JPH05239322A - 液晶ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
液晶ポリエステル樹脂組成物Info
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- JPH05239322A JPH05239322A JP4042594A JP4259492A JPH05239322A JP H05239322 A JPH05239322 A JP H05239322A JP 4042594 A JP4042594 A JP 4042594A JP 4259492 A JP4259492 A JP 4259492A JP H05239322 A JPH05239322 A JP H05239322A
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- crystal polyester
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- resin composition
- polyester resin
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Abstract
(57)【要約】
【目的】液晶ポリエステルの優れた耐熱性、機械的物性
が保持され、成形品の耐衝撃性や成形加工性が改良さ
れ、かつ安価な液晶ポリエステル樹脂組成物を提供す
る。 【構成】(A)ポリフェニレンエーテル、(B)液晶ポ
リエステル、および(C)フェニルエーテル型オイルお
よび/またはホワイトオイルからなり、成分(A)が1
〜75重量%、成分(B)が99〜25重量%であり、
成分(A)と成分(B)の合計量100重量部に対して
成分(C)が0.1〜30重量部である液晶ポリエステ
ル樹脂組成物。
が保持され、成形品の耐衝撃性や成形加工性が改良さ
れ、かつ安価な液晶ポリエステル樹脂組成物を提供す
る。 【構成】(A)ポリフェニレンエーテル、(B)液晶ポ
リエステル、および(C)フェニルエーテル型オイルお
よび/またはホワイトオイルからなり、成分(A)が1
〜75重量%、成分(B)が99〜25重量%であり、
成分(A)と成分(B)の合計量100重量部に対して
成分(C)が0.1〜30重量部である液晶ポリエステ
ル樹脂組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形や押出成形な
どにより、成形品などに利用できる耐熱性、成形加工
性、機械的物性、特に耐衝撃性などに優れた新規な液晶
ポリエステル樹脂組成物に関するものである。
どにより、成形品などに利用できる耐熱性、成形加工
性、機械的物性、特に耐衝撃性などに優れた新規な液晶
ポリエステル樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶ポリエステルは、ポリエチレンテレ
フタレートやポリブチレンテレフタレートのような結晶
性ポリエステルと異なり、分子が剛直なため溶融状態で
も絡み合いを起こさず、液晶状態を有するポリドメイン
を形成し、低剪断により分子鎖が流れ方向に著しく配向
する挙動を示し、一般に溶融型液晶(サーモトロピック
液晶)ポリマーと呼ばれている。この特異的な挙動のた
め、溶融流動性が極めて優れ、0.2〜0.5mm程度
の薄肉成形品を容易に得ることができ、しかもこの成形
品は高強度、高剛性を示すという長所を有している。し
かし、耐衝撃性に劣り、また成形加工温度が高いため用
途が限られていた。また、液晶ポリエステルは一般に高
価であることも問題であった。
フタレートやポリブチレンテレフタレートのような結晶
性ポリエステルと異なり、分子が剛直なため溶融状態で
も絡み合いを起こさず、液晶状態を有するポリドメイン
を形成し、低剪断により分子鎖が流れ方向に著しく配向
する挙動を示し、一般に溶融型液晶(サーモトロピック
液晶)ポリマーと呼ばれている。この特異的な挙動のた
め、溶融流動性が極めて優れ、0.2〜0.5mm程度
の薄肉成形品を容易に得ることができ、しかもこの成形
品は高強度、高剛性を示すという長所を有している。し
かし、耐衝撃性に劣り、また成形加工温度が高いため用
途が限られていた。また、液晶ポリエステルは一般に高
価であることも問題であった。
【0003】そこで、液晶ポリエステルに非晶性の高分
子を配合することにより液晶ポリエステルの成形加工
性、強度を改良することを目的とした試みとして、特開
昭56−115357号公報に液晶ポリエステルにポリ
フェニレンエーテルなどの重合体を配合した樹脂組成物
が記載されている。また特開平2−97555号公報に
ハンダ耐熱性を向上させる目的で液晶ポリエステルに各
種のポリアリーレンオキサイドを配合した樹脂組成物が
記載されている。しかしながら、一般に成形温度の高い
液晶ポリエステルに、それより成形温度の低いポリフェ
ニレンエーテルなどの非晶性高分子を配合してなる組成
物は、組成物の溶融加工性は向上しても、高温での成形
加工の際の配合樹脂の熱分解のために成形品の外観不良
が生じるという問題があった。また、該組成物の耐熱
性、機械的物性、耐衝撃性などが不十分という問題点が
あった。
子を配合することにより液晶ポリエステルの成形加工
性、強度を改良することを目的とした試みとして、特開
昭56−115357号公報に液晶ポリエステルにポリ
フェニレンエーテルなどの重合体を配合した樹脂組成物
が記載されている。また特開平2−97555号公報に
ハンダ耐熱性を向上させる目的で液晶ポリエステルに各
種のポリアリーレンオキサイドを配合した樹脂組成物が
記載されている。しかしながら、一般に成形温度の高い
液晶ポリエステルに、それより成形温度の低いポリフェ
ニレンエーテルなどの非晶性高分子を配合してなる組成
