JP4901015B2 - ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車材料、家電・OA材料などに用いられる射出成形品およびそれらに利用できる流動性、電気特性、耐衝撃性、耐熱性、難燃性、剛性バランスに優れ、特に二酸化炭素による可塑化効果及び電気特性にきわめて優れる樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ポリフェニレンエーテルは耐熱性、耐熱水性、寸法安定性および機械的、電気的性質などの優れた性質を有する樹脂であるが、一方、その溶融粘度が高いために成形性が悪い、また耐薬品性が悪い、耐衝撃性が低い等の欠点を有している。ポリフェニレンエーテルのこのような欠点を改良するためポリフェニレンエーテルと他の樹脂とのアロイ化、あるいはポリフェニレンエーテルの変性が従来から行われてきた。
【0003】
ポリフェニレンエーテルと他の樹脂とのアロイ化に関連する技術として、例えば特開昭56−115357号公報に、液晶ポリエステルにポリフェニレンエーテルなどの重合体を配合し、ポリフェニレンエーテルの溶融加工性を改良することが提案されているが、二酸化炭素可塑化効果及び電気特性という観点において、十分なものではなかった。また特開平2−97555号公報には、はんだ耐熱性を向上させる目的で液晶ポリエステルに各種のポリアリレンオキサイドを配合することが提案され、さらには特開平6−122762号公報には、アミン類で変性したポリフェニレンエーテルと液晶ポリエステルを配合することが提案されているが、いずれも流動性、電気特性、耐衝撃性、耐熱性、難燃性、剛性バランスにおいて十分なものではなかった。
【0004】
また特開2000−313812にガラス転移温度120℃以上の熱可塑性樹脂に液晶樹脂を配合し、粘度比を規定することで流動性、制振性、耐衝撃性などが改良されることが提案されているが、電気特性、耐熱性、難燃性、剛性バランスの観点において、十分ではなかった。WO99/02607号公報には、PPEとLCPの粘度をできるだけ一致させることが提案されているが、二酸化炭素可塑化効果、流動性、電気特性、耐衝撃性、耐熱性、難燃性、剛性バランスにおいて十分ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
流動性、電気特性、耐衝撃性、耐熱性、難燃性、剛性バランスに優れ、特に二酸化炭素による可塑化効果及び電気特性にきわめて優れる樹脂組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を達成する技術を鋭意検討した結果、ポリフェニレンエ−テル系樹脂と液晶ポリエステルの溶融せん断粘度の比をある特定範囲にすることにより、流動性、電気特性、耐衝撃性、耐熱性、難燃性、剛性バランスに優れ、特に二酸化炭素による可塑化効果及び電気特性にきわめて優れる樹脂組成物が得られ、優れた物性を有する成形品が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、
1.(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂70〜99重量部と、(B)液晶ポリエステル1〜30重量部とからなる樹脂組成物であって、(A)および(B)の300℃における溶融粘度が下式1、2を満足することを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物、
0.0060≦Pb/Pa≦0.20…(式1)
0.0050≦Qb/Qa≦0.15…(式2)
Pa:ずり速度1000s-1でのポリフェニレンエーテル系樹脂の溶融粘度(Pa・s)
Pb:ずり速度1000s-1での液晶ポリエステルの溶融粘度(Pa・s)
Qa:ずり速度100s-1でのポリフェニレンエーテル系樹脂の溶融粘度(Pa・s)
Qb:ずり速度100s-1での液晶ポリエステルの溶融粘度(Pa・s)
【0008】
2.成分(A)と成分(B)の合計100重量部に対して、(C)無機充填剤が0.1〜50重量部添加されることを特徴とする上記1に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物、を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明について具体的に説明する。
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂とは、(式3)の繰り返し単位構造
【0010】
【化1】
【0011】
