JP3573294B2 - 小形遊星歯車減速機 - Google Patents
小形遊星歯車減速機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3573294B2 JP3573294B2 JP9796694A JP9796694A JP3573294B2 JP 3573294 B2 JP3573294 B2 JP 3573294B2 JP 9796694 A JP9796694 A JP 9796694A JP 9796694 A JP9796694 A JP 9796694A JP 3573294 B2 JP3573294 B2 JP 3573294B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- planetary gear
- case
- carrier
- stage
- supported
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H1/00—Toothed gearings for conveying rotary motion
- F16H1/28—Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion
- F16H1/46—Systems consisting of a plurality of gear trains each with orbital gears, i.e. systems having three or more central gears
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Retarders (AREA)
- General Details Of Gearings (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、内部に１段以上の遊星歯車機構を備えた小形遊星歯車減速機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
遊星歯車減速機として、実公平１−７８８１号公報や実公平４−４８３４５号公報等に開示されるように、ケースに、中心軸線上で回転駆動される太陽歯車と外接噛合すると共にケースに固定された内歯歯車と内接噛合する複数の遊星歯車の公転運動が各遊星ピンを介してキャリアに伝達されるようにした１段以上の遊星歯車機構を中心軸線上の入力軸と出力軸との間において内装してなるものが周知である。
【０００３】
前記構造では、ケースは、内部の遊星歯車機構の分解組立を可能にするために各インロー部間で接続された入力側ケースと出力側ケースとからなり、また出力軸はその安定化のために前後２列の軸受を介してケースに支持され、さらに中間のキャリアは一方側を当該段の太陽歯車及び内歯歯車で当該段の遊星歯車を介して支持されると共に他方側を次段の太陽歯車と一体化されて次段の遊星歯車で支持されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の前記遊星歯車減速機には、遊星歯車機構の軸受部の加工とケースの各インロー部の加工とが個別に行われるため公差精度が甘くなって遊星歯車機構の精密な組み立てが困難になると共に加工工数が増加すること、出力軸の安定支持のために設けられる前後２列の軸受が装置の小型化を妨げること、さらに中間のキャリアの前記支持構造のため遊星歯車機構における各部品の間隙や僅かな加工誤差等によってキャリア軸の振れが生じ易く、これが減速機の振動騒音や早期損傷を招くこと等の問題があった。
【０００５】
本発明の課題は、ケースに対する遊星歯車機構の精密な組み立てを容易にし、装置の小型化を可能にし、さらにキャリアを安定に保持させて伝動性能や寿命を向上させた小形遊星歯車減速機を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項１記載の小形遊星歯車減速機は、各インロー部間で接続された入力側ケースと出力側ケースとからなるケースに、中心軸線上で回転駆動される太陽歯車と外接噛合すると共にケースに固定された内歯歯車と内接噛合する複数の遊星歯車の公転運動が各遊星ピンを介してキャリアに伝達されるようにした１段以上の遊星歯車機構を中心軸線上の入力軸と出力軸との間において内装してなる遊星歯車減速機において、特定のキャリア外周に軸受が配置されると共に該軸受の外輪が入力側ケース及び出力側ケースの各インロー部内周に嵌合支持されたことを特徴とするものである。
【０００７】
請求項２記載の小形遊星歯車減速機は、前記構成において、内歯歯車が、ケースにそのインロー部内周に沿って所定位置に挿入されたものである。
【０００８】
請求項３記載の小形遊星歯車減速機は、前記構成において、少なくとも最終段のキャリア外周が、遊星歯車を挟む両側においてケース内周に各々軸受を介して支持されたものである。
【０００９】
請求項４記載の小形遊星歯車減速機は、前記構成において、遊星歯車を挟む両側のキャリアの少なくとも出力側において、該キャリア内周に前段のキャリアと一体化された当該段の太陽歯車軸が軸受を介して支持されたものである。
【００１０】
【作用】
請求項１記載の小形遊星歯車減速機において、入力軸の回転は、各遊星歯車機構における太陽歯車、遊星歯車及びキャリアを順次介して減速され、最終的に出力軸に伝達される。
【００１１】
前記構成において、特定のキャリア外周に配置された軸受の外輪が入力側ケース及び出力側ケースの各インロー部内周に嵌合支持されることから、前記軸受の内輪嵌合部であるキャリア外周の加工とケースの各インロー部の加工とが必然的に相関連して行われることになり、前記軸受の外輪とケースの各インロー部内周との嵌合構造に高い公差精度が得られると共に各遊星歯車機構の各要素について容易に同軸度を出すことができる。
【００１２】
請求項２記載の小形遊星歯車減速機では、ケースの各インロー部において、ケースに軸受付きキャリアを挿入する前に前記軸受の外輪と等しい外径を有する内歯歯車が挿入されることになる。
【００１３】
請求項３記載の小形遊星歯車減速機では、キャリアは前後２列の軸受を介してケースに安定に支持され、それが最終段のキャリアの場合、該キャリアと一体化された出力軸は従来のようにさらに前後２列の軸受を介してケースに支持される必要がなくなる。
【００１４】
また、請求項４記載の小形遊星歯車減速機では、キャリア内周に、遊星歯車を挟む両側の少なくとも出力側で、当該段の太陽歯車軸、従って前段のキャリアの延長部が軸受を介して支持されることになり、当該段のキャリア及び前段のキャリアが相互に支持されて安定化される。なお、このようなキャリアの支持構造を前記請求項３記載のキャリアの支持構造と組み合わせることにより、より安定したキャリアの支持構造と優れた組み立て性が得られる。
【００１５】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【００１６】
〔実施例１〕
図１は本発明の実施例１に係る小形遊星歯車減速機の断面図である。
同図において、ケース１に２段の遊星歯車機構１１、２１が内装され、ケース１は入力側ケース２と出力側ケース３とからなると共に各内端にインロー部２ａ、３ａが設けられる。
【００１７】
第一段の遊星歯車機構１１において、ケース１に中心軸線上で入力軸４が軸受５を介して支持されると共に入力軸４に連結された太陽歯車軸１２上に太陽歯車１３が設けられ、ケース１内周には内歯歯車１４が入力側ケース２のインロー部２ａ内周に沿って挿入されると共にピン又はキーで固定され、複数の遊星歯車１６が太陽歯車１３と外接噛合すると共に内歯歯車１４と内接噛合するように均等配置され、各遊星歯車１６の遊星ピン１７はキャリア１８に支承され、キャリア１８の出力側フランジ１８ｂには第二段の遊星歯車機構２１の太陽歯車軸２２が中心軸線上で連結される。
【００１８】
次に、第二段の遊星歯車機構２１において、第一段の出力側フランジ１８ｂに連結された太陽歯車軸２２上に太陽歯車２３が設けられ、ケース１内周には内歯歯車２４が出力側ケース３のインロー部３ａ内周に沿って挿入されると共にピン又はキーで固定され、複数の遊星歯車２６が太陽歯車２３と外接噛合すると共に内歯歯車２４と内接噛合するように均等配置され、各遊星歯車２６の遊星ピン２７はキャリア２８に支承され、キャリア２８の出力側フランジ２８ｂには出力軸６が中心軸線上でケース１による軸受支持なしの状態で連結される。
【００１９】
第一段の出力側フランジ１８ｂ並びに第二段の入力側フランジ２８ａ及び出力側フランジ２８ｂの各外周は軸受３１、３２、３３を介してケース１内周に支持され、また第二段の太陽歯車軸２２は軸受３４を介して第二段の出力側フランジ２８ｂの内周に支持される。特に第一段の出力側フランジ１８ｂ外周に配置された前記軸受３１の外輪が入力側ケース２及び出力側ケース３の各インロー部２ａ、３ａ内周に嵌合支持されると共に該嵌合部分に精密なインロー継手が形成され、前記嵌合後は入力側ケース２及び出力側ケース３間がボルト７で固定される。
【００２０】
なお、ケース１への各遊星歯車機構１１、２１の内装に際しては、好ましくは出力側から入力側へと順次行われ、その場合に所定位置に配置される前記の各軸受３１、３２、３３、３４が各部品の正確な位置決めと支持に役立つと共に特に前記インロー継手を構成する軸受３１が各遊星歯車機構１１、２１並びに入力軸４及び出力軸６等の同軸度を得るための位置決めに寄与する。
【００２１】
図３は従来例に係る遊星歯車減速機の断面図である。同図において、本従来例は、２段の遊星歯車機構１１、２１の基本構成において実施例１と同じであるが、ケース１が互いにインロー継手で接続された入力側ケース２、中間ケース８及び出力側ケース３からなり、それらのインロー継手に軸受が介在しない点、第一段のキャリア１８及び第二段のキャリア２８の各外周及び内周が何れもケース１内周や太陽歯車軸２２に各々軸受を介して支持されない点、及び出力軸６が前後２列の軸受９を介してケース１に支持される点において実施例１と構成を異にする。
【００２２】
〔実施例２〕
図２は本発明の実施例２に係る小形遊星歯車減速機の断面図である。
同図において、本実施例２は、２段の遊星歯車機構１１、２１の基本構成において実施例１と同じであるが、偏平モータ９の回転軸と一体の入力軸４がケース１による軸受支持なしに第一段の太陽歯車軸１２と連結される点、第一段の出力側フランジ１８ｂ外周が軸受を介してケース１内周に支持されない点、第二段の太陽歯車軸２２が軸受３５及び軸受３６を介して第二段の入力側フランジ２８ａ及び出力側フランジ２８ｂの各内周に夫々支持される点、及び第二段の入力側フランジ２８ａの外周に配置された軸受３２の外輪が入力側ケース２及び出力側ケース３の各インロー部２ａ、３ａ内周に嵌合支持されると共に該嵌合部分に精密なインロー継手が形成される点において実施例１と構成を異にする。
【００２３】
なお、本実施例２の作用は実施例１と基本的に同様であるので、詳細な説明を省略する。
【００２４】
【発明の効果】
本発明に係る請求項１記載の小形遊星歯車減速機は以上のように構成されるので、前記軸受の外輪とケースの各インロー部内周との嵌合構造に高い公差精度が得られると共に各遊星歯車機構の各要素について容易に同軸度を出すことができ、前記嵌合と同時にケースに対する遊星歯車機構の正確な位置決めが行われ、精密で作業性に優れた組み立てが可能になる。
【００２５】
請求項２記載の小形遊星歯車減速機では、ケースに対する内歯歯車の取付けが容易になり、また軸受の外輪とケースの各インロー部内周との高い公差精度の前記嵌合構造と相まって内歯歯車の取付け加工にも高い公差精度が得られる。
【００２６】
請求項３記載の小形遊星歯車減速機では、キャリアは前後２列の軸受を介してケースに安定に支持されると共に出力軸の短小化、従って装置の小型化が可能になり、また各軸受の配置によって各遊星歯車機構の各要素の正確な位置決めが容易になる。
【００２７】
また、請求項４記載の小形遊星歯車減速機では、当該段のキャリア及び前段のキャリアの支持が安定化されてキャリア軸の振れ等が抑制され、また各軸受の配置によって各遊星歯車機構の各要素の正確な位置決めが容易になり、従って振動騒音が少なく、より長寿命が得られると共に高速回転が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例１に係る小形遊星歯車減速機の断面図である。
【図２】本発明の実施例２に係る小形遊星歯車減速機の断面図である。
【図３】従来例に係る遊星歯車減速機の断面図である。
【符号の説明】
１ ケース
２ 入力側ケース
２ａ インロー部
３ 出力側ケース
３ａ インロー部
４ 入力軸
６ 出力軸
１１ 遊星歯車機構
１３ 太陽歯車
１４ 内歯歯車
１６ 遊星歯車
１７ 遊星ピン
１８ キャリア
２１ 遊星歯車機構
２３ 太陽歯車
２４ 内歯歯車
２６ 遊星歯車
２７ 遊星ピン
２８ キャリア
３１ 軸受
【産業上の利用分野】
本発明は、内部に１段以上の遊星歯車機構を備えた小形遊星歯車減速機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
遊星歯車減速機として、実公平１−７８８１号公報や実公平４−４８３４５号公報等に開示されるように、ケースに、中心軸線上で回転駆動される太陽歯車と外接噛合すると共にケースに固定された内歯歯車と内接噛合する複数の遊星歯車の公転運動が各遊星ピンを介してキャリアに伝達されるようにした１段以上の遊星歯車機構を中心軸線上の入力軸と出力軸との間において内装してなるものが周知である。
【０００３】
前記構造では、ケースは、内部の遊星歯車機構の分解組立を可能にするために各インロー部間で接続された入力側ケースと出力側ケースとからなり、また出力軸はその安定化のために前後２列の軸受を介してケースに支持され、さらに中間のキャリアは一方側を当該段の太陽歯車及び内歯歯車で当該段の遊星歯車を介して支持されると共に他方側を次段の太陽歯車と一体化されて次段の遊星歯車で支持されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の前記遊星歯車減速機には、遊星歯車機構の軸受部の加工とケースの各インロー部の加工とが個別に行われるため公差精度が甘くなって遊星歯車機構の精密な組み立てが困難になると共に加工工数が増加すること、出力軸の安定支持のために設けられる前後２列の軸受が装置の小型化を妨げること、さらに中間のキャリアの前記支持構造のため遊星歯車機構における各部品の間隙や僅かな加工誤差等によってキャリア軸の振れが生じ易く、これが減速機の振動騒音や早期損傷を招くこと等の問題があった。
【０００５】
本発明の課題は、ケースに対する遊星歯車機構の精密な組み立てを容易にし、装置の小型化を可能にし、さらにキャリアを安定に保持させて伝動性能や寿命を向上させた小形遊星歯車減速機を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項１記載の小形遊星歯車減速機は、各インロー部間で接続された入力側ケースと出力側ケースとからなるケースに、中心軸線上で回転駆動される太陽歯車と外接噛合すると共にケースに固定された内歯歯車と内接噛合する複数の遊星歯車の公転運動が各遊星ピンを介してキャリアに伝達されるようにした１段以上の遊星歯車機構を中心軸線上の入力軸と出力軸との間において内装してなる遊星歯車減速機において、特定のキャリア外周に軸受が配置されると共に該軸受の外輪が入力側ケース及び出力側ケースの各インロー部内周に嵌合支持されたことを特徴とするものである。
【０００７】
請求項２記載の小形遊星歯車減速機は、前記構成において、内歯歯車が、ケースにそのインロー部内周に沿って所定位置に挿入されたものである。
【０００８】
請求項３記載の小形遊星歯車減速機は、前記構成において、少なくとも最終段のキャリア外周が、遊星歯車を挟む両側においてケース内周に各々軸受を介して支持されたものである。
【０００９】
請求項４記載の小形遊星歯車減速機は、前記構成において、遊星歯車を挟む両側のキャリアの少なくとも出力側において、該キャリア内周に前段のキャリアと一体化された当該段の太陽歯車軸が軸受を介して支持されたものである。
【００１０】
【作用】
請求項１記載の小形遊星歯車減速機において、入力軸の回転は、各遊星歯車機構における太陽歯車、遊星歯車及びキャリアを順次介して減速され、最終的に出力軸に伝達される。
【００１１】
前記構成において、特定のキャリア外周に配置された軸受の外輪が入力側ケース及び出力側ケースの各インロー部内周に嵌合支持されることから、前記軸受の内輪嵌合部であるキャリア外周の加工とケースの各インロー部の加工とが必然的に相関連して行われることになり、前記軸受の外輪とケースの各インロー部内周との嵌合構造に高い公差精度が得られると共に各遊星歯車機構の各要素について容易に同軸度を出すことができる。
【００１２】
請求項２記載の小形遊星歯車減速機では、ケースの各インロー部において、ケースに軸受付きキャリアを挿入する前に前記軸受の外輪と等しい外径を有する内歯歯車が挿入されることになる。
【００１３】
請求項３記載の小形遊星歯車減速機では、キャリアは前後２列の軸受を介してケースに安定に支持され、それが最終段のキャリアの場合、該キャリアと一体化された出力軸は従来のようにさらに前後２列の軸受を介してケースに支持される必要がなくなる。
【００１４】
また、請求項４記載の小形遊星歯車減速機では、キャリア内周に、遊星歯車を挟む両側の少なくとも出力側で、当該段の太陽歯車軸、従って前段のキャリアの延長部が軸受を介して支持されることになり、当該段のキャリア及び前段のキャリアが相互に支持されて安定化される。なお、このようなキャリアの支持構造を前記請求項３記載のキャリアの支持構造と組み合わせることにより、より安定したキャリアの支持構造と優れた組み立て性が得られる。
【００１５】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【００１６】
〔実施例１〕
図１は本発明の実施例１に係る小形遊星歯車減速機の断面図である。
同図において、ケース１に２段の遊星歯車機構１１、２１が内装され、ケース１は入力側ケース２と出力側ケース３とからなると共に各内端にインロー部２ａ、３ａが設けられる。
【００１７】
第一段の遊星歯車機構１１において、ケース１に中心軸線上で入力軸４が軸受５を介して支持されると共に入力軸４に連結された太陽歯車軸１２上に太陽歯車１３が設けられ、ケース１内周には内歯歯車１４が入力側ケース２のインロー部２ａ内周に沿って挿入されると共にピン又はキーで固定され、複数の遊星歯車１６が太陽歯車１３と外接噛合すると共に内歯歯車１４と内接噛合するように均等配置され、各遊星歯車１６の遊星ピン１７はキャリア１８に支承され、キャリア１８の出力側フランジ１８ｂには第二段の遊星歯車機構２１の太陽歯車軸２２が中心軸線上で連結される。
【００１８】
