JP2823036B2 - コネクタ - Google Patents

コネクタ

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JP2823036B2
JP2823036B2 JP5197151A JP19715193A JP2823036B2 JP 2823036 B2 JP2823036 B2 JP 2823036B2 JP 5197151 A JP5197151 A JP 5197151A JP 19715193 A JP19715193 A JP 19715193A JP 2823036 B2 JP2823036 B2 JP 2823036B2
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哲男 加藤
政博 神田
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Yazaki Corp
Ube Corp
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Ube Industries Ltd
Yazaki Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量で、寸法安定性、
耐熱性、機械的特性、成形安定性、ハイサイクル成形性
に優れ、熱変色性がなく、かつ嵌合フィーリングに優れ
たコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より自動車用の電気・電
子機器回路の接続には各種のプラスチックハウジングを
備えてなるコネクタ(以下、単にコネクタと呼ぶことが
ある。)が使用されている。近時、自動車の低公害化と
ともに軽量化がすすむにつれてコネクタに対する軽量化
の要求も高まってきている。更に、自動車の高性能・高
機能化にともない、コネクタには小型化、形状の複雑
化、耐熱性の向上、嵌合フィーリングの向上等が要求さ
れ、生産性の向上も要求されている。
【0003】ところで従来のコネクタには、耐熱性、寸
法安定性、成形性等に優れているPBT樹脂が多量に使
用されているが、比重が高いためコネクタ重量が重くな
るという問題があった。また、6ナイロン樹脂や66ナ
イロン樹脂は、比重がPBT樹脂より低いため軽量化に
は対応しやすいが、吸水率が高く、吸水による寸法変化
及び機械的性質の低下がおこり、小型化、形状の複雑
化、嵌合フィーリングの向上等に対応できないと言う問
題があった。
【0004】その他に、PP樹脂、PPE樹脂、ABS
樹脂等も使用されているが、耐熱性が低い、耐薬品性に
劣る、流動性に劣る等の問題があり、満足できるもので
はなかった。さらにはこれらの樹脂を用いて、発泡成形
や中空充填材の添加等による軽量化も検討されている
が、成形精度が充分でない、機械的特性の低下が著しい
等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の問題点を解消し、軽量で、寸法安定性、耐熱性、
機械的特性、成形安定性、ハイサイクル成形性に優れ、
熱変色性がなく、かつ嵌合フィーリングに優れたコネク
タを提供することを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、特定のセミ芳香族ポリ
アミドと特定の変性ポリオレフィンとからなる樹脂ブレ
ンド物を成形してなるコネクタが上記目的を達成するこ
とを見いだし、本発明に到達した。
【0007】すなわち本発明は、示差走査熱量計により
測定した融点が270℃以上310℃未満のセミ芳香族
ポリアミド(A)50〜92重量部と、ポリエチレンを
α,β−不飽和カルボン酸、その無水物またはその誘導
体0.05〜5モル%でグラフト変性した変性ポリオレ
フィン(B)5〜35重量部と、ポリアミド12(C)
3〜15重量部とを含む樹脂組成物から形成されたハウ
ジングを備えてなるコネクタである。
【0008】本発明で用いられる樹脂組成物を構成する
A成分であるセミ芳香族ポリアミドは、ヘキサメチレン
ジアミンのアジピン酸塩(以下単にAH塩ということが
ある。)とヘキサメチレンジアミンのテレフタル酸塩
(以下単に6T塩ということがある。)との重量比率が
80/20〜50/50の共重合物であり、示差走査熱
量計により測定した融点が270℃以上310℃未満、
好ましくは290℃以上300℃以下の範囲内にあるこ
とが望ましい。セミ芳香族ポリアミド(A)の融点が2
70℃未満では充分な耐熱性が得られず、吸水による寸
法安定性も悪くなり好ましくない。融点が310℃以上
では、最適なコネクタハウジングを得るための成形条件
が非常に狭く、安定した成形ができず、成形不良率が上
昇し、好ましくない。
【0009】かかるセミ芳香族ポリアミド(A)は、例
えばアジピン酸ハライド及びテレフタル酸ハライドをヘ
キサメチレンジアミンと混合して、均一溶液中で重縮合
させる溶媒法、AH塩と6T塩をオートクレーブ中で溶
融重合する方法、あるいは固相重合する方法など、従来
公知の種々の方法により製造することができる。このセ
ミ芳香族ポリアミド(A)は、98%濃硫酸中に溶解し
て25℃の温度で測定したときの相対粘度ηrが1.0
〜3.5、好ましくは1.5〜3.0の範囲にあること
が望ましい。
【0010】また、本発明で用いられる樹脂組成物を構
成するB成分である変性ポリオレフィンは、ポリエチレ
ンをα,β−不飽和カルボン酸、その無水物、またはそ
の誘導体等のモノマーで0.05〜5モル%グラフト変
性した、弾性率が2000kgf /cm2 〜15000kgf
/cm2 の範囲内にある変性ポリエチレンである。
【0011】ポリエチレンのグラフト変性に用いられる
モノマーであるα,β−不飽和カルボン酸としては、例
えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、クロトン酸等が挙げられ、またこれらの酸の誘導体
としては、例えば酸ハライド、アミドイミド、エステル
等が挙げられる。これらの中で、不飽和ジカルボン酸ま
たはこれらの酸無水物が好適に用いられる。
【0012】かかる変性ポリオレフィン(B)は、ポリ
エチレンに対して通常0.05〜5モル%、好ましくは
0.1〜3モル%の範囲となるように、前記のモノマー
の中から選ばれたグラフト変性用モノマーを添加し、溶
融混練するなどの従来公知の方法によって製造すること
ができる。
【0013】また、本発明で用いられる樹脂組成物を構
成するC成分であるポリアミド12は、ω−ラウロラク
タムを開環重合する方法あるいは、12−アミノドデカ
ン酸を重縮合する方法など、従来公知の種々の方法によ
り製造されたものであってよい。このポリアミド12
(C)としては、98%濃硫酸中に溶解して25℃の温
1で測定したときの相対粘度ηrが、2.0〜3.0の
範囲にあるものが好ましい。
【0014】本発明において、樹脂組成物を構成するセ
ミ芳香族ポリアミド(A)と変性ポリオレフィン(B)
とポリアミド12(C)との配合割合は、樹脂組成物合
計量100重量部に対して、セミ芳香族ポリアミド
(A)が50〜92重量部、変性ポリオレフィン(B)
が5〜30重量部、ポリアミド12(C)が3〜15重
量部であることが好ましい。セミ芳香族ポリアミド
(A)の量が50重量部未満であると、耐熱性、機械的
特性の低下がおこり、嵌合フィーリングも低下して好ま
しくなく、92重量部を超えると比重が高くなって顕著
な軽量化が図れず好ましくない。また、変性ポリオレフ
ィン(B)の量が5重量部未満では低比重化の顕著な効
果が得られず好ましくなく、逆に30重量部を超えると
機械的特性の低下や、成形品のソリ量の増加がおこり好
ましくない。ポリアミド12(C)の量が3重量部未満
では成形品のソリ量の減少効果が充分でなく、また15
重量部を超えると成形品のソリ量の減少効果はほとんど
変わらないのに、機械的特性の低下がおこるので好まし
くない。
【0015】本発明のコネクタに用いられる樹脂組成物
は、セミ芳香族ポリアミド(A)、変性ポリオレフィン
(B)、及びポリアミド12(C)を含むが、この組成
物にヒンダードフェノール系1次酸化防止剤(D)及び
硫黄系2次酸化防止剤(E)を配合することにより、コ
ネクタの耐熱性が更に向上する。
【0016】本発明のコネクタに用いられる樹脂組成物
に配合されるヒンダードフェノール系1次酸化防止剤
(D)は、フェノールの2位がメチル基で、かつ6位が
t−ブチル基で置換された酸化防止剤が適しており、そ
の例としては、イルガノックス245、(チバガイギー
製)、スミライザーGA−80(住友化学製)、MAR
K AO−80(アデカ・アーガス化学製)などを挙げ
ることができるが、これらの中でもスミライザーGA−
80(住友化学製)が好適に使用される。このヒンダー
ドフェノール系1次酸化防止剤(D)は、(A)成分、
(B)成分、(C)成分の合計100重量部に対して
0.05〜1重量部用いるのがよく、0.1〜0.7重
量部の範囲内にあることが更に望ましい。
【0017】硫黄系2次酸化防止剤(E)の例として
は、MARK AO412S、MARK AO503A
(アデカ・アーガス化学製)、スミライザーTP−D、
スミライザーMB(住友化学製)などを挙げることがで
きるが、これらの中でもスミライザーTP−D(住友化
学製)が好適に使用される。更に、硫黄系2次酸化防止
剤(E)は、0.05〜1重量部、好ましくは、0.1
〜0.7重量部の範囲内にあることが望ましい。
【0018】この樹脂組成物には、上記のヒンダードフ
ェノール系1次酸化防止剤(D)及び硫黄系2次酸化防
止剤(E)に加えて、更に銅系酸化防止剤あるいは燐系
酸化防止剤などの他の酸化防止剤を併用することができ
る。
【0019】本発明のコネクタに用いられる樹脂組成物
は、更に離型剤として炭素数16〜22の高級脂肪酸の
周期律表第I〜第III 主族金属の塩(F)、ポリエチレ
ンワックス(G)、モンタンワックス金属塩(H)、及
びモンタンワックスエステル金属塩(I)から選ばれた
1種以上を含むことができ、これによってコネクタハウ
ジングの成形加工性が更に向上する。
【0020】本発明のコネクタに用いられる樹脂組成物
に配合される炭素数16〜22の高級脂肪酸の周期律表
第I〜第III 主族金属の塩(F)の例としては、ステア
リン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステア
リン酸カルシウム、ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸マグ
ネシウムなどを挙げることができ、中でもベヘン酸カル
シウム、ベヘン酸マグネシウムが好適に使用される。
【0021】ポリエチレンワックス(G)の例として
は、サンワックス(三洋化成製)、ハイワックス(三井
石油化学製)などを挙げることができ、中でもハイワッ
クス320P(三井石油化学製)が好適に使用される。
【0022】モンタンワックス塩(H)は、モンタン酸
と0.1〜1当量の金属の酸化物または水酸化物との反
応によって製造される塩であり、ここで用いられる金属
としては、周期律表の第I〜第III 主族の金属、例えば
ナトリウム、カリウム、リチウム、ベリリウム、マグネ
シウム、カルシウムならびにアルミニウムが挙げられ
る。これらの中でもモンタン酸とナトリウムまたはカル
シウムの塩が好適に使用される。
【0023】モンタンワックスエステル塩(I)は、炭
素数2〜4のアルキレン基を有する2価のアルコールの
0.1〜0.9当量でモンタン酸を部分的にエステル化
し、ついで周期律表の第I〜第III 主族の金属、例えば
ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カル
シウム、アルミニウム等の金属の酸化物または水酸化物
で中和したものである。その中でも2価のアルコールと
して、エチレングリコール、1,2または1,3プロパ
ンジオール、1,3または1,4ブタンジオール等でエ
ステル化し、ナトリウム、カリウム等で中和したモンタ
ンワックスエステル塩が好適に使用される。
【0024】これらの離型剤は、(A)成分、(B)成
分、(C)成分の合計100重量部に対して単独でまた
は併用で0.05〜1重量部、好ましくは0.1〜0.
7重量部の範囲内で添加することが望ましい。
【0025】本発明のコネクタに用いられる樹脂組成物
には、更にその特性を損なわない範囲内で必要に応じ
て、無機充填剤、紫外線吸収剤、耐候・耐光安定剤、結
晶核剤、可塑剤、潤滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、
染料などを適宜選択添加しても良い。
【0026】本発明のコネクタに用いられる樹脂組成物
を製造するに際しては、まずセミ芳香族ポリアミド
(A)と変性ポリオレフィン(B)とポリアミド12
(C)、更に必要によりヒンダードフェノール系1次酸
化防止剤(D)、硫黄系2次酸化防止剤(E)、並びに
離型剤として炭素数16〜22の高級脂肪酸の周期律表
第I〜第III 主族金属の塩(F)、ポリエチレンワック
ス(G)、モンタンワックス塩(H)、及びモンタンワ
ックスエステル塩(I)等を配合し、混合して溶融混練
する。この際に、セミ芳香族ポリアミド(A)がマトリ
ックスを形成し変性ポリオレフィン(B)とポリアミド
12(C)が分散相を形成し、かつ変性ポリオレフィン
(B)の分散粒径が0.5〜2μでポリアミド12
(C)の分散粒径が0.5〜1μの相構造を形成させる
ことが望ましい。このような相構造を有する樹脂組成物
を製造するためには二軸押出機を用いて溶融混練する方
法によることが望ましく、かかる二軸押出機としてはL
/Dが25以上、好ましくは30以上のものを使用する
ことが望ましい。
【0027】本発明にかかるコネクタハウジングは、上
記により製造された樹脂組成物を使用し、従来公知の射
出成形等の方法により成形することができる。かかるハ
ウジングは、コネクタの端子を挿入するポールの数、形
状、ロック部の形状、ハウジング部の形状など、適宜に
選定して成形することができ、コネクタの用途のみなら
ずその種類、形状などは特に限定されるものではない。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に何等限定されるもので
はない。なお、実施例において使用した材料は次のよう
なものであった。
【0029】セミ芳香族ポリアミド(A) (A−1):AH塩と6T塩との重量比率を50/50
として共重合したセミ芳香族ポリアミド(融点:297
℃、98%濃硫酸中で測定した相対粘度ηr:2.7
8) (A−2):AH塩と6T塩との重量比率を60/40
として共重合したセミ芳香族ポリアミド(融点:283
℃、98%濃硫酸中で測定した相対粘度ηr:2.7
7)変性ポリオレフィン(B) (B−1):ポリエチレンに無水マレイン酸0.4モル
%とラジカル発生剤としてのパーオキサイド(日本油脂
製、パーブチルZ)0.3モル%とを配合し、二軸押出
機を用い230℃で溶融グラフトして製造した変性ポリ
エチレン(JISK 6760によるメルトインデック
ス:5.1g/10分、曲げ弾性率:2800kgf /cm
2 ポリアミド12(C) (C−1):ナイロン12(宇部興産製 3014B)ヒンダードフェノール系1次酸化防止剤(D) (D−1):スミライザーGA−80(住友化学製)硫黄系2次酸化防止剤(E) (E−1):スミライザーTP−D(住友化学製)高級脂肪酸の金属塩(F) (F−1):ベヘン酸カルシウムポリエチレンワックス(G) (G−1):ハイワックス320Pモンタンワックス塩(H) (H−1):ホスタモントNAV101(ヘキスト製)モンタンワックスエステル塩(I) (I−1):ヘキストワックスOP(ヘキスト製)
【0030】(実施例1)セミ芳香族ポリアミド(A−
1)、変性ポリオレフィン(B−1)、ポリアミド12
(C−1)、ヒンダードフェノール系1次酸化防止剤
(D−1)、硫黄系2次酸化防止剤(E−1)、高級脂
肪酸の金属塩(F−1)、ポリエチレンワックス(G−
1)、モンタンワックス塩(H−1)を表1に示す量で
配合し、この混合物をTEX二軸押出機(L/D:3
5、日本製鋼所製)を使用し、樹脂温度320℃にコン
トロールした条件で溶融混練し、押し出されたストラン
ドをペレタイザーによりカッティングしてペレット状の
樹脂組成物を得た。
【0031】かかる樹脂組成物を使用して、図1及び図
2に示す形状のオス型及びメス型コネクタハウジング
を、射出成形機(東芝製、IS55EN)を用いて下記
の成形条件により成形し、本発明のコネクタを得た。 [射出成形条件] ・シリンダー温度:315℃ ・射出圧力:800kgf /cm2 ・金型温度:25℃ ・射出速度:中速
【0032】なお、オス型コネクタハウジングの縦寸
法、横寸法、奥行寸法(すなわち、図1のA,B,C)
はそれぞれ16.4mm、58.7mm、38.0mmであ
り、体積は11.85cm3 であった。また、メス型コネ
クタハウジングの縦寸法、横寸法、奥行寸法(すなわ
ち、図2のD,E,F)はそれぞれ12.0mm、54.
7mm、22.0mmであり、体積は5.45cm3 であっ
た。
【0033】(実施例2)セミ芳香族ポリアミド(A−
2)、変性ポリオレフィン(B−1)、ポリアミド12
(C−1)、ヒンダードフェノール系1次酸化防止剤
(D−1)、硫黄系2次酸化防止剤(E−1)、高級脂
肪酸の金属塩(F−1)、ポリエチレンワックス(G−
1)、モンタンワックスエステル塩(I−1)を表1に
示す量で配合し、この混合物を実施例1と同様に混練押
出して、樹脂組成物を得た。
【0034】この樹脂組成物を用いて下記の成形条件に
より実施例1と同様のコネクタハウジングを成形し、本
発明のコネクタを得た。 [射出成形条件] ・シリンダー温度:305℃ ・射出圧力:800kgf /cm2 ・金型温度:25℃ ・射出速度:中速
【0035】(実施例3)セミ芳香族ポリアミド(A−
1)、変性ポリオレフィン(B−1)、ポリアミド12
(C−1)、ヒンダードフェノール系1次酸化防止剤
(D−1)、硫黄系2次酸化防止剤(E−1)、高級脂
肪酸の金属塩(F−1)、ポリエチレンワックス(G−
1)、モンタンワックス塩(H−1)を表1に示す量で
配合し、この混合物を実施例1と同様に混練押出して、
樹脂組成物を得た。
【0036】この樹脂組成物を用いて下記の成形条件に
より実施例1と同様のコネクタハウジングを成形し、本
発明のコネクタを得た。 [射出成形条件] ・シリンダー温度:315℃ ・射出圧力:800kgf /cm2 ・金型温度:25℃ ・射出速度:中速
【0037】(比較例1)セミ芳香族ポリアミド(A−
1)、変性ポリオレフィン(B−1)、ポリアミド12
(C−1)、ヒンダードフェノール系1次酸化防止剤
(D−1)、硫黄系2次酸化防止剤(E−1)、高級脂
肪酸の金属塩(F−1)、ポリエチレンワックス(G−
1)、モンタンワックス塩(H−1)を表1に示す量で
配合し、この混合物を実施例1と同様に混練押出して、
樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を用いて実施例1と
同一の成形条件でコネクタハウジングを成形し、比較品
のコネクタを得た。
【0038】(比較例2)セミ芳香族ポリアミド(A−
1)と変性ポリオレフィン(B−1)とを表1に示す量
で配合し、この混合物を実施例1と同様に混練押出し
て、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を用いて実施例
1と同一の成形条件でコネクタハウジングを成形し、比
較品のコネクタを得た。
【0039】(比較例3)実施例1で用いた樹脂組成物
に代えて66ナイロン樹脂(宇部興産製、2020UW
1)を用い、シリンダ温度を280℃とした以外は実施
例1と同一の成形条件でコネクタハウジングを成形し
て、比較品のコネクタを得た。
【0040】(比較例4)実施例1で用いた樹脂組成物
に代えてPBT樹脂(東レ製、1401−X08)を用
い、シリンダ温度を260℃とした以外は実施例1と同
一の成形条件でコネクタハウジングを成形して、比較品
のコネクタを得た。
【0041】
【表1】
【0042】更に、こうして得たコネクタハウジングの
それぞれについて下記のような評価を行い、その性質を
比較した。 [評価項目及び評価方法] (1)軽量性:上記、成形したコネクタハウジングの比
重を水中置換法により測定した。 (2)吸水による寸法変化:上記、成形したコネクタハ
ウジングを35℃×95%RHの条件下で110時間調
湿処理し、図1及び図2のA,B,C,D,E,F部の
寸法変化を測定し、成形直後の寸法に対する処理後の寸
法変化率(%)を次の数1の式により計算し、評価し
た。
【0043】
【数1】
【0044】(3)耐熱性:上記、成形したコネクタハ
ウジングを120℃で1000時間熱処理し、成形直後
品とともに、ハウジングに約100mmの長さの電線を圧
着した端子を図3のように固定し、電線を軸方向に約1
00mm/min の一定速度で引張り、端子がハウジングの
係止部3から抜ける時の荷重(kgf )を測定した。ま
た、外観変化も観察した。
【0045】(4)嵌合性:上記、成形したコネクタハ
ウジングを35℃×95%RHの条件下で110時間調
湿処理し、無響箱中でオスとメスを250mm/分の速度
で嵌合し、そのとき発生する嵌合音の音圧レベルを騒音
計で測定し、更にその音圧レベルをアナライジングレコ
ーダー(横河北辰電機株製)を用い周波数分析し、嵌合
性を評価した。尚、音圧レベルの高いコネクタハウジン
グは嵌合性がよいと判断できる。
【0046】(5)ソリ量:図4に示すオスハウジング
のフード部のG部に相当する縦寸法測定部位のソリ量を
工具顕微鏡にて測定した。ソリ量が少ないほど生産性が
よく、寸法安定性に優れると判断できる。
【0047】(6)成形されたコネクタハウジングの変
性ポリオレフィン(B)とナイロン12(C)の分散粒
径の測定:成形品一部をミクロトームで薄片とし、この
薄片を熱キシレンでリフラックスして分散相であるポリ
オレフィンを溶解除去した後乾燥し、走査型電子顕微鏡
にて変性ポリオレフィン(B)とポリアミド12(C)
の分散粒径を測定した。この際、変性ポリオレフィンは
空洞として観察され、ポリアミド12はマトリックス中
に分散する球形として観察される。各々の評価結果を表
2,3,4,5,6に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】表2,3,4,5,6に示されるように、
この発明の構成要件を満足している実施例1〜3は、低
比重で軽量性に優れ、吸水による寸法変化も実使用上全
く問題なく、優れた寸法安定性を有し、かつ機械的特
性、耐熱性にも優れ、吸水による嵌合性の低下も非常に
小さく、充分な嵌合フィーリングを有していることが判
る。また、変性ポリエチレン及びポリアミド12は非常
によく分散しており、各種特性特に機械的強度及び靱性
の発現に寄与している。
【0054】これに対し比較例1では低比重で軽量性に
優れ、吸水による寸法変化も小さく寸法安定性にも優れ
ているが、端子保持力等の機械的強度が低く、耐熱性に
も劣り、充分な嵌合フィーリングも得られないという問
題のあることが判る。また、比較例2では、低比重で軽
量性に優れ、吸水による寸法変化も小さく寸法安定性に
も優れ、端子保持力等の機械的強度も高く、耐熱性にも
優れ、充分な嵌合フィーリングも得られるが、ソリ量が
大きく成形加工性に劣るという問題のあることが判る。
更に比較例3では、まずまずの軽量性は得られるもの
の、吸水による寸法安定性、嵌合性が劣る。また、比較
例4では、寸法安定性、機械的特性、耐熱性、嵌合性に
優れるものの、比重が高く軽量性に劣ることが判る。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明のコネクタによれ
ば、軽量で、吸水による寸法変化が小さく、耐熱性が高
く、端子保持力等の機械的特性も高く、非常に良好な嵌
合フィーリングを示し、生産性にも優れるという効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において成形された自動車用コ
ネクタのオス型ハウジングの斜視図である。
【図2】本発明の実施例において成形された自動車用コ
ネクタのメス型ハウジングの斜視図である。
【図3】本発明の実施例において得られた自動車用コネ
クタを嵌合した状態を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例において成形された自動車用コ
ネクタのオス型ハウジングのソリ量測定部位を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 オス型ハウジング 2 メス型ハウジング 3 ハウジングと端子との係合部 4 オス型ハウジングとメス型ハウジングとの係合部 A オス型ハウジングの縦寸法測定部位 B オス型ハウジングの横寸法測定部位 C オス型ハウジングの奥行寸法測定部位 D メス型ハウジングの縦寸法測定部位 E メス型ハウジングの横寸法測定部位 F メス型ハウジングの奥行寸法測定部位 G オス型ハウジングのソリ量測定部位
フロントページの続き (72)発明者 積山 龍男 山口県宇部市大字小串1978−10 宇部興 産株式会社 宇部ケミカル工場内 (56)参考文献 特開 平2−240162(JP,A) 特開 平3−285951(JP,A) 特開 昭55−60552(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01R 13/46 301 C08L 77/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 示差走査熱量計により測定した融点が2
    70℃以上310℃未満のセミ芳香族ポリアミド(A)
    50〜92重量部と、ポリエチレンをα,β−不飽和カ
    ルボン酸、その無水物またはその誘導体0.05〜5モ
    ル%でグラフト変性した変性ポリオレフィン(B)5〜
    35重量部と、ポリアミド12(C)3〜15重量部と
    を含む樹脂組成物から形成されたハウジングを備えてな
    るコネクタ。
  2. 【請求項2】 セミ芳香族ポリアミド(A)がヘキサメ
    チレンジアミンのアジピン酸塩とヘキサメチレンジアミ
    ンのテレフタル酸塩の共重合物からなり、ヘキサメチレ
    ンジアミンのアジピン酸塩とヘキサメチレンジアミンの
    テレフタル酸塩との重量比率が80/20〜50/50
    である請求項1に記載のコネクタ。
  3. 【請求項3】 変性ポリオレフィン(B)の弾性率が2
    000kgf /cm2 〜15000kgf /cm2 である請求項
    1に記載のコネクタ。
  4. 【請求項4】 セミ芳香族ポリアミド(A)がマトリッ
    クスを形成し、変性ポリオレフィン(B)とポリアミド
    12(C)とが分散相を形成し、かつ変性ポリオレフィ
    ン(B)の分散粒径が0.5〜2μで、ポリアミド12
    の分散粒径が0.5〜1μである相構造を有する請求項
    1に記載のコネクタ。
  5. 【請求項5】 樹脂組成物が樹脂成分100重量部に対
    してヒンダードフェノール系1次酸化防止剤(D)0.
    05〜1重量部及び硫黄系2次酸化防止剤(E)0.0
    5〜1重量部を含んでいる請求項1〜4のいずれかに記
    載のコネクタ。
  6. 【請求項6】 ヒンダードフェノール系1次酸化防止剤
    (D)が、フェノールの2位がメチル基で、かつ6位が
    t−ブチル基で置換された酸化防止剤である請求項
    記載のコネクタ。
  7. 【請求項7】 樹脂組成物が樹脂成分100重量部に対
    して炭素数16〜22の高級脂肪酸の周期律表第I〜第
    III 主族金属の塩(F)、ポリエチレンワックス
    (G)、モンタンワックス塩(H)、及びモンタンワッ
    クスエステル塩(I)から選ばれた1種又はそれ以上の
    化合物0.05〜1重量部を含んでいる請求項1〜6の
    いずれかに記載のコネクタ。
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