物は、組成物の溶融加工性は向上しても、高温での成形
加工の際の配合樹脂の熱分解のために成形品の外観不良
が生じるという問題があった。また、該組成物の耐熱
性、機械的物性、耐衝撃性などが不十分という問題点が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、液晶ポリエ
ステルの優れた耐熱性、機械的物性を保持し、成形品の
耐衝撃性や成形加工性が改良され、かつ安価な液晶ポリ
エステル樹脂組成物を提供するものである。
ステルの優れた耐熱性、機械的物性を保持し、成形品の
耐衝撃性や成形加工性が改良され、かつ安価な液晶ポリ
エステル樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決するため鋭意検討の結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は(A)ポリフェニレンエーテ
ル、(B)液晶ポリエステル、および(C)芳香族系オ
イルおよびホワイトオイルからなる群から選ばれた少な
くとも1種のオイルからなり、成分(A)が1〜75重
量%、成分(B)が99〜25重量%であり、成分
(A)と成分(B)の合計量100重量部に対して成分
(C)が0.1〜30重量部である液晶ポリエステル樹
脂組成物に関するものである。本発明における成分
(A)のポリフェニレンエーテルとは一般式 化1
問題点を解決するため鋭意検討の結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は(A)ポリフェニレンエーテ
ル、(B)液晶ポリエステル、および(C)芳香族系オ
イルおよびホワイトオイルからなる群から選ばれた少な
くとも1種のオイルからなり、成分(A)が1〜75重
量%、成分(B)が99〜25重量%であり、成分
(A)と成分(B)の合計量100重量部に対して成分
(C)が0.1〜30重量部である液晶ポリエステル樹
脂組成物に関するものである。本発明における成分
(A)のポリフェニレンエーテルとは一般式 化1
【0006】
【化1】 (式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 およびR5 はそれぞれ
独立に水素,ハロゲン原子,炭素数1〜6の炭化水素基
および炭素数1〜8の置換炭化水素基からなる群から選
ばれたものであり、そのうち、少なくとも1個は水素原
子であり、少なくとも1個は水素原子ではない。)で示
されるフェノール化合物の少なくとも1種を酸化カップ
リング触媒を用い、酸素または酸素含有ガスで酸化重合
させて得られる重合体である。
独立に水素,ハロゲン原子,炭素数1〜6の炭化水素基
および炭素数1〜8の置換炭化水素基からなる群から選
ばれたものであり、そのうち、少なくとも1個は水素原
子であり、少なくとも1個は水素原子ではない。)で示
されるフェノール化合物の少なくとも1種を酸化カップ
リング触媒を用い、酸素または酸素含有ガスで酸化重合
させて得られる重合体である。
【0007】上記一般式におけるR1 ,R2 ,R3 ,R
4 およびR5 の具体例としては、それぞれ独立に水素、
塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、メチル、エチル、n−ま
たはiso−プロピル、pri−、sec−またはt−
ブチル、クロロエチル、ヒドロキシエチル、フェニルエ
チル、ベンジル、ヒドロキシメチル、カルボキシエチ
ル、メトキシカルボニルエチル、シアノエチル、フェニ
ル、クロロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニ
ル、エチルフェニル、アリル基などからなる群から選ば
れたものが挙げられる。
4 およびR5 の具体例としては、それぞれ独立に水素、
塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、メチル、エチル、n−ま
たはiso−プロピル、pri−、sec−またはt−
ブチル、クロロエチル、ヒドロキシエチル、フェニルエ
チル、ベンジル、ヒドロキシメチル、カルボキシエチ
ル、メトキシカルボニルエチル、シアノエチル、フェニ
ル、クロロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニ
ル、エチルフェニル、アリル基などからなる群から選ば
れたものが挙げられる。
【0008】上記一般式の具体例としては、o−または
m−クレゾール、2,6−、2,5−、または3,5−
ジメチルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノ
ール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジエチ
ルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、
2,3,5−または2,3,6−トリメチルフェノー
ル、3−メチル−6−t−ブチルフェノール、チモー
ル、2−メチル−6−アリルフェノールなどが挙げられ
る。これらの化合物の中で好ましいものとしては、2,
6−ジメチルフェノール、2,6−ジフェニルフェノー
ル、3−メチル−6−t−ブチルフェノールおよび2−
メチル−6−アリルフェノールが挙げられる。特に2,
6−ジメチルフェノールが好ましい。
m−クレゾール、2,6−、2,5−、または3,5−
ジメチルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノ
ール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジエチ
ルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、
