JP2824100B2 - 遊星歯車装置 - Google Patents

遊星歯車装置

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JP2824100B2
JP2824100B2 JP2002334A JP233490A JP2824100B2 JP 2824100 B2 JP2824100 B2 JP 2824100B2 JP 2002334 A JP2002334 A JP 2002334A JP 233490 A JP233490 A JP 233490A JP 2824100 B2 JP2824100 B2 JP 2824100B2
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stage
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planetary
planetary gears
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博 亀田
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/08General details of gearing of gearings with members having orbital motion
    • F16H57/082Planet carriers

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ロボットの関節駆動系などにおいて減速装
置として使用される遊星歯車装置に関し、さらに詳しく
は、軸線方向の長さが短い装置構成となった遊星歯車装
置に関するものである。
〔従来の技術〕
ロボットの関節駆動系などに使用される減速装置は、
高減速比、低背隙、高剛性ののものが望ましい。また、
大きなモーメント荷重に耐える構造となっていることが
望ましい。さらには、設置スペースを多くとれない場合
が多いので、装置寸法が小さく、特に軸線方向の幅が狭
いフラットなものが望ましい。
ここに、減速装置として煩雑に利用される機構として
は遊星歯車装置があり、例えば第8図(A)、(B)に
示す構造のものが知られている。図に示す遊星歯車装置
は単段型のものであり、太陽歯車1と、これに噛み合っ
ている複数個、図示の例では4個の遊星歯車2と、これ
らの遊星歯車2が噛み合っている内歯歯車3とから構成
され、4個の遊星歯車2は、キャリヤ4によって太陽歯
車1の廻りを自転および公転可能な状態に支持されてい
る。そして、上記の太陽歯車1がモータなどの高速回転
軸に連結され、キャリヤ4が被駆動部材の側に連結さ
れ、高速回転入力は公知の減速比で減速された後に、被
駆動部材の側に取り出される。
一方、上記構成の遊星歯車装置を多段に接続した複合
型の遊星歯車装置も頻繁に使用されており、第9図には
その例を示してある。図示の例は、上記構成の遊星歯車
装置をタンデムに連結して構成した2段遊星歯車装置で
ある。この構成のものでは、前段側遊星歯車装置7を構
成する太陽歯車7a、遊星歯車7b、内歯歯車7cおよび遊星
歯車7bを支持しているキャリヤ7dに対して、その軸線方
向に隣接させて、後段側遊星歯車装置8を構成する太陽
歯車8a、遊星歯車8b、内歯歯車8cおよび遊星歯車8bを支
持しているキャリヤ8dが配列されており、前段側キャリ
ヤ7dが後段側太陽歯車8aと連結されている。そして、前
段側太陽歯車7aが入力要素とされ、ここから入力された
高速回転が、出力要素である後段側キャリヤ8dを介して
被駆動部材の側の取り出される。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記の単段型の遊星歯車装置、あるいは複合型の遊星
歯車装置における後段側遊星歯車装置においては、太陽
歯車に対して軸線方向に隣接してキャリヤが配置され、
このキャリヤにおける太陽歯車の側に面する端面から遊
星歯車を支持する支持部分が軸線方向に突出し、反対側
の端面からは、被駆動部材の側に連結される連結軸が突
出した形状となっている。このために、装置全体が軸線
方向に向けて長くなっており、フラットなものが望まし
いとされるロボットの関節機構部には適していない。
また、キャリヤは、その連結軸の側において外周のハ
ウジングに対してベアリングを介して支持された片持ち
状態となっており、大きなモーメント荷重を受けるのに
適した力学的構造とするには、前記連結軸とキャリヤの
間に軸受を2個配置する必要があり、装置全体の長さを
益々長くすることになる。
本発明は、このような点に鑑みて、装置寸法、特にそ
の軸線方向の寸法を小さくでき、しかも、モーメント荷
重などを受けるのに適した構成の遊星歯車装置を実現す
ることにある。
[課題を解決するための手段] 上記の課題を解決するために、本発明においては、次
のようにして、複数段の遊星歯車装置が組み込まれた複
合遊星歯車装置を構成するようにしている。
すなわち、本発明の複合遊星歯車装置は:前段太陽歯
車と、この前段太陽歯車に噛み合う複数個の前段遊星歯
車と、これらの前段遊星歯車を回転自在に支持する前段
キャリアと、前記複数個の前段遊星歯車と噛み合う前段
内歯歯車とを備えた前段遊星歯車装置と;後段太陽歯車
と、この後段太陽歯車に噛み合う複数個の後段遊星歯車
と、これらの後段遊星歯車を回転自在に支持する後段キ
ャリアと、前記複数個の後段遊星歯車と噛み合う後段内
歯歯車とを備えた後段遊星歯車装置とを有する複合遊星
歯車装置において:前記後段キャリアは装置軸線方向に
おける一方の側に位置する第1のキャリアと、これに締
結された、他方の側に位置する第2のキャリアとからな
り;これら第1および第2のキャリアの間には、前記後
段太陽歯車および前記複数個の後段遊星歯車が配置され
ており;前記後段内歯歯車が形成されている部材には、
この後段内歯歯車を挟み、前記装置軸線方向の両側位置
に、前記第1および第2のキャリアの外周面を臨む第1
および第2の内周面が形成されており;これら第1およ
び第2の内周面と前記第1および第2のキャリアの外周
面との間には、それぞれ転がり軸受が装着されて、前記
第1および第2の内周面に前記第1および第2のキャリ
アが回転自在に支持されており;前記第2のキャリアの
外側端面には前記装置軸線方向に突出した環状突起が形
成され、当該環状突起の内側に前記前段遊星歯車装置が
組み込まれていることを特徴としている。
また、本発明の複合遊星歯車装置は:前段太陽歯車
と、この前段太陽歯車に噛み合う複数個の前段遊星歯車
と、これらの前段遊星歯車を回転自在に支持する前段キ
ャリアと、前記複数個の前段遊星歯車と噛み合う前段内
歯歯車とを備えた前段遊星歯車装置と;後段太陽歯車
と、この後段太陽歯車に噛み合う複数個の後段遊星歯車
と、これらの後段遊星歯車を回転自在に支持する後段キ
ャリアと、前記複数個の後段遊星歯車と噛み合う後段内
歯歯車とを備えた後段遊星歯車装置とを有する複合遊星
歯車装置において:前記後段キャリアは装置軸線方向に
おける一方の側に位置する第1のキャリアと、これに締
結された、他方の側に位置する第2のキャリアとからな
り;これら第1および第2のキャリアの間には、前記後
段太陽歯車および前記複数個の後段遊星歯車が配置され
ており;前記後段内歯歯車が形成されている部材には、
この後段内歯歯車を挟み、前記装置軸線方向の両側位置
に、前記第1および第2のキャリアの外周面を臨む第1
および第2の内周面が形成されており;これら第1およ
び第2の内周面と前記第1および第2のキャリアの外周
面との間には、それぞれ転がり軸受が装着されて、前記
第1および第2の内周面に前記第1および第2のキャリ
アが回転自在に支持されており;前記第2のキャリアの
外側端面には前記前段キャリアが締結固定されており、
当該第2のキャリアと前記前段キャリアによって区画形
成される空間内に、当該前段キャリアを除く前記前段遊
星歯車装置の構成部品が組み込まれていることを特徴と
している。
さらに、本発明の複合遊星歯車装置は:太陽歯車と、
この太陽歯車に噛み合う複数個の第1の遊星歯車と、こ
れらの第1の遊星歯車を回転自在に支持するキャリア
と、当該キャリアによって回転自在に支持されている複
数個の第2の遊星歯車と、これら第2の遊星歯車と噛み
合う内歯歯車とを有し、前記第1および第2の遊星歯車
は共通の遊星軸を介して前記キャリアに対して回転自在
に支持され、前記第1の遊星歯車は前記共通の遊星軸に
回転自在に支持され、前記第2の遊星歯車前記共通の遊
星軸に対して一体回転するように固定されており;前記
キャリアは、装置軸線方向の一方の側に位置する第1の
キャリアと、他方の側に位置していると共に当該第1の
キャリアに締結された第2のキャリアとからなり;これ
ら第1および第2のキャリアの間には、前記第2の遊星
歯車および前記内歯歯車が配置されており;前記内歯歯
車が形成されている部材には、この内歯歯車を挟み、前
記装置軸線方向の両側位置に、前記第1および第2のキ
ャリアの外周面を臨む第1および第2の内周面が形成さ
れており;これら第1および第2の内周面と前記第1お
よび第2のキャリアの外周面との間には、それぞれ転が
り軸受が装着されて、前記第1および第2の内周面に前
記第1および第2のキャリアが回転自在に支持されてお
り;前記第2のキャリアの外側端面には前記装置軸線方
向に突出した環状突起が形成され、当該環状突起の内側
には、前記第1の遊星歯車および前記太陽歯車が配置さ
れていることを特徴としている。
さらに、本発明においては、第1および第2のキャリ
アの間に配置されている複数個の遊星歯車を偶数個、例
えば、2個あるいは4個設置し、そのうちの半数を第1
のキャリアの側に取り付け、残りの半数を第2のキャリ
アの側に取り付け、これらの第1および第2のキャリア
の締結位置を相対的に円周方向に微動可能としてある。
一方、本発明は、次のようにして、単段型の遊星歯車
装置を構成するようにしている。すなわち、本発明の遊
星歯車装置は:太陽歯車と、この太陽歯車に噛み合う複
数個の遊星歯車と、これらの遊星歯車を回転自在に支持
するキャリアと、前記複数個の遊星歯車と噛み合う内歯
歯車とを有し;前記キャリアは装置軸線方向における一
方の側に位置する第1のキャリアと、これに締結され
た、他方の側に位置する第2のキャリアとからなり;こ
れら第1および第2のキャリアの間には、前記太陽歯車
および前記複数個の遊星歯車が配置されており;前記内
歯歯車が形成されている部材には、この内歯歯車を挟
み、前記装置軸線方向の両側位置に、前記第1および第
2のキャリアの外周面を臨む第1および第2の内周面が
形成されており;これら第1および第2の内周面と前記
第1および第2のキャリアの外周面との間には、それぞ
れ転がり軸受が装着されて、前記第1および第2の内周
面に前記第1および第2のキャリアが回転自在に支持さ
れており;前記遊星歯車は偶数個設置され、そのうちの
半数の遊星歯車は前記第1のキャリアに支持され、残り
の半数の遊星歯車は前記第2のキャリアに支持されてお
り;前記第1および第2のキャリアの相互の締結位置
は、これらの円周方向に向けて微動可能となっているこ
とを特徴としている。
[実施例] 以下に、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
第1の実施例 第1図および第2図には、本発明を適用した単段型の
遊星歯車装置10を示してあり、基本構成要素は通常の遊
星歯車装置と同一であり、太陽歯車11と、この太陽歯車
に噛み合った4個の遊星歯車12(12−1〜12−4)と、
これらを回転自在に支持しているキャリア13と、遊星歯
車12と噛み合っている内歯歯車14とから構成されてい
る。
上記の内歯歯車14は全体として円環形状をしており、
その外周面の中央位置には半径方向の外方にフランジ14
1が突出しており、この部分に、取付け用ボルト穴142が
形成されている。一方、内歯歯車14の内周面の中央部分
には内歯14aが形成されており、この内歯14aの両側に
は、左右対称に、半径方向の外側に引込んだ環状の第1
の内周面144および第2の内周面145が形成されている。
この円環上の内歯歯車14の内部には、これの中心軸線10
aと同心状態に上記の太陽歯車11が配列されている。こ
の太陽歯車11は、軸部材15の外周に刻設され、この軸部
材の一方の側は大径中空軸151となっており、この中空
軸151がモータ出力軸などの高速回転部材との連結部と
される。
太陽歯車が形成された軸部材15と内歯歯車14との間の
円環状空所には、キャリヤ13が装着されており、このキ
ャリヤ13は装置軸線、すなわち中心軸線10aの一方の側
に位置する第1のキャリヤ16と他方の側に位置する第2
のキャリヤ17とから構成されている。これらのキャリヤ
は全体として円環形状としており、それらの中心部分に
開けた貫通穴内には、太陽歯車が形成された軸部材15が
挿入されている。また、これらのキャリヤの外周部に
は、上記の内歯歯車の第1および第2の内周面144、145
に対峙する第1の外周面161および第2の外周面171がそ
れぞれ形成されている。さらには、これらのキャリヤの
相互に向かい合う側の端面には、円周方向に向けて90度
間隔でそれぞれ4個づつの軸部162(162−〜162−4)
および172(172−1〜172−4)が突出しており、対応
する位置にある各軸部の先端面同志が相互に当接した状
態となっている。
ここに、これらの軸部のうち、第1のキャリヤにおい
ては直径方向に位置する一対の軸部162−1および162−
3が遊星歯車12−1、12−3の支軸とされ、第2のキャ
リヤにおいては、これとは直交する直径方向に位置する
一対の軸部172−2、172−4が遊星歯車12−2、12−4
の支軸とされている。
この構成の第1のキャリヤ16には、突出した4個の軸
部162と同軸状態に締結用ボルトの貫通穴163(163−1
〜163−4)が形成され、他方の第2のキャリヤ17に
も、締結用ボルトの取付け穴173(173−1〜173−4)
が形成され、第1のキャリヤ16の側から取りつけた締結
用ボルト18(18−1〜18−4)によって、第1および第
2のキャリヤは相互に締結されている。更には、遊星歯
車に干渉しない位置において、締結用ボルト19(19−1
〜19−4)によって、これらのキャリヤは相互に締結さ
れている。
このように相互に締結された第1および第2のキャリ
ヤ16、17は、それぞれの第1および第2の外周面161、1
71と、内歯歯車14における第1および第2の内周面14
4、145との間に装着した転がり軸受21、22によって、内
歯歯車14の側に回転自在に支持されている。また、太陽
歯車11が形成された軸部材15は、その中空軸側の位置に
おいて第1のキャリヤの内周面に対してベアリング23を
介して回転自在に支持され、また、これとは反対側の位
置においては、第2のキャリヤの内周面に対して同じく
ベアリング24を介して回転自在に支持されている。ここ
に、本例では第2のキャリヤ17の外側端面17aが、被駆
動部材(図示せず)の側との連結部とされている。
このように構成された本例の遊星歯車装置において
は、遊星歯車12を支持したキャリヤ13は円環状の内歯歯
車14によって包摂された状態に組み込まれ、従来の構成
とは異なり、装置の軸線方向の長さが短くなっている。
また、第1および第2のキャリヤを締結して構成したキ
ャリヤ13は、内歯歯車内において、軸線方向の両端側が
転がり軸受21、22によって支持されており、従来のよう
にキャリヤの一方の端がベアリンクを介して固定部材の
側に支持されている場合に比べて、装置全体を短く保ち
ながらモーメント荷重を受けるのに適した力学的構造と
なっている。従って、本例の遊星歯車装置は、ロボット
の関節などの駆動系に組み込むのに適している。
第2の実施例 第3図および第4図には、本発明を適用した複合型遊
星歯車装置の例を示してある。第3図の断面図は、上述
の第1の実施例の場合と同じく、装置を、直交する断面
で切断した部分を平面上に展開して示すものである。本
例の複合型遊星歯車装置31は、前段遊星歯車装置32と後
段遊星歯車装置33とから構成され、前段遊星歯車装置を
構成する前段キャリヤと後段遊星歯車装置を構成する後
段太陽歯車とが一体回転するように連結されていると共
に、前段内歯歯車と後段キャリヤとが一体回転するよう
に連結された状態となっている。この構成の複合型遊星
歯車装置における減速比iは次の式で与えられる(第4
図参照)。
i=(u1+1)u2+1 ただし、u1=z3/z1 u2=z6/z4 z1:前段太陽歯車の歯数 z2:前段遊星歯車の歯数 z3:前段内歯歯車の歯数 z4:後段太陽歯車の歯数 z5:後段遊星歯車の歯数 z6:後段内歯歯車の歯数 次に、本例の装置の構造を説明する。後段遊星歯車装
置33の構造は、前述した第1の実施例の装置とほぼ同一
であり、中空軸34の外周面に形成した後段太陽歯車35に
噛み合う4個の後段遊星歯車36(36−1〜36−4)が後
段キャリヤ37によって回転自在に支持されており、これ
らを包摂した状態に円環状の後段内歯歯車38が配置さ
れ、この内周面に形成された内歯38aが後段遊星歯車36
と噛み合っている。後段キャリヤ37は、装置軸線31aの
方向に一方の側に位置する第1のキャリヤ41と、反対側
に位置する第2のキャリヤ42とを締結した構造となって
おり、これらのキャリヤの間に上記の4個の後段遊星歯
車36が支持されている。すなわち、第1のキャリヤ41に
おける内側端面からは、直径方向に位置する一対の軸部
411(図においては一方の軸部のみが示されている)が
第2のキャリヤ42の側に突出しており、第2のキャリヤ
42の側においては、その内側端面から、これとは直交す
る直径方向に位置する一対の軸部412(図においては一
方の軸部のみが示されている。)が第1のキャリヤの側
に突出している。そして、これらの軸部の外周に、それ
ぞれ遊星歯車36が回転自在に支持されている。また、こ
れらの第1および第2のキャリアは、4本の締結ボルト
43および、これらの間に取りつけた4本の締結ボルト
(図示せず)によって締結されている。
上記のキャリヤ37は、外周部において、第1のキャリ
ヤ41の側に第1の外周面412が形成され、第2のキャリ
ヤ42の側に第2の外周面422が形成されており、これら
の外周面412、422に対峙する内歯38aの両側位置には、
第1および第2の内周面381、382が形成されており、こ
れらの間に転がり軸受45、46が装着され、これによっ
て、キャリヤ37は内歯歯車38に対して回転自在に支持さ
れている。また、後段太陽歯車35が形成された中空軸34
は、ボールベアリング47を介してキャリヤ37の第1のキ
ャリヤ41の内周面上に回転自在に支持されている。
一方、第2のキャリヤ42における外側端面からは、軸
線31aの方向に突出した環状突起48が形成され、この環
状突起48の内周面には前段内歯歯車51が形成されてい
る。また、上記の中空軸34内には、回転自在に軸部材52
が挿入され、この軸部材の第2のキャリヤの側は、中空
軸から突出しており、この突出部の外周面に前段太陽歯
車53が形成されている。ここに、中空軸34の外周には前
段キャリヤ54の一方の側が一体回転するように嵌合され
ている。この前段キャリヤ54の他方の側は大径の鍔部と
なっており、この部分の外側端面には、円周方向に向け
て120度の等間隔で3個の前段遊星歯車55(55−1〜55
−3)が回転自在に支持されており、これらの前段遊星
歯車55は前段太陽歯車53および前段内歯歯車51とそれぞ
れ噛み合っている。
この構成の複合型遊星歯車装置31では、前段太陽歯車
53が形成された軸部材52が高速回転入力要素とされ、後
段キャリヤ37を構成する第2のキャリヤ42の外側端面42
aが減速回転出力要素とされ、後段内歯歯車38が固定状
態に設定される。
このように構成した本例の複合型遊星歯車装置31にお
いても、前述した第1の実施例の場合と同様に、後段遊
星歯車装置33の側においては、そのキャリヤ37が第1お
よび第2のキャリヤ41、42に二分割された構造とされ、
これらの間に後段遊星歯車36が装着され、さらにこれら
遊星歯車およびキャリヤを囲む状態に内歯歯車が配置さ
れている。また、キャリヤはその両端側の位置において
転がり軸受を介して内歯歯車に回転自在に支持されてい
る。従って、装置は、軸線31aの方向の長さが従来の構
造に比べて格段に短くなっており、また、モーメント荷
重を受けるのに適した構造となっている。更に、本例で
は、後段キャリヤを構成する第2のキャリヤ42の外側端
面に形成した環状突部によって形成せれる凹部内に、前
段遊星歯車装置32を組み込んであり、装置全体がコンパ
クトとなっている。
第3の実施例 第5図および第6図には、本発明を適用した複合型遊
星歯車装置を示してある。本例の複合型遊星歯車装置61
は、前段遊星歯車装置62と後段遊星歯車装置63とから構
成され、前段遊星歯車装置を構成する前段キャリヤと後
段遊星歯車装置を構成する後段キャリヤとが一体回転す
るように連結されていると共に、前段内歯歯車と後段太
陽歯車とが一体回転するように連結された構成となって
いる。この構成の複合型遊星歯車装置における減速比i
は次の式で与えられる(第6図参照)。
i=1−u1・u2 ただし、u1=z3/z1 u2=z6/z4 z1:前段太陽歯車の歯数 z2:前段遊星歯車の歯数 z3:前段内歯歯車の歯数 z4:後段太陽歯車の歯数 z5:後段遊星歯車の歯数 z6:後段内歯歯車の歯数 本例の装置においても、その後段遊星歯車装置63にお
けるキャリヤ67は、装置軸線61aの方向における一方の
側に位置する第1のキャリア71と他方の側に位置する第
2のキャリア72が締結された構造とされ、これらの間に
4個の遊星歯車66が回転自在に支持されている。また、
これらのキャリヤの外周部には第1および第2の外周面
712、722が形成され、これと対峙する内歯68aの両側位
置には、第1および第2の内周面681、682が形成され、
これらの間に装着した転がり軸受75、76を介して、キャ
リアは内歯歯車68の側に回転自在に支持されている。一
方、キャリアの内周面には、ボールベアリング77、78を
介して後段太陽歯車65が形成された軸部材64が回転自在
に支持されている。
ここに、この軸部材64の第2のキャリヤ72の側には中
空軸84が一体回転するように嵌合されており、この中空
軸84の端面側には大径の鍔部84aが形成され、この鍔部
の先端には、軸線61aの方向に突出した状態の円環部84b
が形成され、この円環部84bの内周面に、前段内歯歯車8
4cが形成されている。また、中空軸84内には、軸部材82
が回転自在に装着されており、この軸部材の外周には前
段太陽歯車83が形成され、この太陽歯車83と前段内歯歯
車84cとの間に、3個の前段遊星歯車85が配置されてい
る。これらの前段遊星歯車85を回転自在に支持する前段
キャリヤ86は、全体として円盤形状をしており、その外
周端の位置において、後段キャリヤを構成する第2のキ
ャリヤ72の端面側に締結されている。
この構成の複合型遊星歯車装置61では、前段太陽歯車
83が形成された軸部材82が高速回転入力要素とされ、後
段キャリヤ67を構成する第1のキャリア71の外側端面71
aが減速回転出力要素とされ、後段内歯歯車68が固定状
態に設定される。
このように構成した本例の複合型遊星歯車装置61にお
いても、前述した第2の実施例の場合と同様に、後段遊
星歯車装置63の側においては、そのキャリヤ67が第1お
よび第2のキャリヤ71、72に二分割された構造とされ、
これらの間に後段遊星歯車66が装着され、さらにこれら
遊星歯車およびキャリヤを囲む状態に内歯歯車が配置さ
れている。また、キャリヤはその両端側の位置において
転がり軸受を介して内歯歯車に回転自在に支持されてい
る。従って、装置は、軸線61aの方向の長さが従来の構
造に比べて格段に短くなっており、また、モーメント荷
重を受けるのに適した構造となっている。
更に、本例では、後段キャリヤを構成する第2のキャ
リア72の外側端面と、ここに締結した前段遊星歯車装置
のキャリア86とによって区画形成される空間内に、前段
遊星歯車装置62が組み込まれており、装置全体がコンパ
クトとなっている。
その他の実施例 本発明は上記の例とは異なる構成の遊星歯車装置にも
適用できることは勿論である。
例えば、第7図に示す構成の複合型遊星歯車装置にも
本発明を適用することができる。この構成における減速
比iは次式で与えられる。
i=u1・u2+1 但し、u1=z2/z1 u2=z4/z3 z1:太陽歯車の歯数 z2:第1の遊星歯車の歯数 z3:第2の遊星歯車の歯数 z4:内歯歯車の歯数 また、上記の各実施例においては、後段遊星歯車装置
に背隙調整機構を簡単に組み込むことができる。すなわ
ち、後段遊星歯車装置では、そのキャリヤが第1および
第2のキャリアに分割された構造となっているので、こ
れらにそれぞれ同数の遊星歯車を取付け、これら第1お
よび第2のキャリヤの締結位置を円周方向に僅かにずら
すことが可能となるようにする。このようにすると、双
方のキャリヤを締結する際に、遊星歯車と内歯歯車とを
背隙が実質的に無い状態に調整することが可能となる。
さらに、上述した各例においては、内歯歯車の側を固
定し、キャリヤの側を減速回転出力要素としているが、
この逆の構成としてもよいことは勿論である。さらにま
た、上述の複合型遊星歯車装置は前段および後段からな
る2段構成のものであるが、3段以上の複合型遊星歯車
装置に対しても本発明を適用することは勿論であり、こ
のような場合には、最終段の遊星歯車装置を上述した構
成とすればよい。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の遊星歯車装置では、単
段型においてはそのキャリヤを、また複合型においては
最終段の遊星歯車装置のキャリアを、装置軸線方向の一
方の側に位置する第1のキャリアと、これに締結した他
方の側に位置する第2のキャリアとから構成し、これら
のキャリアの間にこれらによって軸支された複数個の遊
星歯車を配置し、さらには、内歯歯車の両側に装着した
転がり軸受を介して、これらのキャリアを内歯歯車の側
に回転自在に支持するようにしている。
従って、本発明によれば、軸線方向の一方の側に遊星
歯車を支持する軸部が形成され、他方の側には回転自在
に支持されるための軸支部が形成され、全体として軸線
方向に長くなったキャリアが組み込まれた従来の遊星歯
車装置とは異なり、装置全体の軸線方向の寸法を小さく
することが可能となる。また、このように二分割構造の
キャリヤは、実質的に左右対称な状態で内歯歯車の側に
回転自在に支持されているので、従来のように軸線方向
の一方の側において回転自在に支持された構造に比べ
て、モーメント荷重を受けるのに適した力学的構造であ
るという利点がある。
さらには、本発明によれば、キャリヤを二分割構造と
してあるので、これら第1および第2のキャリアの締結
位置を円周方向に僅かにずらすことを可能な構造とすれ
ば、これらによって支持される遊星歯車と内歯歯車との
背隙を簡単な組付け操作によって実質的に無くすことが
可能となるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は本発明の第1の実施例に係る遊星歯車装
置を構成する遊星歯車の配列状態を示す説明図、第1図
(B)は第1の実施例に係る遊星歯車装置を第1図
(A)のI−I線で示す切断面で切断した部分を示す概
略断面図、第2図は第1の実施例の遊星歯車装置のスケ
ルトン図、第3図は本発明の第2の実施例に係る遊星歯
車装置を装置軸線を通る直交切断面で切断した部分を平
面上に展開して示す断面図、第4図は第2の実施例に係
る遊星歯車装置のスケルトン図、第5図は本発明の第3
の実施例に係る遊星歯車装置を装置軸線を通る直交切断
面で切断した部分を平面上に展開して示す断面図、第6
図は第3の実施例に係る遊星歯車装置のスケルトン図、
第7図は本発明を適用可能な別の複合遊星歯車装置を示
すスケルトン図、第8図(A)は従来の遊星歯車装置を
構成する遊星歯車の配列状態を示す説明図、第8図
(B)は第8図(A)の遊星歯車装置をVIII−VIII線で
示す切断面で切断した部分を示す概略断面図、第9図は
従来の遊星歯車装置の別の構成例を示す断面図である。 〔符号の説明〕 10a、31a、61a……装置軸線 11、35、65……太陽歯車 12、36、66……遊星歯車 13、37、67……キャリヤ 14a、38a、68a……内歯 16、41、71……第1のキャリヤ 17、42、72……第2のキャリヤ 21、22、45、46、75、76……転がり軸受 144、381、681……第1の内周面 145、382、682……第2の内周面 161、412、712……第1の外周面 171、422、722……第2の外周面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−109749(JP,A) 実開 昭57−198445(JP,U) 実開 昭59−62348(JP,U) 特公 昭62−33462(JP,B2) 実公 昭47−34471(JP,Y1) 特表 平3−500799(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 1/46

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】太陽歯車と、この太陽歯車に噛み合う複数
    個の遊星歯車と、これらの遊星歯車を回転自在に支持す
    るキャリアと、前記複数個の遊星歯車と噛み合う内歯歯
    車とを有し、 前記キャリアは装置軸線方向における一方の側に位置す
    る第1のキャリアと、これに締結された、他方の側に位
    置する第2のキャリアとからなり、 これら第1および第2のキャリアの間には、前記太陽歯
    車および前記複数個の遊星歯車が配置されており、 前記内歯歯車が形成されている部材には、この内歯歯車
    を挟み、前記装置軸線方向の両側位置に、前記第1およ
    び第2のキャリアの外周面を臨む第1および第2の内周
    面が形成されており、 これら第1および第2の内周面と前記第1および第2の
    キャリアの外周面との間には、それぞれ転がり軸受が装
    着されて、前記第1および第2の内周面に前記第1およ
    び第2のキャリアが回転自在に支持されており、 前記遊星歯車は偶数個設置され、そのうちの半数の遊星
    歯車は前記第1のキャリアに支持され、残りの半数の遊
    星歯車は前記第2のキャリアに支持されており、 前記第1および第2のキャリアの相互の締結位置は、こ
    れらの円周方向に向けて微動可能となっていることを特
    徴とする遊星歯車装置。
  2. 【請求項2】前段太陽歯車と、この前段太陽歯車に噛み
    合う複数個の前段遊星歯車と、これらの前段遊星歯車を
    回転自在に支持する前段キャリアと、前記複数個の前段
    遊星歯車と噛み合う前段内歯歯車とを備えた前段遊星歯
    車装置と、 後段太陽歯車と、この後段太陽歯車に噛み合う複数個の
    後段遊星歯車と、これらの後段遊星歯車を回転自在に支
    持する後段キャリアと、前記複数個の後段遊星歯車と噛
    み合う後段内歯歯車とを備えた後段遊星歯車装置とを有
    する複合遊星歯車装置において、 前記後段キャリアは装置軸線方向における一方の側に位
    置する第1のキャリアと、これに締結された、他方の側
    に位置する第2のキャリアとからなり、 これら第1および第2のキャリアの間には、前記後段太
    陽歯車および前記複数個の後段遊星歯車が配置されてお
    り、 前記後段内歯歯車が形成されている部材には、この後段
    内歯歯車を挟み、前記装置軸線方向の両側位置に、前記
    第1および第2のキャリアの外周面を臨む第1および第
    2の内周面が形成されており、 これら第1および第2の内周面と前記第1および第2の
    キャリアの外周面との間には、それぞれ転がり軸受が装
    着されて、前記第1および第2の内周面に前記第1およ
    び第2のキャリアが回転自在に支持されており、 前記第2のキャリアの外側端面には前記装置軸線方向に
    突出した環状突起が形成され、当該環状突起の内側に前
    記前段遊星歯車装置が組み込まれていることを特徴とす
    る複合遊星歯車装置。
  3. 【請求項3】前段太陽歯車と、この前段太陽歯車に噛み
    合う複数個の前段遊星歯車と、これらの前段遊星歯車を
    回転自在に支持する前段キャリアと、前記複数個の前段
    遊星歯車と噛み合う前段内歯歯車とを備えた前段遊星歯
    車装置と、 後段太陽歯車と、この後段太陽歯車に噛み合う複数個の
    後段遊星歯車と、これらの後段遊星歯車を回転自在に支
    持する後段キャリアと、前記複数個の後段遊星歯車と噛
    み合う後段内歯歯車とを備えた後段遊星歯車装置とを有
    する複合遊星歯車装置において、 前記後段キャリアは装置軸線方向における一方の側に位
    置する第1のキャリアと、これに締結された、他方の側
    に位置する第2のキャリアとからなり、 これら第1および第2のキャリアの間には、前記後段太
    陽歯車および前記複数個の後段遊星歯車が配置されてお
    り、 前記後段内歯歯車が形成されている部材には、この後段
    内歯歯車を挟み、前記装置軸線方向の両側位置に、前記
    第1および第2のキャリアの外周面を臨む第1および第
    2の内周面が形成されており、 これら第1および第2の内周面と前記第1および第2の
    キャリアの外周面との間には、それぞれ転がり軸受が装
    着されて、前記第1および第2の内周面に前記第1およ
    び第2のキャリアが回転自在に支持されており、 前記第2のキャリアの外側端面には前記前段キャリアが
    締結固定されており、当該第2のキャリアと前記前段キ
    ャリアによって区画形成される空間内に、当該前段キャ
    リアを除く前記前段遊星歯車装置の構成部品が組み込ま
    れていることを特徴とする複合遊星歯車装置。
  4. 【請求項4】太陽歯車と、この太陽歯車に噛み合う複数
    個の第1の遊星歯車と、これらの第1の遊星歯車を回転
    自在に支持するキャリアと、当該キャリアによって回転
    自在に支持されている複数個の第2の遊星歯車と、これ
    ら第2の遊星歯車と噛み合う内歯歯車とを有し、前記第
    1および第2の遊星歯車は共通の遊星軸を介して前記キ
    ャリアに対して回転自在に支持され、前記第1の遊星歯
    車は前記共通の遊星軸に回転自在に支持され、前記第2
    の遊星歯車前記共通の遊星軸に対して一体回転するよう
    に固定されており、 前記キャリアは装置軸線方向における一方の側に位置す
    る第1のキャリアと、これに締結された、他方の側に位
    置する第2のキャリアとからなり、 これら第1および第2のキャリアの間には、前記第2の
    遊星歯車および前記内歯歯車が配置されており、 前記内歯歯車が形成されている部材には、この内歯歯車
    を挟み、前記装置軸線方向の両側位置に、前記第1およ
    び第2のキャリアの外周面を臨む第1および第2の内周
    面が形成されており、 これら第1および第2の内周面と前記第1および第2の
    キャリアの外周面との間には、それぞれ転がり軸受が装
    着されて、前記第1および第2の内周面に前記第1およ
    び第2のキャリアが回転自在に支持されており、 前記第2のキャリアの外側端面には前記装置軸線方向に
    突出した環状突起が形成され、当該環状突起の内側に
    は、前記第1の遊星歯車および前記太陽歯車が配置され
    ていることを特徴とする複合遊星歯車装置。
  5. 【請求項5】請求項2または3において、前記後段遊星
    歯車は偶数個設置され、そのうちの半数の後段遊星歯車
    は前記第1のキャリアに支持され、残りの半数の後段遊
    星歯車は前記第2のキャリアに支持されており、 前記第1および第2のキャリアの相互の締結位置は、こ
    れらの円周方向に向けて微動可能となっていることを特
    徴とする複合遊星歯車装置。
  6. 【請求項6】請求項4において、前記第2の遊星歯車は
    偶数個設置され、そのうちの半数の第2の遊星歯車は前
    記第1のキャリアに支持され、残りの半数の第2の遊星
    歯車は前記第2のキャリアに支持されており、 前記第1および第2のキャリアの相互の締結位置は、こ
    れらの円周方向に微動可能となっていることを特徴とす
    る複合遊星歯車装置。
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