(R1、R4は、それぞれ独立して、水素、第一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニル、アミノアルキル、炭化水素オキシを表す。R2、R3は、それぞれ独立して、水素、第一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニルを表す。)
からなり、還元粘度(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)が、0.15〜1.0dl/gの範囲にあるホモ重合体及び/または共重合体である。さらに好ましい還元粘度は、0.20〜0.70dl/gの範囲、最も好ましくは0.40〜0.60の範囲である。
【0012】
ポリフェニレンエーテル系樹脂の具体的な例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、さらに、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合体のようなポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、さらにポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好ましい。
【0013】
本発明で使用する(A)ポリフェニレンエーテルの製造方法の例として、米国特許第3306874号明細書記載の第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒として用い、2,6−キシレノールを酸化重合する方法がある。米国特許第3306875号、同第3257357号および同第3257358号の明細書、特公昭52−17880号および特開昭50−51197号および同63−152628号の各公報等に記載された方法も(A)ポリフェニレンエーテルの製造方法として好ましい。
本発明の(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂は、重合行程後のパウダーのまま用いてもよいし、押出機などを用いて、窒素ガス雰囲気下あるいは非窒素ガス雰囲気下、脱揮下あるいは非脱揮下にて溶融混練することでペレット化して用いてもよい。
【0014】
本発明の(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂は、種々のジエノフィル化合物により官能化されたポリフェニレンエーテルも含まれる。ジエノフィル化合物には、例えば無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、フェニルマレイミド、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンなどの化合物が挙げられる。さらにこれらジエノフィル化合物により官能化する方法としては、ラジカル発生剤存在下あるいは非存在下で押出機などを用い、脱揮下あるいは非脱揮下にて溶融状態で官能化してもよい。あるいはラジカル発生剤存在下あるいは非存在下で、非溶融状態、すなわち室温以上、かつ融点以下の温度範囲で、パウダーが固相状態で、官能化してもよい。この際、ポリフェニレンエーテルの融点は、示差熱走査型熱量計(DSC)の測定において、20℃/分で昇温するときに得られる温度−熱流量グラフで観測されるピークのピークトップ温度で定義され、ピークトップ温度が複数ある場合にはその内の最高の温度で定義される。あるいは、室温以上、ガラス転移温度以下の温度範囲で、パウダーが固相状態で、官能化してもよい。
【0015】
本発明の(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂には、ポリフェニレンエーテル樹脂単独又はポリフェニレンエーテル樹脂と芳香族ビニル系重合体との混合物であり、さらに他の樹脂が混合されたものも含まれる。芳香族ビニル系重合体とは、例えば、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体などが挙げられる。ポリフェニレンエーテル樹脂と芳香族ビニル系重合体との混合物を用いる場合は、ポリフェニレンエーテル樹脂と芳香族ビニル系重合体との合計量に対して、ポリフェニレンエーテル樹脂が70wt%以上、好ましくは80wt%以上、さらに好ましくは90wt%以上である。
【0016】
本発明の(B)液晶ポリエステルはサーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルで、公知のものを使用できる。例えば、p−ヒドロキシ安息香酸およびポリエチレンテレフタレートを主構成単位とするサーモトロピック液晶ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸を主構成単位とするサーモトロピック液晶ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸および4,4′−ジヒドロキシビフェニルならびにテレフタル酸を主構成単位とするサーモトロピック液晶ポリエステルなどが挙げられ、特に制限はない。本発明で使用される(B)液晶ポリエステルとしては、下記構造単位(イ)、(ロ)、および必要に応じて(ハ)および/または(ニ)からなるものが好ましく用いられる。
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】
ここで、構造単位(イ)、(ロ)はそれぞれ、p−ヒドロキシ安息香酸から生成したポリエステルの構造単位と、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸から生成した構造単位である。構造単位(イ)、(ロ)を使用することで、優れた耐熱性、流動性や剛性などの機械的特性のバランスに優れた本発明の熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。上記構造単位(ハ)、(ニ)中のXは、下記(式4)よりそれぞれ任意に1種あるいは2種以上選択することができる。
【0022】
【化6】
【0023】
構造式(ハ)において好ましいのは、エチレングリコール、ハイドロキノン、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノールAそれぞれから生成した構造単位であり、さらに好ましいのは、エチレングリコール、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンであり、特に好ましいのは、エチレングリコール、4,4′−ジヒドロキシビフェニルである。構造式(ニ)において好ましいのは、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ジカルボキシナフタレンそれぞれから生成した構造単位であり、さらに好ましいのは、テレフタル酸、イソフタル酸である。
【0024】
構造式(ハ)および構造式(ニ)は、上記に挙げた構造単位を少なくとも1種あるいは2種以上を併用することができる。具体的には、2種以上併用する場合、構造式(ハ)においては、1)エチレングリコールから生成した構造単位/ハイドロキノンから生成した構造単位、2)エチレングリコールから生成した構造単位/4,4′−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、3)ハイドロキノンから生成した構造単位/4,4′−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、などを挙げることができる。
【0025】
また、構造式(ニ)においては、1)テレフタル酸から生成した構造単位/イソフタル酸から生成した構造単位、2)テレフタル酸から生成した構造単位/2,6−ジカルボキシナフタレンから生成した構造単位、などを挙げることができる。ここでテレフタル酸量は2成分中、好ましくは40wt%以上、さらに好ましくは60wt%以上、特に好ましくは80wt%以上である。テレフタル酸量を2成分中40wt%以上とすることで、比較的に流動性、耐熱性が良好な樹脂組成物となる。液晶ポリエステル(B)成分中の構造単位(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の使用分割は特に限定されない。ただし、構造単位(ハ)と(ニ)は基本的にほぼ等モル量となる。
【0026】
また、構造単位(ハ)、(ニ)からなる構造単位(ホ)を、(B)成分中の構造単位として使用することもできる。具体的には、1)エチレングリコールとテレフタル酸から生成した構造単位、2)ハイドロキノンとテレフタル酸から生成した構造単位、3)4,4′−ジヒドロキシビフェニルとテレフタル酸から生成した構造単位、4)4,4′−ジヒドロキシビフェニルとイソフタル酸から生成した構造単位、5)ビスフェノールAとテレフタル酸から生成した構造単位、などを挙げることができる。
【0027】
【化7】
【0028】
本発明の(B)液晶ポリエステル成分には、必要に応じて本発明の特徴と効果を損なわない程度の少量の範囲で、他の芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸から生成する構造単位を導入することができる。本発明の(B)成分の溶融時での液晶状態を示し始める温度(以下、液晶開始温度という)は、好ましくは150〜350℃、さらに好ましくは180〜320℃である。液晶開始温度をこの範囲にすることは、得られる樹脂組成物を好ましい色調と耐熱性と成形加工性バランスの良いものとする。
【0029】
本発明の(B)液晶ポリエステル成分の25℃、1MHzにおける誘電正接(tanδ)は、好ましくは0.03以下であり、さらに好ましくは0.025以下である。この誘電正接の値が小さければ小さいほど、誘電損失は小さくなり、この樹脂組成物を電気・電子部品の原料として用いる時、発生する電気的ノイズが抑制され好ましい。特に25℃、高周波数領域下、すなわち1〜10GHz領域において、誘電正接(tanδ)は、好ましくは0.03以下であり、さらに好ましくは0.025以下である。
【0030】
本発明の(B)液晶ポリエステル成分の見かけの溶融粘度(液晶開始温度+30℃でずり速度100/秒)は、好ましくは10〜3,000Pa・s、さらに好ましくは10〜2,000Pa・s、特に好ましくは10〜1,000Pa・sである。見かけの溶融粘度をこの範囲にすることは、得られる組成物の流動性を好ましいものとする。本発明の(B)成分の溶融状態(液晶状態)における熱伝導率は、好ましくは0.1〜2.0W/mK、さらに好ましくは0.2〜1.5W/mK、特に好ましくは0.3〜1.0W/mKである。溶融状態(液晶状態)での熱伝導率をこの範囲にすることで、得られる組成物の射出成形サイクルを比較的短縮化することができる。
【0031】
本発明における(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂の配合量は、70〜99重量部で、好ましくは80〜99重量部で、さらに好ましくは85〜95重量部である。この配合量が99重量部より多いと、流動性が大きく低下してしまう。この配合量が70重量部より少ないと、電気特性が低下し、比重が大きくなってしまう。
本発明における(B)成分の液晶ポリエステルの配合量は、1〜30重量部で、好ましくは1〜20重量部で、さらに好ましくは3〜10重量部である。この配合量が30重量部より多いと、電気特性が特性の低下を招く。この配合量が1重量部より少ないと、十分な流動性と耐衝撃性と剛性が得られない。
【0032】
本発明において、(A)ポリフェニレンエ−テル系樹脂、(B)液晶ポリエステルの各々の300℃における溶融粘度は、下式1、2を同時に満足するものである。
0.0060≦Pb/Pa≦0.20…(式1)
0.0050≦Qb/Qa≦0.15…(式2)
Pa:ずり速度1000s-1でのポリフェニレンエーテル系樹脂の溶融粘度(Pa・s)
Pb:ずり速度1000s-1での液晶ポリエステルの溶融粘度(Pa・s)
Qa:ずり速度100s-1でのポリフェニレンエーテル系樹脂の溶融粘度(Pa・s)
Qb:ずり速度100s-1での液晶ポリエステルの溶融粘度(Pa・s)
Pb/Paは、0.0060以上、0.20以下であり、0.0060以上、0.1以下がより好ましく、0.0060以上0.07以下が特により好ましい。この値が0.0060より小さいか、あるいは0.20より大きいと、二酸化炭素による可塑化効果が小さい。
【0033】
ここで本発明における二酸化炭素可塑化効果について説明する。二酸化炭素可塑化効果(ΔE%)とは、次式で与えられ、その値が大きい方が、二酸化炭素可塑化効果に優れることを意味する。
ΔE%={(二酸化炭素を注入しない際の射出ゲージ圧)−(充填二酸化炭素圧12MPaでの射出ゲージ圧)}/(二酸化炭素を注入しない際の射出ゲージ圧)×100
【0034】
成形時、二酸化炭素を注入することにより、樹脂が可塑化され、その溶融粘度が低下し、成形時の射出圧および射出ゲージ圧を下げることができる。従って、二酸化炭素可塑化効果に優れることは、成形時のシェア発熱を抑制でき、成形品の成形ひずみを小さくすることができ、さらにシリンダー設定温度を下げることができ、すなわち樹脂の分解や架橋反応や着色反応を極力を抑制することができ、好ましいものである。これらの二酸化炭素可塑化効果は、特にポリフェニレンエ−テル系樹脂のように、成形加工温度と分解温度が近い樹脂にとって、非常に重要かつ有用な性質である。
Qb/Qaは、0.0050以上、0.15以下であり、0.0055以上、0.14以下がより好ましく、0.0060以上、0.13以下が特により好ましい。この値が0.0050より小さいか、あるいは0.15より大きいと、二酸化炭素による可塑化効果が小さい。
【0035】
本発明における(C)無機充填剤とは、強度付与剤として、ガラス繊維、金属繊維、チタン酸カリウム、炭素繊維、炭化ケイ素、セラミック、窒化ケイ素、マイカ、ネフェリンシナイト、タルク、ウオラストナイト、スラグ繊維、フェライト、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ガラスバルーン、石英、石英ガラスなどの無機化合物があげられる。中でも、流動性、耐熱性、機械特性、のバランスからガラス繊維、炭素繊維が好ましく用いられ、さらに好ましくはガラス繊維が用いられる。これら無機系の充填剤の形状は限定されるものではなく、繊維状、板状、球状などが任意に選択できる。
【0036】
また、これらの無機系の充填剤は、2種類以上併用することも可能である。また、必要に応じて、シラン系、チタン系などのカップリング剤で予備処理して使用することができる。
また(C)無機充填剤の配合量は、成分(A)と成分(B)の合計100重量部に対して、0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは2〜20重量部である。この配合量が0.1より少ないと、十分な剛性と耐熱性が得られにくい。また50重量部より多いと、十分な流動性が得られにくい。
【0037】
本発明では、上記の成分の他に、本発明の特徴および効果を損なわない範囲で必要に応じて他の附加的成分、例えば、酸化防止剤、難燃剤(有機リン酸エステル系化合物、シリコン化合物、フォスファゼン化合物、籠状シルセスキオキサン化合物等)、エラストマー、可塑剤(オイル、低分子量ポリエチレン、エポキシ化大豆油、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)、難燃助剤、耐候(光)性改良剤、ポリオレフィン用造核剤、スリップ剤、各種着色剤、離型剤等を添加してもかまわない。
【0038】
本発明の樹脂組成物は種々の方法で製造することができる。例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等による加熱溶融混練方法が挙げられるが、中でも二軸押出機を用いた溶融混練方法が最も好ましい。この際の溶融混練温度は特に限定されるものではないが、通常150〜350℃の中から任意に選ぶことができる。
このようにして得られる本発明の樹脂組成物は、従来より公知の種々の方法、例えば、射出成形、押出成形、中空成形により各種部品の成形体として成形できる。
【0039】
本発明の成形品は、ポリフェニレンエ−テル系樹脂をマトリックスとし、流動方向断面において表層から深さ30μmにおける液晶ポリエステル粒子のアスペクト比が4以上である割合が60%以上であり、かつ中心部30μmにおける液晶ポリエステル粒子のアスペクト比が4未満である割合が60%以上である。ここで、液晶ポリエステル粒子のアスペクト比とは、成形品の流動方向断面の電子顕微鏡像において、液晶ポリエステル粒子の長径のうち最大のものと、短径のうち最大のものの比である。また表層から深さ30μmにおける液晶ポリエステル粒子のアスペクト比の割合は、電子顕微鏡像において、任意に30個の粒子を選び、各々アスペクト比を求め、4以上であるものの割合を求める。本発明において、これらの割合は、流動性、二酸化炭素可塑化効果、耐衝撃性、耐熱性などのバランスの観点から、60%以上が好ましく、さらに70%以上、特には80%以上がより好ましい。
【0040】
また中心部30μmにおける液晶ポリエステル粒子のアスペクト比の割合は、成形品の厚み方向の中心部を切削し、電子顕微鏡像において、任意に30個の粒子を選び、各々アスペクト比を求め、4未満であるものの割合を求める。本発明において、これらの割合は、流動性、二酸化炭素可塑化効果、耐衝撃性、耐熱性などのバランスの観点から、60%以上が好ましく、さらに70%以上、特には80%以上がより好ましい。
また本発明の成形品を得るためには、前述したように、ポリフェニレンエ−テル系樹脂と液晶ポリエステルを特定の割合に配合し、さらに、ポリフェニレンエ−テル系樹脂と液晶ポリエステルの溶融粘度比を特定の範囲に規定した樹脂組成物を用いることが、より好ましい。
【0041】
これら成形品は、特に難燃性が要求される用途、例えば、自動車用耐熱部品あるいは事務機器用耐熱部品に好適である。自動車用耐熱部品は例えば、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウウォッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケースなどの部品、ホイールキャップ、ランプソケット、ランプハウジング、ランプエクステンション、ランプリフレクターなどが好適である。中でも軽量性、耐熱性、難燃性、機械特性のバランスからランプエクステンション、ランプリフレクターが好適である。また、事務機器用耐熱部品は、例えば、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品などに好適である。
【0042】
本発明を以下、実施例に基づいて説明する。但し本発明はその主旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
製造例1:ポリフェニレンエーテル(PPE−1)の製造例
2,6−ジメチルフェノールを酸化重合して得たポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算のポリフェニレンエーテル系樹脂の重量平均分子量、数平均分子量は各々Mw=39,200、Mn=20,600であった。300℃において、ずり速度1,000s-1における溶融粘度は、624Pa・s、ずり速度100s-1における溶融粘度は、2,420Pa・sであった。
【0043】
製造例2:ポリフェニレンエーテル(PPE−2)の製造例
2,6−ジメチルフェノールを酸化重合して得たポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)
GPCにより求められた重量平均分子量、数平均分子量は各々、Mw=40,500、Mn=16,800であった。300℃において、ずり速度1,000s-1における溶融粘度は、1,210Pa・s、ずり速度100s-1における溶融粘度は、4,040Pa・sであった。
【0044】
製造例3:ポリフェニレンエーテル(PPE−3)の製造例
2,6−ジメチルフェノールを酸化重合して得たポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)
GPCにより求められた重量平均分子量、数平均分子量は各々、Mw=51,400、Mn=21,700であった。300℃において、ずり速度1,000s-1における溶融粘度は、1,610Pa・s、ずり速度100s-1における溶融粘度は、4,840Pa・sであった。
【0045】
製造例4:ポリフェニレンエーテル(PPE−4)の製造例
2、6−ジメチルフェノールを酸化重合して得たポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)
GPCにより求められた重量平均分子量、数平均分子量は各々、Mw=21,400、Mn=12,000であった。300℃において、ずり速度1,000s-1における溶融粘度は、132Pa・s、ずり速度100s-1における溶融粘度は、465Pa・sであった。
【0046】
製造例5:ポリフェニレンエーテル(PPE−5)の製造例
2、6−ジメチルフェノールを酸化重合して得たポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)
GPCにより求められた重量平均分子量、数平均分子量は各々、Mw=90,000、Mn=27,100であった。300℃において、ずり速度1,000s-1における溶融粘度は、5,100Pa・s、ずり速度100s-1における溶融粘度は、16,000Pa・sであった。
【0047】
製造例6:液晶ポリエステル(LCP−1)の製造例
窒素雰囲気下において、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、無水酢酸を仕込み、加熱溶融し、重縮合することにより、以下の理論構造式を有する液晶ポリエステル(LCP−1)を得た。なお、組成の成分比はモル比を表す。
【0048】
【化8】
300℃において、ずり速度1,000s-1における溶融粘度は、28Pa・s、ずり速度100s-1における溶融粘度は、75Pa・sであった。
【0049】
製造例7:液晶ポリエステル(LCP−2)の製造例
窒素雰囲気下において、p−ヒドロキシ安息香酸、ポリエチレンテレフタレート、無水酢酸を仕込み、加熱溶融し、重縮合することにより、以下の理論構造式を有する液晶ポリエステル(LCP−2)を得た。なお組成の成分比はモル比を表す。
【0050】
【化9】
300℃において、ずり速度1,000s-1における溶融粘度は、9.7Pa・s、ずり速度100s-1における溶融粘度は、32Pa・sであった。
【0051】
製造例8:液晶ポリエステル(LCP−3)の製造例
窒素雰囲気下において、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、ハイドロキノン、イソフタル酸、無水酢酸を仕込み、加熱溶融し、重縮合することにより、以下の理論構造式を有する液晶ポリエステル(LCP−3)を得た。なお組成の成分比はモル比を表す。
【0052】
【化10】
300℃において、ずり速度1,000s-1における溶融粘度は、40Pa・s、ずり速度100s-1における溶融粘度は、300Pa・sであった。
【0053】
各樹脂組成物の成形と物性評価を、以下の方法に従って実施した。
(1)溶融粘度測定
ツイン・キャピラリーレオメーター(ロザンド社製、RH7−2型)を用い、ロングオリフィス径1mm、長さ16mm、ショートオリフィス径1mm、長さ0.75mm、シリンダー設定温度300℃にて、各ずり速度における溶融粘度を測定した。
【0054】
(2)成形
得られたペレットを、シリンダー温度330/330/320/310℃、射速85%、金型温度90℃に設定した射出成形機[IS−80EPN:東芝機械(株)社製]を用いて成形を行った。ただし、比較例1と比較例3の厚さ1.6mmのたんざく試験片については、最大射出ゲージ圧13MPaにしてもショートしたので、金型温度140℃に設定して成形を実施した。
また比較例4における成形は、シリンダー温度300/300/290/280℃、射速85%、金型温度70℃に設定して成形を行い、比較例5における成形は、シリンダー温度275/275/265/255℃、射速60%、金型温度70℃に設定して成形を行った。
【0055】
(3)流動性
得られたペレットを、上記(2)の成形条件にて、厚さ1.6mmのASTMタンザク試験片を成形するに際し、1mmショートするときのゲージ圧力を測定した。この圧力をSSP(MPa)(「Short Shot Pressure」を略した。)とし、この値が小さいほど流動性に優れる。
【0056】
(4)二酸化炭素可塑化効果
得られたペレットを、シリンダー温度330/330/320/310℃、金型温度90℃に設定した射出成形機[「TR50S2A」、ソディックプラステック(株)社製]を用いて二酸化炭素可塑化実験を実施した。ここで、射出成形の1次充填量は、金型キャビティの製品部分がほぼ充填され、試験片の流動末端部のタブ部がぎりぎり欠落する状態となるように計量位置、保圧切り替え位置を設定した。ここで保圧切り替え位置とは、1次充填工程から保圧工程に切り替わる位置である。
【0057】
また、1次充填の射出速度は、計量位置から保圧切り替え位置までの間の射出速度であり、50mm/secとした。また、各材料試験片の圧力状態を均一にするため、保圧力は射出充填圧の70%とし、保圧時間3秒、冷却時間20秒を成形時の標準条件とした。射出ゲージ圧は、ISO規格ダンベル試験片(厚み4mm)の成形時、1次充填時の射出充填圧を測定することとし、成形機モニターの表示値を読み取った。シリンダーの中間部にセットした二酸化炭素用ノズルとシリンダーとの近接部に圧力計を設け、充填二酸化炭素圧を測定した。
ΔE%={(二酸化炭素を注入しない際の射出ゲージ圧)−(充填二酸化炭素圧12MPaでの射出ゲージ圧)}/(二酸化炭素を注入しない際の射出ゲージ圧)×100
この値が大きいことは、二酸化炭素可塑化効果が大きいことを意味する。
【0058】
(5)電気特性
上記(2)の成形条件にて、50×90×2mmの平板を成形した。JIS−K6911に準拠した試験方法により、誘電率と誘電正接を測定した。測定雰囲気の温度は22℃、測定周波数は1MHzであった。いずれもその値が小さいほど、信号伝搬速度が速く、誘電損失が少なく、優れた電気特性といえる。
(6)耐衝撃性
ASTM D256に準拠した厚み3.2mmの成形片に成形した。得られた成形片を用いて、ノッチ付きアイゾット衝撃強さを測定した。「Izod」と略すことがある。
(7)耐熱性(DTUL)
厚み3.2mm×長さ127mm×幅12.7mmのASTMタンザク試験片に成形した。得られた成形片を用いて、ASTM D648に準拠し、1.82MPa荷重下での荷重たわみ温度を測定した。
【0059】
(8)難燃性
(平均燃焼時間)
厚み1.6mm×長さ127mm×幅12.7mmのASTMタンザク試験片に成形し、Underwriters LaboratoriesのUL−94垂直燃焼試験に基ずき、燃焼試験を実施した。すなわち、5本の試験片について燃焼試験を実施し、10秒間の接炎後、炎を離してから炎が消えるまでの燃焼時間をt1(秒)とし、再び10秒間の接炎後、炎を離してから炎が消えるまでの燃焼時間をt2(秒)とし、各5本について、t1とt2の平均燃焼時間を求めた。
(滴下の有無)
上記燃焼試験時、各5本のt1とt2、すなわちあわせて10点のうち、1点でも滴下があるか否かを判断した。
○:10点とも滴下のなかったもの。
×:1点でも滴下のあったもの。
【0060】
(9)剛性
オートグラフ(AG−5000、島津製作所(株)社製)、厚み3.2mmのASTMタンザク試験片を用い、スパン間50mm、試験速度3mm/minで曲げ試験を実施し、曲げ弾性率(FM)及び曲げ強度(FS)を測定した。
【0061】
(10)モルフォロジー観察
上記(2)条件で成形された3.2mm厚みのASTMたんざく試験片の中央部あたりの厚み方向の表層部(表層から30μmの領域。「スキン層」と略すことがある。)と中心部(中心部30μmの領域。「コア層」と略すことがある。)をそれぞれ流動方向に観察した。測定機器は日本電子(株)製JEM―2010を用い、加速電圧100V、切片厚み100nm、染色せずに、TEM観察を行った。スキン層の液晶ポリエステル粒子を任意に30個選択し、アスペクト比が4以上の割合を求めた。さらに、コア層の液晶ポリエステル粒子を任意に30個選択し、アスペクト比が4未満の割合を求めた。さらに、スキン層の上記で選択した30個の液晶ポリエステル粒子の長径の平均値を求めた。
【0062】
【実施例1、2、4〜6、8、9】
ポリフェニレンエーテル(PPE−1またはPPE−2またはPPE−3)と液晶ポリエステル(LCP−1またはLCP−2またはLCP−3)を、表1に示す割合(重量部)で、250〜310℃に設定したベントポート付き二軸押出機(ZSK−25;WERNER&PFLEIDERER社製)を用いて溶融混練し、ペレットとして得た。このペレットを用い、上に示した方法により、成形加工し、物性評価及びモルフォロジー観察を実施した。その結果を表1に示した。
実施例1の1.6mm厚みのたんざく試験片において、上記(10)と同様の条件にてモルフォロジーを観察したところ、スキン層のアスペクト比4以上の割合は、95%であり、コア層のアスペクト比4未満の割合は、100%であった。スキン層の平均粒子長径は、9.0μmであった。
【0063】
【実施例3、7、10】
ガラス繊維(マイクログラスRES03−TP30、日本硝子繊維社製)を表1に示す割合(重量部)でサイドフィードしながら添加したこと以外は、実施例1と同様に実施し、ペレットを得、上に示した方法により、成形加工し、物性評価及びモルフォロジー観察を実施した。その結果を表1に示した。
【0064】
【実施例11】
液晶ポリエステル2種類(LCP−1とLCP−2)を併用すること以外は、実施例1と同様に実施し、ペレットを得、上に示した方法により、成形加工し、物性評価及びモルフォロジー観察を実施した。その結果を表1に示した。
【0065】
【実施例12】
ポリフェニレンエーテル系樹脂としてポリフェニレンエーテル(PPE−1)とハイインパクトポリスチレン(H9405、A&M社製、「HIPS」と略すことがある。)を用いること以外は、実施例2と同様に実施し、ペレットを得、上に示した方法により、成形加工し、物性評価及びモルフォロジー観察を実施した。その結果を表1に示した。
【0066】
【比較例1】
ポリフェニレンエーテル(PPE−1)のみを原料として用いたこと以外は、実施例1と同様に実施し、上に示した方法により、成形加工し、物性評価を実施し、その結果を表2に示した。
【0067】
【比較例2】
ポリフェニレンエーテル(PPE−1)の代わりにポリフェニレンエーテル(PPE−4)を用いたこと以外は実施例1と同様に実施し、ペレットを得、上に示した方法により、成形加工し、物性評価及びモルフォロジー観察を実施した。その結果を表2に示した。
【0068】
【比較例3】
ポリフェニレンエーテル(PPE−1)の代わりにポリフェニレンエーテル(PPE−5)を用いたこと以外は実施例1と同様に実施し、ペレットを得、上に示した方法により、成形加工し、物性評価及びモルフォロジー観察を実施した。その結果を表2に示した。
【0069】
【比較例4】
ポリフェニレンエーテル(PPE−1)の代わりにポリカーボネート(旭化成製、300℃において、ずり速度1,000s-1における溶融粘度は、410Pa・s、ずり速度100s-1における溶融粘度は、480Pa・sであった。表中「PC」と略す。)を用いたこと以外は実施例1と同様に実施し、ペレットを得、上に示した方法により、成形加工し、物性評価及びモルフォロジー観察を実施した。その結果を表2に示した。
【0070】
【比較例5】
液晶ポリエステル(LCP−1)のみを原料として用いたこと以外は、実施例1と同様に実施し、上に示した方法により、成形加工し、物性評価を実施し、その結果を表2に示した。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【発明の効果】
本発明により、流動性、電気特性、耐衝撃性、耐熱性、難燃性、剛性バランスに優れ、特に二酸化炭素による可塑化効果及び電気特性にきわめて優れる樹脂組成物を提供することが可能となった。
Claims (2)
- (A)ポリフェニレンエーテル系樹脂70〜99重量部および(B)液晶ポリエステル1〜30重量部とからなり、(A)および(B)の300℃における溶融粘度が下式(1)および(2)を満足することを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
0.0060≦Pb/Pa≦0.20…(1)
0.0050≦Qb/Qa≦0.15…(2)
Pa:ずり速度1000s-1でのポリフェニレンエーテル系樹脂の溶融粘度(Pa・s)
Pb:ずり速度1000s-1での液晶ポリエステルの溶融粘度(Pa・s)
Qa:ずり速度100s-1でのポリフェニレンエーテル系樹脂の溶融粘度(Pa・s)
Qb:ずり速度100s-1での液晶ポリエステルの溶融粘度(Pa・s) - (A)と(B)の合計100重量部に対して、(C)無機充填剤が0.1〜50重量部添加されることを特徴とする請求項1に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
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