2,3,5−または2,3,6−トリメチルフェノー
ル、3−メチル−6−t−ブチルフェノール、チモー
ル、2−メチル−6−アリルフェノールなどが挙げられ
る。これらの化合物の中で好ましいものとしては、2,
6−ジメチルフェノール、2,6−ジフェニルフェノー
ル、3−メチル−6−t−ブチルフェノールおよび2−
メチル−6−アリルフェノールが挙げられる。特に2,
6−ジメチルフェノールが好ましい。
【0009】本発明の樹脂組成物の成分(A)のポリフ
ェニレンエーテルとして、2,6−ジメチルフェノール
または2,6−ジフェニルフェノールの重合体並びに大
量部の2,6−ジメチルフェノールと小量部の3−メチ
ル−6−t−ブチルフェノールまたは2,3,6−トリ
メチルフェノールとの共重合体が好ましい。特に2,6
−ジメチルフェノールの重合体が好ましい。
ェニレンエーテルとして、2,6−ジメチルフェノール
または2,6−ジフェニルフェノールの重合体並びに大
量部の2,6−ジメチルフェノールと小量部の3−メチ
ル−6−t−ブチルフェノールまたは2,3,6−トリ
メチルフェノールとの共重合体が好ましい。特に2,6
−ジメチルフェノールの重合体が好ましい。
【0010】さらに、本発明の樹脂組成物の成分(A)
のポリフェニレンエーテルとして、上記一般式 化1以
外の小量部のフェノール化合物、たとえばビスフェノー
ル−A、テトラブロモビスフェノール−A、レゾルシ
ン、ハイドロキノン、ノボラック樹脂のような多価ヒド
ロキシ芳香族化合物と上記一般式 化1で示される大量
部のフェノール化合物との共重合体も使用できる。
のポリフェニレンエーテルとして、上記一般式 化1以
外の小量部のフェノール化合物、たとえばビスフェノー
ル−A、テトラブロモビスフェノール−A、レゾルシ
ン、ハイドロキノン、ノボラック樹脂のような多価ヒド
ロキシ芳香族化合物と上記一般式 化1で示される大量
部のフェノール化合物との共重合体も使用できる。
【0011】フェノール化合物を酸化重合させる際に用
いられる酸化カップリング触媒は、特に限定されるもの
ではなく、重合能を有するいかなる触媒でも使用し得
る。たとえば、その代表的なものとしては、塩化第1銅
を含む触媒や二価のマンガン塩類を含む触媒が挙げられ
る。
いられる酸化カップリング触媒は、特に限定されるもの
ではなく、重合能を有するいかなる触媒でも使用し得
る。たとえば、その代表的なものとしては、塩化第1銅
を含む触媒や二価のマンガン塩類を含む触媒が挙げられ
る。
【0012】ポリフェニレンエーテルを得る酸化重合
を、40℃より高い温度で行う場合(高温重合) と40℃以
下で行う場合(低温重合)とでは、得られる重合体の物
性等に違いがあることが知られている。本発明の樹脂組
成物の成分(A)のポリフェニレンエーテルの製法にお
いては、高温重合または低温重合のどちらでも採用する
ことができる。
を、40℃より高い温度で行う場合(高温重合) と40℃以
下で行う場合(低温重合)とでは、得られる重合体の物
性等に違いがあることが知られている。本発明の樹脂組
成物の成分(A)のポリフェニレンエーテルの製法にお
いては、高温重合または低温重合のどちらでも採用する
ことができる。
【0013】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物にお
ける成分(A)のポリフェニレンエーテルに、必要に応
じてスチレングラフトポリフェニレンエーテル、ポリス
チレンなどを添加することもできる。
ける成分(A)のポリフェニレンエーテルに、必要に応
じてスチレングラフトポリフェニレンエーテル、ポリス
チレンなどを添加することもできる。
【0014】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物の成
分(A)のポリフェニレンエーテルの還元粘度ηSP/c
(0.5g/dlのクロロホルム溶液について25℃で
測定した値)は、0.30〜0.65dl/gの範囲が
好ましい。ηSP/cが0.30dl/g未満では組成物
の耐熱性が著しく低下し、またηSP/cが0.65dl
/gを越えると組成物の成形加工性が悪くなり好ましく
ない。
分(A)のポリフェニレンエーテルの還元粘度ηSP/c
(0.5g/dlのクロロホルム溶液について25℃で
測定した値)は、0.30〜0.65dl/gの範囲が
好ましい。ηSP/cが0.30dl/g未満では組成物
の耐熱性が著しく低下し、またηSP/cが0.65dl
/gを越えると組成物の成形加工性が悪くなり好ましく
ない。
【0015】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物の成
分(B)の液晶ポリエステルはサーモトロピック液晶ポ
リマーと呼ばれるポリエステルである。具体的には、 (1)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸との組み合わせからなるもの (2)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸の組み合わせ
からなるもの (3)芳香族ジカルボン酸と核置換芳香族ジオールとの
組み合わせからなるもの (4)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
に芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させたものなどが
挙げられ、400℃以下の温度で異方性溶融体を形成す
るものである。
分(B)の液晶ポリエステルはサーモトロピック液晶ポ
リマーと呼ばれるポリエステルである。具体的には、 (1)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸との組み合わせからなるもの (2)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸の組み合わせ
からなるもの (3)芳香族ジカルボン酸と核置換芳香族ジオールとの
組み合わせからなるもの (4)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
に芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させたものなどが
挙げられ、400℃以下の温度で異方性溶融体を形成す
るものである。
【0016】なお、これらの芳香族ジカルボン酸、芳香
族ジオールおよび芳香族ヒドロキシカルボン酸の代わり
に、それらのエステル形成性誘導体が使用されることも
ある。該液晶ポリエステルの繰返し構造単位としては下
記のものを例示することができるが、これらに限定され
るものではない。 芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:
族ジオールおよび芳香族ヒドロキシカルボン酸の代わり
に、それらのエステル形成性誘導体が使用されることも
ある。該液晶ポリエステルの繰返し構造単位としては下
記のものを例示することができるが、これらに限定され
るものではない。 芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】 芳香族ジオールに由来する繰返し構造単位:
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】 芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し構造単
位:
位:
【0021】
【化6】 耐熱性、機械的特性、加工性のバランスから特に好まし
い液晶ポリエステルは
い液晶ポリエステルは
【0022】
【化7】 なる繰り返し構造単位を含むものであり、具体的には繰
り返し構造単位の組み合わせが下記(I)〜(V)のも
のである。
り返し構造単位の組み合わせが下記(I)〜(V)のも
のである。
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】
【化12】 該液晶ポリエステル(I)、(II)、(III)、
(IV)については、それぞれ、例えば特公昭47−4
7870号公報、特公昭63−3888号公報、特公昭
63−3891号公報、特公昭56−18016号公報
などに記載されている。
(IV)については、それぞれ、例えば特公昭47−4
7870号公報、特公昭63−3888号公報、特公昭
63−3891号公報、特公昭56−18016号公報
などに記載されている。
【0028】本発明における成分(C)は芳香族系オイ
ルおよびホワイトオイルからなる群から選ばれた少なく
とも1種のオイルである。ここで、芳香族系オイルと
は、フェニルエーテル型オイル、芳香族系プロセスオイ
ルなどが挙げられる。フェニルエーテル型オイルとはベ
ンゼン環がエーテル結合で結ばれた構造を含む化合物で
ある。フェニルエーテル型オイルとして、具体的には一
般式 化14または一般式 化15で示される化合物が
好ましい。
ルおよびホワイトオイルからなる群から選ばれた少なく
とも1種のオイルである。ここで、芳香族系オイルと
は、フェニルエーテル型オイル、芳香族系プロセスオイ
ルなどが挙げられる。フェニルエーテル型オイルとはベ
ンゼン環がエーテル結合で結ばれた構造を含む化合物で
ある。フェニルエーテル型オイルとして、具体的には一
般式 化14または一般式 化15で示される化合物が
好ましい。
【0029】
【化13】 (式中、mは0〜3の整数であり、いずれのベンゼン環
もそれぞれ独立に1〜2個の炭素数1〜6のアルキル基
で置換されていてもよい。ただし式中のアルキル基の総
数は4個以下が好ましい。)
もそれぞれ独立に1〜2個の炭素数1〜6のアルキル基
で置換されていてもよい。ただし式中のアルキル基の総
数は4個以下が好ましい。)
【0030】
【化14】 (式中、nは1〜3の整数であり、いずれのベンゼン環
もそれぞれ独立に1〜2個の炭素数1〜6のアルキル基
で置換されていてもよい。ただし式中のアルキル基の総
数は4個以下が好ましい。)具体的には、フェニルエー
テル型オイルとして、アルキルジフェニルエーテル、ジ
アルキルテトラフェニルエーテル、ペンタフェニルエー
テル、テトラフェニルエーテルなどが挙げられる。
もそれぞれ独立に1〜2個の炭素数1〜6のアルキル基
で置換されていてもよい。ただし式中のアルキル基の総
数は4個以下が好ましい。)具体的には、フェニルエー
テル型オイルとして、アルキルジフェニルエーテル、ジ
アルキルテトラフェニルエーテル、ペンタフェニルエー
テル、テトラフェニルエーテルなどが挙げられる。
【0031】ホワイトオイルとは特に高度の精製を行っ
た石油留分を称し、ナフテン系炭化水素、パラフィン系
炭化水素またはこれらの混合物からなるものである。ホ
ワイトオイルは、実質的にその他の酸、硫黄含有化合物
等の不純物は含んでいないものが好ましい。
た石油留分を称し、ナフテン系炭化水素、パラフィン系
炭化水素またはこれらの混合物からなるものである。ホ
ワイトオイルは、実質的にその他の酸、硫黄含有化合物
等の不純物は含んでいないものが好ましい。
【0032】本発明における成分(C)として、JIS
規格K−2283に基づく、37.8℃の粘度(SUS
Second)が40〜400の芳香族系オイルおよ
びホワイトオイルが好ましく用いられる。粘度がこの範
囲外である場合には、組成物の溶融流動性が不十分であ
ったり、組成物の力学的性質の低下が著しいので適当で
はない。これらのオイルの中では芳香族系オイルが好ま
しい。芳香族系オイルの中ではフェニルエーテル型オイ
ルが特に好ましい。
規格K−2283に基づく、37.8℃の粘度(SUS
Second)が40〜400の芳香族系オイルおよ
びホワイトオイルが好ましく用いられる。粘度がこの範
囲外である場合には、組成物の溶融流動性が不十分であ
ったり、組成物の力学的性質の低下が著しいので適当で
はない。これらのオイルの中では芳香族系オイルが好ま
しい。芳香族系オイルの中ではフェニルエーテル型オイ
ルが特に好ましい。
【0033】本発明の成分(C)として適当な芳香族系
オイルは多種類市販されている。特にフェニルエーテル
型オイルとして、松村石油(株)製のモレスコハイルー
ブLB−100(商品名、以下同じ)、モレスコハイル
ーブLB−15、S−3101、S−3102、S−3
103、S−3105、S−3230などが挙げられ
る。本発明の成分(C)として適当なホワイトオイルは
多種類市販されている。例えば、日本石油(株)製のハ
イホワイト120(商品名、以下同じ)、ウィトコ・ケ
ミカル社製のケイドール、グローリア、プロトール、エ
ルボール、ブランドール、カーネーション、クリアロー
ル、オルゾール、ブリトール、ルドール、ベノール、エ
ッソスタンダードオイル社製のクリストール、ユニオン
石油(株)製のユニコ、出光石油化学(株)製のダフニ
オイルなどが挙げられる。ただし、本発明の成分(C)
はこれらの商品に限定されるものではない。
オイルは多種類市販されている。特にフェニルエーテル
型オイルとして、松村石油(株)製のモレスコハイルー
ブLB−100(商品名、以下同じ)、モレスコハイル
ーブLB−15、S−3101、S−3102、S−3
103、S−3105、S−3230などが挙げられ
る。本発明の成分(C)として適当なホワイトオイルは
多種類市販されている。例えば、日本石油(株)製のハ
イホワイト120(商品名、以下同じ)、ウィトコ・ケ
ミカル社製のケイドール、グローリア、プロトール、エ
ルボール、ブランドール、カーネーション、クリアロー
ル、オルゾール、ブリトール、ルドール、ベノール、エ
ッソスタンダードオイル社製のクリストール、ユニオン
石油(株)製のユニコ、出光石油化学(株)製のダフニ
オイルなどが挙げられる。ただし、本発明の成分(C)
はこれらの商品に限定されるものではない。
【0034】本発明においては、成分(A)、成分
(B)および成分(C)の組成比が特定の範囲内の値を
とることによって、目的とする液晶ポリエステル樹脂組
成物を得ることができる。本発明において成分(A)が
1〜75重量%、成分(B)が99〜25重量%であ
り、成分(A)と成分(B)の合計量100重量部に対
して成分(C)が0.1〜30重量部添加されているこ
とが好ましい。成分(A)が1重量%未満では組成物の
流動開始温度が高過ぎ、コスト的に利点が少なく、また
75重量%を越えると組成物の耐熱性、強度などが不十
分になり好ましくない。成分(C)が0.1重量部未満
であると組成物の耐衝撃性や成形加工性が不十分であ
り、また30重量部を越えると組成物の成形品において
ピーリング、ブリスター等の発生が起こったり、耐熱
性、強度などが不十分になり好ましくない。
(B)および成分(C)の組成比が特定の範囲内の値を
とることによって、目的とする液晶ポリエステル樹脂組
成物を得ることができる。本発明において成分(A)が
1〜75重量%、成分(B)が99〜25重量%であ
り、成分(A)と成分(B)の合計量100重量部に対
して成分(C)が0.1〜30重量部添加されているこ
とが好ましい。成分(A)が1重量%未満では組成物の
流動開始温度が高過ぎ、コスト的に利点が少なく、また
75重量%を越えると組成物の耐熱性、強度などが不十
分になり好ましくない。成分(C)が0.1重量部未満
であると組成物の耐衝撃性や成形加工性が不十分であ
り、また30重量部を越えると組成物の成形品において
ピーリング、ブリスター等の発生が起こったり、耐熱
性、強度などが不十分になり好ましくない。
【0035】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物にお
いては、成分(A)が分散相、成分(B)が連続相であ
ることがより好ましい。この場合には、該組成物の耐薬
品性、耐熱性、耐衝撃性、機械的物性などが、より優れ
るので好ましい。
いては、成分(A)が分散相、成分(B)が連続相であ
ることがより好ましい。この場合には、該組成物の耐薬
品性、耐熱性、耐衝撃性、機械的物性などが、より優れ
るので好ましい。
【0036】本発明における液晶ポリエステル樹脂組成
物が優れた物性を示す理由は必ずしも明らかではない
が、ポリフェニレンエーテルに馴染みの良い成分(C)
のオイル、すなわち芳香族系オイル、ホワイトオイルが
ポリフェニレンエーテルの溶融粘度を下げ液晶ポリエス
テル連続相中でのポリフェニレンエーテルの分散粒径を
適切な大きさにしている効果が大きいものと考えられ
る。
物が優れた物性を示す理由は必ずしも明らかではない
が、ポリフェニレンエーテルに馴染みの良い成分(C)
のオイル、すなわち芳香族系オイル、ホワイトオイルが
ポリフェニレンエーテルの溶融粘度を下げ液晶ポリエス
テル連続相中でのポリフェニレンエーテルの分散粒径を
適切な大きさにしている効果が大きいものと考えられ
る。
【0037】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物にお
いては、所望により無機充填剤が用いられる。このよう
な無機充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレ
ー、シリカ、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チ
タン、アルミナ、石膏、ガラス繊維、炭素繊維、アルミ
ナ繊維、シリカアルミナ繊維、ホウ酸アルミニウムウィ
スカ、チタン酸カリウム繊維等が例示される。
いては、所望により無機充填剤が用いられる。このよう