次に、第二段の遊星歯車機構２１において、第一段の出力側フランジ１８ｂに連結された太陽歯車軸２２上に太陽歯車２３が設けられ、ケース１内周には内歯歯車２４が出力側ケース３のインロー部３ａ内周に沿って挿入されると共にピン又はキーで固定され、複数の遊星歯車２６が太陽歯車２３と外接噛合すると共に内歯歯車２４と内接噛合するように均等配置され、各遊星歯車２６の遊星ピン２７はキャリア２８に支承され、キャリア２８の出力側フランジ２８ｂには出力軸６が中心軸線上でケース１による軸受支持なしの状態で連結される。
【００１９】
第一段の出力側フランジ１８ｂ並びに第二段の入力側フランジ２８ａ及び出力側フランジ２８ｂの各外周は軸受３１、３２、３３を介してケース１内周に支持され、また第二段の太陽歯車軸２２は軸受３４を介して第二段の出力側フランジ２８ｂの内周に支持される。特に第一段の出力側フランジ１８ｂ外周に配置された前記軸受３１の外輪が入力側ケース２及び出力側ケース３の各インロー部２ａ、３ａ内周に嵌合支持されると共に該嵌合部分に精密なインロー継手が形成され、前記嵌合後は入力側ケース２及び出力側ケース３間がボルト７で固定される。
【００２０】
なお、ケース１への各遊星歯車機構１１、２１の内装に際しては、好ましくは出力側から入力側へと順次行われ、その場合に所定位置に配置される前記の各軸受３１、３２、３３、３４が各部品の正確な位置決めと支持に役立つと共に特に前記インロー継手を構成する軸受３１が各遊星歯車機構１１、２１並びに入力軸４及び出力軸６等の同軸度を得るための位置決めに寄与する。
【００２１】
図３は従来例に係る遊星歯車減速機の断面図である。同図において、本従来例は、２段の遊星歯車機構１１、２１の基本構成において実施例１と同じであるが、ケース１が互いにインロー継手で接続された入力側ケース２、中間ケース８及び出力側ケース３からなり、それらのインロー継手に軸受が介在しない点、第一段のキャリア１８及び第二段のキャリア２８の各外周及び内周が何れもケース１内周や太陽歯車軸２２に各々軸受を介して支持されない点、及び出力軸６が前後２列の軸受９を介してケース１に支持される点において実施例１と構成を異にする。
【００２２】
〔実施例２〕
図２は本発明の実施例２に係る小形遊星歯車減速機の断面図である。
同図において、本実施例２は、２段の遊星歯車機構１１、２１の基本構成において実施例１と同じであるが、偏平モータ９の回転軸と一体の入力軸４がケース１による軸受支持なしに第一段の太陽歯車軸１２と連結される点、第一段の出力側フランジ１８ｂ外周が軸受を介してケース１内周に支持されない点、第二段の太陽歯車軸２２が軸受３５及び軸受３６を介して第二段の入力側フランジ２８ａ及び出力側フランジ２８ｂの各内周に夫々支持される点、及び第二段の入力側フランジ２８ａの外周に配置された軸受３２の外輪が入力側ケース２及び出力側ケース３の各インロー部２ａ、３ａ内周に嵌合支持されると共に該嵌合部分に精密なインロー継手が形成される点において実施例１と構成を異にする。
【００２３】
なお、本実施例２の作用は実施例１と基本的に同様であるので、詳細な説明を省略する。
【００２４】
【発明の効果】
本発明に係る請求項１記載の小形遊星歯車減速機は以上のように構成されるので、前記軸受の外輪とケースの各インロー部内周との嵌合構造に高い公差精度が得られると共に各遊星歯車機構の各要素について容易に同軸度を出すことができ、前記嵌合と同時にケースに対する遊星歯車機構の正確な位置決めが行われ、精密で作業性に優れた組み立てが可能になる。
【００２５】
請求項２記載の小形遊星歯車減速機では、ケースに対する内歯歯車の取付けが容易になり、また軸受の外輪とケースの各インロー部内周との高い公差精度の前記嵌合構造と相まって内歯歯車の取付け加工にも高い公差精度が得られる。
【００２６】
請求項３記載の小形遊星歯車減速機では、キャリアは前後２列の軸受を介してケースに安定に支持されると共に出力軸の短小化、従って装置の小型化が可能になり、また各軸受の配置によって各遊星歯車機構の各要素の正確な位置決めが容易になる。
【００２７】
また、請求項４記載の小形遊星歯車減速機では、当該段のキャリア及び前段のキャリアの支持が安定化されてキャリア軸の振れ等が抑制され、また各軸受の配置によって各遊星歯車機構の各要素の正確な位置決めが容易になり、従って振動騒音が少なく、より長寿命が得られると共に高速回転が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例１に係る小形遊星歯車減速機の断面図である。
【図２】本発明の実施例２に係る小形遊星歯車減速機の断面図である。
【図３】従来例に係る遊星歯車減速機の断面図である。
【符号の説明】
１ ケース
２ 入力側ケース
２ａ インロー部
３ 出力側ケース
３ａ インロー部
４ 入力軸
６ 出力軸
１１ 遊星歯車機構
１３ 太陽歯車
１４ 内歯歯車
１６ 遊星歯車
１７ 遊星ピン
１８ キャリア
２１ 遊星歯車機構
２３ 太陽歯車
２４ 内歯歯車
２６ 遊星歯車
２７ 遊星ピン
２８ キャリア
３１ 軸受
Claims (4)
- 各インロー部間で接続された入力側ケースと出力側ケースとからなるケースに、中心軸線上で回転駆動される太陽歯車と外接噛合すると共にケースに固定された内歯歯車と内接噛合する複数の遊星歯車の公転運動が各遊星ピンを介してキャリアに伝達されるようにした１段以上の遊星歯車機構を中心軸線上の入力軸と出力軸との間において内装してなる遊星歯車減速機において、特定のキャリア外周に軸受が配置されると共に該軸受の外輪が入力側ケース及び出力側ケースの各インロー部内周に嵌合支持されたことを特徴とする小形遊星歯車減速機。
- 内歯歯車が、ケースにそのインロー部内周に沿って所定位置に挿入された請求項１記載の小形遊星歯車減速機。
- 少なくとも最終段のキャリア外周が、遊星歯車を挟む両側においてケース内周に各々軸受を介して支持された請求項１記載の小形遊星歯車減速機。
- 遊星歯車を挟む両側のキャリアの少なくとも出力側において、該キャリア内周に前段のキャリアと一体化された当該段の太陽歯車軸が軸受を介して支持された請求項１又は３記載の小形遊星歯車減速機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9796694A JP3573294B2 (ja) | 1994-04-11 | 1994-04-11 | 小形遊星歯車減速機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9796694A JP3573294B2 (ja) | 1994-04-11 | 1994-04-11 | 小形遊星歯車減速機 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07280042A JPH07280042A (ja) | 1995-10-27 |
| JP3573294B2 true JP3573294B2 (ja) | 2004-10-06 |
Family
ID=14206417
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9796694A Expired - Lifetime JP3573294B2 (ja) | 1994-04-11 | 1994-04-11 | 小形遊星歯車減速機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3573294B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4590299B2 (ja) * | 2005-04-27 | 2010-12-01 | 日本電産シンポ株式会社 | 遊星歯車減速機におけるキャリアの回動支持構造 |
| JP4651022B2 (ja) * | 2005-09-28 | 2011-03-16 | 住友重機械工業株式会社 | 減速機 |
| CN102563016A (zh) * | 2011-12-26 | 2012-07-11 | 中国重汽集团济南动力有限公司 | 用于双中间轴变速器的主轴总成 |
| JP6659232B2 (ja) * | 2015-04-14 | 2020-03-04 | ナブテスコ株式会社 | 歯車伝動装置 |
| JP7041460B2 (ja) * | 2016-10-24 | 2022-03-24 | 日東精工株式会社 | ねじ締め機 |
| CN110388419A (zh) * | 2019-07-26 | 2019-10-29 | 江苏摩多利传动机械制造有限公司 | 一种同级传动的行星减速机 |
-
1994
- 1994-04-11 JP JP9796694A patent/JP3573294B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07280042A (ja) | 1995-10-27 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| WO1988006688A1 (en) | Epicyclic reduction gear | |
| EP1914444B1 (en) | Reduction gear | |
| US5322485A (en) | Internally meshing planetary gear structure | |
| US8317649B2 (en) | Output gear-equipped reduction device and method of assembling the same | |
| JPWO2002023065A1 (ja) | 減速機付きモータのシリーズ | |
| JP4897496B2 (ja) | 揺動内接噛合式の遊星歯車装置 | |
| US5220852A (en) | Motor-equipped reduction gear device with a pre-stage | |
| JP2003278849A (ja) | 減速機及び減速機のシリーズ | |
| JP5032975B2 (ja) | 動力伝達装置 | |
| JP3419698B2 (ja) | 小バックラッシ遊星歯車装置 | |
| JP3573294B2 (ja) | 小形遊星歯車減速機 | |
| JPH06241282A (ja) | 内接噛合遊星歯車構造を採用したギヤドモータ及びそのシリーズ | |
| JPH11210843A (ja) | 遊星歯車減速機 | |
| JP2016166678A (ja) | 減速装置 | |
| US6250179B1 (en) | Silk hat flexible engagement gear device | |
| JP2002295606A (ja) | ２段形減速機及びモータ付き２段形減速機 | |
| JP2020180670A (ja) | 減速機及び駆動装置 | |
| JP2824100B2 (ja) | 遊星歯車装置 | |
| JP2004301273A (ja) | 減速機 | |
| JP2002089638A (ja) | 駆動装置のシリーズ | |
| JPH06307505A (ja) | 差動遊星歯車減速装置 | |
| JPH0544788A (ja) | 内接噛合遊星歯車構造 | |
| CN217422054U (zh) | 减速器和机器人 | |
| JP2004299000A (ja) | 産業用ロボットの関節駆動装置 | |
| JP4249447B2 (ja) | バルブ駆動用の動力伝達装置 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040427 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Effective date: 20040527 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
| RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20040527 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040624 |
|
| R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 4 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080709 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080709 Year of fee payment: 4 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090709 Year of fee payment: 5 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090709 Year of fee payment: 5 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 6 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100709 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110709 Year of fee payment: 7 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 8 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120709 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 9 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130709 |
|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |