましくは該アルコキ
シシリル基含有単量体と一つとしてのγ−(メタ)
アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン
であり、この系統の化合物を全共重合成分に対し
て10〜100重量%使用するのがよく、かくするこ
とにより良好な結果が得られる。 そして、ここで用いられる加水分解性シリル基
含有重合体の分子量としては、前述したように、
通常の塗料用樹脂として使用しうる範囲のもので
あれば特に制限はないが、数平均分子量1000〜
10000で、かつ分散比が1.5〜3なる範囲内にある
ものが、特に良好な性能を与える。 これまでにも述べてきたが、ここで用いられる
加水分解性シリル基含有重合体と前記重合体(A)と
は全く同一のものでも良好な結果が得られるが、
ここで用いられる一層好ましい加水分解性シリル
機含有重合体としては、前記重合体(A)に比して、
より小さい分子量で、かつ、より大きいアルコキ
シシリル基含有率のものであつて、しかも共重合
成分としてカルボキシル基またはアミド基などの
極性基(官能基)を有する単量体を併用したもの
がよく、塗料の保存安定性および塗膜外観の面か
ら、最も性能の優れた組成物が得られる。 また、ここで用いられる加水分解性シリル基含
有重合体としては、本発明者らが先に特許出願し
た特願昭57−51183号明細書に記載されているよ
うな、水酸基含有化合物のε−カプロラクトン変
性物と、前掲の一般式〔〕で示されるようなト
リアルコキシシリル基含有化合物との反応生成物
たる、いわゆるアルコキシシラン変性樹脂も使用
することができる。 そして、これら分散用樹脂と顔料とから当該分
散顔料(C)を調製する方法としては既に述べた処に
従えばよいが、このさい、ここで用いられる加水
分解性シリル基含有重合体の顔料分散能が不十分
である場合には、硬化性や塗膜性能を損わない範
囲で、必要量のアルキド樹脂を配してもよい。 かかるアルキド樹脂の使用量としては、ここで
用いられる加水分解性シリル基含有重合体の固形
分重量に対して0.1〜70%、好ましくは0.1〜50%
なる範囲が適当である。70重量%を越える量のア
ルキド樹脂を併用する場合には、塗膜の硬化性、
耐溶剤性および耐水性を低下させることにもなる
ので、好ましくない。 ここにおいて、当該分散顔料(C)中にアルキド樹
脂を配する方法としては、該分散顔料(C)の調製の
さいに用いられる加水分解性シリル基含有重合体
にアルキド樹脂をグラフト重合せしめるか、ある
いは単に加水分解性シリル基含有重合体にアルキ
ド樹脂をブレンドせしめるだけでもよい。 当該分散顔料(C)を調製するにさいして用いられ
る溶剤については既に述べた通りであり、またか
かる加水分解性シリル基含有重合体中のアルコキ
シシリル基の加水分解を抑制するために、溶剤と
してアルキルアルコールを併用しても、当該分散
顔料(C)の安定性に有効であることも前述した通り
である。 かくして得られる当該分散顔料(C)中の顔料濃度
としては1〜95重量%、好ましくは1〜80重量%
なる範囲が適当である。 次に、前記した溶剤類(D)としては、以上に掲げ
られた本発明の他の必須三成分である前記加水分
解性シリル基含有重合体(A)、硬化触媒(B)および分
散顔料(C)のいずれをも溶解し、ないしは安定に分
散させうるものであればよく、そのうちでも代表
的なものを示せば、トルエン、キシレン、シクロ
ヘキサン、n−ヘキサン、オクタンの如き炭化水
素系、メタノール、エタノール、i−プロパノー
ル、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブ
タノール、t−ブタノール、エチレングリコール
モノアルキルエーテルの如きアルコール系、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルの如きエステル
系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノンの如きケトン系
などの如き、前記重合体(A)を調製するさいに用い
られるような溶剤である。 これらのうち、アルコール系溶剤と共に前掲の
加水分解性エステル化合物を併用すれば、安定性
に好結果を与える。 かくして得られる本発明の組成物には、必要に
応じて、公知慣用の流動調整剤、色分れ防止剤、
紫外線吸収剤、酸化防止剤、シランカツプリング
剤、またはニトロセルロースもしくはセルロー
ス・アセテート・ブチレートの如き繊維素誘導体
などといつた各種の添加剤成分を加えることがで
きる。 上記のシランカツプリング剤の具体例として
は、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキ
シシラン、ビニルトリメトキシシランまたはビニ
ルトリエトキシシランなどが挙げられる。 本発明組成物から得られる塗料は、常法により
被塗物に塗布し、常温で数日間乾燥することによ
つて光沢および鮮映性の優れた硬化塗膜が得られ
るが、60〜150℃で10〜30分間焼付硬化させても
良い。 本発明組成物は、また従来ウレタン系塗料が使
用されている瓦、木工製品、建材、床材、プラス
チツクス製品などへの被覆用として、自動車補修
用、建築外装用または該建築外装のメンテナンス
用として広範囲に適用することができる。 さらに、本発明組成物は塗料以外にも、接着剤
やシーリング剤用などとして有効に使用すること
ができる。 次に、本発明の参考例、実施例および比較例に
より具体的に説明するが、以下において特に断り
のない限り、部および%は重量基準であるものと
する。 参考例 1 〔加水分解性シリル基含有重合体(A)の調製例〕 撹拌装置、温度計、窒素導入管および還流冷却
管を備えた反応器に、トルエン400部、n−ブタ
ノール294部、オルトぎ酸メチル5部およびテト
ラエチルシリケート1部を仕込んで窒素雰囲気中
で105℃まで昇温し、次いで同温度でスチレン
(St)300部、メチルメタクリレート(MMA)
400部、n−ブチルアクリレート(n−BA)170
部、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン(γ−MPTMS)130部、アゾビスイ
ソブチロニトリル10部、t−ブチルパーオキシベ
ンゾエート(TBPOB)5部およびトルエン300
部からなる混合物を3時間に亘つて適下し、さら
に同温度に15時間保持せしめて、不揮発分
(NV)が50%で、ガードナー・カラーが1以下
なる目的重合体(A)の溶液を得た。この重合体のゲ
ル・パーミエーシヨン・クロマトグラフイー
(GPC)による数平均分子量は15000であり、か
つ分散比は3.2であつた。以下、これを重合体
(A−1)と略記する。 参考例 2 〔加水分解性シリル基含有重合体(A)の調製例〕 単量体組成を、St300部、MMA400部、n−
BA230部およびγ−MPTMS70部に変更した以
外は、参考例1と同様にしてNVが50%でガード
ナー・カラーが1以下なる目的重合体(A)の溶液を
得た。この重合体のGPCによる数平均分子量は
14000で、かつ分散比は3.0であつた。以下、これ
を重合体(A−2)と略記する。 参考例 3 〔加水分解性シリル基含有重合体(A)の調製例〕 単量体組成を、MMA500部、n−BA430部お
よびγ−MPTMS70部に変更した以外は、参考
例1と同様にして、NVが50%でガードナー・カ
ラーが1以下の目的重合体(A)の溶液を得た。この
重合体のGPCによる数平均分子量は14500で、か
つ分散比は3.2であつた。以下、これを重合体
(A−3)と略記する。 参考例 4 〔分散顔料(C)の調製に用いられる加水分解性シ
リル基含有重合体の調製例〕 参考例1と同様の反応器中に、トルエン400部、
n−ブタノール288部、オルトぎ酸メチル10部お
よびテトラエチルシリケート2部を仕込んで窒素
雰囲気中で105℃まで昇温し、次いで同温度で
St300部、MMA400部、n−BA85部、マレイン
酸モノ−n−ブチルエステル15部、γ−
MPTMS200部、AIBN6部、t−ブチルパーオク
トエート(TBPO)30部およびトルエン300部か
らなる混合物を4時間に亘つて滴下し、さらに同
温度に15時間保持せしめて、NVが50%、ガード
ナー・カラーが1以下なる目的重合体の溶液を得
た。 この重合体のGPCによる数平均分子量は6600、
分散比は2.3であつた。 参考例 5 〔分散顔料(C)の調製に用いられる加水分解性シ
リル基含有重合体の調製例〕 単量体組成を、St100部、MMA400部、n−
BA185部、マレイン酸モノn−ブチルエステル
15部およびγ−MPTMS300部に変更した以外
は、参考例4と同様にしてNVが50%、ガードナ
ー・カラーが1以下なる目的重合体の溶液を得
た。 この重合体のGPCによる数平均分子量は5800、
分散比は2.5であつた。 参考例 6 〔分散顔料(C)の調製に用いられる加水分解性シ
リル基含有重合体の調製例〕 参考例1と同様の反応器に、トリメチロールプ
ロパン134部(1モル)、ε−カプロラクトン684
部(6モル)およびテトラブチルチタネート0.04
部を仕込んで窒素雰囲気中で180℃まで昇温し、
同温度に6時間保持して、トリメチロールプロパ
ンとε−カプロラクトンのモル比が1:6なる付
加物を得た。 次いでこの付加物を、90℃まで降温させてから
テトラエチルシリケートの936部――このさいの
テトラエチルシリケートと付加物中の水酸器との
当量比は1.5である――テトラブチルチタネートの
5.26部とを加えて、窒素雰囲気中で120℃まで昇
温させ、反応によつて生じるエタノールを留出さ
せ、その後もエタノールが留出しなくなるまでの
3時間のあいだ同温度で反応を続行せしめて、ア
ルコキシシラン変性樹脂を得た。 参考例 7 〔分散顔料(C)の調製に用いられる加水分解性シ
リル基含有重合体の調製例〕 参考例1と同様の反応器に、トルエン400部、
n−ブタノール263.5部、オルトぎ酸メチル10部、
テトラエチルシリケート5部および「ベツコゾー
ルP−470」〔大日本インキ化学工業(株)製の大豆油
変性アルキド樹脂;NV=70%、油長=65〕71.5
部(固形分重量=50部)を仕込んで窒素雰囲気中
で105℃まで昇温し、同温度でSt 285部、MMA
380部、n−BA 95部、γ−MPTMS 190部、
AIBN 5.7部、TBPO 28.5部およびトルエン300
部からなる混合物を4時間に亘つて滴下し、さら
に同温度に15時間反応させてNVが50%、数平均
分子量が8800、分散比が2.8なるアルキド樹脂変
性重合体を得た。 参考例 8 〔分散顔料(C)の調製例〕 参考例1と同様の反応器に、トルエン400部、
酢酸ブチル200部、St 60部、MMA 80部、n−
BA 59部、メタクリル酸(MA)1部および
TBPO2部を仕込んで窒素雰囲気中で90℃まで昇
温して同温度に2時間保持する。 次いで、同温度でSt 240部、MMA 320部、n
−BA 236部、MA 4部、酢酸ブチル200部、
TBPO 3部およびAIBN 5部からなる混合物を
3時間に亘つて滴下し、滴下終了後直ちに110℃
まで昇温し、TBPOB 3部およびトルエン200部
を加え、さらに同温度に15時間保持せしめて、分
散用アクリル樹脂を得た。 この樹脂はNVが50%でガードナー・カラーが
1以下で、かつガードナー粘度(25℃)がZ2なる
溶液であつた。 しかるのち、この樹脂の50部と「タイペーク
CR−93」〔石原産業(株)製のルチル型酸化チタン〕
の75部と、溶剤としてのオルトぎ酸メチルの8.3
部とを混合し、三本ロールにより練肉せしめて目
的とする分散顔料(C)を得た。以下、これを分散顔
料(C−1)と略記するが、このものはNVが75
%であり、顔料の重量を顔料と樹脂固形分との合
計重量で除した形の顔料濃度(%;以下、PWC
と略記する。)が75%なるペースト状溶液であつ
た。 参考例 9 〔分散顔料(C)の調製例〕 参考例1と同様の反応器にトルエン378.6部、
酢酸ブチル200部、St 50部、MMA 50部、n−
BA 49部、MA 1部、「ベツコゾールP−470」
71.4部およびTBPO 2部を仕込んで90℃まで昇
温して同温度に2時間保持し、次いで同温度でSt
250部、MMA 300部、n−BA 246部、MA 4
部、酢酸ブチル200部、TBPO 3部およびAIBN
5部からなる混合物を3時間で滴下した。 滴下終了後直ちに110℃まで昇温し、TBPOB
3部およびトルエン200部を加え、さらに同温度
に15時間保持して反応せしめ、アルキド変性アク
リル樹脂を得たが、このものはNVが50%、ガー
ドナー・カラーが1以下で、かつガードナー粘度
がZ4なる溶液であつた。 しかるのち、この樹脂の40部と「タイペーク
CR−93」の80部と、オルトぎ酸メチルの13.3部
とを混合し、三本ロールにより練肉せしめて、目
的とする分散顔料(C)を得たが、このものはNVが
75%で、PWCが80%なるペースト状の溶液であ
つた。以下、これを分散顔料(C−2)と略記す
る。 参考例 10 〔分散顔料(C)の調製例〕 参考例8で得られた分散用アクリル樹脂の50部
と「タイペークCR−93」の75部と、オルトぎ酸
メチルの8.3部および硬化触媒としてのジブチル
錫ジアセテートの0.2部を用いるように変更した
以外は、参考例8と同様にしてNVが75%で、か
つPWCが75%なるペースト状の目的分散顔料(C)
を得た。以下、これを分散顔料(C−3)と略記
する。 参考例 11 〔分散顔料(C)の調製例〕 さらに硬化触媒たるジブチル錫ジアセテートの
0.2部を余分に用いた以外は、参考例9と同様に
してNVが75%で、かつPWCが80%なるペース
ト状の分散顔料(C)を得た。以下、これを分散顔料
(C−4)と略記する。 参考例 12 〔分散顔料(C)の調製例〕 「ビニライトVAGH」(米国ユニオン・カーバ
イド社製の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体)の
20部と、トルエン/メチルイソブチルケトン/オ
ルトぎ酸メチル/テトラエチルシリケート=50/
39/10/1(容量比)なる希釈シンナーの80部と、
「タイペークCR−93」の60部とを混合し、三本ロ
ールにより練肉せしめて、NVが50%で、かつ
PWCが75%なるペースト状の目的分散顔料(C)を
得た。以下、これを分散顔料(C−5)と略記す
る。 参考例 13 〔分散顔料(C)の調製例〕 さらに硬化触媒たるジブチル錫ジアセテートの
0.15部をも用いた以外は、参考例12と同様にして
NVが50%で、かつPWCが75%なるペースト状
の分散顔料(C)を得た。以下、これを分散顔料(C
−6)と略記する。 参考例 14 〔加水分解性シリル基含有重合体の調製例〕 オルトぎ酸メチルの5部とテトラエチルシリケ
ートの1部との代わりにn−ブタノールの6部を
用いるように変更した以外は、参考例1と同様に
して目的重合体(A)を得た。以下、これを重合体
(A−4)と略記するが、このものはNVが50%
で、ガードナー・カラーが1以下なる溶液であ
り、しかもこの重合体は数平均分子量が14500で
分散比が3.0であつた。 参考例 15 〔加水分解性シリル基含有重合体の調製例〕 オルトぎ酸メチルの5部とテトラエチルシリケ
ートの1部との代わりに6部のn−ブタノールを
用いるように変更した以外は、参考例2と同様に
して目的重合体(A)を得た。以下、これを重合体
(A−5)と略記するが、このものはNVが50%
で、ガードナー・カラーが1以下なる溶液であ
り、しかもこの重合体の数平均分子量は14800で、
かつ分散比は2.8であつた。 参考例 16 〔分散顔料(C)の調製例〕 第1表に示されるように、参考例4で得られた
重合体溶液の80部、「タイペークCR−93」の60
部、ガラスビーズの50部、およびトルエン/n−
ブタノール/オルトぎ酸メチル/テトラエチルシ
リケート=60/29/10/1(容量比)なる希釈シ
ンナーの13.8部を混合し、サンドミルで常法によ
り1時間練肉せしめて、NVが65%でPWCが60
%なる目的分散顔料(C)を得た。以下、これを分散
顔料(C−10)と略記する。 参考例 17〜23 〔分散顔料(C)の調製例〕 第1表に示されるような配合割合に変更する以
外は、参考例16と同様にして分散顔料(C−11)
〜(C−13)および比較対照用分散顔料(C′−
1)〜(C′−3)を得た。
【表】 実施例1〜10および比較例1〜7 参考例1〜3で得られた加水分解性シリル基含
有重合体(A−1)、(A−2)および(A−3)
と、参考例8〜13で得られた分散顔料(C−1)
〜(C−6)と、市販の顔料として、「カラー・
チツプTH−1751」〔大成化工(株)製品;PWC=75
%、NV=100%――以下、「分散顔料(C−7)」
と略記する。〕、「カラー・チツプNC−ブラツク
5407」(同上社製品;PWC=40%、NV=100%
――以下、「分散顔料(C−8)」と略記する。)、
および「コロフアイン・レツド236A」〔大日本イ
ンキ化学工業(株)製品;PWC=約95%、NV=100
%――以下、「分散顔料(C−9)」と略記する。)
とをそれぞれ用いて、第2表に示されるような希
釈シンナーおよび硬化触媒と共に、同表に示され
るような配合割合で混合せしめて、本発明の組成
物を調製した。 また比較例として、それぞれ参考例1、14およ
び15で得られた各加水分解性シリル基含有重合体
と、あるいは参考例14で得られた加水分解性シリ
ル基含有重合体と参考例8で得られたアクリル樹
脂との組み合わせになるものと、さらには参考例
3で得られた加水分解性シリル基含有重合体(A
−3)と参考例12で用いた塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体との組み合わせになるものと、顔料と
を同表に示される配合割合で纏めて練肉せしめ、
次いで得られた液状練肉物に同表に示されるよう
な希釈シンナーおよび硬化触媒を配合せしめて、
比較対照用組成物を調製した。 かくして得られたそれぞれの塗料を同表に示さ
れるような希釈シンナーを用いて所望のスプレー
粘度になるように希釈したのち、格別に燐酸亜鉛
処理鋼板上に膜厚が約40μmとなるようにスプレ
ー塗装し、次いで室温で1週間に亘り常温乾燥せ
しめて硬化塗膜を得た。 しかるのち、それぞれの塗膜について性能の評
価を行なつた処を同表にまとめて示す。 なお、同表中の顔料濃度(PWC)は、実施例
9が3%、実施例10が10%であるのを除いて、い
ずれも40%であり、硬化触媒(B)としてはジブチル
錫ジアセテートを系中の加水分解性シリル基含有
重合体の固形分重量に対して0.2%となるような
割合で用いているし、希釈シンナーとしては次の
四種類のものを用いている。 希釈シンナーはトルエン/n−ブタノール/
オルトぎ酸メチル/テトラエチルシリケート=
60/29/10/1(容積比)なる組成のもの。 希釈シンナーはトルエン/n−ブタノール=
60/40(容積比)なる組成のもの。 希釈シンナーはトルエン/メチルイソブチル
ケトン/n−ブタノール/オルトぎ酸メチル/テ
トラエチルシリケート=30/30/29/10/1(容
積比)なる組成のもの。 希釈シンナーはトルエン/メチルイソブチル
ケトン/n−ブタノール=30/30/40(容積比)
なる組成のもの。 また、同表中の「光沢値」は∠60゜鏡面反射率
(%)で表示したものであり、「鮮映性」は目視判
定によつたものであり、「促進安定性」は調製さ
れた塗料溶液をガラス製の密閉容器中に入れ、50
℃に2ケ月間保存して促進試験を行ない、この試
験後の粘度と、初期粘度との比を以て表示したも
のであるが、この値(粘度比)が大きくなるほど
増粘が進み、安定性に劣ることになる。
【表】
【表】
【表】 実施例11〜16および比較例8 参考例1および2で得られた加水分解性シリル
基含有重合体(A−1)および(A−2)と、参
考例17〜20および22で得られた分散顔料(C−
10)〜(C−13)および(C′−2)とを、トルエ
ン/n−ブタノール/オルトぎ酸メチル/テトラ
エチルシリケート=60/29/10/1(容積比)な
る組成の希釈シンナーと硬化触媒(B)と共に、第3
表に示されるような配合割合で混合せしめて、本
発明の組成物および比較対照用の組成物を調製し
た。 次いで、かくして得られたそれぞれの塗料を上
記組成の希釈シンナーを用いて所望のスプレー粘
度になるように希釈したのち、格別に燐酸亜鉛処
理鋼板に膜厚が約40μmとなるようにスプレー塗
装し、室温で1週間に亘り常温硬化せしめて硬化
塗膜を得た。 しかるのち、それぞれの塗膜について性能の評
価を行なつた処をまとめて同表に示す。 なお、同表中の顔料濃度(PWC)はいずれも
40%となるようにしたものである。 また、光沢値、鮮映性および促進安定性なる各
塗膜性能の評価判定は実施例1〜10および比較例
1〜7におけると同様である。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) 側鎖におよび/または主鎖の末端に加水
    分解性シリル基を1分子当り少なくとも1個含
    有する重合体、 (B) 硬化触媒、 (C) 予め樹脂類で顔料を練肉分散せしめた分散顔
    料、および (D) 溶剤類 を必須の成分として含んで成る、保存安定性およ
    び顔料分散性に優れた常温硬化性塗料用樹脂組成
    物。 2 前記重合体(A)が実質的にビニル系重合体であ
    ることを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記
    載された組成物。 3 前記重合体(A)が、1000〜30000なる数平均分
    子量を有し、かつ重量平均分子量を数平均分子量
    で除した値で定義される重合体の分散比が1.5〜
    5なる範囲内にある実質的にビニル系重合体であ
    ることを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記
    載された組成物。 4 前記重合体(A)が、加水分解性シリル基を有す
    る単位としてγ−(メタ)アクリロイルオキシプ
    ロピルトリメトキシシランを全重合体中に3〜30
    %なる範囲で含有する共重合体であることを特徴
    とする、特許請求の範囲第1項ないし第3項に記
    載された組成物。 5 前記重合体(A)が、加水分解性エステル化合物
    および/またはアルキルアルコールを含んだ溶剤
    を用いて調製された重合体であることを特徴とす
    る、特許請求の範囲第1項ないし第4項に記載さ
    れた組成物。 6 前記分散顔料(C)が、前記した重合体(A)を用い
    て得られるものであつて、該重合体(A)がそれぞれ
    (A)成分および(C)成分として用いられることを特徴
    とする、特許請求の範囲第1項、第2項、第4項
    または第5項に記載された組成物。 7 前記分散顔料(C)が、1000〜10000なる数平均
    分子量を有し、かつ重量平均分子量を数平均分子
    量で除した値で定義される重合体の分散比が1.5
    〜3なる範囲内にあり、かつ側鎖におよび/また
    は主鎖の末端に加水分解性シリル基を1分子当り
    少なくとも1個有する実質的にビニル系重合体を
    用いて得られるものであることを特徴とする、特
    許請求の範囲第1項〜第6項に記載された組成
    物。 8 前記分散顔料(C)が、加水分解性シリル基を有
    する単位としてγ−(メタ)アクリロイルオキシ
    プロピルトリメトキシシランを全重合体中に10〜
    100%含有するビニル系重合体を用いて得られる
    ものであることを特徴とする、特許請求の範囲第
    1項ないし第7項に記載された組成物。 9 前記分散顔料(C)が、水酸基を含有する化合物
    と一般式 〔但し、式中のR1、R2およびR3はそれぞれ独立
    した直鎖状ないしは分枝状のアルキル基、シクロ
    アルキル基、アラルキル基、ハロゲン原子もしく
    はアルコキシ基で置換されたアルキル基、フエニ
    ル基または置換フエニル基を表すものとする。〕 で示されるトリアルコキシシリル基を含有する化
    合物とを反応させて得られるアルコキシシラン変
    性樹脂を用いて得られるものであることを特徴と
    する、特許請求の範囲第1項ないし第8項に記載
    された組成物。 10 前記分散顔料(C)が、前記重合体(A)の固形分
    100重量部に対して0.1〜70重量部なる割合でアル
    キド樹脂を配して得られるものであることを特徴
    とする、特許請求の範囲第1項ないし第9項に記
    載された組成物。 11 前記分散顔料(C)が、加水分解性エステル化
    合物および/またはアルキルアルコールを含んだ
    溶剤を用いて調製されたものであることを特徴と
    する、特許請求の範囲第1項ないし第10項に記
    載された組成物。 12 前記溶剤類(D)が、加水分解性エステル化合
    物および/またはアルキルアルコールを含んだ溶
    剤であることを特徴とする、特許請求の範囲第1
    項ないし第11項に記載された組成物。
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