な無機充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレ
ー、シリカ、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チ
タン、アルミナ、石膏、ガラス繊維、炭素繊維、アルミ
ナ繊維、シリカアルミナ繊維、ホウ酸アルミニウムウィ
スカ、チタン酸カリウム繊維等が例示される。
【0038】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物に、
必要に応じて、さらに、有機充填剤、酸化防止剤、熱安
定剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、無機また
は有機系着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表
面平滑剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂などの離型改良
剤などの各種の添加剤を製造工程中あるいはその後の加
工工程において添加することができる。
必要に応じて、さらに、有機充填剤、酸化防止剤、熱安
定剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、無機また
は有機系着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表
面平滑剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂などの離型改良
剤などの各種の添加剤を製造工程中あるいはその後の加
工工程において添加することができる。
【0039】本発明における液晶ポリエステル樹脂組成
物を製造する方法に特に制限はなく、周知の方法を用い
ることができる。たとえば、溶液状態で各成分を混合
し、溶剤を蒸発させるか、非溶剤中に沈澱させる方法が
挙げられる。工業的見地からみると溶融状態で各成分を
混練する方法が好ましい。溶融混練には一般に使用され
ている一軸または二軸の押出機、各種のニーダー等の混
練装置を用いることができる。特に二軸の高混練機が好
ましい。成分(A)、(B)、(C)を混合または混練
するときの順序については特に限定はない。たとえば、
成分(A)と成分(B)を溶融混練する際に成分(C)
の芳香族系オイルおよびホワイトオイルからなる群から
選ばれた少なくとも1種のオイルを添加する方法が挙げ
られる。また、あらかじめ成分(A)、成分(B)の少
なくとも一方に成分(C)のオイルを含有させておいて
から、両者を溶融混練する方法が挙げられる。
物を製造する方法に特に制限はなく、周知の方法を用い
ることができる。たとえば、溶液状態で各成分を混合
し、溶剤を蒸発させるか、非溶剤中に沈澱させる方法が
挙げられる。工業的見地からみると溶融状態で各成分を
混練する方法が好ましい。溶融混練には一般に使用され
ている一軸または二軸の押出機、各種のニーダー等の混
練装置を用いることができる。特に二軸の高混練機が好
ましい。成分(A)、(B)、(C)を混合または混練
するときの順序については特に限定はない。たとえば、
成分(A)と成分(B)を溶融混練する際に成分(C)
の芳香族系オイルおよびホワイトオイルからなる群から
選ばれた少なくとも1種のオイルを添加する方法が挙げ
られる。また、あらかじめ成分(A)、成分(B)の少
なくとも一方に成分(C)のオイルを含有させておいて
から、両者を溶融混練する方法が挙げられる。
【0040】
【発明の効果】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物
は、耐熱性、機械的物性、耐衝撃性、成形加工性、外観
および光沢の優れた樹脂組成物であり、このような特性
を生かして射出成形や押出成形により成形品、シート、
チューブ、フィルム、繊維、積層物、コーティング材等
に用いられるものである。
は、耐熱性、機械的物性、耐衝撃性、成形加工性、外観
および光沢の優れた樹脂組成物であり、このような特性
を生かして射出成形や押出成形により成形品、シート、
チューブ、フィルム、繊維、積層物、コーティング材等
に用いられるものである。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、こ
れらは単なる例示であり、本発明はこれらに限定される
ことはない。
れらは単なる例示であり、本発明はこれらに限定される
ことはない。
【0042】(I)物性測定方法 物性測定は、得られた組成物について、東芝機械(株)
製IS150E−V型射出成形機を用いて、成形温度3
00℃〜330℃、金型温度110〜130℃で射出成
形した成形品について行った。
製IS150E−V型射出成形機を用いて、成形温度3
00℃〜330℃、金型温度110〜130℃で射出成
形した成形品について行った。
【0043】ポリフェニレンエーテルの還元粘度(ηsp
/c):濃度0.5g/dlのクロロホルム溶液につい
て25℃で測定した値である。 引張強度、荷重たわみ温度(HDT):ASTM4号引
張ダンベル、HDT測定用試験片(127mm長×1
2.7mm幅×6.4mm厚)を成形し、それぞれAS
TM D638、ASTM D648に準じて引張強
度、HDT(荷重18.6kg)を測定した。 アイゾット衝撃強度:試験片(6.4mm厚)について
ノッチ無しでJISK7110に従い、室温で測定し
た。 曲げ強度:試験片(6.4mm厚)についてASTM
D790に従い、測定した。
/c):濃度0.5g/dlのクロロホルム溶液につい
て25℃で測定した値である。 引張強度、荷重たわみ温度(HDT):ASTM4号引
張ダンベル、HDT測定用試験片(127mm長×1
2.7mm幅×6.4mm厚)を成形し、それぞれAS
TM D638、ASTM D648に準じて引張強
度、HDT(荷重18.6kg)を測定した。 アイゾット衝撃強度:試験片(6.4mm厚)について
ノッチ無しでJISK7110に従い、室温で測定し
た。 曲げ強度:試験片(6.4mm厚)についてASTM
D790に従い、測定した。
【0044】射出成形品の外観は以下の基準で評価し
た。 ○:外観は美しく、色調変化などは認められない。 ×:成形品表面に色調変化などが認められる。
た。 ○:外観は美しく、色調変化などは認められない。 ×:成形品表面に色調変化などが認められる。
【0045】組成物の形態観察は、次の通り行なった。
射出成形品をミクロトームで切削して、四塩化炭素でエ
ッチングする。それを走査型電子顕微鏡を用いて観察し
て、次のように分類した。 A:ポリフェニレンエーテル部分(変性PPEおよび未
変性PPE)が分散相、液晶ポリエステル部分が連続
相。 B:ポリフェニレンエーテル部分が連続相、液晶ポリエ
ステル部分が分散相。
射出成形品をミクロトームで切削して、四塩化炭素でエ
ッチングする。それを走査型電子顕微鏡を用いて観察し
て、次のように分類した。 A:ポリフェニレンエーテル部分(変性PPEおよび未
変性PPE)が分散相、液晶ポリエステル部分が連続
相。 B:ポリフェニレンエーテル部分が連続相、液晶ポリエ
ステル部分が分散相。
【0046】流動温度:(株)島津製作所製の高化式フ
ローテスターCFT−500型で測定され、4℃/分の
昇温速度で加熱溶融体を荷重100kg/cm2 の下
で、内径1mm、長さ10mmのノズルから押し出すと
きに、該溶融粘度が48,000ポイズを示す点におけ
る温度である。この温度の低い樹脂ほど流動性が大であ
る。
ローテスターCFT−500型で測定され、4℃/分の
昇温速度で加熱溶融体を荷重100kg/cm2 の下
で、内径1mm、長さ10mmのノズルから押し出すと
きに、該溶融粘度が48,000ポイズを示す点におけ
る温度である。この温度の低い樹脂ほど流動性が大であ
る。
【0047】(II)使用した原料 (1)成分(A)のポリフェニレンエーテル (i)ηsp/c=0.49の日本ポリエーテル(株)製
ポリフェニレンエーテル。以下、該ポリフェニレンエー
テルをA−1と略記する。
ポリフェニレンエーテル。以下、該ポリフェニレンエー
テルをA−1と略記する。
【0048】(ii)ηsp/c=0.37の日本ポリエ
ーテル(株)製ポリフェニレンエーテル。以下、該ポリ
フェニレンエーテルをA−2と略記する。
ーテル(株)製ポリフェニレンエーテル。以下、該ポリ
フェニレンエーテルをA−2と略記する。
【0049】(2)成分(B)の液晶ポリエステル (i)p−アセトキシ安息香酸10.8kg(60モ
ル)、テレフタル酸2.49kg(15モル)、イソフ
タル酸0.83kg(5モル)および4,4’−ジアセ
トキシジフェニル5.45kg(20.2モル)を櫛型
撹拌翼をもつ重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌
しながら昇温し330℃で1時間重合させた。この間に
副生する酢酸を除去しながら、強力な撹拌下で重合させ
た。その後、系を徐々に冷却し、200℃で反応混合物
を系外へ取出した。この反応混合物を細川ミクロン
(株)製のハンマーミルで粉砕し、2.5mm以下の粒
子とした。これを更にロータリーキルン中で窒素ガス雰
囲気下に280℃で3時間処理することによって、流動
温度が324℃の粒子状の下記の繰り返し構造単位から
なる全芳香族ポリエステルを得た。以下該液晶ポリエス
テルをB−1と略記する。このポリマーは加圧下で34
0℃以上で光学異方性を示した。液晶ポリエステルB−
1の繰り返し構造単位は、次の通りである。
ル)、テレフタル酸2.49kg(15モル)、イソフ
タル酸0.83kg(5モル)および4,4’−ジアセ
トキシジフェニル5.45kg(20.2モル)を櫛型
撹拌翼をもつ重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌
しながら昇温し330℃で1時間重合させた。この間に
副生する酢酸を除去しながら、強力な撹拌下で重合させ
た。その後、系を徐々に冷却し、200℃で反応混合物
を系外へ取出した。この反応混合物を細川ミクロン
(株)製のハンマーミルで粉砕し、2.5mm以下の粒
子とした。これを更にロータリーキルン中で窒素ガス雰
囲気下に280℃で3時間処理することによって、流動
温度が324℃の粒子状の下記の繰り返し構造単位から
なる全芳香族ポリエステルを得た。以下該液晶ポリエス
テルをB−1と略記する。このポリマーは加圧下で34
0℃以上で光学異方性を示した。液晶ポリエステルB−
1の繰り返し構造単位は、次の通りである。
【0050】
【化15】
【0051】(ii)p−アセトキシ安息香酸8.1k
g(45モル)と6−アセトキシ−2−ナフトエ酸6.
9kg(30モル)とを櫛型撹拌翼付きの重合槽に仕込
み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながち昇温し、300℃
で30分間、320℃で30分間、そしてさらに8.0
torrの減圧下に320℃で2時間重合させた。この
間に、副生する酢酸を系外へ留出し続けた。その後、系
を徐々に冷却し、180℃で反応混合物を系外へ取出し
た。この反応混合物を前記の(i)と同様に粉砕したあ
と、ロータリーキルン中で窒素ガス雰囲気下に240℃
で5時間処理することによって、流動温度が260℃の
粒子状の下記の繰り返し単位からなる全芳香族ポリエス
テルを得た。以下該液晶ポリエステルをB−2と略記す
る。このポリマーは静置下で320℃以上で光学異方性
を示した。液晶ポリエステルB−2の繰り返し構造単位
の比率は次の通りである。
g(45モル)と6−アセトキシ−2−ナフトエ酸6.
9kg(30モル)とを櫛型撹拌翼付きの重合槽に仕込
み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながち昇温し、300℃
で30分間、320℃で30分間、そしてさらに8.0
torrの減圧下に320℃で2時間重合させた。この
間に、副生する酢酸を系外へ留出し続けた。その後、系
を徐々に冷却し、180℃で反応混合物を系外へ取出し
た。この反応混合物を前記の(i)と同様に粉砕したあ
と、ロータリーキルン中で窒素ガス雰囲気下に240℃
で5時間処理することによって、流動温度が260℃の
粒子状の下記の繰り返し単位からなる全芳香族ポリエス
テルを得た。以下該液晶ポリエステルをB−2と略記す
る。このポリマーは静置下で320℃以上で光学異方性
を示した。液晶ポリエステルB−2の繰り返し構造単位
の比率は次の通りである。
【0052】
【化16】
【0053】(3)成分(C)のオイル (i)商品名プロトール〔ウィトコケミカル社製〕(ホ
ワイトオイル) 粘度(SUS、37.8℃)=183。以下C−1と略
記する。 (ii)商品名モレスコハイルーブLB−100〔松村
石油(株)製〕(フェニルエーテル型オイル) 粘度(SUS、40℃)=100。以下C−2と略記す
る。 (iii)商品名ハイホワイト120〔日本石油(株)
製〕(ホワイトオイル) 粘度(SUS、37.8℃)=120。以下C−3と略
記する。
ワイトオイル) 粘度(SUS、37.8℃)=183。以下C−1と略
記する。 (ii)商品名モレスコハイルーブLB−100〔松村
石油(株)製〕(フェニルエーテル型オイル) 粘度(SUS、40℃)=100。以下C−2と略記す
る。 (iii)商品名ハイホワイト120〔日本石油(株)
製〕(ホワイトオイル) 粘度(SUS、37.8℃)=120。以下C−3と略
記する。
【0054】実施例1〜4、比較例1〜4 表1に示す組成で各成分を安定剤として商品名IRGA
NOX3114(チバガイギー社製)と共に配合し、東
芝機械(株)製TEM−50型二軸押出機を用いてシリ
ンダー温度320〜330℃で溶融混練して組成物を得
た。得られた組成物について諸物性を測定した。得られ
た結果を表1に示す。本発明の液晶ポリエステル樹脂組
成物は耐熱性、機械的性質、ウェルド強度などの諸物
性、溶融加工性が優れ、成形品外観も良好であり、しか
も安価な樹脂組成物であることがわかる。
NOX3114(チバガイギー社製)と共に配合し、東
芝機械(株)製TEM−50型二軸押出機を用いてシリ
ンダー温度320〜330℃で溶融混練して組成物を得
た。得られた組成物について諸物性を測定した。得られ
た結果を表1に示す。本発明の液晶ポリエステル樹脂組
成物は耐熱性、機械的性質、ウェルド強度などの諸物
性、溶融加工性が優れ、成形品外観も良好であり、しか
も安価な樹脂組成物であることがわかる。
【0055】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 91/00 LSJ 7415−4J
Claims (1)
- 【請求項1】(A)ポリフェニレンエーテル、(B)液
晶ポリエステル、および(C)芳香族系オイルおよびホ
ワイトオイルからなる群から選ばれた少なくとも1種の
オイルからなり、成分(A)が1〜75重量%、成分
(B)が99〜25重量%であり、成分(A)と成分
(B)の合計量100重量部に対して成分(C)が0.
1〜30重量部である液晶ポリエステル樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4042594A JPH05239322A (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 液晶ポリエステル樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4042594A JPH05239322A (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 液晶ポリエステル樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05239322A true JPH05239322A (ja) | 1993-09-17 |
Family
ID=12640393
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4042594A Pending JPH05239322A (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 液晶ポリエステル樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05239322A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002317111A (ja) * | 2001-04-20 | 2002-10-31 | Asahi Kasei Corp | ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物 |
WO2006041023A1 (ja) | 2004-10-14 | 2006-04-20 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | 樹脂組成物 |
CN104284939A (zh) * | 2012-05-09 | 2015-01-14 | 沙特基础创新塑料Ip私人有限责任公司 | 橡胶组合物、用于其形成的方法以及包含该组合物的汽车轮胎 |
-
1992
- 1992-02-28 JP JP4042594A patent/JPH05239322A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002317111A (ja) * | 2001-04-20 | 2002-10-31 | Asahi Kasei Corp | ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物 |
WO2006041023A1 (ja) | 2004-10-14 | 2006-04-20 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | 樹脂組成物 |
JP4750039B2 (ja) * | 2004-10-14 | 2011-08-17 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 樹脂組成物 |
US8691898B2 (en) | 2004-10-14 | 2014-04-08 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | Resin composition |
CN104284939A (zh) * | 2012-05-09 | 2015-01-14 | 沙特基础创新塑料Ip私人有限责任公司 | 橡胶组合物、用于其形成的方法以及包含该组合物的汽车轮胎 |
JP2015517591A (ja) * | 2012-05-09 | 2015-06-22 | サビック グローバル テクノロジーズ ベスローテン フェンノートシャップ | ゴム組成物、その形成方法および該組成物を含む自動車用タイヤ |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |