JP2828924B2 - ソリッドゴルフボール - Google Patents
ソリッドゴルフボールInfo
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Description
に関し、さらに詳しくは、フィーリング(打球時の感
触)が良好で、かつ飛距離が大きいソリッドゴルフボー
ルに関するものである。
されるソリッドゴルフボールは、糸巻きゴルフボールに
比べて、スピンが少ない棒球になるため、飛距離が大き
い。しかし、ゴルファーの大部分はさらに飛距離を伸ば
すことを望んでいる上に、最近はフィーリングも重視さ
れており、フィーリングも良好なゴルフボールでなけれ
ばならない。
ドゴルフボールはフィーリングが硬くて悪いという問題
がある。
好で、かつ飛距離を向上させたソリッドゴルフボールを
提供することを目的とする。
重10kgをかけた状態から終荷重130kgをかけた
ときまでの圧縮変形量をAとし、ボールに初期荷重10
kgをかけた状態から終荷重130kgをかけたときま
での圧縮変形量をBとするとき、上記圧縮変形量Aと圧
縮変形量Bとの差(A−B)を1.0〜3.5mmの範
囲にすることによって、フィーリングを良好にし、かつ
飛距離を向上させて、上記目的を達成したものである。
て、フィーリングを良好にし、かつ飛距離を向上させる
ことができるのは、次の理由に基づいている。
ピンにより大きく左右される。そこで、本発明では、コ
アの圧縮変形量とボールの圧縮変形量との差を大きくす
ることによって、打出角を大きくし、スピン量を減少さ
せて、飛距離を向上させたのである。また、打球時にボ
ールに適度な変形が生じるようになり、かつボールとゴ
ルフクラブとの接触時間が適正になることによって、フ
ィーリングも向上するものと考えられる。
期荷重10kgをかけた状態から終荷重130kgをか
けたときまでの圧縮変形量Aとボールに初期荷重10k
gをかけた状態から終荷重130kgをかけたときまで
の圧縮変形量Bとの差(A−B)を1.0〜3.5mm
の範囲にするが、本発明において、上記のようにコアの
圧縮変形量Aとボールの圧縮変形量Bとの差(A−B)
を1.0〜3.5mmの範囲にするのは、次の理由によ
るものである。すなわち、上記コアの圧縮変形量Aとボ
ールの圧縮変形量Bとの差(A−B)が1.0mmより
小さいときは、打出角を大きくし、スピン量を減少させ
て、飛距離を向上させたり、フィーリングを良好にさせ
ることができず、また上記(A−B)が3.5mmより
多くなると、コアの圧縮変形量Aとボールの圧縮変形量
Bとの差が大きすぎるためにフィーリングが悪く、かつ
耐久性が悪くなり、上記コアの圧縮変形量Aとボールの
圧縮変形量Bとの差(A−B)が1.0〜3.5mmの
範囲にある場合にのみ、フィーリングが良好になり、か
つ飛距離が向上する。
との差(A−B)が1.0〜3.5mmの範囲内になる
ものであれば特に限定されることはないが、通常はゴム
組成物の加硫成形物で構成される。上記ゴム組成物の基
材となるゴムとしては、天然ゴムや合成ゴムなど各種の
ゴムを用い得るが、ポリブタジエン、特にシス構造を少
なくとも40%以上有するハイシスポリブタジエンを主
材とするものが好ましい。
に対して共架橋剤、開始剤、充填剤などを配合すること
によって調製される。また、必要に応じ、老化防止剤、
色粉などの薬品を配合して上記コア用ゴム組成物中に含
有させてもよい。
−不飽和カルボン酸の金属塩が用いられ、特にアクリル
酸、メタクリル酸などに代表される炭素数3〜8のα,
β−不飽和カルボン酸の亜鉛塩、マグネシウム塩などに
代表される一価または二価の金属塩が好ましく、とりわ
けアクリル酸亜鉛が好ましい。この共架橋剤の配合量と
しては、基材ゴム100重量部に対して5〜50重量
部、特に10〜35重量部が好ましい。
パーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、1,3−(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)
ベンゼンなどの有機過酸化物が用いられるが、特にジク
ミルパーオキサイドが好ましい。そして、この開始剤の
配合量としては、基材ゴム100重量部に対して0.3
〜5重量部、特に0.5〜2.5重量部が好ましい。
鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどが用いられ、こ
の充填剤の配合量としては、限定的ではないものの、通
常、基材ゴム100重量部に対して10〜60重量部が
好ましい。
橋)成形することによって得られるが、その加硫成形時
の条件は、加圧下で135〜170℃、特に140〜1
65℃で5〜60分間、特に10〜50分間の加熱が好
ましい。また、上記加硫成形時の加熱は、一段階で加熱
する場合のみならず、二段階以上に温度を変えて加熱し
てもよい。
縮変形量Aとボールの圧縮変形量Bとの差が1.0〜
3.5mmの範囲内になるものであればよいが、それ自
身の圧縮変形量A、すなわち、コアに10kgの初期荷
重をかけた状態から130kgの終荷重をかけたときま
での圧縮変形量が2.0〜7.0mm、特に3.5〜
6.0mmであることが好ましい。
ーに二酸化チタン、硫酸バリウムなどの顔料、要すれ
ば、さらに老化防止剤などを配合した組成物から形成さ
れる。このカバーは一層構造のもののみならず、二層以
上の多層構造のものであってもよい。
エラストマーとしてはアイオノマー樹脂または2種以上
のアイオノマー樹脂の混合物が好ましい。そして、カバ
ーが二層以上の多層構造のものの場合、内層カバーには
熱可塑性エラストマーとしてアイオノマー樹脂、2種以
上のアイオノマー樹脂(このアイオノマー樹脂には、高
酸アイオノマー樹脂も含む)の混合物、アイオノマー樹
脂とポリアミド、ポリウレタン、ポリエステルなどの熱
可塑性樹脂との混合物を用いることが好ましく、外層カ
バーには熱可塑性エラストマーとしてアイオノマー樹脂
と三元共重合体系の軟質アイオノマー樹脂との混合物を
用いることが好ましい。
カバーを形成するカバー用組成物の曲げ剛性率が100
0〜6000kg/cm2 であることが好ましい。カバ
ー用組成物の曲げ剛性率が1000kg/cm2 より低
い場合は、反撥性能が低下して、飛距離が出にくくな
り、またカバー用組成物の曲げ剛性率が6000kg/
cm2 より高くなると、硬すぎてフィーリングが悪くな
り、耐久性も低下するおそれがある。なお、本発明にお
いては、カバーの曲げ剛性率とせず、カバー用組成物の
曲げ剛性率としているが、これは一旦ボール成形をして
しまうと、現在の技術では、そのカバーから曲げ剛性率
を測定することができず、曲げ剛性率の測定はカバー用
組成物から試験片を作製して行わなければならないから
である。このように、ゴルフボールのカバーからは曲げ
剛性率の測定ができないけれど、カバーの曲げ剛性率も
実質的にはカバー用組成物の曲げ剛性率とほとんど同じ
であると考えられる。
し、外層カバーの曲げ剛性率を1000〜2500kg
/cm2 程度の軟らかいものにし、内層カバーを曲げ剛
性率が3000〜6000kg/cm2 の比較的硬いも
のにするときは、飛距離を低下させることなく、コント
ロール性やフィーリングを向上させることができるの
で、特に好ましい。
バーが二層以上の多層構造のものの場合は、それらを合
計したときの厚み、一層構造のものの場合はその厚み)
で2.5〜5.0mmの範囲内であることが好ましい。
カバーの厚みが2.5mmより薄い場合は、コアとボー
ルとの間に所望とする圧縮変形量の差が得られなくなる
おそれがあり、カバーの厚みが5.0mmより厚くなる
と、反撥性能が低下したり、フィーリングが悪くなるお
それがある。
されるものではなく、通常の方法で行うことができる。
たとえば、カバー用組成物をあらかじめ半球殻状のハー
フシェルに成形し、それを2枚用いてコアを包み、13
0〜170℃で1〜15分間加圧成形するか、またはカ
バー用組成物を直接コア上に射出成形してコアを包み込
む方法が採用される。そして、カバーが二層以上の多層
構造を採る場合、順次上記と同様の手段を繰り返してカ
バー形成をすればよい。カバー成形時、必要に応じて、
ボール表面にディンプルの形成が行われ、また、カバー
成形後、ペイント仕上げ、スタンプなども必要に応じて
施される。
うちの代表的なものについて図面を参照しつつ説明す
る。図1は本発明のソリッドゴルフボールの一例を模式
的に示す断面図であり、この図1に示すソリッドゴルフ
ボールは、ゴム組成物の加硫成形物からなるコア1とそ
れを被覆するカバー2とからなるツーピースソリッドゴ
ルフボールである。コア1はソリッドコアと呼ばれるも
のであり、特に特定のものに限られることはないが、た
とえば、前記のようなポリブタジエンを主材とするゴム
組成物の加硫成形体が用いられ、それを被覆するカバー
2も、特に限定されるものではないが、たとえば前記の
ようなカバー用組成物から形成される。ただし、本発明
においては、上記コア1の圧縮変形量Aとカバー形成後
のボールの圧縮変形量Bとの差(A−B)は1.0〜
3.5mmであることが必要である。
例を模式的に示す断面図であり、この図2に示すソリッ
ドゴルフボールは、コア1を被覆するカバー2が内層カ
バー2aと外層カバー2bとの二層で構成されている。
そして、この場合においても、上記コア1の圧縮変形量
Aとボールの圧縮変形量Bとの差(A−B)は1.0〜
3.5mmの範囲内であることが必要である。なお、上
記図1にソリッドゴルフボール、図2に示すソリッドゴ
ルフボールとも、コア1は一層のゴム組成物の加硫成形
物で構成されているが、上記A−Bが1.0〜3.5m
mの範囲内という条件を満たすものであれば、コアは二
層以上のゴム組成物の加硫成形物で構成されていてもよ
いし、またコア1とカバー2との間に中間層を設けたも
のであってもよい。
り、このディンプル3は、必要に応じ、あるいは所望と
する特性が得られるように、適した個数、態様でゴルフ
ボールのカバー2に設けられるものであり、また、これ
らのゴルフボールには、必要に応じ、ボール表面にペイ
ントやマーキングが施される。
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例にのみに
限定されるものではない。
し、得られたゴム組成物をコア用金型に充填し、加圧
下、140℃で30分間加熱し、さらに170℃で10
分間加熱することによって、表1に記載の直径を有する
コアa〜dを作製した。表1中に記載の各成分の配合量
は重量部である。
状態から終荷重130kg/cm2をかけたときまでの
圧縮変形量Aを測定した。その結果を表1に示す。
イシスポリブタジエン ※2:吉富製薬(株)製ヨシノックス425(商品名)
成物I〜IVを調製し、得られたカバー用組成物の曲げ剛
性率を測定した。その結果を表2に示す。なお、曲げ剛
性率の測定は、カバー用組成物を約2mmの厚さに熱プ
レス成形したシートを23℃で2週間保存後、ASTM
D−747に準じて測定したものである。また、表2
に記載の各成分の配合量も重量部によるものである。
中和タイプのエチレン−メタクリル酸共重合体系アイオ
ノマー樹脂、曲げ剛性率=3800kg/cm2 、ショ
アーD硬度=62 ※4:ハイミラン1650(商品名) 三井デュポンポリケミカル(株)製のナトリウムイオン
中和タイプのエチレン−メタクリル酸共重合体系アイオ
ノマー樹脂、曲げ剛性率=2700kg/cm2 、ショ
アーD硬度=58 ※5:ハイミラン1706(商品名) 三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン中和タ
イプのエチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー
樹脂、曲げ剛性率=3400kg/cm2 、ショアーD
硬度=61 ※6:ハイミラン1855(商品名) 三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン中和タ
イプのエチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル三
