JP4010045B2 - ウエルド部を有するポリプロピレンテレフタレート樹脂成形品 - Google Patents

ウエルド部を有するポリプロピレンテレフタレート樹脂成形品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄肉剛性、薄肉衝撃特性、耐加水分解性に優れ、とりわけ薄肉ウエルド強度に優れたポリプロピレンテレフタレート樹脂成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリブチレンテレフタレートに代表される熱可塑性ポリエステルは優れた成形性と機械特性、耐熱性、耐薬品性、耐候性、電気的特性から自動車、電気・電子部品などの広い分野で使用されている。しかしながら、近年、電気・電子部品、OA機器に関しては、電気機器の小型化、集積化に伴い、成形品の薄肉化および成形品形状の複雑化が進んでいる。その結果、ウエルド部を有する薄肉成形品が多くなっている。ウエルド部とは成形の時金型キャビティー内で2つ以上の樹脂の流動先端界面が合流して融着する部分であるが、該ウエルド部のウエルド部の機械特性は顕著に低くなるといった問題点を有している。特に複雑な形状の成形品の成形には成形品の金型キャビティーに2カ所以上のゲートを設けて射出成形することが多いが、このような2カ所以上のゲートによる成形品にはウエルド部の形成が避けられず、ウエルド部分の機械的特性の低下は避けられない。
【0003】
熱可塑性ポリエステルもまた電気機器の小型化、集積化に伴い、成形品の薄肉化および成形品形状の複雑化が進み、ウエルド部を有する薄肉成形品が多くなり、その結果、薄肉剛性、薄肉衝撃特性、ウエルド強度向上が強く望まれるようになった。また、得られた成形品が自動車用途などで使用される場合、その使用条件が高温・高湿などの過酷な条件であるため、薄肉剛性、薄肉衝撃特性、ウエルド強度以外にさらに耐加水分解性などの特性についても要求されるようになってきた。
【0004】
耐加水分解性を向上する手段として、特開昭60−231757号公報などに示される芳香族ポリカーボネートやグリシジル基含有共重合体をポリエステル樹脂に配合する方法が、衝撃特性を向上する手段として特開昭57−100154号公報などに示されるビニル系重合体やグリシジル基含有ビニル系共重合体を配合する方法、また、特開昭61−283653号公報には変性ポリオレフィンを配合する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開昭60−231757号公報に開示されている方法では、ウエルド部を有する成形品を高温・高湿下で処理した場合、成形品の劣化がウエルド部から発生し、近年の要求特性を十分に満足するものではなかった。また該技術は薄肉剛性、薄肉衝撃特性を向上させるものではなかった。また特開昭57−100154号公報、特開昭61−283653号公報に開示されている方法も、同様に高温・高湿下で処理した場合、ウエルド部からの劣化が生じるといった問題点を有していた。また、該技術により薄肉衝撃特性はある程度改良されるものの、初期剛性が低下するといった問題点を有していた。
【0006】
本発明は、上述の問題点を解決し、薄肉剛性、薄肉衝撃特性、とりわけ薄肉ウエルド強度、薄肉ウエルド部の耐加水分解性に優れた成形品を得ることを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリエステル樹脂の内、特にポリプロピレンテレフタレート樹脂は、薄肉剛性、薄肉衝撃特性、とりわけ薄肉ウエルド部分の機械的特性に優れることに注目し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明は、ポリプロピレンテレフタレート樹脂100重量部に対して、ガラス転移温度が20℃以下のオレフィン系エラストマー5〜100重量部を配合し、さらにジエポキシ化合物を0.01〜5重量部を含有せしめてなりポリプロピレンテレフタレート樹脂マトリックス相中に、ガラス転移温度20℃以下のエラストマーからなる分散相が存在し、かかる分散相の平均粒径が20ミクロン以下であるウエルド部を有するポリプロピレンテレフタレート樹脂成形品である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の樹脂組成物について具体的に説明する。
【0010】
本発明のウエルド部を有する成形品は、ポリプロピレンテレフタレート樹脂を成形することにより得られる。
【0011】
本発明のポリプロピレンテレフタレート樹脂とは、テレフタル酸を酸成分に、1,3−プロピレングリコールをグリコール成分に用いた熱可塑性ポリエステルを指すが、このほかに本発明の目的を損なわない範囲で酸成分として、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シュウ酸、アジピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などを、また、グリコール成分として、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノール−Aのエチレンオキシド付加物などを一部用いることができる。
【0012】
共重合する場合の共重合量は、本発明の目的を損なわない範囲であれば特に制限はないが、通常、酸成分の30モル%以下、あるいはグリコール成分の30モル%以下であることが好ましい。
【0013】
本発明に用いるポリプロピレンテレフタレート樹脂の製造方法については特に限定するものではなく、公知のポリエステルの重縮合方法に準じて製造できる。
【0014】
このようなポリエステル樹脂の分子量は特に制限はないが、通常、フェノール/テトラクロロエタン=1/1の混合溶液を用いて25℃で測定した固有粘度(dl/g)が、0.10〜3.00を使用することができるが、好ましくは0.25〜2.50、特に好ましくは0.40〜2.25である。
【0015】
また、本発明のウエルド部分を有する成形品は、ガラス転移温度が20℃以下のエラストマーを添加すると薄肉衝撃特性および高温高湿下におけるコネクターの劣化による機械強度の低下を改善することができる。
【0016】
ガラス転移温度が20℃以下のエラストマーであれば特に制限はないが、オレフィン系エラストマー、ナイロン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリエステルポリエーテル系エラストマー、ポリエステルポリエステル系エラストマー、ポリエステルポリアミド系エラストマーなどが好ましく、さらに好ましくは、オレフィン系エラストマー、ポリエステルポリエーテル系エラストマー、特に好ましくは、オレフィン系エラストマーである。このようなオレフィン系エラストマーの具体例としては、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/共役ジエン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−マレイミド共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−N−フェニルマレイミド共重合体、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/2,5−ノルボルナジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン−g−N−フェニルマレイミド共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/ブタジエン/スチレン−g−無水マレイン酸ブロック共重合体、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体を水素添加した後、無水マレイン酸をグラフト化して得られるスチレン・エチレン/ブチレン・スチレン−g−無水マレイン酸ブロック共重合体、スチレン/イソプレン−g−無水マレイン酸ブロック共重合体、エチレン/アクリル酸アイオノマー、エチレン/メタクリル酸アイオノマー、エチレン/イタコン酸アイオノマーなどを挙げることができ、これらは各々単独あるいは混合物の形で用いることができる。
【0017】
また、このようなオレフィン系エラストマーは、ポリプロピレンテレフタレート樹脂との相溶性を向上させることを目的として、さらにポリマー分子中あるいはポリマー末端に水酸基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸金属塩基、カルボン酸無水物基、イミド基等の内、少なくとも一種類の官能基が化学的に結合したポリオレフィンエラストマーを使用することもできる。
【0018】
あるいは、これらのオレフィン系エラストマーは、ポリプロピレンテレフタレートとの相溶性を向上させるために、溶融混練時にアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メチルマレイン酸、メチルフマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタル酸およびこれらカルボン酸の金属塩、マレイン酸水素メチル、イタコン酸水素メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸アミノエチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ−(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸、エンドビシクロ−(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物、マレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジルなどを添加することにより、オレフィン系エラストマーやポリプロピレンテレフタレートを化学的に変性することもできる。
【0019】
本発明においてガラス転移温度が20℃以下のエラストマーの添加量は、ポリプロピレンテレフタレート樹脂100重量部に対して、通常、5〜100重量部であり、好ましくは10〜60重量部、さらに好ましくは15〜40重量部である。
【0020】
なかでもエラストマーを比較的少量使用する場合、樹脂組成物中のエラストマーは、マトリックスとしてのポリプロピレンテレフタレート樹脂中に分散相として存在する。本発明の組成物によって得られた成形品がより優れた衝撃強度を保有するには、微分散していることが望ましい。樹脂組成物中の混合状態を評価する方法の一つとして分散相の粒径を評価尺度とする方法があるが、本発明の樹脂組成物にエラストマーを配合する場合、エラストマー部分の分散平均はエラストマーの長径が20ミクロン以下が好ましく、さらに好ましくは10ミクロン以下である。
【0021】
また、本発明の樹脂からなる成形品の耐衝撃性、耐加水分解性の向上を目的としてさらにエポキシ化合物を配合することができる。
【0022】
このようなエポキシ化合物としてはエポキシ基を分子中含有するエポキシ化合物であれば特に制限はないが、モノエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、トリエポキシ化合物が好ましく、特にジエポキシ化合物を好ましく使用することができる。このようなジエポキシ化合物としては、具体的に下記一般式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)で表されるジエポキシ化合物を使用することができる。
【0023】
【化1】
Figure 0004010045
(nは1以上の整数を表す。)
このようなエポキシ化合物の添加量は、ポリプロピレンテレフタレート樹脂100重量部に対して、通常、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部、さらに好ましくは0.2〜1重量部である。
【0024】
本発明のウエルド部を有する成形品は、薄肉剛性、耐熱性の向上を目的として、充填材を配合することができる。このような充填材としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、アスベスト、チタン酸カリウムウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカー、ワラステナイト、ガラスフレーク、ガラスビーズなどが挙げられる。
【0025】
上記充填剤中、ガラス繊維が好ましく使用される。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップトストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。
【0026】
本発明の充填剤の添加量は、ポリプロピレンテレフタレート樹脂100重量部に対して通常1〜200重量部であり、好ましくは5〜150重量部、より好ましくは10〜100重量部である。
【0027】
また、本発明のウエルド部分を有するポリプロピレンテレフタレート樹脂成形品に結晶核剤を添加すると薄肉剛性が向上する。
【0028】
本発明の結晶核剤としては、ポリプロピレンテレフタレート樹脂の結晶化を促進する化合物であれば特に制限はないが、タルク、マイカ、カオリン、シリカ、クレーや無機カルボン酸塩、無機スルホン酸塩、金属酸化物、炭酸塩、有機カルボン酸塩、有機スルホン酸塩などが好ましく使用され、これらの中で、タルク、マイカ、カオリンが特に好ましく使用することができる。
【0029】
本発明の結晶核剤の添加量は、通常ポリプロピレンテレフタレート樹脂100重量部に対して0.01〜20重量部、好ましくは0.02〜15重量部、さらに好ましくは0.03〜10重量部である。
【0030】
さらに、本発明のウエルド部を有するポリプロピレンテレフタレート樹脂成形品には、本発明の目的を損なわない範囲でヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系酸化防止剤などの酸化防止剤や熱安定剤、紫外線吸収剤(例えばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、滑剤および離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステラアマイドおよびエチレンワックスなど)、着色防止剤(亜リン酸塩、次亜リン酸塩など)、核剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、および染料・顔料を含む着色剤(硫化カドミウム、フタロシアニンなど)などの通常の添加剤を1種以上添加することができる。 また、本発明の樹脂組成物は、通常公知の方法で製造される。例えば、ポリプロピレンテレフタレート樹脂、充填材およびその他の必要な添加剤を予備混合して、またはせずに押出機などに供給して、230℃〜280℃の温度範囲において十分溶融混練することにより調製される。この場合、例えば”ユニメルト”タイプのスクリューを備えた単軸押出機、二軸、三軸押出機およびニーダタイプの混練機などを用いることができ、特にアスペクト比をコントロールすることから、スクリューにニーディングエレメントを数個挿入あるいは挿入しないことにより使用することが好ましい。
本発明のウエルド部分を有する成形品は、上記のポリプロピレンテレフタレート樹脂あるいはポリプロピレンテレフタレート樹脂組成物を通常公知の方法で射出成形することにより容易に得ることができ、例えば射出成形、押出成形、圧縮成形などの成形品、シート、フィルムなどの成形物品とすることができる。 なかでもウエルド部を有する射出成形品用途に特に好適であり、その特徴を活かして機械機構部品、電気・電子部品、OA機器部品、自動車部品として有効に用いることができる。
【0031】
例えば、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEPランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケーススイッチコイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品複写機関連部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受、などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、パソコン、プリンター、ディスプレー、CRTディスプレー、ファックス、コピー、ワープロ、ノートパソコン、DVDドライブ、PDドライブ、フロッピーディスクドライブなどの記憶装置のハウジング、リレー、スイッチ、ケース部材、トランス部材、コイルボビンなどの電気・電子機器部品、OA機器部品、自動車部品、機械機構部品、その他各種用途に有用である。特に、薄肉剛性、薄肉衝撃特性、薄肉ウエルド強度、ウエルド部の耐加水分解性などの特徴から、上記用途の中でもウエルド部を有するコネクターやハウジング用途に好適である。
【0032】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
【0033】
なお、実施例および比較例中に記載されている諸特性は以下の方法で測定した。
【0034】
<評価項目>
・引張強度 :成形品厚み1mmの引張ダンベルを用い、ASTMーD638に従って測定した。
【0035】
・曲げ弾性率 :ASTM D790従って測定した。
【0036】
・耐衝撃性 :成形品厚み1/8’の衝撃試験片を用いASTMーD256に従って測定した。
【0037】
・ウエルド強度試験:ASTM4号引張試験片を、試験片の両端にゲートを有する金型を用いて成形を行った。得られた試験片をASTMーD638に基づいて引張強度を測定した。
【0038】
・耐加水分解性:ASTM4号引張試験片を、試験片の両端にゲートを有する金型を用いて成形を行い、得られた試験片を121℃、100RH%下で、1000時間放置したサンプルの引張強度を測定し、強度保持率=処理後/処理前×100(%)より引張強度保持率を算出した。
【0039】
本発明で用いるポリプロピレンテレフタレートは、次の方法により製造した。
【0040】
参考例1 ポリプロピレンテレフタレートの製造
5lのオートクレーブ中にテレフタル酸2.0kg、1,3−プロピレングリコール1.3kgを計量し、オートクレーブ内温180℃に設定した。内温120℃になった時点でテトラブチルチタネート2.0gとモノヒドロキシスズオキシド2.0gを添加した後、内温180℃で1時間撹拌した。その後、2時間かけて250℃に昇温すると同時に、減圧度0.5mmHgまで減圧にした。その後、約1時間反応させ、トルクが一定になった時点で、ポリマーを吐出した。フェノール/テトラクロロエタン=1/1の混合溶媒を用いて25℃で測定した固有粘度は1.3であった。
【0041】
また、本実施例、比較例で使用した樹脂組成物は下記方法により製造し、射出成形により測定試料を作製した。
【0042】
熱可塑性樹脂(A)および参考例で製造したポリプロピレンテレフタレート(B)およびその他の必要な添加剤を混合し、30mmΦ二軸押出機を用いて熱可塑性樹脂の融点+30℃で溶融混練した。得られたペレットを乾燥後、住友ネスタール射出成形機・プロマット40/25(住友重機械工業(株)製)に供給し、シリンダー温度:ポリマー融点+30℃、金型温度80℃の条件で成形した。
【0043】
尚、実施例で使用した熱可塑性ポリエステル樹脂およびその他の添加剤は、次の通りである。
【0044】
・ポリブチレンテレフタレート(PBT):東レPBT1100S(東レ(株)製)を使用した。
【0045】
・ガラス転移温度20℃以下のエラストマー:グリシジルメタクリレート変性共重合ポリエチレン(”ボンドファースト”EPX−6、住友化学社製)を使用した。
【0046】
・エポキシ化合物:下記一般式(1)で表されるジエポキシ化合物を使用した。
【0047】
【化2】
Figure 0004010045
・結晶核剤:タルク”LMS−300、富士タルク社製)を使用した。
【0048】
実施例1、比較例1
参考例で得られた樹脂ペレットを住友ネスタール射出成形機プロマット40/25(住友重機械工業(株)製)に供し、260℃で各成形品を射出成形して得た。結果を表1に示す。
【0049】
実施例1、比較例1の測定結果より、ポリプロピレンテレフタレート樹脂は薄肉剛性、薄肉衝撃特性に優れ、かつ、ウエルド強度に優れ、また高温高湿処理によるウエルド強度の低下が小さいことがわかる。一方ポリブチレンテレフタレート樹脂は、薄肉剛性に劣り、さらにウエルド強度、ウエルド部の耐加水分解性に劣ることがわかる。
【0050】
実施例2〜3、比較例2〜3
参考例で得られた樹脂ペレットとその他の添加剤をL/D=45の30mm2軸押出機を用いて260〜280℃で溶融混練してペレットとした。熱風乾燥後、このペレットを住友ネスタール射出成形機プロマット40/25(住友重機械工業(株)製)に供し、各成形品を260℃で射出成形して得た。
【0051】
尚、得られた樹脂組成物中のエラストマーの分散粒径を測定するため、評価用試験片をウルトラミクロトームを用いて、薄片を切り出し、これを光学顕微鏡(透過光)および透過型電子顕微鏡を用いて写真撮影し、この顕微鏡写真から無作為に選んだ個体数100個の長径を測定し、その平均値を算出した。その結果、樹脂組成物中のエラストマーの分散粒径は1.6μm以下と極めて微分散していた。結果を表1に示す。
【0052】
実施例2〜3に示したように、ガラス転移温度が20℃以下のエラストマーやエポキシ化合物あるいは結晶核剤を添加することにより、薄肉剛性、ウエルド強度、耐加水分解性を低下させることなく、薄肉衝撃強度が向上することがわかる。一方、PBTに同じようにガラス転移温度が20℃以下のエラストマーやエポキシ化合物を配合した場合、薄肉衝撃特性は、確かに向上するものの、薄肉剛性、ウエルド強度、ウエルド部の耐加水分解性に劣ることがわかる。
【0053】
【表1】
Figure 0004010045
【0054】
【発明の効果】
本発明のウエルド部を有するポリプロピレンテレフタレート樹脂からなる成形品は薄肉剛性、薄肉衝撃特性、とりわけ薄肉ウエルド強度に優れ、さらに高温高湿下におけるウエルド部の耐加水分解性に優れている。

Claims (6)

  1. ポリプロピレンテレフタレート樹脂100重量部に対して、ガラス転移温度が20℃以下のオレフィン系エラストマー5〜100重量部を配合し、さらにジエポキシ化合物を0.01〜5重量部を含有せしめてなりポリプロピレンテレフタレート樹脂マトリックス相中に、ガラス転移温度20℃以下のエラストマーからなる分散相が存在し、かかる分散相の平均粒径が20ミクロン以下であるウエルド部を有するポリプロピレンテレフタレート樹脂成形品。
  2. オレフィン系エラストマーが、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体である請求項1に記載のウエルド部を有するポリプロピレンテレフタレート樹脂成形品。
  3. ポリプロピレンテレフタレート樹脂100重量部に対して結晶核剤0.01〜20重量部を含有せしめた請求項1〜いずれかに記載のウエルド部を有するポリプロピレンテレフタレート樹脂成形品。
  4. 結晶核剤が、タルク、マイカ、カオリン、シリカ、クレー、無機カルボン酸塩、無機スルホン酸塩、金属酸化物、炭酸塩、有機カルボン酸塩、有機スルホン酸塩から選ばれる1種または2種以上の混合物である請求項に記載のウエルド部を有するポリプロピレンテレフタレート樹脂成形品。
  5. 樹脂成形品が、機械機構部品、電気部品、OA機器部品、自動車部のいずれか一種である請求項1〜4いずれかに記載のウエルド部を有するポリプロピレンテレフタレート樹脂成形品。
  6. 樹脂成形品が、コネクターまたはハウジングである請求項1〜5いずれかに記載のウエルド部を有するポリプロピレンテレフタレート樹脂成形品。
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