元共重合体系アイオノマー樹脂、曲げ剛性率=900k
g/cm2 、ショアーD硬度=55
メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂、曲げ剛性率
=3600kg/cm2 、ショアーD硬度=64 ※8:サーリンAM7318(商品名) 米国デュポン社製のナトリウムイオン中和タイプのエチ
レン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂、曲げ
剛性率=4100kg/cm2、ショアーD硬度=65 ※9:グリラックスR−6500(商品名) 大日本インキ化学工業(株)製のポリアミドエラストマ
ー
物を前記コアに被覆し、ペイント仕上をして、外径4
2.7mmで、重量45.4gのソリッドゴルフボール
を作製した。コアとカバーの組合せは表3に示す通りで
ある。
層カバーと外層カバーとの2層構造のものとした。カバ
ーのコアへの被覆はいずれも射出成形により行った。
変形量B、打出角、スピン量、飛距離(キャリー)およ
びフィーリングを調べた。その結果を表4に示す。な
お、上記ボール特性の測定または評価方法は、次の通り
である。
をかけた状態から終荷重130kgをかけたときまでの
圧縮変形量を測定する。
ボットにウッド1番クラブを取り付け、ボールヘッドス
ピード45m/sで打撃し、打ち出されたボールの水平
線との角度を測定する。
ボットにウッド1番クラブを取り付け、ボールをヘッド
スピード45m/sで打撃し、打ち出されたボールを連
続的に写真撮影することによって測定する。
ボットにウッド1番クラブを取り付け、ボールをヘッド
スピード45m/sで打撃し、落下点までの距離を測定
する。
ーの計10人により、ボールをウッド1番クラブで実打
して評価する。評価基準は次の通りである。評価結果を
表中に表示する際も同様の記号で表示しているが、その
場合は評価にあたった10人のうち8人以上が同じ評価
を下したことを示している。
性を表4に示すが、表4にはそれらに加えて、コアの圧
縮変形量Aおよび上記コアの圧縮変形量Aとボールの圧
縮変形量Bとの差(A−B)についても示す。
較例1〜2のボール特性との対比から明らかなように、
A−B、すなわち、コアの圧縮変形量Aとボールの圧縮
変形量Bとの差(A−B)が1.0〜3.5mmの範囲
内にある実施例1〜4は、フィーリングが良好で、かつ
飛距離が大きかった。特にカバーを2層にし、外層カバ
ーに曲げ剛性率の低いカバー用組成物Iを用いた実施例
3〜4は、フィーリングが優れていた。
形量Aとボールの圧縮変形量Bとの差(A−B)が0.
2mmと小さいために、打出角が小さく、スピン量が多
く、そのため、飛距離が出ず、またフィーリングも良く
なかった。また、比較例2は、コアの圧縮変形量Aとボ
ールの圧縮変形量Bとの差(A−B)が3.8mmと大
きすぎるため、スピン量が少なくなり、そのため、ボー
ルが失速して飛距離が低下し、またフィーリングも悪か
った。
ーリングが良好で、かつ飛距離が大きいソリッドゴルフ
ボールを提供することができた。
式的に示す断面図である。
式的に示す断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 コアとカバーを有するソリッドゴルフボ
ールにおいて、コアに初期荷重10kgをかけた状態か
ら終荷重130kgをかけたときまでの圧縮変形量をA
とし、ボールに初期荷重10kgをかけた状態から終荷
重130kgをかけたときまでの圧縮変形量をBとする
とき、上記圧縮変形量Aと圧縮変形量Bとの差(A−
B)が1.0mmから3.5mmの範囲にあることを特
徴とするソリッドゴルフボール。 - 【請求項2】 カバーの厚みが2.5mmから5.0m
mの範囲にある請求項1記載のソリッドゴルフボール。 - 【請求項3】 カバー用組成物の曲げ剛性率が1000
kg/cm2 から6000kg/cm2 の範囲にある請
求項2記載のソリッドゴルフボール。
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